JP2002370035A - 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法 - Google Patents
排気ガス浄化用触媒及びその製造方法Info
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Abstract
ス浄化用触媒及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 ウィスカ3を分散させた短繊維スラリー
を造粒することによって、前記ウィスカ3によって外側
が覆われその内部に中空部5が形成された造粒粉1を作
製するステップと、この造粒粉1を加圧成形することに
よって、中空部5を形成した造粒粉1を含む圧粉体7を
作製するステップと、該圧粉体7を触媒スラリー中に浸
漬させ、乾燥させるステップとを含んでなる排気ガス浄
化用触媒の製造方法である。
Description
又は特殊車等の種々の車両において発生する排気ガスを
浄化するための排気ガス浄化装置、該装置に用いられる
触媒、該触媒に用いられる担体及びそれらの製造方法に
関する。
トやハニカム等の担体にアルミナ等を主成分とするウォ
ッシュコートを塗布し、このウォッシュコートの上から
貴金属などの触媒成分や助触媒成分を担持したものが用
いられている。しかし、地球環境対策が益々重視されて
いる近年において、自動車の排気ガスを浄化する効率を
上げるため、ハニカムを用いた触媒の場合は、特に壁を
薄くし、セルの数を多くしている。しかし、これでは排
気ガスを排出する圧力の上昇を招く結果となってしま
い、自動車などパワーを求められるものに使用するに
は、更なる工夫が必要であった。
00−271479号に示すようにウィスカなどを担体
に混入するもの、特開平7−187832号に示すよう
にハニカム上にウィスカ層を気相成長させるものなどが
あるが、本発明に係る触媒とは用途が異なる。また、ウ
ィスカ層を形成する気相成長は成長速度が遅いため、実
際の工業的生産には適さない。
ピストン上面の強度を増加させるために、ウィスカで圧
粉体を作って金属を鋳込む製造方法において、ウィスカ
の異方性を維持する方法が示されている。しかし、この
方法は密度が高く、高い圧力を必要とするので、このま
までは排気ガスのスムーズな流れは望むことができな
い。また、特開昭58−3643号には、ウィスカに触
媒成分を形成する方法が示されているが、ウィスカにつ
いての言及はない。
解決し、コストが安価で、高い浄化率を有する排気ガス
浄化用触媒及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
化用触媒の担体の製造方法は、前記目的を達成するた
め、短繊維を分散させた短繊維スラリーを造粒すること
によって、前記短繊維によって外側が覆われその内部に
中空部が形成された粉状体を作製するステップと、この
粉状体を加圧成形することによって、中空部が維持され
た粉状体を含む圧粉体である担体を作製するステップと
を含んだ方法である。
いるため、この短繊維スラリーを例えばスプレードライ
ヤーに噴射すると、表面張力によって内部に水分を包含
して外部が短繊維スラリーによって覆われた状態の粒状
体が形成される。こののち、スプレードライヤーの熱に
よって水分が蒸発すると、内部が中空に形成された粉状
体が生成される。この粉状体は、ランダムな三次元方向
に配列された短繊維によって外部が覆われている。そし
て、前記圧粉体を触媒成分を含んだ触媒スラリー等に浸
漬させることによって、短繊維の表面に触媒成分を担持
させた排気ガス浄化触媒を作製することができる。
体の粒径及び粉状体の中空部の大きさは、造粒条件によ
って所望の大きさに変えることができる。例えば、造粒
時の温度、水分量、スプレードライヤーに短繊維スラリ
ーを導入する際の導入速度やスプレードライヤーの回転
子の回転速度などに応じて変えることができる。さら
に、前記圧粉体においても粉状体の中空部はそのまま維
持されており、該中空部の大きさや圧粉体の強度を加圧
条件によってコントロールすることができる。成形に用
いる加圧力は5〜20kgf/cm2が好ましく、繊維体積率
は5〜40%が好ましく、圧粉体の気孔率とハンドリン
グの兼ね合いに応じて適宜選択をする。そして、造粒後
の平均粒子径が大きくなると、圧粉体の空隙も大きくな
り、排気ガス浄化率も向上する。
担体の製造方法の一態様では、前記短繊維としてホウ酸
アルミニウムウィスカを用いることができる。さらに、
本発明に係る排気ガス浄化用触媒の担体の製造方法の別
の態様では、前記粉状体を、短繊維スラリーを加熱状態
のスプレードライヤー中に噴霧するスプレードライによ
って造粒することができる。
を導入する際の導入速度、及び回転子の回転速度を制御
することによって、所望の粒径の造粒粉を得ることがで
きる。スプレードライヤーの回転子の回転速度は、スプ
レードライヤーにおける加熱室の大きさなどによって変
える必要があるが、5,000〜20,000rpmと
することが好ましい。そして、本発明に係る排気ガス浄
化用触媒の担体の製造方法の更に別の態様では、大きさ
の異なる複数種類の造粒粉を混合し、加圧成形すること
によって前記担体を作製している。
製造方法は、前記したいずれかの短繊維スラリーに、触
媒成分を含む触媒スラリーを添加したのち造粒し、これ
によって得られる造粒粉を加圧成形する方法である。
の製造方法の一態様は、前述した方法によって作製され
た担体を、触媒成分を含む触媒スラリー中に浸漬し乾燥
させる方法である。これによって、担体中の短繊維の表
面に触媒成分、例えば白金やロジウム等を効率的に担持
することができる。これによって得られた触媒は、担体
のランダムな中空により、多くの浄化に有効な触媒成分
を担持しつつ、各内燃機関の特性に合わせた担体及び触
媒を作製することが可能である。
性によって、触媒中に導入された排気ガスの流れを効率
良く分散させることができる。このため、触媒中を通る
排気ガスがランダムな方向に流れるようになり、排気ガ
スと触媒成分との接触時間が長くなって、浄化率の向上
を図ることができる。この中空部によって、より多くの
反応の場を持つことができるため、同じ浄化率を得るに
あたり、小型化及び軽量化を図ることができる。よっ
て、コストを安価に抑えることができ、また、熱伝達が
早くなるため、浄化効率も向上する。
の担体として、前記した方法によって作製された圧粉体
を用いることができる。なお、本発明に係る排気ガス浄
化用触媒として、前述した方法によって作製された排気
ガス浄化用触媒を用いることができる。この触媒は、外
部がウィスカによって覆われた粉状体によって構成され
ているため、ウィスカ同士の間に形成された隙間を排気
ガス分子が容易に通過することができ、触媒を通過する
排気ガスの排出圧力を小さくしても、排気ガスの浄化効
率を高めることができる。さらに、本発明に係る排気ガ
ス浄化装置は、前記触媒を用いて構成している。
る排気ガス浄化用触媒の製造方法について、図面を用い
て詳細に説明する。
ィスカをバインダ及び溶媒に添加したのち、撹拌又はボ
ールミルなどにより均一に分散させてスラリー(以下、
ウィスカスラリーという)を作製する。次いで、このウ
ィスカスラリーを加熱状態のスプレードライヤ中に噴霧
して、いわゆるスプレードライを施すことにより、造粒
粉を作製する。この場合、噴霧したウィスカスラリーの
液滴は内部に水分が包含された状態で表面張力により球
状になって飛散するが、瞬時に乾燥することにより造粒
され、外側がウィスカによって覆われて内部に中空を有
する造粒粉となる。
1は、ランダムな三次元方向に延びるウィスカ3によっ
て外側が覆われており、図2に示すように、その内側が
中空部5に形成されている。このとき、ウィスカスラリ
ーのスプレードライヤへの導入速度や回転子の回転数な
どの造粒条件に応じて、造粒粉1の粒径を変えることが
できる。例えば、その乾燥室の温度が200℃まで加熱
されて、10,000rpmの速度で回転しているスプ
レードライヤ中に、前記ウィスカスラリーを250g/
分の割合で噴霧してスプレードライヤを施すことによっ
て、平均粒子径が100μmの大きさの造粒粉1を作製
することができる。
形することによって、図3に示すような圧粉体7(担
体)を作ることができる。図4に示すように、加圧成形
したのちも、造粒粉1内の中空部5は維持されており、
加圧成形の際の圧力や型内の雰囲気等の成形条件を制御
することによって、前記中空部5の大きさを適宜変える
ことができ、気孔率が高くかつウィスカ3が三次元的な
方向性を保った圧粉体7を作ることができる。図4に示
すように、圧粉体7の全体において、造粒粉1内の中空
部5の大きさはほぼ同じ大きさに形成されている。
ラリー中に浸漬したのち乾燥させることによって、造粒
粉1を構成するウィスカ3の表面に触媒成分を担持する
ことができる。この触媒スラリーには、例えば触媒成分
である白金やロジウム及び、助触媒の成分、γ−アルミ
ナなどが含有されている。
ちに触媒スラリーを塗布する実施の形態について説明を
したが、該触媒スラリーを予め添加して混合スラリーを
作製してから、造粒するようにしても良い。つまり、ま
ず、ウィスカをバインダ、溶媒及び触媒スラリーに添加
したのち、撹拌又はボールミルなどにより均一に分散さ
せてスラリー(以下、混合スラリーという)を作製す
る。次いで、この混合スラリーにスプレードライを施す
ことにより、造粒粉を作製する。この造粒粉は外側がウ
ィスカによって覆われて内部に中空を有する造粒粉であ
り、また、ウィスカの表面には触媒成分が担持されてい
る。そして、前記造粒粉を加圧成形することによって、
触媒である圧粉体を作製することができる。
を構成するウィスカ3の表面には、図5に示すように、
アルミナウォッシュコート9が塗布されており、該アル
ミナウォッシュコート9の外側に触媒成分11及び助触
媒成分13がほぼ均等に担持されている。このように、
均等に触媒成分11及び助触媒成分13が担持されるこ
とによって、触媒の排気ガスに対する浄化率を向上させ
ることができる。なお、図6に示すように、中空部15
の大きさが触媒17の全体に亘って様々に異なる場合
も、高い浄化率が得られる。
いて簡単に説明をする。図7に示すように、触媒23を
構成する造粒粉1は内部に中空部5を有するため、排気
ガス25を触媒23に導入すると、造粒粉1の境界面の
間を縫うようにランダムな方向に流れる。このため、排
気ガス25が触媒23中を通り抜けるまでに長い距離を
通ることになり、排気ガス25が触媒成分11及び助触
媒成分13(図5参照)と接触する時間も長くなる。よ
って、例えば、従来のハニカム形状の触媒等よりも排気
ガスの浄化率を向上させることができる。
明する。初めに、本発明例1の内容について、表1を参
考にしながら説明をする。
l2O3・2B2O3)、有機バインダとしてのPVA、分
散剤及び添加剤を水と混合して撹拌し、ボールミルにて
均一に分散させることによってウィスカスラリーを作製
した。前記ホウ酸アルミニウムウィスカの寸法は、結晶
径が0.5〜1μm、結晶長さが10〜30μmであっ
た。また、分散剤はシランカップリング剤を用い、添加
剤は、無機バインダーを用いた。そして、混合比率は、
ホウ酸アルミニウムウィスカ:PVA:分散剤:添加
剤:水をそれぞれ、500:3:1:2.5:2300
とした。
加熱されて、10,000rpmの速度で回転している
スプレードライヤ中に、前記ウィスカスラリーを250
g/分の割合で噴霧してスプレードライヤを施すことに
よって、平均粒子径が100μmの造粒粉を作製した。
この得られた造粒粉を10kgf/cm2 の圧力によっ
て加圧成形し、径がφ28mm、高さが5mmである円
柱状の圧粉体(触媒の担体)を得た。この圧粉体を触媒
スラリー(触媒成分、γ−アルミナ、助触媒成分を含
む)に浸漬させ、ホウ酸アルミニウムウィスカの表面に
触媒成分を担持させることによって、排気ガス浄化用触
媒を得た。この触媒成分は、Pt(白金)とRh(ロジ
ウム)を、Pt/Rh=5/1の割合でかつ1.0g/
L担持したものである。
状の排気ガス(温度は450±5℃)を通して、排気ガ
スの浄化率を測定した。
化率を100とした浄化率について相対評価を行った。
そして、本発明例2〜7の各条件と結果をあわせて表1
に示す。ここで、本発明例6は、予め、ウィスカスラリ
ーに触媒スラリーを混合した後に造粒し、これによって
得られた造粒粉を加圧成形して圧粉体(触媒)を作製し
たもの、本発明例7は異なる平均粒径(40μm、10
0μm)の造粒粉を混合したのち、加圧成形して圧粉体
(担体)を作製し、この圧粉体を触媒スラリー中に浸漬
したものである。
加圧成形後の焼成温度は、バインダ蒸発に必要な温度
で、かつ触媒性能に影響を及ぼさないように500℃と
した。表1の結果から、バインダ(PVA)の量を多
く、回転速度を遅く、成形圧力を低くすることで、浄化
率を向上させることができることが判明した。また、本
発明例6のように、ウィスカスラリーに触媒スラリーを
混合し造粒した場合、浄化率は高くなった。これは、図
5に示すように、ウィスカ3に均等に触媒成分11及び
助触媒成分13が担持されたためと考えられる。また、
造粒条件、加圧成形条件を変えることにより、任意の大
きさの空隙をもつ担体及び触媒を成形することができる
ことも確認された。
び触媒を作るには、バインダの量はウィスカの0.01
〜0.5%、望ましくは0.05〜0.1%、スプレー
ドライヤーの回転子の回転速度は5,000〜20,0
00rpmとすることが好ましいことが判明した。ただ
し、これらの条件はスプレードライヤーにおける加熱室
の大きさなどによって選択する必要がある。さらに、成
形に用いる加圧力は5〜20kgf/cm2が好ましく、Vf
(繊維体積率)は5〜40%が好ましく、圧粉体の気孔
率とハンドリングの兼ね合いに応じて適宜選択をする。
そして、造粒後の平均粒子径が大きく(60μm以上)
なると、圧粉体の空隙も大きくなり、排気ガス浄化率も
向上することが判明した。
に限定されることなく、本発明の技術思想に基づいて、
種々の変更及び変形が可能である。例えば、前記本発明
の実施の形態においては、外側がウィスカで覆われ、内
部に中空部を有する粉状体を作製する手段として造粒に
ついて説明をしたが、この造粒以外の半湿式などの手段
によっても粉状体を作製することが可能である。ここ
で、半湿式とは、水分を少し多めにして撹拌を行うこと
によって粉状体が形成される作用を利用して粉状体を作
製する方法である。
する造粒粉aとbを作製する際に、それぞれ別の触媒ス
ラリーa'とb'を混合して造粒粉AとBを得、これらを
混合して加圧成形することによって触媒を作製しても良
く、触媒成分を塗布及び担持する時期は限定されない。
また、圧粉体の形状は、前記本発明の実施の形態におい
ては、円柱形としたが、その厚さ(軸方向の高さ寸法)
は限定されるものではないが、圧損を考慮すると小さい
方が望ましい。さらに、形状についても、凹凸を有する
形状やレンズ型なども有効であり、特定の形状に限定さ
れるものではない。
とによって、触媒を構成する粉状体の中空部の大きさを
変えることができるため、各内燃機関の特性に合わせた
担体及び触媒を作製することが可能である。また、粉状
体を構成する短繊維の異方性により、排気ガスが通過す
る流れを効率良く分散させることができる。
図である。
示す断面図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 短繊維を分散させた短繊維スラリーを造
粒することによって、前記短繊維によって外側が覆われ
その内部に中空部が形成された粉状体を作製するステッ
プと、この粉状体を加圧成形することによって、中空部
が維持された粉状体を含む圧粉体を作製するステップと
を含むことを特徴とする排気ガス浄化用触媒の担体の製
造方法。 - 【請求項2】 前記短繊維がホウ酸アルミニウムウィス
カであることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄
化用触媒の担体の製造方法。 - 【請求項3】 前記粉状体を、短繊維スラリーを加熱し
たスプレードライヤー中に噴霧する造粒によって作製す
ることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気ガス浄
化用触媒の担体の製造方法。 - 【請求項4】 大きさの異なる複数種類の粉状体を混合
し、加圧成形することによって前記担体を作製したこと
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の排気ガス
浄化用触媒の担体の製造方法。 - 【請求項5】 前記請求項1〜4のいずれかに記載の短
繊維スラリーに、触媒成分を含む触媒スラリーを添加し
たのち造粒し、これによって得られる造粒粉を加圧成形
することを特徴とする排気ガス浄化用触媒の製造方法。 - 【請求項6】 前記請求項1〜4のいずれかの方法によ
って作製された圧粉体を、触媒成分を含む触媒スラリー
中に浸漬し乾燥させることを特徴とする排気ガス浄化用
触媒の製造方法。 - 【請求項7】 前記請求項1〜4に記載された方法によ
って作製されたことを特徴とする排気ガス浄化用触媒の
担体。 - 【請求項8】 前記請求項5又は6に記載された方法に
よって作製されたことを特徴とする排気ガス浄化用触
媒。 - 【請求項9】 前記請求項8に記載された触媒を用いた
ことを特徴とする排気ガス浄化装置。
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