JP2002369623A - 建造物の緑化設備 - Google Patents

建造物の緑化設備

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JP2002369623A
JP2002369623A JP2001181090A JP2001181090A JP2002369623A JP 2002369623 A JP2002369623 A JP 2002369623A JP 2001181090 A JP2001181090 A JP 2001181090A JP 2001181090 A JP2001181090 A JP 2001181090A JP 2002369623 A JP2002369623 A JP 2002369623A
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water
planting
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water distribution
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JP2001181090A
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Tatsuo Akai
龍男 赤井
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Phytoculture Control Co Ltd
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Phytoculture Control Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 設備全体の軽量化を図り、また、給水および
排水に係る動力機構などの設備を不要とする。 【解決手段】 建造物1の所定のフロアまたは屋上に敷
設するとともに、水源に接続した配水部材7と、吸水機
能を有する微多孔質体からなり、植物A,B,C,Dの
少なくとも根元の部分を接触させるとともに、前記配水
部材7に配設し、該配水部材7内の水を毛細管力で吸水
し、その水分を植物A,B,C,Dの根が直接吸引する
植付部材12とを備えた構成とする。前記植付部材12
に、吸水機能を有する紐を配設し、該紐を介して前記植
付部材12が配水部材7の水を吸水する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート打込
みにより形成した建造物の所定のフロア、屋上、また
は、空中庭園など、建造物内に植物を植え付けるための
緑化設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建造物の屋上などで植物を栽培し
て庭園を造り、緑化を図る場合には、周知の土壌栽培が
適用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この土
壌栽培による緑化設備は、建造物のフロアに非常に大き
な荷重が加わるという問題がある。そのため、建造物の
施工時に予め補強構造を設ける必要がある。この場合、
建造物自体の施工が非常に高価になる。また、軽量人工
土壌や栽培マットを用いる方法もある。この場合、植物
の根を緊縛する強度が弱く、植物が樹木である場合には
その強風対策に問題がある。
【0004】また、前記緑化設備では、植物の根が成長
して延び過ぎないように、保護シ−トなどの根茎貫通防
止(防根)設備や、緑化するフロアに所定高さの基礎枠
を設け、その基礎枠内に土壌を充填して植物を植え付け
る必要がある。そして、これらには、勿論、漏水防止設
備を設ける必要がある。
【0005】さらに、前記緑化設備では、給水および排
水のための装置が複雑であり、給水設備には強制供給す
る動カ機構が必要になるため、コスト高になる。
【0006】そこで、本発明では、設備全体の軽量化を
図り、また、給水および排水に係る動力機構などの設備
を必要としない建造物の緑化設備を提供することを課題
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の建造物の緑化設備は、建造物の所定のフロ
アまたは屋上に敷設するとともに、水源に接続した配水
部材と、吸水機能を有する微多孔質体からなり、植物の
少なくとも根元の部分を接触させるとともに、前記配水
部材に配設し、該配水部材内の水を毛細管力で吸水し、
その水分を植物の根が直接吸引する植付部材とを備えた
構成としている。
【0008】ここで、前記水源の水とは、植物の成長を
促進させるための養分が含まれたもの、および、養分が
含まれていないものを含む。また、前記微多孔質体と
は、陶土を高温で焼成しても内部に連通する極微小な空
隙が存在するセラミックスや、ポリビニルアルコール、
ポリウレタン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、フェノール樹脂、ユリア樹脂
などの連続気泡型プラスチックフォームの他、微小な空
隙を有する微細な炭素粒子の集合体などを意味する。
【0009】前記建造物の緑化設備によれば、土壌を使
用しないため、設備全体を非常に軽量化することができ
る。そのため、建造物自体の施工をコストダウンするこ
とができる。また、微多孔質体からなる植付部材に植物
の根元の部分を接触させるようにして植え付け、この状
態で、前記植付部材を配水部材に配設するため、植物の
根を確実に緊縛して保持できる。しかも、植物の根は、
植付部材に封じ込められた状態で栽培されるため、防根
設備が不要である。
【0010】なお、前記緑化設備により栽培される植物
は、その環境条件に応じて成長するために新たな吸収根
を発生させ、水を保持した植付部材の表面に吸着する。
そして、この植物自身の吸引力のみで植付部材内に保持
された水分を直接吸引して成長する。そのため、植物に
対する水の過剰供給を防止でき、節水を図ることができ
る。
【0011】前記緑化設備では、前記植付部材に吸水機
能を有する紐を配設し、該紐を介して前記植付部材が配
水部材の水を吸水することが好ましい。このようにすれ
ば、更に節水を図ることができる。
【0012】また、前記配水部材を略水平に敷設すると
ともに、前記水源と配水部材との間に、前記配水部材に
一定水位で水を供給する定水位給水装置を設けることが
好ましい。このようにすれば、更に節水を図ることがで
きる。しかも、定水位給水装置により、電力を使用する
ことなく配水部材に一定水位の水を供給できるため、給
水に係る利便性を向上できるうえ、水を強制供給する動
カ機構はないため、安価である。
【0013】さらに、前記配水部材を囲繞する枠体を設
けることが好ましい。このようにすれば、大きい植物を
植えるための植付部材を安定して設置できる。
【0014】この場合、前記枠体の上面を覆う遮光性を
有するカバーを設けることが好ましい。このようにすれ
ば、配水部材を隠すことができるため、美観を損なうこ
とを防止できる。しかも、枠体内には光が透過しない。
そのため、透過した光により枠体内でアオミドロが発生
することを防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に従って説明する。図1および図2は、本発明の実施形
態に係る建造物1の緑化設備を示す。この緑化設備は、
図2に示すように、コンクリート打込みにより形成した
建造物1の屋上に設置し、屋上緑化を図るものである。
この緑化設備は、大略、水源に接続した定水位給水装置
5と、該定水位給水装置5に接続した配水部材7と、該
配水部材7に配設する複数の植付部材12A,12B,
12C,12Dとからなる。
【0016】また、この緑化設備は、配水部材7を囲繞
する枠体2を備えている。この枠体2には、所定間隔を
もって縦横に延びる梁3が配設されている。この梁3
は、枠体2の凹溝2aに嵌め込んで固定されている。さ
らに、枠体2には、上面を覆うように遮光性を有するカ
バー4が敷設され、この枠体2内の配設部材を覆い隠す
ように構成されている。
【0017】前記定水位給水装置5は、接続パイプ6に
よって水源に接続され、後述する配水部材7の内部に、
常に一定水位が保たれるように水を供給する電力を使用
しない機械的なものである。この定水位給水装置5は、
例えば、前記水源との接続パイプ6の導入端に開閉弁を
配設し、該開閉弁をボールタップのフロートにより開閉
する機構が適用可能である。なお、この定水位給水装置
5は、周知の定水位給水機構であれば適用可能である。
また、前記水源は、植物A,B,C,Dの成長を促進さ
せるための養分を水に含めない場合で、かつ、建造物1
がビルである場合には、屋上に設置される図示しない貯
水タンクである。また、水に養分を含める場合にはその
水を貯留するための専用のタンクである。
【0018】前記配水部材7は、建造物1の屋上に水平
に敷設するもので、図1に示すように、並列にまたは希
望のレイアウトに応じて不規則に配設する複数の樋部材
8と、これら樋部材8の両端を一体に連結する側樋部材
9とからなる。これら樋部材8,9には、所定間隔をも
ってネジ止め用のブラケット10が設けられている。ま
た、一端の樋部材8aは、前記定水位給水装置5と接続
パイプ11によって接続されている。なお、この配水部
材7は、所定数の樋部材8を1つのユニットとし、各ユ
ニットを周知の接続部材によって接続してもよい。ま
た、単体の樋部材8をそれぞれ個別に連結する構成とし
てもよい。
【0019】前記配水部材7に配設する植付部材12
A,12B,12C,12Dは、微多孔質体からなり、
水分を毛細管現象による吸水力(以下、毛細管力と略す
る。)で吸水するものである。ここで、前記微多孔質体
とは、陶土を高温で焼成しても内部に連通する極微小な
空隙が存在するセラミックスや、ポリビニルアルコー
ル、ポリウレタン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、フェノール樹脂、ユリア
樹脂などの連続気泡型プラスチックフォームの他、微小
な空隙を有する微細な炭素粒子の集合体などを意味す
る。これらのうちいずれかの材料からなる植付部材1
4,20は、内部に0.5μm〜100μmの空隙また
は気泡が形成され、これらが連続した水分の通路を構成
する。
【0020】また、これら植付部材12A,12B,1
2C,12Dの下部には、吸水紐13が垂下するように
配設されている。この吸水紐13は、吸水力を有するP
VA(ポリビニルアルコール)からなる。そして、前記
配水部材7内の水を、自身の吸水力で吸水し、毛細管力
で上端まで浸透させ、その水分を前記植付部材12A,
12B,12C,12Dに供給するものである。前記P
VAとしては、例えば、PVAスポンジをシート状とし
た素材の内部に、芯材として糸状のポリエステルを配設
した鐘紡株式会社製のPCPIが適用可能である。本実
施形態では、吸水紐13は、前記植付部材12A,12
B,12C,12Dに対して、その内径と略同一外径の
スペーサ(図示せず)により固定されている。なお、吸
水紐13の取付位置は、植付部材12A,12B,12
C,12Dの上部としてもよい。また、吸水紐13は、
PVAの代わりに、グラスファイバー、カーボンファイ
バー、アクリル繊維を用いてもよい。
【0021】具体的には、前記第1の植付部材12A
は、図5(A),(B)に示すように、根元が細い植物
Aを植え付ける円筒形状のものである。この植付部材1
2Aは、第1ホルダー14に着脱可能に装着される。ま
た、上端には、保持部材17が配設されている。
【0022】前記第1ホルダー14は、遮光性を有する
不透明な樹脂からなり、前記樋部材8の幅と略同一寸法
の辺からなる断面略正方形状の棒材の中心に円形状の差
込孔15を設けたものである。この差込孔15は、植付
部材12Aの外径より大きい内径とされている。また、
第1ホルダー14の下端両側には、樋部材8の両側面に
位置する挟持片16が設けられている。
【0023】前記保持部材17は樹脂リングからなり、
植付部材12Aを第1ホルダー14に対して位置決め保
持させるものである。具体的には、この保持部材17
は、植付部材12Aの外径と略同一の内径とした円環部
18を備えている。この円環部18の下端には、前記第
1ホルダー14の上端部に載置され、該第1ホルダー1
4との間に所定の隙間を形成するための突起19が設け
られている。また、円環部の上端には、前記植付部材1
2Aの上端を覆う蒸発防止縁部20が設けられている。
この蒸発防止縁部20の中央には、植物Aの幹を伸出さ
せる開口部21が設けられている。この開口部21の内
径は、前記植付部材12Aの内径より小さく形成されて
いる。即ち、この保持部材17は、蒸発防止縁部20で
植付部材12Aの上端面を被覆することにより、植付部
材12Aの内部に保持した水分が蒸発することを防止し
ている。
【0024】第2の植付部材12Bは、図6および図7
に示すように、根元が太く、根の量が多い植物Bを植え
付けるもので、短冊形状をなす複数本の板状体22の上
下部を連結部材23によって連結し、湾曲可能な環状部
材としたものである。この植付部材12Bは、第2ホル
ダー26に着脱可能に装着される。
【0025】前記連結部材23は、断面コ字形状の樹脂
シートからなる。そして、該連結部材23には、両側部
23a,23bを連結する連結部23cから外側部23
bにかけて延びるスリット24が設けられ、このスリッ
ト24により、隣接する板状体22の間が湾曲可能とな
っている。また、下側の連結部材23には、内側部23
aの内面に吸水紐13と同様の材料からなる配水紐25
が配設されている。
【0026】前記第2ホルダー26は、第1ホルダー1
4と同様に遮光性を有する不透明な樹脂からなり、前記
樋部材8の幅と同一寸法の辺を有する断面長方形状の基
材に略八角形状の差込孔27を設けたものである。この
差込孔27の下端には、載置部27aが突設されてい
る。また、この第2ホルダー26の両側には、前記第1
ホルダー14と同様に、樋部材8の両側面に位置する挟
持片28が設けられている。
【0027】第3の植付部材12Cは、図8に示すよう
に、根本が非常に太く、根を広く張って全高が高くなる
植物C(木)を植え付けるもので、上向きに開口した箱
体からなる。この植付部材12Cの両側内面には、長手
方向に所定間隔をもって根の上部を規制する長方形状の
ガイド板29を装着する装着溝30が対向するように設
けられている。この装着溝30は、その下端が長手方向
の中央に向けて傾斜するように設けられている。この傾
斜は、植物Cが風などにより揺れ、根で下側からガイド
板29が押圧された際に、摩擦抵抗によりガイド板29
が簡単に離脱しないようにするためである。さらに、植
付部材12Cは、その上面開口をそれぞれ半分づつ閉塞
する半割状の蓋体31A,31Bを備えている。これら
蓋体31A,31Bには、植物Cの幹を伸出させる伸出
孔32A,32Bが設けられている。なお、この蓋体3
1A,31Bは、植付部材12Cと同様の微多孔質体ま
たは木材等により形成されている。
【0028】第4の植付部材12Dは、芝生、マンネン
グサの仲間であるセダムなどの非常に根が小さい植物D
を植え付けるもので、図9に示すように、3本の管通孔
33を並設した中空構造のものである。この植付部材1
2Dの表面には、根を付着させる係止手段の役割をなす
多数本の切欠溝34が設けられている。なお、前記係止
手段は、多数本の切欠溝34に限られず、基材の表面に
多数の粒状体を散布して一体化してもよい。
【0029】前記構成の緑化設備では、土壌を使用しな
いため、設備全体が非常に軽量である。そのため、土壌
による緑化設備と比較して建造物1自体の施工をコスト
ダウンすることができる。
【0030】次に、前記緑化設備への植物A,B,C,
Dの植え付けについて説明する。
【0031】まず、植付部材12Aに植物Aを植え付け
るには、該植付部材12Aに吸水紐13および保持部材
17を取り付けた状態で、保持部材17の開口部21か
ら植物Aを根元の部分から植付部材12Aに挿入し、根
を内面に接触させる。その後、吸水紐13の側から第1
ホルダー14に装着し、第1ホルダー14の下端から前
記吸水紐13を垂下させる。ここで、吸水紐13が水を
吸水している場合、この吸水紐13が第1ホルダー14
の内面に付着する場合があるが、本実施形態の構成で
は、このような状況になったか否かを容易に確認でき
る。また、この装着状態では、植付部材12Aは、保持
部材17によって第1ホルダー14の上端に所定の隙間
を形成した状態で位置決め保持される。
【0032】また、植付部材12Bに植物Bを植え付け
るには、該植付部材12Bに連結部材23、配水紐2
5、および、吸水紐13を取り付けた状態で、複数の板
状体22で囲われた内部の収容空間に植物Bの根元の部
分を挿入し、根を内面に接触させる。その後、植付部材
12Aと同様に、吸水紐13の側から第2ホルダー26
に装着し、第2ホルダー26の下端から吸水紐13を垂
下させる。
【0033】また、植付部材12Cに植物Cを植え付け
るには、該植付部材12Cに吸水紐13を取り付けた状
態で、該植付部材12C内に植物Cの根元の部分を挿入
し、根を内面に接触させる。その後、各装着溝30にガ
イド板29を装着し、ガイド板29で根の上部をガイド
する。
【0034】また、植付部材12Dに植物Dを植え付け
るには、切欠溝34を形成した表面に芝の種子を散布
し、発根させて芝を植付部材12Dに吸着させる。な
お、植え付ける植物Dがセダムである場合には、植付部
材12Dに散布することにより、発根して植付部材12
Dに吸着する。
【0035】そして、施工者は、図2に示すように、希
望のレイアウトに応じて植物A,B,C,Dを植え付け
た植付部材12A,12B,12C,12Dを配置す
る。そして、屋上に配管した配水部材7内に吸水紐13
を垂下させる。
【0036】この際、植付部材12Aおよび植付部材1
2Bは、各ホルダー14,26の挟持片16,28によ
り、配水部材7の両側を挟持するように装着する。ま
た、植付部材12C,12Dは、例えば、前記枠体2と
梁3または2つの梁3にかけて安定状態に設置される。
【0037】これらの設置状態では、図3および図4
(A),(B)に示すように、各植付部材12A,12
B,12C,12Dは配水部材7内の水に直接浸漬せ
ず、吸水紐13だけが水に浸漬した状態になる。なお、
これらの図には植付部材12C,12D、枠体2および
カバー4は図示していない。
【0038】次に、前記緑化設備による植物A,B,
C,Dへの給水について説明する。まず、ユーザは水源
を開放する。これにより、定水位給水装置5は、フロー
トと開閉弁により配水部材7に対して定水位まで水を供
給する。
【0039】そうすると、各植付部材12A,12B,
12C,12Dの吸水紐13が水に浸漬し、各吸水紐1
3が配水部材7内の水を自身の吸水力で吸水する。そし
て、吸水した水は、植付部材12A,12B,12C,
12Dに装着した上端部分まで自身の毛細管力でもって
浸透し、その水を保持する。
【0040】その後、前記吸水紐13に接触した植付部
材12A,12B,12C,12Dは、自身の吸水力で
吸水紐13が保持した水を吸水し、毛細管力で全体にわ
たって浸透し、その水を保持(含水)する。
【0041】即ち、配水部材7内の水は、吸水紐13お
よび植付部材12A,12B,12C,12Dの吸水力
の関係により、正圧でも負圧でもなく、毛細管力のみに
より順次吸引される。
【0042】また、前記各植付部材12A,12B,1
2C,12Dに植え付けられた植物A,B,C,Dは、
その水分環境条件に応じて新たな吸収根を発生させ、水
を保持した植付部材12A,12B,12C,12Dの
内面に吸着する。そして、これら植物A,B,C,D
は、自身の吸引力のみで植付部材12A,12B,12
C,12D内に保持された水分を直接吸引して成長す
る。
【0043】なお、植物A,B,C,Dが生長するため
に必要な酸素は、その植物A,B,C,Dと植付部材1
2A,12B,12C,12Dとの間から植物A,B,
C,Dの根に供給される。
【0044】このように、本実施形態の緑化設備では、
大きさや形状が異なる植付部材12A,12B,12
C,12Dにより、非常に小さな植物Dから非常に大き
な植物Cまで様々な植物を植え付けることができる。し
かも、植物A,B,C,Dへの給水は、配水部材7に吸
水紐13を浸漬させるだけであるため、植物A,B,
C,Dを植え付けるレイアウトの自由度が広く、植え換
えも簡単である。
【0045】また、根が大きくなる植物A,B,Cは、
微多孔質体からなる植付部材12A,12B,12Cに
挿入して接触させるようにして植え付けるため、その根
を確実に緊縛して保持できる。しかも、植物A,B,C
の根は、植付部材12の内部に封じ込められた状態で栽
培されるため、防根設備が不要である。
【0046】さらに、前記枠体2の上面は、遮光性を有
するカバー4により覆っているため、内部の配水部材7
を隠し、美観を損なうことを防止できる。しかも、枠体
2内には光が透過しない。そのため、透過した光により
枠体2内でアオミドロが発生することを防止できる。ま
た、設備をメンテナンスする際には、前記カバー4を外
すだけで全体が露出するため、作業性がよい。
【0047】さらにまた、この緑化設備では、下部に位
置する配水部材7内の水を、吸水紐13を介して微多孔
質体からなる植付部材12A,12B,12C,12D
が自身の吸水力で吸水する。そのため、植付部材12の
内面を含み、全ての表面から水が滲み出ることはない。
また、配水部材7には定水位給水装置5により一定水位
を保持するだけの水が供給されるだけである。その結
果、水の無駄な消費を防止できるうえ、必要な量だけ水
を配水部材7に自動的に供給できるため効率的である。
しかも、定水位給水装置5は、水を強制供給するために
電力が必要な動カ機構は不要であるため、安価に実施で
きる。さらに、配水部材7を含め、植付部材12A,1
2B,12C,12Dの全てから漏水の恐れがないた
め、特別な防止機構は不要である。
【0048】そして、この緑化設備により成長する植物
A,B,C,Dは、自身の吸引力でのみ成長に必要な水
分を吸引するため、根腐れなどの障害は生じない。ま
た、給水量不足による乾燥枯れの生じない。
【0049】なお、本発明の緑化設備は、前記実施形態
の構成に限定されるものではない。例えば、図10およ
び図11に示すように、配水部材7の所定位置に、所定
の水を貯留できるタンク36を着脱可能に装着する装着
部35を設ける一方、該装着部35に、給水管部36a
と吸気管部36bとを突設したタンク36からなる定水
位給水装置を配設した構成としてもよい。
【0050】また、前記実施形態では、配水部材7とし
て樋形状のものを適用したが、図12に示すように、断
面円環状のパイプを適用してもよい。この場合、各パイ
プ部材に所定間隔をもって同一方向に突出する複数の配
設部37を設け、この配設部37を通して各植付部材1
2A,12B,12C,12Dの吸水紐13を配置して
もよい。
【0051】さらに、前記実施形態では、本発明の緑化
設備を建造物1の屋上に設置したが、隣接する建造物の
間を連続させるように形成したフロアや、建造物内の所
定のフロアに設置しても前記と同様の作用、効果を得る
ことができる。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の建造物の緑化設備は、建造物の所定のフロアまたは屋
上に配水部材を敷設し、該配水部材に吸水機能を有する
微多孔質体からな植付部材を配設し、該植付部材に植物
の少なくとも根元の部分を接触させて植え付けるため、
土壌を使用した設備と比較して、全体を非常に軽量化で
きる。そのため、建造物自体の施工をコストダウンする
ことができる。また、微多孔質体からなる植付部材に植
物の根元の部分を接触させるようにして植え付けるた
め、植物の根を確実に緊縛して保持できる。しかも、植
物の根は、植付部材の内部に封じ込められた状態で栽培
されるため、防根設備が不要である。
【0053】また、前記配水部材を略水平に敷設すると
ともに、前記水源と配水部材との間に、前記配水部材に
一定水位で水を供給する定水位給水装置を設け、電力を
使用することなく配水部材に一定水位の水を供給できる
ようにしているため、給水に係る利便性を向上できる。
そのうえ、水を強制供給する動カ機構はないため、安価
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の建造物の緑化設備を示す斜視図であ
る。
【図2】 緑化設備を利用した建造物の外観を示す斜視
図である。
【図3】 図1の要部断面図である。
【図4】 (A),(B)は第1の植付部材および第2
の植付部材への給水構造を示す断面図である。
【図5】 (A),(B)は第1の植付部材を示す斜視
図である
【図6】 第2の植付部材を示す分解斜視図である。
【図7】 第2の植付部材の装着状態を示す斜視図であ
る。
【図8】 第3の植付部材を示す斜視図である。
【図9】 第4の植付部材を示す斜視図である。
【図10】 配水部材の変形例を示す分解斜視図であ
る。
【図11】 図10の要部拡大断面図である。
【図12】 配水部材の他の変形例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
A,B,C,D…植物、1…建造物、2…枠体、3…
梁、4…カバー、5…定水位給水装置、7…配水部材、
12A,12B,12C,12D…植付部材、13…吸
水紐。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01G 25/00 501 A01G 25/00 501A 27/00 E04D 13/00 Z 27/04 A01G 27/00 502C 27/06 502D E04D 13/00 502H 505 Fターム(参考) 2B022 BA04 BA22 BA25 CA02 DA01 DA19 2B024 DA04 DB01 2B027 NC05 NC16 NC25 NC42 NC56 NE10 QC38 RA06 RA14 RA28 RB04 RC32 TA22 TA27 UA03 UA10 UA15 UA27 UB02 VA05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建造物の所定のフロアまたは屋上に敷設
    するとともに、水源に接続した配水部材と、 吸水機能を有する微多孔質体からなり、植物の少なくと
    も根元の部分を接触させるとともに、前記配水部材に配
    設し、該配水部材内の水を毛細管力で吸水し、その水分
    を植物の根が直接吸引する植付部材とを備えたことを特
    徴とする建造物の緑化設備。
  2. 【請求項2】 前記植付部材に吸水機能を有する紐を配
    設し、該紐を介して前記植付部材が配水部材の水を吸水
    することを特徴とする請求項1に記載の建造物の緑化設
    備。
  3. 【請求項3】 前記配水部材を略水平に敷設するととも
    に、前記水源と配水部材との間に、前記配水部材に一定
    水位で水を供給する定水位給水装置を設けたことを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の建造物の緑化設
    備。
  4. 【請求項4】 前記配水部材を囲繞する枠体を設けたこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に
    記載の建造物の緑化設備。
  5. 【請求項5】 前記枠体の上面を覆う遮光性を有するカ
    バーを設けたことを特徴とする請求項4に記載の建造物
    の緑化設備。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102150576A (zh) * 2010-11-27 2011-08-17 陈际军 多层育菜架
CN111663717A (zh) * 2020-06-18 2020-09-15 夏凯敏 一种绿色建筑节能屋面

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