JP2002369580A - スイッチトリラクタンスモータの駆動回路 - Google Patents

スイッチトリラクタンスモータの駆動回路

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JP2002369580A
JP2002369580A JP2001173917A JP2001173917A JP2002369580A JP 2002369580 A JP2002369580 A JP 2002369580A JP 2001173917 A JP2001173917 A JP 2001173917A JP 2001173917 A JP2001173917 A JP 2001173917A JP 2002369580 A JP2002369580 A JP 2002369580A
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reluctance motor
switched reluctance
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drive
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Hisashi Ishida
久 石田
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Mitsuba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スイッチトリラクタンスモータの駆動回路を
安価に構成する。 【解決手段】 4相スイッチトリラクタンスモータを2
相モータの組合せとし、各2相モータを2個の3相ブラ
シレスモータ用駆動モジュール4・5によりそれぞれ駆
動すると共にスイッチング素子の保護ダイオードを還流
・回生電流用ダイオードとして用いるように、各励磁コ
イル3a〜3dを接続する。 【効果】 スイッチトリラクタンスモータにおける還流
・回生電流用ダイオードを3相ブラシレスモータ用駆動
モジュールを複数用いて対応させることにより、スイッ
チトリラクタンスモータ用駆動回路と同様の駆動回路を
構成できるため、各素子を部品から組み立てて結線して
駆動回路を構成した場合に対して、既存の入手容易であ
りかつ安価な駆動モジュールを用いることができ、簡単
にかつ安価にスイッチトリラクタンスモータ用駆動回路
を構成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチトリラク
タンスモータの駆動回路 に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ロータに複数の磁性体からなる突
極部を設け、ロータと同軸的に配設されたステータの複
数の突極部に巻線し、そのように巻線されて形成された
各励磁コイルに選択的に通電することにより、ステータ
の突極部にロータの突極部を磁気吸引してロータに回転
トルクを発生させるようにしたスイッチトリラクタンス
モータが知られている。
【0003】そのスイッチトリラクタンスモータにおい
て例えば3相モータ型のものにあっては、図6に示され
ようにロータ11に4つの半径方向外向き突極部11a
を設け、ステータ12に6つの半径方向内向き突極部1
2aを設けると共に、ステータ12の各突極部12aに
集中巻きの巻線を行ってU相・V相・W相の各励磁コイ
ル13u・13v・13wを形成したものがある。この
図示例のものにあっては、ステータ12の各対向する一
対の突極部12aの一方がN極となって、他方がS極と
なるように上記巻線が行われている。
【0004】このように、スイッチトリラクタンスモー
タにあっては、マグネットを必要としないため構造が簡
単であるため、悪環境に対処し易くかつ安価に小型高出
力化が可能であるなどの利点があり、電気自動車などの
駆動モータに利用することが考えられる。
【0005】次に、スイッチトリラクタンスモータの駆
動回路の例について図7を参照して示す。この駆動回路
にあっては、電源としてのバッテリBTの正端子に互い
に並列に設けられた各スイッチング素子Q1・Q2・Q
3を介して上記各励磁コイル13u・13v・13wの
一端が接続され、各励磁コイル13u・13v・13w
の他端が互いに並列に設けられた各スイッチング素子Q
4・Q5・Q6を介してバッテリBTの負端子に接続さ
れている。
【0006】また、各励磁コイル13u・13v・13
wの他端とバッテリBTの正端子との間には、各励磁コ
イル13u・13v・13w及びそれらに対応する正端
子側の各スイッチング素子Q1・Q2・Q3をバイパス
して上記各他端から正端子に向けて電流を流し得るよう
にする各ダイオードD1・D2・D3が接続されてい
る。同様に、バッテリBTの負端子と各励磁コイル13
u・13v・13wの一端との間には、各励磁コイル1
3u・13v・13w及びそれらに対応する負端子側の
各スイッチング素子Q4・Q5・Q6をバイパスして上
記各他端から正端子に向けて電流を流し得るようにする
各ダイオードD4・D5・D6が接続されている。
【0007】上記駆動回路における制御要領について、
U相を代表として以下に示す。そのU相に流れる電流波
形が図8に模式的に示されるようになるとすると、通電
区間Tuが図に示されるようになる。その通電区間の初
期の電流波形の立ち上がり時には両スイッチング素子Q
1・Q4をオンする(電流供給モードM1)。この時に
は、バッテリBTの正端子側から負端子側に向かう電流
が励磁コイル13uに流れる。
【0008】所定の電流値Idに達した後には、スイッ
チング素子Q1のオン/オフを繰り返す。この場合のス
イッチング素子Q1のオフ時には、励磁コイル13u〜
スイッチング素子Q4〜ダイオードD4〜励磁コイル1
3uと回るように電流が流れ、スイッチング素子Q1の
オン時には上記と同様に電流が流れ、それらを繰り返す
(電流還流モードM2)。通電区間Tuの終了後には両
スイッチング素子Q1・Q4をオフにする。これによ
り、ダイオードD4〜励磁コイル13u〜ダイオードD
1を通る向きの回生電流が流れる(電流回生モードM
3)。
【0009】このように、スイッチング素子Q1・Q
4、及びそれらのオン/オフの組合せに応じて還流・回
生電流を流すようにするダイオードD1・D4を設け
て、スイッチトリラクタンスモータの駆動回路が構成さ
れている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
7に示されるような駆動回路を構成するためには、各素
子(スイッチング素子・還流ダイオード・励磁コイル)
を個々に配線及び結線するため、その作業の対象となる
部品点数が多く、したがって部品の購入や組み付け作業
が繁雑化し、駆動回路が高騰化するという問題がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決し
て、スイッチトリラクタンスモータの駆動回路を安価に
構成することを実現するために、本発明に於いては、ス
イッチトリラクタンスモータを複数の2相スイッチトリ
ラクタンスモータの組合せにより構成し、かつ3相ブラ
シレスモータ用駆動モジュールを複数用い、前記駆動モ
ジュールの駆動回路に用いられているスイッチング素子
用の保護ダイオードに前記スイッチトリラクタンスモー
タの還流及び回生電流を流すように、前記複数の2相ス
イッチトリラクタンスモータの各励磁コイルを前記駆動
モジュールに接続した。
【0012】これによれば、複数の3相ブラシレスモー
タ用駆動モジュールを用いて、その駆動回路に設けられ
ているスイッチング素子用の保護ダイオードにスイッチ
トリラクタンスモータにおける還流・回生電流を流すよ
うに、スイッチトリラクタンスモータの励磁コイルを駆
動モジュールに接続することから、入手容易な製品化さ
れている3相ブラシレスモータ用駆動モジュールを組み
合わせて、スイッチトリラクタンスモータ用駆動回路と
同様の駆動回路を構成できる。
【0013】また、前記スイッチトリラクタンスモータ
が2個の2相スイッチトリラクタンスモータを組み合わ
せて構成されていると共に、前記駆動モジュールを2個
用いることによれば、4相スイッチトリラクタンスモー
タを各2相スイッチトリラクタンスモータの組合せにし
て、各2相スイッチトリラクタンスモータを2個の3相
ブラシレスモータ用駆動モジュールによりそれぞれ駆動
制御するように構成することができる。
【0014】また、前記2個の2相スイッチトリラクタ
ンスモータの各同一相に同時に電流を流すことにより、
2個の2相スイッチトリラクタンスモータにより構成さ
れるスイッチトリラクタンスモータを大電流型にした場
合でも、その半分の電流を各駆動モジュールに流すよう
にすれば良く、駆動モジュールに小容量型のものを用い
ることができる。
【0015】また、前記各同一相に流す電流の位相を9
0度ずらすことにより、2相スイッチトリラクタンスモ
ータにあってはトルクリップルが比較的大きいが、位相
を90度ずらして合成することになり、モータ全体とし
てのトルクリップルを低くすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に添付の図面に示された具体
例に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明す
る。
【0017】図1は、本発明が適用されたスイッチトリ
ラクタンスモータを示す模式的要部正面図であり、この
スイッチトリラクタンスモータは、例えば電動カートの
駆動モータに用いられる。図に示されるように、本スイ
ッチトリラクタンスモータのロータ1には半径方向外向
きの6つの突極部1aが形成されていると共に、ロータ
1を外囲するように設けられた環状のステータ2には、
ロータ1の各突極部1aに対向するようにされた半径方
向内向きの8つの突極部2aが形成されている。
【0018】そして、ステータ2の各突極部2aに巻線
されて各励磁コイル3a・3b・3c・3dが形成され
ている。それら励磁コイル3a・3b・3c・3dは、
対向する一対のもの同士が同相となるようにされてい
る。したがって、図示例のものにあってはA相・B相・
C相・D相の4相モータ(ロータ6極・ステータ8極)
の構造になっている。
【0019】この4相モータを用いて、2個の2相スイ
ッチトリラクタンスモータにより構成したスイッチトリ
ラクタンスモータとすることができる。また、A相(3
a)・B相(3b)からなる2相モータと、C相(3
c)・D相(3d)からなる2相モータとを組み合わせ
て駆動制御するように、それぞれ90度ずらして配設し
ている。
【0020】次に、本発明に基づく駆動回路について図
2を参照して以下に示す。図2に示されるように、本駆
動回路にあっては、同一構造の駆動モジュール4・5を
2個組み合わせて構成されている。なお、本発明に適用
される駆動モジュールとは、例えば入手容易に製品化さ
れている3相ブラシレスモータ用駆動モジュールであっ
て良く、電源としての例えばバッテリの両端子(+、
−)と、モータの各励磁コイルの両端とをそれぞれ接続
するのみで、モータを駆動可能にする駆動回路を有する
ものをいう。
【0021】一方の駆動モジュール4にあっては、電動
カートに搭載されているバッテリBTの正(+)端子に
接続された電源線Vが駆動モジュール4の電源端子4a
に接続されていると共に、バッテリBTの負(−)端子
に接続された接地線Eが駆動モジュール4の接地端子4
bに接続されている。その駆動モジュール4内にあって
は、電源端子4aから3本に分岐された各分岐端に各ス
イッチング素子Q1・Q2・Q3が接続されていると共
に、接地端子4bから3本に分岐された各分岐端に各ス
イッチング素子Q4・Q5・Q6が接続されている。
【0022】各スイッチング素子Q1〜Q6には、それ
ぞれ接地線側から電源線側に順方向となる各保護ダイオ
ードD1・D2・D3・D4・D5・D6が設けられて
いる。また、電源端子4a側のスイッチング素子Q1・
Q2・Q3と、接地端子4b側のスイッチング素子Q4
・Q5・Q6とが、3組の対をなすようにそれぞれ接続
されていると共に、各対をなすもの(Q1・Q4、Q2
・Q5、Q3・Q6)同士間の各ノードがコイル接続端
子4u・4v・4wとして設けられている。そして、2
つのコイル接続端子4u・4v間にA相の励磁コイル3
aが接続され、別の組合せであるコイル接続端子4v・
4w間にB相の励磁コイル3bが接続されている。
【0023】他方の駆動モジュール5の電源端子5a及
び接地端子5bにも、上記電源線V及び接地線Eがそれ
ぞれ上記と同様に接続されている。また、駆動モジュー
ル5内には、上記と同じ構成の各スイッチング素子Q7
・Q8・Q9・Q10・Q11・Q12が設けられてお
り、同様に各スイッチング素子Q7〜Q12には、それ
ぞれ接地線側から電源線側に順方向となる各保護ダイオ
ードD7・D8・D9・D10・D11・D12が設け
られている。そして、一対のスイッチング素子Q7・Q
10間のノードに設けられたコイル接続端子5uと、他
の一対のスイッチング素子Q8・Q11間のノードに設
けられたコイル接続端子5vとの間にC相の励磁コイル
3cが接続され、上記コイル接続端子5vと別の一対の
スイッチング素子Q9・Q12間のノードに設けられた
コイル接続端子5wとの間にD相の励磁コイル3dが接
続されている。
【0024】このようにして、同一構造の2個の駆動モ
ジュール4・5を用いて、2相スイッチトリラクタンス
モータを2個組み合わせた形にした4相スイッチトリラ
クタンスモータの各励磁コイル3a・3b・3c・3d
に通電することができる。その具体的要領について、図
3を参照して以下に示す。
【0025】上記したようにロータ1が6極でありステ
ータ2が8極であることから、ユニポーラ駆動する場合
には、ロータ1の回転角度(機械角)の15度ピッチ
で、A相・B相とC相・D相とをそれぞれ対にした通電
制御を行う。各対同士では、一方がオンの時には他方が
オフになるようにする。
【0026】先ず、15〜30度では、スイッチング素
子Q1・Q5のオンによりA相が通電状態であり、スイ
ッチング素子Q8・Q10のオンによりC相を通電状態
にして、A相からロータ1を介してC相に至ると共にス
テータ2の継鉄部(環状部)2bを通る環状の磁束が生
じ、それによりA相・C相の突極部2aに直近のロータ
側突極部1aが磁気的に吸引される。
【0027】このとき、従来例で述べた電流還流モード
M2にする場合には、A相で示すと、スイッチング素子
Q1をオン/オフし、そのオフ時には図の想像線の矢印
に示されるように励磁コイル3a〜スイッチング素子Q
5〜ダイオードD4を通る還流電流が流れ得る。
【0028】次の30〜45度では、スイッチング素子
Q8・Q10のオンのままスイッチング素子Q2・Q6
をオンして、B相からロータ1を介してC相に至る向き
に通る上記と同様の磁束が生じ、同じくB相・C相の突
極部2aに直近のロータ側突極部1aが磁気的に吸引さ
れる。
【0029】このとき、A相における30〜45度に移
った際の従来例で述べた電流回生モードM3にあって
は、スイッチング素子Q1のオフにより、ダイオードD
4〜励磁コイル3a〜ダイオードD2を通る回生電流が
流れ得る。
【0030】同様に、45〜60度ではB相・D相のオ
ンによりB相からD相に向かい、また60〜75度では
D相・A相のオンによりD相からA相に向かうように通
る各磁束が生じ、各相の突極部2aに直近のロータ側突
極部1aが磁気的に吸引される。以降は、上記の繰り返
しとなる。
【0031】また、B相・C相・D相における還流電流
及び回生電流の流れは上述したA相における場合と同様
であり、その説明を省略する。このユニポーラ駆動にあ
っては、各スイッチング素子Q3・Q4・Q7・Q12
をスイッチングせず、それぞれに予め用意されている各
保護ダイオードD3・D4・D7・D12を利用して上
記還流電流及び回生電流の流れを実現するようにしてい
る。
【0032】そして、励磁コイル3a・3b・3c・3
dにより生じる磁束が通る相を図では時計回りに順次移
していくことができ、それに応じてロータ1の吸引され
る突極部1aが変位するため、ロータ1に回転トルクが
生じる。
【0033】このように、スイッチトリラクタンスモー
タを2個の2相スイッチトリラクタンスモータにより構
成したことから、電流を2つの相に同時に流すことがで
き、それにより1つのスイッチング素子に流れる電流を
半分にすることができる。したがって、スイッチング素
子すなわち駆動モジュール4・5に大容量型のものを用
いる必要が無く、例えば電動カートに用いるモータとし
て例えば10kWクラスのものを用いた場合には500
Aの大電流が流れるのに対して、250A容量の駆動モ
ジュールを用いれば良い。
【0034】上記した程度の容量に適合する3相ブラシ
レスモータ用駆動モジュールにあってはその入手が容易
であり、大容量型素子を用いてスイッチトリラクタンス
モータ用駆動回路を構成する場合に対して、モジュール
を2個用いても総費用を低廉化し得る。さらに、モジュ
ール化された製品を用いることから、ヒートシンクへの
取り付けが容易であり、レイアウト性も良い。
【0035】また、両2相スイッチトリラクタンスモー
タ間において、通電を一方に対して位相を90度ずらし
て他方(A相に対するC相、B相に対するD相)に流す
ようにしている。これにより、2相モータにおけるトル
クリップルを上記位相をずらした状態で合成することか
ら、2相モータを用いた構成であっても、モータとして
のトルクリップルを低減することができる。
【0036】また、上述の例ではユニポーラ駆動につい
て示したが、他の例としてバイポーラ駆動について図4
を参照して示す。このバイポーラ駆動にあってもその駆
動回路の結線は上記図2と同一であって良く、その図示
を省略する。
【0037】先ず、15〜30度では、スイッチング素
子Q1・Q5のオンによりA相が通電状態であり、スイ
ッチング素子Q7・Q11のオンによりC相を通電状態
にしている。この場合には、A相及びC相の各一方の突
極部2aからロータ1を介して各他方に至ると共にステ
ータ2の継鉄部2bを通る環状の磁束が生じ、それによ
りA相・C相の突極部2aに直近のロータ側突極部1a
が磁気的に吸引される。このときの電流還流モードM2
にあっては、上述した例と同じである。
【0038】次の30〜45度では、スイッチング素子
Q7・Q11のオンのまま、スイッチング素子Q1・Q
5がオフし、スイッチング素子Q2・Q6がオンする。
この場合には、B相及びC相に上記と同様に磁束が通
り、同じくB相・C相の突極部2aに直近のロータ側突
極部1aが磁気的に吸引される。この場合のA相におけ
る電流回生モードM3にあっても、上述例と同じであ
る。
【0039】同様に、45〜60度では、スイッチング
素子Q2・Q6とスイッチング素子Q8・Q12のオン
により、B相及びD相に上記と同様に電流が流れ、また
同様に磁束が通り、各相の突極部2aに直近のロータ側
突極部1aが磁気的に吸引される。
【0040】次の60〜75度では、スイッチング素子
Q8・Q12のオンのまま、またスイッチング素子Q2
をオンのままにして、スイッチング素子Q6をオフして
スイッチング素子Q4をオンする。これにより、A相に
は15〜30度で述べた場合とは逆向きに電流が流れ、
D相及びA相には同方向に通る磁束が生じることにな
り、各相の突極部2aに直近のロータ側突極部1aが磁
気的に吸引される。
【0041】そして、75〜90度では、スイッチング
素子Q2・Q4とスイッチング素子Q8・Q10のオン
により、A相・C相には15〜30度で述べた場合とは
逆向きに電流が流れてA相及びC相には同方向に通る磁
束が生じることになる。同様に、90〜105度ではス
イッチング素子Q8・Q10とスイッチング素子Q3・
Q5のオンによりC相・B相に、105〜120度では
スイッチング素子Q3・Q5とスイッチング素子Q9・
Q11のオンによりB相・D相に、それぞれ上記と同様
に電流が流れかつ同様に磁束が生じ、各相の突極部2a
に直近のロータ側突極部1aが磁気的に吸引される。
【0042】また、このバイポーラ駆動の例にあって
も、両2相スイッチトリラクタンスモータ間における通
電を一方に対して位相を90度ずらして他方(A相に対
するC相、B相に対するD相)に流すようにしており、
上述したようにトルクリップルを低減することができ
る。
【0043】また、ユニポーラ駆動にあっては1駆動モ
ジュール当たり6個設けられているスイッチング素子の
内2個を使用しない構成であったのに対して、バイポー
ラ駆動にあっては、全てのスイッチング素子を使用して
いる。これにより、全素子に電流が流れ、無駄を無くす
ことができる。
【0044】なお、バイポーラ駆動ではヨーク2の各突
極部2aから継鉄部2bを通る磁束は、対向する両突極
部2aを結ぶ線に対して左右のいずれか一方に偏るた
め、継鉄部2bの幅を突極部2aの幅以上にする必要が
あるのに対して、ユニポーラ駆動では、隣り合う突極部
2aに互いに逆向きの磁束が生じ、継鉄部2bでは左右
に分かれるため、継鉄部2bの幅は突極部2aの1/2
で良く、継鉄部2bを薄く形成することができる。した
がって、ユニポーラ駆動の場合には、モータを軽量かつ
コンパクト化し得る。
【0045】また、上記図示例では、3相全波駆動モジ
ュールを用いて説明したが、それに限るものではなく、
Hブリッジ駆動モジュールを用いても良く、その場合の
例を、図5を参照して以下に示す。図に示されるよう
に、3つのHブリッジ駆動モジュール6・7・8を並列
に設け、各電源端子6a・7a・8aにバッテリBTの
正端子からの電源線Vを接続し、各接地端子6b・7b
・8bにバッテリBTの負端子からの接地線Eを接続す
る。
【0046】駆動モジュール6には、その電源・接地端
子6a・6b間に、直列接続されたスイッチング素子Q
1・Q4と同じく直列接続されたスイッチング素子Q2
・Q5とがそれぞれ対をなすように設けられている。そ
して、一方の対をなすスイッチング素子Q1・Q4間の
ノードにコイル接続端子6cが、他方の対をなすスイッ
チング素子Q2・Q5間のノードにコイル接続端子6d
がそれぞれ設けられている。また、各スイッチング素子
Q1・Q2・Q4・Q5には、上記図2で述べたものと
同様にそれぞれ接地線側から電源線側に順方向となる各
保護ダイオードD1・D2・D4・D5が設けられてい
る。
【0047】なお、同一構造の他の駆動モジュール7に
あっては、そのスイッチング素子Q3・Q6間のノード
にコイル接続端子7cが、スイッチング素子Q7・Q1
0間のノードにコイル接続端子7dが設けられていると
共に、各スイッチング素子Q3・Q6・Q7・Q10に
は上記と同様に各保護ダイオードD3・D6・D7・D
10が設けられている。また、駆動モジュール8にあっ
ても、そのスイッチング素子Q8・Q11間のノードに
コイル接続端子8cが、スイッチング素子Q9・Q12
間のノードにコイル接続端子8dが設けられていると共
に、各スイッチング素子Q8・Q9・Q11・Q12に
は上記と同様に各保護ダイオードD8・D9・D11・
D12が設けられている。
【0048】そして、駆動モジュール6の両コイル接続
端子6c・6d間にA相の励磁コイル3aが接続され、
コイル接続端子6dと他の駆動モジュール7のコイル接
続端子7cとの間にB相の励磁コイル3bが接続され、
その駆動モジュール7のコイル接続端子7dと別の駆動
モジュール8のコイル接続端子8cとの間にC相の励磁
コイル3cが接続され、駆動モジュール8の両コイル接
続端子8c・8d間にD相の励磁コイル3dが接続され
ている。
【0049】このように、Hブリッジ駆動モジュールを
用いた場合でも、3個の駆動モジュール6・7・8を互
いに並列に設けることにより、6組の対をなすスイッチ
ング素子で駆動回路を形成することができる。各励磁コ
イル3a・3b・3c・3dを上記したように接続する
ことにより、また図2に対応させて付した各符号から明
らかなように上記図2と同様の回路を構成することがで
きる。なお、電流の流し方は、上記図示例と同じであ
る。
【0050】この場合には、駆動モジュールの数として
は1個増えるが、モジュール当たりの素子数が少ないこ
とから単価は安く、上記例と同様に2個の2相スイッチ
トリラクタンスモータにより構成したスイッチトリラク
タンスモータを駆動制御することができ、従来例で示し
た駆動回路に比べて充分低廉化し得る。
【0051】
【発明の効果】このように本発明によれば、複数の2相
スイッチトリラクタンスモータと、複数の3相ブラシレ
スモータ用駆動モジュールとを用いて、スイッチトリラ
クタンスモータにおける還流・回生電流用ダイオードを
3相ブラシレスモータ用駆動モジュールを複数用いて対
応させることにより、スイッチトリラクタンスモータ用
駆動回路と同様の駆動回路を構成できるため、各素子を
部品から組み立てて結線して駆動回路を構成した場合に
対して、既存の入手容易でありかつ安価な駆動モジュー
ルを用いることができ、簡単にかつ安価にスイッチトリ
ラクタンスモータ用駆動回路を構成することができる。
【0052】また、4相スイッチトリラクタンスモータ
を2個の2相スイッチトリラクタンスモータの組合せと
すると共に、2個の3相ブラシレスモータ用駆動モジュ
ールを用いることにより、製品化されている3相ブラシ
レスモータ用駆動モジュールを用いた最小限の構成でス
イッチトリラクタンスモータ用駆動回路を構成すること
ができる。
【0053】また、2個の2相スイッチトリラクタンス
モータの各同一相に同時に電流を流すことにより、2個
の2相スイッチトリラクタンスモータにより構成される
スイッチトリラクタンスモータを大電流型にした場合で
も、その半分の電流を各駆動モジュールに流すようにす
れば良く、駆動モジュールに小容量型のものを用いるこ
とができるため、そのような小容量型駆動モジュールの
入手は容易かつ安価であり、スイッチトリラクタンスモ
ータ用駆動回路を安価に実現することができる。
【0054】また、各同一相に流す電流の位相を90度
ずらすことにより、トルクリップルが比較的大きい2相
スイッチトリラクタンスモータを組み合わせた構造にし
ても、位相を90度ずらして合成することになり、モー
タ全体としてのトルクリップルを低くすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたスイッチトリラクタンスモ
ータを示す模式的要部正面図。
【図2】本発明に基づく駆動回路を示す図。
【図3】本発明に基づく通電要領を示す図。
【図4】他の例を示す図3に対応する図。
【図5】本発明に基づく別の駆動回路を示す図。
【図6】従来のスイッチトリラクタンスモータを示す模
式的要部正面図。
【図7】従来のスイッチトリラクタンスモータ用駆動回
路を示す図。
【図8】スイッチトリラクタンスモータの通電波形を示
す図。
【符号の説明】
1 ロータ、1a 突極部 2 ステータ、2a 突極部 3a・3b・3c・3d 励磁コイル 4 駆動モジュール 4a 電源端子、4b 接地端子、4u・4v・4w
コイル接続端子 D1・D2・D3・D4・D5・D6 ダイオード Q1・Q4、Q2・Q5、Q3・Q6 スイッチング素
子 5 駆動モジュール 5a 電源端子、5b 接地端子、5u・5v・5w
コイル接続端子 D7・D8・D9・D10・D11・D12 ダイオー
ド Q7・Q8・Q9・Q10・Q11・Q12 スイッチ
ング素子 6・7・8 駆動モジュール 6a 電源端子、6b 接地端子、6c・6d コイル
接続端子 7a 電源端子、7b 接地端子、7c・7d コイル
接続端子 8a 電源端子、8b 接地端子、8c・8d コイル
接続端子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スイッチトリラクタンスモータを複数の
    2相スイッチトリラクタンスモータの組合せにより構成
    し、かつ3相ブラシレスモータ用駆動モジュールを複数
    用い、 前記駆動モジュールの駆動回路に用いられているスイッ
    チング素子用の保護ダイオードに前記スイッチトリラク
    タンスモータの還流及び回生電流を流すように、前記複
    数の2相スイッチトリラクタンスモータの各励磁コイル
    を前記駆動モジュールに接続したことを特徴とするスイ
    ッチトリラクタンスモータの駆動回路。
  2. 【請求項2】 前記スイッチトリラクタンスモータが2
    個の2相スイッチトリラクタンスモータを組み合わせて
    構成されていると共に、前記駆動モジュールを2個用い
    たことを特徴とする請求項1に記載のスイッチトリラク
    タンスモータの駆動回路 。
  3. 【請求項3】 前記2個の2相スイッチトリラクタンス
    モータの各同一相に同時に電流を流すことを特徴とする
    請求項2に記載のスイッチトリラクタンスモータの駆動
    回路 。
  4. 【請求項4】 前記各同一相に流す電流の位相を90度
    ずらしたことを特徴とする請求項3に記載のスイッチト
    リラクタンスモータの駆動回路 。
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