JP2002367908A - Iii族窒化物系化合物半導体の製造方法 - Google Patents
Iii族窒化物系化合物半導体の製造方法Info
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Abstract
体の製造方法。 【解決手段】今、何等かの小領域Sが原因となって、ピ
ットPを有するIII族窒化物系化合物半導体層31が形
成されているとする(a)。ここでエピタキシャル成長を
一時停止し、基板温度を一定温度の上昇させると、エピ
タキシャル成長したIII族窒化物系化合物半導体表面が
活性化し、いわゆるマストランスポートが生じる。エピ
タキシャル成長を阻害していた倒立六角錐の頂点(もっ
とも低い部分)S付近にIII族窒化物系化合物半導体が
移動するものとも考えられる(b)。横方向成長的にピッ
トの底部(倒立六角錐の頂点)Sを一旦III族窒化物系
化合物半導体が覆ってしまえば(c)、その後III族源、窒
素源の供給を再開してエピタキシャル成長を行えば、凹
部には急速にIII族窒化物系化合物半導体32が形成さ
れ(d)、結局極めて平坦なc面が形成される。
Description
物半導体の製造方法に関する。尚、III族窒化物系化合
物半導体とは、例えばAlN、GaN、InNのような2元系、A
lxGa1-xN、AlxIn1-xN、GaxIn1-xN(いずれも0<x<1)
のような3元系、AlxGayIn1-x-yN(0<x<1,0<y<1, 0
<x+y<1)の4元系を包括した一般式AlxGayIn1-x-yN
(0≦x≦1, 0≦y≦1, 0≦x+y≦1)で表されるものがあ
る。なお、本明細書においては、特に断らない限り、単
にIII族窒化物系化合物半導体と言う場合は、伝導型を
p型あるいはn型にするための不純物がドープされたII
I族窒化物系化合物半導体をも含んだ表現とする。
発光素子とした場合、発光スペクトルが紫外から赤色の
広範囲に渡る直接遷移型の半導体であり、発光ダイオー
ド(LED)やレーザダイオード(LD)等の発光素子に応用さ
れている。また、そのバンドギャップが広いため、他の
半導体を用いた素子よりも高温において安定した動作を
期待できることから、FET等トランジスタへの応用も
盛んに開発されている。また、ヒ素(As)を主成分として
いないことで、環境面からも様々な半導体素子一般への
開発が期待されている。このIII族窒化物系化合物半導
体では、サファイアを基板とし、その上に形成した素子
の他、炭化ケイ素(SiC)基板やシリコン(Si)基板を用い
るものがある。
半導体を基板上にエピタキシャル成長させる際、基板が
完全に洗浄されていない場合や微細なきずを有する場
合、又は成長条件が最適でない場合など、バッファ層を
介しても基板の汚れやきずの上部には単結晶のIII族窒
化物系化合物半導体が形成されない場合がある。このよ
うな基板の汚れやきずが極めて小さい領域であっても、
単結晶のIII族窒化物系化合物半導体が形成されない領
域は、III族窒化物系化合物半導体を厚膜にエピタキシ
ャル成長させるほど広がっていく。これはピットと呼ば
れるもので、III族窒化物系化合物半導体においては、
一般的に側面を{1−101}面とする倒立六角錐状の
ものとして現れる。この側面は、III族窒化物系化合物
半導体の成長面がc面{0001}面である場合、それ
らのなす角度が約62度で、場合によってはIII族窒化
物系化合物半導体をエピタキシャル成長させた膜厚程度
の大きさのピットとなる場合も有り得る。
定数や熱膨張率の近い基板は安価に得られるものが無
い。そのためサファイア、シリコン、SiC、スピネル(Mg
Al2O4)などの異種基板を用いることが一般的である。し
かし、サファイア、シリコン、SiC、スピネル(MgAl2O4)
などの異種基板上にIII族窒化物系化合物半導体をエピ
タキシャル成長させると、極めて多量の貫通転位を有す
るIII族窒化物系化合物半導体が形成されてしまう。こ
の貫通転位も、上記ピット形成の始点となる場合があ
る。
に、バッファ層2を介してIII族窒化物系化合物半導体
層3を形成する様子を示している。基板1にSで示した
小さい面積の領域が、汚れを有していたり、傷を有して
いたりしたとすると、図4に示すようにその部分をバッ
ファ層2が覆わない様な場合がある。このままIII族窒
化物系化合物半導体層3をエピタキシャル成長させたこ
とで、エピタキシャル成長面Cと、約62度の角度を成
す{1−101}面M'を有するピットP1が形成されて
しまう。即ち、本来エピタキシャル成長面C上にどんど
んIII族窒化物系化合物半導体が積層されていくはず
が、下層にエピタキシャル成長面が無い部分については
エピタキシャル成長が無いか非常に遅いからである。ま
た、基板1との格子定数の差から、貫通転位D1、D2、
D3、D4が形成される。貫通転位D1のようにバッファ
層2の範囲で消滅するもの、貫通転位D2のようにIII族
窒化物系化合物半導体層3の成長中に消滅するもの、貫
通転位D3のようにIII族窒化物系化合物半導体層3の成
長中に消滅せず、成長面Cに追随して成長していくもの
の他、ある時点からピットP2を生成してしまう貫通転
位D4もある。
うと、通常のエピタキシャル成長中にはピットが消滅す
ることは無かった。また、ピットが形成されてしまう
と、その部分を含む領域に形成されるIII族窒化物系化
合物半導体素子は、その特性が著しく低下する。また、
III族窒化物系化合物半導体多層膜を形成してもIII族窒
化物系化合物半導体が平坦でない部分を有するので、素
子寿命も短いものとなる。また、設計通りの特性を有し
ない素子となってしまう。このように、従来はピットが
形成されてしまうと、その上層に形成されるIII族窒化
物系化合物半導体素子は不良品となり、歩留まりの悪化
をもたらしていた。
れたものであり、その目的とするところは、ピットの低
減されたIII族窒化物系化合物半導体をエピタキシャル
成長により得ることである。
め請求項1に記載の手段によれば、基板上に、エピタキ
シャル成長を用いたIII族窒化物系化合物半導体の製造
方法において、第1のIII族窒化物系化合物半導体をエ
ピタキシャル成長させる第1工程と、エピタキシャル原
料の供給を一時停止し、基板温度を一定温度上昇させて
保持する第2工程とを有し、第2工程においては、第1
工程で形成された第1のIII族窒化物系化合物半導体表
面のピットが埋められることを特徴とする。エピタキシ
ャル原料の供給を一時停止するとは、例えばIII族源
(複数ならば全て)と窒素源の少なくとも一方の供給を
留めることを言う。また、ピットを埋めるとは、ピット
が完全に埋められて平滑化することに限定されず、「ピ
ットが埋まる方向に」状態が変化する程度で良いものと
する。
2工程における一定温度とは、50℃以上200℃以下
の範囲の上昇幅であることを特徴とする。
2工程につづいて、第1工程において形成したものと同
じIII族窒化物系化合物半導体をエピタキシャル成長さ
せる第3工程を有することを特徴とする。また、請求項
4に記載の手段によれば、第3工程の基板温度は、第2
工程で上昇させた後の温度を保持することを特徴とす
る。
1工程における基板温度は700℃以上1050℃以下
であり、第2工程における上昇後の基板温度は900℃
以上1250℃以下であることを特徴とする。
3工程に続き、III族窒化物系化合物半導体をエッチン
グにより点状、ストライプ状又は格子状等の島状態に形
成したのち、島状態の段差の上段の上面及び側面を核と
して新たなIII族窒化物系化合物半導体を縦及び横方向
エピタキシャル成長させる工程とを有することを特徴と
する。新たなIII族窒化物系化合物半導体は第1、第3
工程において形成されたIII族窒化物系化合物半導体と
同じ組成でも良く、一部異なる組成でも良い。
がら説明する。今、何等かの小領域Sが原因となって、
ピットPを有するIII族窒化物系化合物半導体層31が
形成されているとする(図1の(a))。ここでエピタ
キシャル成長を一時停止し、基板温度を一定温度の上昇
させ、保持すると、エピタキシャル成長したIII族窒化
物系化合物半導体表面が活性化し、いわゆるマストラン
スポートが生じる。即ち、平坦なc面が形成されている
部分においては、若干の分解又は移動により表面が後退
する。一方、ピット形成部Pにおいては、{1−10
1}面にIII族窒化物系化合物半導体が移動し、横方向
成長が生じるものと考えられる。また、エピタキシャル
成長を阻害していた倒立六角錐の頂点(もっとも低い部
分)付近にIII族窒化物系化合物半導体が移動するもの
とも考えられる(図1の(b))。こうして、いわば横
方向成長的にピットの底部(倒立六角錐の頂点)Sを一
旦III族窒化物系化合物半導体が覆ってしまえば(図1
の(c))、その後III族源、窒素源の供給を再開して
エピタキシャル成長を行うと、例え凹部が残っていて
も、その凹部には急速にIII族窒化物系化合物半導体3
2が形成され(図1の(d))、結局極めて平坦なc面
が形成される(請求項1)。
以上200℃以下であることが望ましい。50℃未満の
温度差ではマストランスポートの効果が得られない。一
方、、200℃を越える温度差では、第1工程のIII族
窒化物系化合物半導体が単結晶成長し、且つ第2工程で
マストランスポートに寄与しない急速な分解を起こさな
いようにコントロールすることが実現困難である(請求
項2)。
完全に埋めてしまうことは困難が伴うので、第2工程に
つづいて、第1工程において形成したものと同じIII族
窒化物系化合物半導体をエピタキシャル成長させること
が望ましい。これにより第1工程と第2工程、第3工程
により単一の組成のIII族窒化物系化合物半導体層を形
成することができる(請求項3)。第3工程の基板温度
は、第2工程で上昇させた後の温度を保持することがよ
り望ましい(請求項4)。
度は700℃以上1050℃以下とし、第2工程におけ
る上昇後の基板温度は900℃以上1250℃以下とす
ることが望ましい。第1工程と第2工程のいずれにおい
ても単結晶成長が可能な範囲の温度であることが望まし
い(請求項5)。
合物半導体をエッチングにより点状、ストライプ状又は
格子状等の島状態に形成したのち、島状態の段差の上段
の上面及び側面を核として新たなIII族窒化物系化合物
半導体を縦及び横方向エピタキシャル成長させること
で、より欠陥の少ない部分を核とした横方向エピタキシ
ャル成長により、段差の埋められた部分は貫通転位の抑
制された領域とすることができる(請求項6)。
は、次の中からそれぞれ選択することができる。
次積層を形成する場合は、基板としてはサファイア、シ
リコン(Si)、炭化ケイ素(SiC)、スピネル(MgAl2O4)、Li
GaO2、NdGaO3、ZnO、MgOその他の無機結晶基板、リン化
ガリウム又は砒化ガリウムのようなIII-V族化合物半導
体あるいは窒化ガリウム(GaN)その他のIII族窒化物系化
合物半導体等を用いることができる。
方法としては有機金属気相成長法(MOCVD又はMOVPE)が
好ましいが、分子線気相成長法(MBE)、ハライド気相
成長法(Halide VPE)等を用いても良く、各層を各々異
なる成長方法で形成しても良い。
の組成の一部又は全部を、ボロン(B)、タリウム(Tl)で
置き換えても、また、窒素(N)の組成一部をリン(P)、ヒ
素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)で置き換えても
本発明を実質的に適用できる。また、これら元素を組成
に表示できない程度のドープをしたものでも良い。例え
ば組成にインジウム(In)、ヒ素(As)を有しないIII族窒
化物系化合物半導体であるAlxGa1-xN(0≦x≦1)に、ア
ルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)よりも原子半径の大きな
インジウム(In)、又は窒素(N)よりも原子半径の大きな
ヒ素(As)をドープすることで、窒素原子の抜けによる結
晶の拡張歪みを圧縮歪みで補償し結晶性を良くしても良
い。このようにして結晶性を良くすることで本願発明と
合わせて更に貫通転位を100乃至1000分の1程度
にまで下げることもできる。なお、発光素子として構成
する場合は、本来III族窒化物系化合物半導体の2元
系、若しくは3元系を用いることが望ましい。
成する場合には、n型不純物として、Si、Ge、Se、Te、
C等IV族元素又はVI族元素を添加することができる。ま
た、p型不純物としては、Zn、Mg、Be、Ca、Sr、Ba等II
族元素又はIV族元素を添加することができる。これらを
複数或いはn型不純物とp型不純物を同一層にドープし
ても良い。
キシャル成長を行う構成としても良い。即ち、種々の横
方向エピタキシャル成長により貫通転位を減らす構成を
組み合わせても良い。横方向エピタキシャル成長として
は成長面が基板に垂直となるものが望ましいが、基板に
対して斜めのファセット面のまま成長するものでも良
い。この際、段差の底部に底面の無い、断面がV字状の
ものでも良い。
ッファ層を介して形成されたピットの低減されたIII族
窒化物系化合物半導体層300を図2(b)のようにエ
ッチングして点状、ストライプ状又は格子状等の島状態
に形成する。III族窒化物系化合物半導体層300は図
1(d)のIII族窒化物系化合物半導体31、32を合
わせて示している。こうして、III族窒化物系化合物半
導体層300の段差の上面及び側面を核として新たなII
I族窒化物系化合物半導体33を縦及び横方向エピタキ
シャル成長させる(図2の(c))ことで段差を埋める
と共に、段差の下段上方には貫通転位の抑制された領域
を形成することができる(図2の(d))。
ピットの低減されたIII族窒化物系化合物半導体層30
0の、エッチングによる点状、ストライプ状又は格子状
等の島状態に形成する方法としては、図3の(a)のよ
うに基板1を露出するまで行う方法や、図3の(b)の
ように段差の上段をマスク5で覆う方法、又は図3の
(c)のように段差の上段及び下段をマスク5で覆う方
法、等でも良い。
化合物半導体を形成したウエハには、FET、発光素子
等の半導体素子を形成することができる。発光素子の場
合は、多重量子井戸構造(MQW)、単一量子井戸構造
(SQW)の他、ホモ構造、ヘテロ構造、ダブルヘテロ
構造のものが考えられるが、pin接合或いはpn接合
等により形成しても良い。
したa面を主面とし、単結晶のサファイア基板1上に、
温度を400℃まで低下させて、H2を10L/min、NH3を5L/mi
n、TMAを20μmol/minで約3分間供給してAlNのバッファ
層2を約20nmの厚さに形成した。次に、サファイア基板
1の温度を1000℃に保持し、H2を20L/min、NH3を10L/mi
n、TMGを300μmol/minで導入し、膜厚約1μmのGaN層3
1を形成した。次に、サファイア基板1の温度を1100℃
に昇温し、10分間保持した。次に、サファイア基板1の
温度を1100℃に保持し、H2を20L/min、NH3を10L/min、T
MGを300μmol/minで導入し、膜厚約5μmのGaN層32を
形成した。このようにして形成したGaN層32にはウエ
ハにピットが見られなかった。
00℃に保持して連続してGaN層31とGaN層32を形成す
るようにして、第1実施例と同様に膜厚6μmのGaN層を
サファイア基板のa面にAlNバッファ層を介して形成し
た。このようにして形成したGaN層には、ウエハに数千
個のピットが形成されていた。
00℃に保持して比較例1と同様に膜厚6μmのGaN層をサ
ファイア基板のa面にAlNバッファ層を介して形成し
た。このようにして形成したGaN層には、ウエハに数十
個のピットが形成されていた。
化合物半導体の製造方法の工程を示す断面図。
物半導体の製造方法の工程を示す断面図。
物半導体の製造方法の工程の一部を示す断面図。
半導体を示す断面図。
Claims (6)
- 【請求項1】 基板上に、エピタキシャル成長を用いた
III族窒化物系化合物半導体の製造方法において、 III族窒化物系化合物半導体をエピタキシャル成長させ
る第1工程と、 エピタキシャル原料の供給を一時停止し、基板温度を一
定温度上昇させて保持する第2工程とを有し、 前記第2工程においては、前記第1工程で形成された前
記第1のIII族窒化物系化合物半導体表面のピットが埋
められることを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体
の製造方法。 - 【請求項2】 前記第2工程における一定温度とは、5
0℃以上200℃以下の範囲の上昇幅であることを特徴
とする請求項1に記載のIII族窒化物系化合物半導体の
製造方法。 - 【請求項3】 前記第2工程につづいて、前記第1工程
において形成したものと同じIII族窒化物系化合物半導
体をエピタキシャル成長させる第3工程を有することを
特徴とする請求項1又は請求項2に記載のIII族窒化物
系化合物半導体の製造方法。 - 【請求項4】 前記第3工程の基板温度は、前記第2工
程で上昇させた後の温度を保持することを特徴とする請
求項3に記載のIII族窒化物系化合物半導体の製造方
法。 - 【請求項5】 前記第1工程における基板温度は700
℃以上1050℃以下であり、前記第2工程における上
昇後の基板温度は900℃以上1250℃以下であるこ
とを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
記載のIII族窒化物系化合物半導体の製造方法。 - 【請求項6】 前記第3工程に続き、前記III族窒化物
系化合物半導体をエッチングにより点状、ストライプ状
又は格子状等の島状態に形成したのち、島状態の段差の
上段の上面及び側面を核として新たなIII族窒化物系化
合物半導体を縦及び横方向エピタキシャル成長させる工
程とを有することを特徴とする請求項3乃至請求項5に
記載のIII族窒化物系化合物半導体の製造方法。
Priority Applications (5)
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TW (1) | TW548696B (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007201424A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-08-09 | Mitsubishi Cable Ind Ltd | GaN系発光ダイオードの製造方法 |
US7646027B2 (en) | 2005-05-06 | 2010-01-12 | Showa Denko K.K. | Group III nitride semiconductor stacked structure |
JP2012138626A (ja) * | 2005-04-29 | 2012-07-19 | Cree Inc | 開いたピット中に延びる能動層を有する発光デバイス及びその製造方法 |
-
2001
- 2001-06-04 JP JP2001168016A patent/JP3896806B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
2002
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