JP2002364330A - 内燃機関の排気系吐出管 - Google Patents

内燃機関の排気系吐出管

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の排気脈動による共鳴を吐出管構造
の改良により抑制する。 【解決手段】 排気系吐出管3は、内燃機関の排気管後
部に配設した消音器2に接続され、大気開放した排気口
4を下流端に備える。管長方向に延び且つ排気口の周縁
に達するスリット5が、吐出管の下流端部分の管壁に形
成される。スリットは、吐出管の下流側半部に配置さ
れ、吐出管を通過する排気ガスの一部を吐出管の側方に
漏出せしめ、吐出管の排気口から外部に放出される排気
ガスの音圧レベルを低下させる。スリットは、車両の歩
行者側とは反対側に位置する吐出管の管壁に位置決めさ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、内燃機関の排気系
吐出管に関するものであり、より詳細には、内燃機関の
排気管後部に配設した消音器に接続される吐出管に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両用エンジン等の内燃機関の
排気系は、シリンダブロックの排気ポートに接続された
排気マニホールド、排気マニホールドに接続された排気
管、更には、排気管に介装された消音器を含む。消音器
を通過した内燃機関の排気ガスは、消音器の下流側の管
体、即ち、吐出管(テールパイプ)に流入し、吐出管の
下流端に設けられた排気口から外界に大気放出される。
【0003】この種の管体においては、その長さに起因
して共鳴現象が発生することが知られている。共鳴周波
数は、一般に次式で示される。 f=2×(nL/λ)
【0004】ここに、f:共鳴周波数 L:管路の長さ λ:波長 n:整数
【0005】内燃機関の排気騒音は、その排気脈動効果
による共鳴現象が発生し易く、脈動の周波数が共鳴周波
数と一致する場合、共鳴現象により排気音が増大し、過
大な騒音が発生するという問題が生じる。
【0006】これは、吐出管内を通過する排ガスが、吐
出管内で一次共鳴(n=1)、二次共鳴(n=2)等の
共鳴現象を発生させ、各共鳴領域において、排気ガスの
吐出音Pが特に増大するという問題である。
【0007】このような共鳴現象による排気騒音の問題
を解消すべく、吐出管(テールパイプ)の直上流に消音
器を配設して脈動成分を吸収したり、極力共鳴が発生し
ないように吐出管の長さを設計するなどの対策が一般に
講じられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、仮に消
音器だけで排気脈動を吸収しようとした場合、過大な容
量の消音器を排気系に介装せざるを得ず、消音器のみに
依存した対策は、現実的な解決法とは言い難い。また、
吐出管(テールパイプ)の全長を比較的長く設定し、共
鳴を起こり難くする解決策は、排気系の配管経路又は配
管取り回し等に関する配管レイアウト上の制約や、配管
設置スペースの制約等の如く、容易には克服し難い構造
上の制限を受けるので、この解決策も又、実務的な困難
を伴う。同時に、吐出管が或る長さを有している以上、
必ず何らかの周波数帯域で共鳴が発生してしまうという
問題は、依然として残される。
【0009】本発明は、このような課題に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、内燃機関の排
気脈動による共鳴を吐出管構造の改良により抑制するこ
とができる排気系吐出管を提供することにある。
【0010】本発明は又、内燃機関の排気音を低減する
ことができる排気系吐出管を提供することを目的とす
る。本発明は更に、実際に歩行者の耳に到達する排気音
の騒音レベルを有効に低減することができる内燃機関の
排気系吐出管を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、内燃機関の排
気管後部に配設した消音器に接続され、大気開放した排
気口を下流端に備えた排気系吐出管を前提としたもので
あり、本発明によれば、上記技術課題を解決すべく、管
長方向に延び且つ排気口の周縁に達するスリットが吐出
管の下流端部分の管壁に形成されることを特徴とする内
燃機関の排気系吐出管が提供される。
【0012】他の観点より、本発明は、内燃機関の排気
管後部に設置した消音器に接続され、大気開放した排気
口を下流端に備えた排気系吐出管において、吐出管の下
流端部分の管壁には、管長方向に延びるスロット又は貫
通孔が穿設されることを特徴とする内燃機関の排気系吐
出管を提供する。
【0013】本発明の上記構成によれば、吐出管の下流
部分に形成されたスリット、スロット又は貫通孔は、吐
出管を通過する排気ガスの一部を吐出管の側方に漏出せ
しめる。本発明者の試験結果によれば、このようにして
排気ガスの一部を吐出管の側方に逃がすことにより、吐
出管の排気口から外部に放出される排気ガスの音圧レベ
ルを低下することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施形態によれ
ば、上記スリット、スロット又は貫通孔(以下、「スリ
ット等」という)の箇所数は、任意に設定することがで
き、単一又は複数のスリット等を吐出管の管壁に形成
し、あるいは、複数のスリット等を吐出管の周方向に隔
設しても良い。好ましくは、これらスリット等は、吐出
管の末端から計って吐出管全長の1/2以下の範囲内の
吐出管部分、即ち、下流側半部に配置される。
【0015】本発明の更に好適な実施形態によれば、上
記スリット等は、車両の歩行者側とは反対側に位置する
吐出管の管壁に配置される。即ち、上記スリット等を吐
出管に形成した場合、排気ガスの一部は、車体の側方に
放出されるが、スリット等は、排気ガスが歩行者等に向
けられるのを防止すべく、歩道と反対側に位置する管壁
に配置することが望ましい。このような構成は、スリッ
ト等から漏出する排気ガスの漏れ音が歩行者に直に到達
するのを防止し、歩行者がスリット等からの漏れ音を不
快音として意識し難くするので、排気騒音防止の効果と
して実効性が高く、有利である。
【0016】
【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明の好まし
い実施例について詳細に説明する。図1は、車両用内燃
機関(図示せず)の排気系の部分構成、殊に、排気管後
部の構造を概略的に示す斜視図である。
【0017】本例の内燃機関は、燃料としてガソリン又
は軽油を使用する車両用エンジンである。内燃機関は、
シリンダブロックに接続された排気系1を備え、排気系
1は、排気ガスの流れ方向上流側から下流側に向けて順
に配置された排気マニホールド及び排気管(図示せず)
を含み、排気管の後部は、消音器2及び吐出管(テール
パイプ)3から構成される。
【0018】吐出管3は、全長が比較的短く、車長方向
に真っ直ぐに延びる断面円形の金属管からなり、吐出管
3の末端部、即ち、排気吐出端は、外界に向かって開放
した排気口4を構成する。すなわち、吐出管3は、一端
が消音器2に接続し、他端が排気口4を備える。
【0019】一般に、この種の排気系1の後部構造は、
消音器2及び吐出管3を車長方向に沿って整列配置した
ものであり、吐出管3は、消音器2から車体後方に突出
する形態に配設される。
【0020】吐出管3の後部、即ち、下流側端部には、
単一のスリット5が形成される。スリット5は、排気口
4から吐出管3の中間部分まで真っ直ぐに延びる管壁の
切欠きとして形成され、ほぼ全長に亘って均一な幅を有
する。スリット5の下流端は、排気口4の周縁に開口
し、管長方向に直線的に延びる細長い略長方形形態を有
する。
【0021】例えば、吐出管3の全長=Lとしたとき、
理論上好適なスリット5の全長は、D≦L/2の範囲内
の寸法に設定される。例えば、1次共鳴(n=1)の抑
制を重視した吐出管3の構成において、スリット5の長
さDは、理論的には、約L/2に設定され、2次共鳴
(n=2)の抑制を重視した構成にあっては、スリット
5の長さDは、約L/4に設定され、また、3次共鳴
(n=3)の抑制を重視した場合には、スリット5の長
さDは、約L/8に設定される。なお、本例における吐
出管3の長さLは、L=10〜20cmの範囲の寸法に設
定され、スリット5の幅は3〜5mm程度の寸法に設定さ
れる。
【0022】図1に示す吐出管3は、単数のスリット5
を備えた構成のものであるが、吐出管には、図2に示す
如く、周方向に所定間隔を隔てた複数のスリット5を形
成しても良い。図2は、2本のスリット5を設けた吐出
管20の構成を示す斜視図である。図2に示す吐出管2
0は、一対のスリット5、5を備える。スリット5、5
は、径方向に対向する位置に配置される。変形例とし
て、2本のスリット5、5を吐出管3の片側に偏在させ
ても良い。この場合、複数のスリット5が、吐出管3の
一方の側に片寄せした状態に配置され、互いに隣接した
状態で吐出管3の片側にのみ形成されるので、吐出管3
の他方の側には、スリット5は、設けられない。
【0023】図3は、第3実施例の吐出管30を例示す
る斜視図である。図3に示す吐出管30では、管長方向
に延びるスロット(長孔)31が、上記各実施例のスリ
ット5と同様、吐出管3の後部、即ち、下流側領域に形
成される。スロット31は、その前端縁31aと後端縁
31bとの間で管長方向に真っ直ぐに延び、その後端縁
31bは、排気口4の周縁に達することなく、排気口4
の縁から所定間隔を隔てて終端する。スロット31は、
ほぼ全長に亘って均一な幅を有し、また、吐出管30の
全長Lに対して、吐出管30の下流端からD≦L/2の
範囲内の管壁領域、即ち、下流側半部に位置決めされ
る。
【0024】前述の如く、1次共鳴(n=1)を抑制す
るのであれば、理論的には、スロット31の長さDを約
L/2に設定すれば良く、2次共鳴(n=2)を抑える
のであれば、Dを約L/4に設定すれば良く、更には、
3次共鳴(n=3)を抑えるのであれば、Dを約L/8
に設定すれば良い。ちなみに、吐出管30の長さは、L
=10〜20cmの範囲内の所定寸法に好適に設定し、ま
た、スロット31の幅は、3〜5mmの範囲内の所定寸法
に好適に設定し得る。
【0025】本例の吐出管30にあっても、上記第2実
施例の吐出管20と同様、単数のスロット31を吐出管
3に形成し、或いは、任意の数のスロット31を周方向
に隔設することができる。複数のスロット31を吐出管
30に設ける場合、例えば、2本のスロット31を径方
向に対向する位置に配置しても良く、或いは、吐出管3
0の一方の側に片寄せした状態に配置しても良い。
【0026】図4は、本発明の第4実施例に係る吐出管
40の構成を示す斜視図である。吐出管40は、第1実
施例の吐出管3と同様、排気口4の周縁に開口したスリ
ット41を有する。スリット41の幅は、上流側に向か
って収束する収斂形状、即ち、上流側に向かうに従って
徐々に先細りになる二等辺三角形の形態を有する。
【0027】前述の各実施例と同様、スリット41の全
長Dは、吐出管40の全長Lに対し、D≦L/2の範囲
内の寸法に設定される。1次共鳴(n=1)の抑制を重
視した場合、スリット41の長さDは、約L/2に設定
され、2次共鳴(n=2)の抑制を重視した場合、長さ
寸法Dは、約L/4に設定され、3次共鳴(n=3)の
抑制を重視した場合、長さ寸法Dは、約L/8に設定さ
れる。なお、吐出管40の全長は、L=10〜20cmの
範囲内の所定寸法に設定される。
【0028】スリット41の箇所数は、前述の各実施例
と同様、任意に設定することができ、また、スリット4
1は、径方向に対向する位置に位置し、或いは、吐出管
40の一方の側にのみ偏在する。
【0029】図5は、本発明の第5実施例に係る吐出管
50の構成を示す斜視図である。吐出管50は、前述の
各実施例と異なり、管壁貫通孔51を下流端部分に有す
る。貫通孔51は、吐出管50の側面に円形開口を形成
する透孔として、吐出管50の管壁に穿設される。
【0030】本例では、一対の貫通孔51が、管長方向
に所定間隔を隔てて吐出管50に配置されるが、単数の
貫通孔51を吐出管50に形成しても良い。また、複数
の貫通孔51を周方向に間隔を隔てて配置し、或いは、
一対の貫通孔51を径方向に対向する位置に配置しても
良い。複数の貫通孔51を吐出管50に形成する場合、
貫通孔51を吐出管50の一方の側に偏在しても良い。
【0031】変形例として、複数の貫通孔51を複数の
群、例えば2つの群にグループ化し、各群の貫通孔51
を吐出管50の管長方向に整列配置するとともに、第1
群の孔列と第2群の孔列とを円周方向に離間した位置に
並列配置してもよい。
【0032】貫通孔51を設けた吐出管50にあって
も、前述の各実施例と同様、貫通孔51は、吐出管50
の全長Lに対して、吐出管50の下流端から寸法D≦L
/2の領域、即ち、下流側半部に配置される。貫通孔5
1を配置する領域は、例えば、1次共鳴(n=1)の抑
制を重視する場合、寸法Dを約L/2に設定し、2次共
鳴(n=2)の抑制を重視する場合、寸法Dを約L/4
に制限し、3次共鳴(n=3)の抑制を重視する場合、
寸法Dを約L/8に制限することが望ましい。
【0033】図6〜図15は、本発明の効果を確認すべ
く行った実証試験の試験方法及び試験結果(試験デー
タ)を示す斜視図及び線図である。図6は、排気口にお
ける音圧レベルの試験方法を示す斜視図であり、図7
は、試験データを示す線図である。図6に示す試験は、
上記第1及び第2実施例に係る吐出管3、20に関する
ものであり、単一のスリット5を形成した吐出管3と、
2本のスリット5を径方向に対向した位置に形成した吐
出管3とを予め用意し、音圧レベルを測定する測定器具
Mを排気口4の中心位置に位置決めした状態で実施され
た。比較例として、スリットを備えていない従来構造の
吐出管を用意し、同様な条件で比較試験を実施した。
【0034】図7において、実線は、比較例に係る吐出
管に関する排気口の音圧レベル測定結果を示し、長破線
は、1本のスリット5を設けた吐出管3に関する排気口
4の音圧レベル測定結果を示し、短破線は、2本のスリ
ット5を設けた吐出管20に関する排気口4の音圧レベ
ル測定結果を示す。図7に示す音圧レベル測定結果によ
れば、2次共鳴(n=2)及び3次共鳴(n=3)が大
幅に抑制され、特に、1000Hz以下の周波数帯域にお
いて、騒音レベルが大きく低減する。
【0035】図8及び図9は、スリット側方における音
圧レベルの試験方法及び測定結果を示す斜視図及び線図
である。図8に示す試験は、図6に示す試験と同一条件
でスリット側方に伝播する騒音を測定すべく実施された
ものである。
【0036】この試験では、図8に示す如く、単一のス
リット5を備えた吐出管3を供試体として使用し、この
吐出管3の側方に音圧測定器具Mを配置した。
【0037】図9において、実線は、比較例として、従
来の吐出管(スリット無し)に関する測定結果を示し、長
破線は、スリット5に対面してスリット5から約10cm
離れた位置に音圧測定器具Mを配置した状態で得られた
試験結果を示し、短破線は、スリット5の径方向反対側
に、吐出管3から10cm離れた位置に音圧測定器具Mを
配置した状態で得られた試験結果を示す。
【0038】図9に示す如く、スリット5を設けた側で
は、音圧レベルが増大する。これはスリット5からの排
気ガスの漏れに起因すると考えられる。しかし、スリッ
ト5と反対の側では、音圧レベルは、特に低周波領域で
低下することが分かる。
【0039】図10及び図11は、別の試験に関する図
である。図10は、試験条件を示す平面図であり、図1
1は、試験結果を示す線図である。この試験は、スリッ
トの本数及び位置と、吐出管の排気口4の音圧レベルと
の関係を調べるために行った騒音測定試験である。
【0040】図10は、吐出管の排気口4を模式的に示
し、No.1〜4は、スリット5の位置を示す。また、図
10の破線で示す小円は、吐出管に8本のスリット5を
配置した場合のスリット5の位置を示す。なお、測定器
具Mは、吐出管の排気口4の中心に臨むように配置し
た。
【0041】図11において、実線は、比較例として、
従来の吐出管(スリット無し)を測定した測定結果を示
し、長破線は、1本のスリット5(図10のNo.1の位
置に配置)を設けた吐出管に関して測定された排気口4
の音圧レベルを示し、短破線は、2本のスリット5(図
10のNo.1、No.2)を設けた吐出管に関して測定した
排気口4の音圧レベルを示し、一点鎖線は、4本のスリ
ット5(図10のNo.1〜4の位置に配置)を設けた吐
出管に関する排気口4の音圧レベルを示し、二点鎖線
は、8本のスリット5((図10のNo.1〜4の位置及
び破線の小円で記した位置に配置)を設けた吐出管に関
する排気口4の音圧レベルを示す。図11に示す如く、
スリット5の本数を増すほど、排気口4の音圧レベルは
低下する。
【0042】図12及び図13は、更に他の試験に関す
る図である。図12は、試験条件を示す平面図であり、
図13は、試験結果を示す線図である。この試験は、ス
リットの本数と、吐出管の側方の音圧レベルとの関係を
調べるために行った試験である。
【0043】図12は、図10と同様、吐出管の排気口
4を模式的に示し、No.1〜4は、スリット5の位置を
示す。また、図12の破線で示す小円は、吐出管に8本
のスリット5を配置した場合のスリット5の位置を示
す。測定器具Mは、No.1スリット5の側方に10cm
離間した位置に配置した。
【0044】図13において、実線は、比較例として、
従来のスリット無しの吐出管のデータを示し、長破線
は、1本のスリット5(図10のNo.1の位置に配置)
を設けたときの排気口4の音圧レベルを示し、短破線
は、2本のスリット5(図10のNo.1、No.2)を設け
たときの排気口4の音圧レベルを示し、一点鎖線は、4
本のスリット5(図10のNo.1〜4の位置に配置)を
設けたときの排気口4の音圧レベルを示し、二点鎖線
は、8本のスリット5((図10のNo.1〜4の位置及
び破線の丸で記した位置に配置)を設けたときの排気口
4の音圧レベルを示す。
【0045】図13の試験データから、測定器具Mが臨
む側にスリット5を1本から4本まで増加させると、吐
出管のスリット5を片寄せして配置した側の音圧レベル
が増大することが分かる。また、吐出管の円周方向に等
間隔でスリット5を8本設けた場合、特に、1000Hz以下
の低周波数領域、つまり、内燃機関の低回転領域で比較
的大きく音圧レベルが低下することが判明した。
【0046】図14及び図15は、図12及び図13に
示す試験と対比するために行った別の試験に関する図で
ある。図14は、試験条件を示す平面図であり、図15
は、試験結果を示す線図である。図14から分かるよう
に、測定器具Mは、No.1スリット5の径方向反対側に
配置され、吐出管から10cm離間した位置に位置決め
された。
【0047】図15において、実線は、比較例として、
従来のスリット無しの吐出管のデータを示し、長破線
は、1本のスリット5(図10のNo.1の位置に配置)
を設けたときの排気口4の音圧レベルを示し、短破線
は、2本のスリット5(図10のNo.1、No.2)を設け
たときの排気口4の音圧レベルを示し、一点鎖線は、4
本のスリット5(図10のNo.1〜4の位置に配置)を
設けたときの排気口4の音圧レベルを示し、二点鎖線
は、8本のスリット5((図10のNo.1〜4の位置及
び破線の丸で記した位置に配置)を設けたときの排気口
4の音圧レベルを示す。
【0048】図15の試験データから、吐出管の一方の
側に1〜4本のスリット5を片寄せした状態で設けた場
合、このスリット5とは反対側では、吐出管の側方の音
圧レベルは、高周波数領域では格別に増大することな
く、低周波数領域では低下することが分かる。
【0049】なお、吐出管の円周方向に等間隔に8本の
スリット5を設けたときの音圧レベルは、図13のデー
タと一致すべきであるが、若干異なる結果となった。こ
れは、スリット5の位置や幅などに関する製造上の誤差
に起因するものと考えられる。
【0050】以上の試験結果より、以下の事項が判明し
た。 (1)吐出管にスリット5を設けることにより、排気口
4の音圧レベルが低下する。 (2)吐出管の側方の音圧レベルは、スリット5を設け
た側では増大する傾向を示すが、スリット5の無い側で
は低下する傾向を示す。 (3)上記(2)に関連して、特に、低周波数領域の音
圧レベルが低下する。
【0051】以上の試験は、スリット5に関するもので
あるが、図3〜図5に示すスロット31、スリット4
1、貫通孔51に関しても、同様の結果が得られるもの
と理解し得る。
【0052】したがって、スリット5、スロット31、
スリット41、貫通孔51を吐出管の一方の側に単数又
は複数設けた排気系1を車両に搭載する際に、歩道から
遠ざかる側にスリット5、スロット31、41、貫通孔
51を設け、歩道側には、スロット等を設けないように
することが望ましいと考えられる。例えば、車道が左車
線を原則とする日本国等においては、車両の前進方向左
側に位置する吐出管3、20、30、40、50の管壁
にスリット5、スロット31、スリット41、貫通孔5
1を配置し、歩行者側に位置する吐出管3、20、3
0、40、50の右側の管壁には、スリット等を設けな
いようにすることが望ましい。
【0053】なお、上記各実施例では、断面円形の管構
造を有する吐出管について説明したが、吐出管の断面形
状は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明
は、楕円形断面、方形断面等の各種断面形状の吐出管に
適用しても良い。
【0054】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明の上記構成に
よれば、内燃機関の排気脈動による共鳴を吐出管構造の
改良により抑制し、内燃機関の排気音を低減することが
できる排気系吐出管が提供される。
【0055】また、歩行者側とは反対の側にスリット、
スロット又は貫通孔を配置した本発明の構成によれば、
歩行者の耳に到達する排気音の騒音レベルを有効に低減
することができる内燃機関の排気系吐出管が提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、車両用内燃機関(図示せず)の排気系
における排気管後部の構造を概略的に示す斜視図であ
り、本発明の第1実施例を示す。
【図2】本発明の第2実施例に係る吐出管の構造を示す
斜視図である。
【図3】本発明の第3実施例に係る吐出管の構造を示す
斜視図である。
【図4】本発明の第4実施例に係る吐出管の構造を示す
斜視図である。
【図5】本発明の第5実施例に係る吐出管の構造を示す
斜視図である。
【図6】本発明に係る吐出管に関し、排気口の騒音低減
効果を実証するために実施した騒音測定試験の試験方法
を示す斜視図である。
【図7】図6に示す試験方法により実施した騒音測定試
験の試験結果を示す線図である。
【図8】本発明に係る吐出管に関し、吐出管側方の騒音
を測定するために実施した騒音測定試験の試験方法を示
す斜視図である。
【図9】図8に示す試験方法により実施した騒音測定試
験の試験結果を示す線図である。
【図10】本発明に係る吐出管に関し、多数のスリット
を設けた排気口の騒音低減効果を実証するために実施し
た騒音測定試験の試験方法を示す斜視図である。
【図11】図10に示す試験方法により実施した騒音測
定試験の試験結果を示す線図である。
【図12】本発明に係る吐出管に関し、吐出管側方の騒
音を測定するために実施した騒音測定試験の試験方法を
示す斜視図である。
【図13】図12に示す試験方法により実施した騒音測
定試験の試験結果を示す線図である。
【図14】本発明に係る吐出管に関し、吐出管側方の騒
音を測定するために実施した騒音測定試験の試験方法を
示す斜視図である。
【図15】図14に示す試験方法により実施した騒音測
定試験の試験結果を示す線図である。
【符号の説明】
1 内燃機関の排気系 2 消音器 3:20:30:40:50 吐出管 4 排気口 5:41 スリット 31 スロット 51 貫通孔

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気管後部に配設した消音器
    に接続され、大気開放した排気口を下流端に備えた排気
    系吐出管において、 前記吐出管の管長方向に延び且つ排気口の周縁に達する
    スリットが前記吐出管の下流端部分の管壁に形成される
    ことを特徴とする内燃機関の排気系吐出管。
  2. 【請求項2】 内燃機関の排気管後部に設置した消音器
    に接続され、大気開放した排気口を下流端に備えた排気
    系吐出管において、 前記吐出管の下流端部分の管壁には、管長方向に延びる
    スロット又は貫通孔が穿設されることを特徴とする内燃
    機関の排気系吐出管。
  3. 【請求項3】 単数又は複数の前記スリットが、前記吐
    出管の下流側半部にのみ形成されることを特徴とする請
    求項1に記載の内燃機関の排気系吐出管。
  4. 【請求項4】 単数又は複数の前記スロット又は貫通孔
    が、前記吐出管の下流側半部にのみ形成されることを特
    徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気系吐出管。
  5. 【請求項5】 前記スリットは、車両の歩行者側とは反
    対の側において、前記管壁に配置されることを特徴とす
    る請求項1又は3に記載の内燃機関の排気系吐出管。
  6. 【請求項6】 前記スロット又は貫通孔は、車両の歩行
    者側とは反対の側において、前記管壁に配置されること
    を特徴とする請求項2又は4に記載の内燃機関の排気系
    吐出管。
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