JP3937195B2 - 消音装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、騒音を低減する消音装置、特に気流の存在する条件下で騒音を低減することを目的とした消音装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】
消音装置は、吸音材や空洞などの音響素子を騒音の通路に接続して構成した音響系によって、音を吸収したり反射させたりして騒音を低減するが、音響素子と騒音の通路とは、騒音の通路に開口した接続部を介して接続される場合が多い。例えば、内燃機関の騒音を低減するための共鳴型マフラーでは、排気管に開口した管を介して容器が接続されてヘルムホルツ共鳴器を構成しており、開口を含む断面において排気管の音響インピーダンスが急激に変化するために、伝播してきた騒音は反射され、結果的に排気管から放射される騒音が低減される。また、送風ダクトの消音のために、ダクト内壁に吸音材をライニングする場合に、吸音材の保護をかねて、多数の穴を開けた板を吸音材の上に重ねて貼る場合が多い。この場合、吸音材は、板表面に開口した穴を介して、騒音の通路と接続されることとなる。ジェットエンジンナセルの吸音等では、ナセル内壁にハニカム板と穴開き板を重ねてライニングすることがある。この場合は、ハニカム板のセルの空洞と穴開き板の穴によって形成された多数のへルムホルツ共鳴器が、穴開き板上に並置された形となり、個々のへルムホルツ共鳴器は穴開き板表面に開口した穴を介して騒音通路に接続される。これらの消音装置の開口について、従来は、その面積には注意が払われていたが、開口の気流方向の長さについて考慮されることは無かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
消音装置の消音特性は、音響系と騒音通路との接続部の音響インピーダンスに強く影響される。接続部分の音響インピーダンスの実数部すなわち音響抵抗が大きいと、音響素子による騒音の反射あるいは吸収が十分に行われなくなり、騒音低減効果も低下する。特に、気流の存在する条件下では、音響系を騒音通路に接続する開口が気流にさらされ、開口の音響抵抗が気流の影響を受けるため、気流の影響を考慮しないで設計した消音装置では、十分な騒音低減効果が得られない場合が多い。本発明の目的は、気流の存在下で用いられる消音装置において、接続部分の音響抵抗を低減し、騒音低減効果の大きい消音装置を実現することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を実現するため、音響素子と、気流の流れる騒音の通路に気流と平行に開口した接続部とによって音響系を形成して、気流の存在下で騒音低減をおこなう消音装置において、上記開口の気流の方向に沿って測った長さを、同開口の音響抵抗が負となる値に選び、接続部の音響抵抗を、前記開口の負の音響抵抗によって相殺して小さくすることにより、大きな騒音低減効果を実現する。
【0005】
【作用】
開口上を横切る気流が存在する場合、開口の音響抵抗は、開口上の気流の流速の関数である。騒音の周波数f、気流流速U、開口の気流方向の長さdを代表量とするストローハル数fd/Uが小さい範囲では、音響抵抗は気流速度Uにほぼ比例して大きくなる。しかし、ストローハル数が大きい領域では、開口の音響抵抗は複雑な挙動を示し、特定のストローハル数では、気流のエネルギーの一部が音響エネルギーに変換されて開口内に流入する現象、すなわち開口の音響抵抗が負の値となる現象が起こる。音響素子と騒音通路の接続部分には、通常、粘性などに起因する音響抵抗が存在する。開口の音響抵抗が負となるように開口の気流方向の長さdを定めることにより、開口の負の音響抵抗と、上記の粘性などに起因する音響抵抗とが相殺して、接続部分の音響抵抗はゼロに近づき、大きな騒音低減効果が得られる。
【0006】
【実施例】
以下、本発明の実施の形態を、図示実施例に基づいて説明する。図1は、内燃機関の排気音を低減する共鳴型マフラーに適用した本発明の第一実施例である。図1において、1は断面積がSd の排気管である。排気騒音の音源である内燃機関は、排気管1の上流側(図に向かって左側)に接続されているが、図では省略されている。排気管1には、排気流が平均流速Uで流れている。2は容積Vの容器、3は断面積Sで音響的な実効長がlの管である。管3の上端は容器2と接続されている。一方、管3の下端は、排気管1に穿たれた開口4において、排気管1と接続している。開口4は、A−A断面図に示されているように、気流に沿った方向に測った長さがdに作製されている。
【0007】
容器の中の気体の圧縮性のため、容器2はバネ要素として働き、一方、気体の慣性のために、管3の中の気体は質量要素として働く。従って、容器2と管3とは、「バネ−質量系」を構成し、いわゆるヘルムホルツ共鳴器を構成している。ヘルムホルツ共鳴器の音響インピーダンスZ=R+jXは
【0008】
【数1】
Figure 0003937195
【0009】
で与えられる。ここで、cは音速である。音響インピーダンスの実数部Rは、開口の音響抵抗を除くと、管3における粘性によるエネルギー散逸が主な要因である。ヘルムホルツ共鳴器が並列に接続された音響管の音響パワー伝搬係数Tは
【0010】
【数2】
Figure 0003937195
【0011】
で与えられる。ヘルムホルツ共鳴器の音響リアクタンスXがゼロとなる共鳴周波数
【0012】
【数3】
Figure 0003937195
【0013】
において、音響パワー伝搬係数Tは
【0014】
【数4】
Figure 0003937195
【0015】
となる。ヘルムホルツ共鳴器の音響抵抗Rが十分に小さいときには、共鳴周波数f0 における音響パワー伝搬係数T0 もまた小さい値となる。この場合、周波数がf0 近傍の音は、ヘルムホルツ共鳴器の接続された断面を越えてはほとんど伝播せず、音源の方へ反射されていく。
【0016】
数4から明らかなように、共鳴型マフラーは、ヘルムホルツ共鳴器の音響抵抗Rが小さくなくては、十分な騒音低減性能が得られない。Rが大きいと、T0 もまた大きくなり、ヘルムホルツ共鳴器の接続された断面を越えて伝播する騒音のパワーも大きくなるからである。
【0017】
ヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数は、数3から分かるように、容積V、管長lおよび開口面積Sで決まる。高い消音効果を得るためには、消音対象である騒音の卓越周波数にヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数が合致する様に、上記の設計パラメーターV、l、Sを決定しなくてはならない。従来の共鳴型マフラーでは、開口についてその面積Sのみを考慮して、これらのパラメーターを決定するという設計が行われてきた。これに対して本実施例では、以下のようにして上記のパラメーターを決定している。最も大きな消音が必要な気流流速をU0 、騒音の卓越周波数をfとして、ストロ−ハル数fd/U0 が特定の範囲にある場合に,すなわち開口の気流方向に測った長さdが特定の範囲にある場合に開口4の音響抵抗は負となる。一方、前記の粘性に起因する音響抵抗は、管3の長さlと開口面積Sによって変化するので、この音響抵抗と開口4の負の音響抵抗とがちょうど相殺するように、d、Sおよびlを決めることができる。そして、容積Vは、ヘルムホルツ共鳴周波数f0 が騒音の卓越周波数fに一致するように決定する。このように設計されているため、本実施例の消音装置では、ヘルムホルツ共鳴器の周波数f近傍の音響抵抗Rはほとんどゼロとなり、非常に大きな消音効果が得られる。
【0018】
(第二実施例)図2は、送風ダクトの消音用ライニングに適用した、本発明の第二の実施例である。図2において、5はハニカム板、6はハニカム板の上に重ねてライニングされた穴開き板、7はハニカム板のハニカムセル、8は穴開き板6上に開口4をもって開口する穴、9はダクト内壁である。気流はライニングに平行に流速Uで流れている。穴開き板6に開いた穴8は、音響的には、第一実施例における管3に対応し、長さが板厚に等しい管と同じ働きをする。従って、この消音用ライニングでは、ハニカムセル7の空洞と穴8の管とによって、多数のヘルムホルツ共鳴器が形成される。個々のヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数は、ハニカムセルの容積と開口4の面積および穴8の音響的な長さとで決まる。ハニカムセルと騒音通路を接続している穴8には、開口4の音響抵抗を別にすると、粘性によるエネルギー散逸に対応する音響抵抗がある。本実施例では、代表的な気流速度と騒音周波数において、開口4の音響抵抗が負となるような値に、開口4の気流方向に測った長さdを決定してある。開口4の負の音響抵抗によって、ハニカムセル7と騒音通路を接続している穴8の音響抵抗が相殺されるため、個々のヘルムホルツ共鳴器の音響抵抗は小さくなり、消音ライニングの消音効果は非常に大きくなる。
【0019】
【発明の効果】
本発明では、音響素子と、気流の流れる騒音の通路に気流と平行に開口した接続部とによって音響系を形成して、気流の存在下で騒音低減をおこなう消音装置において、開口の気流に沿った方向に測った長さを、開口の音響抵抗が負になるような値に選び、他の要因による音響抵抗と相殺させて接続部の音響抵抗が小さい消音装置を実現している。開口の気流方向の長さを考慮しない従来の消音装置では、接続部の音響抵抗が相殺されないばかりか、気流によって開口の音響抵抗は増大する場合が多いから、接続部の音響抵抗は気流が無い場合よりもむしろ大きくなる。従って、本発明によって、気流の存在下において、従来と比較して非常に大きな騒音低減効果をもつ消音装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例である。
【図2】本発明の第二実施例である。
【符号の説明】
1 排気管
2 容器
3 管
4 開口
5 ハニカム板
6 穴開き板
7 ハニカムセル
8 穴
9 ダクト内壁

Claims (1)

  1. 音響素子と、気流の流れている騒音の通路に気流と平行に開口し前記音響素子と騒音の通路とをつなぐ接続部を有し、前記音響素子と前記開口と前記接続部によって形成される音響系の働きによって、気流の存在下で騒音を低減する消音装置において、気流の流速と騒音の周波数と気流の方向に沿って測った開口長さとが成すストローハル数を、気流エネルギーの一部が音響エネルギーに変換されて前記開口内に流入するストローハル数範囲内の値とすることで、気流の方向に沿って測った前記開口の長さが、同開口の音響抵抗が負となる値に選ばれていることを特徴とする消音装置。
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