JP2002363438A - 無機補強充填剤及びこれを含有した熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
無機補強充填剤及びこれを含有した熱可塑性樹脂組成物Info
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- JP2002363438A JP2002363438A JP2001167671A JP2001167671A JP2002363438A JP 2002363438 A JP2002363438 A JP 2002363438A JP 2001167671 A JP2001167671 A JP 2001167671A JP 2001167671 A JP2001167671 A JP 2001167671A JP 2002363438 A JP2002363438 A JP 2002363438A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 熱可塑性樹脂等に配合して、アイゾット衝撃
強度などの機械的強度を高めることができる無機補強充
填剤を得る。 【解決手段】 イソシアネート基と反応するアミノ基、
エポキシ基、メルカプト基または水酸基などの官能基を
有するカップリング剤を表面処理した後、ポリイソシア
ネート化合物を表面処理して、ポリイソシアネート化合
物中のイソシアネート基を上記官能基と反応させるなど
の方法により、イソシアネート基を末端に有するように
無機補強充填剤を表面処理することを特徴としている。
強度などの機械的強度を高めることができる無機補強充
填剤を得る。 【解決手段】 イソシアネート基と反応するアミノ基、
エポキシ基、メルカプト基または水酸基などの官能基を
有するカップリング剤を表面処理した後、ポリイソシア
ネート化合物を表面処理して、ポリイソシアネート化合
物中のイソシアネート基を上記官能基と反応させるなど
の方法により、イソシアネート基を末端に有するように
無機補強充填剤を表面処理することを特徴としている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂等に
配合して機械的強度を高めるための無機補強充填剤及び
これを含有した熱可塑性樹脂組成物に関するものであ
る。
配合して機械的強度を高めるための無機補強充填剤及び
これを含有した熱可塑性樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂等に配合して機械的強度を
高める無機補強充填剤の代表的なものとしては、ガラス
繊維が知られている。一般に、ガラス繊維は、溶融ガラ
スをブッシング底部に設けられた多数のノズルから引き
出すことにより作製される。ガラス繊維の表面には、集
束剤と、表面処理剤としてのシランカップリング剤が塗
布され、数百〜数千本束ねてストランドとされる。この
ストランドを、1.5〜13mmの長さに切断してチョ
ップドストランドが作製される。
高める無機補強充填剤の代表的なものとしては、ガラス
繊維が知られている。一般に、ガラス繊維は、溶融ガラ
スをブッシング底部に設けられた多数のノズルから引き
出すことにより作製される。ガラス繊維の表面には、集
束剤と、表面処理剤としてのシランカップリング剤が塗
布され、数百〜数千本束ねてストランドとされる。この
ストランドを、1.5〜13mmの長さに切断してチョ
ップドストランドが作製される。
【0003】このようにして作製されたチョップドスト
ランドを熱可塑性樹脂と混練して、ペレット状にした
後、射出成形することによって繊維強化熱可塑性樹脂
(FRTP)が作製される。集束剤は、熱可塑性樹脂に
混練する際に毛羽立ちを抑えてガラス繊維の取扱性を良
好にするために用いられている。また、シランカップリ
ング剤は、熱可塑性樹脂との界面における接着性を高め
るために一般に使用されている。
ランドを熱可塑性樹脂と混練して、ペレット状にした
後、射出成形することによって繊維強化熱可塑性樹脂
(FRTP)が作製される。集束剤は、熱可塑性樹脂に
混練する際に毛羽立ちを抑えてガラス繊維の取扱性を良
好にするために用いられている。また、シランカップリ
ング剤は、熱可塑性樹脂との界面における接着性を高め
るために一般に使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ポリカーボネート(P
C)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフ
タレート(PBT)、及びナイロンなどの熱可塑性樹脂
を補強するガラス繊維に用いられるシランカップリング
剤としては、主にアミノ基を官能基とするγ−アミノプ
ロピルトリエトキシシランが用いられている。
C)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフ
タレート(PBT)、及びナイロンなどの熱可塑性樹脂
を補強するガラス繊維に用いられるシランカップリング
剤としては、主にアミノ基を官能基とするγ−アミノプ
ロピルトリエトキシシランが用いられている。
【0005】しかしながら、このようなアミノ基を官能
基とするシランカップリング剤で表面処理されたガラス
繊維を用いても、アイゾット衝撃強度などの機械的強度
は十分ではなく、アイゾット衝撃強度などの機械的強度
を高めることができるガラス繊維が求められている。ま
た、ガラス繊維と同様に、チタン酸カリウム繊維などの
針状無機充填剤や、マイカやタルクなどの板状無機充填
剤、及び炭素繊維、アラミド繊維などの繊維において
も、従来のシランカップリング剤などで表面処理された
ものよりも、機械的強度が高めることができる無機補強
充填剤が求められている。
基とするシランカップリング剤で表面処理されたガラス
繊維を用いても、アイゾット衝撃強度などの機械的強度
は十分ではなく、アイゾット衝撃強度などの機械的強度
を高めることができるガラス繊維が求められている。ま
た、ガラス繊維と同様に、チタン酸カリウム繊維などの
針状無機充填剤や、マイカやタルクなどの板状無機充填
剤、及び炭素繊維、アラミド繊維などの繊維において
も、従来のシランカップリング剤などで表面処理された
ものよりも、機械的強度が高めることができる無機補強
充填剤が求められている。
【0006】本発明の目的は、熱可塑性樹脂等に配合し
て優れた機械的強度を付与することができる無機補強充
填剤及びこれを含有した熱可塑性樹脂組成物を提供する
ことにある。
て優れた機械的強度を付与することができる無機補強充
填剤及びこれを含有した熱可塑性樹脂組成物を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の無機補強充填剤
は、イソシアネート基を末端に有するように表面処理さ
れたことを特徴としている。
は、イソシアネート基を末端に有するように表面処理さ
れたことを特徴としている。
【0008】本発明の無機補強充填剤は、イソシアネー
ト基を末端に有するように表面処理されており、この末
端のイソシアネート基が、熱可塑性樹脂中の水酸基、ア
ミノ基、またはカルボン酸基などと反応するため、熱可
塑性樹脂との界面の接着性を高めることができる。従っ
て、本発明の無機補強充填剤は、熱可塑性樹脂に配合し
た際、アイゾット衝撃強度などの機械的強度を著しく高
めることができる。
ト基を末端に有するように表面処理されており、この末
端のイソシアネート基が、熱可塑性樹脂中の水酸基、ア
ミノ基、またはカルボン酸基などと反応するため、熱可
塑性樹脂との界面の接着性を高めることができる。従っ
て、本発明の無機補強充填剤は、熱可塑性樹脂に配合し
た際、アイゾット衝撃強度などの機械的強度を著しく高
めることができる。
【0009】イソシアネート基を末端に有するように表
面処理する方法としては、イソシアネート基と反応する
官能基を有するカップリング剤と、ポリイソシアネート
化合物を用いて表面処理する方法が挙げられる。すなわ
ち、ポリイソシアネート化合物の1つのイソシアネート
基をカップリング剤の官能基と反応させて結合すること
により、カップリング剤を介してポリイソシアネート化
合物を無機補強充填剤の表面に結合する方法である。
面処理する方法としては、イソシアネート基と反応する
官能基を有するカップリング剤と、ポリイソシアネート
化合物を用いて表面処理する方法が挙げられる。すなわ
ち、ポリイソシアネート化合物の1つのイソシアネート
基をカップリング剤の官能基と反応させて結合すること
により、カップリング剤を介してポリイソシアネート化
合物を無機補強充填剤の表面に結合する方法である。
【0010】具体的には、無機補強充填剤に対して、イ
ソシアネート基と反応する官能基を有するカップリング
剤を表面処理した後、ポリイソシアネート化合物を表面
処理する方法が挙げられる。カップリング剤として、ア
ミノ基を有するカップリング剤を用い、ポリイソシアネ
ート化合物としてトリレンジイソシアネートを用いる場
合、上記表面処理は、次式のように示される。
ソシアネート基と反応する官能基を有するカップリング
剤を表面処理した後、ポリイソシアネート化合物を表面
処理する方法が挙げられる。カップリング剤として、ア
ミノ基を有するカップリング剤を用い、ポリイソシアネ
ート化合物としてトリレンジイソシアネートを用いる場
合、上記表面処理は、次式のように示される。
【0011】
【化1】
【0012】上記のように、無機補強充填剤の表面のシ
ラノール基(−SiOH)にまずカップリング剤が結合
し、表面にアミノ基が導入され、このアミノ基に、ポリ
イソシアネート化合物の1つのイソシアネート基が反応
することによって、ポリイソシアネート化合物が無機補
強充填剤の表面に結合され、イソシアネート基が無機補
強充填剤の表面に導入される。表面に導入されたイソシ
アネート基は、熱可塑性樹脂中の水酸基、アミノ基、カ
ルボン酸基等と反応することができるので、マトリック
ス樹脂である熱可塑性樹脂との接着性が高められる。
ラノール基(−SiOH)にまずカップリング剤が結合
し、表面にアミノ基が導入され、このアミノ基に、ポリ
イソシアネート化合物の1つのイソシアネート基が反応
することによって、ポリイソシアネート化合物が無機補
強充填剤の表面に結合され、イソシアネート基が無機補
強充填剤の表面に導入される。表面に導入されたイソシ
アネート基は、熱可塑性樹脂中の水酸基、アミノ基、カ
ルボン酸基等と反応することができるので、マトリック
ス樹脂である熱可塑性樹脂との接着性が高められる。
【0013】また、カップリング剤の官能基とポリイソ
シアネート化合物のイソシアネート基を予め反応させた
後、これを無機補強充填剤に表面処理することにより、
イソシアネート基を無機補強充填剤の表面に導入しても
よい。
シアネート化合物のイソシアネート基を予め反応させた
後、これを無機補強充填剤に表面処理することにより、
イソシアネート基を無機補強充填剤の表面に導入しても
よい。
【0014】イソシアネート基と反応するカップリング
剤の官能基としては、イソシアネート基と反応し得る官
能基であれば特に限定されるものではなく、例えば、ア
ミノ基、エポキシ基、メルカプト基、または水酸基など
が挙げられる。また、カップリング剤の代表的なものと
しては、シラン系カップリング剤が挙げられるが、アル
ミニウム系カップリング剤、リン系カップリング剤、チ
タネート系カップリング剤などその他のカップリング剤
を用いてもよい。
剤の官能基としては、イソシアネート基と反応し得る官
能基であれば特に限定されるものではなく、例えば、ア
ミノ基、エポキシ基、メルカプト基、または水酸基など
が挙げられる。また、カップリング剤の代表的なものと
しては、シラン系カップリング剤が挙げられるが、アル
ミニウム系カップリング剤、リン系カップリング剤、チ
タネート系カップリング剤などその他のカップリング剤
を用いてもよい。
【0015】ポリイソシアネート化合物としては、イソ
シアネート基を2つ以上有する化合物であれば、特に限
定されることなく用いることができる。このようなポリ
イソシアネート化合物として、芳香族系ジイソシアネー
ト、及び脂肪族系ジイソシアネートが挙げられ、具体的
には、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレン
ジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシア
ネート(IPDI)、ナフタレンジイソシアネート(N
DI)、P−フェニレンジイソシアネート(PDI)、
キシリレンジイソシアネート(XDI)、ビス(イソシ
アネートメチル)シクロヘキサン(水添XDI)、変性
イソシアネートなどが挙げられる。これらの中でも、入
手し易さ及び反応性等を考慮すると、芳香族系ジイソシ
アネートであるトリレンジイソシアネートが特に好まし
く用いられる。
シアネート基を2つ以上有する化合物であれば、特に限
定されることなく用いることができる。このようなポリ
イソシアネート化合物として、芳香族系ジイソシアネー
ト、及び脂肪族系ジイソシアネートが挙げられ、具体的
には、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレン
ジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシア
ネート(IPDI)、ナフタレンジイソシアネート(N
DI)、P−フェニレンジイソシアネート(PDI)、
キシリレンジイソシアネート(XDI)、ビス(イソシ
アネートメチル)シクロヘキサン(水添XDI)、変性
イソシアネートなどが挙げられる。これらの中でも、入
手し易さ及び反応性等を考慮すると、芳香族系ジイソシ
アネートであるトリレンジイソシアネートが特に好まし
く用いられる。
【0016】カップリング剤の表面処理は、無機補強充
填剤及びカップリング剤の種類に応じて通常の方法によ
り処理することができる。すなわち、ガラス繊維などの
場合は、ストランドの状態でカップリング剤を含有した
溶液中に浸漬することにより表面処理することができ
る。また、粉状の無機補強充填剤の場合は、無機補強充
填剤の撹拌下にカップリング剤を添加することにより表
面処理することができる。
填剤及びカップリング剤の種類に応じて通常の方法によ
り処理することができる。すなわち、ガラス繊維などの
場合は、ストランドの状態でカップリング剤を含有した
溶液中に浸漬することにより表面処理することができ
る。また、粉状の無機補強充填剤の場合は、無機補強充
填剤の撹拌下にカップリング剤を添加することにより表
面処理することができる。
【0017】イソシアネート化合物の表面処理は、ポリ
イソシアネート化合物を含有した溶液中に浸漬したり、
あるいはポリイソシアネート化合物を含んだ溶液を添加
混合することにより処理することができる。処理の際の
温度は低い温度であることが好ましく、例えば室温にお
いて、長時間ポリイソシアネート化合物を接触させた
後、50〜120℃程度の温度で熱処理することが好ま
しい。
イソシアネート化合物を含有した溶液中に浸漬したり、
あるいはポリイソシアネート化合物を含んだ溶液を添加
混合することにより処理することができる。処理の際の
温度は低い温度であることが好ましく、例えば室温にお
いて、長時間ポリイソシアネート化合物を接触させた
後、50〜120℃程度の温度で熱処理することが好ま
しい。
【0018】本発明における無機補強充填剤としては、
カップリング剤を表面処理できるものであれば、特に限
定されるものではなく、例えば、ガラス繊維、炭素繊
維、アラミド繊維、チタン酸カリウムなどの針状無機充
填剤、タルクやマイカなどの板状無機充填剤などが挙げ
られる。これらの中でも、ガラス繊維は、安価でコスト
パフォーマンスに優れているので、特に好ましく用いら
れる。
カップリング剤を表面処理できるものであれば、特に限
定されるものではなく、例えば、ガラス繊維、炭素繊
維、アラミド繊維、チタン酸カリウムなどの針状無機充
填剤、タルクやマイカなどの板状無機充填剤などが挙げ
られる。これらの中でも、ガラス繊維は、安価でコスト
パフォーマンスに優れているので、特に好ましく用いら
れる。
【0019】無機補強充填剤に対する表面処理量として
は、0.01〜5重量%であることが好ましく、さらに
好ましくは0.05〜3重量%である。カップリング剤
とポリイソシアネート化合物を用いて表面処理する場
合、この表面処理量は、ポリイソシアネート化合物の付
着量として表される。表面処理量が少な過ぎると、アイ
ゾット衝撃強度などの機械的強度を高めるという本発明
の効果が十分に得られない場合があり、表面処理量が多
過ぎると、表面処理量に比例した効果が得られない場合
がある。
は、0.01〜5重量%であることが好ましく、さらに
好ましくは0.05〜3重量%である。カップリング剤
とポリイソシアネート化合物を用いて表面処理する場
合、この表面処理量は、ポリイソシアネート化合物の付
着量として表される。表面処理量が少な過ぎると、アイ
ゾット衝撃強度などの機械的強度を高めるという本発明
の効果が十分に得られない場合があり、表面処理量が多
過ぎると、表面処理量に比例した効果が得られない場合
がある。
【0020】本発明の無機補強充填剤が配合される熱可
塑性樹脂は、イソシアネート基と反応する官能基を有す
る樹脂であれば特に限定されるものではなく、例えば、
液晶ポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)
樹脂及びポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂な
どのポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネ
ート(PC)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PP
S)樹脂、ポリエチレン及びポリプロピレンなどのオレ
フィン系樹脂、AS樹脂やABS樹脂等のスチレン系樹
脂、ポリアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂及びこれらの
ポリマーアロイなどが挙げられる。
塑性樹脂は、イソシアネート基と反応する官能基を有す
る樹脂であれば特に限定されるものではなく、例えば、
液晶ポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)
樹脂及びポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂な
どのポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネ
ート(PC)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PP
S)樹脂、ポリエチレン及びポリプロピレンなどのオレ
フィン系樹脂、AS樹脂やABS樹脂等のスチレン系樹
脂、ポリアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂及びこれらの
ポリマーアロイなどが挙げられる。
【0021】熱可塑性樹脂に対する無機補強充填剤の配
合量は、使用する無機補強充填剤及び熱可塑性樹脂の種
類や用途に応じて適宜設定されるが、一般には、2〜8
0重量%程度が適当である。
合量は、使用する無機補強充填剤及び熱可塑性樹脂の種
類や用途に応じて適宜設定されるが、一般には、2〜8
0重量%程度が適当である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定され
るものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲におい
て適宜変更して実施することができるものである。
に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定され
るものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲におい
て適宜変更して実施することができるものである。
【0023】(実施例1)官能基を有するシランカップ
リング剤としてのγ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ンで表面処理されたガラス繊維10gを、2,4−トリ
レンジイソシアネート(TDI)2ml及びトルエン8
mlからなる溶液中に23℃で浸漬した。24時間浸漬
させた後、ガラス繊維を濾過して乾燥し、次に110℃
で5時間熱処理した。熱処理後、酢酸エチルで洗浄し、
重量変化を測定したところ、1.2%の重量増加が認め
られた。従って、1.2重量%のTDIが付着している
と考えられる。
リング剤としてのγ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ンで表面処理されたガラス繊維10gを、2,4−トリ
レンジイソシアネート(TDI)2ml及びトルエン8
mlからなる溶液中に23℃で浸漬した。24時間浸漬
させた後、ガラス繊維を濾過して乾燥し、次に110℃
で5時間熱処理した。熱処理後、酢酸エチルで洗浄し、
重量変化を測定したところ、1.2%の重量増加が認め
られた。従って、1.2重量%のTDIが付着している
と考えられる。
【0024】以上のようにして得られたガラス繊維を3
0重量%となるように液晶ポリマーに配合した。具体的
には、290℃に加熱しながらガラス繊維を混練し、常
法に従ってペレット化した後、このペレットを射出成形
してアイゾット衝撃強度測定用の試験片を作製した。
0重量%となるように液晶ポリマーに配合した。具体的
には、290℃に加熱しながらガラス繊維を混練し、常
法に従ってペレット化した後、このペレットを射出成形
してアイゾット衝撃強度測定用の試験片を作製した。
【0025】(実施例2)シランカップリング剤で処理
されていないガラス繊維20gを、3−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン2mlと水30mlからなる
溶液中に23℃で浸漬し、24時間放置した後、濾過し
て乾燥し、次に80℃で9時間熱処理して、3−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシランで表面処理されたガ
ラス繊維を得た。このガラス繊維に、実施例1と同様に
してTDIを表面処理した後、実施例1と同様にして液
晶ポリマーに配合し、試験片を作製した。
されていないガラス繊維20gを、3−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン2mlと水30mlからなる
溶液中に23℃で浸漬し、24時間放置した後、濾過し
て乾燥し、次に80℃で9時間熱処理して、3−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシランで表面処理されたガ
ラス繊維を得た。このガラス繊維に、実施例1と同様に
してTDIを表面処理した後、実施例1と同様にして液
晶ポリマーに配合し、試験片を作製した。
【0026】(実施例3)3−グリシドキシプロピルト
リメトキシシランに代えて、3−メルカプトプロピルト
リメトキシシランを用いる以外は、実施例2と同様にし
てシランカップリング剤及びTDIを表面処理し、表面
処理したガラス繊維を実施例1と同様にして液晶ポリマ
ーに配合し、試験片を作製した。
リメトキシシランに代えて、3−メルカプトプロピルト
リメトキシシランを用いる以外は、実施例2と同様にし
てシランカップリング剤及びTDIを表面処理し、表面
処理したガラス繊維を実施例1と同様にして液晶ポリマ
ーに配合し、試験片を作製した。
【0027】(実施例4)実施例1で得られたガラス繊
維を、30重量%となるように、PPS樹脂に配合し、
試験片を作製した。なお、混練温度は320℃とした。
維を、30重量%となるように、PPS樹脂に配合し、
試験片を作製した。なお、混練温度は320℃とした。
【0028】(実施例5)実施例1で得られたガラス繊
維を、30重量%となるように、PET樹脂に配合し、
試験片を作製した。なお、混練温度は270℃とした。
維を、30重量%となるように、PET樹脂に配合し、
試験片を作製した。なお、混練温度は270℃とした。
【0029】(実施例6)実施例1で得られたガラス繊
維を、30重量%となるように、PBT樹脂に配合し、
試験片を作製した。なお、混練温度は250℃とした。
維を、30重量%となるように、PBT樹脂に配合し、
試験片を作製した。なお、混練温度は250℃とした。
【0030】(実施例7)実施例1で得られたガラス繊
維を、30重量%となるように、PC樹脂に配合し、試
験片を作製した。なお、混練温度は260℃とした。
維を、30重量%となるように、PC樹脂に配合し、試
験片を作製した。なお、混練温度は260℃とした。
【0031】(実施例8)実施例1で得られたガラス繊
維を、30重量%となるように、6−ナイロン樹脂に配
合し、試験片を作製した。なお、混練温度は260℃と
した。
維を、30重量%となるように、6−ナイロン樹脂に配
合し、試験片を作製した。なお、混練温度は260℃と
した。
【0032】(実施例9)TDIに代えて、ヘキサメチ
レンジアミン(HMDI)10mlを用いる以外は、実
施例1と同様にしてポリイソシアネート化合物を処理し
た。重量増加は0.9%であった。得られたガラス繊維
は、実施例1と同様にして、液晶ポリマーに配合し、試
験片を作製した。
レンジアミン(HMDI)10mlを用いる以外は、実
施例1と同様にしてポリイソシアネート化合物を処理し
た。重量増加は0.9%であった。得られたガラス繊維
は、実施例1と同様にして、液晶ポリマーに配合し、試
験片を作製した。
【0033】(比較例1)ガラス繊維として、シランカ
ップリング剤のみで処理されたガラス繊維を用いる以外
は、実施例1と同様にして試験片を作製した。
ップリング剤のみで処理されたガラス繊維を用いる以外
は、実施例1と同様にして試験片を作製した。
【0034】(比較例2)ガラス繊維として、シランカ
ップリング剤のみで処理されたガラス繊維を用いる以外
は、実施例2と同様にして試験片を作製した。
ップリング剤のみで処理されたガラス繊維を用いる以外
は、実施例2と同様にして試験片を作製した。
【0035】(比較例3)ガラス繊維として、シランカ
ップリング剤のみで処理されたガラス繊維を用いる以外
は、実施例3と同様にして試験片を作製した。
ップリング剤のみで処理されたガラス繊維を用いる以外
は、実施例3と同様にして試験片を作製した。
【0036】(比較例4)ガラス繊維として、シランカ
ップリング剤のみで処理されたガラス繊維を用いる以外
は、実施例4と同様にして試験片を作製した。
ップリング剤のみで処理されたガラス繊維を用いる以外
は、実施例4と同様にして試験片を作製した。
【0037】(比較例5)ガラス繊維として、シランカ
ップリング剤のみで処理されたガラス繊維を用いる以外
は、実施例5と同様にして試験片を作製した。
ップリング剤のみで処理されたガラス繊維を用いる以外
は、実施例5と同様にして試験片を作製した。
【0038】(比較例6)ガラス繊維として、シランカ
ップリング剤のみで処理されたガラス繊維を用いる以外
は、実施例6と同様にして試験片を作製した。
ップリング剤のみで処理されたガラス繊維を用いる以外
は、実施例6と同様にして試験片を作製した。
【0039】(比較例7)ガラス繊維として、シランカ
ップリング剤のみで処理されたガラス繊維を用いる以外
は、実施例7と同様にして試験片を作製した。
ップリング剤のみで処理されたガラス繊維を用いる以外
は、実施例7と同様にして試験片を作製した。
【0040】(比較例8)ガラス繊維として、シランカ
ップリング剤のみで処理されたガラス繊維を用いる以外
は、実施例8と同様にして試験片を作製した。
ップリング剤のみで処理されたガラス繊維を用いる以外
は、実施例8と同様にして試験片を作製した。
【0041】以上のようにして作製した実施例1〜9及
び比較例1〜8の試験片を用いて、アイゾット衝撃強度
を測定した。測定結果を表1に示す。
び比較例1〜8の試験片を用いて、アイゾット衝撃強度
を測定した。測定結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1から明らかなように、本発明に従いガ
ラス繊維の表面にイソシアネート基を導入することによ
り、アイゾット衝撃強度が顕著に高められている。な
お、実施例1〜3及び実施例9でポリイソシアネート化
合物を表面処理したガラス繊維においては、IR分析に
おいて、2270cm-1付近にイソシアネート基に基づ
くピークが観測されている。従って、表面にイソシアネ
ート基が導入されていることが確認されている。
ラス繊維の表面にイソシアネート基を導入することによ
り、アイゾット衝撃強度が顕著に高められている。な
お、実施例1〜3及び実施例9でポリイソシアネート化
合物を表面処理したガラス繊維においては、IR分析に
おいて、2270cm-1付近にイソシアネート基に基づ
くピークが観測されている。従って、表面にイソシアネ
ート基が導入されていることが確認されている。
【0044】このようにして表面に導入されたイソシア
ネート基が、熱可塑性樹脂中の水酸基、カルボン酸基、
またはアミノ基などと反応することにより、熱可塑性樹
脂とガラス繊維との界面の結合がより強固になり、機械
的強度が向上したものと考えられる。
ネート基が、熱可塑性樹脂中の水酸基、カルボン酸基、
またはアミノ基などと反応することにより、熱可塑性樹
脂とガラス繊維との界面の結合がより強固になり、機械
的強度が向上したものと考えられる。
【0045】
【発明の効果】本発明の無機補強充填剤は、熱可塑性樹
脂等に配合して、優れた機械的強度を付与することがで
きる。
脂等に配合して、優れた機械的強度を付与することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 拓也 和歌山市満屋293−5 (72)発明者 干川 量也 和歌山市布引678番地 (72)発明者 高橋 栄 大阪市旭区大子橋3−2−3−806 (72)発明者 小藪 好志 和歌山市三葛697−1 Fターム(参考) 4J002 AA011 CL062 DA016 DE186 DJ046 DJ056 DL006 FA016 FA046 FA066 FB082 FB086 FB132 FB136 FB142 FB146 FB152 FB156 FD012 FD016 GL00 GM00 GQ00 GT00 4J037 AA01 AA18 AA21 AA25 AA30 CB04 CB13 CB16 CB21 CB22 CB23 CB30 CC26 EE02 EE11 FF01
Claims (6)
- 【請求項1】 イソシアネート基を末端に有するように
表面処理されたことを特徴とする無機補強充填剤。 - 【請求項2】 前記表面処理が、イソシアネート基と反
応する官能基を有するカップリング剤と、ポリイソシア
ネート化合物とを用いてなされていることを特徴とする
請求項1に記載の無機補強充填剤。 - 【請求項3】 イソシアネート基と反応する官能基を有
するカップリング剤を表面処理した後、ポリイソシアネ
ート化合物を表面処理することにより、前記表面処理が
なされていることを特徴とする請求項1または2に記載
の無機補強充填剤。 - 【請求項4】 前記カップリング剤の官能基が、アミノ
基、エポキシ基、メルカプト基、または水酸基であるこ
とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の無
機補強充填剤。 - 【請求項5】 無機補強充填剤に対する表面処理量が、
0.01〜5重量%であることを特徴とする請求項1〜
4のいずれか1項に記載の無機補強充填剤。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の無
機補強充填剤を熱可塑性樹脂に含有させたことを特徴と
する熱可塑性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001167671A JP2002363438A (ja) | 2001-06-04 | 2001-06-04 | 無機補強充填剤及びこれを含有した熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001167671A JP2002363438A (ja) | 2001-06-04 | 2001-06-04 | 無機補強充填剤及びこれを含有した熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002363438A true JP2002363438A (ja) | 2002-12-18 |
Family
ID=19010027
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001167671A Pending JP2002363438A (ja) | 2001-06-04 | 2001-06-04 | 無機補強充填剤及びこれを含有した熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002363438A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007177137A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Nissan Motor Co Ltd | 金属酸化物誘導体、樹脂組成物、及び樹脂組成物の製造方法 |
WO2007110920A1 (ja) * | 2006-03-28 | 2007-10-04 | Hakuto Co., Ltd. | 疎水性シリカ |
JP2008518067A (ja) * | 2004-10-25 | 2008-05-29 | チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド | 機能性ナノ粒子 |
JP2008521958A (ja) * | 2004-11-25 | 2008-06-26 | トータル・ペトロケミカルズ・リサーチ・フエリユイ | 担体表面上に官能性分子を分散させる方法と、この方法によって製造された担体 |
JP2009037786A (ja) * | 2007-07-31 | 2009-02-19 | Kagawa Univ | 導電性ペーストとその製造方法、配線とその製造方法、並びにそれらを用いた電子部品及び電子機器 |
US20110100259A1 (en) * | 2008-05-16 | 2011-05-05 | Bayer Materialscience Ag | Stable polyisocyanates comprising nanoparticles |
-
2001
- 2001-06-04 JP JP2001167671A patent/JP2002363438A/ja active Pending
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