JP2002363233A - オキシメチレンコポリマの製造方法 - Google Patents

オキシメチレンコポリマの製造方法

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JP2002363233A
JP2002363233A JP2001176797A JP2001176797A JP2002363233A JP 2002363233 A JP2002363233 A JP 2002363233A JP 2001176797 A JP2001176797 A JP 2001176797A JP 2001176797 A JP2001176797 A JP 2001176797A JP 2002363233 A JP2002363233 A JP 2002363233A
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Japan
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boron trifluoride
oxymethylene copolymer
oxymethylene
polymerization catalyst
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JP2001176797A
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Masanori Kobayashi
正典 小林
Masaki Kunitomi
正樹 國富
Hiroo Karasawa
啓夫 唐澤
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 色調、熱安定性および機械物性のバランスが
優れたオキシメチレンコポリマを製造する。 【解決手段】 トリオキサンと環状エーテルとの混合物
を、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素水和物、および三
フッ化ホウ素と酸素原子またはイオウ原子を含む有機化
合物との配位化合物からなる群から選ばれた少なくとも
一種の三フッ化ホウ素系重合触媒の存在下に塊状重合す
ることにより、オキシメチレン単位と他のオキシアルキ
レン単位を含むオキシメチレンコポリマを製造するに際
して、特定のアミン系化合物を添加して前記三フッ化ホ
ウ素系重合触媒を失活させることを特徴とするオキシメ
チレンコポリマの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色調、熱安定性お
よび機械物性に優れたオキシメチレンコポリマを製造す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オキシメチレンコポリマに代表されるポ
リアセタール樹脂は、代表的なエンジニアリングプラス
チックとして、自動車や電気・電子機器の部品用途を中
心に使用されている。
【0003】オキシメチレンコポリマの代表的な製造方
法としては、トリオキサンと環状エーテルとを塊状重合
する方法が、例えば特公昭44−5234号公報などに
より知られている。
【0004】しかるに、上記の方法により得られたオキ
シメチレンコポリマは、このままでは熱的に不安定であ
るため、ポリマの不安定末端部分を分解除去して安定化
されているが、それに先立って重合触媒を失活させ、重
合反応を停止することが必要である。
【0005】すなわち、トリオキサンなどをカチオン重
合して得られるオキシメチレンコポリマは、その中に残
存している重合触媒を失活させないと、解重合を起こ
し、これに起因して著しい重合度の低下が生じたり、熱
的に極端に不安定なポリマとなるからである。
【0006】三フッ化ホウ素系重合触媒の失活に関して
は、トリオキサンなどを三フッ化ホウ素系重合触媒を用
いて塊状重合した後、三価のリン化合物を添加を添加し
て三フッ化ホウ素系触媒を失活する方法が、特公昭55
−45087号公報および特公昭55−50485号公
報などに記載されている。
【0007】また、トリオキサンなどを三フッ化ホウ素
系触媒を用いて塊状重合した後、窒素原子に水素あるい
はアルキル基が配位した化学構造を有するヒンダードア
ミン系化合物を添加して三フッ化ホウ素系触媒を失活す
る方法が、特公昭62−257922号公報、特公昭6
3−27519号公報、特公平6−829号公報および
特公平6−831号公報などに記載されている。
【0008】さらに、特開平11−209450号公報
には、トリ−[2−[[2,4,8,10−テトラキス
(t−ブチル)ジベンゾ[d、f][1,3,2]ジオ
キサフォスフェピン6−イル]オキシ]−エチル]アミ
ン、トリ−[2−[[2,4,8,10−テトラキス
(t−ブチル)ジベンゾ[d、f][1,3,2]ジオ
キサフォスフェピン6−イル]オキシ]−ブチル]アミ
ン、トリ−[2−[[ジベンゾ[d、f][1,3,
2]ジオキサフォスフェピン6−イル]オキシ]−エチ
ル]アミン、トリ−[2−[[ジベンゾ[d、f]
[1,3,2]ジオキサフォスフェピン6−イル]オキ
シ]−ブチル]アミンなどのアミン化合物を添加するこ
とにより、三フッ化ホウ素系触媒を失活する方法が記載
されている。
【0009】さらにまた、特開平12−327732号
公報には、アルカリ金属化合物の水溶液および/または
アルコール性化合物溶液を添加することにより、三フッ
化ホウ素系触媒を失活する方法が記載されている。
【0010】しかしながら、三価のリン化合物あるいは
アルカリ金属化合物の水溶液および/またはアルコール
性化合物溶液で三フッ化ホウ素系重合触媒を失活した場
合には、得られるオキシメチレンコポリマの色調は優れ
ているが、失活効果が十分ではなく、ポリマを溶融した
場合にはやはり解重合が生じて分子量の低下が見られ、
特にポリマを230℃以上の高温で溶融する場合には、
分子量が著しく低下してしまうという問題があった。
【0011】また、窒素原子に水素あるいはアルキル基
が配位した化学構造を有するヒンダードアミン化合物で
三フッ化ホウ素系重合触媒を失活した場合や、特開平1
1−209450号公報に記載のアミン化合物で三フッ
化ホウ素系重合触媒を失活した場合には、得られるオキ
シメチレンコポリマの色調が著しく低下するという問題
点があった。
【0012】このような事情から、トリオキサンと環状
エーテルとの混合物を、三フッ化ホウ素系重合触媒の存
在下に塊状重合することにより、オキシメチレン単位と
他のオキシアルキレン単位を含むオキシメチレンコポリ
マを製造するに際しては、触媒失活効果を高めて、色調
および熱安定性が優れ、さらには機械物性にも優れたポ
リオキシメチレンコポリマを取得可能とすることがしき
りに望まれていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点の解決を課題として検討した結果
達成されたものである。したがって、本発明の目的は、
色調、熱安定性および機械物性に優れたオキシメチレン
コポリマを製造する方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明のオキシメチレンコポリマの製造方法は、
トリオキサンと環状エーテルとの混合物を、三フッ化ホ
ウ素、三フッ化ホウ素水和物、および三フッ化ホウ素と
酸素原子またはイオウ原子を含む有機化合物との配位化
合物からなる群から選ばれた少なくとも一種の三フッ化
ホウ素系重合触媒の存在下に塊状重合することにより、
オキシメチレン単位と他のオキシアルキレン単位を含む
オキシメチレンコポリマを製造するに際して、下記一般
式(1)で表されるアミン系化合物を添加して前記三フ
ッ化ホウ素系重合触媒を失活させることを特徴とする。
【0015】
【化2】 (式中R1 、R2 、R3 、R4 は水素原子、または炭素
数1〜5のアルキル基、置換アルキル基を表し、互いに
同じであっても異なっていてもよい。また、R 5 は炭素
数1〜15のアルキレン基、置換アルキレン基を表す。
nは1以上の整数を示す。) なお、本発明のオキシメチレンコポリマの製造方法にお
いては、前記一般式(1)で表されるアミン系化合物
が、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6テトラメ
チル−4−ピペリジル)セバケートであること、および
前記一般式(1)で表されるアミン系化合物を添加して
三フッ化ホウ素系重合触媒を失活させた後、100〜2
70℃の温度範囲で加熱することが、いずれも好ましい
条件として挙げられる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明においてトリオキサンに共重合する
環状エーテルとしては、エチレンオキシド、プロピレン
オキシド、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサ
ン、1,3−ジオキセパン、1,3,5−トリオキセパ
ン、1,3,6−トリオキソカンやフェニルグリシジル
エーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテ
ルなどのグリシジルエーテル化合物が挙げられる。これ
らの環状エーテルは、単独であるいは二種以上を併用し
て使用することができる。
【0018】本発明における環状エーテルの共重合量
は、トリオキサンに対して0.1〜10モル%、特に
0.2〜5モル%の範囲であることが、不安定末端部分
を分解除去して安定化した際のポリマ収率および生産性
に優れる点から好ましい。環状エーテルの共重合量が上
記の範囲を越えると、得られるポリマの融点や結晶性が
低下し、機械的強度や成形性が悪くなり、また上記の範
囲未満では、剛性はアップするものの、熱安定性が著し
く劣る傾向となる。
【0019】本発明で使用する重合触媒は、三フッ化ホ
ウ素、三フッ化ホウ素水和物、および酸素またはイオウ
原子を有する有機化合物と三フッ化ホウ素との配位化合
物の群より選ばれる一種以上の三フッ化ホウ素系化合物
であり、この三フッ化ホウ素系重合触媒は、ガス状か液
状で、または適当な有機溶剤の溶液として使用される。
【0020】上記三フッ化ホウ素との配位化合物を形成
する酸素またはイオウ原子を有する化合物としては、ア
ルコール、エーテル、フェノールおよびスルフィドなど
が挙げられる。
【0021】これらの三フッ化ホウ素系重合触媒の中で
も、特に三フッ化ホウ素の配位化合物が好ましく、とり
わけ、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテラートおよび三
フッ化ホウ素・ジブチルエーテラートが好ましく使用さ
れる。
【0022】上記三フッ化ホウ素系重合触媒を溶液とし
て使用する場合の溶剤としては、ベンゼン、トルエンの
ような芳香族炭化水素、n−ヘキサン、n−ヘプタン、
シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素、メタノール、
エタノールなどのアルコール類、クロロホルム、ジクロ
ルメタン、1,2−ジクロルエタンのようなハロゲン化
炭化水素、およびアセトン、メチルエチルケトンのよう
なケトン類などが挙げられる。
【0023】本発明における三フッ化ホウ素系重合触媒
の添加量は、トリオキサン1モルに対して、通常5×1
-6〜1×10-1モルの範囲であり、特に好ましくは1
×10-6〜1×10-2モルの範囲である。
【0024】トリオキサンと環状エーテルとを塊状で重
合させる装置としては、種々の装置が知られているが、
本発明で使用する塊状重合は、特に装置により限定され
るものではなく、またトリオキサンに対して10重量%
以下の範囲ならば、シクロヘキサンのような有機溶媒の
存在下で行う重合反応にも適用することができる。
【0025】塊状重合においては、重合時の急激な固化
や発熱が生じるため、強力な撹拌能力を有し、かつ反応
温度が制御できる装置が特に好ましく使用される。
【0026】このような性能を有し本発明に適用するこ
とができる塊状重合装置としては、加熱または冷却用の
ジャケットを有する長いケースに一対の互いに噛み合う
ような平行スクリューを持つ通常のスクリュー押出機、
および二本の水平撹拌軸に多数のパドルを有し、軸を同
時に同方向に回転した際に、互いに相手のパドル面およ
びケース内面との間に僅かなクリアランスを保って回転
するセルフクリーニング型混合機などを挙げることがで
きる。
【0027】また、塊状重合においては、重合反応初期
に急激に固化するため、強力な撹拌能力が必要である
が、一旦固化してしまえば、あとは大きな撹拌能力を必
要としないため、塊状重合機を二台以上連結して使用し
てもよい。
【0028】さらに、塊状重合温度は、トリオキサンの
融点近傍から沸点近傍の温度範囲、つまり60〜115
℃の範囲が好ましい。
【0029】本発明で重合触媒失活剤として用いられる
前記一般式(1)で表されるアミン系化合物(以下、単
にアミン系化合物と呼ぶ)の具体例としては、ビス(1
−オクチロキシー2,2,6,6テトラメチル−4−ピ
ペリジル)セバケート、およびビス(1−オクチロキシ
ー2,2,6,6テトラエチル−4−ピペリジル)セバ
ケートなどが挙げられる。
【0030】このアミン系化合物は、そのままの形で添
加してもよいが、重合反応の停止効果を高める意味で有
機溶媒の溶液として添加してもよい。その際に使用する
有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンのよ
うな芳香族炭化水素、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シ
クロヘキサンのような脂肪族炭化水素、メタノール、エ
タノールなどのアルコール類、クロロホルム、ジクロル
メタン、1,2−ジクロルエタンのようなハロゲン化炭
化水素、およびアセトン、メチルエチルケトンのような
ケトン類などが挙げられる。
【0031】本発明における上記アミン系化合物の添加
量は、使用した三フッ化ホウ素系重合触媒のホウ素原子
数に対して、同数以上のアミン系化合物の窒素原子が存
在する量であることが好ましい。窒素原子数がホウ素原
子数より少なくても、重合触媒失活効果は認められる
が、この場合には得られたポリマの耐熱安定性が若干低
下するので、目的とする耐熱安定性の程度に応じて添加
量を調整することが望ましい。
【0032】本発明においては、トリオキサンと環状エ
ーテルとの混合物を、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素
水和物、および三フッ化ホウ素と酸素原子またはイオウ
原子を含む有機化合物との配位化合物からなる群から選
ばれた少なくとも一種の三フッ化ホウ素系触媒を用いて
塊状重合し、得られた重合体に上記特定のアミン系化合
物を添加して重合触媒を失活させた後、100〜270
℃の温度範囲、特に得られたコポリマの融点以上の温度
に加熱することが好ましい。この温度範囲で加熱するこ
とにより、コポリマの主鎖に熱分解を招くことなく、不
安定末端を分解除去することができる。
【0033】本発明のポリオキシメチレンコポリマの製
造方法においては、製造工程の任意の段階で、通常公知
の酸化防止剤、ホルムアルデヒド捕捉剤および末端分解
促進剤などを添加することが可能である。
【0034】例えば、酸化防止剤をトリオキサン、環状
エーテルまたはそれらの混合物に添加し、重合して触媒
を失活させた後、100〜270℃の温度範囲に加熱す
る前に末端分解促進剤を添加し、そして加熱して安定化
された後にホルムアルデヒド捕捉剤を添加する方法、ト
リオキサンと環状エーテルとを重合して重合触媒を失活
させた後、酸化防止剤、ホルムアルデヒド捕捉剤および
末端分解促進剤を添加する方法、トリオキサンと環状エ
ーテルとを重合して重合触媒を失活させた後、酸化防止
剤、末端分解促進剤を添加し、100〜270℃の温度
範囲に加熱して安定化した後にさらにホルムアルデヒド
捕捉剤を添加する方法などが採用される。
【0035】本発明で使用される酸化防止剤の具体例と
しては、トリエチレングリコールービス(3−(3−t
−ブチルー5−メチルー4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート)、ペンタエリスリチルーテトラキス(3−
(3,5−ジーt−ブチルー4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート)、2,2−チオージエチレンビス(3
−(3,5−ジーt−ブチルー4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート)、N,Nーヘキサメチレンビス
(3,5−ジーt−ブチルー4−ヒドロキシーヒドロシ
ンナマイド)、1,3,5−トリメチルー2,4,6−
トリス(3,5−ジーt−ブチルー4−ヒドロキシベン
ジル)ベンゼン、1,6−ヘキサンジオールービス(3
−(3,5−ジーt−ブチルー4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート)、トリス(3,5−ジーt−ブチ
ルー4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートなどの
ヒンダードフェノール化合物、トリス(2,4−ジーt
−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4
−ジーt−ブチルフェニル)−4、4−ビフェニレンジ
ホスホナイト、ジトリデシルペンタエリスリトールジホ
スファイト、ジノニルフェニルペンタエリスリトールジ
ホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイトなど
のリン系化合物、ジラウリルチオジプロピオネート、ジ
ステアリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジ
プロピオネートなどの硫黄系化合物、および5,7−ジ
ーt−ブチル−3−(3,4ジーメチルフェニル)ー3
H−ベンゾフラン−2−オンなどが挙げられる。
【0036】これらの酸化防止剤は、単独あるいは二種
以上を併用して使用することができ、添加量は、オキシ
メチレンコポリマに対して0.001〜10.0重量
%、特に好ましくは0.005〜3.0重量%である。
この添加量範囲であれば、酸化防止剤がオキシメチレン
コポリマの表面に白粉状に析出して商品価値を低下させ
ることなく、十分な熱安定化効果を得ることができる。
【0037】また、ホルムアルデヒドと反応してホルム
アルデヒドを吸収することのできる、いわゆるホルムア
ルデヒド捕捉剤としては、アミド化合物、ウレタン化合
物、ピリジン誘導体、ピロリドン誘導体、尿素誘導体、
トリアジン誘導体、ヒドラジン誘導体およびアミジン化
合物が挙げられ、より具体的には、ダイマー酸系ポリア
ミド、ナイロン6/66/610/12四元共重合体、
ナイロン6/66/610三元共重合、メラミン、グア
ナミン、ベンゾグアナミン、N−メチロール化メラミ
ン、メラミン樹脂オリゴマー、熱可塑性ポリウレタン樹
脂、ジシアンジアミド、グアニジン、ポリ(N−ビニル
ピロリドン)、ポリ(2−ビニルピリジン)およびポリ
尿素などが挙げられる。
【0038】これらのホルムアルデヒト捕捉剤は、単独
あるいは二種以上を併用して使用することができ、その
添加量はオキシメチレンコポリマに対して0.001〜
10.0重量%、特に好ましくは0.005〜3.0重
量%の範囲である。この添加量範囲であれば、得られる
オキシメチレンコポリマの機械的性質を低下させること
なく、十分なホルムアルデヒド捕捉効果を得ることがで
きる。
【0039】さらに、不安定末端を速やかに分解除去す
るための末端分解促進剤としては、アルカリ金属やアル
カリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、有機酸塩、アルコ
キシドおよびフェノキシドなどが挙げられ、具体的に
は、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、ステアリ
ン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、12−ヒ
ドロキシステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシ
ステアリン酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよび炭酸
カルシウムなどが挙げられる。
【0040】これらの末端分解促進剤は、あるいは二種
以上を併用して使用することができ、その添加量はオキ
シメチレンコポリマに対して0.001〜10.0重量
%、特に好ましくは0.005〜3.0重量%の範囲で
ある。この添加量範囲であれば、得られるオキシメチレ
ンコポリマの耐加水分解性を低下させることなく、十分
な末端分解促進効果を得ることができる。
【0041】なお、本発明の方法により製造されたポリ
オキシメチレンコポリマには、本発明の効果を損なわな
い範囲で、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、酸
化チタン、酸化珪素、マイカ粉末、ガラスビーズのよう
な充填剤、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、ア
ラミド繊維のような繊維状強化剤、2−(2−ヒドロキ
シー3,5−ビス(α、αージメチルベンジル)フェニ
ル)ー2Hーベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジー
t−ブチルー2ーヒドロキシフェニル)ー5−クロロベ
ンゾトリアゾールのようなベンゾトリアゾール系紫外線
吸収剤、2−(4,6−ジフェニルー1,3,5−トリ
アジンー2−イル)ー5−((ヘキシル)オキシ)ーフ
ェノールのようなトリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフ
ェノン系紫外線吸収剤、ビス(2,2,6,6ーテトラ
メチルー4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,
2,6,6−ペンタメチルー4−ピペリジニル)セバケ
ート、ビス(1−オクチロキシー2,2,6,6−テト
ラメチルー4−ピペリジル)セバケートのようなヒンダ
ードアミン系光安定剤、エチレンビスステアリルアミ
ド、モンタンワックス、金属石鹸、脂肪酸エステル、ポ
リエチレンワックスのような離型剤、二硫化モリブデ
ン、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーンオイル、
炭化水素オイルのような減摩剤、熱可塑性ポリウレタン
のようなエラストマ、耐加水分解改良剤、核剤、可塑
剤、着色剤および接着助剤などの添加剤を任意に含有さ
せることができる。
【0042】本発明の方法により製造されたポリオキシ
メチレンコポリマは、成形性、機械的性質、溶融安定性
や色調に優れているため、電気・電子部品、自動車部
品、機械部品、玩具など広範な用途に使用することがで
きる。
【0043】
【実施例】次に、実施例および比較例により本発明をさ
らに説明する。なお、実施例および比較例中に示される
ポリマ融点(Tm)、メルトインデックス(MI値)、
成形品の色調(YI値)、加熱分解率(Kx)、機械物
性および低モールドデポジット性は次のようにして測定
した。
【0044】[ポリマ融点(Tm)]差動走査熱量計
(DSC)を使用して、窒素雰囲気下、10℃/分の昇
温速度で昇温し、ポリマ融点(Tm)を測定した。
【0045】[メルトインデックス(MI値)]JIS
K7210に従って、190℃で測定した。
【0046】[成形品の色調(YI値)]60トンの型
締め圧を有する射出成形機を用いて、シリンダ温度20
0℃、金型温度80℃、射出/冷却時間=15/15秒
に設定して、ASTM1号ダンベル試験片とアイゾット
衝撃試験片を射出成形した。
【0047】上記射出成形で得られたASTM1号ダン
ベル試験片を用い、YI(イエロー・インデックス)値
をSMカラーコンピュータ(スガ試験機)により測定し
た。
【0048】[加熱分解率(Kx)]Kxは、230℃
で60分間放置した時の分解率を意味し、熱天秤装置
(DuPont社製熱分析機1090/1091)を使
用して、約10mgのサンプルを、空気雰囲気下、23
0℃で放置し、下記式で求めた。
【0049】 Kx=(W0−W1)×100/W0(%) ここで、W0は加熱前のサンプル重量、W1は加熱後の
サンプル重量を意味する。
【0050】[機械物性]上記射出成形で得られたAS
TM1号ダンベル試験片を用い、ASTM D−638
法に準じて引張物性を測定した。また、アイゾット試験
片を用い、ASTM D−256法に準じて衝撃強度を
測定した。
【0051】[低モールドデポジット性]型締圧80ト
ンを有する射出成形機を用いて、シリンダ温度240
℃、金型温度30℃、成形サイクル20秒に設定して、
ASTM1号ダンベル試験片を1,000ショット射出
成形した後、金型表面を目視により判断した。金型付着
物の全くないものを○、わずかに付着物のあるものを
△、金型にはっきりと付着があるものを×と判定した。
【0052】[臭気(ホルムアルデヒド臭)]低モールド
デポジット性と同様の方法で成形を実施し、ホッパー部
のホルムアルデヒド量を光明理化学工業社製の北川式ホ
ルムアルデヒド検知管を用いて測定した。
【0053】[実施例1、比較例1〜3]2枚のΣ型撹
拌翼を有する20リットルのニーダに、トリオキサン1
0Kg、1,3−ジオキソラン300cc、三フッ化ホ
ウ素・ジエチルエーテラート0.05gを含有するベン
ゼン5ccおよびメチラール12mgを加え、65℃、
40rpmで撹拌した。約1分後に反応が始まり、内温
が上昇した。約110℃まで上昇したがそのまま8分間
撹拌した。反応混合物を粉砕することにより、白色粉末
状のポリマが9.2kg得られた。
【0054】このポリマ9.2kgに対して、重合触媒
失活剤としてのビス(1ーオクチロキシ−2,2,6,
6テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートを23.
9g含有するベンゼン500ccを、10リットルのリ
ボンブレンダに添加し、5分間撹拌して重合反応を停止
した。
【0055】さらに、ヒンダードフェノール系酸化防止
剤として1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]25g、末端分解促進剤としてステアリン酸
カルシウム5gを添加し、3分間撹拌混合した後、池貝
鉄工所製ベント付2軸45mmφ押出機を用いて、25
0℃、ベント圧5mmHgの条件でストランド状に溶融
押出し、カッターでペレタイズした。このペレットを熱
風循環オーブン中、80℃で5時間乾燥した後、ポリマ
融点(Tm)、MI測定、色調(YI値)、加熱分解率
(Kx)および機械物性を測定した。
【0056】また、ビス(1ーオクチロキシ−2,2,
6,6テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートの代
わりに、トリフェニルホスフィン(三価のリン化合物)
0.04gを使用したサンプル(比較例1)、ビス
(2,2,6,6ーテトラメチルー4−ピペリジル)セ
バケート(ヒンダードアミン系化合物)0.17gを使
用したサンプル(比較例2)、トリ−[2−[[2,
4,8,10−テトラキス(t−ブチル)ジベンゾ
[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン6−
イル]オキシ]−エチル]アミン(本発明以外のアミン
系化合物)0.50gを使用したサンプル(比較例
3)、および2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル)−2−ブチルマロン酸ビス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)(本発明
以外のアミン系化合物)0.24gを使用したサンプル
(比較例4)をそれぞれ調整し、各種特性を測定した。
これらの測定結果を表1に示す。
【0057】[実施例2]実施例1と同様に、2枚のΣ
型撹拌翼を有する20リットルのニーダに、トリオキサ
ン10Kg、1,3−ジオキソラン300cc、三フッ
化ホウ素・ジエチルエーテラート0.05gを含有する
ベンゼン5ccおよびメチラール12mgを加え、65
℃、40rpmで撹拌した。約1分後に反応が始まり、
内温が上昇した。約110℃まで上昇したがそのまま8
分間撹拌した。反応混合物を粉砕することにより、白色
粉末状のポリマ9.2kgが得られた。
【0058】このポリマ9.2kgに対して、重合触媒
失活剤としてのビス(1ーオクチロキシ−2,2,6,
6テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート23.9
gを含有するベンゼン500ccを10リットルのリボ
ンブレンダに添加し、5分間撹拌して重合反応を停止し
た。
【0059】さらに、ヒンダードフェノール系酸化防止
剤として1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]25g、末端分解促進剤としてステアリン酸
カルシウム5g、ホルムアルデヒド捕捉剤としてメラミ
ン5gを添加し、3分間撹拌混合した後、池貝鉄工所製
ベント付2軸45mmφ押出機を用いて、250℃、ベ
ント圧5mmHgの条件でストランド状に溶融押出し、
カッターでペレタイズした。このペレットを熱風循環オ
ーブン中、80℃で5時間乾燥した後、実施例1と同様
に各種物性を測定した結果を表1に併記した。
【0060】[実施例3]実施例2において、末端分解
促進剤としてのステアリン酸カルシウム5gの代わり
に、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム5gを添
加した以外は同様にしてオキシメチレンコポリマを製造
し、実施例2と同様に各種物性を測定した結果を表1に
併記した。
【0061】[実施例4]実施例2において、ホルムア
ルデヒド捕捉剤としてのメラミン5gの代わりに、ベン
ゾグアナミン5gを添加した以外は同様にしてオキシメ
チレンコポリマを製造し、実施例2と同様に各種物性を
測定した結果を表1に併記した。以上の結果をまとめて
表1に示す。
【0062】
【表1】 表1の結果から明らかなように、本発明の方法により得
られたオキシメチレンコポリマは、従来の方法により得
られたオキシメチレンコポリマに比較して、色調、熱安
定性および機械物性のバランスのとれたポリマである。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
色調、熱安定性および機械物性の優れたオキシメチレン
コポリマを製造することができ、簡単な工程で商品価値
の高いオキシメチレンコポリマが得られる点で工業的意
義が極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J032 AA05 AA07 AA33 AB05 AB06 AC03 AD41 AE02 AE13 AF04 AF05 AF06 AF07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリオキサンと環状エーテルとの混合物
    を、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素水和物、および三
    フッ化ホウ素と酸素原子またはイオウ原子を含む有機化
    合物との配位化合物からなる群から選ばれた少なくとも
    一種の三フッ化ホウ素系重合触媒の存在下に塊状重合す
    ることにより、オキシメチレン単位と他のオキシアルキ
    レン単位を含むオキシメチレンコポリマを製造するに際
    して、下記一般式(1)で表されるアミン系化合物を添
    加して前記三フッ化ホウ素系重合触媒を失活させること
    を特徴とするオキシメチレンコポリマの製造方法。 【化1】 (式中R1 、R2 、R3 、R4 は水素原子、または炭素
    数1〜5のアルキル基、置換アルキル基を表し、互いに
    同じであっても異なっていてもよい。また、R 5 は炭素
    数1〜15のアルキレン基、置換アルキレン基を表す。
    nは1以上の整数を示す。)
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)で表されるアミン系化
    合物が、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6テト
    ラメチル−4−ピペリジル)セバケートであることを特
    徴とする請求項1に記載のオキシメチレンコポリマの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記一般式(1)で表されるアミン系化
    合物を添加して三フッ化ホウ素系重合触媒を失活させた
    後、100〜270℃の温度範囲で加熱することを特徴
    とする請求項1または2に記載のオキシメチレンコポリ
    マの製造方法。
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