JP2002363102A - 新形成細胞の細胞消滅死を誘導する方法 - Google Patents
新形成細胞の細胞消滅死を誘導する方法Info
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Abstract
法を特定する。 【解決手段】 アポトーシスを誘導する量のメチロール
含有化合物に新形成細胞を接触させる、新形成細胞の細
胞消滅死を誘導する方法が提供される。この方法は、原
発性癌および転移性癌の両者を治療するのに有用であ
る。好ましい実施例は、約2gから約60gの1日の全
用量で、哺乳動物にメチロール移動剤を投与する工程を
含み、この投与は少なくとも2つの投薬サイクルを含
み、各投薬サイクルは、約1から8日間の注入期と、約
1から14日間の非投与期とを含む。別の実施例は、肝
脈管を介して肝臓にメチロール移動剤溶液を直接投与す
ることによって肝癌を治療するステップを含む。
Description
ン(taurolidine)およびタウルルタム(taurultam)等
のメチロール含有化合物の使用に関する。
よび関連の製品であるタウルルタム等のメチロール移動
剤は、特に腫瘍の治療で用いられる腫瘍壊死因子(TN
F)の毒性に対する効果を改善することが示された。さ
らに、メチロール移動剤の作用は、通常の細胞株の成長
を著しく抑制しない点において、選択的であることが示
された。
ロール基を移動させることによって作用し、タウルルタ
ムは、非常に高い耐性の化合物であるタウリナミド(ta
urinamide)を遊離させることによってそれ自身で単一
のメチロール基を移動させる、中間代謝産物である。し
たがって、2つの化合物は本質的に同じメカニズムで作
用する。メチロール移動は、多くの高毒性の抗腫瘍薬に
特有であるメチル移動と対比されることに注目された
い。タウロリジンおよびタウルルタムは低毒性であり、
通常の細胞に対しての毒性がない。
整のために進化的に保存された生物学的原理である。感
受性の細胞(sensitive cells)は、近隣の細胞から適
切なリガンドが分泌されたときに活性化される死レセプ
タを含む。プログラムされた細胞死の顕著なシステム
は、Fasリガンド媒介アポトーシスである。CD 9
5/APO−1としても知られるFasは、Fasリガ
ンド(FasL)によるオリゴマー化時に感受性の細胞
内でのアポトーシスを媒介する腫瘍壊死因子レセプタス
ーパーファミリーのメンバーおよび細胞表面レセプタで
ある。
する量のメチロール含有化合物に新形成細胞を接触させ
ることによって新形成細胞の細胞消滅死を誘導する、癌
を治療する方法が提供される。
でのメチロール移動剤の投与を含み、各サイクルは投与
期と非投与(静止)期とを含む。投与期は、メチロール
移動剤の1日の用量を約1から8日間毎日、好ましくは
注入によって投与することを含み、メチロール移動剤が
投与されない約1から14日間の非投与(静止)期がそ
の後に続く。
脈管、または胃十二指腸動脈内へと取付けられたカテー
テルを通しての直接投与によってメチロール移動剤含有
溶液を静脈内注入することによって、肝臓癌が治療され
る。
の中枢神経系の腫瘍が治療される。好ましいメチロール
移動剤は、タウロリジン、タウルルタム、およびそれら
の混合物である。
用療法においてFasリガンド媒介アポトーシスを増強
する、タウロリジン等のメチロール移動剤の能力に関す
る。タウロリジンおよびその同種であるタウルルタムの
両者は、それ自体では細胞生存度に事実上影響を与えな
い薬物濃度で癌細胞内のFasリガンドのアポトーシス
効果を増強する。ヒトの悪性細胞膠腫細胞株LN−22
9では、タウロリジンまたはタウルルタム単独によるイ
ンキュベーションの直後に細胞生存度が減じられた。こ
の効果は、FasリガンドによるLN−229細胞の破
壊性を増強した。したがって、アポトーシス性細胞死
(apoptotic cell death)を誘導するための、メチロー
ル移動剤の使用によって、癌を治療するための手段が提
供される。
9は、Fasリガンドに対する異なった感受性によるア
ポトーシス性細胞死の有効なモデルシステムを示す。し
たがって、これらの細胞株を用いて、このような化合物
の、アポトーシス経路との潜在的な相互作用がテストさ
れた。ヒトの悪性神経膠腫細胞LN−18およびLN−
229の生存度は、タウルルタムおよびタウロリジンに
よって異なった影響を受ける。Fasリガンド誘導アポ
トーシスに対する感受性が非常に高いLN−18細胞
は、テストされたすべての濃度(5、20、100μg
/ml)においてタウルルタムによる影響を受けなかっ
た(例6)。タウロリジンは、テストされた中で最も高
い濃度(100μg/ml)においてLN−18細胞の
生存度をわずかにのみ減じることができた。したがっ
て、LN−18細胞を破壊するためのしきい値は0.0
1%のタウロリジンである。対照的に、LN−229細
胞はこれらの薬物に対してずっと高い感受性を示した。
LN−18細胞とは対照的に、タウルルタムおよびタウ
ロリジンの両者それ自体(100μg/ml)によっ
て、LN−229細胞の生存度が大きく減じられた。タ
ウロリジン(100μg/ml)はLN−229細胞を
非常に効果的に死滅させ(70%)、タウルルタム(1
00μg/ml)はLN−229細胞の生存度を30%
減じることができた。テストされた中で最も高い濃度
(100μg/ml)では、タウロリジン単独でも細胞
死の誘導に関してFasリガンドとほぼ同じぐらい効果
的であった。したがって、タウロリジンおよびタウルル
タムはヒトの悪性細胞を破壊する能力を有する。
の死滅を誘導するのに十分な用量で、活性メチロール含
有化合物を含む組成物を癌に罹患している哺乳動物に投
与することによって、行なわれる。「メチロール含有化
合物」または「メチロール移動剤」とは、生理学的条件
下でメチロール分子を含む、またはそれを生成すること
のできる化合物を意味する。メチロール含有化合物は、
Rがアルキル基、アリール基、またはヘテロ基であるR
−CH2−OH基を有することによって特徴付けられ
る。この発明はまた、R−CH2−OH構造を含む化合
物を生成することのできる、またはそれへと変換可能な
化合物の使用を含む。
タウルルタム等のメチロール含有化合物と、それらの誘
導体とを含む。化合物タウロリジンおよびタウルルタム
は、米国特許第5,210,083号で開示されてい
る。他の好適なメチロール含有化合物としてはタウリナ
ミド誘導体および尿素誘導体が挙げられる。この発明に
おいて有用なタウロリジン、タウルルタム、タウリナミ
ド、および尿素の誘導体の例は、WO 01/3976
3A2に見い出され得る。この発明に従った使用で特に
好ましいメチロール移動剤は、タウロリジン、タウルル
タム、それらの生物学的に活性な誘導体、およびそれら
の混合物である。
体または尿素誘導体である。この発明において有用なタ
ウロリジン、タウルルタム、タウリナミド、および尿素
の誘導体の例は、WO 01/39763A2に見い出
され得る。
他のメチロール含有化合物としては、1,3−ジメチロ
ール−5,5−ジメチルヒダントイン、ヘキサメチレン
テトラミン、またはノキシチオリンが挙げられるが、そ
れらに限定されない。タウロリジン誘導体またはタウル
ルタム誘導体とは、タウロリジンまたはタウルルタムの
新形成活性の少なくとも10%をそれぞれ有するスルホ
ンアミド化合物を意味する。スルホンアミド化合物はR
2N−SO2R′式を有するものである。本明細書中で説
明される化合物の誘導体は、たとえばタウロリジンまた
はタウルルタムという参照化合物とは構造的に異なり得
るが、好ましくは参照化合物の生物学的活性、たとえば
アポトーシス性細胞死の誘導の少なくとも50%を保持
する。好ましくは、誘導体は参照化合物の生物学的活性
の少なくとも75%、85%、95%、99%、または
100%を有する。いくつかの事例では、誘導体の生物
学的活性が参照化合物の活性レベルを超える場合もあ
る。誘導体はまた、参照化合物が有さない特性または活
性を有する場合もある。たとえば、誘導体は、減じられ
た毒性、延長された臨床的半減期、または血液脳関門を
越えるという改善された能力を有する場合もある。
の腫瘍の治療は、哺乳動物、たとえばヒト患者にメチロ
ール含有化合物を投与することによって行なわれる。化
合物は全身に、たとえば経口的にまたは静脈内に投与さ
れるか、あるいは腫瘍部位、たとえば脳または脳脊髄液
に直接注入される。オブラートまたはスポンジ等の、侵
食性または再吸収性の固体マトリックスが脳組織に直接
インプラントされ得る。
は、神経膠腫、神経芽腫、星状細胞腫、癌性髄膜炎、卵
巣癌、前立腺癌、中枢神経系(CNS)癌、肺癌、胃
癌、食道癌、膀胱癌、白血病、リンパ腫、黒色腫、腎細
胞癌およびそれらの転移が挙げられる。この発明の方法
が効果的である他の癌としては、他の癌腫、肉腫または
リンパ腫、頭部および頸部の癌、肝臓癌、乳癌、および
膵臓癌が挙げられる。
腫、星状細胞腫、中枢神経系(CNS)癌、および肝臓
癌からなる群から選択される癌の治療と、それらの腫瘍
転移の抑制とを含む。
分な濃度でタウロリジンおよび/またはタウルルタムを
使用して、特に腫瘍の外科的除去後の転移の広がりを予
防することが特に有益である。哺乳動物の被験体は典型
的にはヒトである。
治療または予防のために、癌細胞内でアポトーシスを誘
導するのに十分な濃度でのタウロリジンおよび/または
タウルルタムの使用を含む。
よって哺乳動物被験体の腫瘍を治療または予防するため
の薬学的組成物を調製するための、癌細胞内でアポトー
シスを誘導するのに十分な濃度でのタウロリジンおよび
/またはタウルルタムの使用を含む。
投薬量は、1日当り約0.1−1,000mg/kg、
好ましくは1日当り150−450mg/kg、最も好
ましくは1日当り300−450mg/kgの範囲内の
薬学的投薬単位を含み得る。代替的には、1日当りグラ
ム単位での投薬が行なわれてもよく、約2−60g/日
から投与され得る。好ましい用量は、タウロリジンで約
2.5−30g/日、タウルルタムで4−60g/日の
範囲であり得るか、またはそれらの混合であり得る。最
も好ましい用量は、タウロリジンで約10−20g/
日、タウルルタムで20−40g/日の範囲であるか、
またはそれらの混合である。
は、タウロリジンまたはタウルルタム濃度が高い溶液を
提供するために、1つまたはそれ以上の可溶化剤、たと
えばグルコース等のポリオール含有の等張液を含み得
る。このような溶液はEP 253662B1に記載さ
れている。このような溶液中のタウロリジンまたはタウ
ルルタム濃度は、1−60g/リットルの範囲内にあり
得る。メチロール移動剤は一般に水に溶解しにくい。し
たがって、タウロリジンまたはタウルルタム含有の、た
とえば10gから30gのタウロリジンおよび/または
タウルルタム含有の、比較的大量の水溶液を投与するこ
とがしばしば必要となる。この発明に従った投与に好ま
しい溶液は、約0.5−2%のタウロリジンおよび/ま
たはタウルルタムを含む。比較的大量であることを考慮
に入れて、これらの化合物を注入によって、便宜的には
1日を通して間隔をあけて投与することが便宜的であり
得る。
与することは、以下のように行われ得る。すなわち、2
4時間にわたって一貫した速度で行われ得るか、または
部分用量によるより速い注入スケジュールに従って、部
分用量の各々を投与する合間に投薬中断時間をいくつか
設けて行われ得る。たとえば、2%のタウロリジン溶液
250ml(5g用量)を2時間かけて注入した後、4
時間の短い投薬中断時間を設け、これを24時間の注入
期間クールにわたって繰返して1日の全用量である20
gを達成する。代替的には、2%のタウロリジン溶液2
50mlを1時間かけて注入し、部分用量の各々を投与
する間に1時間の投薬中断時間を設けて、これを1日の
用量が達成されるまで繰返すこともでき、これによっ
て、1日の全用量が24時間よりも短いクール(つま
り、約半日)で提供されてその日の残りの時間は注入が
行なわれないこととなる。
者の静脈内に、1分当り40滴、6時間ごとに1ボトル
の速度で、2%のタウロリジン溶液の4ボトル(各々は
250ml)が投与される。療法サイクルは、1週間に
わたって毎日注入が行なわれる投与期と、それに続く2
週間の静止期とからなる。治療全体は、少なくとも2つ
のこのようなサイクルからなる。静脈内に投与される2
%のタウロリジン溶液の有効性は、1サイクル当り25
−28ボトルの2%のタウロリジン溶液250mlが点
滴注入されるときに特に優れているということが認めら
れた。
は、2%のタウロリジン溶液250mlが2時間クール
で投与され、その後4時間の投薬中断時間が設けられ、
これが24時間繰返されて1日の全用量が達成される、
1日のレジメンを含む。
は、2%のタウロリジン溶液250mlが1時間かけて
注入され、その後1時間の投薬中断時間が設けられ、1
日の用量が達成されるまでそれが繰り返される、1日の
レジメンを含む。(たとえば)全用量が20gである場
合、このレジメンは、7時間スパンにわたって4ボトル
の2%のタウロリジン250mlが注入される1日の用
量を提供する。その日の残りの時間には注入は行なわれ
ない。患者の肝計数が上昇した場合、注入速度を(たと
えば、90分または120分間にわたって250mlを
注入するものへと)延ばすこともできる。
よび/または抗水腫(anti-oedema)療法および/または
抗生物質療法および/または、流体および電解質置換が
行なわれる。
鎮痙薬薬物療法で患者を安定させる。不所望な薬物療法
の際に緊急安定化(emergency stabilization)のいずれ
をも予防するために、これを便宜的にアウトペーシェン
トベーシスで(on an out-patient basis)一部分は投
与することもできる。バルプロ酸(valproinic acid)
が第1に選択される薬剤であり、その用量は血中濃度検
査に従って決定されて2回投与で投与される。通常、1
200mgから1500mgの用量が必要とされる。バ
ルプロ酸による治療が十分でない場合、ラモトリジン
(lamotrigin)との併用治療が可能である。アレルギー
の場合、またはバルプロ酸の作用に耐えることができな
い場合には、ラモトリジンとともに主な安定化(stabili
zation)が行なわれる。フェニトインおよびカルバマゼ
ピン(carbamazepin)は配合禁忌である。
にのみ行なわれ得る。なぜならば、それ以外の場合に行
なうと病巣の(focal)神経学的症状が起こるかまたは
強くなるおそれがあり、または大脳内の圧力が症状を引
き起こすおそれがあるためである。デキサメタゾンがタ
ウロリジン投与の前またはその後に与えられるべきであ
る。抗水腫療法は、可能な限り低い用量で、デキサメタ
ゾンを用いて行なわれるべきである。胃を保護するため
に、1x150mg/日のラニチジンとの付随療法も行
われ得る。この療法によって胃に異常がでた場合には、
1−2x20mg/日のアントラ(antra)を用いての
代替的な治療が行なわれるべきである。
メタゾンの有効性が十分でない場合には、特に4x25
0ml/日までの投薬で、マニトールを用いての療法が
可能である。
物質のうちの1つを用いての計算された抗生物質治療が
行なわれ得る。 *尿路感染: 主な抗生物質:コトリモキサゾール 代替の抗生物質:ドキシサイクリン(Doxycyclin) *肺炎: 主な抗生物質:エリスロマイシン 代替の抗生物質:ドキシサイクリン 以下の抗生物質は、絶対的に必要な場合(症状が最も重
く、致命的になり得る感染の場合)かつ感受性の状態が
それを必要とする場合にのみ、用いられるべきである:
チノロン(Chino lone)、ペニシリン、セファロスポリ
ン。
伴っての流体および電解質置換 250mlの量の完全に電解質の溶液(full electrolyt
e solution)が好ましくは、2%のタウロリジン250
mlを用いた注入と同時で、かつそれと同じ注入速度で
与えられ得る。電解質および血球計数は1日に2回モニ
タされるべきであり、中心静脈圧力は毎日1回検査され
るべきである。
られた場合には、まず、脱水症がその原因であるか否か
を判断するべきである。流体が同時に置換される場合
で、かつその理由として脱水症が除外された後にのみ、
利尿剤が用いられるべきである。
か、または1つまたはそれ以上の付加的な抗腫瘍薬(ant
ineoplastic agents)と組み合わせて投与される。ある
好ましい実施例では、補助的な薬剤はアポトーシス以外
のメカニズムによって腫瘍細胞を死滅させる。たとえ
ば、代謝拮抗物質、プリンまたはピリミジンアナログ、
アルキル化剤、架橋剤(たとえば、白金化合物)、挿入
剤、および/または抗生物質が併用療法レジメンで投与
される。補助的な薬物は、メチロール含有薬剤の前に、
その後に、またはそれと同時に、与えられる。たとえ
ば、メチロール移動剤は、5−フルオロ−ウラシル(5
−FU)等のフルオロ−ピリミジンと共投与され得る。
フルオロ−ピリミジンの有効的な1日の投薬量は、薬学
的投薬単位当り約0.1−1,000mgの範囲内にあ
り得る。5−FUの有効投薬量はまた、約100−5,
000mg/身体表面積1m2、好ましくは約200−
1,000mg/身体表面積1m2、より好ましくは約5
00−600mg/身体表面積1m2の範囲内にあり得
る。5−FUは典型的に、注射のための250mgまた
は500mgアンプル剤であるか、または経口投与のた
めの250mgカプセル剤で、提供される。
トーシス効果はFasリガンドとの共投与によって増強
され得る。Fasリガンドポリペプチドは、米国特許第
5,858,990号に開示されている。Fasリガン
ドの治療有効量は一般に、約0.01−1,000mg
/患者の体重1kg、好ましくは約0.1−200mg
/患者の体重1kg、最も好ましくは約0.2−20m
g/患者の体重1kgの範囲内にある。治療有効量は、
1日に1回の投薬で、または1日に複数回、すなわち1
日に2回、3回、4回、またはそれ以上の回数で、投与
され得る。
0μg/ml)によって、0.4または2.0vol.
%のFasリガンドが誘導するアポトーシスが明らかに
増強された(例1)。タウルルタムそれ自体はこの濃度
では細胞生存度を損なわなかったため、これは注目に値
することである。したがって、タウルルタムは、Fas
リガンド誘導アポトーシス経路の有効性を増強すること
ができる。同じことがタウロリジン(100μg/m
l)にも当てはまるが、タウロリジン単独でもこの濃度
で細胞生存度を実際には減じることができた(例1)。
これらの結果によって、タウルルタムおよびタウロリジ
ンのアポトーシス効果はFasリガンドによって増強さ
れるという考えが支持される。濃度100μg/mlの
タウルルタムまたはタウロリジンがFasリガンドと組
合わせられる場合、細胞消失(cellloss)のトータルは、
Fasリガンドのそれと、タウロリジンまたはタウルル
タム単独のそれとの和として示される。したがって、こ
の濃度でのタウルルタムおよびタウロリジンの細胞毒性
はFas媒介アポトーシスに対して付加的なものである
と考えられる。より低い濃度では、タウロリジンおよび
タウルルタムのアポトーシス効果は、Fasリガンドと
の共投与によって、付加的な効果を越えて大きく増強さ
れる。
有化合物を投与することによって、哺乳動物における薬
物耐性腫瘍、たとえば多剤耐性(multiple drug resist
ant)(MDR)腫瘍を治療することを含む。治療され
るべき腫瘍は癌腫または肉腫である。薬物耐性腫瘍は、
充実性腫瘍、非充実性腫瘍(non-solid tumor)、およ
びリンパ腫からなる群より選択される。たとえば、薬物
耐性腫瘍は、乳癌、卵巣癌、結腸癌、前立腺癌、膵臓
癌、CNS癌、肝臓癌、肺癌、膀胱癌、リンパ腫、白血
病、または肉腫である。
/またはタウルルタム含有溶液はさらに、約1−20g
/l、好ましくは約5g/lの範囲内の量でタウリンを
含む。
溶液を肝脈管内に取付けられたカテーテルを通して肝臓
に直接投与することによって、原発性肝臓腫瘍およびそ
の転移の両者を治療するための方法を提供する。肝機能
および非虚血性状態を維持する手助けをするメチロール
移動剤を溶液で投与することによって、臓器を過剰なス
トレスに過度にさらすことなしに冒された臓器に療法が
施される。
が最も効果的に臓器へと運ばれるように、メチロール移
動剤溶液は肝動脈を通して投与され得る。代替的には、
溶液は、肝動脈を通して肝臓に送られる代わりに胃十二
指腸動脈を介して供給され得る。この実施例で用いられ
る好ましい溶液は、肝機能を維持する手助けをし、かつ
大量のメチロール移動剤溶液の注入に関連した臓器への
ストレスを最小にする手助けをするものである。この発
明で用いられ得る溶液が例で示される。
示される。 等張無菌溶液、100ml: 2.0g タウロリジン 5.0g PVP 16 PF UP蒸留水(aqua des
t.) 100mlの溶液にする(ad solut. 100ml) PH7.2−7.3 無菌フィルタリングおよび蒸気滅菌。
のタウロリジン含有等張タウロリン(Taurolin)(R)溶
液 静脈内への点滴注入のための別の好ましい組成が以下で
示される。 等張無菌溶液、100ml: 2.0g タウロリジン 5.0g PVP 17 PF UP 0.5g タウリン 0.3g 塩化ナトリウム 無菌フィルタリングおよび蒸気滅菌。
のタウロリジン含有等張タウロリン(R)リンゲル液 静脈内への点滴注入のための別の好ましい組成が以下で
示される。 等張無菌溶液、100ml: 2.0g タウロリジン 5.0g PVP 17 PF UP 0.5g タウリン 0.26g 塩化ナトリウム 0.0033g 塩化カリウム 0.004g 塩化カルシウム 2H2O 0.003g 炭酸水素ナトリウム 無菌フィルタリングおよび蒸気滅菌。
のタウロリジン含有タウロリン(R)リンゲル−乳酸塩 静脈内への点滴注入のための別の好ましい組成が以下で
示される。 等張無菌溶液、100ml: 2.0g タウロリジン 5.0g PVP 17 PF UP 0.5g タウリン 0.20g 塩化ナトリウム 0.013g 塩化カリウム 0.009g 塩化カルシウム 2H2O 0.0033g 乳酸ナトリウム50%溶液(ファーマ
コピア ヨーロピア(Pharmacopeia Europea)) 無菌フィルタリングおよび蒸気滅菌。
のpHは7.2で、用いられる準備が整った溶液のpH
は7.47であった。
ンドとともに、アポトーシスを増強するかまたは細胞死
を誘導するという能力についてタウロリジンおよびタウ
ルルタムがテストされた。2つの細胞株LN−18およ
びLN−229は、Fasリガンドに対する異なった感
受性でアポトーシス性細胞死の有効なモデルシステムを
示す(シュラップバッハ(Schlappbach)とフォンタナ
(Fontana)、1997年)。したがって、これらの細
胞株を用いてアポトーシス経路とのタウルルタムまたは
タウロリジンの潜在的な相互作用がテストされた。
よびタウルルタム(Batch E/39024/4)
は、スイス、ウォルフーゼン(Wolhusen)のガイストリ
ッヒ ファーマAG(Geistlich Pharma AG)によって
提供された。DME培養培地およびウシ胎仔血清(FB
S)は、スイス、バーゼル(Basel)のギブコBRL(G
ibco BRL)から購入された。細胞増殖アッセイWST−
1は、スイス、ロトクライツ(Rotkreuz)のロッシュ
ダイアグノスティックス(Roche Diagnostics)から購
入された。Fasリガンド(過剰発現系(overexpressi
on system)からの上清)およびヒトの神経膠腫細胞株
LN−18およびLN−229は、スイス、チューリッ
ヒの大学病院、臨床免疫学研究所(Institute of Clinic
al Immunology)のA.フォンタナ(A. Fontana)教授に
よって快く提供された。
よび2mMグルタミンを含むDMEM中で37℃、5%
CO2で培養された(10cmプレート NUNCLO
N 15035)。Fasリガンドがそれ自身によって
テストされた実験(図1)では、1ウェルにつき約1x
104の細胞が96ウェルプレート(NUNCLON
16700B)で平板培養(plate)され(17時間イン
キュベーション)、結果として次の日に約60%のコン
フルエンシーが得られた。他のすべての実験(図2−
5)では、約1.5x104の細胞が平板培養されて
(17時間インキュベーション)、結果として次の日に
約90%のコンフルエンシーが得られた。培養容量全体
の容量%(vol%)として示される上清として、Fa
sリガンドが加えられた。
かの存在下またはそれらの不在下で、あるいはそれらを
それぞれ組合せた状況下で、LN−18およびLN−2
29細胞を50μl培地内でインキュベートした。17
時間のインキュベーションの後、二重に濃縮されたWS
T−1試薬を含む50μl培地を加えることによって、
細胞生存度が判断された。ミトコンドリアコハク酸レダ
クターゼの活性により生じた着色が、ELISAリーダ
内でリファレンス波長690nmを使用して450nm
で測定された。
びLN−229を用いて、細胞生存度に影響を及ぼし、
かつ/またはFasリガンド誘導アポトーシスを増強さ
せるようなタウロリジンおよびタウルルタムの能力がテ
ストされた。ヒトの2つの悪性神経膠腫細胞株の、LN
−18およびLN−229は、Fasリガンドのアポト
ーシス効果に対して異なった感受性を示すと以前に報告
されていた(シュラップバッハとフォンタナ、1997
年)。
およびLN−229の感受性 第1の組の実験では、Fasリガンドに対するLN−1
8およびLN−229の異なった感受性がこの実験条件
下で再び現れるか否かが調べられた。徐々に増加するF
asリガンド濃度(3.1、6.25、12.5、2
5.0、および50vol.%)とともに1ウェル当り
1x104の細胞を含む96ウェルプレート内で2つの
細胞株を一晩中(17時間)インキュベートした。Fa
sリガンドの不在下では、細胞は一晩のインキュベーシ
ョンの後、約60%のコンフルエンシーに達した。Fa
sリガンドの存在下ではLN−18は極めて感受性が高
く、わずか6.25vol.%のFasリガンドの存在
下でも90%を超える細胞生存度の減少が見られた。
3.1%でも、細胞生存度の約85%の減少が認められ
た。対照的に、LN−229細胞の生存度は6.25v
ol.%のFasリガンドによっては大きな影響を受け
ず(約10%の減少)、その生存度はより高い濃度での
み減じられ、テストされた中で最も高いFasリガンド
の濃度(50vol.%)で最大40%の細胞消失が見
られた。
誘導アポトーシスへのタウルルタムの影響 2つの濃度のFasリガンド(0.4vol.%と2.
0vol.%)の存在下または不在下で、タウルルタム
の徐々に増加する濃度(5、20、100μg/ml)
とともにLN−18細胞を17時間インキュベートし
た。タウルルタムそれ自体は、テストされた中で最も高
い濃度(100μg/ml)でも細胞生存度に影響を与
えなかった(5μg/mlおよび20μg/mlで約5
%の減少が認められ、100μg/mlでは生存度は実
際には増加するように思われた)。0.4vol.%の
Fasリガンド単独の存在下では、細胞生存度は約10
%のみ減じられ、その効果は5μg/mlまたは20μ
g/mlのタウルルタムの存在下でも変化しないままで
あった。しかし、0.4vol.%のFasリガンドが
100μg/mlのタウルルタムとともに共インキュベ
ートされると、細胞生存度が大きく減少した。Fasリ
ガンドがより高い濃度(2.0vol.%)で加えられ
ると、Fasリガンド単独によってアポトーシスが細胞
の60%において誘導された。この効果はさらに100
μg/mlのタウルルタムによって増大されたが、5μ
g/mlまたは20μg/mlのタウルルタムでは増大
されなかった。したがって、タウルルタムは、それ自体
では細胞生存度に影響を及ぼさなかった濃度(100μ
g/ml)でLN−18細胞内でのFasリガンドのア
ポトーシス効果を増強することができる。
誘導アポトーシスに対するタウロリジンの影響 タウロリジンの徐々に増加する濃度(5、20、100
μg/ml)の存在下または不在下で、0.4vol.
%のFasリガンドまたは2.0vol.%のFasリ
ガンドのいずれかとともにLN−18細胞を17時間イ
ンキュベートした。タウロリジンそれ自体は、はっきり
と認められるほどの影響を細胞生存度に及ぼさず、テス
トされた中で最も高い濃度(100μg/ml)でわず
か10%の減少を生じさせた。Fasリガンド単独
(0.4%または2.0%)の存在下では、細胞生存度
は上述のものと同じ影響を受けた。細胞生存度はタウロ
リジンによってさらに減じられたが、それはテストされ
た中で最も高い濃度(100μg/ml)においてのみ
減じられた。したがって、タウロリジンは、それ自体で
は細胞生存度にはっきりと認められるほどの影響を及ぼ
さなかった濃度(100μg/ml)でLN−18細胞
に対するFasリガンドの効果を増強することができ
た。
ド誘導アポトーシスに対するタウルルタムの影響 タウルルタム単独を用いてLN−229細胞を17時間
インキュベートすることは、5μg/mlおよび20μ
g/mlでは効果をあげなかったが、100μg/ml
では細胞生存度を35%減じた。Fasリガンド単独
(10%または50%)を用いてLN−229細胞をイ
ンキュベートすると、細胞生存度は、高濃度のFasリ
ガンド(50vol.%)の存在下で約20%だけ減じ
られた。それ自体では不活性であった濃度(5μg/m
lおよび20μg/ml)でタウルルタムを加えても、
Fasリガンド(10vol.%または50vol.
%)の効果に変化は認められなかった。Fasリガンド
誘導細胞消失がさらに増強されたのは、タウルルタムの
最高濃度(100μg/ml)においてでのみであっ
た。したがって、LN−229に関してのこれらの結果
によって、Fasリガンドの存在下で細胞の破壊性を増
強するというタウルルタムの能力が示される。
ド誘導アポトーシスに対するタウロリジンの影響 タウロリジン単独にLN−229細胞を17時間曝すこ
とによって、テストされた中で最も高い濃度(100μ
g/ml)で細胞生存度が約70%、大きく減じられ
た。このように、LN−229細胞は、タウロリジンに
対してLN−18細胞よりもずっと感受性が高かった。
Fasリガンド(10vol.%)とともに共インキュ
ベートすると、細胞破壊は100μg/mlのタウロリ
ジンによって増強された。50vol.%のFasリガ
ンドを用いた時には、その効果は20μg/mlのタウ
ロリジンでもより顕著でより明らかであった。
は予防のためのタウロリジンおよび/またはタウルルタ
ムの使用および適用 1.実験に用いられた腫瘍細胞 実験のために、C6グリア腫瘍(glial tumor)細胞、H
T22神経腫瘍細胞、U373ヒト神経膠腫/神経膠芽
腫腫瘍細胞、および神経膠芽腫に罹患した患者由来の細
胞が用いられた。
に得た。FCSを有さないRPMI1640培地に腫瘍
組織を貯蔵した。次に、15mlファルコン(Falcon)
フラスコ内で組織を継代培養し、PBSとともに0.0
25%のトリプシンを加え、続いて37℃でインキュベ
ートした。このあと、FCSを有するRPMI1640
が加えられ、遠心分離が行なわれた。次のステップは、
DNAseを用いてのインキュベーション、再懸濁(res
uspension)、および解離であり、その後に培地内での洗
浄ステップが続いてDNAseが除去された。次に、フ
ァルコンフラスコ内で細胞を培養した。
の抗腫瘍作用(anti-neoplastic action)の方法 超微細構造上では、細胞質の収縮と、染色質の縮合およ
び辺縁化(marginalization)とが認められ得る。これ
らの変化は、0.1μg/mlのタウリンを用いたイン
キュベーションの30分で既に明らかとなり、時間が経
つにつれて、かつタウロリジンの濃度とともに著しく大
きくなった。ミトコンドリアは超微細構造上では影響を
及ぼされなかった。フローサイトメトリによって、30
分で始まるS期およびG0/G1ピーク値の最初の上昇
が示された。これらの最初の変化に続いて、前方光およ
び側方散乱光(side scatter)が減少した。加えて、D
NAの濃度依存性断片化が60分で始まった。24時間
後、DNAの断片化はほぼ完了した。2.0μg/ml
以上のタウロリジン濃度では、細胞の大きさの変化はほ
んのわずかであった。
(Leucostat preparation))の結果とあわせた上述の
結果によって、腫瘍細胞死のアポトーシスメカニズムが
示される。通常の脳細胞は、5日間まで、4μg/ml
までの濃度のタウロリジンまたはタウルルタムを用いた
インキュベーションによって影響を及ぼされることはな
かった。
いて癌に罹患している患者を治療するための2サイクル
投薬スケジュール 癌に罹患している患者の静脈内に1分当り40滴、6時
間ごとに1ボトルの速度で、2%のタウロリジン溶液の
4ボトル(各々は250ml)が投与される。投薬サイ
クルは1週間にわたって毎日注入が行なわれる投与期か
らなり、その後2週間の非投与期が続き、さらに、上述
のような1日当り4ボトルという別の投与期が続く。静
脈内に投与される2%のタウロリジン溶液の有効性は、
1サイクル当り2%のタウロリジン溶液250mlの2
5−28ボトルが点滴注入されるとき、特に優れている
ことが認められた。
いて悪性神経膠腫に罹患している患者を治療するための
4サイクル投薬スケジュール 治療は最低で4サイクルを含む。各サイクルは7日間で
あり、以下のように構成される。
%のタウロリジン250mlと完全に電解質の溶液25
0mlとを静脈内注入する。
場合には、注入時間を90分または120分に延ばす必
要がある。
を繰返す。
注入時間では1日の注入プログラムの持続時間は11時
間であり、90分の注入時間では14時間であり、12
0分の注入時間では17時間である。残りの時間には薬
物は投与されない。
%のタウロリジン250mlと完全に電解質の溶液25
0mlとを静脈内注入する。
合には、注入時間を90分または120分に延ばす必要
がある。
を繰返す。
の注入時間では1日の注入プログラムの持続時間は7時
間であり、90分の注入時間では9時間であり、120
分の注入時間では11時間である。残りの時間には薬物
は投与されない。
治療(単一症例観察) 以下は、単一の治療サイクルを用いての1個人の治療を
含む事例である。
な(8x8x8cm)悪性神経膠腫(「バタフライ神経
膠腫」)。
はハイデルベルク(Heidelberg)およびビュルツブルグ(W
urzburg)の脳神経外科に差し向けられたが、手術は拒否
され、放射線および化学療法は患者によって拒否され
た。
失禁、視力障害、運動性失語症、歩行障害、記憶障害 入院時の神経学的検査:覚醒傾眠(awake-somnolen
t)、警戒(alert)、視覚障害、ほぼ完全な運動性失語
症、失行、歩行障害、尿失禁、重症の記憶力(mnesic)
および集中力欠如(concentration deficits) 入院時のカルノフスキー(Karnofsky)指標:20−3
0 治療第1日目のMRI(前治療):両前頭部空間を占有
する病巣(約8x8x8cm)であって、不規則な形状
を伴い、輪のようなコントラスト増強および脳梁の破壊
的疾患が見られる。この示された空間を占有することが
影響して、ほぼすべての残りの空間が消える。
I 第2日目:中心静脈ラインの挿入;胸部X線 第3日目から第8日目:2時間以内での2%のタウロリ
ジン250mlの静脈内投与を1日に4回行い、それに
続いて4時間の休止期が設けられる;毎日2回の血液標
本;電解質置換 第9日目:2時間以内での2%のタウロリジン250m
lの静脈内投与を1回;退院 治療の概略:トータルで、25回の2%のタウロリジン
250ml(125gのタウロリジン)が副作用なしに
投与された。血液標本の結果に従って、電解質および流
体が置換された。
視力改善、歩行障害の改善、運動性失語症のわずかな改
善、記憶障害 退院時の神経学的検査:覚醒、警戒、視力改善、運動性
失語症のわずかな改善、歩行障害の改善、失行のわずか
な改善、尿失禁なし、重症の記憶力および集中力欠如 退院時のカルノフスキー指標:40−50 単一治療サイクル後の患者の状態に認められる著しい改
善を考慮に入れると、少なくとも2サイクルの注入レジ
メンによって所望の治療効果が提供されると考えられ
る。
IVの治療 治療の前、患者は重症の多形性神経膠芽腫グレードIV
を示し、左側頭葉が罹患していた。腫瘍は、治療の前、
患者の頭蓋骨のコンピュータ断層撮影写真にはっきりと
示されていた。患者の頭蓋骨は、造影剤の適用およびM
R分光線検査(spectroscopy)の後、軸方向の、矢状およ
び冠状層配向においてはT2強調像シーケンス(T2-weig
hted picture sequence)によって画像処理され、同様に
もともとの軸方向の層の配向および軸方向の、冠状およ
び矢状層配向においてはT1強調像シーケンスによって
画像処理された。
々は、1日の用量が20gのタウロリジン(2%のタウ
ロリジン溶液250mlを4回)である7日間の注入期
と、2日間の静止期とからなる。4サイクルの後、患者
はさらなる2日間の注入期を経験した。治療の間には、
患者の頭蓋骨の通常のコンピュータ断層撮影画像がとら
れた。
ン投与)の終了までに、認識できるほどまでに脳水腫が
減じられた。第3の治療サイクル(300gタウロリジ
ン投与)の終了までに、腫瘍の成長が停止した。全治療
クールの完了後(600gタウロリジン投与)、腫瘍は
コンピュータ断層撮影によってほぼ完全に崩壊した状態
で示された。治療クール中、壊死はほとんど観察されな
いかまたは全く観察されず、腫瘍の減少はアポトーシス
の結果であることが示された。
接適用による脳腫瘍の治療 半透膜を備えるいくつかのセグメントからなるタウロリ
ジン/タウルルタム含有チューブを用いて、メチロール
移動剤を腫瘍腔(tumor cavity)に直接適用する。
別なチューブの末端が帽状腱膜下に位置するように、こ
のチューブを腫瘍腔にインプラントする。チューブは半
透性材料の種々のセグメントを含み、これはタウロリジ
ン/タウルルタムを含み、帽状腱膜下ポートを介して補
充され得る。
よび2mMグルタミンを含むDMEM中で37℃、5%
CO2で培養された(10cmプレート NUNCLO
N 15035)。Fasリガンドがそれ自身によって
テストされた実験では、1ウェルにつき約1x104の
細胞が96ウェルプレート(NUNCLON 1670
0B)で平板培養(plate)され(17時間インキュベー
ション)、結果として次の日に約60%のコンフルエン
シーが得られた。他のすべての実験では、約1.5x1
04の細胞が平板培養されて(17時間インキュベーシ
ョン)、結果として次の日に約90%のコンフルエンシ
ーが得られた。培養容量全体の容量%(vol%)とし
て示される上清として、Fasリガンドが加えられた。
Claims (35)
- 【請求項1】 新形成細胞の細胞消滅死を誘導する方法
であって、前記細胞をアポトーシスを誘導する量のメチ
ロール含有化合物に接触させる工程を含む、新形成細胞
の細胞消滅死を誘導する方法。 - 【請求項2】 メチロール含有化合物は、タウロリジ
ン、タウルルタム、タウロリジン誘導体、タウルルタム
誘導体、タウリナミド誘導体、および尿素誘導体からな
る群より選択される、請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 メチロール含有化合物は、タウロリジ
ン、タウルルタム、タウロリジン誘導体、およびタウル
ルタム誘導体から選択される、請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】 メチロール含有化合物は、タウロリジ
ン、タウルルタム、またはそれらの混合物である、請求
項3に記載の方法。 - 【請求項5】 メチロール移動剤はタウロリジンであ
る、請求項4に記載の方法。 - 【請求項6】 タウロリジンは約2gから約30gの1
日の用量で投与される、請求項5に記載の方法。 - 【請求項7】 メチロール移動剤はタウルルタムであ
る、請求項4に記載の方法。 - 【請求項8】 タウルルタムは約4gから約60gの1
日の用量で投与される、請求項7に記載の方法。 - 【請求項9】 第2の抗腫瘍薬の共投与をさらに含む、
請求項1に記載の方法。 - 【請求項10】 第2の抗腫瘍薬は5−フルオロ−ウラ
シルである、請求項9に記載の方法。 - 【請求項11】 Fasリガンドの共投与をさらに含
む、請求項1に記載の方法。 - 【請求項12】 メチロール含有化合物は1日当り約1
50から450mg/kgの投薬量で投与される、請求
項1に記載の方法。 - 【請求項13】 メチロール含有化合物は1日当り約3
00から450mg/kgの投薬量で投与される、請求
項12に記載の方法。 - 【請求項14】 5−フルオロ−ウラシルは1日当り約
100から5,000mg/身体表面積1m2の量で投与
される、請求項10に記載の方法。 - 【請求項15】 5−フルオロ−ウラシルは1日当り約
200から1,000mg/身体表面積1m2の量で投与
される、請求項14に記載の方法。 - 【請求項16】 Fasリガンドは1日当り約0.01
−1,000mg/身体表面積1m2の範囲内の量で投与
される、請求項11に記載の方法。 - 【請求項17】 溶液はさらにタウリンを含む、請求項
1に記載の方法。 - 【請求項18】 前記タウリンは前記溶液中に約1−1
0g/lの範囲内の濃度で存在する、請求項17に記載
の方法。 - 【請求項19】 癌は肝癌である、請求項1に記載の方
法。 - 【請求項20】 メチロール移動剤は肝脈管を介して肝
臓に直接投与される、請求項19に記載の方法。 - 【請求項21】 癌は原発性腫瘍であり、投与は肝動脈
または胃十二指腸動脈を介して行なわれる、請求項20
に記載の方法。 - 【請求項22】 癌は転移性癌であり、投与は門脈を介
して行なわれる、請求項20に記載の方法。 - 【請求項23】 メチロール移動剤は少なくとも2つの
投薬サイクル中に投与され、各投薬サイクルは1から約
8日間の投与期を含み、その投与期の間、前記メチロー
ル移動剤は1日の全用量の約2gから60gの前記メチ
ロール移動剤でもって毎日投与され、各投薬サイクルは
さらに、約1から14日間の非投与期を含み、その間、
前記メチロール移動剤は哺乳動物に投与されない、請求
項1に記載の方法。 - 【請求項24】 投与期は、24時間にわたってメチロ
ール移動剤の1日投薬量の、連続注入としての注入を含
む、請求項23に記載の方法。 - 【請求項25】 投与期は部分用量で連続してメチロー
ル移動剤の1日投薬量を注入することを含み、部分用量
の1回分を注入した後に、注入が行なわれない投薬中断
時間が設けられる、請求項23に記載の方法。 - 【請求項26】 部分用量は24時間クールにわたって
注入される、請求項25に記載の方法。 - 【請求項27】 部分用量は24時間より短いクールに
わたって注入される、請求項25に記載の方法。 - 【請求項28】 部分用量の1回分は2時間クールにわ
たって注入され、それに続いて4時間の投薬中断時間が
設けられる、請求項26に記載の方法。 - 【請求項29】 部分用量の1回分は1時間クールにわ
たって注入され、それに続いて1時間の投薬中断時間が
設けられる、請求項27に記載の方法。 - 【請求項30】 鎮痙薬、抗水腫薬、抗生物質薬、およ
び電解質溶液からなる群より選択される少なくとも1つ
の補助的な薬剤の共投与をさらに含む、請求項1に記載
の方法。 - 【請求項31】 補助的な薬剤は電解質溶液である、請
求項30に記載の方法。 - 【請求項32】 2投薬サイクルを含む、請求項1に記
載の方法。 - 【請求項33】 各投薬サイクルは、24時間にわたる
連続的な注入として2%のタウロリジン250ml用量
を1日4回注入する7日間の注入期と、7日間の非投与
期とを含む、請求項32に記載の方法。 - 【請求項34】 4投薬サイクルを含む、請求項1に記
載の方法。 - 【請求項35】 各投薬サイクルは、2%のタウロリジ
ン250ml用量を1日4回注入する7日間の注入期を
含み、投薬量の1回分は約1から2時間クールで注入さ
れ、それに続いて約1時間の非投与投薬中断時間が設け
られる、請求項34に記載の方法。
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