JP2002362944A - ガラス基板、その製造方法ならびに情報記録ディスクの製造方法 - Google Patents

ガラス基板、その製造方法ならびに情報記録ディスクの製造方法

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JP2002362944A
JP2002362944A JP2001173584A JP2001173584A JP2002362944A JP 2002362944 A JP2002362944 A JP 2002362944A JP 2001173584 A JP2001173584 A JP 2001173584A JP 2001173584 A JP2001173584 A JP 2001173584A JP 2002362944 A JP2002362944 A JP 2002362944A
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glass
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aqueous solution
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Minoru Onoda
稔 小野田
Koichi Tsuda
孝一 津田
Takahiro Tokuyou
貴宏 徳用
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C21/00Treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by diffusing ions or metals in the surface
    • C03C21/001Treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by diffusing ions or metals in the surface in liquid phase, e.g. molten salts, solutions
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C23/00Other surface treatment of glass not in the form of fibres or filaments

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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガラスの強度を低下させること無く、ガラス基
板の表面からのアルカリ溶出を防止して、特に高温高湿
下での信頼性を向上させる。 【解決手段】ガラス基板を、100℃〜250℃の水溶
液または沸騰する水溶液に浸漬させることによって、ア
ルカリ溶出の少ないガラス基板を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報記録ディスク
用に用いて好適なガラス基板およびその製造方法ならび
に情報記録ディスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報記録ディスクの一つである磁
気ディスクの基板には、その高剛性で高速回転させても
変形しづらく表面の平滑性の高いガラス基板が使われる
ようになって来た。
【0003】このガラス基板に用いられるガラス材料に
は、溶融点を下げてガラス化や成形性を良くするために
アルカリ金属が数〜十数%添加されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ガラス材料
に添加されているアルカリ金属は、原子半径が小さくて
マイグレーションして徐々に表面に析出して大気中の二
酸化炭素やハロゲンと結合して炭酸塩や塩化物として析
出しやすい。
【0005】この析出現象は高温高湿下で顕著であり、
直接、記録エラーの原因や、ヘッドに移着してその浮上
を妨げたり腐食させたりして信頼性を悪くする原因とな
る。
【0006】この原因に対処する技術として、特開平1
0−226539号公報に硝酸ナトリウムと硝酸カリウ
ムとの溶融塩に浸漬する化学強化処理の後に、温水に浸
漬して洗浄し、さらに熱濃硫酸に浸漬するアルカリイオ
ン封止処理が開示されている。
【0007】しかしながら、本発明者が研究したところ
によると、熱濃硫酸に浸漬するとガラス表面のアルカリ
イオンは確かに激減するが、ガラス骨格も破壊されてか
えってアルカリイオンが移動し易くなり、アルカリイオ
ン溶出量が増大することが判った。
【0008】また、特開2000−82211では、磁
気記録用ガラス基板を硫酸水素塩またはピロ硫酸塩の溶
融塩に接触させることが提案されている。
【0009】しかしながら、この場合も、本発明者が研
究したところによると、溶融塩による処理は高温である
ため、化学強化処理を施したガラス基板は表面の圧縮応
力を形成しているイオンの拡散および熱による歪の緩和
がおこり、強度の低下がおこりやすいことがわかった。
そのため、近年の高信頼性の要求には、十分に応えるこ
とができなくなってきた。
【0010】したがって、本発明は、強度劣化が無く、
ガラス基板からのアルカリやシリカなどの他の成分の溶
出を高いレベルで抑制し、高温高湿下の厳しい環境のも
とでの信頼性に優れたガラス基板、その製造方法ならび
に情報記録ディスクの製造方法を提供することを解決す
べき課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】(1)本発明のガラス基板
は、100℃〜250℃の水溶液または沸騰する水溶液
に浸漬させられて、ガラス成分を抑制する処理が施され
ている。
【0012】本発明のガラス基板によると、強度劣化が
無く、アルカリやシリカなどの成分の溶出を高いレベル
で抑制され、高温高湿下の厳しい環境のもとで信頼性に
優れたものとなる。
【0013】(2)本発明のガラス基板の製造方法は、ガ
ラス材料からプレス成形により情報記録ディスク用のガ
ラス基板を製造する方法であって、ガラス材料を金型で
情報記録ディスクの形状のガラス基板に成形する第1工
程と、前記第1工程により得られたガラス基板に対して
100℃〜250℃の水溶液または沸騰する水溶液への
浸漬によりアルカリ溶出防止処理を施す第2工程と、前
記第2工程によりアルカリ溶出防止処理を施したガラス
基板に対して磁気記録膜を成膜する第3工程とを含むこ
とを特徴とする。
【0014】本発明のガラス基板の製造方法によると、
強度劣化が無く、アルカリやシリカなどの成分の溶出を
高いレベルで抑制され高温高湿下の厳しい環境のもとで
信頼性に優れたガラス基板を製造することができる。
【0015】(3)本発明の情報記録ディスクの製造方法
は、前記(2)における第1および第2工程と、前記第2
工程によりアルカリ溶出防止処理を施したガラス基板に
対して磁気記録膜を成膜する第3工程とを含むことを特
徴とする。
【0016】本発明の情報記録ディスクの製造方法によ
ると、高温高湿下という厳しい環境で使用されも再生信
号の検出エラー数の少ない信頼性の高い情報記録ディス
クを製造することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係るガ
ラス基板およびこれの製造方法ならびに情報記録ディス
クの製造方法について詳細に説明する。なお、本実施の
形態では情報記録ディスクとして磁気ディスクに適用し
ているが、これに限定されるものではなく、他の情報記
録ディスクでも構わない。
【0018】本実施の形態のガラス基板は、100℃〜
250℃の水溶液に浸漬させられて、そのガラス材料中
に含まれるガラス成分の溶出抑制処理が施されている。
【0019】なお、前記水溶液の温度は、100℃〜2
50℃においてガラス材料中に含まれるガラス成分の溶
出抑制の効果があるが、より効果的には130℃〜18
0℃である。これは、処理温度が低いと、十分な溶出抑
制効果が得られないこと、処理温度が高いと化学強化処
理を施したガラス基板においてその表面の圧縮応力を形
成するイオンの拡散および熱による歪みの緩和が起こ
り、強度が低下することから好ましくないからである。
【0020】また、前記ガラス成分とは、アルカリ金属
である。
【0021】ガラス材料は、たとえば、ソーダライムガ
ラス、アルミノシリケートガラス、アルミノボロシリケ
ートガラス、ボロシリケートガラスなどであってよい。
【0022】アルミノボロシリケートガラスは軟化点が
低く、成形に有利であり、化学強化処理による効果が大
きく、高強度基板が得られる点から好ましい。
【0023】この化学強化処理は、研磨工法により作製
したガラス基板に対して有効であるが、プレス成形用ガ
ラスにおいてより効果的である。
【0024】プレス成形により作製したガラス基板は、
表面のアルカリ成分が通常の研磨によるガラス基板と比
較して、アルカリ成分濃度が高い。
【0025】これはプレス成形時にガラス中のアルカリ
イオンがガラス表面に拡散するからである。したがっ
て、本処理のリチウムイオン(Li+)とのイオン交換能
が高く有効である。
【0026】プレス成形するガラス材料は、成形前には
厚さ5〜10mm、直径5〜40mmの円筒形であり、
成形後において厚さ0.3〜1.0mm、直径20〜1
00mmのガラス基板となるように成形されることが好
ましい。
【0027】図面には示さないが、金型によるプレス成
形は、金型にガラス材料を挟み込み、ガラス材料が軟化
するまで加熱した後、圧力を加えて実施する。
【0028】ガラス材料に加える圧力は20〜500k
g/cm2であることが好ましい。圧力が小さいと、ガ
ラス材料が所定の厚さとならず、圧力が大きいと成形面
の平坦度が低下し、割れの原因になり、さらには金型に
加わる負荷が大きくなるという問題が生じる。
【0029】上記のガラス基板に対して化学強化処理を
施すとさらに効果があがる。化学強化処理は、加熱によ
り溶融した化学強化処理液にガラス基板を浸漬し、ガラ
ス基板表面層のイオンを化学強化処理液中のイオンでイ
オン交換させる方法、即ち、イオン交換法によって行
う。
【0030】イオン交換法としては、低温型イオン交換
法および高温型イオン交換法がある。エネルギー効率観
点およびガラス表面へのダメージを考慮すれば、低温型
イオン交換法を採用することが好ましい。
【0031】低温型イオン交換法では、ガラス材料をガ
ラス転移温度(Tg)以下の温度領域にある化学強化処
理液に浸漬し、ガラス基板表面付近のアルカリイオン、
例えばLi+またはNa+をそれよりもイオン半径の大き
いアルカリイオン、例えばNa+またはK+と置換し、イ
オン交換した部分の容積増加によってガラス表面に強い
圧縮応力を発生させてガラス表面を強化する。
【0032】化学強化処理液としては、硝酸カリウム
(KNO3)、硝酸ナトリウム(NaNO3)、炭酸カリ
ウム(K2CO3)などの溶融塩や、これらの塩を混合し
たもの(例えばKNO3+NaNO3、KNO3+K2
3など)の溶融塩を用いることができる。
【0033】化学強化処理液の温度は、イオン交換を促
進するためには高温であることが好ましいが、ガラス基
板の変形を防止するため、ガラス転移点以下が好まし
い。
【0034】例えば、ガラス転移点が450℃〜800
℃であるガラス材料からなるガラス基板を処理する場
合、化学強化処理液の温度は、350℃〜700℃、特
に350℃〜450℃であることが好ましい。
【0035】浸漬時間は、0.5〜20時間であること
が望ましい。0.5時間以下では化学強化の効果が不十
分であり、20時間以上では、表面が荒れて平滑度が低
下する。
【0036】化学強化する際には、ガラス基板の割れや
ヒビを防止するため、また化学強化処理液中の溶融塩が
ガラス基板表面において結晶化することを防止するた
め、ガラス基板を化学強化処理液に浸漬する前にガラス
基板を200℃〜350℃、好ましくは、250℃〜3
50℃に予熱することが望ましい。
【0037】化学強化処理液に浸漬中、ガラス基板の表
面全体が均一に化学強化するため、ガラス基板を端面で
保持、即ち、基板の厚さ方向の面を複数箇所で支持して
実質的に鉛直方向に沿って立てた状態で、主表面におい
て処理液と接触しない部分ができるだけ存在しないよう
にすることが望ましい。
【0038】このようにして製造されたガラス基板は、
100℃〜250℃の水溶液に浸漬されて、ガラス成分
の溶出が抑制されているから、水中のH+がガラス表面
のNa+,K+とイオン交換を行う。H+はイオン半径が
Na+やK+と比較して小さく、ガラス中の非架橋酸素と
強く結びつき、他のアルカリイオンと比較して溶出が少
ない。
【0039】また、上記の場合、金属塩を含有する10
0℃〜250℃の水溶液に浸漬させて、ガラス成分の溶
出を抑制する処理を施してもよい。
【0040】この金属塩としては、例えばアルカリ金属
の硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、塩化物、フッ化
物等の水溶液、またはこれらの混合物の水溶液であり、
その他の沸点上昇効果を発揮する金属塩であれば問題は
無い。特には、水に対する溶解度が高いものが好まし
く、例えば、Li塩では、硝酸塩が水に対する溶解度が
高く好ましい。硝酸リチウムの場合、1000gの水に
対し2600gの硝酸リチウムを加えることにより、1
80℃の処理が可能である。
【0041】アルカリイオン溶出の防止効果は処理温度
が高い方が有効であるが、温度が高すぎると、化学強化
処理を施したガラス基板は表面の圧縮応力を形成してい
るイオンの拡散および熱による歪の緩和がおこり、強度
の低下がおこる。処理温度は、100℃〜250℃、さ
らには130℃〜180℃が好ましい。また、処理時間
は長い方が有効であるが、処理時間は1分以下であると
アルカリイオン溶出防止効果は得られず。2時間を超え
ても、アルカリイオン溶出効果は変わらない。1000
gの水に対し2600gの硝酸リチウムを加えた場合、
処理温度は、100℃〜180℃、好ましくは、130
℃〜180℃である。処理時間は、1分以下では溶出防
止効果は得られず、2時間を超えても溶出防止効果は変
わらない。
【0042】また、上記ガラス基板は、金属塩を含有す
る100℃以上250℃以下の沸騰水に浸漬させて、ガ
ラス成分の溶出を抑制する処理を施されてもよい。水溶
液を沸騰させることによって、水溶液の攪拌がおこり、
H+とのイオン交換によってガラス基板表面へ拡散して
きたアルカリ金属イオンが取り除かれ効率的にイオン交
換が行われて好ましい。
【0043】上記処理のための水溶液は中性であり、酸
やアルカリのようにガラスを侵す作用も小さく、本処理
によるガラス骨格の破壊や表面性の悪化はない。
【0044】なお、ガラス基板を沸騰した金属塩水溶液
で処理する前に、ガラス基板の割れを防止するため、ガ
ラス基板の100℃〜150℃に予熱しておくことが好
ましい。
【0045】また、処理液に浸漬中、ガラス基板の表面
全体が均一にイオン交換するため、ガラス基板を端面で
保持、即ち、基板の厚さ方向の面を複数箇所で支持して
実質的に鉛直方向に沿って立てた状態で、主表面におい
て処理液と接触しない部分ができるだけ存在しないよう
にすることが望ましい。
【0046】なお、製造工程中の任意の工程中におい
て、必要に応じて、スクラブ洗浄、市販の洗浄剤(中性
洗剤、界面活性剤、アルカリ性洗剤など)による洗浄、
純水洗浄、溶剤洗浄、溶剤蒸気乾燥等公知の洗浄処理を
行うことができる。また、各洗浄工程では、加熱や超音
波印加を行ってもよい。
【0047】上記の処理を施したガラス基板上に少なく
とも磁気記録層を成膜することで磁気ディスクを得るこ
とができる。この場合、磁気記録層やその他の層として
は公知のものを使用できる。
【0048】この磁気ディスクでは、アルカリイオンの
溶出を著しく抑制したガラス基板を使用しているので、
耐候性及び寿命に優れ高い信頼性を示す。
【0049】通常、磁気ディスクは、例えばスパッタ法
を用いて、Cr下地層,Co−Cr−Pt系磁性層,C
保護層を順次形成し、ディップコート法を用いてフッ素
系液体潤滑剤を塗布して、磁気ディスクとする。また、
本発明によって得られるガラス基板は、光学材料、建築
材料および機械部品等にも適用することができる。
【0050】以下に、本実施の形態のガラス基板ならび
に磁気ディスクの製造方法について更に具体的に説明す
る。実施例1 本実施例におけるガラス基板、磁気ディスクの形成およ
びその評価は、以下の4工程により実施した。 (1)第1工程 基板材料として、軟化点690℃のアルミノボロシリケ
ート系ガラスからなる円柱形状のガラス材料を用意し
た。また、プレス成形用の金型として、タングステンカ
ーバイト系の超硬合金からなる金型を1対用意した。こ
の金型のプレス面は平坦であり、研磨により鏡面加工さ
れた面に、保護膜として白金合金が1μmとなるように
スパッタリングし、中心線平均粗さが1nmの表面を得
た。プレス成形は、金型のプレス面にガラス材料を挟
み、690℃まで加熱した後、350kg/cm2の圧
力を加え、ガラス材料が所定の厚さとなるまでおこなっ
た。加圧時間は約1分であった。プレス成形後、冷却
し、厚さ0.64mm、直径84mmのディスク用のガ
ラス基板を得た。 (2)第2工程 上記第1工程を終えたガラス基板を、アルカリ溶出防止
処理を行なった。処理液として、1000gの純水にL
iNO3を2600g加えた水溶液を130℃に加熱し
たものを用意した。上記ガラス基板を100℃に予熱し
た後、1時間浸漬して行った。浸漬の際には、ガラス基
板の表面が均一に処理されるようガラス基板の端面で保
持した。上記溶出防止処理を終えたガラス基板を、中性
洗剤とPVAスポンジを用いたスクラブ洗浄、アルカリ
洗剤洗浄(2%セミクリーン、pH=12、横浜油脂
(株)製)、18MΩ以上の超純水を用いて十分に濯ぎ、
イソプロピルアルコール蒸気乾燥を行なった。 (3)第3工程 上記処理を行ったガラス基板に、スパッタ法を用いてC
r下地層,Co−Cr−Pt系磁性層,C保護層を順次
成膜し、ディップコート法を用いてフッ素系液体潤滑剤
を塗布して、磁気ディスクとした。
【0051】(4)第4工程 評価は、ガラス基板における抗折強度、アルカリ溶出
量、表面粗さ及び磁気ディスクにおける再生信号の検出
エラー数の測定で行った。各評価法を表1に示す。な
お、AFMは原子間力顕微鏡のことである。
【0052】
【表1】
【0053】実施例2 第2工程における溶出防止処理において、処理液の温度
を170℃とし、処理時間を10分とする以外は実施例
1と同じ条件で作製し、評価を行った。実施例3 第2工程における処理液を沸騰させ、処理時間を0.5
時間とすること以外は実施例1と同じ条件でガラス基板
を作製した。実施例4、5 第1工程を研磨工程でおこなったこと以外は実施例1、
2と同じ条件でガラス基板を作製した。研磨によるガラ
ス基板は、実施例1で使用したものと同じガラスからな
る厚さ1mmのガラス板をφ65mmに切り出した後、
酸化セリウムを用い厚みが0.64mmとなるまで研磨
した後、コロイダルシリカを用い中心線平均粗さが1n
m以下となるように研磨することにより得た。実施例6 第1工程と第2工程との間に化学強化処理を施した以外
は実施例1と同じである。第1工程を終えたガラス基板
を洗浄後、化学強化処理を施した。すなわち、化学強化
は硝酸カリウム(60%)硝酸ナトリウム(40%)を
混合した化学強化処理液を用意し、この化学強化処理液
を400℃に加熱し、350℃で予熱した上記ガラス基
板を2時間浸漬して行った。浸漬の際には、ガラス表面
が均一に処理されるようガラス基板の端面で保持した。
上記化学強化を終えたガラス基板を200℃まで徐冷
し、20℃の水槽に浸漬して急冷し約20分間放置し
た。その後中性洗剤とPVAスポンジを用いたスクラブ
洗浄,18MΩ以上の超純水を用いて十分に濯ぎ、IP
A蒸気乾燥を行なう。実施例7 第1工程を研磨工程でおこなったこと以外は実施例6と
同じ条件で作製し、評価を行った。研磨によるガラス基
板は、実施例2と同じものを用意した。比較例 比較例1は溶出防止処理を施さなかったこと以外は実施
例1と同じである。比較例2は処理温度を100℃以下
の80℃としたこと以外は実施例1と同じである。比較
例1,2の処理条件を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】評価結果 実施例1〜5、比較例1〜2の評価結果を表3に示す。
【0056】
【表3】
【0057】実施例1〜7は溶出防止処理によってアル
カリ溶出量は激減しており、エラー数の増加は殆どみら
れない。処理液を沸騰させることによって(実施例
3)、処理時間は半分でアルカリ溶出防止効果が十分確
認された。研磨ガラス基板を用いたもの(実施例4、
5)は、成形ガラス基板よりもアルカリ溶出量が多く、
成形ガラス基板が有効であることがわかる。また、化学
強化処理を施すことによって(実施例6、7)さらにア
ルカリ溶出量が減少し本処理の併用が極めて有効である
ことがわかる。比較例1は溶出防止処理をしていないの
でアルカリ腐蝕(炭酸塩,塩化物の析出)が発生して、
温度80℃、湿度80%、1000時間放置によってエ
ラー数が増加した。比較例2は処理温度が低かったため
処理時間を長くしても十分なアルカリ腐蝕防止効果が得
られていない。また、表面粗さも増加し、温度80℃、
湿度80%、1000時間放置によってエラー個数が増
加した。以上のように、ガラス基板を100℃〜250
℃の水または沸騰水に接触させることにより、ガラスの
表面性の悪化や強度の劣化がなく、ガラス成分、特にア
ルカリイオン成分の溶出を防ぐことができる。さらに、
加熱軟化したガラス材料を、プレス成形することにより
得られるガラス基板はこの効果が高いことを確認した。
また、化学強化を施したガラス基板に対しても本処理は
有効である。さらに本処理を施したガラス基板を用いる
ことによって、信頼性の高い、磁気ディスクを得ること
ができる。
【0058】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ガラス基
板を100℃〜250℃の水溶液または沸騰する水溶液
に浸漬させることにより、ガラス成分の溶出を抑制する
ことができる。さらに、本処理を施したガラス基板を用
いることによって、信頼性の高い、情報記録ディスクと
することができる。
フロントページの続き (72)発明者 津田 孝一 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 徳用 貴宏 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 4G059 AA09 AB11 AC16 AC24 AC30 HB02 HB03 HB13 HB14 HB15 5D006 CB06 CB07 EA04 5D112 AA02 BA03 BA10 GA28

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】100℃〜250℃の水溶液に浸漬させら
    れて、その内部に含まれるガラス成分の溶出抑制処理が
    施されている、ことを特徴とするガラス基板。
  2. 【請求項2】沸騰する水溶液に浸漬させられて、その内
    部に含まれるガラス成分の溶出抑制処理が施されてい
    る、ことを特徴とするガラス基板。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のガラス基板にお
    いて、 前記水溶液が、金属塩を含有する、ことを特徴とするガ
    ラス基板。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3いずれかに記載のガラス
    基板において、 前記浸漬処理前に、加熱軟化したガラス材料を一対の金
    型でプレス成形されている、ことを特徴とするガラス基
    板。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4いずれかに記載のガラス
    基板において、 前記浸漬処理後に化学強化処理が施されている、ことを
    特徴とするガラス基板。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5いずれかに記載のガラス
    基板において、 前記溶出抑制成分が、アルカリイオンである、ことを特
    徴とするガラス基板。
  7. 【請求項7】ガラス材料からプレス成形により情報記録
    ディスク用のガラス基板を製造する方法であって、 ガラス材料を金型で情報記録ディスクの形状のガラス基
    板に成形する第1工程と、 前記第1工程により得られたガラス基板に対して100
    ℃〜250℃の水溶液への浸漬によりアルカリ溶出防止
    処理を施す第2工程と、 を含むことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  8. 【請求項8】ガラス材料からプレス成形により情報記録
    ディスク用のガラス基板を製造する方法であって、 ガラス材料を金型で情報記録ディスクの形状のガラス基
    板に成形する第1工程と、 前記第1工程により得られたガラス基板に対して沸騰す
    る水溶液への浸漬によりアルカリ溶出防止処理を施す第
    2工程と、 を含むことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項7または8に記載のガラス基板の製
    造方法において、 前記第2工程における水溶液が、金属塩を含有する、こ
    とを特徴とするガラス基板の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項9に記載のガラス基板の製造方法
    において、 前記金属塩が、Liイオンを含有するものである、こと
    を特徴とするガラス基板の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項7ないし10いずれかに記載のガ
    ラス基板の製造方法において、 前記第2工程が、ガラス材料としてアルミノボロシリケ
    ートガラスとし、これに対して化学強化処理を施してい
    る、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  12. 【請求項12】請求項7ないし10いずれかに記載のガ
    ラス基板の製造方法において、 前記第2工程が、ガラス材料に対して低温型イオン交換
    法による化学強化処理を含む、ことを特徴とするガラス
    基板の製造方法。
  13. 【請求項13】請求項7ないし10いずれかに記載のガ
    ラス基板の製造方法において、 前記第2工程が、ガラス材料を、溶融塩含有化学強化処
    理液に浸漬する処理を含む、ことを特徴とするガラス基
    板の製造方法。
  14. 【請求項14】請求項7ないし10いずれかに記載のガ
    ラス基板の製造方法において、 前記第2工程が、ガラス転移点温度が450℃〜800
    ℃であるガラス材料を、350℃〜700℃の化学強化
    処理液に0.5〜20時間浸漬する処理を含む、ことを
    特徴とするガラス基板の製造方法。
  15. 【請求項15】請求項7ないし14いずれかに記載のガ
    ラス基板の製造方法における第1および第2工程と、 前記第2工程によりアルカリ溶出防止処理を施したガラ
    ス基板に対して磁気記録膜を成膜する第3工程と、 を含むことを特徴とする情報記録ディスクの製造方法。
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