JP4938214B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、磁気記録媒体の製造方法に関する。
近年、磁気記録媒体である磁気ディスクは、急激な高記録密度化が進んでいる。磁気ディスク装置は、高速回転する磁気ディスク上を、磁気ヘッドを僅かに浮上させて走査させることによってランダムアクセスを実現しているが、高記憶密度と高速アクセスとを両立させる為には、磁気ディスクの回転数を上げることと、磁気ディスクと磁気ヘッドとのスペーシング(ヘッド浮上量)を小さくすることが求められている。
磁気ディスクの基板材料は、従来、Ni−Pめっきを施したアルミニウム基板が主流であったが、磁気ディスクの小型化、薄型化や磁気ディスクの低浮上化等のニーズから高剛性で、高速回転させても変形しづらく、表面の平滑性の高いガラス基板が使われる割合が増加している。
かかるガラス基板に用いられるガラス材料には、溶融点を下げてガラス化や成形性を良くするために、アルカリ金属が数%〜数十%添加されている。ところが、これらアルカリ金属は原子半径が小さくてマイグレーションし易いので、徐々に表面に析出して大気中の二酸化炭素やハロゲンと反応して炭酸塩や塩化物として表面に析出する。このアルカリ成分の溶出は高温高湿下で顕著であり、記録再生ができなくなって、直接エラーとなったり、磁気ヘッドに移着してその浮上を妨げたり腐食させたりして、磁気ディスクとしての信頼性を低下させる原因となる。
また、かかるガラス基板に用いられるガラス材料には、溶融点を下げてガラス化や成形性を良くするために、アルカリ金属の添加の他に、数%〜十数%のアルミニウムやボロンを添加し、Si−O−Siガラス骨格Siの一部を4配位のアルミニウムやボロンに置換しガラス骨格構造を柔軟化させている。ところが、これらアルミニウムやボロンは、一定のガラス組成比条件を満たさない場合は3配位のアルミニウムやボロンとして存在し、この場合は4配位のシリコン成分と完全に置換されず、ガラス骨格の崩れや分相化を起こし、これらアルミニウムやボロンもアルカリ金属と同様にマイグレーションを起こし、徐々に表面に析出して大気中の二酸化炭素やハロゲンと反応して炭酸塩や塩化物を表面に形成し、エラーとなったり磁気ヘッドに移着し、磁気ディスクとしての信頼性を低下させる原因となる。
その結果、従来からアルカリ成分の溶出を抑制するための種々の提案がなされており、例えば特許文献1に開示されているように、硝酸ナトリウムと硝酸カリウムの溶融塩に浸漬する化学強化処理の後に、温水に浸漬して洗浄し、さらに熱濃硫酸に浸漬するアルカリイオン封止処理が提案されており、また特許文献2に開示されているように、磁気記録用ガラス基板を硫酸水素塩またはピロ硫酸塩の溶融塩に接触させてガラス成分の溶出を抑制することが提案されている。
特開平10−226539号公報 特開2000−82211号公報 特開2000−220259号公報 特開2000−220260号公報
しかしながら、最近における高記憶密度化の動きは、アルカリ溶出の抑制をより高いレベルで要求し、上述のような従来の技術では、十分にその要求を満たすことはできない。
アルカリ溶出の抑制効果を高めようとすると、酸処理を行う特許文献1では、ガラスの骨格自身も破壊されて却ってアルカリイオン溶出量が増大したり、骨格成分であるシリコン、アルミニウム、ボロンの溶出量が増大してしまう。
また、溶融塩による処理を行う特許文献2では、処理が高温であるために、化学強化処理を施したガラス基板は、表面の圧縮応力を形成しているイオンの拡散および熱による歪の緩和が起こり、強度の低下が生じやすいという課題がある。
そこで、本発明の目的は、高温高湿下での長時間の使用、保存においても強度劣化がなく、アルカリ成分やガラス骨格成分の溶出を一段と高いレベルで抑制すると共に、溶出抑制処理の作業効率を向上させることが可能な、ガラス基板およびガラス基板の製造方法、並びに、磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法を提供することにある。
本発明は、磁気記録媒体の製造方法であって、ガラス基板を作成する工程と、該ガラス基板上に、少なくとも、磁性層、保護層、および潤滑層を順次積層する工程を具え、前記ガラス基板を作成する工程において、該ガラス基板は、少なくとも、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンを含むアルカリイオン成分と、シリコン、アルミニウム、ボロンを含むガラス骨格成分とを有するガラス基材からなり、該ガラス基材を、リチウム塩を含有する溶融液に浸漬処理してイオン交換反応を行わせる場合において、前記ガラス基材のガラス表面層に存在する前記アルカリイオン成分のナトリウムイオンおよびカリウムイオンを、前記溶融液のリチウムイオンに置換することによって、該ガラス基材のガラス表面層に存在するナトリウムイオンおよびカリウムイオンのイオン濃度を低減させると共にリチウムイオンのイオン濃度を増加させ、これにより、該ガラス基材の内部からの前記アルカリイオン成分の溶出を抑制するアルカリイオン成分溶出抑制工程と、前記ガラス基材のガラス表面層において前記イオン濃度が増加したリチウムイオンを、前記溶融液の水素イオンに置換することによって、該ガラス基材のガラス表面層に存在するリチウムイオンのイオン濃度を低減させると共に該ガラス基材のガラス表面層に存在する前記ガラス骨格成分のアルミニウムおよびボロンのイオン濃度を低減させ、これにより、前記ガラス基材のガラス表面層におけるアルミニウムおよびボロンのイオン濃度を、前記ガラス基材の内部におけるアルミニウムおよびボロンのイオン濃度よりも低くして、アルミニウムおよびボロンのガラス骨格成分の溶出を抑制するガラス骨格成分溶出抑制工程とを具え、前記ガラス基材のガラス表面層におけるリチウムイオンのイオン濃度が、前記ガラス基材の内部におけるリチウムイオンのイオン濃度よりも低くなるまで前記ガラス基材を前記リチウム塩を含有する溶融液に浸漬処理してイオン交換反応を行わせることを特徴とする。
本発明は、ガラス材料からなるガラス基材を、リチウム塩を含有する溶融液に浸漬処理してイオン交換反応を行わせる場合において、前記ガラス基材の表面部分に存在するアルカリ金属イオンを、リチウムイオンに置換する工程と、前記置換された前記リチウムイオンを、水素イオンに置換する工程とを具えることによって、ガラス基板の製造方法を提供する。
本発明によれば、ガラス基材のガラス表面層におけるリチウムイオンのイオン濃度が、ガラス基材の内部におけるリチウムイオンのイオン濃度よりも低くなるまでガラス基材をリチウム塩を含有する溶融液に浸漬処理してイオン交換反応を行わせるようにしたので、1回の浸漬処理で、ガラス成分の溶出を一段と高いレベルで効率良く抑制することができ、溶出抑制処理の作業効率を向上させることが可能となり、また、そのリチウム塩の反応水溶液はほぼ中性であることから、ガラス骨格の破壊や表面性の悪化を生じることも無く、基板強度の劣化も防ぐことができる。
また、本発明によれば、ガラス成分の溶出抑制処理を施したガラス基板を用いて磁性層を形成しているので、耐候性および寿命に優れた、信頼性の高い磁気記録媒体を作成することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[第1の例]
本発明の第1の実施の形態を、図1〜図7に基づいて説明する。
(ガラス基板の製造方法)
まず、ガラス基板の製造方法の概要について説明する。
本発明は、ガラス基板の製造方法において、ガラス材料からなるガラス基材を、リチウム塩を含有する溶融液に浸漬処理することにより、そのガラス基材と溶融液との間でイオンの置換を行う工程を有することに特徴がある。
すなわち、この工程とは、ガラス材料からなるガラス基材2を、リチウム塩を含有する溶融液に浸漬処理して、溶融液中に含まれるイオンと該ガラス基材2の表面部分4に含まれるイオンとの間で置換反応を起こさせ、ガラス基材2の内部3に対する表面部分4のイオン濃度の比を変更する置換工程である。
従って、最終的に、表面部分4(最表面層)に含まれるイオンのイオン濃度と、ガラス基材2の内部3に含まれるイオンのイオン濃度との比は、異なったものとなっている。
図1は、置換工程としてのアルカリ溶出抑制処理を示す。図2は、アルカリ溶出抑制処理が施されて作成されたガラス基板1の基板構造を示す。
この置換工程には、ステップS1の置換の途中工程(第1の置換工程)と、ステップS2の置換の最終工程(第2の置換工程)とに分けられる。
まず、ステップS1では、最表面層4におけるナトリウムイオンやカリウムイオンが、リチウムイオンに置換される。その結果、最表面層4のリチウムイオンのイオン濃度が、ガラス基材2の内部3のリチウムイオンのイオン濃度よりも高くなる。またこれと同時に、最表面層4のナトリウムイオンやカリウムイオンのイオン濃度は、ガラス基材2の内部3のナトリウムイオンやカリウムイオンのイオン濃度よりも低くなる。
引き続き、ステップS2では、最表面層4のリチウムイオンが水素イオンと置換されて、最表面層4のリチウムイオンのイオン濃度が、ガラス基材2の内部3のリチウムイオンのイオン濃度よりも最終的に低くなる。
これにより、最終結果として、図2に示すように、ガラス基板1には、ガラス基材2の内部3上に最表面層4が形成された形で構成される。最表面層4の膜厚は、0〜200nm位までの範囲である。
この場合、最表面層4とガラス基材2の内部3とにおける最終的なイオン濃度を比較すると、以下のようになる。
最表面層4におけるリチウムのイオン濃度は、ガラス基材2の内部3におけるリチウムのイオン濃度よりも低い。また、最表面層4におけるナトリウムおよびカリウムのイオン濃度は、ガラス基材2の内部3におけるナトリウムおよびカリウムのイオン濃度よりも低い。最表面層4における水素のイオン濃度は、ガラス基材2の内部3における水素のイオン濃度よりも高い。
なお、このガラス基板1は、従来の磁気記録用ガラス基板の製造方法に広く用いられてきた研磨工法により作製したガラス基板においても、また、加熱軟化したガラス材を、一対の平坦なプレス面を有する金型で加圧成形することにより製造したガラス基板、いわゆる成形ガラス基板においても同様である。
(ガラス基板の基板深さとイオン濃度の関係)
以下、上記製造方法により作成されたガラス基板1について説明する。
図3〜図5は、上記製造方法により作成されたガラス基板1の表面部分の深さと金属イオン濃度との関係を示す。
図3は、リチウム塩を含有する溶融液にガラス基板1を浸漬する前の状態であり、ガラス基板1の表面部分の深さと、リチウムイオン(Li)、ナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)のアルカリイオン濃度との関係を示す。
図4は、リチウム塩を含有する溶融液にガラス基板1を浸漬する置換の途中工程の状態を示す。
ただし、このアルカリ溶出抑制処理の条件は、溶液温度170℃、浸漬時間1時間である。
リチウムイオンが、ガラス基板1の最表面層4のナトリウムイオン、カリウムイオンとイオン交換を行い、最表面層4にリチウムイオンが多い層が形成されていることがわかる。
これは、最表面層4のナトリウムイオンやカリウムイオンがリチウムイオンに置換され、その結果、最表面層4のリチウムイオン濃度が、ガラス基材2の内部3のリチウムイオン濃度よりも高くなり、また、最表面層4のナトリウムイオンやカリウムイオン濃度が、ガラス基材2の内部3のナトリウムイオンやカリウムイオン濃度よりも低くなることに起因する。
図5は、リチウム塩を含有する溶融液にガラス基板1を浸漬する置換工程の終了後の状態を示す。
ただし、このアルカリ溶出抑制処理の条件は、溶液温度170℃、浸漬時間3時間である。
溶融液中の水分子が解離してなる水素イオン(H)が、置換後の最表面層4のリチウムイオンとイオン交換を行い、最表面層4に水素イオンが多い層が形成されていることがわかる。
そして、最表面層4のリチウムイオンが水素イオンと置換されることにより、最表面層4のリチウムイオン濃度がガラス基材2の内部3のリチウムイオン濃度よりも最終的に低くなることがわかる。
これは、リチウムイオンは他のアルカリイオンであるナトリウムイオンやカリウムイオンに比べて、イオン半径が小さく、ガラス中の非架橋酸素と強く結びついて他のアルカリイオンに比べて溶出が少ないリチウムイオンを、ナトリウムイオンやカリウムイオンと置換させた上で、最表面層4においてリチウムイオンのイオン濃度を一旦高くしておき、引き続き、この高濃度なリチウムイオンを水素イオンで置換することにより、最終的に、最表面層4のリチウム、ナトリウム、カリウムイオン濃度がガラス基材2の内部3のリチウム、ナトリウム、カリウムイオン濃度よりも低くなることに起因しており、これにより、アルカリイオンの溶出が高いレベルで効率よく抑制されることになる。
図6〜図7は、上記製造方法により作成されたガラス基板1の表面部分の深さと基材成分の濃度との関係を示す。
図6は、リチウム塩を含有する溶融液にガラス基板を浸漬する前のガラス基板1の表面部分の深さに対する、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、およびボロン(B)のガラス骨格金属濃度の関係を示す。
図7は、リチウム塩を含有する溶融液にガラス基板1を浸漬する第1および第2の置換工程を経た、ガラス基板1の表面部分の深さに対する、シリコン、アルミニウム、およびボロンのガラス骨格金属濃度の関係を示す。
ただし、このアルカリ溶出抑制処理の条件は、溶液温度170℃、浸漬時間3時間である。
図6および図7から、最表面層4(〜200nm位まで)の範囲において、シリコン、アルミニウム、ボロンは減少している。これにより、4配位シリコン骨格と置換せずに、3配位として存在しシリコン骨格から分相化したガラス表面のアルミニウムやボロンを効果的に除去した最表面層4が形成されていることがわかる。
このように、最表面層4のアルミニウム、ボロンのイオン濃度が、ガラス基材2の内部3のアルミニウム、ボロンのイオン濃度よりも低い状態を取るようになり、その結果、アルミニウムやボロンの骨格成分の溶出も抑制することができる。
本発明に使用されるリチウム塩としては、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩等を挙げることができる。また、これらの混合物を用いてもよい。さらに、ナトリウム塩等アルカリ金属と混合してもよい。混合物を用いることによって、溶融温度の低下を図ることができると共に、イオン交換反応の制御を行うことができる。
(応用例)
以下、ガラス基板1の製造方法の応用例について説明する。
ガラス基板1の製造方法では、リチウム塩の溶融液にガラス基板1を浸漬処理してアルカリ成分の溶出を抑制するのであるが、これらリチウム塩の中では、硝酸塩が水に対する溶解度が高く好ましい。
リチウム塩が高濃度に存在することにより、水溶液の沸点は上昇し、水溶液でありながら100℃以上での処理が可能である。硝酸リチウムの場合、1000gの水に対し、2600gの硝酸リチウムを加えることにより、170〜180℃の処理が可能である。
アルカリイオン溶出の抑制効果は、処理温度が高い方が有効であるが、処理温度が高すぎると、化学強化処理を施したガラス基板では、表面の圧縮応力を形成しているイオンの拡散および熱による歪の緩和が生じ、強度の低下が生じる。このため処理温度は100〜200℃、さらには130〜180℃が好ましい。
また、アルカリイオン溶出の抑制の処理時間は、一般的には長い方が有効であるが、処理時間が短すぎると、アルカリイオン溶出抑制効果は得られず、逆に、処理時間が過剰に長くなるとガラス骨格成分であるシリコンやアルミニウム及びボロンの骨格構造が崩れ、これら骨格成分の溶出を生じると共に、それに伴いアルカリイオンの溶出も逆に増えてしまうことになる(後述する図12参照)。
リチウム塩を含有する水溶液のpHは、好ましくはpH5〜9であり、より好ましくは中性であり、酸やアルカリのようにガラスを侵す作用も小さく、溶出抑制処理によるガラス骨格の破壊や表面性の悪化を生じることもない。
本発明では、ガラス基板1を、加熱したリチウム塩水溶液で処理する前に、ガラス基板の割れを防止するため、ガラス基板を100〜150℃に予熱しておくことが好ましい。
リチウム塩の溶融液に浸漬中、ガラス基板1の表面全体が均一にイオン交換できるようにするために、ガラス基板1を端面で保持、すなわち、基板の厚さ方向の面を複数箇所で支持して実質的に鉛直方向に沿って立てた状態で、主表面において溶融液と接触しない部分ができるだけ存在しないようにすることが望ましい。
また、本発明のガラス基板1の製造方法では、ガラス基板1をリチウム塩の溶融液に浸漬処理後水洗浄を行うのが好ましい。水洗浄により、浸漬処理後ガラス基板表面に残存するリチウム塩、ナトリウム塩およびカリウム塩を洗い流し、ガラス基板1の表面で異物などの欠陥の発生を防止することができる。
洗浄方法としては、通常の浸漬洗浄、また必要に応じてスクラブ洗浄を行うことができる。さらに温水洗浄を併用してもよい。また、市販の洗浄剤(中性洗剤、界面活性剤、アルカリ性洗剤など)を併用してもよい。洗浄後は、溶剤蒸気乾燥等公知の方法により乾燥することができる。
また、各洗浄工程では、加熱や超音波印加を行ってもよい。
本発明のガラス基板のガラス材料としては、リチウムイオンと交換可能なアルカリ金属イオンを有するガラス材料を用いることができる。例えば、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス等のガラスを用いることができる。アルミノシリケートガラスは、化学強化処理によるアルカリ溶出抑制効果が大きくなり、好ましい。
また、本発明は、必要に応じて、以下に述べるような化学強化処理を施したガラス基板1に対して有効である。
化学強化処理は、加熱により溶融した化学強化処理液にガラス基板を浸漬し、ガラス表面層のイオンを化学処理液中のイオンでイオン交換させる方法、すなわち、イオン交換法によって行う。
イオン交換法では、ガラス転移温度(Tg)以下の温度領域で化学強化処理液に浸漬し、ガラス基板表面付近のアルカリ金属イオン、例えばリチウムイオンまたはナトリウムイオンをそれよりもイオン半径の大きいアルカリ金属イオン、例えばナトリウムイオンまたはカリウムイオンと置換し、イオン交換した部分の容積増加によってガラス表面に強い圧縮応力を発生させてガラス表面を強化する。
化学強化処理液としては、硝酸カリウム(KNO)、硝酸ナトリウム(NaNO)、炭酸カリウム(KCO)などの溶融塩やこれらの塩を混合したもの(例えばKNO+NaNO,KNO+KCOなど)の溶融塩を用いることができる。
化学強化処理液の温度は、イオン交換を促進するためには高温であることが好ましいが、ガラス基板の変形を防止するため、ガラス転移温度以下が好ましい。通常、350℃〜700℃、特に350℃〜450℃であることが好ましい。
浸漬時間は、0.5〜10時間であることが望ましい。0.5時間以下では化学強化の効果が不十分であり、10時間以上では、表面が粗れて平滑度が低下する。
化学強化する際には、ガラス基板の割れやヒビを防止するため、また化学強化処理液中の溶融塩がガラス基板表面において結晶化することを防止するため、ガラス基板を化学強化処理液に浸漬する前に、ガラス基板を200℃〜350℃に予熱することが望ましい。
化学強化処理液溶に浸漬中、ガラス基板の表面全体を均一に化学強化できるようにするために、ガラス基板を端面で保持、即ち、基板の厚さ方向の面を複数箇所で支持して実質的に鉛直方向に沿って立てた状態で、主表面において処理液と接触しない部分ができるだけ存在しないようにすることが望ましい。
(まとめ)
以上説明した、本発明のガラス基板1の製造方法についてまとめる。
ガラス基板1を、リチウム塩を含有する溶融液中に浸漬することによって、まず第1の置換工程では、リチウムイオンと、ナトリウムイオンおよびカリウムイオンとのイオン交換反応を生じさせ、最表面層4のナトリウムイオンやカリウムイオンがリチウムイオンに置換され、その結果、最表面層4のリチウムイオン濃度が、ガラス基材2の内部3のリチウムイオン濃度よりも高い層を形成すると共に、最表面層4のナトリウムイオンやカリウムイオン濃度は、ガラス基材2の内部3のナトリウムイオンやカリウムイオン濃度よりも低くなる。引き続き、第2の置換工程では、最表面層4のリチウムイオンが水素イオンと置換されて、最表面層4のリチウムイオン濃度がガラス基材2の内部3のリチウムイオン濃度よりも最終的に低い層を形成し、ガラス基板1中のリチウムイオンやナトリウムイオンおよびカリウムイオン成分の溶出を抑制することができる。
また、上記置換工程において、同時に、4配位シリコン骨格と置換せずに、3配位として存在しシリコン骨格から分相化した最表面層4のアルミニウムやボロンを効果的に除去し、その結果として、アルミニウムやボロンの骨格成分の溶出を抑制することができる。
また、溶融液を用いた処理であるために、リチウムイオンとのイオン交換並びに水素イオンとのイオン交換が非常に短い時間で行うことができ、化学強化を施したガラス基板1に対しても、表面に形成されている圧縮応力層への影響が小さく、ガラス強度の低下は殆ど生じなくすることができる。
[第2の例]
本発明の第2の実施の形態を、図8〜図15に基づいて、参考例としての実施例1,2,5,6と共に説明する。なお、前述した第1の例と同一部分については、その説明を省略し、同一符号を付す。
(実施例1:磁気記録媒体の製造方法)
本例では、第1の例のガラス基板1を用いて、磁気記録媒体を製造する場合の例である。
図8は、磁気記録媒体の作成処理を示す。
この処理では、ガラス基板1を、以下に説明するステップS11のガラス成形工程、ステップS12の穴あけ工程、ステップS13のアルカリ溶出抑制処理工程によって作成した後、ステップS14の磁性層等を形成する成膜工程を経て、磁気記録媒体100を製造する。
<ガラス成形工程>
ステップS11では、基板材料として、軟化点620℃のアルミナシリケイト系ガラスからなるマーブル形状のガラス材を用意した。また、加圧成形用の金型として、タングステンカーバイト系の超硬合金からなる金型を一対用意した。この金型のプレス面は平坦であり、研磨により鏡面加工された面に、保護膜として白金系合金が3μmとなるようにスパッタリングし、中心線平均粗さが1nmの表面を得た。
加圧成形は、金型のプレス面に前記ガラス材料を挟み、630℃まで加熱した後、350kg/cm2の圧力を加え、ガラス材料が所定の厚さとなるまで行った。加圧時間は、約0.5分であった。加圧成形後、冷却し、厚さ0.64mm、直径65mmのディスク用のガラス基板を得た。
<穴あけ工程>
ステップS12では、上記加圧成形工程により形成されたガラス基板1をダイヤモンド砥石のコアドリルにより直径20mmの内径を形成し、ディスク用ガラス基板1を得た。
<アルカリ溶出抑制処理工程>
ステップS13では、上記穴あけ工程を終えたガラス基板1を、リチウム塩を含有する水溶液で処理を行った。処理液として、1000gの純水にLiNO3を2600g加えた水溶液を130℃に加熱したものを用意した。
そして、ガラス基板1を100℃に予熱した後、3時間浸漬して行った。浸漬の際には、ガラス基板1の表面が均一に処理されるようガラス基板1の端面で保持した。
上記溶出抑制処理を終えたガラス基板1を、中性洗剤とPVAスポンジを用いたスクラブ洗浄、アルカリ洗剤洗浄(2%セミクリ−ン PH=12、横浜油脂製)、18MΩ以上の超純水を用いて十分に濯ぎ、イソプロピルアルコール蒸気乾燥を行った。
<成膜工程>
ステップS14では、上記処理を行ったガラス基板1に、スパッタ法を用いて、Cr下地層、Co−Cr−Pt系磁性層、カーボン(C)保護層を順次形成し、ディップコート法を用いてフッ素系液体潤滑剤を塗布して、磁気記録媒体として作成した。
なお、本発明は、磁気記録用ガラス基板の製造方法に周知な研磨工法により作成したガラス基板に有効であり、また、加熱軟化したガラス材を、一対の平坦なプレス面を有する金型で加圧成形することにより製造したガラス基板、いわゆる、成形ガラス基板においても効果が著しく存在する。
また、プレス成形は、金型にガラス材料を挟み込み、ガラス材料を軟化点付近まで加熱した後、圧力を加えて実施する。ガラス材料に加える圧力は、200〜500kg/cm2であることが好ましい。圧力が小さいとガラス材料が所定の厚さとならず、圧力が大きいと成形面の平坦度が低下し、割れの原因になり、さらには金型に加わる負荷が大きくなるという問題が生じるので、注意を要する。
プレス終了後、ガラス転移温度以下まで冷却した後、型を開き、取り出すことによって、金型の表面形状を反映したガラス基板が得られる。
また、本発明において、ディスク用の環状円盤のガラス基板とするための内径および外径の穴あけ工法としては、公知の方法が利用できる。例えば、ダイヤモンド砥石からなるコアドリルによる穴あけ加工法は、加工精度の点から、また、生産性の点から有効な方法である。
(磁気記録媒体)
図9は、上記製造方法により作成された磁気記録媒体100の構造を示す。
溶出抑制処理を施したガラス基板1上に、少なくとも記録層としての磁気記録層を形成する。
本例では、ガラス基板1上に、Cr下地層20、Co−Cr−Pt系磁性層21、カーボン(C)保護層22、潤滑層23が順次形成された磁気記録媒体100として構成した。
また、本発明によって得られるガラス基板1は、光学材料、建築材料、および機械部品等にも適用することができる。
(磁気記録媒体の評価)
図10〜図12は、以上のようにして製造されたガラス基板1および磁気記録媒体100の評価内容を示す。
図10は、ガラス基板1および磁気記録媒体100に対する評価法30を示す。
この評価法30の項目31は、ガラス基板1におけるアルカリ溶出量、ガラス骨格成分溶出量、表面粗さ、および磁気記録媒体100におけるエラー数、デプスプロファイルとした。各項目31に対応して、測定方法32、サンプル33をそれぞれ示した。
(実施例2)
実施例2は、溶出抑制処理において、処理液の温度を170℃とし、処理時間は1時間とした以外は実施例1と同じ条件で製造し、評価した。
(実施例3)
実施例3は、溶出抑制処理において、処理液の温度を170℃とし、処理時間は3時間とした以外は実施例1と同じ条件で製造し、評価した。
(実施例4)
実施例4は、溶出抑制処理において、処理液の温度を170℃とし、処理時間は5時間とした以外は実施例1と同じ条件で製造し、評価した。
(実施例5,6,7,8)
実施例5,6,7,8は、成形工程を研磨工程で行った以外はそれぞれ実施例1,2,3,4と同じ条件で製造し、評価した。研磨によるガラス基板は、実施例1で使用したものと同じガラス材料からなる厚さ1mmのガラス板をΦ65mmに切り出した後、酸化セリウムを用いて厚みが0.64mmとなるまで研磨した後、コロイダルシリカを用い中心線平均粗さが1nm以下となるように研磨することにより得た。
(実施例9)
実施例9は、穴あけ工程とアルカリ溶出抑制処理との間に、化学強化処理を施した以外は実施例3と同じ条件で製造し、評価した。
穴あけ工程を終えたガラス基板を洗浄後、化学強化処理を施した。
化学強化処理条件は、硝酸カリウム(60重量%)、硝酸ナトリウム(40重量%)を混合した化学強化処理液を用意し、この化学強化処理液を400℃に加熱し、350℃で予熱した上記ガラス基板を2時間浸漬して行った。
浸漬の際には、ガラス表面が均一に処理されるようにガラス基板の端面で保持した。上記化学強化処理を終えたガラス基板を200℃まで徐冷した後、20℃の水槽に浸漬して急冷し約20分放置した。その後、中性洗剤とPVAスポンジを用いたスクラブ洗浄、18MΩ以上の超純水を用いて十分に濯ぎ、イソプロピルアルコール蒸気乾燥を行った。
(実施例10)
実施例10は、ガラス基板の成形工程を、研磨工程で行った以外は実施例9と同じ条件で製造し、評価を行った。
(比較例)
図11は、比較例1,2の処理条件40を示す。
処理条件40は、処理剤41、温度42、時間43に分けられる。溶出抑制処理工程における処理以外は実施例1と同じである。
比較例1は、溶出抑制処理を行っていない以外は、実施例1と同じである。比較例2は、溶出抑制処理の処理温度を100℃以下の80℃としたこと以外は実施例1と同じである。
図12は、実施例1〜10、比較例1〜2の評価結果50を示す。
実施例1〜10は、溶出抑制処理によって、アルカリ溶出量、骨格成分溶出量とも減量しており、エラー数の増加もわずかである。
特に、溶出抑制処理を3時間以上行った実施例3〜4、実施例7〜8、実施例9〜10においては、アルカリ溶出量、骨格成分溶出量とも激減しており、エラー数の増加も殆どみられない。
また、成形ガラス基板(実施例1〜4)と同様、研磨ガラス基板(実施例5〜8)においても、全く同様な傾向が確認される。さらに、化学強化処理を施したガラス基板においても(実施例9〜10)、アルカリ溶出量、骨格成分溶出量とも減少し、本処理の併用が極めて有効であることがわかる。
比較例1は、溶出抑制処理をしていないので、アルカリ腐蝕(炭酸塩、塩化物の析出)が発生して、80℃,80%,1000時間放置によってエラー数が激増した。
比較例2は、処理温度が100℃以下であり、処理時間を10時間と長くしても十分なアルカリ腐蝕防止効果が得られていない。その結果、80℃,80%,1000時間放置によってエラー数が増加した。
また、実施例1〜10、比較例1〜2のガラス基板表面近傍元素デプスプロフアイル評価から、比較例1〜2は、図3に示すように、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンともほぼ均一に分布している。
これに対して、アルカリ溶出量が減量した、実施例1〜2、実施例5〜6のガラス基板1は、図4に示すように、最表面層4のナトリウムイオンやカリウムイオンがリチウムイオンに置換される。
その結果、最表面層4のリチウムイオン濃度が、ガラス基材2の内部3のリチウムイオン濃度よりも高くなり、かつ、最表面層4のナトリウムイオンやカリウムイオン濃度が、ガラス基材2の内部3のナトリウムイオンやカリウムイオン濃度よりも低くなることがわかる(第1の置換工程)。
さらに、アルカリ溶出量が激減し、80℃,80%,1000時間放置によってエラー数増加が殆ど認められなかった、実施例3〜4、実施例7〜8、実施例9〜10のガラス基板1は、図5に示すように、最表面層4のリチウムイオンが水素イオンと置換されて、最表面層4のリチウムイオン濃度が、ガラス基材2の内部3のリチウムイオン濃度よりも最終的に低くなることがわかる(第2の置換工程)。
(磁気記録媒体の比較)
図13〜図15は、以上の実施例1〜10および比較例1〜2で得られたガラス基板1の0〜200nmまでの最表面層4と、200nm深さ以降のガラス基材2の内部3の組成差異を断面図で表した結果を示す。
図13は、比較例1〜2から得られたガラス基板1に相当する。
図14は、実施例1〜2および実施例5〜6から得られた置換の途中工程におけるガラス基板1に相当する。さらに、図15は、実施例3〜4、実施例7〜8および実施例9〜10から得られた第2の置換工程後のガラス基板1に相当する。
図14に示す置換の途中工程におけるリチウムのイオン濃度は、26.6wt%である。
これに対して、図15に示す置換工程の終了後におけるリチウムのイオン濃度は、3.8wt%となり、置換の途中工程後に比べて減少していることがわかる。また、このとき、水素のイオン濃度は、34.8wt%に増加している。
以上の評価結果から、ガラス基板1を、リチウム塩を含有する水溶液に接触させることにより、ガラス表面性の悪化や強度の劣化がなく、ガラス成分、特に、アルカリイオン成分やガラス骨格成分の溶出を防ぐことができる。
また、加熱軟化したガラス材料を、加圧成形することにより得られるガラス基板並びに研磨加工により得られるガラス基板1とも、この効果が高いことを確認できた。
また、化学強化を施したガラス基板1に対しても本処理は有効である。すなわち、溶融液を用いた処理であるために、リチウムイオンとのイオン交換並びに水素イオンとのイオン交換が非常に短い時間で行うことができ、化学強化を施したガラス基板1に対しても、表面に形成されている圧縮応力層への影響が小さく、強度の低下は殆ど生じない。
従って、本処理を施したガラス基板1、すなわち、アルカリ金属イオンの溶出を著しく抑制した強度劣化のないガラス基板1を用いて製造することにより、耐候性および寿命に優れた、高い信頼性の磁気記録媒体100を作成することができる。
本発明の第1の実施の形態である、ガラス基板の製造方法を示すフローチャートである。 ガラス基板の基板構造を示す断面図である。 リチウム塩を含有する溶融液にガラス基板を浸漬する前の深さ方向に対するアルカリイオン濃度を示す特性図である。 リチウム塩を含有する溶融液にガラス基板を浸漬する置換の途中工程における深さ方向に対するアルカリイオン濃度を示す特性図である。 リチウム塩を含有する溶融液にガラス基板を浸漬する置換工程の終了後における深さ方向に対するアルカリイオン濃度を示す特性図である。 リチウム塩を含有する溶融液にガラス基板を浸漬する前のガラス基板1の表面部分の深さに対するガラス骨格成分濃度の関係を示す特性図である。 リチウム塩を含有する溶融液にガラス基板を浸漬する第1および第2の置換工程を経た、ガラス基板1の表面部分の深さに対する、シリコン、アルミニウム、およびボロンのガラス骨格金属濃度の関係を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態である、磁気記録媒体の製造方法を示すフローチャートである。 磁気記録媒体の基板構造を示す断面図である。 ガラス基板および磁気記録媒体に対する評価法を示す説明図である。 比較例の処理条件を示す説明図である。 実施例、比較例の評価結果を示す説明図である。 比較例から得られたガラス基板の断面構造を示す説明図である。 実施例から得られた置換の途中工程におけるのガラス基板の断面構造を示す説明図である。 実施例から得られた置換工程の終了後におけるガラス基板の断面構造を示す説明図である。
符号の説明
1 ガラス基板
2 ガラス基材
3 ガラス基材2の内部3
4 表面部分(最表面層)
20 Cr下地層
21 Co−Cr−Pt系磁性層
22 カーボン保護層
23 潤滑層
100 磁気記録媒体

Claims (1)

  1. 磁気記録媒体の製造方法であって、
    ガラス基板を作成する工程と、
    該ガラス基板上に、少なくとも、磁性層、保護層、および潤滑層を順次積層する工程を具え、
    前記ガラス基板を作成する工程において、
    該ガラス基板は、少なくとも、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンを含むアルカリイオン成分と、シリコン、アルミニウム、ボロンを含むガラス骨格成分とを有するガラス基材からなり、
    該ガラス基材を、リチウム塩を含有する溶融液に浸漬処理してイオン交換反応を行わせる場合において、
    前記ガラス基材のガラス表面層に存在する前記アルカリイオン成分のナトリウムイオンおよびカリウムイオンを、前記溶融液のリチウムイオンに置換することによって、該ガラス基材のガラス表面層に存在するナトリウムイオンおよびカリウムイオンのイオン濃度を低減させると共にリチウムイオンのイオン濃度を増加させ、これにより、該ガラス基材の内部からの前記アルカリイオン成分の溶出を抑制するアルカリイオン成分溶出抑制工程と、
    前記ガラス基材のガラス表面層において前記イオン濃度が増加したリチウムイオンを、前記溶融液の水素イオンに置換することによって、該ガラス基材のガラス表面層に存在するリチウムイオンのイオン濃度を低減させると共に該ガラス基材のガラス表面層に存在する前記ガラス骨格成分のアルミニウムおよびボロンのイオン濃度を低減させ、これにより、前記ガラス基材のガラス表面層におけるアルミニウムおよびボロンのイオン濃度を、前記ガラス基材の内部におけるアルミニウムおよびボロンのイオン濃度よりも低くして、アルミニウムおよびボロンのガラス骨格成分の溶出を抑制するガラス骨格成分溶出抑制工程とを具え、
    前記ガラス基材のガラス表面層におけるリチウムイオンのイオン濃度が、前記ガラス基材の内部におけるリチウムイオンのイオン濃度よりも低くなるまで前記ガラス基材を前記リチウム塩を含有する溶融液に浸漬処理してイオン交換反応を行わせることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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