JP2002220259A - ガラス基板、ガラス基板の製造方法および記録媒体の製造方法 - Google Patents
ガラス基板、ガラス基板の製造方法および記録媒体の製造方法Info
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Abstract
面からのアルカリ溶出を抑制して、特に高温高湿下での
信頼性を向上させる。 【解決手段】 ガラス基板を、リチウム塩を含有する水
溶液に浸漬させることによって、水溶液中のLi+が、
ガラス表面のNa+やK+とイオン交換を行い、Na+,
K+に比べてイオン半径の小さいLi+がガラス中の非架
橋酸素と強く結びつくことによって、アルカリ溶出を効
果的に抑制したガラス基板を得、さらに、このガラス基
板を用いて信頼性の高い記録媒体を得るようにしてい
る。
Description
ス基板の製造方法およびそれを用いた記録媒体の製造方
法に関する。
は、急激な高記憶密度化が進んでいる。磁気ディスク装
置は、高速回転する磁気ディスク上を、磁気ヘッドを僅
かに浮上させて走査させることによってランダムアクセ
スを実現しているが、高記憶密度と高速アクセスとを両
立させる為には、磁気ディスクの回転数を上げること
と、磁気ディスクと磁気ヘッドとの間隔(ヘッド浮上
量)を小さくすることが求められる。
Pめっきを施したアルミニウム基板が主流であったが、
磁気ディスクの小型化、薄型化や磁気ディスクの低浮上
化等の要請から高剛性で高速回転させても変形しづら
く、表面の平滑性の高いガラス基板が使われる割合が増
加している。
には、溶融点を下げてガラス化や成形性を良くする為
に、アルカリ金属が数%〜十数%添加されている。とこ
ろが、これらアルカリ金属は、原子半径が小さくてマイ
グレーションし易いので、徐々に表面に析出して大気中
の二酸化炭素やハロゲンと結合して炭酸塩や塩化物とし
て析出する。このアルカリ成分の溶出現象は、高温高湿
下で顕著であり、記録再生ができなくなって直接エラー
となったり、磁気ヘッドに移着してその浮上を妨げたり
腐食させたりして信頼性を悪くする原因となる。
ルカリ成分の溶出を抑制するための種々の提案がなされ
ており、例えば、特開平10−226539号では、硝
酸ナトリウムと硝酸カリウムの溶融塩に浸漬する化学強
化処理の後に、温水に浸漬して洗浄し、さらに熱濃硫酸
に浸漬するアルカリイオン封止処理が提案されており、
また、特開2000−82211号では、磁気記録用ガ
ラス基板を硫酸水素塩またはピロ硫酸塩の溶融塩に接触
させてガラス成分の溶出を抑制することが提案されてい
る。
の動きは、アルカリ溶出の抑制をより高いレベルで要求
し、上述のような従来の技術では、十分にその要求を満
たすことができない。
と、酸処理を行う特開平10−226539号では、ガ
ラスの骨格自身も破壊されて却ってアルカリイオン溶出
量が増大し、また、溶融塩による処理を行う特開200
0−82211号では、処理が高温であるために、化学
強化処理を施したガラス基板では、表面の圧縮応力を形
成しているイオンの拡散および熱による歪の緩和がおこ
り、強度の低下が生じやすいという課題がある。
であって、高温高湿下での長期間の使用、保存において
も、強度劣化がなく、アルカリ成分等の溶出を高いレベ
ルで抑制できるガラス基板、その製造方法およびそれを
用いた記録媒体の製造方法を提供することを目的とす
る。
を達成するために、次のように構成している。
成分の溶出を抑制する処理が施されてなるガラス基板で
あって、前記処理が、リチウム塩を含有する水溶液に接
触させる処理である。
溶液に接触させることによって、水溶液中のLi+が、
ガラス表面のアルカリイオンであるNa+やK+とイオン
交換を行い、Na+,K+に比べてイオン半径の小さいL
i+がガラス中の非架橋酸素と強く結びついて他のアル
カリイオンに比べて溶出が少なくなって溶出が効果的に
抑制されることになる。しかも、水溶液による処理であ
るので、溶融塩用いて高温処理をする従来例のような強
度の劣化もない。
基板は、ガラス成分の溶出を抑制する処理が施されてな
るガラス基板であって、前記処理が、リチウム塩を含有
する水溶液に接触させる処理であり、Na+,K+に比べ
てイオン半径の小さい水溶液中のLi +が、ガラス表面
のNa+やK+とイオン交換を行ってガラス中の非架橋酸
素と強く結びついてガラス成分の溶出を効果的に抑制す
ることができ、また、溶融塩用いて高温処理をする従来
例のような強度の劣化もない。
造方法は、ガラス材料からなる基板を、リチウム塩を含
有する水溶液に接触させてガラス成分の溶出抑制処理を
施すものであり、Na+,K+に比べてイオン半径の小さ
い水溶液中のLi+が、ガラス表面のNa+やK+とイオ
ン交換を行ってガラス中の非架橋酸素と強く結びついて
ガラス成分の溶出を効果的に抑制することができ、ま
た、溶融塩用いて高温処理をする従来例のような強度の
劣化もない。
のガラス基板の製造方法であって、前記処理が、ガラス
材料からなる前記基板を100℃以上200℃以下の硝
酸リチウム水溶液に浸漬させる処理であり、硝酸リチウ
ムは溶解度が高く、また、水溶液の沸点も上昇するの
で、高濃度で高温の効率的な溶出抑制のための処理が可
能となる。また、200℃以下の温度で処理するので、
化学強化処理を施したガラス基板に対しても、表面の圧
縮応力層に対する影響がほとんどなく、強度の低下がほ
とんど起こらない。
3に記載のガラス基板の製造方法であって、前記処理
が、ガラス材料からなる前記基板をリチウム塩を含有す
るpH5〜pH9の水溶液に接触させる処理であり、ほ
ぼ中性の水溶液を用いることによって、ガラス骨格を破
壊するといったこともない。
いずれかに記載のガラス基板の製造方法であって、加熱
軟化したガラス材料を金型で加圧してガラス材料からな
る前記基板を成形するものであり、加圧成形時にガラス
中のアルカリイオンがガラス表面に拡散してアルカリ成
分濃度が高くなるので、溶出抑制のための処理におい
て、水溶液中のLi+とNa+やK+とのイオン交換が効
率的に行われる。
いずれかに記載のガラス基板の製造方法であって、ガラ
ス材料からなる前記基板に化学強化処理を施し、化学強
化処理後の前記基板にガラス成分の溶出を抑制する前記
処理を施すものであり、ガラス成分の溶出を抑制するこ
とができるとともに、ガラス表面を強化することができ
る。
いずれかに記載のガラス基板の製造方法であって、溶出
を抑制する前記ガラス成分が、アルカリイオンであり、
Na +やK+の溶出を抑制することができる。
請求項2〜7のいずれかに記載のガラス基板の製造方法
によって製造されたガラス基板に少なくとも記録層を形
成するものであり、ガラス成分の溶出を効果的に抑制し
た強度劣化のないガラス基板を用いて記録媒体を製造す
るので、高い信頼性の記録媒体を得ることができる。
説明する。
する水溶液に接触させて、ガラス成分の溶出を抑制する
処理(以下「溶出抑制処理」ともいう)を施すことを特
徴としている。
る場合の他、ガラス基板の一方の面だけを接触させる場
合も含むものである。
液に接触させることにより、水溶液中のLi+がガラス
表面のNa+,K+とイオン交換を行う。Li+は、イオン
半径がNa+やK+と比較して小さく、ガラス中の非架橋
酸素と強く結びつき、他のアルカリイオンと比較して溶
出が少なく、これによって、アルカリイオンの溶出を効
果的に抑制できる。しかも、水溶液による溶出抑制処理
であるので、溶融塩用いて高温処理をする従来例のよう
な強度の劣化もない。
制処理を施した一実施例のガラス基板表面のガラス組成
を、X線光電子分光分析により分析した結果、ガラス基
板表面のK及びNaの組成は、0.5%(原子比)以下
であることが確認された。
る表面部分の深さと金属イオン濃度との関係を示す図で
あり、溶出抑制処理によって、リチウムイオンが、ガラ
ス表面のナトリウムイオン、カリウムイオンとイオン交
換を行い、ガラスの最表面にリチウムイオンの多い層が
形成されていることがわかる。
溶液としては、リチウムの硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、リ
ン酸塩、塩化物、フッ化物等の水溶液、またはこれらの
混合物の水溶液を挙げることができる。
行うことが好ましい。これらリチウム塩の中では、硝酸
塩が水に対する溶解度が高く好ましい。リチウム塩が高
濃度に存在することにより、水溶液の沸点は上昇し、水
溶液でありながら100℃以上での処理が可能である。
硝酸リチウムの場合、1000gの水に対し2600g
の硝酸リチウムを加えることにより、180℃の処理が
可能である。
度が高い方が有効であるが、処理温度が高すぎると、化
学強化処理を施したガラス基板では、表面の圧縮応力を
形成しているイオンの拡散および熱による歪の緩和が生
じ、強度の低下が生じる。このため、処理温度は、10
0℃〜200℃、さらには130℃〜180℃が好まし
い。
処理時間が1分以下であると、アルカリイオン溶出抑制
効果は得られず。2時間を超えても、アルカリイオン溶
出抑制効果は変わらない。1000gの水に対して26
00gの硝酸リチウムを加えた場合、処理温度は、10
0℃〜180℃、好ましくは、130℃〜180℃であ
る。処理時間が1分以下では、アルカリイオンの溶出抑
制効果は得られず、2時間を超えても溶出抑制効果は変
わらない。
のpHは、好ましくは、pH5〜9であり、より好まし
くは、中性であり、酸やアルカリのようにガラスを侵す
作用も小さく、溶出抑制処理によるガラス骨格の破壊や
表面性の悪化を生じることもない。
塩水溶液で処理する前に、ガラス基板の割れを防止する
ため、ガラス基板を100℃〜150℃に予熱しておく
ことが好ましい。
に浸漬中、ガラス基板の表面全体が均一にイオン交換で
きるようにするために、ガラス基板を端面で保持、即
ち、基板の厚さ方向の面を複数箇所で支持して実質的に
鉛直方向に沿って立てた状態で、主表面において処理液
と接触しない部分ができるだけ存在しないようにするこ
とが望ましい。
程中において、必要に応じて、スクラブ洗浄、市販の洗
浄剤(中性洗剤、界面活性剤、アルカリ性洗剤など)に
よる洗浄、純水洗浄、溶剤洗浄、溶剤蒸気乾燥等公知の
洗浄処理を行うことができる。また、各洗浄工程では、
加熱や超音波印加を行ってもよい。
としては、例えば、ソーダライムガラス、アルミノシリ
ケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、ボロシ
リケートガラスなどが挙げられる。アルミノシリケート
ガラスは、化学強化処理による効果が大きく、高強度基
板が得られる点から好ましい。
磨工法により作製したガラス基板に対しても有効である
が、加圧成形したガラス基板においてより有効である。
すなわち、加圧成形により作製したガラス基板は、表面
のアルカリ成分が通常の研磨によるガラス基板と比較し
て、アルカリ成分濃度が高い、これは加圧成形時にガラ
ス中のナトリウムイオンやカリウムイオンなどのアルカ
リイオンがガラス表面に拡散するからである。したがっ
て、溶出抑制処理のLi+とイオン交換可能なナトリウ
ムイオンおよびカリウムイオンが、表面に多く存在し、
イオン交換能が高く有効である。
例えば、厚さ5〜10mm、直径5〜40mmの円筒形
であり、成形後において、例えば、厚さ0.3〜1.0
mm、直径20〜100mmとなるように成形されるこ
とが好ましい。金型による加圧成形は、金型にガラス材
料を挟み込み、ガラス材料が軟化するまで加熱した後、
圧力を加えて実施する。ガラス材料に加える圧力は、2
0〜500kg/cm 2であることが好ましい。圧力が
小さいと、ガラス材料が所定の厚さとならず、圧力が大
きいと成形面の平坦度が低下し、割れの原因になり、さ
らには金型に加わる負荷が大きくなるという問題が生じ
る。
基板に対しても本発明は有効である。化学強化処理は、
加熱により溶融した化学強化処理液にガラス基板を浸漬
し、ガラス基板表面層のイオンを化学強化処理液中のイ
オンでイオン交換させる方法、即ち、イオン交換法によ
って行う。イオン交換法としては、低温型イオン交換法
および高温型イオン交換法がある。エネルギー効率の観
点およびガラス表面へのダメージを考慮すれば、低温型
イオン交換法を採用することが好ましい。低温型イオン
交換法では、ガラス転移温度(Tg)以下の温度領域に
ある化学強化処理液に浸漬し、ガラス基板表面付近のア
ルカリイオン、例えばLi+またはNa+をそれよりもイ
オン半径の大きいアルカリイオン、例えばNa+または
K+と置換し、イオン交換した部分の容積増加によって
ガラス表面に強い圧縮応力を発生させてガラス表面を強
化する。
(KNO3)、硝酸ナトリウム(NaNO3)、炭酸カリ
ウム(K2CO3)などの溶融塩や、これらの塩を混合し
たもの(例えばKNO3+NaNO3、KNO3+K2CO
3など)の溶融塩を用いることができる。
進するためには高温であることが好ましいが、ガラス基
板の変形を防止するため、ガラス転移温度以下が好まし
い。例えば、ガラス転移点が450℃〜800℃である
ガラス材料からなるガラス基板を処理する場合、化学強
化処理液の温度は、350℃〜700℃、特に350℃
〜450℃であることが好ましい。
が望ましい。0.5時間以下では化学強化の効果が不十
分であり、20時間以上では、表面が荒れて平滑度が低
下する。
ヒビを防止するため、また化学強化処理液中の溶融塩が
ガラス基板表面において結晶化することを防止するた
め、ガラス基板を化学強化処理液に浸漬する前に、ガラ
ス基板を200℃〜350℃に予熱することが望まし
い。
面全体が均一に化学強化するため、ガラス基板を端面で
保持、即ち、基板の厚さ方向の面を複数箇所で支持して
実質的に鉛直方向に沿って立てた状態で、主表面におい
て処理液と接触しない部分ができるだけ存在しないよう
にすることが望ましい。
は、上述のようにして溶出抑制処理を施したガラス基板
上に、少なくとも記録層としての磁気記録層を形成した
ことを特徴とする。ここで、磁気記録層やその他の層と
しては公知のものを使用できる。
法を用いて、Cr下地層,Co-Cr-Pt系磁性層,C
保護層を順次形成し、ディップコート法を用いてフッ素
系液体潤滑剤を塗布して、磁気記録媒体とする。
の溶出を著しく抑制したガラス基板を使用しているの
で、耐候性及び寿命に優れ、高い信頼性を示す。
は、光学材料、建築材料および機械部品等にも適用する
ことができる。
工程およぴ溶出抑制処理工程によって製造し、さらに、
成膜工程を経て磁気記録媒体を製造した。 (1)成形工程 基板材料として、軟化点690℃のアルミナシリケイト
系ガラスからなる円柱形状のガラス材料を用意した。ま
た、加圧成形用の金型として、タングステンカーバイト
系の超硬合金からなる金型を一対用意した。この金型の
プレス面は平坦であり、研磨により鏡面加工された面
に、保護膜として白金合金が1μmとなるようにスパッ
タリングし、中心線平均粗さが1nmの表面を得た。加
圧成形は、金型のプレス面にガラス材料を挟み、690
℃まで加熱した後、350kg/cm2の圧力を加え、
ガラス材料が所定の厚さとなるまで行った。加圧時間は
約1分であった。加圧成形後、冷却し、厚さ0.64m
m、直径84mmのディスク用のガラス基板を得た。 (2)溶出抑制処理工程 上記加圧成形工程を終えたガラス基板を、Li塩を含有
する水溶液で処理を行なった。処理液として、1000
gの純水にLiNO3を2600g加えた水溶液を13
0℃に加熱したものを用意した。上記ガラス基板を10
0℃に予熱した後、1時間浸漬して行った。浸漬の際に
は、ガラス基板表面が均一に処理されるようガラス基板
の端面で保持した。上記溶出抑制処理を終えたガラス基
板を、中性洗剤とPVAスポンジを用いたスクラブ洗
浄、アルカリ洗剤洗浄(2%セミクリーン(商品名)、
pH=12、横浜油脂製)、18MΩ以上の超純水を用
いて十分に濯ぎ、イソプロピルアルコール蒸気乾燥を行
なった。 (3)成膜工程 上記処理を行ったガラス基板に、スパッタ法を用いてC
r下地層、Co-Cr-Pt系磁性層、C保護層を順次形
成し、ディップコート法を用いてフッ素系液体潤滑剤を
塗布して、磁気記録媒体とした。
よび磁気記録媒体の評価を以下のようにして行った。す
なわち、ガラス基板における抗折強度、アルカリ溶出
量、表面粗さ及び磁気記録媒体におけるエラー数測定で
行った。各評価法を表1に示す
の温度を170℃とし、処理時間を10分とした以外は
実施例1と同じ条件で製造し、評価した。 (実施例3,4)実施例3,4は、成形工程を研磨工程で行
った以外はそれぞれ実施例1、2と同じ条件で製造し、
評価した。研磨によるガラス基板は、実施例1で使用し
たものと同じガラス材料からなる厚さ1mmのガラス板
をφ65mmに切り出した後、酸化セリウムを用いて厚
みが0.64mmとなるまで研磨した後、コロイダルシ
リカを用い中心線平均粗さが1nm以下となるように研
磨することにより得た。 (実施例5)実施例5は、成形工程と溶出抑制処理工程と
の間に、化学強化処理を施した以外は実施例1と同じで
ある。すなわち、成形工程を終えたガラス基板を洗浄
後、化学強化処理を施したものである。化学強化処理
は、硝酸カリウム(60%)硝酸ナトリウム(40%)
を混合した化学強化処理液を用意し、この化学強化処理
液を400℃に加熱し、350℃で予熱した上記ガラス
基板を2時間浸漬して行った。浸漬の際には、ガラス表
面が均一に処理されるようにガラス基板の端面で保持し
た。上記化学強化処理を終えたガラス基板を200℃ま
で徐冷し、20℃の水槽に浸漬して急冷し約20分間放
置した。その後、中性洗剤とPVAスポンジを用いたス
クラブ洗浄,18MΩ以上の超純水を用いて十分に濯
ぎ、イソプロピルアルコール蒸気乾燥を行なさった。 (実施例6)実施例6は、成形工程を研磨工程で行ったこ
と以外は実施例5と同じ条件で製造し、評価を行った。
研磨によるガラス基板は、実施例2と同じものを用意し
た。 (比較例)溶出抑制処理工程における処理以外は実施例1
と同じである。比較例として行った溶出抑制処理条件を
表2に示す。比較例1は、溶出抑制処理を行なっていな
い以外は、実施例1と同じである。比較例2は、溶出抑
制処理の処理温度を100℃以下の80℃としたこと以
外は実施例1と同じである。比較例3は、実施例1の処
理液に硝酸を添加しpHを5以下の2に調整したもの以
外は実施例1と同じである。比較例4は、実施例1の処
理液に水酸化リチウムを添加しpHを9以上の12に調
整したもの以外は実施例1と同じである。
3に示す。
激減しており、エラー数の増加は殆どみられない。成形
ガラス基板を用いたもの(実施例1,2)は、研磨基板
(実施例3,4)よりもアルカリ溶出量が少なく、成形
ガラス基板が有効であることがわかる。また、化学強化
処理を施すことによって(実施例5,6)さらにアルカ
リ溶出量が減少し本処理の併用が極めて有効であること
がわかる。
アルカリ腐蝕(炭酸塩,塩化物の析出)が発生して、8
0℃80%1000時間放置によってエラー数が増加し
た。
り、処理時間を10時間と長くしても十分なアルカリ腐
蝕防止効果が得られていない。また、処理後の表面粗さ
も増加し、80℃80%1000時間放置によってエラ
ー個数が増加した。
オンの濃度が高いため、Liのガラス表面への拡散が抑
えられ、アルカリ腐食防止効果が得られていない。さら
にガラス表面荒れが発生している。
表面からのシリカの溶解により、ガラス表面荒れが発生
し、アルカリ腐食防止効果が得られず、エラー数は放置
前から高い値となった。
含有する水溶液に接触させることにより、ガラスの表面
性の悪化や強度の劣化がなく、ガラス成分、特にアルカ
リイオン成分の溶出を防ぐことができる。さらに、加熱
軟化したガラス材料を、加圧成形することにより得られ
るガラス基板はこの効果が高いことを確認した。また、
化学強化を施したガラス基板に対しても本処理は有効で
ある。さらに本処理を施したガラス基板、すなわち、ガ
ラス成分の溶出を効果的に抑制した強度劣化のないガラ
ス基板を用いて磁気記録媒体を製造するので、高い信頼
性の磁気記録媒体を得ることができる。
板をリチウム塩を含有する水溶液に接触させることによ
り、ガラス成分の溶出を効果的に抑制することができる
とともに、強度の劣化もほとんどない。さらに、ガラス
成分の溶出抑制処理を施したガラス基板を用いることに
よって、信頼性の高い記録媒体を得ることができる。
分の深さと金属イオン濃度との関係を示す図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 ガラス成分の溶出を抑制する処理が施さ
れてなるガラス基板であって、 前記処理が、リチウム塩を含有する水溶液に接触させる
処理であることを特徴とするガラス基板。 - 【請求項2】 ガラス材料からなる基板を、リチウム塩
を含有する水溶液に接触させてガラス成分の溶出を抑制
する処理を施すことを特徴とするガラス基板の製造方
法。 - 【請求項3】 前記処理が、ガラス材料からなる前記基
板を100℃以上200℃以下の硝酸リチウム水溶液に
浸漬させる処理である請求項2に記載のガラス基板の製
造方法。 - 【請求項4】 前記処理が、ガラス材料からなる前記基
板をリチウム塩を含有するpH5〜pH9の水溶液に接
触させる処理である請求項2または3に記載のガラス基
板の製造方法。 - 【請求項5】 加熱軟化したガラス材料を金型で加圧し
てガラス材料からなる前記基板を成形する請求項2〜4
のいずれかに記載のガラス基板の製造方法。 - 【請求項6】 ガラス材料からなる前記基板に化学強化
処理を施し、化学強化処理後の前記基板にガラス成分の
溶出を抑制する前記処理を施す請求項2〜5のいずれか
に記載のガラス基板の製造方法。 - 【請求項7】 溶出を抑制する前記ガラス成分が、アル
カリイオンである請求項2〜6のいずれかに記載のガラ
ス基板の製造方法。 - 【請求項8】 請求項2〜7のいずれかに記載のガラス
基板の製造方法によって製造されたガラス基板に、少な
くとも記録層を形成することを特徴とする記録媒体の製
造方法。
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