JP2002362049A - 印刷用版材用塗布液、印刷用版材、印刷用版材の作製方法、再生方法及び印刷機 - Google Patents
印刷用版材用塗布液、印刷用版材、印刷用版材の作製方法、再生方法及び印刷機Info
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Abstract
でき、現像工程・現像液を必要としないで実用上十分な
画質を有し、かつ版材を再生し繰り返し使用することを
可能とする印刷用版材用塗布液、印刷用版材、印刷用版
材の作製方法、再生方法及び印刷機を提供する。 【解決手段】 光触媒を含み活性光を照射することによ
り親水性を示すコート層3表面を有する印刷用版材の、
コート層3表面に塗布するための塗布液が、加熱処理に
よりコート層3表面に反応ないし固着される性質と、活
性光を照射することにより光触媒の作用により分解され
る性質とを併せ持つ、平均粒子径が0.01〜5μmの
範囲、重量平均分子量Mwが40万以下、Mwと数平均
分子量Mnの比Mw/Mnが4以下、ガラス転移温度
(Tg)が20℃〜180℃の範囲である熱可塑性の樹
脂微粒子tを含むように構成した。
Description
刷用版材に用いる疎水化剤塗布液、再生使用可能な印刷
用版材、印刷用版材の作製方法及び再生方法に関する。
デジタル化が進行しつつある。これは、パソコンで画
像、原稿を作成したり、スキャナ等で画像を読み込むこ
とにより当該画像データをデジタル化し、このデジタル
データから直接印刷用版を製作するというものである。
このことによって、印刷工程全体の省力化が図れるとと
もに、高精細な印刷を行うことが容易になる。
アルミを親水性の非画線部とし、その表面上に感光性樹
脂を硬化させて形成した疎水性の画線部を有する、いわ
ゆるPS版(Presensitized Plate)が一般的に用いられ
てきた。このPS版を用いて印刷用版を作成するには複
数の工程が必要であり、このため版の製作には時間がか
かり、コストも高くなるため、印刷工程の時間短縮およ
び印刷の低コスト化を推進しにくい状況である。特に少
部数の印刷においては印刷コストアップの要因となって
いる。また、PS版では現像液による現像工程を必要と
し、手間がかかるだけでなく、現像廃液の処理が環境汚
染防止という観点から重要な課題となっている。
されたフィルムを版面に密着させて露光する方法が用い
られており、デジタルデータから直接版を作成し印刷工
程のデジタル化を進めるうえで印刷用版の作成が障害と
なっている。また、一つの絵柄の印刷が終わると、版を
交換して次の印刷を行わなければならなず、版は使い捨
てにされていた。
して、印刷工程のデジタル化に対応し、さらに現像工程
を省略できる方法が提案され商品化されているものもあ
る。例えば、特開昭63―102936号公報では、液
体インクジェットプリンタのインクとして感光樹脂を含
むインクを用い、これを印刷製版材に噴射し、その後
で、光照射により、画像部を硬化させることを特徴とす
る製版方法が開示されている。また、特開平11―25
4633号公報には、固体インクを吐出するインクジェ
ットヘッドによりカラーオフセット印刷用刷版を作成す
る方法が開示されている。
タレート)フィルム上にカーボンブラックなどのレーザ
吸収層、さらにその上にシリコン樹脂層を塗布したもの
に、レーザ光線で画像を書き込むことによりレーザ吸収
層を発熱させ、その熱によりシリコン樹脂層を焼き飛ば
して印刷用版を作成する方法。あるいは、アルミ版の上
に親油性のレーザ吸収層を塗布し、さらにその上に塗布
した親水層を前記と同様にレーザ光線で焼き飛ばして印
刷用版とする方法、などが知られている。この他にも、
親水性ポリマーを版材として使用し、画像露光により照
射部を親油化させ版を作成する手段も提案されている。
しかし、このような方法では、デジタルデータから直接
版を作成することは可能であるが、一つの絵柄の印刷が
終わると新しい版に交換しなければ次の印刷が出来ず、
従って、一度使った版は廃棄されることに変わりはな
い。
027号公報においては、酸化チタン光触媒を用いた潜
像版下、潜像版下の製造方法、及び潜像版下を有する印
刷装置が、また特開平11―147360号公報におい
ても、光触媒を用いた版材によるオフセット印刷法が開
示されている。しかし、これらは、いずれも画像書き込
みには光触媒を活性化させる光、すなわち実質的に紫外
線を用い、加熱処理で光触媒を疎水化して版を再生する
方法を提案している。また、特開平11―105234
号公報で開示された平版印刷版の作成方法では、光触媒
を活性光、すなわち紫外線で親水化した後、ヒートモー
ド描画にて画線部を書き込む方法を提案している。しか
し、東大・藤嶋教授、橋本教授らにより加熱処理で酸化
チタン光触媒は親水化することが確認されており[三邊
ら「酸化チタン表面の構造変化に伴う光励起親水化現象
の挙動に関する研究」、光機能材料研究会第5回シンポ
ジウム「光触媒反応の最近の展開」資料、(1998)
p.124−125]、これによれば、上記各公開公報
で開示された方法では、版の再生利用あるいは、版の作
成は不可能である。
ジタルデータから直接版を作成することができ、現像工
程・現像液を必要としないで実用上十分な画質を有し、
かつ版材を再生し繰り返し使用することが可能な印刷用
版材および該版材を用いた印刷システムを提案した。本
発明者らは、版への画像書き込み時間、版再生時間、画
像の解像度を向上させることを目的に更に鋭意研究をお
こない、本発明に至ったものである。
で、デジタルデータから直接版を作製することができ、
現像工程・現像液を必要としないで実用上十分な画質を
有し、かつ版材を再生し繰り返し使用することを可能と
する印刷用版材用塗布液、印刷用版材、印刷用版材の作
製方法、再生方法及び印刷機を提供することを目的とす
る。
解決するために以下の手段をとった。すなわち、請求項
1に記載の発明は、光触媒を含み該光触媒のバンドギャ
ップエネルギーより高いエネルギーをもつ活性光を照射
することにより親水性を示す版材表面を有する印刷用版
材の、前記版材表面に塗布するための塗布液であって、
加熱処理により前記版材表面に反応ないし固着される性
質と、前記活性光を照射することにより該光触媒の作用
により分解される性質とを併せ持つ、平均粒子径が0.
01〜5μmの範囲、重量平均分子量Mwが40万以
下、Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが4以下、
ガラス転移温度(Tg)が20℃〜180℃の範囲であ
る熱可塑性の樹脂微粒子を含むことを特徴とする。
ることにより、その照射面を親水性に変換することが可
能である。これは、光触媒が親水化する作用によるもの
である。そして、当該親水性に変換された面は湿し水が
優先的に付着し、疎水性インキが付着しない非画線部と
して機能する。この親水性の版材表面に、加熱処理によ
り版材表面に反応ないし固着する性質と、光触媒のバン
ドギャップエネルギーより高いエネルギーをもつ光を照
射することで、この光触媒の作用により分解除去される
性質とを併せ持つ平均粒子径0.01〜5μmの範囲、
重量平均分子量Mw40万以下、Mwと数平均分子量M
nの比Mw/Mnが4以下、ガラス転移温度(Tg)が
20℃〜180℃の範囲であることを特徴とする熱可塑
性樹脂微粒子を含む液を、疎水化剤として塗布し、必要
に応じて室温程度の温度で乾燥させる。塗布後、あるい
は室温乾燥後は、前記樹脂微粒子は親水性版材表面に弱
い付着力で付着しているだけであるが、版面温度が50
℃以上、好ましくは100℃以上に加熱されると、前記
樹脂微粒子は溶融しフィルム状になるとともに、親水性
版材表面と反応ないし固着することで、強固な疎水性画
線部を形成するようになる。
の印刷用版材用塗布液であって、前記樹脂微粒子が、
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルなど
のアクリル系樹脂、α−メチルスチレンなどのスチレン
系樹脂、スチレン・アクリル酸、スチレン・アクリル酸
エステルなどのスチレン・アクリル系樹脂、ウレタン系
樹脂、フェノール系樹脂、エチレン、エチレン・アクリ
ル酸、エチレン・アクリル酸エステル、エチレン酢酸ビ
ニル、変性エチレン酢酸ビニル樹などのエチレン系樹
脂、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ポリビニルアル
コール、ポリビニルエーテルなどのビニル系樹脂のうち
から選択された少なくとも一の樹脂から構成されている
ことを特徴とする。
求項2に記載の印刷用版材用塗布液であって、前記樹脂
微粒子が、スチレン成分比が30wt%以上であるスチ
レン・アクリル系樹脂であることを特徴とする。
何れかに記載の印刷用版材用塗布液であって、前記印刷
用版材用塗布液が水系であることを特徴とする。ここで
言う水系の基準としては、塗布する段階で塗布液中の有
機溶剤含有量が30wt%以下である。
何れかに記載の印刷用版材用塗布液であって、前記印刷
用版材用塗布液が溶剤系であることを特徴とする。ここ
で言う溶剤系の基準としては、塗布する段階で塗布液中
の有機溶剤含有量が30wt%を越えるものである。
何れかに記載の印刷用版材用塗布液であって、前記光触
媒が酸化チタン光触媒であることを特徴とする。
光触媒のバンドギャップエネルギーより高いエネルギー
をもつ活性光を照射することにより親水性を示す版材表
面を有する印刷用版材であって、加熱処理により前記版
材表面に反応ないし固着される性質と、前記活性光を照
射することにより該光触媒の作用により分解される性質
とを併せ持つ、平均粒子径0.01〜5μmの範囲、重
量平均分子量Mw40万以下、Mwと数平均分子量Mn
の比Mw/Mnが4以下、ガラス転移温度(Tg)が2
0℃〜180℃の範囲である熱可塑性の樹脂微粒子を含
む印刷用版材用塗布液を、疎水化剤として前記版材表面
に塗布した樹脂微粒子層を有することを特徴とする。
の印刷用版材であって、前記樹脂微粒子のうちの少なく
とも一部を加熱溶融させてフィルム状とし、前記版材表
面に反応ないし固着させた疎水性画線部を有することを
特徴とする。
求項8に記載の印刷用版材であって、前記樹脂微粒子
が、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル
などのアクリル系樹脂、α−メチルスチレンなどのスチ
レン系樹脂、スチレン・アクリル酸、スチレン・アクリ
ル酸エステルなどのスチレン・アクリル系樹脂、ウレタ
ン系樹脂、フェノール系樹脂、エチレン、エチレン・ア
クリル酸、エチレン・アクリル酸エステル、エチレン酢
酸ビニル、変性エチレン酢酸ビニル樹などのエチレン系
樹脂、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルエーテルなどのビニル系樹脂のう
ちから選択された少なくとも一の樹脂から構成されてい
ることを特徴とする。
何れかに記載の印刷用版材であって、前記樹脂微粒子
が、スチレン成分比が30wt%以上であるスチレン・
アクリル系樹脂であることを特徴とする。
の何れかに記載の印刷用版材であって、前記印刷用版材
用塗布液が水系であることを特徴とする。
の何れかに記載の印刷用版材であって、前記印刷用版材
用塗布液が溶剤系であることを特徴とする。
2の何れかに記載の印刷用版材であって、前記光触媒が
酸化チタン光触媒であることを特徴とする。
該光触媒のバンドギャップエネルギーより高いエネルギ
ーをもつ活性光を照射することにより親水性を示す版材
表面を有する印刷用版材の、該版材表面の少なくとも一
部に疎水性の画線部を形成する、印刷用版材の作製方法
であって、請求項1〜6の何れかに記載の印刷用版材用
塗布液を、疎水化剤として前記版材表面に塗布する疎水
化剤塗布工程と、前記版材表面の少なくとも一部を加熱
処理して疎水性の画線部を形成する画線部書き込み工程
と、前記版材表面の前記画線部以外の部分に塗布された
前記樹脂微粒子を除去する疎水化剤除去工程と、を有す
ることを特徴とする。
記載の印刷用版材の作製方法であって、前記画線部書き
込み工程が、前記光触媒のバンドギャップエネルギーよ
り低いエネルギーをもつ不活性光を照射することによ
り、該光のエネルギーで前記樹脂微粒子を加熱溶融させ
てフィルム状にするとともに、前記版材表面に反応ない
し固着させて画線部を書き込む工程であることを特徴と
する。ここでいう、不活性光とは、具体的には、可視
光、赤外光などであるが、加熱の効率の点からは赤外光
が好ましい。
は請求項15に記載の印刷用版材の作製方法であって、
前記疎水化剤除去工程が、印刷開始初期における前記樹
脂微粒子を、インキの粘着力及び/または湿し水の洗浄
作用により前記版材表面から除去する工程であることを
特徴とする。疎水性の画線部以外の樹脂微粒子を除去す
ることで、疎水化剤を塗布する前の親水性の版材表面が
露出するため、疎水性画線部と親水性非画線部が版面状
に形成され、印刷版としての機能を発揮することが可能
となる。
16の何れかに記載の印刷用版材の作製方法により作製
された印刷用版材を再生させる方法であって、印刷終了
後に版材表面からインキを除去するインキ除去工程と、
該版材表面に前記活性光を照射して前記画線部を分解し
て除去し、前記版材表面を親水化させて再生する再生工
程と、を有することを特徴とする。このように、印刷終
了後、版材表面のインキを除去した後、版材表面に活性
光を照射することで、光触媒の作用により前記樹脂微粒
子が溶融してできたフィルム状の画線部が分解され、版
材表面を疎水化剤塗布前の状態に再生することが可能で
ある。本再生方法によれば、活性光照射によって版材表
面は容易に再生されるため、版材の再生処理に要する時
間短縮、再生コストの低減に有効である。
16の何れかに記載の印刷用版材の作製方法により作製
された印刷用版材を再生させる方法であって、印刷終了
後に前記版材表面からインキを除去するインキ除去工程
と、該版材表面に前記活性光を照射して疎水性画線部を
分解して除去する操作と、洗浄液で前記版材表面を洗浄
する操作とを、同時に行なうか、あるいは交互に繰り返
して行い、前記版材表面を親水化させて再生する再生工
程と、を有することを特徴とする。このように、活性光
の照射と、洗浄液で版材表面を洗浄する操作を繰り返せ
ば、光触媒による分解作用と洗浄作用の相乗効果によ
り、版材表面は更に容易に再生されるため、版材の再生
処理に要する時間短縮、再生コストの低減に更に有効で
ある。
て、光触媒を含む親水性の版材表面が備えられる版胴
と、該版材表面のインキを除去する版クリーニング装置
と、請求項1〜6の何れかに記載の印刷用版材用塗布液
を、疎水化剤として前記版材表面に塗布する疎水化剤塗
布装置と、該版材表面の少なくとも一部を加熱処理して
疎水性画線部を形成する画線部書き込み装置と、前記版
材表面を乾燥させる乾燥装置と、前記活性光を前記版材
表面に照射して、前記疎水性画線部を消去する再生装置
と、を備えたことを特徴とする。
記載の印刷機であって、前記版材表面のうちの前記疎水
性画線部以外の部分に塗布された疎水化剤を除去する疎
水化剤除去装置を備えたことを特徴とする。
は請求項20に記載の印刷機であって、前記画線部書き
込み装置が、前記不活性光を照射することにより該光の
エネルギーで前記樹脂微粒子を加熱し、前記版材表面に
反応ないし固着させて画線部を書き込む不活性光照射装
置であることを特徴とする。
いて、図を参照して説明する。図1は、本実施形態に係
わる印刷用版材の表面を示す断面図を示している。この
印刷用版材(版材)Pは、基材1と、中間層2と、コー
ト層3と、コート層3表面(版材表面、版面)上の少な
くとも一部分に形成されたフィルム層(画線部)4a
と、から、基本的に構成されている。この図において、
基材1は、アルミニウムやステンレス等の金属、ポリマ
ーフィルムなどで構成されている。ただし、基材1の材
質は、これらアルミニウムやステンレス等の金属あるい
はポリマーフィルムに限定されるものではない。
ている。中間層2としては、例えば、シリカ(Si
O2)、シリコーン樹脂、シリコーンゴム等のシリコー
ン系化合物がその材質として利用される。そのうち特
に、シリコーン樹脂としては、シリコーンアルキド、シ
リコーンウレタン、シリコーンエポキシ、シリコーンア
クリル、シリコーンポリエステル等が使用される。この
中間層2は、基材1と後述するコート層3との付着を確
実なものとならしめるため、また密着性を向上させるた
めに形成されているものである。さらにまた、後述する
光触媒層形成のため加熱処理する際に、基材1から不純
物が熱拡散して光触媒層に混入し、光触媒活性を低下さ
せることを防ぐ効果がある。基材1とコート層3の間
に、必要により中間層2を介することにより、コート層
3の付着強度を十分に保つことが可能となる。ただし、
基材1とコート層3との付着強度が十分に確保できる場
合には、中間層2はなくてもさしつかえない。さらに、
基材1がポリマーフィルムなどの場合は、必要に応じて
基材1の保護のために形成されることもある。
ン光触媒を含むコート層3が形成されている。このコー
ト層3表面は、光触媒のバンドギャップエネルギーより
高いエネルギーをもつ活性光、例えば紫外線を照射する
ことによって高い親水性を示すようになる。この性質
は、酸化チタン光触媒の備える性質に依るものである。
図2(b)は、非画線部の樹脂微粒子層4を除去した
後、紫外線照射により親水性を示しているコート層3が
露出した状態を表している。この親水性を示すコート層
3の露出により、印刷用版材Pの非画線部を形成するこ
とが可能となる。
を維持する為、あるいは当該コート層3の強度や基材1
との密着性を向上させることを目的として、次に示す様
な物質を添加したものとして良い。この物質とは、例え
ば、シリカ、シリカゾル、オルガノシラン、シリコン樹
脂等のシリカ系化合物、また、ジルコニウム、アルミニ
ウム、チタニウム等の金属酸化物又は金属水酸化物、さ
らにはフッ素系樹脂を挙げることができる。酸化チタン
光触媒としては、ルチル型、アナターゼ型、ブルッカイ
ト型があるが、本実施形態においてはいずれも利用可能
であり、それらの混合物を用いてもよいが、光触媒活性
を考慮すると、アナターゼ型が好ましい。また、後述す
るように、前記活性光照射下で画線部を分解する光触媒
性能を高くするためには、酸化チタン光触媒の粒子径は
ある程度小さい方が好ましく、具体的に酸化チタン光触
媒の粒径は0.1μm以下、さらに好ましくは粒径0.
05μm以下であることが好ましい。なお、光触媒とし
ては酸化チタン光触媒が好適であるが、これに限定され
るものではない。
れている酸化チタン光触媒を具体的に列挙すれば、石原
産業製のST−01、ST−21、その加工品ST−K
01、ST−K03、水分散タイプSTS−01、ST
S−02、STS−21、また、堺化学工業製のSSP
−25、SSP−20,SSP−M、CSB、CSB−
M、塗料タイプのLACTl−01、LACTI−03
−A、テイカ製の光触媒用酸化チタンコーティング液T
KS−201、TKS−202、TKC−301、TK
C−302、TKC−303、TKC−304、TKC
−305、TKC−351、TKC−352、光触媒用
酸化チタンゾルTKS−201、TKS−202、TK
S−203、TKS−251、アリテックス製のPT
A、TO、TPX、等を挙げることができる。ただし、
これらの酸化チタン光触媒以外にあっても適用可能なこ
とは、もちろんである。
μmの範囲内にあることが好ましい。というのは、膜厚
があまりに小さければ、前記した性質を十分に生かすこ
とが困難となるし、また、膜厚があまりに大きければ、
コート層3がヒビ割れしやすくなり、耐刷性低下の要因
となるためである。なお、このヒビ割れは膜厚が10μ
mを越えるようなときに顕著に観察されるから、前記範
囲を緩和するとしても当該10μmをその上限として認
識する必要がある。また、実際上は0.03〜1μm程
度の膜厚とするのが、より好ましい。
は、ゾル塗布法、有機チタネート法、蒸着法等を適宜選
択して形成すればよい。このとき例えば、ゾル塗布法を
採用するのであれば、それに用いられる塗布液には、酸
化チタン光触媒およびコート層3の強度や基材1との密
着性を向上させる前記各種の物質の他に、溶剤、架橋
剤、界面活性剤等を添加しても良い。また塗布液は、常
温乾燥タイプでも加熱乾燥タイプでも良いが、後者の方
がより好ましい。というのは、加熱によりコート層3の
強度を高めた方が、版の耐刷性を向上させるのに有利と
なるからである。また例えば、真空中で金属基板上へ蒸
着法にて不定形の酸化チタン光触媒層を成長させた後、
加熱処理により結晶化させる方法などにより、高い強度
をもつコート層3を作製することも可能である。
可塑性樹脂から構成されており、コート層3と反応ない
し固着されることで、コート層3表面上の少なくとも一
部分に形成されている。このフィルム層4aは、後述す
るように、疎水性の画線部として機能する。その形成方
法としては、水や有機溶剤といった液体中に樹脂微粒子
を分散させた塗布液(印刷用版材用塗布液)をコート層
3に塗布し、必要に応じて適宜乾燥させた後に、コート
層3表面に付着した樹脂微粒子からなる樹脂微粒子層4
を部分的に加熱して溶融させ、コート層3表面に反応な
いし固着させる方法を採用している。
「加熱処理により溶融してフィルム状になるとともに、
コート層の表面と反応ないし固着する性質と、光触媒の
バンドギャップエネルギーにより高いエネルギーをもつ
光を照射することで、光触媒の作用により分解される性
質とを併せ持つ」熱可塑性の樹脂微粒子である。ここで
「反応ないし固着」とは、版材表面として印刷時にも十
分な強度を保ちうる程度に、加熱溶融後にコート層3表
面と密着することを指し、コート層3との間で何らかの
化学反応を生じていると否とを問わず、物理的結合によ
るか化学的結合によるかを問わない。さらに、平均粒子
径0.01〜5μmの範囲、重量平均分子量Mw40万
以下、Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが4以
下、ガラス転移温度(Tg)が20℃〜180℃の範囲
である熱可塑性樹脂微粒子である。
5μm以下、このましくは1μm以下の熱可塑性の樹脂
微粒子が良い。粒子径が大きすぎると、加熱溶融してで
きたフィルム、すなわち画線部の膜厚が大きすぎて、再
生工程における画線部の分解に時間が掛かりすぎ、実用
的ではなくなる。一方、粒子径が小さすぎると比表面積
増大の効果で常温成膜してしまい、インキの粘着力及び
/または湿し水の洗浄作用による非画線部の樹脂微粒子
の除去がし難くなる。インキの粘着力及び/または湿し
水の洗浄作用により除去できる疎水化剤粒子の下限が
0.01μm以上であることを実験的に確認した。
Mwが40万を越えると版再生時の画線部の分解性が著
しく低下すること、およびMwと数平均分子量Mnの比
Mw/Mnが4を越えた場合、あるいはガラス転移温度
(Tg)が180℃を越える場合は、前記不活性光で画
像を書き込む際の書き込み速度が実用的な最低レベル、
例えば書き込み速度1m/sを越えることが難しくなる
ことを、実験的に見出したものである。さらにまた、樹
脂微粒子には、加熱により溶融しフィルム化するととも
に、版材表面の親水性部分と反応もしくは強く固着し親
水性表面に疎水性を付与する作用を有する一方、常温で
は前記反応もしくは固着が実質的に起らないことが求め
られる。熱可塑性の樹脂微粒子のガラス転移温度(T
g)が20℃以下の場合、版材表面に塗布された樹脂微
粒子のうち、疎水性画線部以外の部分に塗布された粒子
をインキの粘着力及び/または湿し水の洗浄作用により
版材表面から除去することが困難になることを、実験的
に見出したものである。
乃至図10を用いて説明する。先ず、熱可塑性の樹脂微
粒子を分解させるために要するエネルギー(分解エネル
ギー)と粒子径との関係について、図8に示す。この実
験においては、重量平均分子量Mw=8500、ガラス
転移温度Tg=85℃であるスチレン・アクリル樹脂を
用い、粒子径を変化させて各々の分解エネルギーを測定
した。なお分解エネルギーは、10〜20J/cm2の
程度が、実用上の限界、すなわち実際の印刷機上におい
て版材表面に照射できる光エネルギーの上限値とされて
いる。この図から明らかなように、粒子径が5μmを越
えた付近で、分解エネルギーが20J/cm2を越える
こととなる。また、図中における△は、分解は可能であ
るが、インキの粘着力及び/または湿し水の洗浄作用に
よる除去が殆ど出来ない範囲であることを示している。
よって、適正な粒子径は、0.01〜5μmとなる。
wとの関係について、図9に示す。この実験において
は、重量平均分子量Mwの異なるスチレン・アクリル樹
脂を用いて、各々の分解エネルギーを測定した。この図
から明らかなように、重量平均分子量Mwが40万を越
えると、分解エネルギーが20J/cm2を越えてしま
うとともに、分解性が著しく低下してしまう。よって実
用上は、重量平均分子量Mwが40万以下であることが
必要となる。
と、ガラス転移温度(Tg)との関係についての実験結
果を、図10に示す。この実験においては、重量平均分
子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnの異なるス
チレン・アクリル樹脂を用いて測定を行った。なお、実
際の印刷機上で連続的に画像を書き込むためには、書き
込み速度は最低でも1m/sは必要とされる。この図か
ら明らかなように、Mw/Mnが4を越える場合、ある
いはTgが180℃を越える場合には、1m/s以上の
書き込み速度を確保することは非常に困難となる。ま
た、図中の×は、Mw/Mnに関係なく、インキの粘着
力及び/または湿し水の洗浄作用による除去が殆ど出来
ない範囲であることを示している。よって実用上は、M
w/Mnが4以下、Tgが20℃〜180℃であること
が必要となる。
いるが、本実施形態において疎水化剤として作用させる
ためには、上記の大きさの微粒子を形成できる樹脂が好
ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸、(メタ)ア
クリル酸エステルなどのアクリル系樹脂、α−メチルス
チレンなどのスチレン系樹脂、スチレン・アクリル酸、
スチレン・アクリル酸エステルなどのスチレン・アクリ
ル系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、エチレ
ン、エチレン・アクリル酸、エチレン・アクリル酸エス
テル、エチレン酢酸ビニル、変性エチレン酢酸ビニル樹
脂などのエチレン系樹脂、酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテルなど
のビニル系樹脂が好適である。これらの樹脂を単独で用
いてもよいし、必要に応じて混合して用いても良いこと
は言うまでも無い。さらに、これらの樹脂は、分解時に
塩素化合物などの有害成分を生成しないという利点があ
る。
wt%以上であるスチレン・アクリル系樹脂が良い。ス
チレン成分を30wt%以上含有しているスチレン・ア
クリル系樹脂は、再生時の光触媒作用による分解時間が
短く、印刷時のインキ受理性が高いことを見出した。以
下、「樹脂微粒子」とは、こうした性質を有する熱可塑
性樹脂微粒子をいうものとする。
顕微鏡)写真を、図7に示す。この写真において示す樹
脂微粒子は、2万倍に拡大したものであり、その粒子径
は、ほぼ0.07〜0.1μmの球状粒子となってい
る。
は、水系または溶剤系で調製することができる。なお、
「水系」の基準としては、塗布する段階での液中の有機
溶剤含有量が30wt%以下であり、また「溶剤系」の
基準としては、塗布する段階での液中の有機溶剤含有量
が30wt%を越えるものである。ここで用いる有機溶
剤としては、熱可塑性樹脂微粒子が使用環境温度で実質
的に溶解せず、粒子状で分散可能なものであればよい。
水系、溶剤系ともに、熱可塑性樹脂微粒子の分散性を向
上させるための界面活性剤、また塗布を容易にする為
に、液の粘度を調整するための添加剤などを含んでいて
も良いことは言うまでもない。さらに、熱可塑性樹脂微
粒子を含む液には、いわゆるエマルジョンやラテックス
が含まれることは言うまでもない。以下、こうした性質
を有する「樹脂微粒子を含む塗布液(印刷用版材用塗布
液)」を、「疎水化剤」ということとする。
製方法と再生方法について説明する。印刷用版材Pの作
製方法は、「疎水化剤塗布工程」、「画線部書き込み工
程」及び「疎水化剤除去工程」からなる。また、印刷用
版材Pの再生方法は、「インキ除去工程」及び「再生工
程」からなる。
明する。図3に、版の作製と再生の概念図を示す。な
お、以下において「版の作製」とは、疎水化剤を版材表
面上に塗布した後、該版材表面の少なくとも一部をデジ
タルデータに基づいて加熱処理して疎水性画線部を形成
し、加熱処理されなかった版材表面上の樹脂微粒子を除
去することを言うものとする。
印刷用版材Pの版材表面全面を、図2(b)に示すよう
な状態、すなわち水Wの接触角が10°前後の親水性表
面とするような状態を現出させる。この活性光とは、よ
り具体的には、波長380nm以下の光を含む紫外線で
ある。そして、疎水化剤塗布工程として、この親水性の
コート層3表面に前記疎水化剤(図3においては符号4
Lで示す)を塗布し、必要に応じて室温程度の温度で乾
燥させる。図3(a)は、疎水化剤を塗布した状態を示
している。また、図2(a)は、疎水化剤4Lを塗布し
て、コート層3表面上に付着した樹脂微粒子tでコート
層3が覆われて、樹脂微粒子層4が形成されている状態
を示している。コート層3表面のこの状態を「版作製時
の初期状態」という。なお、上記でいう「版作製時の初
期状態」とは、実際上の印刷工程におけるその開始時と
みなしてよい。より具体的にいえば、ある与えられた任
意の画像に関して、それをデジタル化したデータが既に
用意されていて、これを版材上に書き込みしようとする
ときの状態を指すものとみなせる。
覆われたコート層3表面に対して、画線部書き込み工程
として、画線部を書き込む。この画線部は、画像に関す
るデジタルデータに準拠して、そのデータに対応するよ
うに行われる。なお、ここでいう画線部とは水の接触角
が50°以上、好ましくは80°以上の疎水性部分であ
り、印刷用の疎水性インキが容易に付着し、一方、湿し
水の付着は困難な状態になっている。この疎水性の画線
部を画像データに基づいて現出させる方法として、樹脂
微粒子層4を加熱し、樹脂微粒子tを溶融させてフィル
ム化させるとともに、コート層3表面に反応ないし固着
させる方法が好適である。画線部を加熱した後、加熱さ
れなかった部分の樹脂微粒子tを除去することにより、
非画線部を現出させ、版を作製することができる。
1に示すように、フィルム状となってコート層3上に反
応ないし固着されて、フィルム層4aを形成する。この
フィルム層4aは、疎水性の画線部として機能する。一
方、加熱溶融されなかった部分の樹脂微粒子tは、図2
(a)に示すように、コート層3上に付着しただけの状
態のままであり、後述するように、コート層3表面上か
ら除去されて、図2(b)に示すように親水性のコート
層3表面が露出する。
を照射することにより、加熱処理を行なうのが好まし
い。この「不活性光」としては、具体的には、赤外線が
挙げられる。こうした不活性光を照射すれば、樹脂微粒
子tを分解することなく溶融してフィルム化させるとと
もに、コート層3上に反応ないし固着させることができ
る。ここでは、図3(c)に示す様に、赤外線書き込み
ヘッド6を用いた赤外照射によって、少なくとも一部の
樹脂微粒子tを加熱溶解してフィルム化させるととも
に、コート層3表面に反応あるいは固着させて、画線部
すなわちフィルム層4aを形成するようにしている。
うに、印刷開始直後の段階で、画線部の書き込みをしな
かった部分、すなわち加熱溶融されなかった部分の樹脂
微粒子tを、インキの粘着力および/または湿し水の洗
浄作用により、版材表面つまりコート層3表面上から除
去して、非画線部を現出させる。なお、インキ、紙ある
いは湿し水の図示は省略する。これで、図3(d)に示
すように、コート層3表面への画線部(フィルム層4
a)と非画線部5の形成が完了し、印刷可能な状態とな
る。
疎水性の画線部を画像データに基づいて現出させる方法
としては、ここでは、光で画線部を書き込んで光のエネ
ルギーで加熱するように構成した例を示しているが、他
の構成、例えばサーマルヘッドによる前記熱可塑性樹脂
微粒子層の直接加熱であってもよいことはいうまでもな
い。
湿し水および印刷用の疎水性インキと湿し水を混合し
た、いわゆる乳化インキを塗布する。すると、例えば図
4に示すような、印刷用版が製作されたことになる。こ
の図において、網掛けされた部分は、樹脂微粒子tが加
熱溶融されてフィルム化するとともに、光触媒を含むコ
ート層3表面と反応もしくは固着して形成された部分、
すなわち疎水性の画線部に、疎水性インキが付着した状
態を示している。残りの白地の部分、すなわち親水性の
非画線部には、湿し水が優先的に付着する一方、疎水性
インキははじかれて付着しなかった状態を示している。
このように絵柄が浮かび上がることにより、コート層3
表面は、印刷用版材としての機能を有することになる。
この後、通常の印刷工程を実行し、これを終了させる。
明する。なお、以下において「版の再生」とは、少なく
とも一部が疎水性を示し残りが親水性を示す版材表面
を、全面均一に親水化した後、この親水性の版材表面に
疎水化剤を塗布し、必要に応じて室温程度の温度で乾燥
させることによって、再び「版作製時の初期状態」に復
活させることをいうものとする。
のコート層3表面に付着したインキ、湿し水、紙粉など
を拭き取る。その後、再生工程として、少なくとも一部
が疎水性を示すコート層3表面全面に、活性光を照射す
る。こうすることで、画線部を分解して除去し、コート
層3表面全面を水の接触角が10°前後の親水性表面と
する、すなわち図2(b)に示す状態とすることが可能
である。
によって、コート層3表面に存在する画線部を分解・除
去し、かつ高い親水性を有するという性質は、酸化チタ
ン光触媒を用いることにより達成することができる。こ
こでは、図3(e)に示すように、紫外線照射ランプ8
を用いて、紫外線照射のみで画線部を分解し、コート層
3の親水性表面を露出させる場合を示している。紫外線
照射により全面親水性に回復したコート層3表面に、疎
水化剤を再度常温で塗布し、必要に応じて室温程度の温
度で乾燥させることによって、版作製時の初期状態に戻
すことが可能である。
して画線部を分解する操作と、水または水を含む洗浄液
でコート層表面を洗浄する操作を同時に行なうか、ある
いは交互に繰り返すことにより、さらに容易にコート層
表面全面を水の接触角が10°前後の親水性表面とする
ことが可能である。
のが図5に示したグラフである。これは、横軸に時間
(あるいは操作)、縦軸に版材表面の水の接触角をとっ
たグラフであって、本実施形態における印刷用版材に関
して、そのコート層3表面の接触角(すなわち、疎水、
親水状態)が時間あるいは操作に伴ってどのように変化
するかを示したものである。この図において、一点鎖線
は非画線部5を、破線(点a,a’を起点とする時間方
向の破線)は画線部/非画線部に共通のコート層3表面
状態を示し、実線は画線部4を、各々示している。
て、コート層3表面の、水の接触角が10°前後、好ま
しくは10°以下の高い親水性を示すようにしておく。
最初に、疎水化剤塗布工程(Aの工程)として、コート
層3表面に疎水化剤を塗布し(点a)、その後、必要が
あれば液を室温程度の常温で乾燥させる。図5は乾燥工
程を必要としない場合を示す。疎水化剤を塗布し終わっ
た状態が、つまり「版作製時の初期状態」である(点
b)。
して、コート層3表面上の疎水化剤塗布面の画線部相当
部分を加熱処理して、画線部の書き込みを開始する(点
b)。こうすることによって、樹脂微粒子は加熱処理さ
れて溶融しフィルム化すると伴に、コート層3表面と反
応または固着し、画線部は高い疎水性を示すようにな
る。一方、非画線部では、樹脂微粒子と版材表面との反
応または固着は実質的に起らず、画線部書き込み前と同
じ状態を維持する。画線部書き込みが完了したら、疎水
化剤除去工程(Cの工程)として、印刷直後の段階で、
非画線部の樹脂微粒子tをインキの粘着力および/また
は湿し水の洗浄作用により、コート層3表面から除去開
始する(点c)。すなわち、非画線部として、親水性の
コート層3表面を露出させる。これにより、コート層3
表面は、樹脂微粒子が溶融してコート層3と反応ないし
固着して形成された疎水性の画線部(フィルム層4a)
と、樹脂微粒子tが除去された親水性の非画線部が現出
し、版として機能することができるようになる。非画線
部の樹脂微粒子tの除去が完了した後、印刷工程(Dの
工程)として、印刷を開始することになる(点d)。
工程)として、コート層3表面のインキ、汚れなどを拭
き取ってクリーニングを開始する(点e)。クリーニン
グ完了後、すなわちインキの拭き取りが完了した後に、
再生工程(Fの工程)として、コート層3表面への紫外
線照射を開始する。こうすることにより、疎水性の画線
部であるフィルム層4aを分解・除去し、コート層3表
面を再び親水性に戻す。この後、次の疎水化剤塗布工程
(A'の工程)として、再び疎水化剤を塗布する(点
a’)ことにより、「版作製時の初期状態」に戻ること
になり、この印刷用版材は再利用に供されることにな
る。
法における、版作製および版再生の手順は、以下の実施
例にて詳細に説明する。以下では、印刷用版材の作製方
法及び再生方法にかかわる、本願発明者らが確認したよ
り具体的な実施例について説明する。まず、その面積が
280×204mm、厚さが0.1mmのステンレス
(SUS304)製の基材1を用意し、この基材を陽極
酸化処理して黒染め処理を行なった。この処理により、
830nmの赤外線の吸収率は処理前の30%から、黒
染め処理後は90%以上に向上した。この黒染め処理S
US基板をアルカリ脱脂処理し、版材基板として用い
た。
基板にディップコートした後、500℃で30分加熱処
理し、厚さ約0.07μmの中間層を形成した。テイカ
株式会社製の光触媒用ゾルTKS−203と酸化チタン
コーティング剤TKC−301を重量比1:4の割合で
混合した液を上記中間層処理した基板にディップコート
し、500℃で加熱して、アナターゼ型酸化チタン光触
媒層を版材表面に形成した。光触媒層の厚みは約0.1
μmであった。次に、版全面に低圧水銀ランプを用いて
波長254nm、照度20mW/cm2の紫外線を10
秒照射した後、紫外線照射部分について直ちにCA−W
型接触角計で水の接触角を測定したところ、接触角は7
°となり、非画線部として十分な親水性を示した。
アクリル系樹脂(商品名「J−678」)をエタノール
に溶解し、濃度1wt%の樹脂溶液を調製した。この樹
脂溶液中に、界面活性剤イオネット T−60−C(三
洋化成製)を樹脂に対して10wt%添加した後、樹脂
溶液70部に対してイオン交換水(冷水)30重量部を
添加し、樹脂微粒子を析出させた。その後、エバポレー
タを用いて液温40℃にてエタノールを脱気し、熱可塑
性樹脂微粒子の水分散液を調製し疎水化剤とした。走査
電子顕微鏡で樹脂粒子を観察すると、粒径0.07〜
0.1μmの球状粒子であった。
面に、ロールコートにより上記疎水化剤を塗布した後、
25℃で5分間風乾し、次に、波長830nm、出力2
50mW、ビーム径15μmの赤外線レーザを用いた画
像書き込み装置により版面に画線率10%から100%
までの10%刻みの網点画像を書き込むことで、照射部
分の樹脂微粒子を加熱溶融し、版面に固着させフィルム
層(4)を形成した。この樹脂微粒子が固着した部分に
ついてCA−W型接触角計で水の接触角を測定したとこ
ろ、接触角は82°で、画線部が出来ていることを確認
した。
フセット印刷機ニューエースプロに取り付け、東洋イン
キ製のインキHYECOO B紅MZと三菱重工業製の
湿し水リソフェロー1%溶液を用いて、アイベスト紙に
印刷速度3500枚/時にて印刷を開始した。印刷開始
1〜5枚目は、画線部が印刷されるだけでなく、本来イ
ンキが付かない非画線部にもインキが部分的に付着し汚
れているような印刷物であったが、次第に汚れは消えて
いき、10枚目には本来の非画線部となり、紙面上には
網点画像が印刷できた。すなわち、非画線部の熱可塑性
樹脂微粒子がインキ粘着力および/又は湿し水の洗浄作
用により、版材表面から除去されたことを確認した。
明する。印刷終了後、版面上に付着したインキ、湿し
水、紙粉などをきれに拭き取った版全面に、低圧水銀ラ
ンプを用いて波長254nm、照度20mW/cm2の
紫外線を20秒照射した。その後、網点を書き込んでい
た部分について直ちにCA−W型接触角計で水の接触角
を測定したところ、接触角は8°となり、十分な親水性
を示すを確認した。すなわち、版材は疎水化剤塗布前の
状態戻り、版再生ができたことを確認した。
刷機上で行なうためには、図6に示すような印刷機10
を用いるのが好ましい。すなわち、この印刷機10は、
版胴11を中心として、その周囲に版クリーニング装置
12、紫外線照射装置(再生装置)13、疎水化剤塗布
装置14、乾燥装置15、画線部書き込み装置(非活性
光照射装置)16、インキングローラ17、湿し水供給
装置18およびブランケット胴19を備えたものとなっ
ている。印刷用版材Pは、版胴11に巻き付けられて設
置されている(図6において図示略)。
コート層3上のインキ、湿し水、紙粉などを除去するも
のである。紫外線照射装置(再生装置)13は、紫外線
をコート層3表面に照射することで、画線部を形成する
フィルム層4aを分解除去するとともに、コート層3表
面を親水化させるためのものである。疎水化剤塗布装置
14は、疎水化剤をコート層3表面のほぼ全面に塗布す
るものである。乾燥装置15は、印刷用版材Pを乾燥さ
せるものであり、コート層3上に塗布された疎水化剤を
乾燥させて、樹脂微粒子層4を容易に形成させることも
できる。画線部書き込み装置16は、コート層3表面に
赤外線を照射して、コート層3表面にフィルム層4aを
形成させるものである。
装置14、乾燥装置15及び画線部書き込み装置16
は、版胴11の回転方向(図中矢印方向)に対してこの
順となるように、版胴11の周囲に設けられており、版
胴11の回転に伴い版の再生及び作製が連続的に行える
ので、版の再生及び作製を効率よく行えるようになって
いる。
4を用いてコート層3表面全面、すなわち版面全面に塗
布し、必要なら乾燥機15を用いて、室温程度の常温で
塗布液を乾燥させる。これにより、コート層3表面に有
機系化合物層4が形成されて、版作製時の初期状態とな
る。次に、画線部書き込み工程として、予め用意された
画像のデジタルデータに基づき、画線部書き込み装置1
6で版面を加熱して、フィルム層4aを書き込む。
印刷を終了した版の再生工程は、次のように行われる。
まず、版クリーニング装置12を版胴11に対して接し
た状態とし、版面上に付着したインキ、湿し水、紙粉な
どをきれいに拭き取る。その後、クリーニング装置12
を版胴11から脱離させ、紫外線照射装置13で版全面
に紫外線照射してフィルム層4aを分解除去し、版面全
面を親水化する。なおこのとき、版面に紫外線を照射し
て疎水性画線部(フィルム層4a)を分解して除去する
操作と、洗浄液で版材表面を洗浄する操作とを、同時に
行なうか、あるいは交互に繰り返して行うようにすれ
ば、より効果的に版の再生が行える。例えば、湿し水供
給装置18から、洗浄液としての湿し水を供給すればよ
い。
置14を用いて版全面に塗布し、必要なら乾燥装置15
を用いて、室温程度の常温で液体を乾燥させる。これに
より、版作製時の初期状態となる。次に、予め用意され
た画像のデジタルデータに基づき画線部書き込み装置1
6で版面を加熱して、画線部を書き込んだ後、インキン
グローラ17、湿し水供給装置18、ブランケット胴1
9を版胴に対して接する状態とし、そして、紙20がブ
ランケット胴19に接するように、かつ図6に示す矢印
の方向に搬送していくことによって、非画線部の樹脂微
粒子は、インキの粘着力および/または湿し水の洗浄作
用で除去される。この場合、湿し水供給装置18、イン
キ(図示省略)、ブランケット胴19及び紙20といっ
た構成要素が、非画線部の樹脂微粒子を除去するための
装置、すなわち疎水化剤除去装置を兼ねることとなる。
こうして、画線部と非画線部とを現出させた後、印刷が
行われるようになっている。
のクリーニング、紫外線照射による画線部の分解・除
去、前記疎水化剤の塗布、加熱による画線部書き込み、
および非画線部の熱可塑性樹脂微粒子の除去の一連の版
再生および版作製の工程を、印刷用版材を印刷機に取り
付けたまま、印刷機上でも行なうことができる。これに
よれば、印刷機を停止することなく、また印刷版の交換
作業を挟むことなく連続的な印刷作業の実施を行なうこ
とが可能になる。
版材を版胴に巻き付けるように構成しているが、これに
限定されるものではなく、版胴表面に酸化チタン光触媒
を含むコート層を直接設ける、すなわち版胴と印刷用版
材とが一体に構成されたものを用いてもよいことは言う
までもない。
去装置を、他の構成要素と兼用するようにしているが、
独立した構成要素としての疎水化剤除去装置を設けても
よい。例えば、版面に水を噴霧する装置、あるいは、表
面が粘着性をもったローラなどが挙げられる。
刷用版材、印刷用版材の作製方法及び再生方法において
は、印刷用版材の再利用が可能となっているという利点
もさることながら、そのサイクルを迅速化できる利点を
も備えている。すなわち、酸化チタン光触媒と、この酸
化チタン光触媒で容易に分解する熱可塑性の樹脂微粒子
と、デジタルデータに基づいて樹脂微粒子塗布面を加熱
し画線部形成する技術とを組み合わせることで、版を作
製するにも、版を再生するにも、いずれにしても、それ
らを実現するための作業に時間がかからないこととなっ
ている。従って、印刷工程全体を極めて速やかに完了さ
せることが可能なものとなっている。
質、すなわちバンドギャップエネルギーより高いエネル
ギーをもつ活性光を照射することにより親水性化する性
質および有機物を分解する性質と、加熱処理により溶融
してフィルム化すると伴に、版材表面と反応ないし固着
する性質および前記光触媒のバンドギャップエネルギー
より高いエネルギーをもつ光を照射することにより分解
除去される性質を併せもつ樹脂微粒子を含む液と、デジ
タルデータに基づき版面の前記樹脂微粒子を加熱し、樹
脂微粒子をフィルム化させ版面と反応ないし固着させる
方法で画線部を書き込む技術とを、組み合わせて利用す
ることにより、版材の再生・再利用を可能とし、使用後
に廃棄される版材の量を著しく減少させることができ
る。したがって、その分、版材に関わるコストを大幅に
低減することができる。また、画像に係わるデジタルデ
ータから、版材への画像書き込みを直接実施することが
可能であることから、印刷工程のデジタル化対応がなさ
れており、その相応分の大幅な時間短縮、またはコスト
削減を図ることができる。
は、版作製と版再生を印刷機上で行うことが可能である
から、印刷作業の迅速化を実現することもできる。
用版材用塗布液、印刷用版材、印刷用版材の再生方法及
び版再生可能な印刷機によれば、版材を再生し繰り返し
使用することにより、使用後に廃棄される版材の量を著
しく減少させることができるとともに、版材に関わるコ
ストが低減できるようになる。また、印刷工程に占める
版再生時間が短縮できるため、印刷準備時間の短縮がで
きる。さらに、デジタルデータから直接版を作成するこ
とにより、印刷工程のデジタル化対応や時間短縮ができ
るようになる。さらに、印刷機に取り付けた状態で、版
作製および版再生ができるようになり、版交換作業がな
く操作性を向上させることができる。
を示す断面図であって、コート層3表面にフィルム層が
形成された状態を示す。
を示す断面図であって、(a)はコート層3表面に樹脂
微粒子層が形成された状態を、(b)は親水性のコート
層が露出された状態を、各々示す。
生の概念図である。
地(非画線部)の一例を示す斜視図である。
る版材表面の特性変化を時間に沿って示したグラフであ
る。
構成図である。
係を示すグラフである。
ーとの関係を示すグラフである。
み速度との関係を示すグラフである。
Claims (21)
- 【請求項1】 光触媒を含み該光触媒のバンドギャップ
エネルギーより高いエネルギーをもつ活性光を照射する
ことにより親水性を示す版材表面を有する印刷用版材
の、前記版材表面に塗布するための塗布液であって、 加熱処理により前記版材表面に反応ないし固着される性
質と、前記活性光を照射することにより該光触媒の作用
により分解される性質とを併せ持つ、平均粒子径が0.
01〜5μmの範囲、重量平均分子量Mwが40万以
下、Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが4以下、
ガラス転移温度(Tg)が20℃〜180℃の範囲であ
る熱可塑性の樹脂微粒子を含むことを特徴とする印刷用
版材用塗布液。 - 【請求項2】 前記樹脂微粒子が、アクリル系樹脂、ス
チレン系樹脂、スチレン・アクリル系樹脂、ウレタン系
樹脂、フェノール系樹脂、エチレン系樹脂、又はビニル
系樹脂のうちから選択された少なくとも一の樹脂から構
成されていることを特徴とする請求項1に記載の印刷用
版材用塗布液。 - 【請求項3】 前記樹脂微粒子が、スチレン成分比が3
0wt%以上であるスチレン・アクリル系樹脂であるこ
とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷用版
材用塗布液。 - 【請求項4】 前記印刷用版材用塗布液が水系であるこ
とを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の印刷用版
材用塗布液。 - 【請求項5】 前記印刷用版材用塗布液が溶剤系である
ことを特徴とする請求項1〜3記載の何れかに印刷用版
材用塗布液。 - 【請求項6】 前記光触媒が酸化チタン光触媒であるこ
とを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の印刷用版
材用塗布液。 - 【請求項7】 光触媒を含み該光触媒のバンドギャップ
エネルギーより高いエネルギーをもつ活性光を照射する
ことにより親水性を示す版材表面を有する印刷用版材で
あって、 加熱処理により前記版材表面に反応ないし固着される性
質と、前記活性光を照射することにより該光触媒の作用
により分解される性質とを併せ持つ、平均粒子径0.0
1〜5μmの範囲、重量平均分子量Mw40万以下、M
wと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが4以下、ガラス
転移温度(Tg)が20℃〜180℃の範囲である熱可
塑性の樹脂微粒子を含む印刷用版材用塗布液を、疎水化
剤として前記版材表面に塗布した樹脂微粒子層を有する
ことを特徴とする印刷用版材。 - 【請求項8】 前記樹脂微粒子のうちの少なくとも一部
を加熱処理してフィルム状とし、前記版材表面に反応な
いし固着させた疎水性の画線部を有することを特徴とす
る請求項7に記載の印刷用版材。 - 【請求項9】 前記樹脂微粒子が、アクリル系樹脂、ス
チレン系樹脂、スチレン・アクリル系樹脂、ウレタン系
樹脂、フェノール系樹脂、エチレン系樹脂、ビニル系樹
脂のうちから選択された少なくとも一の樹脂から構成さ
れていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載
の印刷用版材。 - 【請求項10】 前記樹脂微粒子が、スチレン成分比が
30wt%以上であるスチレン・アクリル系樹脂である
ことを特徴とする請求項7〜9の何れかに記載の印刷用
版材。 - 【請求項11】 前記印刷用版材用塗布液が水系である
ことを特徴とする請求項7〜10の何れかに記載の印刷
用版材。 - 【請求項12】 前記印刷用版材用塗布液が溶剤系であ
ることを特徴とする請求項7〜10の何れかに記載の印
刷用版材。 - 【請求項13】 前記光触媒が酸化チタン光触媒である
ことを特徴とする請求項7〜12の何れかに記載の印刷
用版材。 - 【請求項14】 光触媒を含み該光触媒のバンドギャッ
プエネルギーより高いエネルギーをもつ活性光を照射す
ることにより親水性を示す版材表面を有する印刷用版材
の、該版材表面の少なくとも一部に疎水性の画線部を形
成する、印刷用版材の作製方法であって、 請求項1〜6の何れかに記載の印刷用版材用塗布液を、
疎水化剤として前記版材表面に塗布する疎水化剤塗布工
程と、 前記版材表面の少なくとも一部を加熱処理して疎水性の
画線部を形成する画線部書き込み工程と、 前記版材表面の前記画線部以外の部分に塗布された前記
樹脂微粒子を除去する疎水化剤除去工程と、 を有することを特徴とする印刷用版材の作製方法。 - 【請求項15】 前記画線部書き込み工程が、前記光触
媒のバンドギャップエネルギーより低いエネルギーをも
つ不活性光を照射することにより、該光のエネルギーで
前記樹脂微粒子を加熱溶融させてフィルム状にするとと
もに、前記版材表面に反応ないし固着させて画線部を書
き込む工程であることを特徴とする請求項14に記載の
印刷用版材の作製方法。 - 【請求項16】 前記疎水化剤除去工程が、印刷開始初
期における前記樹脂微粒子を、インキの粘着力及び/ま
たは湿し水の洗浄作用により前記版材表面から除去する
工程であることを特徴とする請求項14又は請求項15
に記載の印刷用版材の作製方法。 - 【請求項17】 請求項14〜16の何れかに記載の印
刷用版材の作製方法により作製された印刷用版材を再生
させる方法であって、 印刷終了後に版材表面からインキを除去するインキ除去
工程と、 該版材表面に前記活性光を照射して前記画線部を分解し
て除去し、前記版材表面を親水化させて再生する再生工
程と、 を有することを特徴とする印刷用版材の再生方法。 - 【請求項18】 請求項14〜16の何れかに記載の印
刷用版材の作製方法により作製された印刷用版材を再生
させる方法であって、 印刷終了後に前記版材表面からインキを除去するインキ
除去工程と、 該版材表面に前記活性光を照射して疎水性画線部を分解
して除去する操作と、洗浄液で前記版材表面を洗浄する
操作とを、同時に行なうか、あるいは交互に繰り返して
行い、前記版材表面を親水化させて再生する再生工程
と、 を有することを特徴とする印刷用版材の再生方法。 - 【請求項19】 光触媒を含む親水性の版材表面が備え
られる版胴と、 該版材表面のインキを除去する版クリーニング装置と、 請求項1〜6の何れかに記載の印刷用版材用塗布液を、
疎水化剤として前記版材表面に塗布する疎水化剤塗布装
置と、 該版材表面の少なくとも一部を加熱処理して疎水性画線
部を形成する画線部書き込み装置と、 前記版材表面を乾燥させる乾燥装置と、 前記活性光を前記版材表面に照射して、前記疎水性画線
部を消去する再生装置と、 を備えたことを特徴とする印刷機。 - 【請求項20】 前記版材表面のうちの前記疎水性画線
部以外の部分に塗布された疎水化剤を除去する疎水化剤
除去装置を備えたことを特徴とする請求項19に記載の
印刷機。 - 【請求項21】 前記画線部書き込み装置が、前記不活
性光を照射することにより該光のエネルギーで前記樹脂
微粒子を加熱し、前記版材表面に反応ないし固着させて
画線部を書き込む不活性光照射装置であることを特徴と
する請求項19又は請求項20に記載の印刷機。
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