JP2002361378A - 気泡欠陥の少ない鋳片の連続鋳造方法 - Google Patents

気泡欠陥の少ない鋳片の連続鋳造方法

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JP2002361378A
JP2002361378A JP2001177057A JP2001177057A JP2002361378A JP 2002361378 A JP2002361378 A JP 2002361378A JP 2001177057 A JP2001177057 A JP 2001177057A JP 2001177057 A JP2001177057 A JP 2001177057A JP 2002361378 A JP2002361378 A JP 2002361378A
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Akifumi Seze
昌文 瀬々
Takashi Morohoshi
隆 諸星
Shintaro Kusunoki
伸太郎 楠
Junpei Konishi
淳平 小西
Yasuo Yamazaki
泰生 山崎
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浸漬ノズルの詰まりを抑制し、鋳片を圧延加
工した鋼材に発生する線状疵や膨れ疵等の気泡欠陥を防
止することができる気泡欠陥の少ない鋳片の連続鋳造方
法を提供する。 【解決手段】 タンディッシュ12に設けた浸漬ノズル
14に不活性ガスを吹き込みながら、浸漬ノズル14を
用いてタンディッシュ12内の溶鋼11を鋳型13に注
湯し、鋳型13での冷却と鋳型13の下流側に設けた支
持セグメント15に付設した冷却水ノズルからの散水に
よる冷却によって、溶鋼11を凝固させて鋳片16を製
造する鋳片の連続鋳造方法において、浸漬ノズル14に
吹き込む不活性ガスは窒素ガスを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳造に用いる
浸漬ノズルの詰まりを防止するため、浸漬ノズルに吹き
込む不活性ガスに起因する気泡欠陥を防止する気泡欠陥
の少ない鋳片の連続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、連続鋳造は、タンディッシュに受
湯した溶鋼を浸漬ノズルを用いて鋳型に注湯し、この鋳
型により冷却し、更に、鋳型の下流側に設けられた支持
セグメントに装備された冷却水ノズルから散水すること
により、溶鋼を凝固させて鋳片を製造している。この浸
漬ノズルは、耐火物により中空の筒状に形成され、一般
的に先端の両側に、鋳型内に溶鋼を注湯する吐出口を備
えている。この浸漬ノズルの内側の溶鋼と接する面に
は、ポーラス耐火物を設けており、このポーラス耐火物
から溶鋼中にアルゴンガスを吹き込むことにより、介在
物や地金が浸漬ノズルの内側に付着するのを抑制し、ノ
ズル詰まりを防止している。しかし、アルゴンガスは、
浸漬ノズルの内部を通過し、吐出口から鋳型内に放出さ
れる際、気泡を形成し、この気泡が鋳型内を下降する溶
鋼流に随伴して深く侵入し、溶鋼が凝固して生成する凝
固殻(凝固シェルともいう)に気泡が捕捉され、鋳片に
表面欠陥が発生し、この鋳片に圧延加工を施した鋼材の
膨れ疵等の起因になる。この対策として、特開平2−1
21755号公報に記載されているように、タンディッ
シュの底部に設けた浸漬ノズルのポーラス耐火物から所
定量のヘリウムガスを溶鋼中に吹き込みながら注湯を行
い、ヘリウムガスの分子のサイズが小さく、溶鋼中を拡
散して溶鋼中から放出されるのを利用してノズル詰まり
を防止し、鋳片に発生する気泡欠陥を防止する方法が行
われている。更に、特開平6−182513号公報に記
載されているように、タンディッシュの底部に設けた浸
漬ノズルに通電し、浸漬ノズルのポーラス耐火物(内孔
体)と溶鋼との間に電流を流して電磁力を発生させてい
る。この電磁力によって、アルゴンガスのポーラス耐火
物からの離脱を促進し、しかも、離脱の促進によって、
ポーラス耐火物の界面での気泡の合体による成長を抑制
して微細な気泡にして、介在物の浮上分離及びノズル詰
まりを防止する方法が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
2−121755号公報に記載された方法では、鋳型内
の溶鋼中に大小様々な気泡が形成され、ヘリウムガスを
用いて溶鋼中を拡散して放出を促進しても、その気泡の
一部は、鋳型内の下流側に向かう溶鋼流に随伴されて深
部に侵入し、鋳片に発生する気泡欠陥が発生するのを防
止することができない。この気泡は、浮上する過程で、
鋳型内で形成される凝固殻や連続鋳造装置の上面の湾曲
部で形成される凝固殻に捕捉される。そして、鋳型内で
捕捉される気泡は、極めて薄い凝固殻の内側に存在すた
め、この鋳片を加熱して圧延加工を施した鋼材に線状疵
が発生する。一方、湾曲部の凝固殻に捕捉された気泡
は、鋳片を加熱して圧延加工を施した薄鋼板の膨れ疵等
の要因となり、いずれも製品の価値を損なうことにな
る。更に、特開平6−182513号公報に記載された
方法では、吹き込まれたアルゴンガスを細かくしても、
吐出口の溶鋼や吐出口から吐出した溶鋼流による攪拌に
よって、気泡の合体現象が生じ、結果として、鋳型内の
溶鋼中に大小様々な気泡が形成される。この気泡は、前
記した特開平2−121755号公報に記載された方法
と同様に、鋳型内の凝固殻に捕捉されて圧延加工を施し
た鋼材の線状疵が発生し、湾曲部の凝固殻に捕捉された
気泡は、鋼材の膨れ疵の起因になり、いずれも製品の価
値を損なうという問題がある。
【0004】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、浸漬ノズルの詰まりを抑制し、鋳片を圧延加工した
鋼材に発生する線状疵や膨れ疵等の気泡欠陥を防止する
ことができる気泡欠陥の少ない鋳片の連続鋳造方法を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に
係る気泡欠陥の少ない鋳片の連続鋳造方法においては、
タンディッシュに設けた浸漬ノズルに不活性ガスを吹き
込みながら、該浸漬ノズルを用いて前記タンディッシュ
内の溶鋼を鋳型に注湯し、該鋳型での冷却と該鋳型の下
流側に設けた支持セグメントに付設した冷却水ノズルか
らの散水による冷却によって、前記溶鋼を凝固させて鋳
片を製造する鋳片の連続鋳造方法において、前記浸漬ノ
ズルに吹き込む不活性ガスは窒素ガスを含んでいる。こ
の方法により、窒素ガスを含む不活性ガスの吹き込みに
よって、浸漬ノズル内に不活性ガスの膜を形成し、浸漬
ノズルの内面への介在物や地金の付着を防止することが
でき、しかも、生成した気泡中に含まれる窒素ガスが溶
鋼中に吸収されるため、生成時の気泡径よりも溶鋼中に
残存する気泡径を小さくできる。
【0006】ここで、前記不活性ガスは、全て窒素ガス
にすると良い。これにより、溶鋼に吸収され易い窒素ガ
スを100%用いるので、気泡を形成する窒素ガスが溶
鋼中に吸収され、気泡そのものを消滅することができ
る。
【0007】更に、前記不活性ガスは、アルゴンガスと
窒素ガスの混合気体からなることもできる。混合気体を
用いるので、アルゴンガスの気泡を小さくし、しかも、
気泡そのものを少なくすることができ、溶鋼中の窒素濃
度の上昇を最小限に抑えることができ、鋼材の機械特性
を安定させることができる。
【0008】また、前記窒素ガスを含む不活性ガスの吹
き込み量を0.5NL/分以上にすることが好ましい。
これにより、浸漬ノズルの内面に介在物や地金が付着す
るのを確実に抑制し、しかも、溶鋼中に生成する気泡を
最小量にすることができ、鋼材に発生する気泡欠陥を防
止することができる。窒素ガスを含む不活性ガスの吹き
込み量が0.5NL/分より低くなると、浸漬ノズルの
内面に介在物や地金が付着し、ノズル詰まりが生じて鋳
造作業が不安定になり、鋳片の品質が低下する。しか
し、極端に吹き込み量が多くなると、鋳型内でボイルが
発生するため、吹き込み量の上限を10.0NL/分と
することが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。図1は本発明の一実施の形態に係る
気泡欠陥の少ない鋳片の連続鋳造方法に適用される連続
鋳造装置の全体図である。図1に示すように、本発明の
一実施の形態に係る気泡欠陥の少ない鋳片の連続鋳造方
法に用いられる連続鋳造装置10は、溶鋼11を貯湯す
るタンディッシュ12と、タンディッシュ12の底部に
設けられ、溶鋼11を鋳型13に注湯する浸漬ノズル1
4と、鋳型13の下流側に設けられた図示しない冷却水
ノズルを付設した支持セグメント15と、凝固殻(凝固
シェルともいう)11aを形成しながら凝固した鋳片1
6を引き抜くピンチロール17を備えている。更に、浸
漬ノズル14には、浸漬ノズル14の内側部に溶鋼11
に露出してポーラス耐火物18を備え、このポーラス耐
火物18の背面(外側)にスリット部19を設けてお
り、このスリット部19には、窒素ガスを含む不活性ガ
スの圧力源に連通したガス供給管20が連通している。
この浸漬ノズル14の下方の先端部両側には、溶鋼11
の吐出口21を備えている。
【0010】次に、本発明の一実施の形態に係る気泡欠
陥の少ない鋳片の連続鋳造方法について連続鋳造装置1
0を用いて説明する。溶鋼11をタンディッシュ12に
150トン貯湯し、タンディッシュ12の底部に設けた
浸漬ノズル14から鋳型13に注湯を行った。注湯の
際、ガス供給管20からスリット部19を介してポーラ
ス耐火物18に、不活性ガスとして窒素ガスを0.5〜
10.0NL/分供給し、更に、ポーラス耐火物18の
表面から出る窒素ガスを気泡にして溶鋼11内に吹き込
んだ。窒素ガスの吹き込みにより、浸漬ノズル14の内
面に、Al23 を含む介在物が付着するのが抑制でき
た。更に、浸漬ノズル14を通過する際に、溶鋼11が
冷却されて生成する地金の付着が防止できた。溶鋼11
内に吹き込まれた窒素ガスの気泡は、溶鋼11と共に、
浸漬ノズル14内を流下し、吐出口21から鋳型13内
に流入する。流入した気泡は、溶鋼11から浮上分離し
て除去されるが、吐出口21から出た溶鋼11によって
形成される溶鋼流に、気泡の一部が随伴し、鋳型13内
で形成される凝固殻11aと、支持セグメント15に付
設した冷却水ノズルからの散水による冷却によって形成
される凝固殻11aの内側に捕捉されたり、支持セグメ
ント15の湾曲部A位置に形成される凝固殻11aの内
側に捕捉される。
【0011】しかし、これ等の凝固殻11aに捕捉され
た気泡は、窒素(N)からなり、しかも、窒素が溶鋼1
1に吸収されるため、凝固殻11a、又は鋳片16に残
存する気泡径が縮小して極めて小さくなるか、あるいは
気泡そのものが消滅する。従って、この鋳片16は、内
部の気泡数が少なく、しかも、気泡径が小さいので、加
熱した後に圧延加工を施した鋼材の線状疵や膨れ疵等の
気泡欠陥を防止することができ、良製品の歩留りが良く
なり、鋼材の品質を高めることができる。
【0012】また、ポーラス耐火物18から溶鋼11内
に吹き込む窒素ガス量としては、(1)、(2)式で示
される範囲にすると、溶鋼11の窒素濃度の上昇(溶鋼
中への加窒)による鋼材の機械的特性である延性(r値
で表される)等を阻害しないので好ましい。 0.5<QN ・・・・・(1) QN<Qcr=V0 /M×(ρ×W×D×Vc)×(N0 −NTD)/100 ・・・・・(2) ここで、QNは常温−1気圧に換算した窒素ガスの吹き
込み量(NL/分)、Q crは常温−1気圧に換算した窒
素ガスの吹き込み量の上限規定値(NL/分)、V0
常温−1気圧に換算した窒素ガスの体積22.4(NL
/モル)、Mは窒素ガスの分子量(28g/モル)、ρ
は溶鋼の密度(7.0g/cm3 )、Wは鋳型の内寸幅
(cm)、Dは鋳型の内寸厚み(cm)、Vcは鋳造速
度(cm/分)、N0 は製品である鋼材の窒素濃度の上
限値(重量%)、NTDはタンディッシュ内の溶鋼の窒素
濃度(重量%)である。なお、窒素ガスの吹き込み量Q
Nを0.5NL/分以上にするのは、0.5未満になる
と浸漬ノスルに介在物や地金が付着するのを抑制できな
いためである。一方、V0 /Mは、窒素ガスの1g当た
りの体積であり、V0 /M×(ρ×W×D×Vc)とし
たのは、単位時間(分)当たりの窒素ガスの通過体積で
あり、窒素の溶鋼中への加窒する量であり、この値が、
鋼材の窒素濃度の上限値N0 を超えない(N0 −NTD
範囲内で添加する必要があり、(N0 −NTD)の量を超
えて窒素ガスを吹き込むと、鋼材の機械的強度が変化
し、加工性等が阻害されるからである。
【0013】更に、浸漬ノズル14の内側に設けたポー
ラス耐火物18から溶鋼11内に窒素ガスを吹き込む
際、予めタンディッシュ12内に受湯する溶鋼11の窒
素濃度を低減しておくことにより、ポーラス耐火物18
から窒素ガスを吹き込むことが容易になり、浸漬ノズル
14の介在物や地金の付着を安定して抑制することがで
きる。しかし、ポーラス耐火物18から吹き込む窒素ガ
ス量QNの上限値は、鋳型13内を窒素ガスが浮上する
際に溶鋼ボイルを生じるので、10NL/分にすること
が好ましい。
【0014】また、浸漬ノズル14のポーラス耐火物1
8から溶鋼11内に吹き込む窒素ガスを含む不活性ガス
としては、吹き込み量が(3)式で表す範囲となる窒素
ガスとアルゴンガスの混合気体を用いることができる。 0.5<Qn+QAr ・・・・・(3) ここで、Qnは常温−1気圧に換算した窒素ガスの吹き
込み量(NL/分)、Q Arは常温−1気圧に換算したア
ルゴンガスの吹き込み量(NL/分)である。しかし、
アルゴンガスは、溶鋼11中への溶解が殆ど無いため、
(4)式の条件で混合することが好ましい。 QAr/Qn+QAr≦0.6 ・・・・・(4) QAr/Qn+QArとしたのは、溶鋼中へ吹き込んだアル
ゴンガスの混合量が多くなると、アルゴンガスの気泡が
大きくなり、しかも、残存する気泡数も多くなって気泡
欠陥を生じるからであり、アルゴンガス量QArが0.6
を超えると、この気泡欠陥が生じ易くなる。更に、これ
等の気泡が凝固殻11aや湾曲部の鋳片の内側に捕捉さ
れ、圧延加工を施した鋼材の品質を阻害する。そして、
アルゴンガス量QArの比を0.6以下にし、残部が窒素
ガスからなる混合気体の場合は、混合気体からなる気泡
に含まれる窒素ガスが溶鋼11中に吸収される。その結
果、残存するアルゴンガス気泡は、気泡欠陥にならない
範囲の大きさに大幅に収縮し、前記した窒素ガスを単独
で用いた場合と同様に、鋳片16の内部の気泡数を少な
くし、この鋳片16を加熱して圧延加工を施した鋼材に
発生する線状疵、膨れ疵等の気泡欠陥の発生を防止する
ことができる。
【0015】
【実施例】次に、気泡欠陥の少ない鋳片の連続鋳造方法
の実施例について説明する。タンディッシュに、表1に
示す組成の溶鋼を350トン貯湯し、浸漬ノズルの内側
に設けたポーラス耐火物から浸漬ノズル内を通過する溶
鋼に、窒素ガスを吹き込みながら、鋳型内寸厚みが25
cmで、鋳型内寸幅W、鋳造速度Vc(m/分)、タン
ディッシュでの溶鋼中の窒素濃度NTD(重量%)、溶鋼
中の窒素濃度の上限値NCr(重量%)、常温−1気圧に
換算した窒素ガスの吹き込み量の上限値Qcr(NL/
分)、常温−1気圧に換算した窒素ガスの吹き込み量Q
N(NL/分)をそれぞれ変化させ、鋳型に溶鋼を注湯
し、ピンチロールによって鋳片の引き抜きを行い、その
鋳片を圧延加工を施して鋼材を製造した。そして、ノズ
ル閉鎖(浸漬ノズルの詰まり)の有無、鋳片のN濃度
(重量%)、鋳片の気泡有無、鋼板の気泡性欠陥の有無
について調査した。実施例1は、鋳型内寸幅Wを100
cm、実施例2は、鋳型内寸幅Wを120cm、実施例
3は、鋳型内寸幅Wを150cm、それぞれ鋳造速度V
cを80cm/分、窒素ガスの吹き込み量QNを0.6
NL/分にした場合であり、ノズル閉鎖がいずれも鋳造
に問題の無い軽微であり、鋳片の窒素濃度もそれぞれ
0.0042重量%、0.0045重量%、0.004
3重量%にでき、鋳片の気泡が無く、この鋳片を圧延加
工した鋼材の気泡性欠陥の発生が無く、良好な結果が得
られた。実施例4〜6は、鋳造速度Vcを100cm/
分とし、それぞれの窒素ガスの吹き込み量QNを2.0
NL/分、3.0NL/分、4.0NL/分にした場合
であり、ノズル閉鎖が全く無く、鋳片の気泡も無く、こ
の鋳片を圧延加工した鋼材の気泡性欠陥の発生が無く、
良好な結果が得られた。実施例7〜9は、鋳造速度Vc
を120cm/分、窒素ガスの吹き込み量QNを4.0
NL/分、5.0NL/分、6.0NL/分にした場合
であり、いずれもノズル閉鎖が全く無く、鋳片の気泡も
無く、この鋳片を圧延加工した鋼材の気泡性欠陥の発生
が無く、良好な結果が得られた。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】これに対し、比較例1は、窒素ガスの吹き
込み量の上限値Qcrである8.4NL/分を超える窒素
ガスを用い、その吹き込み量QNが10.0NL/分に
なった場合、比較例2は、窒素ガスの吹き込み量の上限
値Qcrである5.6NL/分を超えて、窒素ガスの吹き
込み量QNを10.0NL/分にした場合であり、いず
れもノズル閉鎖は無かったが、それぞれ溶鋼中の窒素濃
度が0.0051重量%、0.0053重量%と高くな
り鋼材の加工性が阻害され、鋳片の気泡が微小となり、
この鋳片を圧延加工した鋼材の気泡性欠陥にも微小の気
泡性欠陥が見られ、悪い結果になった。比較例3、4、
5は、窒素ガスの吹き込み量QNを0.3NL/分にし
た場合であり、いずれもノズル閉鎖が発生し、鋳造の操
業が不安定になった。更に、従来例1と従来例2は、ポ
ーラス耐火物から浸漬ノズル内を通過する溶鋼にアルゴ
ンガスのみを吹き込み、それぞれの吹き込み量QArを
6.0NL/分、10.0NL/分にした場合であり、
いずれもノズル閉鎖がやや詰まり状態になり、アルゴン
ガス気泡に起因する鋳片の気泡が有り、この鋳片を圧延
加工した鋼材の気泡性欠陥にも気泡性欠陥が見られ、悪
い結果になった。
【0019】また、前記した本実施例1〜9の窒素ガス
の吹き込み量QNの内、40重量%をアルゴンガスに置
換し、窒素ガスとアルゴンガスからなる混合気体をポー
ラス耐火物から浸漬ノズル内を通過する溶鋼に吹き込
み、その他の条件を同じにして鋳造したが、いずれの場
合についても良好な結果が得られた。
【0020】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨
を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲であ
る。例えば、鋳型に溶鋼を注湯した際、鋳型内の溶鋼を
電磁攪拌装置を用いて攪拌することができる。更に、窒
素ガス、あるいは窒素ガスとアルゴンガスからなる混合
気体の吹き込みは、浸漬ノズルのポーラス耐火物からの
吹き込みの他に、浸漬ノズルの上流側に設けたタンディ
ッシュに取付けた上ノズルから行うことができ、ポーラ
ス耐火物とタンディッシュのノズルから併用して吹き込
むこともできる。また、不活性ガスとして、窒素ガス
に、アルゴンガスの他のヘリウム等の一般の不活性ガス
を混合して用いることもできる。
【0021】
【発明の効果】請求項1〜4記載の気泡欠陥の少ない鋳
片の連続鋳造方法においては、浸漬ノズルに窒素ガスを
含む不活性ガスを吹き込みながら注湯するので、浸漬ノ
ズルの詰まりを抑制して鋳造作業を安定させ、鋳片に発
生する気泡を抑制することができ、この鋳片を加工した
鋼材に発生する気泡に起因する線状疵や膨れ疵等の鋼材
の気泡欠陥を防止し、鋼材の品質を高めることができ
る。
【0022】特に、請求項2記載の気泡欠陥の少ない鋳
片の連続鋳造方法においては、不活性ガスは、全て窒素
ガスにするので、鋳型内の気泡に含まれる窒素を溶鋼中
に吸収し、気泡を消滅、又は気泡径を縮小して、鋳片に
残存する気泡を少なく、しかも小さくし、この鋳片を加
工した鋼材に発生する気泡に起因する線状疵や膨れ疵等
の鋼材の気泡欠陥を安定して防止し、鋼材の品質をより
高めることができる。
【0023】請求項3記載の気泡欠陥の少ない鋳片の連
続鋳造方法においては、不活性ガスに、アルゴンガスと
窒素ガスの混合気体を用いるので、溶鋼中に吸収された
窒素ガスにより、鋳片を加工した鋼材の機械的強度の変
化を防止し、鋼材の品質を安定化することができる。
【0024】請求項4記載の気泡欠陥の少ない鋳片の連
続鋳造方法においては、窒素ガスを含む不活性ガスの吹
き込み量を0.5NL/分以上にするので、浸漬ノズル
の内面に付着する介在物や地金を抑制し、しかも、溶鋼
中に生成する気泡を最小量にすることができ、鋼材に発
生する気泡欠陥を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る気泡欠陥の少ない
鋳片の連続鋳造方法に適用される連続鋳造装置の全体図
である。
【符号の説明】
10:連続鋳造装置、11:溶鋼、11a:凝固殻、1
2:タンディッシュ、13:鋳型、14:浸漬ノズル、
15:支持セグメント、16:鋳片、17:ピンチロー
ル、18:ポーラス耐火物、19:スリット部、20:
ガス供給管、21:吐出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 楠 伸太郎 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 小西 淳平 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 山崎 泰生 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 Fターム(参考) 4E004 HA01 NC01 4K013 BA07 BA14 CA01 CC01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンディッシュに設けた浸漬ノズルに不
    活性ガスを吹き込みながら、該浸漬ノズルを用いて前記
    タンディッシュ内の溶鋼を鋳型に注湯し、該鋳型での冷
    却と該鋳型の下流側に設けた支持セグメントに付設した
    冷却水ノズルからの散水による冷却によって、前記溶鋼
    を凝固させて鋳片を製造する鋳片の連続鋳造方法におい
    て、前記浸漬ノズルに吹き込む不活性ガスは窒素ガスを
    含むことを特徴とする気泡欠陥の少ない鋳片の連続鋳造
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の気泡欠陥の少ない鋳片の
    連続鋳造方法において、前記不活性ガスは、全て窒素ガ
    スであることを特徴とする気泡欠陥の少ない鋳片の連続
    鋳造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の気泡欠陥の少ない鋳片の
    連続鋳造方法において、前記不活性ガスは、アルゴンガ
    スと窒素ガスの混合気体からなることを特徴とする気泡
    欠陥の少ない鋳片の連続鋳造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の気
    泡欠陥の少ない鋳片の連続鋳造方法において、前記窒素
    ガスを含む不活性ガスの吹き込み量を0.5NL/分以
    上にすることを特徴とする気泡欠陥の少ない鋳片の連続
    鋳造方法。
JP2001177057A 2001-06-12 2001-06-12 気泡欠陥の少ない鋳片の連続鋳造方法 Pending JP2002361378A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100434207C (zh) * 2006-07-21 2008-11-19 江苏兴利来特钢有限公司 薄板坯的连铸装置
WO2019044751A1 (ja) 2017-08-30 2019-03-07 積水化学工業株式会社 水溶性包装用フィルム

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