JP2004283850A - 連続鋳造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】連続鋳造時のスループット量を増加した場合にあってもバルジング発生量の抑制を可能とする、連続鋳造方法について提案する。
【解決手段】タンディッシュからモールド内に供給した溶融金属を、該モールドにて凝固させて連続的に鋳造するに当り、中空状のノズルの先端面にノズル軸方向に開口する下向き吐出孔を有すると共に、ノズル先端近傍の周面の円周等分2箇所に開口する横向き吐出孔を有する浸漬ノズルを介して、タンディッシュ内の溶融金属をモールド内へ注入する。
【選択図】 図3
【解決手段】タンディッシュからモールド内に供給した溶融金属を、該モールドにて凝固させて連続的に鋳造するに当り、中空状のノズルの先端面にノズル軸方向に開口する下向き吐出孔を有すると共に、ノズル先端近傍の周面の円周等分2箇所に開口する横向き吐出孔を有する浸漬ノズルを介して、タンディッシュ内の溶融金属をモールド内へ注入する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タンディッシュからモールド内に供給した溶融金属を、該モールドにて凝固させて連続的に鋳造を行う連続鋳造方法において、特に、モールド内の溶融金属の流動を適正化してモールド短辺におけるバルジングの発生を抑制した連続鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
溶融金属、その典型例である溶鋼の連続鋳造においては、さらなる生産性の向上を目的として、鋳込速度を上昇することが検討されている。その際に問題となるのは、主にモールドの短辺側に対応する鋳片側面に発生する膨れ、いわゆる短辺バルジング(以下、単に「バルジング」と略記する)であり、このバルジングは、連続鋳造中のブレークアウトの原因にもなるほか、鋳片における欠陥となって残り、後工程でハンドリング不良を引き起こしたりするため、その抑制は必須である。
【0003】
ここで、連続鋳造中のバルジングの発生量は、鋳込速度よりも、むしろ溶鋼のスループット量に依存すると考えられている。すなわち、スループット量の増大により、モールド短辺側に向かう溶鋼の流量が増大し、鋳造の初期段階で形成されるシェルの再溶解が起こってシェル厚みが減少し、バルジング量が大きくなるものと考えられている。そこで、従来は、このスループット量に制限を設けて操業を行っていたが、この操業方法では、当然、鋳込速度の増加ひいては生産性の向上を図ることは難しい。
【0004】
そこで、バルジング量を抑制するために、短辺側の冷却水量をアップすることを試みたが、バルジングの抑制にはほとんど効果が認められなかった。また、浸漬ノズルとしてストレートノズルを用いる試みもある(例えば、特許文献1参照)が、この方法では、短辺側のバルジングは抑制できるものの、逆に下降流が強過ぎて、長辺側のバルジング量の増大やブレークアウトを引き起こすため好ましくない。
【0005】
【特許文献1】特開2002−210547号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来の技術においては、鋳造速度を上げて生産性の向上を図ることは難しく、スループット量を増加しても、バルジングの発生を抑制できる技術が求められていた。
【0007】
本発明の目的は、連続鋳造時のスループット量を増加した場合にあっても、バルジング発生量の抑制を可能とする連続鋳造方法について提案することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述したように、浸漬ノズルからのスループット量を増加するとバルジングが大きくなる理由は、スループットの増加によってモールドの短辺側内壁に衝突する溶鋼流が大きくなって、初期の凝固シェル厚みが薄くなるからである。そこで、発明者らは、スループット量とバルジング発生量との関係に及ぼす浸漬ノズルの影響について鋭意究明したところ、浸漬ノズルの吐出孔を工夫することによって、バルジングの発生を抑制し得ることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0009】
すなわち、本発明は、タンディッシュからモールド内に供給した溶融金属を、該モールドにて凝固させて連続的に鋳造するに当り、中空状のノズルの先端面にノズル軸方向に開口する下向き吐出孔を有すると共に、ノズル先端近傍の周面の等分2箇所に開口する横向き吐出孔を有する浸漬ノズルを介して、タンディッシュ内の溶融金属をモールド内へ注入することを特徴とする連続鋳造方法である。
【0010】
ここに、前記浸漬ノズルとしては、下向き吐出孔の開口面積と横向き吐出孔の全開口面積との比が0.03〜0.41であるものを用いることが、バルジングの抑制に有利である。同様に、モールド内の溶融金属に対して直流型の電磁制動を付与することも有効である。
【0011】
【発明の実施の形態】
さて、従来のモールド内への溶鋼の供給は、図1に示すように、モールド1の短辺に向けて、それぞれ開口させた2個の吐出孔2aおよび2bを周面の等分2箇所に有する浸漬ノズル2を、モールド1内の中央部に挿入し、吐出孔2aおよび2bから溶鋼をモールド1内へ注入して行われるのが一般的である。この溶鋼の吐出流3は、モールド1の短辺内壁に衝突して上方および下方に向かう溶鋼流を形成する。その際、スループット量を増加すると、吐出孔2aおよび2bからモールド1の短辺内壁に衝突する流れが強くなって、凝固シェル4が再溶解されて厚みが薄くなり、強度が低下する結果、バルジング量が増大する。
【0012】
このような技術的背景の下、浸漬ノズルの吐出孔について検討したところ、図2に示すように、横向きの吐出孔2aおよび2bに加えて、ノズル先端面にノズル軸方向下向きに開口する下向き吐出孔2cを追加することによって、バルジング量の増大を抑制できることを新たに見出した。
【0013】
すなわち、図3に、従前の吐出孔2aおよび2bを備える2孔ノズル(図1参照)と、この2孔ノズルに下向き吐出孔を追加した3孔ノズル(図2参照)とを用いて珪素鋼を連続鋳造した時の、スループット量とバルジング発生量との関係を調査した結果を示す。なお、図3では、スループット量は、3t/minを1とするスループット比で表した。また、バルジング量は、2孔ノズルを使用し、スループット比=1の時のバルジング量を1とするバルジング指数で表し、指数2を、許容基準とした。ここで、上記バルジング量とは、図4に示す片側短辺のバルジング量Xのことである。
上記実験に用いた2孔ノズルおよび3孔ノズルの仕様は下記の通りである。
記
〔2孔ノズル〕
・吐出孔2a,2bの開口面積:78mm×78mm×2孔(12168mm2)
〔3孔ノズル〕
・吐出孔2a,2bの開口面積:78mm×78mm×2孔(12168mm2)
・下向き吐出孔2cの開口面積:30φ(707mm2)〜60φ(2826mm2)
【0014】
図3から、従来の2孔ノズルでは、スループット比が1.6を超えると、バルジング指数が最大3を超える値が発生しているのに対し、本発明の3孔ノズルを用いることによって、スループット比を1.9に増加した場合にあっても、バルジング指数の最大は1.8程度であり、その指数が2の許容範囲内に収まることが明らかである。ここで、下向き吐出孔を追加することによってバルジングの発生が抑制される理由は、同一スループット量で比較した場合、従来の横向き吐出孔のみの2孔ノズルと比較して、本発明の下向き吐出孔と横向き吐出孔とを有する3孔ノズルの方が、モールド短辺に向かう溶鋼流量を小さく抑えられるため、凝固シェルの再溶解が抑制されたためと考えられる。
【0015】
次に、下向き吐出孔の開口面積と横向き吐出孔の開口面積との関係について調査したところ、下向き吐出孔の開口面積と横向き吐出孔の全開口面積との比(下向き吐出孔の開口面積/横向き吐出孔の全開口面積)が0.03〜0.41、より好ましくは0.16〜0.23であるものを用いることが、バルジングのさらなる抑制に有効であることが判明した。すなわち、上記比が0.03未満では、下向き吐出孔を追加した効果を十分に得ることが難しく、一方、0.41を超えると溶鋼の下向流が強くなり過ぎ、モールド長辺側に形成される凝固シェルの部分的な再溶解が起こって、ブレークアウトを誘発する虞があるからである。
【0016】
さらに、モールド内の溶融金属に対して直流型の電磁制動を付与することが、短辺への衝突流を抑制する点から有利である。すなわち、溶鋼の連続鋳造において、直流型の電磁制動は、溶鋼流動の制動に対して有効であることが知られている。そこで、本発明は、短辺のバルジングには、短辺への衝突流速が大きく影響するという観点から、この衝突流に直流型の電磁制動を適用した結果、バルジングの発生を効果的に抑制できることを見出した。上記効果を得るためには、電磁制動は、300mT以上で行うことが好ましい。
【0017】
【実施例】
表1に示す種々の下向と横向の開口面積比を有する浸漬ノズルを用いて、表1に併記したスループット比の下に珪素鋼を連続鋳造して、厚さ:220mm、幅:1250〜1350mmの鋳片(スラブ)を製造し、該連続鋳造鋳片におけるバルジングの発生量Xを測定し、先述した基準でバルジング指数を求めた。なお、下向と横向の開口面積比の調整は、下向き吐出孔だけでなく、横向き吐出孔の大きさも変化させて行った。結果を表1に併記した。なお、鋳造時のモールド内への浸漬ノズルの挿入深さ(メニスカス〜横向き吐出孔上端)は200〜285mmの範囲に制御した。
表1の結果から、本発明のノズルを使用した場合には、スループット量を増やしてもバルジング量を小さく抑制できることがわかる。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、連続鋳造時のスループット量を増加した場合にあってもバルジング発生量の抑制が可能であるから、バルジングの発生を懸念することなく、鋳込速度の上昇、ひいては生産性の向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の2孔ノズルを用いてモールド内へ溶鋼を注入している図である。
【図2】本発明の浸漬ノズル(3孔ノズル)を示す断面図である。
【図3】2孔ノズルと3孔ノズルを用いて連続鋳造した時のスループット比とバルジング指数との関係を示す図である。
【図4】鋳片におけるバルジング量を定義する図である。
【符号の説明】
1:モールド短辺
2:浸漬ノズル
2a,2b:横向き吐出口
2c:下向き吐出口
3:吐出流
4:凝固シェル
【発明の属する技術分野】
本発明は、タンディッシュからモールド内に供給した溶融金属を、該モールドにて凝固させて連続的に鋳造を行う連続鋳造方法において、特に、モールド内の溶融金属の流動を適正化してモールド短辺におけるバルジングの発生を抑制した連続鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
溶融金属、その典型例である溶鋼の連続鋳造においては、さらなる生産性の向上を目的として、鋳込速度を上昇することが検討されている。その際に問題となるのは、主にモールドの短辺側に対応する鋳片側面に発生する膨れ、いわゆる短辺バルジング(以下、単に「バルジング」と略記する)であり、このバルジングは、連続鋳造中のブレークアウトの原因にもなるほか、鋳片における欠陥となって残り、後工程でハンドリング不良を引き起こしたりするため、その抑制は必須である。
【0003】
ここで、連続鋳造中のバルジングの発生量は、鋳込速度よりも、むしろ溶鋼のスループット量に依存すると考えられている。すなわち、スループット量の増大により、モールド短辺側に向かう溶鋼の流量が増大し、鋳造の初期段階で形成されるシェルの再溶解が起こってシェル厚みが減少し、バルジング量が大きくなるものと考えられている。そこで、従来は、このスループット量に制限を設けて操業を行っていたが、この操業方法では、当然、鋳込速度の増加ひいては生産性の向上を図ることは難しい。
【0004】
そこで、バルジング量を抑制するために、短辺側の冷却水量をアップすることを試みたが、バルジングの抑制にはほとんど効果が認められなかった。また、浸漬ノズルとしてストレートノズルを用いる試みもある(例えば、特許文献1参照)が、この方法では、短辺側のバルジングは抑制できるものの、逆に下降流が強過ぎて、長辺側のバルジング量の増大やブレークアウトを引き起こすため好ましくない。
【0005】
【特許文献1】特開2002−210547号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来の技術においては、鋳造速度を上げて生産性の向上を図ることは難しく、スループット量を増加しても、バルジングの発生を抑制できる技術が求められていた。
【0007】
本発明の目的は、連続鋳造時のスループット量を増加した場合にあっても、バルジング発生量の抑制を可能とする連続鋳造方法について提案することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述したように、浸漬ノズルからのスループット量を増加するとバルジングが大きくなる理由は、スループットの増加によってモールドの短辺側内壁に衝突する溶鋼流が大きくなって、初期の凝固シェル厚みが薄くなるからである。そこで、発明者らは、スループット量とバルジング発生量との関係に及ぼす浸漬ノズルの影響について鋭意究明したところ、浸漬ノズルの吐出孔を工夫することによって、バルジングの発生を抑制し得ることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0009】
すなわち、本発明は、タンディッシュからモールド内に供給した溶融金属を、該モールドにて凝固させて連続的に鋳造するに当り、中空状のノズルの先端面にノズル軸方向に開口する下向き吐出孔を有すると共に、ノズル先端近傍の周面の等分2箇所に開口する横向き吐出孔を有する浸漬ノズルを介して、タンディッシュ内の溶融金属をモールド内へ注入することを特徴とする連続鋳造方法である。
【0010】
ここに、前記浸漬ノズルとしては、下向き吐出孔の開口面積と横向き吐出孔の全開口面積との比が0.03〜0.41であるものを用いることが、バルジングの抑制に有利である。同様に、モールド内の溶融金属に対して直流型の電磁制動を付与することも有効である。
【0011】
【発明の実施の形態】
さて、従来のモールド内への溶鋼の供給は、図1に示すように、モールド1の短辺に向けて、それぞれ開口させた2個の吐出孔2aおよび2bを周面の等分2箇所に有する浸漬ノズル2を、モールド1内の中央部に挿入し、吐出孔2aおよび2bから溶鋼をモールド1内へ注入して行われるのが一般的である。この溶鋼の吐出流3は、モールド1の短辺内壁に衝突して上方および下方に向かう溶鋼流を形成する。その際、スループット量を増加すると、吐出孔2aおよび2bからモールド1の短辺内壁に衝突する流れが強くなって、凝固シェル4が再溶解されて厚みが薄くなり、強度が低下する結果、バルジング量が増大する。
【0012】
このような技術的背景の下、浸漬ノズルの吐出孔について検討したところ、図2に示すように、横向きの吐出孔2aおよび2bに加えて、ノズル先端面にノズル軸方向下向きに開口する下向き吐出孔2cを追加することによって、バルジング量の増大を抑制できることを新たに見出した。
【0013】
すなわち、図3に、従前の吐出孔2aおよび2bを備える2孔ノズル(図1参照)と、この2孔ノズルに下向き吐出孔を追加した3孔ノズル(図2参照)とを用いて珪素鋼を連続鋳造した時の、スループット量とバルジング発生量との関係を調査した結果を示す。なお、図3では、スループット量は、3t/minを1とするスループット比で表した。また、バルジング量は、2孔ノズルを使用し、スループット比=1の時のバルジング量を1とするバルジング指数で表し、指数2を、許容基準とした。ここで、上記バルジング量とは、図4に示す片側短辺のバルジング量Xのことである。
上記実験に用いた2孔ノズルおよび3孔ノズルの仕様は下記の通りである。
記
〔2孔ノズル〕
・吐出孔2a,2bの開口面積:78mm×78mm×2孔(12168mm2)
〔3孔ノズル〕
・吐出孔2a,2bの開口面積:78mm×78mm×2孔(12168mm2)
・下向き吐出孔2cの開口面積:30φ(707mm2)〜60φ(2826mm2)
【0014】
図3から、従来の2孔ノズルでは、スループット比が1.6を超えると、バルジング指数が最大3を超える値が発生しているのに対し、本発明の3孔ノズルを用いることによって、スループット比を1.9に増加した場合にあっても、バルジング指数の最大は1.8程度であり、その指数が2の許容範囲内に収まることが明らかである。ここで、下向き吐出孔を追加することによってバルジングの発生が抑制される理由は、同一スループット量で比較した場合、従来の横向き吐出孔のみの2孔ノズルと比較して、本発明の下向き吐出孔と横向き吐出孔とを有する3孔ノズルの方が、モールド短辺に向かう溶鋼流量を小さく抑えられるため、凝固シェルの再溶解が抑制されたためと考えられる。
【0015】
次に、下向き吐出孔の開口面積と横向き吐出孔の開口面積との関係について調査したところ、下向き吐出孔の開口面積と横向き吐出孔の全開口面積との比(下向き吐出孔の開口面積/横向き吐出孔の全開口面積)が0.03〜0.41、より好ましくは0.16〜0.23であるものを用いることが、バルジングのさらなる抑制に有効であることが判明した。すなわち、上記比が0.03未満では、下向き吐出孔を追加した効果を十分に得ることが難しく、一方、0.41を超えると溶鋼の下向流が強くなり過ぎ、モールド長辺側に形成される凝固シェルの部分的な再溶解が起こって、ブレークアウトを誘発する虞があるからである。
【0016】
さらに、モールド内の溶融金属に対して直流型の電磁制動を付与することが、短辺への衝突流を抑制する点から有利である。すなわち、溶鋼の連続鋳造において、直流型の電磁制動は、溶鋼流動の制動に対して有効であることが知られている。そこで、本発明は、短辺のバルジングには、短辺への衝突流速が大きく影響するという観点から、この衝突流に直流型の電磁制動を適用した結果、バルジングの発生を効果的に抑制できることを見出した。上記効果を得るためには、電磁制動は、300mT以上で行うことが好ましい。
【0017】
【実施例】
表1に示す種々の下向と横向の開口面積比を有する浸漬ノズルを用いて、表1に併記したスループット比の下に珪素鋼を連続鋳造して、厚さ:220mm、幅:1250〜1350mmの鋳片(スラブ)を製造し、該連続鋳造鋳片におけるバルジングの発生量Xを測定し、先述した基準でバルジング指数を求めた。なお、下向と横向の開口面積比の調整は、下向き吐出孔だけでなく、横向き吐出孔の大きさも変化させて行った。結果を表1に併記した。なお、鋳造時のモールド内への浸漬ノズルの挿入深さ(メニスカス〜横向き吐出孔上端)は200〜285mmの範囲に制御した。
表1の結果から、本発明のノズルを使用した場合には、スループット量を増やしてもバルジング量を小さく抑制できることがわかる。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、連続鋳造時のスループット量を増加した場合にあってもバルジング発生量の抑制が可能であるから、バルジングの発生を懸念することなく、鋳込速度の上昇、ひいては生産性の向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の2孔ノズルを用いてモールド内へ溶鋼を注入している図である。
【図2】本発明の浸漬ノズル(3孔ノズル)を示す断面図である。
【図3】2孔ノズルと3孔ノズルを用いて連続鋳造した時のスループット比とバルジング指数との関係を示す図である。
【図4】鋳片におけるバルジング量を定義する図である。
【符号の説明】
1:モールド短辺
2:浸漬ノズル
2a,2b:横向き吐出口
2c:下向き吐出口
3:吐出流
4:凝固シェル
Claims (3)
- タンディッシュからモールド内に供給した溶融金属を、該モールドにて凝固させて連続的に鋳造するに当り、中空状のノズルの先端面にノズル軸方向に開口する下向き吐出孔を有すると共に、ノズル先端近傍の周面の等分2箇所に開口する横向き吐出孔を有する浸漬ノズルを介して、タンディッシュ内の溶融金属をモールド内へ注入することを特徴とする連続鋳造方法。
- 請求項1において、下向き吐出孔の開口面積と横向き吐出孔の全開口面積との比が0.03〜0.41である浸漬ノズルを用いることを特徴とする連続鋳造方法。
- 請求項1または2において、モールド内の溶融金属に対して直流型の電磁制動を付与することを特徴とする連続鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003076956A JP2004283850A (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | 連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003076956A JP2004283850A (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | 連続鋳造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004283850A true JP2004283850A (ja) | 2004-10-14 |
Family
ID=33291841
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003076956A Pending JP2004283850A (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | 連続鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004283850A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007237268A (ja) * | 2006-03-10 | 2007-09-20 | Jfe Steel Kk | 鋼の高速鋳造方法 |
KR101170673B1 (ko) | 2010-01-18 | 2012-08-03 | 조선내화 주식회사 | 주조용 침지노즐 및 이를 포함하는 연속 주조 장치 |
JP2012183568A (ja) * | 2011-03-07 | 2012-09-27 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 連続鋳造用浸漬ノズル及び連続鋳造方法 |
-
2003
- 2003-03-20 JP JP2003076956A patent/JP2004283850A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007237268A (ja) * | 2006-03-10 | 2007-09-20 | Jfe Steel Kk | 鋼の高速鋳造方法 |
KR101170673B1 (ko) | 2010-01-18 | 2012-08-03 | 조선내화 주식회사 | 주조용 침지노즐 및 이를 포함하는 연속 주조 장치 |
JP2012183568A (ja) * | 2011-03-07 | 2012-09-27 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 連続鋳造用浸漬ノズル及び連続鋳造方法 |
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