JP2003033847A - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents
鋼の連続鋳造方法Info
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Abstract
内部品質の優れた鋳片を得ることができ、また品質を低
下させることなく鋳造速度もより大きくすることができ
る鋼の連続鋳造方法を提供すること。 【解決手段】 浸漬ノズル1より溶湯を鋳型10内へ注
入する鋼の連続鋳造方法において、ノズル1の内部に設
けた螺旋状の旋廻羽根5により溶湯を旋廻させつつ下方
へ流下させるとともに、ノズル1の下端部に設けた鋳片
巾方向に長いスリット状の吐出孔2より溶湯を吐出させ
ることにより、溶湯を巾方向全体に均一に分散しつつ鋳
型内へ注入するようにした。
Description
正化することで表面および内部品質の優れた鋳片を得る
ことができ、また品質を低下させることなく鋳造速度も
より大きくすることができる鋼の連続鋳造方法に関する
ものである。
〜図5に示されるような、1対(2孔)の吐出孔2、2
を備えた浸漬ノズル1を用いることは広く知られてい
る。また浸漬ノズル内部からArガスを吹込むことで溶
鋼中の非金属介在物の鋳型内での浮上を促進させること
も一般的である。この場合、吐出孔2からの溶湯の流れ
は鋳型10の短辺側シェルへ衝突し、反転流と呼ばれる
上向きの流れと、浸透流と呼ばれる下降流に分岐する。
反転流は湯面部において短辺から浸漬ノズル1に向かう
流れとなり、浸漬ノズル付近では再度下向きの流れに転
ずる。この下向きの流れが形成された部分では、溶湯中
の介在物が凝固シェル3に捕捉されやすくなり、鋳片表
面の介在物欠陥を発生させるおそれがあるという問題点
があった。
吐出孔2からの流量差が発生し、片側の吐出流が強くな
る偏流とよばれる現象が発生する場合もあった。この偏
流が発生すると、反転流が大きくなり湯面パウダー層3
におけるパウダー巻込みが発生し、鋳片表面に捕捉され
た場合には表面欠陥となり、内部に持ち込まれた場合に
は内部欠陥となるという問題点があった。また、浸透流
によって溶鋼中に分散する介在物が内部に持ち込まれ鋳
片内部の介在物欠陥となるという問題点もあった。
深さが大きくなり、内部欠陥が発生しやくなる。また、
浸透流は巾方向中央部付近にArガスと共に上昇してく
るが、下向きの反転流および浸漬ノズル自体において上
昇流が干渉を受け、浸漬ノズル1の下部において流れが
停滞し、この結果、前記流れの淀みにより、上昇流と共
に浮上してきた介在物が凝固シェル4に捕捉されて集積
しやすくなるという問題点もあった。一方、これらの表
面欠陥や内部欠陥は、偏流が発生しなくても溶鋼注入量
が大きいほど発生しやすく、鋳片に要求される品質が厳
格なものに対しては鋳造速度の上限規制を受けるという
問題点もあった。
して、図6に示されるように、浸漬ノズル1の下端にス
リット状の開孔部2を設けて、反転流および浸透流の流
速を低減する方法が知られている。この方法では反転流
の巾中央部での下降流速の低減や浸透流速が低減され、
浸漬ノズル下部の淀みについても解消することが可能で
あり、表面・内部ともに2孔ノズルタイプのものに比べ
て改善できる。しかしながら、浸漬ノズルの廻りにAr
ガスと共に局所的に上昇する反転流が形成されるため、
ノズル1の廻りでのパウダー巻込みによる表面欠陥の発
生や、逆に短辺付近で下降流が形成されるため表層への
介在物捕捉が発生しやすくなるという問題点があった。
一方、内部欠陥の面からも浸透流がノズル下部に抜けた
り、流れの不安定さから偏流が発生しやすいために、浸
透深さが充分には低減できないという問題点もあった。
従来の問題点を解決して、吐出流を鋳型巾方向および鋳
造方向に偏流を発生させることなく均一に分散させるこ
とにより、湯面付近には緩やかで均一な上昇流を形成さ
せ、かつ浸漬ノズル下部の溶鋼流の淀みを防止して、鋳
片の表面および内部に欠陥のない高品質な製品を生産す
ることができ、また鋳造速度の制限を受けることがなく
高速鋳造を実現することができる鋼の連続鋳造方法を提
供することを目的として完成されたものである。
めになされた本発明の鋼の連続鋳造方法は、浸漬ノズル
より溶湯を鋳型内へ注入する鋼の連続鋳造方法におい
て、ノズルの内部に設けた螺旋状の旋廻羽根により溶湯
を旋廻させつつ下方へ流下させるとともに、ノズルの下
端部に設けた鋳片巾方向に長いスリット状の吐出孔より
溶湯を吐出させることにより、溶湯を巾方向全体に均一
に分散しつつ鋳型内へ注入することを特徴とするもので
ある。
場を印加して吐出流を減衰させるようにすることも好ま
しい。
の好ましい実施の形態を示す。図面は、上部にあるタン
ディッシュ(図示せず)から浸漬ノズル1を介して溶湯
を鋳型10内へ注入する工程を示すものであり、本発明
の鋼の連続鋳造においては、前記ノズル1の内部に設け
た螺旋状の旋廻羽根5により溶湯を旋廻させつつ下方へ
流下させるとともに、下端部に設けた鋳片巾方向に長い
スリット状の吐出孔2より溶湯を吐出させることによ
り、溶湯を巾方向全体に均一に分散しつつ鋳型内へ注入
する点に特徴を有するものである。このように、浸漬ノ
ズル1の内部に設置した旋回羽根5により溶湯の流れに
旋回を付与することと、ノズル下端に設けた巾方向に長
いスリット状の吐出孔2を組み合わせることにより、溶
湯の吐出流を下向きでかつ巾方向全体に均一に分散させ
るのである。
に、浸漬ノズル1のほぼ中央部内側に設けられるもので
あり、これによって吐出した溶湯流に偏流を発生させる
ことなく適正なものに制御することができる。なお前記
旋回羽根5の羽根の旋廻角度、設置位置、羽根の断面積
等については、最適条件になるよう適宜設計することが
望ましい。
うに、浸漬ノズル1の下端部において鋳片巾方向に設け
られる長いスリット状のものであり、旋回流の遠心力を
活用することで効果的に溶湯を巾方向全体に均一に分散
しつつ鋳型内へ注入することができる。更に詳述する
と、スリット状の吐出孔2は以下のような作用を奏す
る。 反転流が、短辺側やノズル廻りといった局所的な部位
から上昇しないため、浸漬ノズル内に吹込まれるArガ
スによって巾方向全体に均一で緩やかな上昇流が形成さ
れる。この結果、浮上してきた介在物が凝固界面に捕捉
されにくく、まだパウダー層3中に確実に吸収されて系
外へ排出されやすくなり、表面欠陥の発生を大きく低減
することが可能となる。なお、下部に円形の孔などを持
つ単孔ノズル(巾方向に長くない)の場合には、旋回羽
根5を用いても十分に分散せず、湯面付近のノズル廻り
では上昇流、短辺付近では下降流となってしまうという
欠点があるが、スリット形状にすることで均一に分散さ
せることを可能にする。 従来の2孔ノズルタイプのように、ノズル下部での溶
湯流の淀みの発生を防止することができ、また巾中央の
介在物集積も的確に防止することができる。 図7、図8はそれぞれ湯面から鋳造方向に50mmお
よび1000mmの位置での凝固界面での上下方向の溶
湯流速を測定した結果を示すものである。なお、鋳造巾
1300mm、厚み250mm、鋳造速度1.6m/分という条件であ
り、旋回羽根は120°のひねり角度のものを用いた。図
7〜図8の流速のグラフからも明らかなように、反転流
速および浸透流速を、巾方向に均一なものとすることが
でき、かつ低減することが確認できた。
に設置した旋回羽根5により溶湯の流れに旋回を付与す
ることと、ノズル下端に設けた巾方向に長いスリット状
の吐出孔2を組み合わせることにより、後述する実施例
から明らかなとおり理想的な鋳型内溶湯流動を実現して
介在物の確実な捕捉と巻込みの低減、また表面欠陥、内
部欠陥の大幅な削減等を可能にする。
(2.5ton/分)の速度規制をしていたものを1.6m/分(4.0
ton/分)で鋳造しても、同等の内部欠陥レベルのものを
得ることが可能で、表面品位はむしろ改善することも確
認できた。また、図3に示されるように、ノズルの吐出
孔2より下方位置で静磁場発生用の電磁ブレーキ装置装
置6により静磁場を印加して吐出流を減衰させるように
することもできる。例えば、2.0m/分以上の高速鋳造を
行う場合には浸透流速が増加するが、浸漬ノズルよりも
下部に電磁ブレーキ装置6を設置し浸透流速を1.6m/分
相当に低減すれば、容易に1.6m/分相当の品質の鋳片を
製造することが可能である。
上部に電磁攪拌を施す場合においても、本発明により湯
面付近の巾方向全体にわたり均一で緩やかな上昇流が形
成できることから、電磁攪拌の効果を従来以上に効果的
に発揮させることもできる。また吐出孔2は、図2に示
されるように、下端の開口スリットを鋳造巾方向に長
く、かつ巾方向の側面まで繋がっているものとすること
がより好ましい。
陥の発生率を調べた結果を表1に示す。また、ノズル下
端にスリット状吐出孔のない場合、および旋廻羽根のな
い場合、およびそれらの組み合わせ等を比較例1〜4と
して示す。 鋼種:低炭素アルミキルド鋼 鋳造サイズ:巾1200−1300mm、厚み245m
m 吐出孔:両サイドを下向き45°の吐出孔で巾25mm
のスリットを連通 旋回羽根:長さ100mmで120°のひねり角度
面付近は巾方向に均一な上昇流が得られた結果、巾中
央、コーナー付近とも欠陥発生率が大幅に改善され、か
つ内部欠陥に対しても巾方向に均一に浸透流を低減した
結果、更に大きな改善効果が得られることが確認でき
た。更に、溶鋼注入量の大きい2.0m/分以上の高速鋳造
においても、鋳型下部に静磁場を印加することにより、
表面欠陥を損なうことなく内部欠陥も良好な鋳片を得る
ことが可能なことも確認できた。一方、スリットのみの
設置で旋回羽根のない比較例3では、巾中心部の表面欠
陥は上昇流によりむしろ改善しているが、コーナー付近
では下降流が発生するため、ほとんど改善がみられない
ものであった。
を鋳型巾方向および鋳造方向に偏流を発生させることな
く均一に分散させることにより、湯面付近には緩やかで
均一な上昇流を形成させ、かつ浸漬ノズル下部の溶鋼流
の淀みを防止して、鋳片の表面および内部に欠陥のない
高品質な製品を生産することができ、また鋳造速度の制
限を受けることがなく高速鋳造を実現することができる
ものである。よって本発明は従来の問題点を一掃した鋼
の連続鋳造方法として、産業の発展に寄与するところは
極めて大である。
図、(c)はその底面図である。
はその側面図である。
方向の溶湯流速を示すグラフである。
上下方向の溶湯流速を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 浸漬ノズルより溶湯を鋳型内へ注入する
鋼の連続鋳造方法において、ノズルの内部に設けた螺旋
状の旋廻羽根により溶湯を旋廻させつつ下方へ流下させ
るとともに、ノズルの下端部に設けた鋳片巾方向に長い
スリット状の吐出孔より溶湯を吐出させることにより、
溶湯を巾方向全体に均一に分散しつつ鋳型内へ注入する
ことを特徴とする鋼の連続鋳造方法。 - 【請求項2】 ノズルの吐出孔より下方位置で静磁場を
印加して吐出流を減衰させるようにした請求項1に記載
の鋼の連続鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001219252A JP2003033847A (ja) | 2001-07-19 | 2001-07-19 | 鋼の連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001219252A JP2003033847A (ja) | 2001-07-19 | 2001-07-19 | 鋼の連続鋳造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003033847A true JP2003033847A (ja) | 2003-02-04 |
Family
ID=19053286
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001219252A Pending JP2003033847A (ja) | 2001-07-19 | 2001-07-19 | 鋼の連続鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003033847A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012183568A (ja) * | 2011-03-07 | 2012-09-27 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 連続鋳造用浸漬ノズル及び連続鋳造方法 |
WO2019235613A1 (ja) * | 2018-06-07 | 2019-12-12 | 日本製鉄株式会社 | 薄スラブ鋳造における鋳型内流動制御装置および鋳型内流動制御方法 |
CN112105469A (zh) * | 2018-07-17 | 2020-12-18 | 日本制铁株式会社 | 铸模设备及连续铸造方法 |
-
2001
- 2001-07-19 JP JP2001219252A patent/JP2003033847A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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