JP3426117B2 - 溶鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

溶鋼の連続鋳造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明方法は、溶鋼の連続鋳
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造においては、周知のごとく鋳型
内ヘ浸漬ノズルを介して溶鋼を連続的に注入し、連続的
に鋳片として引き抜くものである。しかして、注入溶鋼
の注入角度(吐出角度)としては、製品欠陥の原因とな
る非金属介在物の持ち込み(混入)を低減すること、鋳
型内溶鋼メニスカスでの溶鋼表面の薄膜状凝固(一般に
皮張りという)を防止するための熱供給等の観点から決
定される。特に、鋳片引き抜き速度が約0.5m/mi
n以下の低速鋳造においては、鋳型内溶鋼表面の皮張り
を防止して操業を安定化するとともに、製品の材質劣化
を防止するため注入溶鋼を鋳型内溶鋼表面方向へ注入す
ることが行われている。例えば、大断面鋳片を低速鋳造
する場合に、鋳型内へ溶鋼を短時間に行き渡らせること
によりメニスカスの皮張りを防止するために、浸漬ノズ
ルからの溶鋼吐出方向を上向き5〜30°にすることが
特開平8−206798号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】連続鋳造方法において
は、鋳型内へ注入した溶鋼は、鋳型によって溶鋼外周か
ら徐々に内部へ冷却凝固され外周は凝固層になり、その
内側に凝固と溶鋼が混在する固溶共存層が生成し、この
固溶共存層の内側(中央部)は溶鋼層(域)になってい
る。ここで固溶共存層とは固相率0.3以上0.7以下
の範囲の層と定義する。このような固溶共存層中のデン
ドライト状結晶は、注入溶鋼流の衝突によって分断され
隣接する溶鋼層へ混入して鋳造鋳片内に残留することに
なり、混入する分断デンドライト状結晶が大きいと、圧
延後の製品材質を損う等の難点をともなうことになる。
しかして、前記のごとく鋳型内溶鋼表面部へ向けて溶鋼
を注入すると、溶鋼表面部の皮張りを防止することはで
きるが、上記のような固溶共存層の層厚が厚くなった部
位に注入溶鋼が衝突すると、大きな分断デンドライト状
結晶が溶鋼層へ混入して、結晶粒の一部として凝固組織
を粗大化して材質を劣化する等の課題がある。本発明方
法は、このような課題を有利に解決するためなされたも
のであり、上記のごとき鋳片の凝固組織内の粗大結晶粒
の形成を防止するとともに、製品材質を満足することの
できる微細な凝固組織を得るために、注入溶鋼流により
分断されるデンドライトによる材質不良が生じない程度
に小さくすることのできる溶鋼の連続鋳造方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明方法の特徴とする
ところは、鋳造速度を0.50m/min以下の低速と
したうえに、鋳型内鋳片中に生成する固溶共存層厚3m
m以下の部位へ注入溶鋼を指向注入してデンドライト状
結晶を分断することにより、凝固組織を微細化すること
を特徴とする溶鋼の連続鋳造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】図1に示すごとく、連続鋳造方法
は、鋳型1、1a内に浸漬ノズル2を介して吐出孔3、
3aから溶鋼を注入し、鋳型1、1aにより注入溶鋼を
冷却して外周に凝固層4、その内側に固溶共存層5、こ
の固溶共存層5内側(中央部)に溶鋼層6からなる鋳片
7として鋳込みつつ、鋳型1、1aから鋳片7を引き抜
き、次いで2次冷却して所定寸法に切断するものであ
る。
【0006】しかして、本発明方法においては、鋳型
1、1a内への浸漬ノズル2吐出孔3、3aからの注入
溶鋼流を固溶共存層5の層厚Lが3mm以下と薄い部位
へ指向注入する。かくして、注入溶鋼流によって固溶共
存層5が分断され隣接する溶鋼層6へ混入しても層厚3
mm以下と小さいため、溶鋼層6凝固後の凝固組織内で
の粗大結晶粒への成長を確実に防止して、微細結晶粒に
とどまり、材質の劣化を防止することができるものであ
る。固溶共存層5の一部は、鋳型1、1aの下部への移
動(引き抜き)に従い、冷却により層厚が厚くなること
から鋳造速度が低速になる程(例えば、鋳片引き抜き速
度0.5m/min以下)、注入溶鋼流を水平方向また
は、若干上向きにすることによって、正確に固溶共存層
5の層厚が3mm以下の部位へ指向注入することができ
る。
【0007】固溶共存層5厚3mm以下の部位へ正確に
注入溶鋼流を位置させる、鋳造速度と注入溶鋼流角度の
関係は、例えば図2に示すごとき適正領域となる。(溶
鋼成分%、C:0.15、Mn:0.5、Si:0.2
5、P≦0.023、S≦0.023、残りFeおよび
不純物、溶鋼温度:1540℃、注入溶鋼位置:鋳型内
溶鋼メニスカスから220mm下部、注入溶鋼量:約1
t/min、鋳片引き抜き速度:0.16m/min、
鋳片厚:400mm、鋳造形態:垂直鋳造)
【0008】このようにして、鋳造した鋳片内の結晶粒
径と注入溶鋼流角度の関係は、図3に示すごとく注入溶
鋼流角度が下向き20°の場合には、生成する結晶粒径
が鋳片の1/4厚み部で約4.5mmであるのに対し
て、注入溶鋼流角度が0°(水平)の場合には、結晶粒
径が約2.6mmと微細な凝固組織となっている。ま
た、注入溶鋼流角度と製品(鋳片圧延後)の絞り率(材
質)との関係は、図4に示すごとく注入溶鋼流角度が0
°(水平)の場合には、絞り率40〜60%と材質が良
好であるのに対して、注入溶鋼流角度が下向き20°の
場合には、絞り率約40%未満となり材質が劣化する。
【0009】このように注入溶鋼流角度が下向き20°
であると、固溶共存層厚が3mm超と厚い部位へ注入溶
鋼流が衝突して分断され、溶鋼層へ混入して鋳片内の結
晶粒の一部として凝固組織を粗大化し、結晶粒径が大き
くなり、絞り率を低下させる等製品の材質を劣化させる
ことになる。
【0010】次に、連続鋳造条件を鋼種、設備要因等に
より変更した場合においても、鋳型内鋳片の固溶共存層
厚3mm以下の部位へ正確に注入溶鋼流を指向注入する
ことのできる数式の一例を挙げると。
【数2】L=(K0.3 −K0.7 )・√(A+(W−D)
/2tanθ)/Vc≦3 但し、 L:注入溶鋼流により分断される固溶共存層厚
〔mm〕 K0.3 :固溶共存層の固相率0.3に相当する凝固係数
〔mm/√min〕 K0.7 :固溶共存層の固相率0.7に相当する凝固係数
〔mm/√min〕 A:鋳型内溶鋼メニスカスから注入溶鋼位置までの距離
〔mm〕 W:鋳造巾〔mm〕 D:浸漬ノズル外径〔mm〕 θ:注入溶鋼吐出方向(下向きを正とした角度) Vc:鋳造速度〔mm/min〕 ここで鋳型内での凝固係数としてK0.3 :26.0mm
/√min、K0.7 :23.5mm/√min程度を使
用する。このような数式を満足するように連続鋳造を施
すことにより、固溶共存層厚3mm以下の部位へ正確に
注入溶鋼流を指向注入することができる。
【0011】このような本発明方法による連続鋳造は、
例えば厚鋼板用の鋳片鋳造(特に鋳片厚200〜700
mm)に有利に適用することがきるが、薄鋼板用の鋳片
鋳造にも適用することができる。また、垂直型連続鋳造
機及び彎曲型連続鋳造機に適用することができる。
【0012】次に、本発明方法の実施例を比較例ととも
に挙げる。
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】注1:連続鋳造は、垂直型連続鋳造機で実
施。 注2:鋳造溶鋼は、C:0.16%、Mn:0.60
%、Si:0.25%、P:≦0.023%、S:≦
0.01%、残りFe及び不可避的不純物からなる厚鋼
板用鋼種。 注3:溶鋼注入位置は、鋳型内溶鋼メニスカスから注入
溶鋼位置(浸漬ノズル吐出位置)の距離で、鋳型長辺側
及び短辺側の中央部から長辺側双方へ注入した。 注4:注入溶鋼角度は、+下向き、0水平、−上向き。 注5:衝突部位シェルは、注入溶鋼流衝突部位のシェ
ル。 注6:絞り率は、鋳造鋳片を通常工程で、板厚200m
mに圧延した後、1/2厚み部位から採取した試験片に
て、引っ張り試験を行い測定した。 注7:実施例では、鋳型内溶鋼メニスカスでの皮張りは
ほとんど発生しなかった。
【0015】
【発明の効果】本発明方法によれば、鋳型内で生成する
固溶共存層の分断による製品の材質劣化を防止して、品
質を向上することができる。また製品歩留りを高めるこ
とができる。更に、操業条件を変更することなく実施す
ることができ、従来の高生産性を維持しつつ、操業する
ことができる等の優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を示す側断面図である。
【図2】鋳造速度と溶鋼注入角度との関係を示す図表で
ある。
【図3】鋳片内結晶粒と注入溶鋼角度との関係を示す図
表である。
【図4】圧下比と製品絞り率と注入溶鋼角度との関係を
示す図表である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 勝博 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵 株式会社名古屋製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭63−235049(JP,A) 特開 昭62−187556(JP,A) 特開 昭62−137153(JP,A) 特開 平8−206798(JP,A) 特開 平6−262302(JP,A) 特開 平3−114638(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/103 B22D 11/10 330 B22D 11/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳造速度を0.50m/min以下の低
    速としたうえに、鋳型内鋳片中に生成する固溶共存層厚
    3mm以下の部位へ注入溶鋼を指向注入してデンドライ
    ト状結晶を分断することにより、凝固組織を微細化する
    ことを特徴とする溶鋼の連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】 鋳型内へ溶鋼を注入するに際し、次式を
    満足するごとく溶鋼を注入することを特徴とする請求項
    1に記載の溶鋼の連続鋳造方法。 【数1】L=(K0.3 −K0.7 )・√(A+(W−D)
    /2tanθ)/Vc≦3 但し、 L:注入溶鋼流により分断される固溶共存層厚
    〔mm〕 K0.3 :固溶共存層の固相率0.3に相当する凝固係数
    〔mm/√min〕 K0.7 :固溶共存層の固相率0.7に相当する凝固係数
    〔mm/√min〕 A:鋳型内溶鋼メニスカスから注入溶鋼位置までの距離
    〔mm〕 W:鋳造巾〔mm〕 D:浸漬ノズル外径〔mm〕 θ:注入溶鋼吐出方向(下向きを正とした角度) Vc:鋳造速度〔mm/min〕
  3. 【請求項3】 厚鋼板用鋳片を鋳造することを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の溶鋼の連続鋳造方
    法。
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