JP2002359895A - スピーカ - Google Patents

スピーカ

Info

Publication number
JP2002359895A
JP2002359895A JP2001166754A JP2001166754A JP2002359895A JP 2002359895 A JP2002359895 A JP 2002359895A JP 2001166754 A JP2001166754 A JP 2001166754A JP 2001166754 A JP2001166754 A JP 2001166754A JP 2002359895 A JP2002359895 A JP 2002359895A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diaphragm
frame
voice coil
visible light
speaker
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001166754A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoyuki Sato
智之 佐藤
Ikunori Moritake
郁紀 森竹
Naohiro Fujinami
直宏 藤浪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Star Micronics Co Ltd
Original Assignee
Star Micronics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Star Micronics Co Ltd filed Critical Star Micronics Co Ltd
Priority to JP2001166754A priority Critical patent/JP2002359895A/ja
Publication of JP2002359895A publication Critical patent/JP2002359895A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイナミックスピーカにおいて、振動板の材
質としてポリイミド系の合成樹脂材料を採用した場合で
あっても、振動板とボイスコイルまたはフレームとの接
着固定を容易に行えるようにする。 【解決手段】 ポリエーテルイミド樹脂製の振動板14
を、その外周縁平坦部14aにおいてフレーム20の環
状段上がり部20Cの上面に接着固定するとともに、そ
の中間平坦部14bにおいてボイスコイル24の上端に
接着固定する。その際、ポリエーテルイミド樹脂は可視
光透過性を有しているので、接着剤として可視光硬化型
接着剤40、42を用い、振動板14の上方から振動板
14越しに振動板14とボイスコイル24との当接面お
よび振動板14とフレーム20との当接面に可視光を照
射して接着固定を行う。これにより、従来のように斜め
下方あるいは側方から紫外線を照射するのに比して簡単
な治具で接着固定を行えるようにし、また、振動板がP
ET樹脂製である場合の紫外線照射接着工程で用いられ
る治具をそのまま流用可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、いわゆるダイナ
ミックスピーカに関するものであり、特に、その振動板
の接着構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スピーカの一形式として、従来よりダイ
ナミックスピーカが知られている。このダイナミックス
ピーカは、例えば特開平6−178390号公報に開示
されているように、一般に、下面にボイスコイルが固定
された振動板と、この振動板の外周縁部を下面側から支
持するフレームとを備えた構成となっている。
【0003】多くの小型のダイナミックスピーカにおい
ては、振動板の材質としてPET(ポリエチレンテレフ
タレート)樹脂が用いられているが、PET樹脂は熱変
形温度が比較的低いので、スピーカの使用環境によって
は振動板に熱変形が生じてしまうおそれがある。このた
め、特公平4−68839号公報には、耐熱性に優れた
ポリエーテルイミド(PEI)樹脂を振動板の材質とし
て採用することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにポリエーテルイミド樹脂を採用した場合には、次の
ような問題がある。
【0005】すなわち、PET樹脂は紫外線を吸収しに
くいので、振動板とボイスコイルとの当接面および振動
板とフレームとの当接面に紫外線硬化型接着剤を塗布し
た状態で、振動板の上方から振動板越しに各当接面に紫
外線を照射することにより、振動板とボイスコイルおよ
びフレームとの接着固定を行うことが可能である。
【0006】これに対し、ポリエーテルイミド樹脂は紫
外線を吸収しやすいので、振動板越しの紫外線照射によ
り振動板とボイスコイルおよびフレームとの接着固定を
行うことは不可能である。このため、ポリエーテルイミ
ド樹脂を採用した場合には、各当接面に対して斜め下方
あるいは側方から紫外線を照射することを余儀なくさ
れ、非常に複雑な治具が必要となり、接着工程が複雑な
ものとなってしまう、という問題がある。
【0007】なお、このような問題は、ポリエーテルイ
ミド樹脂のみならずポリイミド(PI)樹脂等の他のポ
リイミド系の合成樹脂材料を採用した場合にも、同様に
生じ得る問題である。
【0008】本願発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、ダイナミックスピーカにおいて、振
動板の材質としてポリイミド系の合成樹脂材料を採用し
た場合であっても、振動板とボイスコイルまたはフレー
ムとの接着固定を容易に行うことができるスピーカを提
供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明は、ポリイミド
系の合成樹脂材料は可視光透過性を有することに着目
し、接着剤として可視光硬化型接着剤を採用することに
より、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0010】すなわち、本願発明に係るスピーカは、振
動板と、この振動板の下面に固定されたボイスコイル
と、上記振動板の外周縁部を下面側から支持するフレー
ムと、を備えてなるスピーカにおいて、上記振動板が、
ポリイミド系の合成樹脂材料で構成されており、上記振
動板と上記ボイスコイルまたは上記フレームとが、可視
光硬化型接着剤を用いて接着固定されている、ことを特
徴とするものである。
【0011】上記構成において、「下面」、「下面側」
等の方向性を示す用語は、スピーカを構成する各部材相
互間の位置関係を明確にするために便宜上用いたもので
あり、これによってスピーカを実際に使用する際の方向
性等が限定されるものではない。
【0012】上記「振動板」、「ボイスコイル」および
「フレーム」は、ダイナミックスピーカの構成要素とし
て使用可能なものであれば、その具体的構成は特に限定
されるものではない。
【0013】上記「可視光硬化型接着剤」は、可視光波
長領域の光によって硬化する接着剤であれば、その組成
等は特に限定されるものではなく、具体的な商品名の例
としては、東亞合成社製接着剤ラックストラックLCR
0635やノーランド社製接着剤NOA72、NOA7
6またはNOA77等が採用可能である。
【0014】上記構成において、可視光硬化型接着剤を
用いて接着固定される対象は、「振動板とボイスコイ
ル」のみであってもよいし、「振動板とフレーム」のみ
であってもよいし、「振動板とボイスコイル」および
「振動板とフレーム」であってもよい。
【0015】
【発明の作用効果】上記構成に示すように、本願発明に
係るスピーカは、振動板の下面にボイスコイルが固定さ
れるとともに、振動板の外周縁部がフレームによって下
面側から支持されているが、振動板はポリイミド系の合
成樹脂材料で構成されており、この振動板とボイスコイ
ルまたはフレームとが可視光硬化型接着剤を用いて接着
固定されているので、次のような作用効果を得ることが
できる。
【0016】すなわち、ポリイミド系の合成樹脂材料は
可視光透過性を有しているので、振動板の上方から振動
板越しに振動板とボイスコイルとの当接面または振動板
とフレームとの当接面に可視光を照射することにより、
振動板とボイスコイルまたはフレームとの接着固定を行
うことができる。
【0017】したがって、従来のように各当接面に対し
て斜め下方あるいは側方から紫外線を照射するのに比し
て、簡単な治具で接着固定を行うことができる。また、
PET樹脂製の振動板を有するダイナミックスピーカを
製造する際の紫外線照射接着工程において用いられる治
具を、そのまま流用することも可能となる。
【0018】このように本願発明によれば、ダイナミッ
クスピーカにおいて、振動板の材質としてポリイミド系
の合成樹脂材料を採用した場合であっても、振動板とボ
イスコイルまたはフレームとの接着固定を容易に行うこ
とができる。
【0019】ところで、多くのダイナミックスピーカに
おいては、ボイスコイルから延出する1対のリード線
が、フレームに取り付けられた1対の端子部材に導通固
定された構成となっているが、この導通固定を熱圧着に
より行うようにすれば、ハンダ付けによりこれを行う場
合に比して、鉛フリーとすることができ、またハンダ盛
りスペースが不要となることから導通固定用の所要スペ
ースを小さくすることができ、さらに、導通固定の信頼
性が高まることから導通不良の発生率を大幅に低減する
ことができる。
【0020】ただし、このように各リード線の各端子部
材への導通固定を熱圧着により行うようにした場合に
は、各リード線における導通固定部(熱圧着部)とその
ボイスコイル側の一般部との接続部分に応力集中が生じ
て各リード線に断線が発生しやすくなることが懸念され
るので、各リード線の導通固定部またはそのダイヤフラ
ム側の所定部位にオーバコートを施しておくことが好ま
しい。
【0021】その際、各端子部材における各リード線と
の導通固定供用部が、フレームの上面側における振動板
の外周縁部よりも内周側に配置されている場合には、オ
ーバコートを可視光硬化型接着剤で構成すれば、振動板
とボイスコイルまたはフレームとの接着固定の際に照射
される可視光によりオーバコートも同時に硬化させるこ
とができ、これにより接着工程の一層の簡素化を図るこ
とができる。
【0022】上記各「端子部材」は、その導通固定供用
部がプレート状に形成されるとともにフレームの上面側
における振動板の外周縁部よりも内周側に配置された導
電性部材であれば、その材質、形状等の具体的構成は特
に限定されるものではない。また、これら各「端子部
材」は、フレームと一体的に形成されたものであっても
よいし、フレームに接着やネジ止め等により固定された
ものであってもよい。
【0023】上記「導通固定」とは、電気的に接続され
る態様で固定することを意味するものである。
【0024】上記「熱圧着」とは、熱および圧力を加え
ることにより行われる接合を意味するものである。この
熱圧着の際の加熱方法は、各リード線の芯線が上記押圧
力により各導通固定部と接触する程度に各リード線の絶
縁被覆を溶融させることができるものであれば、特定の
方法に限定されるものではなく、例えば、両リード線間
に通電することにより加熱する方法、各リード線を挟む
熱圧着用治具と各端子部材等との間に通電して加熱する
方法、あるいは、予め加熱された熱圧着用治具を各リー
ド線に押し当てる方法等が採用可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本願発明の
実施の形態について説明する。
【0026】図1は、本願発明の一実施形態に係るスピ
ーカ10を上向きに配置した状態で示す側断面図であ
り、図2、3および4は、その平面図、底面図および分
解側断面図である。なお、本実施形態においては、便宜
上、図1において右方向をスピーカ10の「前方」、左
方向をその「後方」、カバー16側を「上側」、磁気回
路ユニット18側を「下側」として説明する。
【0027】これらの図に示すように、本実施形態に係
るスピーカ10は、小型(外径17mm程度)のダイナ
ミックスピーカであって、例えば携帯電話等に搭載され
た状態で使用されるようになっている。
【0028】このスピーカ10は、フレームサブアッシ
12に、その上面側から振動板14およびカバー16が
装着されるとともに、その下面側から磁気回路ユニット
18が装着されてなっている。
【0029】図5は、フレームサブアッシ12に振動板
14が装着された状態(カバー16および磁気回路ユニ
ット18は装着されていない状態)を示す平面図であ
り、図6は、これらフレームサブアッシ12および振動
板14を分離して示す平面図である。また、図7は、図
5のVII-VII 線断面詳細図であり、図8は、図6のVIII
-VIII 線方向矢視詳細図である。
【0030】これらの図にも示すように、フレームサブ
アッシ12は、フレーム20と、1対の端子部材22
と、ボイスコイル24とからなっている。
【0031】フレーム20は、ポリアミド系の合成樹脂
材料からなる射出成形品であって、その中央部には、ボ
イスコイル24よりもやや大径の円形開口部20aが形
成されている。このフレーム20は、円形開口部20a
の周囲に位置する環状底面部20Aと、この環状底面部
20Aの外周縁から上方へ延びる周壁面部20Bとを備
えてなっている。そして、このフレーム20における周
壁面部20Bの内周側には、環状底面部20Aよりも一
段高い環状段上がり部20Cが形成されており、また、
周壁面部20Bの左後部および右後部には、1対の端子
埋設部20Dが角張って張り出すように形成されてい
る。
【0032】フレーム20の環状底面部20Aには、周
方向に所定間隔をおいて12個の円形孔20bが形成さ
れている。フレーム20の周壁面部20Bには、その前
端部に切欠き部20cが形成されており、また、その後
端部近傍における1対の端子埋設部20Dの左右方向内
側の部分に1対のガイド溝部20d(これについては後
述する)が形成されている。切欠き部20cは環状段上
がり部20Cの上面と面一で切り欠かれているが、各ガ
イド溝部20dは環状底面部20Aの上面と面一で切り
欠かれている。そして、環状段上がり部20Cにおける
各ガイド溝部20dの近傍部位も環状底面部20Aの上
面と面一で切り欠かれている。
【0033】各端子部材22は、りん青銅製の金属板の
プレスおよび曲げ加工品として構成されており、インサ
ート成形によりフレーム20と一体的に形成されてい
る。これら各端子部材22は、フレーム20の各端子埋
設部20Dにおいて該フレーム20に部分的に埋設され
ており、該端子埋設部20Dの後端面から後方へ向けて
延出する板バネ部22Aと、該端子埋設部20Dから周
壁面部20Bの内周側へ環状底面部20Aの上面に沿っ
て延びるランド部22B(導通固定供用部)とを備えて
なっている。
【0034】各板バネ部22Aは、下方へ向けて略U字
状に折り曲げられており、フレーム20の環状底面部2
0Aの下方近傍において斜め下方前方へ延びている。こ
れら各板バネ部22Aは、その先端部が少し上向きに折
り曲げられており、その先端部近傍には下方へ円錐状に
突出する突起部22aが形成されている。なお、各板バ
ネ部22Aは、当初は後方へ直線状に延びるように形成
された状態にあるが、フレームサブアッシ12に振動板
14、カバー16および磁気回路ユニット18が装着さ
れ、さらに磁気回路ユニット18に着磁処理が施された
後に、下方へ向けて略U字状に折り曲げられるようにな
っている。
【0035】各ランド部22Bは、その上面が環状底面
部20Aの上面と面一となるように配置されている。ま
た、これら各ランド部22Bは、その後端部が、各ガイ
ド溝部20dを介して周壁面部20Bの外周側へ延長形
成されており、端子埋設部20Dの後端面近傍まで延び
ている。なお、このように各ランド部22Bの後端部を
周壁面部20Bの外周側へ延長形成することは必ずしも
必要ではない。
【0036】ボイスコイル24は、その上端がフレーム
20の環状段上がり部20Cの上面と面一となるように
して円形開口部20a内に配置されている。そして、こ
のボイスコイル24の上端部から略後方へ延出する1対
のリード線26が、その先端部近傍において上記1対の
端子部材22のランド部22Bに熱圧着(これについて
は後述する)により導通固定されている。
【0037】各端子部材22のランド部22Bの上面
は、ボイスコイル24の上端よりも下方に位置している
ので、各リード線24aは後方へ向けて斜め下方へ延び
ている。このとき、各端子部材22の各ランド部22B
の上面は、ボイスコイル24の上端に対して0.4〜
0.5mm程度下方に位置している。
【0038】各リード線26は、ボイスコイル24から
一旦その左右両側へ張り出してから後方へ向きを変えて
延びるようにクセ付けされている。そしてこれにより、
ボイスコイル24が上下振動したときの余長を各リード
線26に確保するとともに、各リード線26の経路を確
定しやすくなるようにしている。
【0039】振動板14は、同心円状に形成された複数
の凹凸を有するダイヤフラム状の部材であって、ポリエ
ーテルイミド(PEI)製の合成樹脂フィルムに熱プレ
ス成形を施すことにより形成されている。この振動板1
4の外周縁平坦部14a(外周縁部)と中央寄りの中間
平坦部14bとは、同一水平面上に位置する環状平面と
して形成されている。そして、この振動板14は、その
外周縁平坦部14aにおいてフレーム20の環状段上が
り部20Cの上面に接着固定されるとともに、その中間
平坦部14bにおいてボイスコイル24の上端に接着固
定されている。
【0040】図11は、この振動板14とボイスコイル
24およびフレーム20との接着固定の様子を示す側断
面図である。
【0041】同図(a)および図6に示すように、この
接着固定は、フレーム20の環状段上がり部20Cの上
面に可視光硬化型接着剤40を塗布するとともに、振動
板14の中間平坦部14bの下面に可視光硬化型接着剤
42を塗布した状態で、振動板14をフレーム20に載
置し、その外周縁平坦部14aをフレーム20の環状段
上がり部20Cの上面に当接させるとともに、その中間
平坦部14bをボイスコイル24の上端に当接させ、そ
の後、同図(b)に示すように、振動板14の上方から
振動板14越しに振動板14とボイスコイル24との当
接面および振動板14とフレーム20との当接面に可視
光を照射して可視光硬化型接着剤40、42を硬化させ
ることにより行われるようになっている。
【0042】カバー16は、ステンレス鋼製の金属板の
プレス成形品であって、複数の放音孔16aが所定配置
で形成された円形頂面部16Aと、この円形頂面部16
Aの外周縁から下方へ延びる背の低い円筒部16Bと、
この円筒部16Bの下端部から径方向外方へ延びる環状
フランジ部16Cとからなっている。そして、このカバ
ー16は、その環状フランジ部16Cにおいて、振動板
14の外周縁平坦部14aおよびフレーム20の環状段
上がり部20Cの上面に接着固定されている。
【0043】磁気回路ユニット18は、鋼製のベース2
8と、マグネット30と、鋼製のヨーク32とからなっ
ている。
【0044】ベース28は、有底円筒状に形成されてお
り、その上端外周部には環状段差部28aが形成されて
いる。また、マグネット30およびヨーク32は、いず
れもディスク状に形成されており、ベース28の底面に
この順で互いに同心となるように載置されるとともに順
次接着固定されている。そしてこれにより、ヨーク32
の外周面とベース28の内周面との間に、ボイスコイル
24の下端部を収容する円筒状磁気間隙を全周同一幅で
形成するようになっている。
【0045】磁気回路ユニット18のフレーム20への
装着は、ベース28の環状段差部28aをフレーム20
の円形開口部20aに下方から嵌合させた状態で、ベー
ス28の外周面とフレーム20の環状底面部20Aの下
面との環状コーナ部に接着剤34を塗布することにより
行われるようになっている。
【0046】フレーム20の環状底面部20Aに形成さ
れた12個の円形孔20bのうち2個の円形孔20b
は、各端子部材22のランド部22Bの下方に位置して
おり、その上端が閉塞されている。そして、残り10個
の円形孔20bは、環状底面部20Aを上下方向に貫通
するように形成されており、振動板14が振動する際に
振動板14、フレーム20および磁気回路ユニット18
で形成される空間に生じる圧力を逃がす孔として機能す
るようになっている。各ランド部22Bの下方に位置す
る円形孔20bは、フレーム20を射出成形する際、各
端子部材22をインサートとして金型内の所定位置に位
置決め保持するために該金型内に配置されるインサート
保持部材により形成されるようになっている。
【0047】なお、フレーム20の各端子埋設部20D
には、その上面部に切欠き部20eが形成されるととも
に、その下面部に円形孔20fが形成されているが、こ
れら切欠き部20eおよび円形孔20fも、インサート
保持部材により形成されるようになっている。
【0048】上述したように、各リード線26の各ラン
ド部22Bへの導通固定は、熱圧着により行われるよう
になっており、この熱圧着により形成された各リード線
26の熱圧着部26a(導通固定部)にはオーバコート
36が施されている。
【0049】図9(b)は、図6のIX部詳細図であり、
図9(a)は、図6のIX部詳細図において上記オーバコ
ート36が施される前に行われる熱圧着の様子を示す図
である。また、図10は、図9(a)のX-X 線断面詳細
図である。
【0050】上記熱圧着の工程を、左側のリード線26
を取り上げて説明すると、以下のとおりである。
【0051】すなわち、図9(a)および図10に示す
ように、まず、各円形孔20bの下方から金属ピンから
なる受け治具4を挿入して、その上端面をランド部22
Bの熱圧着予定位置の裏面に当接させる。そして、リー
ド線26(最終的に切断される前はやや長く延びた状態
にある)をフレーム20のガイド溝部20dに挿通さ
せ、リード線26が熱圧着予定位置を通るように配置す
る。その後、熱圧着予定位置の上方に配置された金属ピ
ンからなる熱圧着用治具2を下降させ、この熱圧着用治
具2によりリード線26をランド部22Bに所定押圧力
で押し当てるとともに、熱圧着用治具2および受け治具
4間に瞬間的に(20〜30msec程度)通電する。
そして、このとき発生するジュール熱でリード線26の
絶縁被覆を600℃以上に加熱して溶融させ、その芯線
をランド部22Bに接触させるようにした状態で、リー
ド線26をランド部22Bに固定する。
【0052】なお、この熱圧着が完了した後、リード線
26における熱圧着部26aよりも先端側の余長部分は
カットされるようになっている。
【0053】上記熱圧着時に発生する熱は、ランド部2
2Bからフレーム20よりも熱伝導率の高い受け治具4
へ速やかに伝達されるので、フレーム20におけるラン
ド部22Bの周辺部位が溶けてしまうのが未然に防止さ
れる。また、熱圧着の際、熱圧着用治具2の押圧力は受
け治具4で受け止められるので、熱圧着用治具2の押圧
力によりランド部22Bがフレーム20に対して沈み込
んでしまうのが未然に防止される。
【0054】図8に示すように、フレーム20に形成さ
れた各ガイド溝部20dは、その左右両側面の上部がテ
ーパ状の面取り部20d1、20d2として形成されて
おり、後方側から見たとき略Y字状に見えるY字溝とし
て形成されている。このように各ガイド溝部20dをY
字溝として形成することにより、各リード線26を各ガ
イド溝部20dに容易に挿通させることができるように
している。
【0055】上記熱圧着により形成される各リード線2
6の熱圧着部26aは、各リード線26の一般部に比し
てやや偏平に変形しており、該熱圧着部26aおよびそ
の近傍部位は、芯線の劣化や引張強度の低下が生じた状
態となっている。そして、スピーカ鳴動時、各リード線
26における熱圧着部26aよりもボイスコイル24側
の一般部26bはボイスコイル24と共に上下振動する
ので、該一般部26bと熱圧着部26aとの接続部分2
6cには繰り返し曲げ荷重による応力集中が発生し、該
接続部分26cにおいてリード線26が断線しやすくな
る。
【0056】そこで本実施形態においては、各リード線
26における接続部分26cおよびその周辺に上記オー
バコート36を施すことにより、応力集中の発生を未然
に防止するようになっている。このオーバコート36
は、接続部分26cに可視光硬化型接着剤を点着し、こ
れを可視光照射により硬化させることにより行われるよ
うになっている。この可視光照射は、図11(b)に示
すように、振動板14とボイスコイル24およびフレー
ム20とを接着固定する際の可視光照射によって行われ
るようになっている。
【0057】図2に示すように、各ガイド溝部20d
は、フレームサブアッシ12に振動板14およびカバー
16が装着された後に、各ランド部22Bから各ガイド
溝部20dを介して周壁面部20Bの後方側へ延長形成
されたプレート部分にオーバコート38を施すことによ
り、閉塞されるようになっている。
【0058】以上詳述したように、本実施形態に係るス
ピーカ10は、振動板14の中間平坦部14bの下面に
ボイスコイル24が固定されるとともに、振動板14の
外周縁平坦部14aがフレーム20によって下面側から
支持されているが、この振動板14はポリエーテルイミ
ド樹脂製であり、振動板14とボイスコイル24および
フレーム20とが可視光硬化型接着剤40、42を用い
て接着固定されているので、次のような作用効果を得る
ことができる。
【0059】すなわち、ポリエーテルイミド樹脂は可視
光透過性を有しているので、振動板14の上方から振動
板14越しに振動板14とボイスコイル24との当接面
および振動板14とフレーム20との当接面に可視光を
照射することにより、振動板14とボイスコイル24お
よびフレーム20との接着固定を行うことができる。
【0060】したがって、従来のように各当接面に対し
て斜め下方あるいは側方から紫外線を照射するのに比し
て、簡単な治具で接着固定を行うことができる。また、
PET樹脂製の振動板を有するダイナミックスピーカを
製造する際の紫外線照射接着工程において用いられる治
具を、そのまま流用することも可能となる。
【0061】このように実施形態によれば、振動板14
の材質としてポリエーテルイミド樹脂の合成樹脂材料を
採用した場合であっても、振動板14とボイスコイル2
4およびフレーム20との接着固定を容易に行うことが
できる。
【0062】しかも本実施形態に係るスピーカ10は、
ボイスコイル24から延出する1対のリード線26が、
フレーム20に取り付けられた1対の端子部材22に熱
圧着により導通固定されるとともに、各リード線26の
各端子部材22への熱圧着部26aにオーバコート36
が施されているが、このオーバコート36は可視光硬化
型接着剤で構成されているので、各端子部材22のラン
ド部22Bが振動板14の外周縁平坦部14aよりも内
周側に配置されているにもかかわらず、振動板14とボ
イスコイル24およびフレーム20との接着固定の際に
照射される可視光によりオーバコート36も同時に硬化
させることができ、これにより接着工程の一層の簡素化
を図ることができる。
【0063】上記実施形態においては、振動板14がポ
リエーテルイミド樹脂で構成されている場合について説
明したが、ポリイミド系の合成樹脂材料であれば、ポリ
イミド樹脂等のように他の種類の合成樹脂材料を採用し
た場合にも、上記実施形態と同様の作用効果を得ること
ができる。またこの他に、ポリエチレンナフタレートな
どの紫外線を透しにくいエンジニアリングプラスチック
に対しても有効である。
【0064】なお上記実施形態においては、スピーカ鳴
動中に各リード線26が振動板14と接触して異音を発
生してしまうのを未然に防止するため、各リード線26
を振動板14から十分離した状態で配線するように構成
されているが、各リード線26を振動板14の下面に接
着固定することにより異音発生の未然防止を図ることも
可能である。このような構成を採用した場合には、振動
板14と各リード線26との接着固定についても、可視
光硬化型接着剤を用いて行うようにすれば、振動板14
とボイスコイル24およびフレーム20との接着固定の
際に照射される可視光により、この可視光硬化型接着剤
についても同時に硬化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態に係るスピーカを上向き
に配置した状態で示す側断面図
【図2】上記スピーカを示す平面図
【図3】上記スピーカを示す底面図
【図4】上記スピーカを示す分解側断面図
【図5】上記スピーカを構成するフレームサブアッシに
振動板が装着された状態を示す平面図
【図6】上記フレームサブアッシおよび振動板を分離し
て示す平面図
【図7】図5のVII-VII 線断面詳細図
【図8】図6のVIII-VIII 線方向矢視詳細図
【図9】図6のIX部詳細図であって、熱圧着の様子を示
す図(a)およびオーバコートが施された状態を示す図
(b)
【図10】図9(a)のX-X 線断面詳細図
【図11】上記スピーカの振動板とボイスコイルおよび
フレームとの接着固定の様子を示す側断面図
【符号の説明】
2 熱圧着用治具 4 受け治具 10 スピーカ 12 フレームサブアッシ 14 振動板 14a 外周縁平坦部(外周縁部) 14b 中間平坦部 16 カバー 16A 円形頂面部 16B 円筒部 16C 環状フランジ部 16a 放音孔 18 磁気回路ユニット 20 フレーム 20A 環状底面部 20B 周壁面部 20C 環状段上がり部 20D 端子埋設部 20a 円形開口部 20b 円形孔 20c 切欠き部 20d ガイド溝部 20d1、20d2 面取り部 20e 切欠き部 20f 円形孔 20g 切欠き部 22 端子部材 22A 板バネ部 22B ランド部(導通固定供用部) 22a 突起部 24 ボイスコイル 26 リード線 26a 熱圧着部(導通固定部) 26b 一般部 26c 接続部分 28 ベース 28a 環状段差部 30 マグネット 32 ヨーク 34 接着剤 36 オーバコート 38 オーバコート(可視光硬化型接着剤) 40、42 可視光硬化型接着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤浪 直宏 静岡県静岡市中吉田20番10号 スター精密 株式会社内 Fターム(参考) 5D012 BB01 CA08 CA14 CA15 FA10 GA00 5D016 FA01 GA01 HA04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動板と、この振動板の下面に固定され
    たボイスコイルと、上記振動板の外周縁部を下面側から
    支持するフレームと、を備えてなるスピーカにおいて、 上記振動板が、ポリイミド系の合成樹脂材料で構成され
    ており、 上記振動板と上記ボイスコイルまたは上記フレームと
    が、可視光硬化型接着剤を用いて接着固定されている、
    ことを特徴とするスピーカ。
  2. 【請求項2】 上記ボイスコイルから延出する1対のリ
    ード線が、上記フレームに取り付けられた1対の端子部
    材に熱圧着により導通固定されており、 上記各端子部材における上記各リード線との導通固定供
    用部が、プレート状に形成されるとともに上記フレーム
    の上面側における上記振動板の外周縁部よりも内周側に
    配置されており、 上記各リード線の上記各端子部材への導通固定部または
    該導通固定部よりも上記ダイヤフラム側の所定部位に、
    可視光硬化型接着剤からなるオーバコートが施されてい
    る、ことを特徴とする請求項1記載のスピーカ。
JP2001166754A 2001-06-01 2001-06-01 スピーカ Pending JP2002359895A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001166754A JP2002359895A (ja) 2001-06-01 2001-06-01 スピーカ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001166754A JP2002359895A (ja) 2001-06-01 2001-06-01 スピーカ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002359895A true JP2002359895A (ja) 2002-12-13

Family

ID=19009249

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001166754A Pending JP2002359895A (ja) 2001-06-01 2001-06-01 スピーカ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002359895A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006229656A (ja) * 2005-02-18 2006-08-31 Star Micronics Co Ltd 電気音響変換器
JP2007235427A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Star Micronics Co Ltd 電気音響変換器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006229656A (ja) * 2005-02-18 2006-08-31 Star Micronics Co Ltd 電気音響変換器
JP2007235427A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Star Micronics Co Ltd 電気音響変換器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002354583A (ja) スピーカ
EP2120482B1 (en) Electroacoustic transducing device
JP4100539B2 (ja) スピーカ
JP3021058B2 (ja) ドームスピーカ
CN109495819B (zh) 发声装置和耳机
US20100046773A1 (en) Acoustic device and method of manufacturing the same
JP2017099153A (ja) 振動モータ、無音報知デバイスおよび振動モータの製造方法
JP2002359895A (ja) スピーカ
JP2003189383A (ja) 電気音響変換器
JP2006217122A (ja) スピーカの振動系及びその振動系の製造方法
JP3563628B2 (ja) 対物レンズ駆動装置
JP3878058B2 (ja) スピーカ
CN107801143B (zh) 电动换能器和制造其的方法及膜系统模块和磁体系统模块
JP2007141416A (ja) レンズホルダー、光ピックアップ、光記録再生装置およびレンズホルダーの製造方法
JP4616511B2 (ja) スピーカ
JP2002354585A (ja) スピーカ
JP3631935B2 (ja) 電気音響変換器
JP3891414B2 (ja) 電気音響変換器の製造方法
JP2003219498A (ja) 電気音響変換器
JP2002027598A (ja) 電気音響変換器及びその製造方法
JP3916995B2 (ja) 電気音響変換器
JP4448070B2 (ja) 電気音響変換器
JP4436613B2 (ja) レーザダイオード用パッケージ
CN111327996A (zh) 声学振膜、声学振膜的制造方法以及电声换能器
CN203872317U (zh) 扬声器装置