JP3878058B2 - スピーカ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、いわゆるダイナミックスピーカに関するものであり、特に、そのボイスコイルのコイル端末処理構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スピーカの一形式として、従来よりダイナミックスピーカが知られている。このダイナミックスピーカは、例えば特開平6−178390号公報に開示されているように、一般に、下面にボイスコイルが固定された振動板と、この振動板の外周縁部を下面側から支持するフレームとを備えた構成となっている。また、ダイナミックスピーカにおいては、ボイスコイルから延出する1対のリード線が、フレームの下面に取り付けられた1対の端子部材にハンダ付け等により導通固定されている。
【0003】
これに対し、各リード線の各端子部材への導通固定を熱圧着により行うようにすれば、この導通固定をハンダ付けにより行う場合に比して、鉛フリーとすることができ、またハンダ盛りスペースが不要となることから導通固定用の所要スペースを小さくすることができ、さらに、導通固定の信頼性が高まることから導通不良の発生率を大幅に低減することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように各リード線の各端子部材への導通固定を熱圧着により行うようにした場合、次のような問題が生じてしまう。
【0005】
すなわち、部品や組立工程上のさまざまなばらつき要因によって、熱圧着後の各リード線とフレーム間の隙間にばらつきが生じる。そして、スピーカ鳴動時、各リード線において導通固定部よりもボイスコイル側に位置する一般部はボイスコイルと共に上下振動するので、それに相当する上記隙間が確保されていないとリード線とフレームが干渉し断線の一因となる。また、断線に至らないまでも上記干渉により異音が発生する。さらに、上記振動によって発生する繰り返し曲げ荷重による応力集中によるリード線の断線は、リード線の該一般部のボイスコイル側と導通固定部側の両端で生じるが、導通固定部は熱圧着によって変形しており、よりこの部分で断線が生じやすい。このため、接着剤等によって該一般部を含むよう導通固定部をオーバーコートするが、コイル側に必要以上にオーバーコート材が流れ込むとリード線の該一般部が短くなり、上記振動時にリード線が断線しやすくなる、という問題が生じてしまう。
【0006】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ダイナミックスピーカにおいて、
各リード線とフレーム間に一定の隙間を確保し、振動板の振動に伴うリード線の振動時にリード線とフレームが干渉することを防止することで、各リード線が断線してしまうおそれを最小限に抑えると共に、干渉によって生じる異音を防止でき、容易に導通固定部のオーバーコート範囲を限定できるスピーカを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、各リード線を支える突起部を設けることにより
、各リード線とフレーム間に所望の隙間を確保するとともにオーバーコート範囲を限定し、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本願の発明に係るスピーカは、振動板と、この振動板の下面に固定されたボイスコイルと、上記振動板の外周縁部を下面側から支持するフレームと、このフレームに取り付けられ、上記ボイスコイルから延出する1対のリード線が導通固定された1対の端子部材と、を備えてなるスピーカにおいて、 上記リード線を支持し上記フレームとの間に隙間を作るための突起部が上記端子部材と上記ボイスコイルの間の上記端子部材近傍に設けられ、上記突起部は、上記端子部材及び上記フレームより上面側に突出するように形成されている、ことを特徴とするものである。
【0009】
また、上記突起部は、リード線よりも柔らかな樹脂により形成される、ことを特徴とするものである。
【0010】
さらに、上記各リード線は上記各端子部材への導通固定が、熱圧着により行われている、ことを特徴とするものである。
【0011】
また、上記各リード線の導通固定部及び上記突起部に、少なくとも該導通固定部における上記ボイスコイル側の端部及び上記突起部を覆うオーバーコートが施されている、ことを特徴とするものである。
【0012】
上記構成において、「下面」、「下面側」等の方向性を示す用語は、スピーカを構成する各部材相互間の位置関係を明確にするために便宜上用いたものであり、これによってスピーカを実際に使用する際の方向性等が限定されるものではない。
【0013】
上記「振動板」および「ボイスコイル」は、ダイナミックスピーカの構成要素として使用可能なものであれば、その具体的構成は特に限定されるものではない。
【0014】
上記各「端子部材」は、その導通固定供用部がプレート状に形成されるとともにフレームの表面に沿って配置された導電性部材であれば、その材質、形状等の具体的構成は特に限定されるものではない。また、これら各「端子部材」は、フレームと一体的に形成されたものであってもよいし、フレームに接着やネジ止め等により固定されたものであってもよい。
【0015】
上記「導通固定」とは、電気的に接続される態様で固定することを意味するものである。
【0016】
上記「熱圧着」とは、熱および圧力を加えることにより行われる接合を意味するものである。この熱圧着の際の加熱方法は、各リード線の芯線が上記押圧力により各導通固定供用部と接触する程度に各リード線の絶縁被覆を溶融させることができるものであれば、特定の方法に限定されるものではなく、例えば、両リード線間に通電することにより加熱する方法、各リード線を挟む熱圧着用治具と各端子部材等との間に通電して加熱する方法、あるいは、予め加熱された熱圧着用治具を各リード線に押し当てる方法等が採用可能である。
【0017】
上記「オーバーコート」に用いられるオーバーコート剤は、特に限定されるものではなく、例えば、弾性接着剤、ゲル状接着剤等が採用可能である。
【0018】
【発明の作用効果】
上記構成に示すように、本願発明に係るスピーカは、リード線を支持するための突起部が端子部材とボイスコイルの間に設けられ、さらに突起部は、端子部材及びフレームより上面側に突出するように形成されているため、突起部でリード線を支持することにより、リード線とフレームとの間に所望の隙間ができるため、リード線がフレームに干渉することが防止でき、リード線が断線することや、干渉による異音を防止することが可能となる。
【0019】
また、突起部がリード線より軟らかな樹脂により形成されているため、突起部によるリード線の断線も防止することが可能となる。
【0020】
特に、各リード線の各端子部材への導通固定を、熱圧着により行っているもののについて、当該技術を適応することにより、熱圧着により断線しやすくなった各リード線の導通固定部への応力集中を阻止でき、リード線が断線することを防止できる。
【0021】
さらに、振動板の振動に伴うリード線の振動によって発生する繰り返し曲げ荷重による応力集中が熱圧着によるリード線変形部に生じるのを防ぐため、接着剤等によって該一般部を含むよう導通固定部をオーバーコートする場合、
上記突起部が存在するためオーバーコート材がボイスコイル側に必要以上に流れ込むことが阻止でき、オーバーコートの塗布範囲を限定することが可能となり製品毎のバラツキを防止することができる。
【0022】
なお、本願発明においてオーバーコートにより導通固定部全体を覆うようにすれば、この導通固定部に人の指等が不用意に触れてしまうのを未然に防止することができ、また、オーバーコートを熱圧着により露出した芯線の絶縁被覆として利用することもできる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0024】
図1は、本願発明の一実施形態に係るスピーカ10を上向きに配置した状態で示す側断面図であり、図2、3および4は、その平面図、底面図および分解側断面図である。なお、本実施形態においては、便宜上、図1において右方向をスピーカ10の「前方」、左方向をその「後方」、カバー16側を「上側」、磁気回路ユニット18側を「下側」として説明する。
【0025】
これらの図に示すように、本実施形態に係るスピーカ10は、小型(外径17mm程度)のダイナミックスピーカであって、例えば携帯電話等に搭載された状態で使用されるようになっている。
【0026】
このスピーカ10は、フレームサブアッシ12に、その上面側から振動板14およびカバー16が装着されるとともに、その下面側から磁気回路ユニット18が装着されてなっている。
【0027】
図5は、フレームサブアッシ12に振動板14が装着された状態(カバー16および磁気回路ユニット18は装着されていない状態)を示す平面図であり、図6は、これらフレームサブアッシ12および振動板14を分離して示す平面図である。また、図7は、図5のVII-VII 線断面詳細図である。
【0028】
これらの図にも示すように、フレームサブアッシ12は、フレーム20と、1対の端子部材22と、ボイスコイル24とからなっている。
【0029】
フレーム20は、ポリアミド系の合成樹脂材料からなる射出成形品であって、その中央部には、ボイスコイル24よりもやや大径の円形開口部20aが形成されている。このフレーム20は、円形開口部20aの周囲に位置する環状底面部20Aと、この環状底面部20Aの外周縁から上方へ延びる周壁面部20Bとを備えてなっている。そして、このフレーム20における周壁面部20Bの内周側には、環状底面部20Aよりも一段高い環状段上がり部20Cが形成されており、また、周壁面部20Bの左後部および右後部には、1対の端子埋設部20Dが角張って張り出すように形成されている。
【0030】
フレーム20の環状底面部20Aには、周方向に所定間隔をおいて12個の円形孔20bが形成されている。フレーム20の周壁面部20Bには、その前端部に切欠き部20cが形成されており、また、その後端部近傍における1対の端子埋設部20Dの左右方向内側の部分に1対のガイド溝部20d(これについては後述する)が形成されている。切欠き部20cは環状段上がり部20Cの上面と面一で切り欠かれているが、各ガイド溝部20dは環状底面部20Aの上面と面一で切り欠かれている。そして、環状段上がり部20Cにおける各ガイド溝部20dの近傍部位も環状底面部20Aの上面と面一で切り欠かれている。
【0031】
突起部40は、フレーム20の各端子部材22の近傍上面にポリアミド系の合成樹脂材料からなり、フレーム20と一体的に成形されており、各端子部材22に対応すべく2ヶ所に設けられている。
突起部40は、フレーム20の上面より約0.1mmほど突出した、長さ0.2mm、幅2mmほどのリード線26より表面硬度の低い軟らかい凸状の部材である。この突起部40上にリード線26を配置することにより、リード線26とフレーム20との間に0.1mm以上の間隔ができるため、リード線26がフレーム20に干渉しなくなる。
【0032】
各端子部材22は、りん青銅製の金属板のプレスおよび曲げ加工品として構成されており、インサート成形によりフレーム20と一体的に形成されている。これら各端子部材22は、フレーム20の各端子埋設部20Dにおいて該フレーム20に部分的に埋設されており、該端子埋設部20Dの後端面から後方へ向けて延出する板バネ部22Aと、該端子埋設部20Dから周壁面部20Bの内周側へ環状底面部20Aの上面に沿って延びるランド部22B(導通固定供用部)とを備えてなっている。
【0033】
各板バネ部22Aは、下方へ向けて略U字状に折り曲げられており、フレーム20の環状底面部20Aの下方近傍において斜め下方前方へ延びている。これら各板バネ部22Aは、その先端部が少し上向きに折り曲げられており、その先端部近傍には下方へ円錐状に突出する突起部22aが形成されている。なお、各板バネ部22Aは、当初は後方へ直線状に延びるように形成された状態にあるが、フレームサブアッシ12に振動板14、カバー16および磁気回路ユニット18が装着され、さらに磁気回路ユニット18に着磁処理が施された後に、下方へ向けて略U字状に折り曲げられるようになっている。
【0034】
各ランド部22Bは、その上面が環状底面部20Aの上面と面一となるように配置されている。また、これら各ランド部22Bは、その後端部が、各ガイド溝部20dを介して周壁面部20Bの外周側へ延長形成されており、端子埋設部20Dの後端面近傍まで延びている。なお、このように各ランド部22Bの後端部を周壁面部20Bの外周側へ延長形成することは必ずしも必要ではない。
【0035】
ボイスコイル24は、その上端がフレーム20の環状段上がり部20Cの上面と面一となるようにして円形開口部20a内に配置されている。そして、このボイスコイル24の上端部から略後方へ延出する1対のリード線26が、その先端部近傍において上記1対の端子部材22のランド部22Bに熱圧着(これについては後述する)により導通固定されている。
【0036】
各端子部材22のランド部22Bの上面は、ボイスコイル24の上端よりも下方に位置しているので、各リード線26は後方へ向けて斜め下方へ延びている。このとき、各端子部材22の各ランド部22Bの上面は、ボイスコイル24の上端に対して0.4〜0.5mm程度下方に位置している。
【0037】
各リード線26は、ボイスコイル24から一旦その左右両側へ張り出してから後方へ向きを変えて延びるようにクセ付けされている。そしてこれにより、ボイスコイル24が上下振動したときの余長を各リード線26に確保するとともに、各リード線26の経路を確定しやすくなるようにしている。
【0038】
振動板14は、同心円状に形成された複数の凹凸を有するダイヤフラム状の部材であって、ポリエーテルイミド(PEI)製の合成樹脂フィルムに熱プレス成形を施すことにより形成されている。この振動板14の外周縁平坦部14a(外周縁部)と中央寄りの中間平坦部14bとは、同一水平面上に位置する環状平面として形成されている。そして、この振動板14は、その外周縁平坦部14aにおいてフレーム20の環状段上がり部20Cの上面に接着固定されるとともに、その中間平坦部14bにおいてボイスコイル24の上端に接着固定されている。
【0039】
この接着固定は、フレーム20の環状段上がり部20Cの上面および振動板14の中間平坦部14bの下面に各々接着剤を塗布した状態で、振動板14をフレーム20に載置し、各接着面に上方から可視光を照射して接着剤を硬化させることにより行われるようになっている。
【0040】
カバー16は、ステンレス鋼製の金属板のプレス成形品であって、複数の放音孔16aが所定配置で形成された円形頂面部16Aと、この円形頂面部16Aの外周縁から下方へ延びる背の低い円筒部16Bと、この円筒部16Bの下端部から径方向外方へ延びる環状フランジ部16Cとからなっている。そして、このカバー16は、その環状フランジ部16Cにおいて、振動板14の外周縁平坦部14aおよびフレーム20の環状段上がり部20Cの上面に接着固定されている。
【0041】
磁気回路ユニット18は、鋼製のベース28と、マグネット30と、鋼製のヨーク32とからなっている。
【0042】
ベース28は、有底円筒状に形成されており、その上端外周部には環状段差部28aが形成されている。また、マグネット30およびヨーク32は、いずれもディスク状に形成されており、ベース28の底面にこの順で互いに同心となるように載置されるとともに順次接着固定されている。そしてこれにより、ヨーク32の外周面とベース28の内周面との間に、ボイスコイル24の下端部を収容する円筒状磁気間隙を全周同一幅で形成するようになっている。
【0043】
磁気回路ユニット18のフレーム20への装着は、ベース28の環状段差部28aをフレーム20の円形開口部20aに下方から嵌合させた状態で、ベース28の外周面とフレーム20の環状底面部20Aの下面との環状コーナ部に接着剤34を塗布することにより行われるようになっている。
【0044】
フレーム20の環状底面部20Aに形成された12個の円形孔20bのうち2個の円形孔20bは、各端子部材22のランド部22Bの下方に位置しており、その上端が閉塞されている。そして、残り10個の円形孔20bは、環状底面部20Aを上下方向に貫通するように形成されており、振動板14が振動する際に振動板14、フレーム20および磁気回路ユニット18で形成される空間に生じる圧力を逃がす孔として機能するようになっている。各ランド部22Bの下方に位置する円形孔20bは、フレーム20を射出成形する際、各端子部材22をインサートとして金型内の所定位置に位置決め保持するために該金型内に配置されるインサート保持部材により形成されるようになっている。
【0045】
なお、フレーム20の各端子埋設部20Dには、その上面部に切欠き部20eが形成されるとともに、その下面部に円形孔20fが形成されているが、これら切欠き部20eおよび円形孔20fも、インサート保持部材により形成されるようになっている。
【0046】
上述したように、各リード線26の各ランド部22Bへの導通固定は、熱圧着により行われるようになっており、この熱圧着により形成された各リード線26の熱圧着部26a(導通固定部)にはオーバーコート36が施されている。またこのオーバーコート36は各突起部40上の各リード線26を保護するように施されている。
【0047】
図8(b)は、図6のVIII部詳細図であり、図8(a)は、図6のVIII部詳細図において上記オーバーコート36が施される前に行われる熱圧着の様子を示す図である。また、図9は、図8(a)のIX-IX 線断面詳細図である。
【0048】
上記熱圧着の工程を、左側のリード線26を取り上げて説明すると、以下のとおりである。
【0049】
すなわち、図8(a)および図9に示すように、まず、各円形孔20bの下方から金属ピンからなる受け治具4を挿入して、その上端面をランド部22Bの熱圧着予定位置の裏面に当接させる。そして、リード線26(最終的に切断される前はやや長く延びた状態にある)をフレーム20のガイド溝部20dに挿通させ、リード線26が熱圧着予定位置を通るように配置する。その後、熱圧着予定位置の上方に配置された金属ピンからなる熱圧着用治具2を下降させ、この熱圧着用治具2によりリード線26をランド部22Bに所定押圧力で押し当てるとともに、熱圧着用治具2および受け治具4間に瞬間的に(20〜30msec程度)通電する。そして、このとき発生するジュール熱でリード線26の絶縁被覆を600℃以上に加熱して溶融させ、その芯線をランド部22Bに接触させるようにした状態で、リード線26をランド部22Bに固定する。
【0050】
なお、この熱圧着が完了した後、リード線26における熱圧着部26aよりも先端側の余長部分はカットされるようになっている。
【0051】
上記熱圧着により形成される各リード線26の熱圧着部26aは、各リード線26の一般部に比してやや偏平に変形しており、該熱圧着部26aおよびその近傍部位は、芯線の劣化や引張強度の低下が生じた状態となっている。そして、スピーカ鳴動時、各リード線26における熱圧着部26aよりもボイスコイル24側の一般部26bはボイスコイル24と共に上下振動するので、該一般部26bと熱圧着部26aとの接続部分26cには繰り返し曲げ荷重による応力集中が発生し、該接続部分26cにおいてリード線26が断線しやすくなる。
【0052】
そこで本実施形態においては、各リード線26における接続部分26cおよびその周辺に上記オーバーコート36を施すことにより、応力集中の発生を未然に防止するようになっている。このオーバーコート36は、接続部分26cに接着剤を点着し、これを紫外線照射により硬化させることにより行われるようになっている。この際、突起部40及び突起部40上のリード線26にもオーバーコート36を施すが、突起部40が存在するためオーバーコート材が突起部40を超えてボイスコイル24側に必要以上に流れ込むことも防止できる。これは突起部40がオーバーコート材を堰き止める役目をするからである。なお、突起部40によりオーバーコート36を堰き止める際には、オーバーコート材の粘性によりオーバーコート材の量を適宜調整し、最適な量を設定するとよい。さらに、オーバーコート材の粘性や量により、突起部40の長さや高さも調整して設定するとよい。
【0053】
また、図2に示すように、各ガイド溝部20dは、フレームサブアッシ12に振動板14およびカバー16が装着された後に、各ランド部22Bから各ガイド溝部20dを介して周壁面部20Bの後方側へ延長形成されたプレート部分にオーバーコート38を施すことにより、閉塞されるようになっている。
【0054】
以上詳述したように、本実施形態に係るスピーカ10は、リード線26を支持するための突起部40が端子部材22とボイスコイル24の間に設けられているため、リード線26を突起部40で支持することで、リード線26とフレーム20との間に所定の隙間ができるため、リード線26がフレーム20に干渉することが防止でき、リード線26が断線することや、干渉による異音を防止することができる。
【0055】
また、突起部40がリード線26より表面硬度の低い軟らかな樹脂により形成されているため、突起部40によるリード線26の断線も防止することができる。
【0056】
さらに、リード線26の熱圧着部26a及び突起部40に、少なくとも熱圧着部26aにおけるボイスコイル24側の端部及び突起部40を覆うオーバーコート36を施すようにすれば、ボイスコイル24から各リード線26の熱圧着部26aへの振動伝達を阻止することができるので、各リード線26における熱圧着部26aとそのボイスコイル24側の一般部との接続部分26cに応力集中が生じないようにすることができ、この応力集中に起因する各リード線26の断線の発生を未然に防止することができる。また、突起部40上でも各リード線26がオーバーコートされているので、突起部40と各リード線26が擦れる合い断線する可能性もなくなるため、各リード線26の断線の発生を未然に防止することができる。
また、突起部40が存在するためオーバーコート材がボイスコイル24側に必要以上に流れ込むことが阻止でき、オーバーコート36の塗布範囲を限定することが可能となり製品毎のバラツキを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態に係るスピーカを上向きに配置した状態で示す側断面図
【図2】上記スピーカを示す平面図
【図3】上記スピーカを示す底面図
【図4】上記スピーカを示す分解側断面図
【図5】上記スピーカを構成するフレームサブアッシに振動板が装着された状態を示す平面図
【図6】上記フレームサブアッシおよび振動板を分離して示す平面図
【図7】図5のVII-VII 線断面詳細図
【図8】図6のVIII部詳細図であって、熱圧着の様子を示す図(a)およびオーバーコートが施された状態を示す図(b)
【図9】図8(a)のIX-IX 線断面詳細図
【符号の説明】
2 熱圧着用治具
4 受け治具
10 スピーカ
12 フレームサブアッシ
14 振動板
14a 外周縁平坦部(外周縁部)
14b 中間平坦部
16 カバー
16A 円形頂面部
16B 円筒部
16C 環状フランジ部
16a 放音孔
18 磁気回路ユニット
20 フレーム
20A 環状底面部
20B 周壁面部
20C 環状段上がり部
20D 端子埋設部
20a 円形開口部
20b 円形孔
20c 切欠き部
20d ガイド溝部
20e 切欠き部
20f 円形孔
20g 切欠き部
22 端子部材
22A 板バネ部
22B ランド部(導通固定供用部)
22a 突起部
24 ボイスコイル
26 リード線
26a 熱圧着部(導通固定部)
26b 一般部
26c 接続部分
28 ベース
28a 環状段差部
30 マグネット
32 ヨーク
34 接着剤
36、38 オーバーコート
40 突起部

Claims (4)

  1. 振動板と、この振動板の下面に固定されたボイスコイルと、
    上記振動板の外周縁部を下面側から支持するフレームと、このフレームに取り付けられ、上記ボイスコイルから延出する1対のリード線が導通固定された1対の端子部材と、を備えてなるスピーカにおいて、
    上記リード線を支持し上記フレームとの間に隙間を作るための突起部が上記端子部材と上記ボイスコイルの間の上記端子部材近傍に設けられ、
    上記突起部は、上記端子部材及び上記フレームより上面側に突出するように形成されていることを特徴とするスピーカ。
  2. 上記突起部は、リード線よりも柔らかな樹脂により形成されることを特徴とする請求項1記載のスピーカ。
  3. 上記各リード線は上記各端子部材への導通固定が、熱圧着により行われている、ことを特徴とする請求項1または2記載のスピーカ。
  4. 上記各リード線の導通固定部及び上記突起部に、少なくとも該導通固定部における上記ボイスコイル側の端部及び上記突起部を覆うオーバーコートが施されている、ことを特徴とする請求項1〜3請求項の何れかに記載のスピーカ。
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