JP2002359373A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

Info

Publication number
JP2002359373A
JP2002359373A JP2002089781A JP2002089781A JP2002359373A JP 2002359373 A JP2002359373 A JP 2002359373A JP 2002089781 A JP2002089781 A JP 2002089781A JP 2002089781 A JP2002089781 A JP 2002089781A JP 2002359373 A JP2002359373 A JP 2002359373A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
conductivity type
type
buffer layer
impurity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002089781A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3977676B2 (ja
Inventor
Motoomi Kobayashi
源臣 小林
Hideki Nozaki
秀樹 野崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2002089781A priority Critical patent/JP3977676B2/ja
Publication of JP2002359373A publication Critical patent/JP2002359373A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3977676B2 publication Critical patent/JP3977676B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thyristors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】リーク電流の増加および濃度プロファイルの制
御性の低下を抑制したPT−IGBT等の高耐圧半導体
素子を含む半導体装置を提供する。 【解決手段】半導体装置は、高抵抗で第1及び第2の表
面を有すると共に、第1導電型を有する第1のベース層
1と、前記第1の表面中に設けられ、第2導電型を有す
る第2のベース層4、前記第2のベース層中に設けら
れ、前記第1導電型を有するエミッタ層5、前記エミッ
タ層と前記第1のベース層とで挟まれた前記第2のベー
ス層上にゲート絶縁膜2を介して設けられたゲート電極
3と、前記第2の表面に設けられ、高不純物濃度を有す
ると共に、前記第1導電型を有するバッファ層8と、前
記バファ層に設けられ、前記第2導電型を有するコレク
タ層9とを具備してなり、バッファ層の活性化率が25
%以上であり、かつコレクタ層の活性化率が0%よりも
高くかつ10%以下となるように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パンチスルー型I
GBT(PT−IGBT)等の高耐圧半導体素子を含む
半導体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高耐圧半導体素子の一つとしてIGBT
(Insulated Gate Bipolar Transistor)が知られて
いる。図10に、従来のパンチスルー型IGBTの断面
図を示す。図中、81は高抵抗のn- 型ベース層を示し
ており、このn- 型ベース層81中にはp型ベース層8
2が形成されている。p型ベース層82中にはn型エミ
ッタ層83が形成されている。
【0003】n型エミッタ層83とn- 型ベース層81
とで挟まれたp型ベース層82上には、ゲート絶縁膜8
4を介して、ゲート電極85が設けられている。ゲート
電極85は例えばポリシリコンで形成されている。
【0004】エミッタ電極86は、層間絶縁膜87に開
口されたコンタクトホールを介して、n型エミッタ層8
3およびp型ベース層82に接続している。エミッタ電
極86は、例えばAl等の金属で形成されている。さら
に、これらのゲート電極85およびエミッタ電極86を
含むn- 型ベース層81の表面は、図示しないパッシベ
ーション膜で被われている。
【0005】一方、n- 型ベース層81の裏面には、n
+ 型バッファ層88を介して、p+型コレクタ層89が
設けられている。p+ 型コレクタ層89には、コレクタ
電極90が設けられている。コレクタ電極90は、例え
ばAl等の金属で形成されている。
【0006】しかしながら、この種のPT−IGBTに
は以下のような問題があった。図10に示したPT−I
GBTは、p+ 型コレクタ層89上にn+ 型バッファ層
88およびn- 型ベース層81が予め作り込まれた厚い
エピタキシャルウェハを用いて製造されている。
【0007】具体的には、まず、厚さ625μmのp+
型コレクタ層89上に、厚さ15μmのn+ 型バッファ
層88、厚さ60μmのn- 型ベース層81を順次エピ
タキシャル成長させ、厚さ700μmのエピタキシャル
ウェハを形成する。次に、p + 型コレクタ層89の裏面
を研磨し、p+ 型コレクタ層89の厚さを175μmま
で薄くし、基板として使用している。
【0008】しかし、このような厚さ700μmのエピ
タキシャルウェハを作成するにはコストがかかり、図1
0に示したPT−IGBTは高価となる。
【0009】本発明者らは、このような問題を解決する
ために、n+ 型バッファ層88およびp+ 型コレクタ層
89が予め作り込まれていない通常のウェハを用いるこ
とを考えた。
【0010】すなわち、ウェハの表面にp型ベース層8
2、n型エミッタ層83、ゲート絶縁膜84、ゲート電
極85、層間絶縁膜87、エミッタ電極86、さらには
図示しないパッシベーション膜を形成した後、n- 型ベ
ース層81の裏面にn型不純物イオン、p型不純物イオ
ンを順次注入し、続いてこれらのn型およびp型不純物
を活性化するためにn- 型ベース層81の裏面からレー
ザを照射し、n+ 型バッファ層88およびp+ 型コレク
タ層89を形成することを試みた。
【0011】しかしながら、この種のレーザ照射(レー
ザアニール)による溶融深さは数μm以内で、かつ照射
時間は短時間であるため、レーザによる熱がn+ 型バッ
ファ層88内に十分に伝わらず、n+ 型バッファ層88
中にイオン注入等によるダメージ層が残留し、その結果
として素子オン状態ではコレクタ・エミッタ間飽和電圧
(VCE(sat))が上昇し、一方素子オフ状態ではリー
ク電流が発生するという素子特性の低下が起こる。
【0012】VCE(sat)が上昇する理由は、オン状態
では、ダメージ層がホールの注入トラップとして働くか
らである。リーク電流が発生する理由は、図11に示す
ように、オフ状態では、ダメージ層91が空乏化する
と、キャリアの生成中心として働くからである。
【0013】このようなダメージ層の残留に起因する問
題を解決する方法の一つとして、n + 型バッファ層88
中に注入するn型不純物の加速エネルギーを小さくする
ことがあげられる。その理由は、図12に示すように、
n型不純物の活性化率(activation rate)は、加速エ
ネルギーVaccが小さくなるに従って高くなるからであ
る。
【0014】ここで、n型不純物の加速エネルギーを小
さくすると、それに伴ってn+ 型バッファ層88の深さ
は浅くなる。そのため、p+ 型不純物の拡散がn+ 型バ
ッファ層88中の不純物の濃度プロファイルに与える影
響は大きくなり、濃度プロファイルの制御性が低下す
る。
【0015】濃度プロファイルの制御性の低下は次のよ
うな問題につながる。濃度プロファイルの制御性が低下
すると、所望の濃度プロファイルを有するn+ 型バッフ
ァ層88、p+ 型コレクタ層89を形成することが困難
になったり、あるいは形成することが不可能となる。そ
の結果、所望の素子特性が得られなくなり、あるいは素
子によって濃度プロファイルが異なり、素子特性がばら
ついてしまう。
【0016】いずれにしても、この種のPT−IGBT
は、そのn+ 型バッファ層およびp + 型コレクタ層をイ
オン注入とレーザアニールにより形成していたため、V
CE(sat)が上昇したり、n+ 型バッファ層中の不純物
の濃度プロファイルの制御性が低下してしまう。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、この
種のPT−IGBTは、n+ 型バッファ層およびp+
コレクタ層をイオン注入とレーザアニールにより形成し
ていたため、VCE(sat)が上昇したり、n+ 型バッフ
ァ層中の不純物の濃度プロファイルの制御性が低下する
という問題がある。
【0018】それ故、本発明の目的は、このような素子
特性の低下や濃度プロファイルの制御性の低下を抑制で
きるPT−IGBT等の高耐圧半導体素子を含む半導体
装置およびその製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による半導体装置は、高抵抗で第1及び第2
の表面を有すると共に、第1導電型を有する第1のベー
ス層と、前記第1の表面中に設けられ、第2導電型を有
する第2のベース層と、前記第2導電型のベース層中に
設けられ、前記第1導電型を有するエミッタ層と、前記
エミッタ層と前記第1のベース層とで挟まれた前記第2
のベース層上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート
電極と、前記第2の表面に設けられ、高不純物濃度を有
すると共に、前記第1導電型を有するバッファ層と、前
記バッファ層に設けられ、前記第2導電型を有するコレ
クタ層とを具備してなり、(SR分析による前記バッフ
ァ層中の活性化した第1導電型不純物の密度[c
-2])/(SIMS分析による前記バッファ層中の第
1導電型不純物の密度[cm-2])で定義される第1の
活性化率が25%以上であり、かつ(SR分析による前
記コレクタ層中の活性化した第2導電型不純物の密度
[cm-2])/(SIMS分析による前記コレクタ層中
の第2導電型不純物の密度[cm-2])で定義される第
2の活性化率が0%よりも高くかつ10%以下としてい
る。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に図面
を参照して説明する。
【0021】図1乃至図6は、本発明の実施の形態によ
るPT−IGBTの製造方法を示す断面図である。
【0022】まず、図1に示すように、n- 型ベース層
1の表面上にゲート絶縁膜2となる絶縁膜、ゲート電極
3となる導電膜を順次堆積した後、これらの導電膜およ
び絶縁膜をパターニングする。ゲート絶縁膜2は例えば
シリコン酸化膜、ゲート電極3は例えばポリシリコンで
それぞれ形成する。
【0023】図2に示すように、自己整合的にn- 型ベ
ース層1中にp型ベース層4を形成し、続いてp型ベー
ス層4中にn型エミッタ層5を形成する。
【0024】図3に示すように、層間絶縁膜6を全面に
堆積し、層間絶縁膜6にコンタクトホールを形成した
後、p型ベース層4とn型エミッタ層5にコンタクトす
るエミッタ電極7を形成する。エミッタ電極7は、例え
ばAlで形成する。なお、p型ベース層4とn型エミッ
タ層5上にエミッタ電極7を直接形成するのではなく、
バリアメタル膜を介してエミッタ電極7を形成すること
が好ましい。
【0025】その後、ゲート電極3およびエミッタ電極
7を含むn- 型ベース層1の表面を図示しないパッシベ
ーション膜、例えばポリイミド膜で覆い、さらに仕様の
耐圧に応じてn- 型ベース層1を薄くする。これはn-
型ベース層1の裏面を研磨して行う。この研磨は、例え
ばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により
行う。n- 型ベース層1を薄くする他の方法としては、
機械的研磨とウエットエッチングとを用いた方法があげ
られる。機械的研磨の方が先に行われる。
【0026】図4に示すように、例えばドーズ量1×1
15cm-2、加速電圧160KeVの条件でn- 型ベー
ス層1の裏面に燐等のn型不純物イオンを注入した後、
例えばエネルギー密度2.5J/cm2 の条件でエキシ
マレーザをn- 型ベース層1の裏面に照射する。n-
ベース層1の裏面から2μm以下の領域を溶融するレー
ザアニール(第1のアニール)を行うことによって、n
- 型ベース層1の裏面にn+ 型バッファ層8を形成す
る。この時のレーザアニールの温度はシリコンの溶融温
度以上であって、例えば、1300℃以上である。
【0027】このように形成されたn+ 型バッファ層8
は、活性化率a(第1の活性化率)≧25%を満し、か
つn- 型ベース層1の裏面から2μm以下の厚さを有し
ている。上記n- 型ベース層1の裏面は、図6の工程で
はp+ 型コレクタ層9の表面となる。
【0028】ここで、活性化率aは(SR(spreading
resistance)分析にて得られた活性化したn+ 型バッフ
ァ層8中のn型不純物の密度[cm-2])/(SIMS
(Secondary Ion Mass Spectrometry)分析にて得られた
+ 型バッファ層8中のn型不純物の密度[cm-2])
で定義される。
【0029】SR分析は、周知の技術であるが簡単に説
明すると以下の通りである。すなわち、2本の針の間隔
を十分に小さくし(数10〜数100μm)、その先端
が試料に接触する面の半径をaとすると、ひろがり抵抗
(Rs)と比抵抗(ρ)との関係は、Rs=ρ/2aで
与えられる。
【0030】図7に、不純物拡散を行ったpn接合を斜
め研磨した後に針の間隔20μmの装置でSR分析を行
う様子を示す。図において、DOPING TYPE II はn+
バッファ層8に相当し、DOPING TYPE I は後工程で形成
するp+ 型コレクタ層9にそれぞれ相当する。
【0031】上記のように形成されたn+ 型バッファ層
8に関して、SR分析にて得られ、活性化したn型不純
物の密度[cm-2]及びSIMS分析にて得られるn型
不純物の密度[cm-2]はそれぞれ2.7×1014
-2及び1×1015cm-2となり、これらの比、即
ち、上記活性化率aはa≧25%となる。
【0032】活性化率aを25%以上とする理由は、図
9に示すように、a≧25%以上の領域ではVCE(sa
t)が充分に小さくなることが明らかになったからであ
る。また、リーク特性についても、a≧25%以上の領
域ではリーク電流は充分に小さくなることが確認され
た。
【0033】次に、図5に示すように、n+ 型バッファ
層8の表面に例えばドーズ量1×1015cm-2、加速電
圧50KeVの条件でボロンイオン(B+ )を注入す
る。
【0034】ここで、ボロンの注入量は、ボロンのイオ
ン注入によってp+ 型コレクタ層9の一部をアモルファ
ス化できる値が好ましい。その理由は、同じアニール温
度の場合、部分的なディスオーダ(disorder)
を含む層よりも連続的なディスオーダ(disorde
r)であるアモルファス状態の方が注入したボロンイオ
ンの活性化率が高くなるからである。
【0035】具体的には、p+ 型コレクタ層9の表面か
ら2μm以内の領域のp型不純物のドーズ量[cm-2
が1×1015cm-2の場合、450℃でのシンター後の
活性化率b(第2の活性化率)は3%程度となり、それ
より小さい値であるドーズ量[cm-2]が1×1014
の場合、活性化率bは1%未満となる。
【0036】即ち、上記p+ 型コレクタ層9に関して、
p型不純物のドーズ量[cm-2]が1×1015cm-2
場合、SR分析にて得られ、活性化したp型不純物の密
度[cm-2]及びSIMS分析にて得られるp型不純物
の密度[cm-2]はそれぞれ3×1013cm-2及び1
×1015cm-2となり、これらの比、即ち、上記活性
化率bは3%程度となる。
【0037】また、p型不純物のドーズ量[cm-2]が
1×1014cm-2の場合、SR分析にて得られる活性
化したp型不純物の密度及びSIMS分析にて得られる
p型不純物の密度[cm-2]はそれぞれ6×1011
-2及び1×1014cm-2となり、上記活性化率bは
1%未満となる。
【0038】さらに、アモルファス化できるボロンのド
ーズ量は、1015cm-2程度以上である。
【0039】次に、図6に示すように、AlにSiを添
加した材料からなるターゲット(Al−Siターゲッ
ト)を用いたスパッタにより、ボロンイオンを注入した
+ 型コレクタ層9上にAl−Siからなるコレクタ電
極10を形成した後、コレクタ電極10に対して450
℃のシンター(第2のアニール)を行う。ここでは、シ
ンターの温度を450℃としたが、それに限定されるも
のではない。温度の上限は、エミッタ電極7の材料や、
パッシベーション膜の材料で決定される。
【0040】すなわち、シンターの温度の上限は、エミ
ッタ電極7の材料の融点以下やパッシベーション膜の膜
質を維持する温度以下に設定する必要がある。例えば、
パッシベーション膜としてポリイミドを使用した場合に
は、上記シンター温度の上限は560℃である。
【0041】上記シンターはn+ 型バッファ層8の表面
に注入したボロンイオンを活性化するためのアニールを
兼ねており、これによりプロセス数の増加を招くことな
く、n+ 型バッファ層8にp+ 型コレクタ層9を形成で
きる。上記シンターは電気炉を用いた熱処理(炉アニー
ル)である。
【0042】上記450℃のシンターでのボロンイオン
の活性化率は1.0%未満である。ここで、上述したよ
うに、図5のボロンのイオン注入工程で、p+ 型コレク
タ層9の一部をアモルファス化しておけば、より高い活
性化率の達成を期待できる。
【0043】上記p+ 型コレクタ層9は、活性化率b
(第2の活性化率)が0%よりも高くかつ10%以下と
なるように形成されている。活性化率bの定義は、活性
化率aの定義と同様であり、(SR分析にて得られた活
性化したp+ 型コレクタ層9中のp型不純物の密度[c
-2])/(SIMS分析にて得られたp+ 型コレクタ
層9中のp型不純物の密度[cm-2])で定義される。
活性化率bの値(%)が上記範囲(0<b≧10)内の
値になる理由は、シンターでボロンイオンの活性化を行
ったからである。
【0044】その後、周知の方法に従って図示しないV
/Ni/Au電極をスパッタで形成する工程、さらにダ
イシングを行う工程が続く。
【0045】図8に、燐イオンおよびボロンイオンの活
性化をシンターで行った場合、燐イオンおよびボロンイ
オンの活性化をレーザアニールで行った場合のそれぞれ
について、SIMS分析により調べたPT−IGBTの
+ 型バッファ層およびp+型コレクタ層中の不純物の
濃度分布を示す。
【0046】図8から、レーザアニールの場合、p+
コレクタ層の表層0.1μmの領域内でボロンイオンの
拡散が生じているが、シンターの場合、p+ 型コレクタ
層の表層0.1μmの領域内でボロンイオンの拡散はほ
とんど生じていないことが分かる。すなわち、ボロンイ
オンの活性化をシンターで行うことにより、ガウシアン
分布と同様な不純物濃度分布を実現できるようになる。
【0047】したがって、本実施の形態のように、燐イ
オンの活性化をレーザアニールにより行い、比較的浅い
+ 型バッファ層を形成しても、ボロンイオンの活性化
をシンターにより行えば、p+ 型コレクタ層中のボロン
のn+ 型バッファ層中への拡散を十分に防止でき、n+
型バッファ層中の燐の濃度プロファイルの制御性の低下
を防止できるようになる。
【0048】即ち、第1導電型ベース層中に注入した第
1導電型不純物イオンを活性化するためのアニールと、
第1導電型バッファ層中に注入した第2導電型不純物イ
オンを活性化するためのアニールとをそれぞれ別の工程
で行い、素子特性の低下や濃度プロファイルの制御性の
低下の原因である、第1導電型ベース層中への第2導電
型不純物の拡散がほとんど生じない条件で、第2のアニ
ールを行っているので、素子特性の低下や濃度プロファ
イルの制御性の低下を抑制できるPT−IGBT等の高
耐圧半導体素子を含む半導体装置を製造できるようにな
る。上記条件は、例えば第2のアニールの温度を第1の
アニールの温度よりも低くすることである。
【0049】また、濃度プロファイルの制御性の低下を
抑制できることにより、制御性の低下により派生的に生
じる、所望の素子特性が得られなくなったり、あるいは
素子によって素子特性がばらついてしまうという、従来
技術の問題も解決できる。
【0050】このように所望の濃度プロファイルを有す
るn+ 型バッファ層、p+ 型コレクタ層が得られること
により、所望の素子特性を得ることができる。
【0051】上記においては、p+ 型コレクタ層中のp
型不純物のn+ 型バッファ層中への拡散を防止するため
に、第2のアニールの温度を第1のアニールの温度より
も低くするという温度制御を行ったが、その代わりにア
ニールの時間制御、あるいは温度制御および時間制御の
両方によって行っても良い。
【0052】なお、本発明は、上記実施の形態に限定さ
れるものではない。例えば、第1導電型をn型、第2導
電型をp型として説明したが、逆に第1導電型をp型、
第2導電型をn型としても良い。
【0053】また、上記実施の形態では、コレクタ電極
10のシンター工程は、p+ 型コレクタ層9中のボロン
イオンの活性化工程を兼ねていたが、コレクタ電極10
のシンター工程とボロンイオンの活性化工程とをそれぞ
れ別の熱処理により行っても良い。この場合、各熱処理
の最適化が容易となる。
【0054】さらに、上記においてはPT−IGBTの
ディスクリートデバイスについて説明したが、PT−I
GBTとその制御回路や保護回路などの他の回路を同一
チップ内に形成しても良い。
【0055】さらにまた、上記実施の形態ではPT−I
GBTの場合について説明したが、他の高耐圧半導体素
子、例えばIEGT(Injection Enhancement Gate Tra
nsistor )にも適用できる。すなわち、本発明は、高抵
抗の第1導電型ベース層/高不純物濃度の第1導電型バ
ッファ層/第2導電型コレクタ層の半導体構造を有する
半導体素子(半導体装置)に対して適用可能である。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、P
T−IGBTを構成する第1導電型のバッファ層に関し
て、(SR分析による前記バッファ層中の活性化した第
1導電型不純物の密度[cm-2])/(SIMS分析に
よる前記バッファ層中の第1導電型不純物の密度[cm
-2])で定義される第1の活性化率aを25%以上と
し、かつ第2導電型のコレクタ層に関して、(SR分析
による前記コレクタ層中の活性化した第2導電型不純物
の密度[cm-2])/(SIMS分析による前記コレク
タ層中の第2導電型不純物の密度[cm-2])で定義さ
れる第2の活性化率bを0<b≧10%としているの
で、VCE(sat)を充分小さくすることができ、また、
リーク特性についても、リーク電流を充分減少させるこ
とができる。
【0057】また、第1導電型のベース層中に注入した
第1導電型不純物イオンを活性化するためのアニール
と、第1導電型のバッファ層中に注入した第2導電型不
純物イオンを活性化するためのアニールとをそれぞれ個
別の工程で行い、素子特性の低下や濃度プロファイルの
制御性の低下の原因である、第1導電型のベース層中へ
の第2導電型不純物の拡散がほとんど生じない条件で、
第2のアニールを行っているので、第1導電型のバッフ
ァ層中の不純物の濃度プロファイルの制御性の低下を抑
制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるPT−IGBTの
製造方法を示す断面図の一部である。
【図2】本発明の一実施の形態によるPT−IGBTの
製造方法を示す断面図の一部である。
【図3】本発明の一実施の形態によるPT−IGBTの
製造方法を示す断面図の一部である。
【図4】本発明の一実施の形態によるPT−IGBTの
製造方法を示す断面図の一部である。
【図5】本発明の一実施の形態によるPT−IGBTの
製造方法を示す断面図の一部である。
【図6】本発明の一実施の形態によるPT−IGBTの
製造方法を示す断面図の一部である。
【図7】SR分析を説明するための図である。
【図8】n+ 型バッファ層およびp+ 型コレクタ層中の
不純物の濃度分布をSIMS分析により調べた結果を示
す図である。
【図9】n+ 型バッファ層の活性化率aとVCE(sat)
との関係を示す図である。
【図10】従来のPT−IGBTを示す断面図である。
【図11】従来のPT−IGBTのリーク電流のメカニ
ズムを説明するための図である。
【図12】イオン注入した第1導電型不純物の活性化率
の加速エネルギーの依存性を示す図である。
【符号の説明】
1…n- 型ベース層、2…ゲート絶縁膜、3…ゲート電
極、4…p型ベース層、5…n型エミッタ層、6…層間
絶縁膜、7…エミッタ電極、8…n+ 型バッファ層、9
…p+ 型コレクタ層、10…コレクタ電極

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高抵抗で第1及び第2の表面を有すると共
    に、第1導電型を有する第1のベース層と、 前記第1の表面中に設けられ、第2導電型を有する第2
    のベース層と、 前記第2導のベース層中に設けられ、前記第1導電型を
    有するエミッタ層と、 前記エミッタ層と前記第1のベース層とで挟まれた前記
    第2のベース層上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲ
    ート電極と、 前記第2の表面に設けられ、高不純物濃度を有すると共
    に、前記第1導電型を有するバッファ層と、 前記バッファ層に設けられ、前記第2導電型を有するコ
    レクタ層とを具備し、 (SR分析による前記バッファ層中の活性化した第1導
    電型不純物の密度[cm-2])/(SIMS分析による
    前記バッファ層中の第1導電型不純物の密度[c
    -2])で定義される第1の活性化率が25%以上であ
    り、 かつ(SR分析による前記コレクタ層中の活性化した第
    2導電型不純物の密度[cm-2])/(SIMS分析に
    よる前記コレクタ層中の第2導電型不純物の密度[cm
    -2])で定義される第2の活性化率が0%よりも高くか
    つ10%以下であることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】前記コレクタ層の表面から2μm以内の領
    域の前記バッファ層中の第2導電型不純物のドーズ量
    [cm-2]は、1×1015cm-2以上である請求項1記
    載の半導体装置。
  3. 【請求項3】前記バッファ層は前記コレクタ層の表面か
    ら2μm以内に前記ベース層中に形成されている請求項
    1又は2記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】前記コレクタ層の表面から2μm以内の領
    域の前記バッファ層中の第2導電型不純物のドーズ量
    [cm-2]は、1×1015cm-2以上である請求項1乃
    至3のいずれか1つ記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】高抵抗で第1及び第2の表面を有すると共
    に、第1導電型を有する第1のベース層を用意し、 前記第1の表面上にゲート絶縁膜となる絶縁膜及びゲー
    ト電極となる導電膜を順次被着し、 前記導電膜及び前記絶縁膜を順次パターンニングして前
    記第1の表面の一部を露出し、 露出した前記第1の表面中に第2導電型を有する第2の
    ベース層を自己整合的に形成し、 前記第2のベース層中に前記第1導電型を有するエミッ
    タ層を選択的に形成し、 前記エミッタ層上にエミッタ電極を形成し、 前記第2の表面に前記第1導電型を有する第1の不純物
    イオンを注入し、 前記第1の不純物イオンを第1のアニールにより活性化
    し、前記第2の表面に高不純物濃度を有すると共に、前
    記第1導電型を有するバッファ層を形成し、 前記バッファ層の表面に前記第2導電型を有する第2の
    不純物イオンを注入し、 前記第2の不純物イオンを第2のアニールにより活性化
    し、前記バッファ層中に前記第2導電型を有するコレク
    タ層を形成する半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】(SR分析による前記バッファ層中の活性
    化した第1導電型不純物の密度[cm-2])/(SIM
    S分析による前記バッファ層中の第1導電型不純物の密
    度[cm-2])で定義される第1の活性化率が25%以
    上であり、 かつ(SR分析による前記コレクタ層中の活性化した第
    2導電型不純物の密度[cm-2])/(SIMS分析に
    よる前記コレクタ層中の第2導電型不純物の密度[cm
    -2])で定義される第2の活性化率が0%よりも高くか
    つ10%以下である請求項5記載の半導体装置の製造方
    法。
  7. 【請求項7】前記第2のアニールは前記第1のアニール
    よりも低い温度で行う請求項5記載の半導体装置の製造
    方法。
  8. 【請求項8】前記第2のアニールの温度はパッシベーシ
    ョン膜の膜質を維持する温度よりも低い請求項5記載の
    半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】前記第1のアニールはレーザーアニール、
    前記第2のアニールは炉アニールである請求項5記載の
    半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】前記コレクタ層をアモルファス化できる
    注入量の条件で、前記第2の不純物イオンを前記バッフ
    ァ層に注入することを特徴とする請求項5記載の半導体
    装置の製造方法。
JP2002089781A 2001-03-29 2002-03-27 半導体装置及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3977676B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002089781A JP3977676B2 (ja) 2001-03-29 2002-03-27 半導体装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-95969 2001-03-29
JP2001095969 2001-03-29
JP2002089781A JP3977676B2 (ja) 2001-03-29 2002-03-27 半導体装置及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002359373A true JP2002359373A (ja) 2002-12-13
JP3977676B2 JP3977676B2 (ja) 2007-09-19

Family

ID=26612553

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002089781A Expired - Fee Related JP3977676B2 (ja) 2001-03-29 2002-03-27 半導体装置及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3977676B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003051597A (ja) * 2001-08-08 2003-02-21 Fuji Electric Co Ltd 半導体装置の製造方法
JP2004039984A (ja) * 2002-07-05 2004-02-05 Sumitomo Heavy Ind Ltd レーザ照射を用いた半導体装置の製造方法
JP2006203151A (ja) * 2004-12-24 2006-08-03 Fuji Electric Holdings Co Ltd 半導体素子の濃度評価方法
JP2008085050A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Renesas Technology Corp 半導体装置の製造方法
JP2009021285A (ja) * 2007-07-10 2009-01-29 Mitsubishi Electric Corp 電力用半導体装置とその製造方法
JP2009059817A (ja) * 2007-08-30 2009-03-19 Shin Etsu Handotai Co Ltd 半導体基板の製造方法
JPWO2009122486A1 (ja) * 2008-03-31 2011-07-28 三菱電機株式会社 半導体装置
WO2016113841A1 (ja) * 2015-01-13 2016-07-21 三菱電機株式会社 半導体装置、その製造方法および半導体モジュール

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003051597A (ja) * 2001-08-08 2003-02-21 Fuji Electric Co Ltd 半導体装置の製造方法
JP2004039984A (ja) * 2002-07-05 2004-02-05 Sumitomo Heavy Ind Ltd レーザ照射を用いた半導体装置の製造方法
JP2006203151A (ja) * 2004-12-24 2006-08-03 Fuji Electric Holdings Co Ltd 半導体素子の濃度評価方法
JP2008085050A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Renesas Technology Corp 半導体装置の製造方法
JP2009021285A (ja) * 2007-07-10 2009-01-29 Mitsubishi Electric Corp 電力用半導体装置とその製造方法
JP2009059817A (ja) * 2007-08-30 2009-03-19 Shin Etsu Handotai Co Ltd 半導体基板の製造方法
JPWO2009122486A1 (ja) * 2008-03-31 2011-07-28 三菱電機株式会社 半導体装置
DE112008003787T5 (de) 2008-03-31 2012-03-01 Mitsubishi Electric Corp. Halbleitervorrichtung
US8507945B2 (en) 2008-03-31 2013-08-13 Mitsubishi Electric Corporation Semiconductor device including an insulated gate bipolar transistor (IGBT)
US8829564B2 (en) 2008-03-31 2014-09-09 Mitsubishi Electric Corporation Semiconductor device including an IGBT
DE112008003787B4 (de) * 2008-03-31 2015-01-22 Mitsubishi Electric Corp. Halbleitervorrichtung
WO2016113841A1 (ja) * 2015-01-13 2016-07-21 三菱電機株式会社 半導体装置、その製造方法および半導体モジュール
JPWO2016113841A1 (ja) * 2015-01-13 2017-06-08 三菱電機株式会社 半導体装置、その製造方法および半導体モジュール
US10438947B2 (en) 2015-01-13 2019-10-08 Mitsubishi Electric Corporation Semiconductor device, manufacturing method therefor and semiconductor module

Also Published As

Publication number Publication date
JP3977676B2 (ja) 2007-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5900652A (en) Apparatus for the localized reduction of the lifetime of charge carriers, particularly in integrated electronic devices
JP4746927B2 (ja) 半導体装置の製造方法
US11824090B2 (en) Back side dopant activation in field stop IGBT
JPH1027807A (ja) 半導体デバイス製造方法
US9941383B2 (en) Fast switching IGBT with embedded emitter shorting contacts and method for making same
US5541122A (en) Method of fabricating an insulated-gate bipolar transistor
JPH0817849A (ja) Mos型電力装置の製造方法
US20210273046A1 (en) Semiconductor device incorporating epitaxial layer field stop zone
TW201906168A (zh) 引入外延層場闌區的反向傳導igbt及其製備方法
US6649981B2 (en) High breakdown voltage semiconductor device
JP6654189B2 (ja) 薄い半導体ウェハを備える半導体デバイスの製造方法
US20020081784A1 (en) Semiconductor device
US20210376167A1 (en) Semiconductor device
JP3977676B2 (ja) 半導体装置及びその製造方法
US20210134989A1 (en) Semiconductor device and method of manufacturing thereof
CN115332330A (zh) 一种具有反向导通特性的igbt器件及其制备方法
JP2000260778A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JPH11307545A (ja) 炭化珪素半導体装置の製造方法
US6806159B2 (en) Method for manufacturing a semiconductor device with sinker contact region
JPH10335630A (ja) 半導体装置及びその製造方法
US7164186B2 (en) Structure of semiconductor device with sinker contact region
JP2000058834A (ja) 導電性強化型mos―ゲ―ト半導体装置の製造方法
CN115939199A (zh) 一种igbt器件及制造方法
GB2292252A (en) Rapid turn off semiconductor devices
KR20180122575A (ko) 전력 반도체 소자의 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070327

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070528

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070619

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070621

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100629

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 3977676

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100629

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110629

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120629

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120629

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130629

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees