JP2002357794A - メガネフレームの蝶番 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 メガネフレームのツルを折畳み出来るように
連結する蝶番であって、ツルの開閉操作が滑らかで、ガ
タ付くことのない蝶番の提供。 【解決手段】 蝶番を構成する両蝶片１，２に設けたピ
ン穴７には樹脂製のピン３を嵌めて軸とし、該ピン３の
中心穴にはネジ４を螺合してピン３の外径を拡大し、そ
して蝶片１，２のピン穴７に適切な面圧を作用すること
でツルの開閉操作を滑らかにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はメガネフレームのツ
ルが折畳み出来るように取付ける蝶番に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】図４は従来の一般的な金属製メガネフレ
ームを示している。金属製のメガネフレームはフロント
フレーム(イ)とツル(ロ)、(ロ)から成って、フロントフ
レーム(イ)はレンズが嵌る両リム(ハ)、(ハ)を連結部材
(ニ)にて連結し、リム外側にはヨロイ(ホ)、(ホ)がロウ
付けされている。又、リム内側にはフロント部を鼻に当
てて支持する為の鼻当てパット(ヘ)、(ヘ)が取付けられ
ている。

【０００３】そして上記ヨロイ(ホ)、(ホ)にはツル
(ロ)、(ロ)が取付けられているが、折畳み出来るよう
に、間には蝶番(ト)、(ト)が介在している。図５は上記
蝶番(ト)を示しているように、蝶片(チ)と蝶片(リ)が軸
ネジ(ヌ)によって連結し、各蝶片(チ)、(リ)は軸ネジ
(ヌ)を中心として屈曲出来る。従って、一方の蝶片(チ)
はヨロイ(ホ)にロウ付けされ、他方の蝶片(リ)はツル側
にロウ付けされることでツル(ロ)は折畳み出来る。

【０００４】図６は両蝶片(チ)、(リ)の連結構造を示す
断面拡大図である。ところで、長いツル(ロ)に対して蝶
番(ト)は小さく、この蝶番(ト)はツル(ロ)を片持ち状態
で支持すると共に開閉動作を繰り返し、その為に該蝶番
の摺動面は磨耗してツル(ロ)がガタ付く。このような現
象は全ての蝶番において発生する問題であるが、近年多
用されているチタン材から成る蝶番は磨耗が著しい。

【０００５】凸状の蝶片(チ)と凹状の蝶片(リ)が互いに
噛み合って軸ネジ(ヌ)によって連結されているが、蝶片
(チ)、(リ)の屈曲に伴って摺動面(ル)、(ル)が磨耗し、
又該軸ネジ(ヌ)は緩んでしまう。その結果、ツル(ロ)は
滑らかな動きで折畳まれず、ガタ付きを生じる。又左右
蝶番(ト)、(ト)における軸ネジ(ヌ)、(ヌ)の締め付け具
合が異なるならば、ツル(ロ)、(ロ)の開閉力がアンバラ
ンスと成ってしまう。そこで、軸ネジ(ヌ)が緩まないよ
うに工夫したり、又摺動面(ル)が磨耗しないように座金
を介在することもある。しかし、小さな蝶番(ト)にさら
に小さい座金をセットして蝶片(チ)、(リ)を組み合わせ
て軸ネジ(ヌ)を締め付ける作業は極めて面倒であり、作
業性が悪い。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このように、従来の蝶
番には上記のごとき問題がある。本発明が解決しようと
する課題はこの問題点であり、互いに噛み合って屈曲す
る蝶片の摺動面が磨耗することなく、又軸ネジが緩むこ
とのないメガネフレームの蝶番を提供する。ひいてはツ
ルのガタ付きを防止してスムーズな折畳み操作が出来る
蝶番を提供する。

【０００７】

【課題を解決する為の手段】本発明に係るメガネフレー
ムの蝶番は両蝶片を樹脂製のピンを軸として連結してい
る。軸と成るピンは樹脂製であり、金属製蝶片のピン穴
に馴染んで滑らかな回転摺動をもたらすことが出来、そ
してピンの中心にはネジが螺合して挿入される。その結
果、樹脂製のピン外径は拡大して蝶片のピン穴に適度な
面圧をもって接することが出来る。ここで、本発明の蝶
番は独立した部品として構成する場合に限らず、ヨロイ
先端及びツル端に各蝶片を一体化して形成することもあ
る。

【０００８】樹脂製ピンに螺合するネジはピン外径を拡
大することが出来るように、螺合するネジの太さを調整
することで、ピンと蝶片のピン穴内周面間の面圧を調整
する。すなわち、蝶片の回転摺動具合の調整が可能とな
り、又ピン外周が磨耗した場合には太いネジに交換する
ことで磨耗に基づくピン穴内周面間の面圧を最適化出来
る。勿論、ピン自体を交換することは自由である。以
下、本発明に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。

【０００９】

【実施例】図１は本発明の蝶番を示す実施例であり、
１，２は蝶片、３はピン、４はネジを表している。凹状
の蝶片１と凸状の蝶片２は互いに噛み合って樹脂製のピ
ン３を軸として連結され、その為にピン３は各蝶片１，
２のピン穴に嵌っている。そして樹脂製のピン３の中心
には細いネジ４が螺合して挿入され、ピン３の外径を僅
かに拡大している。

【００１０】前記図５に示している従来の蝶番(ト)では
互いに噛み合う凹凸の摺動面(ル)、(ル)が互いに接して
いるが、本発明の蝶番はピン３がピン穴内周面に接して
適度な面圧を作用している。勿論、互いに噛み合う凹凸
摺動面も接しているが、この摺動面を基準として両蝶片
１，２は連結されていない。

【００１１】ここでピン３は樹脂製であって、金属製の
蝶片１，２のピン穴に嵌って馴染むことが出来、そして
ネジ４をピン３の中心に螺合することで該ピン３の外径
が拡大してピン穴内周面に適度な面圧を作用する。樹脂
製のピン３は該樹脂より硬い金属製のネジ４が螺合する
ことで外径が拡大することが出来る。勿論、該ネジ４の
材質は金属質に限定するものではない。

【００１２】図２は一方の蝶片１をヨロイ５にロウ付け
し、他方の蝶片２をツル６にロウ付けし、両蝶片１，２
が連結される前の展開図を示している。凹状蝶片１に凸
状蝶片２を噛み合せてピン３をピン穴７に挿入し、そし
て該ピン３にはネジ４を螺合する。図３はピン３の中心
穴８にネジ４を螺合した場合を示しているが、このよう
に、樹脂製ピン３はネジ４が螺合することで外径が僅か
に拡大して太くなる。

【００１３】ところで、両蝶片１，２のピン穴７にはピ
ン３が挿通して蝶番の屈曲軸と成るが、各蝶片１，２の
屈曲に伴ってピン３が回転しても抜けることはない。ピ
ン３に螺合しているネジ４の頭９と蝶片１との間には僅
かな隙間１０を残している為に、該ネジ４が蝶片１の屈
曲に伴って回転することもない。勿論、この隙間１０が
残らないように頭９を蝶片１に当接するように螺合した
り、該隙間１０にワッシャを嵌めることも可能である
が、この場合には、蝶片１とピン３及びネジ４は一体化
して回転し、蝶片２がピン３を軸として屈曲することに
なる。

【００１４】以上述べたように、本発明の蝶番は両蝶片
を樹脂製のピンを軸として連結し、そしてピンの中心に
はネジを螺合してピンの外径を拡大することでピン穴と
の間に適度な面圧を作用したものであり、次のような効
果を得ることが出来る。

【００１５】

【発明の効果】本発明のメガネフレーム用蝶番は樹脂製
のピンを軸として両蝶片を連結している。そして樹脂製
ピンの中心軸にはネジを螺合してピン外径を拡大し、蝶
片のピン穴内面との間に適度な面圧を作用することが出
来、蝶片は滑らかな屈曲が具現される。すなわち、蝶片
はピン穴に嵌る樹脂製のピンを軸として、ピンとピン穴
との間に適度な面圧を作用させることで、ツルはガタ付
くことなく何時までもスムーズに開閉する。

【００１６】そして、ピン穴に作用する面圧が適当でな
い場合には、ピンに螺合するネジ径を調整することが出
来、同じくピンが磨耗した場合は太いネジを螺合してピ
ン外径を拡大すればよい。一方、蝶番の軸となる樹脂製
のピンは蝶片の屈曲に伴って緩むことはなく、勿論、抜
けることもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の蝶番構造。

【図２】本発明の蝶番の展開図。

【図３】ピンにネジを螺合した場合。

【図４】一般的な金属製メガネフレーム。

【図５】従来の蝶番。

【図６】従来の蝶番構造。

【符号の説明】

１ 蝶片 ２ 蝶片 ３ ピン ４ ネジ ５ ヨロイ ６ ツル ７ ピン穴 ８ 中心穴 ９ 頭 10 隙間

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 メガネフレームのツルを折畳み出来るよ
   うに連結する蝶番において、該蝶番はヨロイ側に固定さ
   れる蝶片とツル側に固定される蝶片に設けたピン穴に樹
   脂製のピンを挿入して繋ぎ、そしてピンの中心穴にはネ
   ジを螺合してピン外径を拡大することでピン穴内面との
   間に適度な面圧を作用したことを特徴とするメガネフレ
   ームの蝶番。
2. 【請求項２】 上記両蝶片をヨロイ先端及びツル端に一
   体的に形成した請求項１記載のメガネフレームの蝶番。
3. 【請求項３】 上記ピンを蝶番高さより僅かに長くし
   て、該ピンに螺合したネジの頭と蝶番間には僅かな隙間
   を残した請求項１、又は請求項２記載のメガネフレーム
   の蝶番。