JP2002356679A - ネマチック液晶組成物及びこれらを用いた液晶表示装置 - Google Patents
ネマチック液晶組成物及びこれらを用いた液晶表示装置Info
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Abstract
ま、高速応答を示す液晶組成物、それを用いた液晶表示
素子、液晶表示装置の提供。 【解決手段】一般式I−1〜I−8の1種以上の化合物
50〜80質量%及び一般式II−1の化合物5〜40
質量%を含有するネマチック液晶組成物。 (RはC1〜10のアルキル基、C2〜10のアルケニ
ル基、環Bは1,4−フェニレン又はトランス−1,4
−シクロヘキシレン基を、Lは−(CH2)−,−CO
O−,−OCO−又は単結合、l1は0、1又は2、l
2は0又は1を、YはF、Cl、CF3、OCF3、O
CF2H、CFH2又はNCOをそれぞれ表す。)
Description
料として有用なネマチック液晶組成物及びこれを用いた
液晶表示装置に関する。
(ツイスティッド・ネマチック液晶表示素子)があり、時
計、電卓、電子手帳などに使用されている。一方、OA機
器の処理情報の増加に伴い、シェファー(Scheffer)等
[SID '85 Digest, p.120 1985年]、衣川等 [SID '86 Di
gest, p.122 1986年]によって、STN(スーパー・ツイス
ティッド・ネマチック)-LCDが開発され、携帯端末、電
子手帳、携帯電話、ポケットコンピュータ、ワードプロ
セッサ、パーソナルコンピュータ、あるいはモニター表
示などの高情報処理用の表示に広く普及している。STN-
LCDの応答特性改善を目的にアクティブアドレッシング
駆動方式 [Proc.12th IDRC p.503 1992年]やマルチライ
ンアドレッシング駆動方式 [SID '92 Digest, p.232 19
92年]が提案されている。又、より明るい表示やより高
いコントラスト比を達成する目的で、カラーフィルター
層の代わりに、液晶と位相差板の複屈折性を利用した反
射型カラー液晶表示方式 [テレビジョン学会技術報告 v
ol.14 No10.p.51 1990年]や基板電極側に小さな放物面
を施した反射面有した液晶表示装置が提案されている。
ら、アクティブ・マトリクス形液晶表示装置が携帯端
末、液晶テレビ、プロジェクター、コンピューター等の
市場に出されている。アクティブ・マトリクス表示方式
は、画素毎にTFT(薄膜トランジスタ)あるいはMIM(メタ
ル・インシュレータ・メタル)等が使われており、この
方式には高電圧保持率であることが重要視されている。
又、更に広い視角特性を得るためにIPS、OCBモードと組
み合わせたTFT表示やより明るい表示を得るためにECBモ
ードの反射型が提案されている。(以下、これらアクテ
ィブ・マトリクス表示方式の液晶表示素子を総称してTF
T-LCDと呼称する。)この様な表示素子に対応するため
に、現在も新しい液晶化合物あるいは液晶組成物、例え
ば特開平2-233626号公報、特公表4-501575号公報等の提
案がなされている。
ら、TFT液晶テレビの要望が高まってきている。液晶テ
レビに要求される特性として、高い色再現性、早い応答
速度、高信頼性等が挙げられるが、最も重要な特性は応
答速度である。従来のテレビに用いられてきたCRT(陰極
線管:cathode ray tube)と比較して液晶ディスプレイ
は、応答速度が遅いため、動画を表示した場合残像が生
じてしまう。これを回避するために、応答速度の極めて
早い液晶材料が切望されている。
般式で表される化合物が用いられている。
キル基、アルコキシ基を表し、l0は0又は1を表す。)
とされているため、高速応答液晶組成物を構築するに
は、粘度の低い一般式(A-4)、(A-5)で表される化合物を
多用する方法が一般的である。しかし、これらの化合物
は、一般式(A-1)、(A-2)、(A-3)で表される化合物との
相溶性が低く、又、低温領域ではスメクチック相の発現
によってネマチック相が狭められていた。従って、低粘
度成分をある割合以上含有し低粘度でありながら、低温
でのネマチック相が安定な液晶組成物を得ることは困難
であった。
する課題は、低温で安定したネマチック相を維持しつ
つ、低粘度かつ早い応答速度を持つ液晶組成物を提供す
ること、又、この液晶組成物を使用した応答速度の速い
即ち60Hzにおけるビデオレートである16.7msec以下の応
答を有する液晶表示素子を提供することにある。
決するために、種々の液晶化合物を用いた液晶組成物を
検討した結果、一般式(I-1)〜(I-8)で表される低粘性化
合物と一般式(II-1)で表される化合物を一定の範囲の比
率で組み合わせることで、低温で安定したネマチック相
を維持しつつ、低粘度かつ早い応答速度を持つ以下の液
晶組成物を見出した。
粘度化合物であり、組成物中の成分比を多くすることに
より組成物の粘度の低下、ひいては応答速度の改善が計
れる。一方、これらの化合物は低温域において結晶化や
スメクチック相の発現を生じ、組成物中の組成比をある
割合以上にすることができなかった。しかし、グループ
(II)で表される化合物を5〜40質量%同時に使用すること
により、低温域における安定なネマチック相を維持しつ
つ、低粘度及び高速応答を実現できる。
なるグループ(I)から1つ又は2つ以上選ばれる化合物を5
0〜80質量%含有し、一般式(II-1)からなるグループ(II)
から1つ又は2つ以上選ばれる化合物を5〜40質量%含有す
ることを特徴とするネマチック液晶組成物を提供する。
炭素原子数1〜10のアルキル基又は炭素原子数2〜10のア
ルケニル基を表し、該アルキル基又は該アルケニル基は
非置換基であるか又は置換基として1個又は2個以上の
F、Cl、CN、CH3、又はCF3を有することができ、該アル
キル基又は該アルケニル基中に存在する1個又は2個以上
のCH2基は、O原子が相互に直接結合しないものとして、
C、CO又はCOOで置換されていてもよく、環Bは各々独立
的に、1,4-フェニレン、2又は3-フルオロ-1,4-フェニレ
ン、2,3-ジフルオロ-1,4-フェニレン、3,5-ジフルオロ-
1,4-フェニレン、2又は3-クロロ-1,4-フェニレン、2,3-
ジクロロ-1,4-フェニレン、3,5-ジクロロ-1,4-フェニレ
ン又はトランス-1,4-シクロへキシレンを表し、Lは各構
造式において各々独立的に(CH2)2-、-COO-、-OCO-又は
単結合を表し、l1は、0、1又は2を表し、l2は0又は1を
表すが、l1+l2は2以下であり、該l1が2の場合は繰り返
される単位は同一であってもよく、異なっていてもよ
く、Yは各々独立的にF、Cl、CF3、OCF3、OCF2H、OCFH2
又はNCSを表し、Xは各構造式において各々独立的にF、C
l又はHを表す。)
(I-8)から少なくとも1種の化合物が選ばれるが、(I-
1)、(I-4)、(I-7)の中から少なくとも1種の化合物が選
ばれることが好ましく、(I-1)、(I-4)双方からそれぞれ
少なくとも1種の化合物が選ばれることがより速いレス
ポンスを目指す観点から特に好ましい。グループ(I)と
して一般式(I-1)〜(I-8)から選ばれた化合物の含有率は
50〜80質量%だが、60〜80質量%が好ましく、70〜80質量
%が特に好ましい。グループ(II)として一般式(II-1)か
ら少なくとも1種の化合物が選ばれるが、より具体的に
は、一般式(II-2)、(II-3)から少なくとも1種選ばれる
ことが低温での液晶性の向上及びレスポンスの改善の観
点から望ましい。
同じ意味を持ち、l3は1又は2を表し、l4は0又は1を表
し、該l3が2の場合は繰り返しの単位は同一でもよく、
異なっていてもよい。)
-フェニレン又はトランス-1,4-シクロへキシレンであり
Lが単結合の化合物が好ましく、一般式(II-2)において
はl3が1であり一般式(II-3)においてはl4が0である化合
物が特に好ましい。
が0〜360℃であるTN-LCD、STN-LCD、IPSやOCB等を含む
アクティブ・マトリクス-LCDに有用であるが、特にアク
ティブ・マトリクス-LCDに有用である。又、上記液晶組
成物は透過型、半透過型又は反射型の液晶表示素子に用
いることができるが、応答速度が極めて速いためLCD-TV
用の透過型液晶表示素子、さらにはこの素子を用いた液
晶表示装置に特に有用である。
(I-1)〜(I-8)及び(II-1)〜(II-3)で表される化合物以外
に、他のネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステ
リック液晶、ディスコチック液晶又はキラル剤などを含
有していてもよい。
記述するが、これらの実施例はいかなる場合も本発明を
限定するものではない。一般式(I-1)〜(II-3)中におけ
るシクロヘキサン環は、トランス体を表している。以下
の実施例及び比較例における「%」は全て「質量%」を表
す。実施例中、測定した特性は以下の通りである。 TNI : ネマチック―等方性液体相転移温度(℃) T→N : 固体―、ガラス―、スメクチック―ネマチック
相転移温度(℃) Δn : 25℃における複屈折率 Δε : 25℃における誘電率異方性 η : 20℃における粘度(mPa・s) Vth : 25℃におけるセル厚4.5μmのTN-LCDを構成した
ときの閾値電圧(V) τr=τd : 25℃におけるセル厚4.5μmのTN-LCDを構成し
たときの立上がりの応答時間と立下りの応答時間が同じ
値になるときの応答時間(msec)(τrは、ノーマリーホワ
イトモードにおいて、電圧印加から光透過率10%まで変
化する時間、τdは、電圧除去から透過率90%まで変化す
る時間) TN-LCD表示素子の作製は以下のようにして行った。対向
する平面透明電極上に「AL-1051」(JSR社製)の有機膜を
調製し、この有機膜をラビングして配向膜を形成したツ
イスト角90℃のTN-LCDセルを作製し、このセルに液晶組
成物を注入してTN-LCD表示素子を作製した。
一般式(I-1a)〜(III-2)の記号を以ってその化合物を表
すこととする。
し、この組成物の諸特性を測定した結果を比較例1とと
もに表1に示す。
ため測定不能
1a)、(I-1b)、(I-4a)及び(I-4b)からなる参考液晶にお
ける固体―、ガラス―、スメクチック―ネマチック相転
移温度は+63℃であるため、LCD用の液晶材料としては不
適当なネマチック相温度範囲しか持たない。この参考液
晶に、従来の代表的な液晶化合物である(III-1)、(III-
2)を添加した系(表1 比較例1)においては、固体―、ガ
ラス―、スメクチック―ネマチック相転移温度は+30℃
と低下するものの、なおLCD用の液晶材料として適当な
ネマチック相温度範囲を持っているとはいえない。ここ
に一般式(II-1)から選ばれる化合物(II-2a)、(II-3a)を
25%含有する実施例1及び2においては、固体―、ガラス
―、スメクチック―ネマチック相転移温度がそれぞれ-3
7℃と-24℃であり低温での安定なネマチック相を維持す
ることができた。又、実施例1及び2の液晶組成物は、低
い粘度と周波数60 Hzにおける1フレームに相当する時間
である16.7msec以下の高速な応答時間を得ることができ
た。
る安定なネマチック相を維持しつつ、低粘度、高速応答
な液晶組成物が得られた。また、この液晶組成物を液晶
表示素子として用いた場合、駆動温度範囲が広く応答時
間が短く優れたものであった。この液晶表示素子はアク
ティブ・マトリクス-LCDとして有用である。
Claims (5)
- 【請求項1】 一般式(I-1)〜(I-8)からなるグループ
(I)から1つ又は2つ以上選ばれる化合物を50〜80質量%含
有し、一般式(II-1)からなるグループ(II)から1つ又は2
つ以上選ばれる化合物を5〜40質量%含有することを特徴
とするネマチック液晶組成物。 【化1】 【化2】 (式中、Rは各構造式において各々独立的に炭素原子数1
〜10のアルキル基又は炭素原子数2〜10のアルケニル基
を表し、該アルキル基又は該アルケニル基は非置換基で
あるか又は置換基として1個又は2個以上のF、Cl、CN、C
H3、又はCF3を有することができ、該アルキル基又は該
アルケニル基中に存在する1個又は2個以上のCH2基は、O
原子が相互に直接結合しないものとして、C、CO又はCOO
で置換されていてもよく、環Bは各構造式において各々
独立的に、1,4-フェニレン、2又は3-フルオロ-1,4-フェ
ニレン、2,3-ジフルオロ-1,4-フェニレン、3,5-ジフル
オロ-1,4-フェニレン、2又は3-クロロ-1,4-フェニレ
ン、2,3-ジクロロ-1,4-フェニレン、3,5-ジクロロ-1,4-
フェニレン又はトランス-1,4-シクロへキシレンを表
し、Lは各構造式において各々独立的に(CH2)2-、-COO
-、-OCO-又は単結合を表し、l1は、0、1又は2を表し、l
2は0又は1を表すが、l1+l2は2以下であり、該l1が2の場
合は繰り返される単位は同一であってもよく、異なって
いてもよく、Yは各々独立的にF、Cl、CF3、OCF3、OCF
2H、OCFH2又はNCSを表し、Xは各構造式において各々独
立的にF、Cl又はHを表す。) - 【請求項2】 一般式(I-1)、(I-4)、(I-7)からなる群
よりの少なくとも1種の化合物を含有することを特徴と
する請求項1記載のネマチック液晶組成物。 - 【請求項3】 一般式(II-1)の化合物として、一般式(I
I-2)、(II-3)からなる群より少なくとも1種の化合物を
含有することを特徴とする請求項1又は2記載のネマチッ
ク液晶組成物。 【化3】 (式中、R、環B、L、X、Yは一般式(II-1)と同じ意味を持
ち、l3は1又は2を表し、l4は0又は1を表し、該l3が2の
場合は繰り返しの単位は同一でもよく、異なっていても
よい。) - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のネマチッ
ク液晶組成物を用いたアクティブ・マトリクス、ツイス
ティッド・ネマチック又はスーパー・ツイスティッド・
ネマチック液晶表示素子。 - 【請求項5】 請求項4記載の液晶表示素子を用いた液
晶テレビ。
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- 2001-05-30 JP JP2001162328A patent/JP5002870B2/ja not_active Expired - Lifetime
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