JP2002356500A - 活性型肝細胞増殖因子アクティベーターに対する特異的抗体とその使用法 - Google Patents

活性型肝細胞増殖因子アクティベーターに対する特異的抗体とその使用法

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JP2002356500A JP2001371333A JP2001371333A JP2002356500A JP 2002356500 A JP2002356500 A JP 2002356500A JP 2001371333 A JP2001371333 A JP 2001371333A JP 2001371333 A JP2001371333 A JP 2001371333A JP 2002356500 A JP2002356500 A JP 2002356500A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性型HGFAを特異的に認識し、不活性型
HGFAは実質的に認識しない抗体、同抗体を用いて活
性型HGFAを測定する方法を提供する。 【解決手段】 HGFA前駆体をコードするHGFA
cDNAを使用して調製した組換え体不活性型HGF
A、及び同HGFAをプロテアーゼ処理して得られる活
性型HGFAを用いて、活性型HGFAに対して反応性
を示し、不活性型HGFAに対して反応性を示さないモ
ノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを選択し、
得られたハイブリドーマの培養上清から目的とするモノ
クローナル抗体を調製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性型肝細胞増殖
因子アクティベーター(HGFA)に対する特異的測定
用抗体またはモノクローナル抗体、その使用方法および
測定キットに関する。また活性型HGFAを指標にした
疾患状態の患者、特に臓器炎症、糸球体腎炎、癌、心筋
梗塞、狭心症および血栓症に関する検出方法、さらには
これらの方法の実施に最適な生体成分および血液の採取
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)
は、タンパク質・ペプチド中のペプチド結合を加水分解
する機能を有するタンパク質であり、生体機能と深く関
連しつつ、その恒常性維持に重要な役割を果たしてい
る。例えば、血液中に存在する種々のプロテアーゼ群
は、それら自身が緻密なカスケードを形成し、血液の凝
固・線溶を制御している。
【0003】肝細胞増殖因子アクティベーター(Hepato
cyte Growth Factor Activator、以下「HGFA」と略
す)は、その活性中心にセリン残基を有するセリンプロ
テアーゼの一種として知られている(宮澤ら J.Biol.Ch
em.,268:10024-10028(1993))。HGFAは、一般的な
血中プロテアーゼが血液凝固・線溶系カスケードに関与
するのとは異なり、肝細胞増殖や臓器再生に関与するサ
イトカインとして知られている肝細胞増殖因子(Hepato
cyte Growth Factor;以下「HGF」と略す)(仲らJ.
Biol.Chem.,267:20114-20119(1992))に作用して、これ
を特異的に限定分解して活性化するユニークな性質を有
している(下村ら、Cytotechnology, 8:219-229(199
2))。しかしながらHGFAの作用は、ラットを用いた
動物モデル実験や試験管内での実験によるHGFの活性
化作用しか知られておらず(宮澤らJ.Biol.Chem.,271:3
615-3618(1996))、ヒトの病態における役割、機能およ
び血中濃度と病態の関連に関しては全く判っていなかっ
た。
【0004】HGFAはSDS−PAGE法にて分子量
約96,000〜約98,000(以下「98kDaHGFA」と略す)を示
すものと、その翻訳開始アミノ酸から数えて372番目の
アルギニンと373番目のバリン間で限定分解をうけたC
末端側のペプチドである分子量約34,000〜約38,000(以
下「36kDa HGFA」と略す)を示すものが知られている。
各分子量に幅があるのは、糖鎖結合量のヘテロジェナイ
ティーおよびSDS−PAGE法を還元下または非還元
下で実施する分子量測定値の相違にもとづくものであ
り、本質的に単一のタンパク質である。さらに、各HG
FAは通常、不活性型として血中に存在しているが、翻
訳開始アミノ酸から数えて407番目のアルギニンと408番
目のイソロイシン間で限定分解を受けることにより活性
化し、一本鎖状態のHGFAはジスルフィド結合でヘテ
ロダイマー化した二本鎖状態のHGFAへと変換され
る。この活性化したHGFAは、基質であるHGFを特
異的に活性化すると考えられている(下村らJ.Biol.Che
m.,268:22927-22932(1993))。
【0005】HGFAの血中濃度と病態の関連を解析す
るには、ヒト組織、体液、または血液中などの生体成分
中に存在する活性型HGFAを特異的に測定する必要が
ある。そして、活性型HGFAを特異的に検出または測
定するためには、活性型HGFAを極めて特異的に認識
し、不活性型HGFAは実質的に認識しない性質を持っ
た抗体、特に望ましくはモノクローナル抗体の取得が不
可欠である。しかしながらこの様な性質を有する抗体の
存在は現在まで全く知られておらず、さらにはヒト血液
などの生体成分中に存在する活性型HGFAに特異的な
測定方法やキットは存在しない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、活性型HG
FAを特異的に認識し、不活性型HGFAは実質的に認
識しない抗体、同抗体を用いて活性型HGFAを測定す
る方法、並びに活性型HGFAが関与する疾病の検出法
及びキットを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ヒト病態
におけるHGFA血中濃度と各種ヒト疾患との関連を解
析するため、ヒト血中におけるHGFA定量系の構築を
試みた。まず、HGFAに対する既存のマウスモノクロ
ーナル抗体として知られている7E10, P1-4, A-1, A-6,
A-23,A-32, A-51, A-75(宮澤ら、J.Biol.Chem.,271:36
15-3618(1996))を用い、2抗体サンドイッチ法を用い
た酵素標識抗体測定系(enzyme-linkedimmunosorbent a
ssay;以下「ELISA測定系」と略す)を構築した。
さらに、健常人、臓器疾患をはじめとする種々の疾患患
者の血液(血漿または血清)に対して、HGFAモノク
ローナル抗体の反応性を解析していった。しかしなが
ら、これらのモノクローナル抗体を用いたELISA測
定系では、健常人をはじめ、すべてのヒト血液に対して
一様に強い反応性を示し、ヒト疾患に対する特異的な反
応性、すなわち血中におけるHGFA濃度の顕著な変化
は全く検出することは出来なかった。そこで本発明者ら
は、HGFAに対する既存のモノクローナル抗体が有す
るHGFAへの反応性を解析し、この原因の追求を試み
た。
【0008】まず、HGFAは活性型および不活性型の
2形態が存在することから、それぞれのHGFAに対す
る各モノクローナル抗体の反応性を解析した。具体的に
は、活性型HGFAおよび不活性型HGFAのそれぞれ
を固相プレートに付着させ、固相に付着したHGFAと
各モノクローナル抗体の反応性を解析した結果、これら
のモノクローナル抗体は、活性型HGFAおよび不活性
型HGFAの両方に反応する性質を有していることが判
った。これらの結果は、既存のモノクローナル抗体を使
用したELISA法では、血中に恒常的かつ大量に存在
していると考えられる不活性型HGFA(下村らJ.Bio
l.Chem.,268:22927-22932(1993))、または微量の活性
型HGFAと不活性型HGFAの両方を測定しているこ
とが考えられ、これら既存のモノクローナル抗体を使用
したELISA測定系では、HGFAとヒト疾患との関
連が全く判らないことが判明した。
【0009】そこで本発明者らは、HGFAは活性型お
よび不活性型の2形態が存在することに着目し、ヒト生
体内に存在するHGFAの活性化状態を特異的に検出
し、各種ヒト疾患とその血中に存在する活性型HGFA
量との関連に関して検討を進めた。そして、鋭意研究を
重ねた結果、活性型HGFAを認識し、不活性型HGF
Aを実質的に認識しないポリクローナル抗体やモノクロ
ーナル抗体の作製にはじめて成功した。さらに、これら
の抗体を使用した免疫学的測定法を用いることにより、
ヒト生体成分中に存在する活性型HGFAと反応し不活
性型HGFAとは実質的に反応しない、すなわち活性型
HGFAを特異的に測定する方法およびそのキットを完
成するに至った。
【0010】さらに、本発明の活性型HGFA特異的測
定方法およびそのキットを使用した場合、健常人と比較
し、糸球体腎炎をはじめとする臓器障害の患者や癌患者
の血液中に存在する活性型HGFA量が著しく増加する
ことをはじめて見いだした。また、血中の活性型HGF
A量が増加することを指標に、狭心症、心筋梗塞、脳梗
塞などをはじめとする血栓症を感度良く予知することが
可能であることを初めて見いだすに至った。
【0011】一方、ヒト血液をはじめとする生体成分中
に存在する活性型HGFA量を測定する際、その中に存
在する活性型HGFAを安定かつ再現よく採取する方法
が必要となる。本発明者らはこの方法に関し、種々のプ
ロテアーゼインヒビターの添加等を検討した結果、選択
的トロンビン阻害剤であるアルガトロバンを添加するこ
とにより、極めて安定かつ再現良く活性型HGFAを測
定することが可能なことを見いだした。また、詳細に検
討を重ねた結果、全血、血清、血漿などのヒト血液を採
取する場合にでも、アルガトロバンの添加は有効である
こと、血液のなかではクエン酸血漿を用いることが極め
て良好な結果が得られることを見いだした。
【0012】本発明は、上記知見からなされたものであ
り、その要旨は以下のとおりである。 (1)活性型肝細胞増殖因子アクティベーター(HGF
A)を認識する抗体であって、不活性型HGFAを実質
的に認識しない抗体。 (2)活性型HFGAに対する解離定数が1×10-8
以下である(1)の抗体。 (3)モノクローナル抗体である(1)又は(2)の抗
体。 (4)SDS−PAGE法で約34,000〜約98,000を示す
活性型HGFAを認識し、不活性型HGFAを実質的に
認識しない(3)の抗体。 (5)SDS−PAGE法で約34,000〜約38,000を示す
活性型HGFAを認識する(4)の抗体。 (6)受託番号FERM BP−7779であるハイブ
リドーマにより産生される(4)のモノクローナル抗
体。 (7)活性型HGFAの前駆体である不活性型HGFA
の翻訳開始アミノ酸から数えて407番目のアルギニンと4
08番目のイソロイシン間で限定分解を受けることにより
活性化している活性型HGFAを認識し、不活性型HG
FAを実質的に認識しないモノクローナル抗体。 (8)活性型HGFAを認識し、不活性型HGFA、及
び活性型HGFAとプロテアーゼインヒビターの複合体
を実質的に認識しないモノクローナル抗体。 (9)(3)〜(8)のいずれかのモノクローナル抗体
を生産するハイブリドーマ細胞系。 (10)(1)〜(8)のいずれかの抗体の1種又は複
数種を用いて、活性型HGFAを免疫学的方法により特
異的に測定することを特徴とする、活性型HGFAの測
定法。 (11)活性型HGFAを測定する検体が、疾患の疑い
のある被検者または被検動物から採取された生体成分で
ある(10)の方法。 (12)前記疾患が、臓器炎症、糸球体腎炎、癌、心筋
梗塞、狭心症、脳梗塞または血栓症である(11)の方
法。 (13)疾患の疑いのある被検者から採取された生体成
分中の活性型HGFAを検出または測定することを特徴
とする疾患の検出方法。 (14)前記疾患が、臓器炎症、糸球体腎炎、癌、心筋
梗塞、狭心症、脳梗塞または血栓症である(13)の方
法。 (15)前記生体成分が血液又はその分画物もしくは処
理物であることを特徴とする(13)または(14)の
方法。 (16)前記生体成分が血漿である(15)の方法。 (17)血漿がクエン酸血漿である(16)の方法。 (18)前記生体成分にアルガトロバンを添加すること
を特徴とする(13)〜(17)のいずれかの方法。 (19)(1)〜(8)のいずれかの抗体の1種又は複
数種を含み、活性型HGFAを検出または測定するため
のキット。 (20)臓器炎症、糸球体腎炎、癌、心筋梗塞、狭心
症、脳梗塞または血栓症の診断に用いられる(19)の
キット。 (21)疾患の疑いのある患者から採取された生体成分
中の活性型HGFAを測定することを特徴とする(1
9)または(20)のキット。 (22)活性型HFGAの検出または測定を、免疫染色
によって行うことを特徴とする(19)〜(21)のい
ずれかのキット。 (23)血清もしくは血漿または全血取得用採血管であ
って、アルガトロバンを添加した採血管。 (24)活性型HGFA測定に用いる血清もしくは血漿
または全血の採血に用いる(23)の採血管。
【0013】本明細書において、活性型HGFAを認識
し不活性型HGFAを実質的に認識しないモノクローナ
ル抗体を、「活性型HGFA特異的モノクローナル抗
体」、活性型HGFAを認識し不活性型HGFAを実質
的に認識しないポリクローナル抗体を、「活性型HGF
A特異的ポリクローナル抗体」ということがある。さら
に、これらを総称して、「活性型HGFA特異的抗体」
ということがある。また、「活性型HGFAを認識す
る」とは、抗原抗体反応により活性型HGFAに結合す
ることをいい、好ましくは、活性型HGFAに対する解
離定数が1×10-8M以下、より好ましくは1×10-9
M以下であることをいう。「不活性型HGFAを実質的
に認識しない」とは、抗原抗体反応により不活性型HG
FAに実質的に結合しないことをいう。より具体的に
は、「不活性型HGFAを実質的に認識しない」とは、
通常の免疫学的測定法によっては、不活性型HGFAを
検出することができないことを意味し、好ましくは、不
活性型HGFAに対する解離定数が1×10-5M以上で
あることをいう。
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0014】<1>活性型HGFAに対する特異的抗体
作製用の免疫抗原およびスクリーニング抗原 本発明において用いられる「活性型HGFA」とは、そ
の基質である肝細胞増殖因子(HGF)に作用し、その
不活性型である一本鎖型HGF(仲らJ.Biol.Chem.,26
7:20114-20119(1992))から活性型である二本鎖型HG
Fに変換する能力を有するものを指す。ここで、一本鎖
型とは、HGF遺伝子より生成された一本の前駆体タン
パク質よりシグナルペプチドが除去されたものを、二本
鎖型とは、HGFの翻訳開始アミノ酸から数えて494
番目のアルギニンと495番目のバリン間で限定分解を
受け、生じた二本の鎖がジスルフィド結合によりヘテロ
ダイマー化したものを指す。またHGFAの活性とは、
不活性型である一本鎖型HGFを活性型である二本鎖型
HGFに変換する活性を示す。
【0015】活性型HGFAは、具体的には、例えば特
開平6-153946に記載されているHGFA前駆体タンパク
質の翻訳開始アミノ酸から数えて407番目のアルギニン
と408番目のイソロイシン間で限定分解を受けることに
より活性化しているHGFAが含まれる。この活性型H
GFAは、通常SDS−PAGE法で分子量約34,000〜
98,000であり、そのN末端が限定分解された種々の分子
量を示す活性型HGFAが知られている(Mitsubishi K
asei R & D Review, 8 (1), 26-35 (1994))。その例と
して還元下のSDS−PAGEにて分子量約98,000を示
すもの、またはその翻訳開始アミノ酸から数えて88番目
のアルギニンと89番目のアラニン間で限定分解をうけた
C末端側のペプチドである分子量約80,000を示すもの、
または翻訳開始アミノ酸から数えて372番目のアルギニ
ンと373番目のバリン間で限定分解をうけたC末端側の
ペプチドである分子量約36,000を示すものが存在する。
糖鎖結合量のヘテロジェナイティー、分子量の測定法、
又は精製法により、上記の分子量約98,000を示すもの
は、約96,000〜98,000の幅を示すことがあり、上記の分
子量約36,000を示すものは、約34,000〜38,000の幅を示
すことがある。従ってここで用いられる活性型HGFA
とは、その分子量に限定されることなく、その基質であ
るHGFを活性化する能力を有していればよい。
【0016】免疫抗原またはモノクローナル抗体のスク
リーニング等に使用する活性型HGFAまたは不活性型
HGFAは下村らの方法(J.Biol.Chem.,268:22927-229
32(1993)に従い、ヒトなどの血液より精製したものを使
用することが可能である。また特開平6-153966および特
開平6-153946に記載されているHGFA cDNAを使
用して大腸菌などの微生物、昆虫細胞、酵母、動物細胞
および動物を使用した組換え蛋白質であるHGFAを使
用したものも利用可能である。
【0017】特に、活性型HGFA特異的抗体を取得す
るためには、免疫用抗原、スクリーニング用抗原とし
て、不活性型HGFAが混入していない高純度の活性型
HGFA、および活性型HGFAが混入していない高純
度の不活性型HGFAを調製することが必要である。こ
のような目的から、ここで使用する活性型HGFA、不
活性型HGFAとしては、HGFA cDNAを使用し
た組換え蛋白質が望ましい。例えば、特開平6-153946に
記載されているHGFA前駆体をコードするHGFA
cDNAを使用し、その全長または一部を適当な発現ベ
クターに挿入し、これを大腸菌などの微生物、昆虫細
胞、酵母、動物細胞または動物に導入し、さらにHGF
Aを発現しているこれらの遺伝子導入細胞の培養上清ま
たは細胞内、組織、体液より精製操作を実施して、組換
え蛋白質であるHGFAを得ることが可能である。また
細胞系を使用することなく、Rapid Translation System
RTS500(Roshe Diagnostics社)などを使用した試験管
内での転写・翻訳システムを用いて、目的とするHGF
Aを作製することも可能である。
【0018】具体的な例としては、特開平6-153946に記
載されている不活性型HGFA前駆体の全長であり、か
つシグナル配列を有する655アミノ酸をコードするH
GFAcDNAを動物細胞発現ベクターのプロモーター
下流に挿入した発現ベクターを用いたり、特開平6-1539
66に記載された様に適当なシグナル配列とHGFA前駆
体の翻訳開始アミノ酸から数え373番目のバリン以降の
C末端側をコードするcDNAを結合させた動物細胞発
発現ベクター、または適当なシグナル配列とHGFA活
性を発揮する能力を有する領域のcDNAを結合させた
動物細胞発発現ベクターを使用する方法が挙げられる。
これらの発現ベクターを動物細胞に導入後、そのHGF
A cDNAを発現している細胞を選択して、その培養
上清から精製することにより組換え蛋白質であるHGF
Aを得ることが可能である。
【0019】このような方法で得られた組換え蛋白質で
あるHGFAは、一般的には不活性型である。従って、
下村らの方法(J.Biol.Chem.,268:22927-22932(1993))
を参考に、この不活性型HGFAに対して適量のトロン
ビンおよびデキストラン硫酸、またはカリクレインおよ
びトロンビンを添加することにより、この不活性型HG
FAを活性化させることが可能である。この処理により
活性化されたHGFAは、HPLCを使用したゲル濾過
またはアフィニティークロマトグラフィーで精製するこ
とにより、純化することが可能である。
【0020】精製純度の高い活性型HGFAおよび不活
性型HGFAは、免疫原として重要であるだけでなく、
活性型HGFA特異的ポリクローナル抗体をアフィニテ
イー精製により選別したり、活性型HGFA特異的モノ
クローナル抗体をスクリーニングする際に、極めて重要
な材料となる。
【0021】精製された不活性型HGFAは極めて不安
定であり、わずかな不純物の混入により活性化されてし
まうことを、本発明者らは詳細な検討の結果見いだして
いる。このような活性型HGFAが混入された不活性型
HGFAを用いたり、逆に不活性型HGFAが混入され
た活性型HGFAを用いては、活性型HGFA特異的ポ
リクローナル抗体や活性型HGFA特異的モノクローナ
ル抗体を得ることは困難である。そこで本発明者らは、
不活性型HGFAを調製する際の人為的な活性化を防ぐ
阻害物質として、種々のプロテアーゼインヒビターを検
討した結果、選択的トロンビン阻害剤であるアルガトロ
バン(三菱東京製薬(株))をHGFAに添加すること
が有用であることを見いだした。すなわち不活性型HG
FAの精製時や、モノクローナル抗体スクリーニングの
際、不活性型HGFAにアルガトロバンを添加しておけ
ば、その人為的な活性化を防ぎ活性型HGFAの混入を
防ぐことが可能である。ここで調製された活性型HGF
Aは、活性型HGFA特異的抗体を取得するための免疫
用抗原としてふさわしいし、さらに活性型HGFAを認
識して不活性型HGFAを実質的に認識しない抗体を選
択、精製する材料としても使用することが出来る。
【0022】一方、不活性型HGFAは、不活性型HG
FAを認識して活性型HGFAを実質的に認識しない抗
体を取得するための免疫用抗原としてふさわしいし、活
性型HGFAを認識して不活性型HGFAを実質的に認
識しない抗体以外の抗体を選別、吸収または除去する材
料として使用することが出来る。
【0023】活性型HGFA特異的抗体を取得するのに
必要な免疫用抗原またはスクリーニング用抗原として、
活性型HGFAと不活性型HGFAにおける一次構造配
列(アミノ酸配列)の相違部位、または立体構造の相違
部位に位置するペプチドを利用することが可能である。
例えば活性型HGFAの蛋白質表面だけに露出し、不活
性型HGFAの蛋白質表面には露出していない部位のペ
プチドを用いることができる。このような蛋白質の立体
構造予測は、一般的に当業者にとっては入手可能であ
り、コンピュータープログラムにより活性型HGFAお
よび不活性型HGFAのアミノ酸配列より三次元コンフ
ォメーション構造を図式化して表現したのもが入手可能
である。この両者の比較により、活性型HGFAに特異
的な反応を示す抗体の結合部位(抗原部位)となる領域
を探しだし、その部分アミノ酸配列を合成したペプチド
を免疫抗原として使用することが可能である。
【0024】また、GENETYX(SOFTWARE DEVELOOPMENT C
O., LTD)などのタンパク質構造解析ソフトウェアを使
用して、HGFAのアミノ酸配列に関する情報から、活
性型HGFAおよび不活性型HGFAに関する親水性・
疎水性の相違部位、Cho-Fasman法やRobson法などによる
二次構造解析結果の相違部位、抗原性の相違部位となる
領域を探しだし、そのアミノ酸配列に基づいて合成した
ペプチドを免疫抗原やスクリーニング抗原として利用し
てもよい。例えば、活性型HGFAは、HGFA前駆体
タンパク質の翻訳開始アミノ酸から数えて407番目のア
ルギニンと408番目のイソロイシン間で限定分解を受け
たアミノ酸配列を有している。一方、不活性型HGFA
は、この407番目のアルギニンと408番目のイソロイシン
間が連続したアミノ酸配列を有している。従って、不活
性型HGFAには存在せず活性型HGFAのみに存在す
るアミノ酸配列として、407番目のアルギニンをC末端
として含み、そのN末端方向に存在する数アミノ酸配列
を含むペプチドが利用可能である。その例として下記の
ものを選ぶことが可能である。配列2〜12のアミノ酸
配列は、配列1のアミノ酸配列(配列番号1)のN末端
側から1アミノ酸残基づつ欠失した配列である。
【0025】 配列1:GRRHKKRTFLRPR 配列2: RRHKKRTFLRPR 配列3: RHKKRTFLRPR 配列4: HKKRTFLRPR 配列5: KKRTFLRPR 配列6: KRTFLRPR 配列7: RTFLRPR 配列8: TFLRPR 配列9: FLOPR 配列10: LOPR 配列11: OPR 配列12: PR
【0026】また不活性型HGFAには存在せず活性型
HGFAのみに存在するアミノ酸配列として、408番目
のイソロイシンをN末端として含みそのC末端方向に存
在する数アミノ酸配列を含むペプチドとして、下記のも
のを選ぶことが可能である。配列14〜24のアミノ酸
配列は、配列13のアミノ酸配列(配列番号2)のC末
端側から1アミノ酸残基づつ欠失した配列である。
【0027】 配列13:IIGGSSSLPGSHP 配列14:IIGGSSSLPGSH 配列15:IIGGSSSLPGS 配列16:IIGGSSSLPG 配列17:IIGGSSSLP 配列18:IIGGSSSL 配列19:IIGGSSS 配列20:IIGGSS 配列21:IIGGS 配列22:IIGG 配列23:IIG 配列24:II
【0028】また活性型HGFAには存在せず不活性型
HGFAのみに存在するアミノ酸配列として、HGFA
前駆体タンパク質の翻訳開始アミノ酸から数えて407番
目のアルギニンと408番目のイソロイシン間(配列25
の13位と14位の間)が連続したアミノ酸配列を含
む、例えば配列25(配列番号3)のようなペプチドを
選択することが出来る。
【0029】配列25:GRRHKKRTFLRPRI
IGGSSSLPGSHP
【0030】これらのペプチドを免疫用抗原として使用
する場合、一般的にはキャリアーとしてKLH(キーホ
ール・リンペット・ヘモシアニン)、BSA(ウシ血清
アルブミン)、OVA(オバルブミン)などの蛋白質ま
たは高分子体に結合させたものを免疫用抗原として使用
することが望ましい。例えば、配列1から配列12に記
載されたペプチドのN末端にさらにシステインを付加し
たもの、配列13から配列24に記載されたペプチドの
C末端にさらにシステインを付加したもの、配列25に
記載されたペプチドのN末端またはC末端にシスティン
を付加したペプチドを合成し、PIERCE社Imject M
aleimide Activated Carrier Proteinsに結合させたも
のを、免疫用抗原として用いることが可能である。
【0031】また配列1から配列25に対応したcDN
Aとキャリアーとなる蛋白質のcDNAを結合させ、両
者のコードするペプチドが融合した融合蛋白質を遺伝子
工学的手法で各種細胞で発現させ、精製して得たものも
使用可能である。配列1から配列24のいずれかを含む
ものは、活性型HGFA特異的抗体を取得するための免
疫用抗原としてふさわしいし、さらに活性型HGFA特
異的抗体を選択、精製する材料としても使用することが
出来る。一方、配列25のようなペプチドは、不活性型
HGFAを認識して活性型HGFAを実質的に認識しな
い抗体を取得するための免疫用抗原としてふさわしい
し、活性型HGFA特異的抗体以外の抗体を吸収または
除去する材料として使用することが出来る。
【0032】<2>活性型HGFAを認識し不活性型H
GFAを実質的に認識しないモノクローナル抗体の作製 活性型HGFA特異的モノクローナル抗体を取得するに
は、免疫用抗原として、前述した活性型HGFAを用
い、通常行われる免疫学的方法を実施すればよい。例え
ば活性型98kDa HGFAもしくは活性型36kDa HGFAまたは両
者を混合して使用することが出来る。
【0033】また、配列1から配列24のいずれかを含
むペプチドを前述した方法でキャリアーと融合させたも
のを調製し、これらを1種以上混合して免疫用抗原とし
ても良い。さらには活性型HGFAに特異的な抗原部位
を含むペプチドを使用しても良い。
【0034】免疫に使用する動物は特に限定されない
が、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、マウス、ラット、モルモッ
ト、ニワトリ等はいずれも使用できる。免疫用抗原の動
物への接種は、皮下、筋肉内、腹腔内に完全フロイント
アジュバントや不完全フロイトアジュバントと免疫用抗
原をよく混和して行う。接種は、2週間から5週間ごと
に実施し、接種した抗原に対する免疫動物の抗体価が充
分に上昇するまで続ける。この後、免疫動物に対して抗
原のみの静脈注射を行い、その3日後に抗体産生細胞を
含むと考えられる脾臓もしくはリンパ節を採取し、この
脾臓細胞またはリンパ細胞を腫瘍細胞と細胞融合させ
る。この後、細胞融合して不死化した抗体産生細胞(ハ
イブリドーマ)を単離する。ここで使用する腫瘍細胞
は、一般的に免疫を行った動物から調製される脾臓細胞
もしくはリンパ細胞と同一種であることが望ましいが、
異種動物間のものでも可能である。
【0035】腫瘍細胞の例として、p3(p3/x63-Ag8),
P3U1, NS-1, MPC-11, SP2/0, FO, x63.6.5.3, S194, R2
10等の骨髄腫細胞が使用される。細胞融合は一般に行わ
れている方法、例えば「単クローン抗体実験マニュア
ル」(講談社サイエンティフィック 1987年出版)に従って実施す
ればよい。細胞融合は、融合させる細胞を懸濁した融合
培地に細胞融合促進剤を加えることに実施することがで
きる。細胞融合促進剤としては、センダイウイルスや平
均分子量1000-6000のポリエチレングリコールなどが挙
げられる。この際、更に融合効率を高めるために、ジメ
チルスルホキシド等の補助剤やIL−6等のサイトカイ
ンを融合培地に添加することも出来る。免疫を行った脾
臓細胞もしくはリンパ細胞に対する腫瘍細胞の混合比
は、例えば腫瘍細胞に対し、脾臓細胞もしくはリンパ細
胞を約1倍から10倍程度用いればよい。
【0036】上記の融合培地としてはERDF培地、RPMI-1
640培地、MEM培地等の通常の各種培地を使用することが
出来、融合時は通常、牛胎児血清(FBS)等の血清を
培地から抜いておくのがよい。融合は、上記の免疫を行
った脾臓細胞もしくはリンパ細胞と腫瘍細胞との所定量
を上記の培地内でよく混合し、予め37℃程度に加温し
ておいたポリエチレングリコール溶液を20%から50
%程度加え、好ましくは30℃から37℃で1分から1
0分程度反応させることによって実施する。以降、適当
な培地を逐次添加して遠心し、上清を除去する操作を繰
り返す。
【0037】目的とするハイブリドーマは、通常の選択
培地、例えばHAT培地(ヒポキチンサン、アミノプテ
リン及びチミジンを含む培地)で培養する。このHAT
培地での培養は、目的とするハイブリドーマ以外の細胞
(未融合細胞等)が死滅するのに充分な時間、通常では
数日から数週間行えばよい。活性型HGFA特異的モノ
クローナル抗体を取得する際、最も技術的に重要な点が
そのスクリーニングである。活性型HGFA特異的モノ
クローナル抗体を産生しているハイブリドーマのスクリ
ーニングは、前述した活性型HGFA、不活性型HGF
Aなどの材料を用い、種々の免疫化学的方法で解析する
ことにより可能となる。例えば活性型HGFAまたは不
活性型HGFAをスクリーニング用抗原として用い、こ
れらのスクリーニング用抗原とハイブリドーマ培養上清
中に分泌されるモノクローナル抗体との結合を、ELI
SA法などの酵素免疫測法、またはウエスタンブロッテ
ィング法などで解析して、目的とするハイブリドーマを
選択することが出来る。
【0038】具体的には、活性型HGFAをスクリーニ
ングプレートなどに付着させ、BSA等でブロッキング
したものに対して、上記ハイブリドーマの培養上清を添
加して、活性型HGFAを認識する抗体を分泌している
ハイブリドーマを選別する。さらに、選別されたハイブ
リドーマに対し、不活性型HGFAをスクリーニングプ
レートなどに付着させ、BSA等でブロッキングしたも
のを行い、この不活性型HGFAを認識しない抗体を分
泌しているハイブリドーマを選別する。例えば、選択す
るハイブリドーマの培養上清を活性型HGFAもしくは
不活性型HGFAが付着したELISA法用のプレート
に添加して反応させ、十分な洗浄操作後、標識抗マウス
IgGポリクローナル抗体を添加してさらに反応させ
る。洗浄操作後に標識の検出を行い、活性型HGFAを
付着したプレートに反応性を有し、不活性型HGFAを
付着させたプレートに対して反応性を示さない培養上清
を有するハイブリドーマを選択する。標識としては、後
述する各種酵素、蛍光物質、化学発光物質、ラジオアイ
ソトープ、ビオチンまたはアビジン等が用いられる。
【0039】上記のスクリーニングにより、活性型HG
FAを認識するモノクローナル抗体であって、不活性型
HGFAを実質的に認識しないモノクローナル抗体を産
生するハイブリドーマが得られる。一方、この様なハイ
ブリドーマをスクリーニングする際、先に示した配列1
から配列24を含むペプチドのいずれかに反応し、配列
25などのペプチドに反応しないことを指標としても良
い。この様な方法で選択されたハイブリドーマが産生す
る抗体に関しては、さらに活性型HGFAに反応し不活
性型HGFAとは反応しないことを確認すると良い。上
記抗体の反応性は、活性型HGFA又は不活性型HGF
Aに対する解離定数を測定することによって確認するこ
とができる。本発明の抗体の活性型HGFAに対する解
離定数は、好ましくは1×10-8M以下、より好ましく
は1×10-9M以下である。また、不活性型HGFAに
対する解離定数は、好ましくは1×10-5M以上であ
る。
【0040】得られたハイブブリドーマは、限界希釈法
によりクローニングすることにより、単一のモノクロー
ナル抗体を産生するハイブリドーマクローンを得ること
が出来る。このハイブリドーマクローンは、あらかじめ
FBS中に含まれるウシ抗体(IgG)を除いたFBS
を1〜5%程度加えた培地または無血清用培地を用いて
培養を行い、得られた培養上清を目的のモノクローナル
抗体を精製する原料とする。一方、得られたハイブリド
ーマクローンをあらかじめプリステンを投与したBalb/C
マウスまたはBalb/c(nu/nu)マウスの腹腔内に移植し、
10日から14日後にモノクローナル抗体を高濃度に含
む腹水を採取し、目的のモノクローナル抗体を精製する
原料としてもよい。モノクローナル抗体を精製する方法
は、通常の免疫グロブリン精製法を用いれば良く、例え
ば、硫安分画法、ポリエチレン分画法、エタノール分画
法、陰イオン交換クロマトグラフィー、プロテインAま
たはプロテインGが結合したアフィニティークロマトグ
ラフィー等により実施することが出来る。
【0041】<3>活性型HGFAを認識し不活性型H
GFAを実質的に認識しないポリクローナル抗体の作製 活性型HGFA特異的ポリクローナル抗体は、活性型H
GFAまたは不活性型HGFAを免疫用抗原として用
い、得られた免疫動物由来のポリクローナル抗体に対
し、活性型HGFAを認識し不活性型HGFAを実質的
に認識しない抗体を精製する操作を実施すれば取得する
ことが可能である。
【0042】また、ポリクローナル抗体を取得する免疫
用抗原として、前述した活性型HGFAに特異的な抗原
部位を含むペプチドとキャリアーの融合体も使用可能で
ある。例えば、前述した配列1から配列25を含むいず
れかのペプチドとキャリアー蛋白質または高分子体と融
合させたものを1種以上混合して免疫用抗原して用いて
もよい。免疫に使用する動物は特に限定されないが、ウ
サギ、ヤギ、ヒツジ、マウス、ラット、モルモット、ニ
ワトリ等はいずれも使用できる。免疫用抗原の動物への
接種は皮下、筋肉内、腹腔内に完全フロイントアジュバ
ントや不完全フロイトアジュバントとよく混和して行
う。接種は2週間から5週間ごとに実施し、接種した抗
原に対する免疫動物の抗体価が充分に上昇するまで続け
る。この後、免疫動物に対して抗原のみの静脈注射を行
い、その3日後から5日後に抗血清を取得する。
【0043】取得した抗血清からポリクローナル抗体を
精製する方法は、通常の免疫グロブリン精製法を用いれ
ば良く、例えば、硫安分画法、ポリエチレン分画法、エ
タノール分画法、陰イオン交換クロマトグラフィー、プ
ロテインAまたはプロテインGが結合したアフィニティ
ークロマトグラフィー等により実施することが出来る。
【0044】活性型HGFA特異的ポリクローナル抗体
を取得するための精製操作とは、活性型HGFAを認識
し不活性型HGFAを実質的に認識しないポリクローナ
ル抗体を分画または精製可能な方法であればいずれでも
良く、例えばイオン交換クロマトグラフィー、疎水クロ
マトグラフィー、分子ふるいクロマトグラフィー、逆相
クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグ
ラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ゲル電
気遊動法、免疫電気遊動法等が挙げられる。具体的な方
法の一つとして、活性型HGFAまたは不活性型HGF
Aを固定化した樹脂を用いたアフィニティーカラムクロ
マトグラフィーが挙げられる。例えば、前述の方法で得
られたポリクローナル抗体を材料にして、不活性型HG
FAを固定化した樹脂を用いたアフィニティークロマト
グラフィーを実施する。この方法により、不活性型HG
FAに結合しない非吸着画分に存在するポリクローナル
抗体を回収する。次に、この非吸着画分を材料にして、
活性型HGFAを固定化した樹脂を用いたアフィニティ
ークロマトグラフィーを実施し、活性型HGFAに結合
した吸着画分に存在するポリクローナル抗体を回収す
る。
【0045】これらの方法により、活性型HGFA特異
的ポリクローナル抗体を得ることが出来る。また、この
アフィニティークロマトグラフィーの方法として、活性
型HGFA特異的な抗原部位と考えられるアミノ酸配列
をもったペプチドを利用することも可能である。例え
ば、前述した配列1から配列25のいずれか一種類以上
を固定化した樹脂を用いたアフィニティークロマトグラ
フィーが利用可能である。例えば配列1から配列24を
含むペプチドを固定化した樹脂は、活性型HGFA特異
的ポリクローナル抗体を精製するアフィニティークロマ
トグラフィー用の固定化用担体として使用することが出
来る。一方、配列25のようなペプチドを固定化した樹
脂は、活性型HGFA特異的抗体以外の抗体を吸収もし
くは除去するアフィニティークロマトグラフィー用の固
定化用担体として使用することが出来る。
【0046】<4>活性型HGFAを特異的に測定する
方法 活性型HGFAを特異的に測定する方法とは、活性型H
GFA特異的抗体と、活性型HGFAを反応させる操作
を含む方法を意味する。従ってこの方法は、活性型HG
FAを測定し、不活性型HGFAは実質的には測定しな
いことを特徴とする方法である。本方法は、本発明の活
性型HGFA特異的抗体を使用して、生体試料中の活性
型HGFAを定性または定量する様々な診断方法、測定
方法、アッセイ方法に用いることが可能である。その方
法としては、活性型HGFAを検出する目的であれば特
に限定されない。例えば、活性型HGFAを特異的に検
出する組織染色法法や免疫沈降法、活性型HGFAを特
異的に測定する競合的結合アッセイ方法、または直接的
または間接的サンドイッチアッセイ法、2抗体サンドイ
ッチアッセイ法などが挙げられる。また検出方法として
は、酵素イムノアッセイ、ラジオイムノアッセイ、蛍光
イムノアッセイ、化学発光イムノアッセイ、イムノブロ
ッティング法、イムノクロマト法、ラテックス凝集法な
どが挙げられる。
【0047】イムノブロッティングの応用例としては、
活性型HGFA特異的抗体をマイクロアレイやチップに
添加もしくは固定したものも含まれる。また活性型HG
FA特異的抗体を蛍光ラベル化し、蛍光偏向解消法、蛍
光相関分散法を用いて活性型HGFAとの相互作用を検
出することも可能である。表面プラズモン共鳴装置を利
用して活性型HGFA特異的抗体と、活性型HGFAと
の相互作用を測定することも可能である。例えば、この
抗体をセンサーチップ上に結合させた後、このチップを
とりつけた表面プラズモン共鳴装置に活性型HGFAを
含む生体試料を流し、応答シグナルの時間変化を追跡す
ることにより、生体成分中の活性型HGFAを定量する
ことが可能である。
【0048】活性型HGFAを特異的に測定する方法で
使用される抗体、例えば活性型HGFA特異的抗体は、
そのまま用いてもよいし、定法であるパパイン処理によ
って得られるFabもしくはペプシン処理によって得ら
れるF(ab')2またはF(ab')の形態を持った抗
体を用いても良い。また活性型HGFAを認識し不活性
型HGFAを実質的に認識しない性質を有する抗体の断
片も、本発明に含まれる。例えば、活性型HGFA特異
的抗体のH鎖とL鎖の両可変ドメイン内の相補性決定領
域(CDR)または超可変領域などを含む断片がこれに
含まれる。
【0049】生体成分中の活性型HGFAを定量する2
抗体サンドイッチアッセイ法とは、例えば、活性型HG
FAを特異的に測定する方法であって、(1)活性型H
GFA特異的抗体の一種または複数を含むものからなる
試薬を、検体中の活性型HGFAと反応させ、免疫反応
物を生成させる工程、(2)免疫反応物を分離した後、
免疫反応物中のHGFAを認識する標識抗体と反応させ
る工程、及び(3)免疫反応物に結合した標識抗体を測
定する工程を含む方法、または、
【0050】活性型HGFAを特異的に測定する方法で
あって、(1)活性型HGFAと体活性型HGFA特異
的抗体の一種または複数を第一次抗体として含むものか
らなる試薬、検体中の活性型HGFAと反応させ、免疫
反応物を生成させる工程、(2)免疫反応物を分離した
後、免疫反応物中のHGFAを認識する第二次抗体と反
応させ、免疫反応物を生成させる工程、(3)免疫反応
物を分離した後、免疫反応物中の第二次抗体を認識する
標識抗体を反応させる工程、及び(4)免疫反応物に結
合した標識抗体を測定する工程を含む方法、が挙げられ
る。
【0051】具体的には、マイクロタイターウェルやマ
イクロ磁気ビーズなどの固相に対して活性型HGFA特
異的ポリクローナル抗体又は活性型HGFA特異的モノ
クローナル抗体を、定法により一次抗体として固相化す
る。次に、この固相表面の過剰な蛋白質結合部位を、ウ
シ血清アルブミン、スキムミルクまたはゼラチン等でブ
ロッキングする。この後、活性型HGFAを含む生体成
分を添加して固相上で免疫反応物を形成させた後に洗浄
する。次にHGFAを認識する標識ポリクローナル抗体
または標識モノクローナル抗体を二次抗体として添加し
て反応させる。この際、一次抗体としてモノクローナル
抗体を用いた場合は、一次抗体とエピトープが異なる活
性型HGFA特異的モノクローナル抗体を標識したもの
を二次抗体として使用しても良い。さらに洗浄後、標識
抗体量を測定することにより、生体成分中の活性型HG
FA量を測定することが出来る。
【0052】ここで使用するポリクローナル抗体または
モノクローナル抗体の標識とは、アルカリホスファター
ゼ、西洋わさびペルオキシターゼ、β−ガラクトシダー
ゼ、ウレアーゼ、グルコースオキシダーゼなどの酵素で
もよいし、フルオレッセイン誘導体やローダミン誘導体
などの蛍光物質でもよい。またアクリジニウムエステル
等の化学発光物質であってもよいし、125I、3H、
14C、32Pなどのラジオアイソトープでもよい。すなわ
ち、発色、蛍光、化学発光、電気化学発光、放射活性を
測定する方法を用いて生体成分中の活性型HGFA量を
定量することが本発明に含まれる。また、二次抗体をビ
オチン化標識し、アビジンと複合体を形成しているアル
カリホスファターゼ、西洋わさびペルオキシターゼ、β
―ガラクトシダーゼ、ウレアーゼ、グルコースオキシダ
ーゼ、フルオレッセイン誘導体、ローダミン誘導体、ア
クリジニウムエステル等の化学発光物質、125I、3H、
14C、 32Pなどのラジオアイソトープを検出することも
本発明に含まれる。
【0053】<5>活性型HGFAを特異的に測定また
は染色するキット 活性型HGFA特異的測定キットまたは活性型HGFA
特異的染色キットとは、活性型HGFAを測定または検
出することを特徴とする、疾患の診断キットである。こ
こで述べる特異的とは、活性型HGFAを測定または検
出する際、不活性型HGFAが活性型HGFAの測定値
もしくは検出値に影響を与えないことを意味する。活性
型HGFAを測定することにより、疾患状態にある患
者、例えば糸球体腎炎、腎炎、肝炎、膵臓炎、肺炎、腸
炎、胃炎をはじめとする臓器障害の患者、癌患者、狭心
症、心筋梗塞、脳梗塞などをはじめとする血栓症の患者
の診断および予知が可能であることが本発明により初め
て判明した。したがって、活性型HGFAを測定または
検出することにより、前記のような各種疾患を検出する
ことができる。本発明においては、疾患を診断する目的
の活性型HGFA特異的測定キットであるならば、その
キットを構成する材料、方法には限定されない。
【0054】具体的には、例えば、電気遊動法、HPL
C法、各種カラムクロマトグラフィー法、各種アレー、
チップ、表面プラズモン共鳴装置等を用い、活性型HG
FAを測定または検出することにより、疾患を診断する
キットなどが挙げられる。より具体的には、抗体を用い
た免疫学的方法により活性型HGFAを測定または検出
するキットが挙げられる。抗体としては、前記の活性型
HGFAを認識し不活性型HGFAを実質的に認識しな
い抗体の少なくとも一つ以上が用いられる。
【0055】例えば、本発明のキットが2抗体サンドイ
ッチアッセイ法によるものである場合には、活性型HG
FAを特異的に測定するキットであって、(1)活性型
HGFAと活性型HGFA特異的抗体の一種または複数
を含むものからなる試薬を検体中の活性型HGFAと反
応させ、免疫反応物を生成させる工程、(2)免疫反応
物を分離した後、免疫反応物中のHGFAを認識する標
識抗体と反応させる工程、及び(3)免疫反応物に結合
した標識抗体を測定する工程を含んだキット、または、
【0056】活性型HGFAを特異的に測定するキット
であって、(1)活性型HGFA特異的抗体の一種また
は複数を第一次抗体として含むものからなる試薬を検体
中の活性型HGFAと反応させ、免疫反応物を生成させ
る工程、(2)免疫反応物を分離した後、免疫反応物中
のHGFAを認識する第二次抗体と反応させ、免疫反応
物を生成させる工程、(3)免疫反応物を分離した後、
免疫反応物中の第二次抗体を認識する標識抗体を反応さ
せる工程、及び(4)免疫反応物に結合した標識抗体を
測定する工程を含んだキット、が挙げられる。
【0057】このキットは、少なくとも活性型HGFA
特異的モノクローナル又は活性型HGFA特異的ポリク
ローナル抗体を含み、さらに、活性型HGFAを検出ま
たは測定する操作に必要な構成要素が含まれていてもよ
い。その構成要素の例として、標準蛋白質としての活性
型HGFA、不活性型HGFA、酵素および基質等が挙
げられる。キットに含まれるモノクローナル抗体または
ポリクローナル抗体は、酵素などの標識物質が結合した
状態でもよいし、これらの抗体を認識する標識抗体が含
まれていてもよい。また適切な各種緩衝液、抗原希釈
液、反応希釈液、基質溶液、反応停止液等が含まれてい
てもよい。本キットにはラベルが付き、活性型HGFA
検出および定量に必要な材料が封入された容器が含まれ
ていてもよい。適した容器としては、例えばガラス、ポ
リプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ナイ
ロン、テフロン(登録商標)などの各種プラスチックを
材質とした容器が挙げられる。キットには、好ましく
は、上述した活性型HGFAを検出または測定するのに
必要な材料、容器とともに、活性型HGFAを検出また
は測定する方法が記載された説明書が含まれる。
【0058】<6>ヒト疾患に関する活性型HGFA特
異的抗体とその使用法 本発明による活性型HGFA特異的抗体を使用した方
法、キットを用いることにより、疾患状態にある患者か
ら採取された生体成分中の活性型HGFAを検出するこ
とが出来、また定量することも可能である。活性型HG
FAを検出する生体材料は特に限定されず、組織、血
清、血漿、尿、漿液、髄液、組織の抽出液等、いずれの
生体材料も適切な前処理を行うことによって適応可能で
ある。疾患状態にある患者の生体材料中に存在する活性
型HGFAを検出または定量することにより、その疾患
の診断、予知、経過を判断することが可能である。疾患
の例として、糸球体腎炎、腎炎、肝炎、膵臓炎、肺炎、
腸炎、胃炎などをはじめとする臓器炎症、癌、心筋梗
塞、狭心症、脳梗塞などをはじめとする血栓症などが挙
げられる。
【0059】特に腎炎の例としては、メサンギウム増殖
性腎症、IgA腎症、膜性増殖性腎炎、膜性腎症、巣状糸
球体硬化症、急性腎不全、溶連菌感染後急性糸球体腎
炎、慢性・急性間質性腎炎、ネフローゼ症候群などが挙
げられる。また狭心症、心筋梗塞の例としては安定労作
時狭心症、不安定狭心症、急性心筋梗塞、陳旧性心筋梗
塞、安定狭心症が挙げられ、冠動脈インターベンション
施行患者、経食道心エコー施行患者、下肢動脈バイパス
手術施行患者、大動脈バルーンパンピング施行患者、急
性大動脈解離患者などの疾患状況、予後を知ることも可
能である。
【0060】また活性型HGFA特異的抗体は、活性型
HGFAの活性を特異的に抑制する効果が期待できるた
め、活性型HGFAにより引き起こされる疾患の治療薬
として使用することが期待される。例えば、活性型HG
FAは不活性型HGFに作用してこれを活性化する性質
を有している。このため活性型HGFAの活性を抑制す
る抗体は、生体中で出現する活性型HGF量の増加を抑
制し、活性型HGFにより引き起こされることが想定さ
れている疾患(WO96/38557:ジェネンティックインコー
ポレーテッド、HGFの分子医学(1998年出版)メ
ディカルレビュー社)、例えば胃癌、肺癌、結腸癌、脾
癌、肝臓癌などの癌およびその転移、糸球体腎炎をはじ
めとする各種腎炎などの治療薬、予防薬として使用する
ことが可能である。活性型HGFAの活性を抑制するマ
ウスモノクローナル抗体の存在(モノクローナル抗体P
1−4)は宮澤ら(J. Biol. Chem., 271:3615-3618 (1
996))に記載されているが、このP1−4抗体は活性型
HGFAおよび不活性型HGFAの両方に反応すること
が本発明者らの検討によって明らかとなっている。生体
内には不活性型HGFAが多量に存在することから、活
性型HGFAの活性抑制のために極めて多量のP1−4
抗体が必要と考えられる。これに対し、本発明の活性型
特異的抗体は、活性型HGFAの活性を抑制する抗体で
あると推定されるので、少量で上記疾患の治療薬として
極めて優れた効果を発揮すると思われる。この目的で使
用する抗体は、遺伝子工学的手法を使用してヒト化して
おくと良い。抗体のヒト化は、例えば特表平11-506327
などに記載されている当業者によく知られた方法によっ
て実施することができる。
【0061】<7>活性型HGFAを測定するための採
血方法および採血管 活性型HGFAを検出または測定するための生体成分は
特に限定されないが、通常、血液又はその分画物もしく
は処理物であり、望ましくは血液、血清、クエン酸血
漿、ヘパリン血漿、EDTA血漿等の血漿など、血管よ
り採取可能な生体成分又はその分画物もしくは処理物
や、採取が容易な尿が望ましい。特に生体成分の採取時
および保管時に、生体成分中に混在する不活性型HGF
Aが活性型HGFAへ人為的に変換されることを防ぐ操
作が必要である。例えば採取した血清または血漿、尿等
は採取後、ただちに氷冷等の低温下におくことが望まし
い。
【0062】また、迅速に血管から血液、血清、クエン
酸血漿、ヘパリン血漿、EDTA血漿を採取するため
に、採血管を使用することが望ましい。特に活性型HG
FAを検出または測定するための血液は、血漿、特にク
エン酸血漿の状態が良い。また活性型HGFAを検出ま
たは測定するための生体成分に対して種々のプロテアー
ゼインヒビターを添加する方法も良い。例えば生体成分
の採取時および保管時に生体成分中に含まれる不活性型
HGFAが活性型HGFAへ人為的に変換されることを
防ぐため、例えば選択的なトロンビン阻害薬であるアル
ガトロバンを採取した生体試料に添加すると良好な結果
が得られる。特にあらかじめアルガトロバンを添加した
血液、血清、クエン酸血漿、ヘパリン血漿、EDTA血
漿取得用採血管を使用すると良い。
【0063】<8>活性型HGFAに対するプロテアー
ゼインヒビターのスクリーニング方法活性型HGFAを
認識する抗体であって、不活性型HGFAを実質的に認
識せず、活性型HGFAとプロテアーゼインヒビターの
複合体を認識しない抗体を使用することにより、活性型
HGFAに対して作用するプロテアーゼインヒビターを
スクリーニングすることが可能である。
【0064】上記の性質を有する抗体は、活性型HGF
A特異的抗体から、さらに活性型HGFAとプロテアー
ゼインヒビターの複合体を認識しない抗体を選択するこ
とによって、取得することができる。
【0065】上記スクリーニング法として具体的には、
(1)活性型HGFAとそのプロテアーゼインヒビター
の候補となる化合物を混合して反応させる工程、(2)
活性型HGFAとプロテアーゼインヒビターの候補とな
る化合物を混合したものに対し、活性型HGFAを認識
する抗体であって、不活性型HGFAを実質的に認識せ
ず、活性型HGFAとプロテアーゼインヒビターの複合
体を認識しないモノクローナル抗体を添加する工程、
(3)免疫反応物を分離した後、活性型HGFAとプロ
テアーゼインヒビターの候補となる化合物からなる複合
体と、前記抗体からなる免疫反応物量の低下を測定する
工程が挙げられる。この免疫反応物量の低下を検出する
方法としては、酵素イムノアッセイ、ラジオイムノアッ
セイ、蛍光イムノアッセイ、化学発光イムノアッセイ、
電気化学発光イムノアッセイ、イムノブロッティング
法、イムノクロマト法、ラテックス凝集法、イムノブロ
ッティングの応用例であるマイクロアレイ法、蛍光偏向
解消法、蛍光相関分散法、さらには表面プラズモン共鳴
装置を利用したものが利用可能である。例えば活性型H
GFAを認識する抗体であって、不活性型HGFAを実
質的に認識せず、活性型HGFAとプロテアーゼインヒ
ビターの複合体を認識しない抗体をセンサーチップ上に
結合させた後、このチップをとりつけた表面プラズモン
共鳴装置に活性型HGFAを含む生体試料を流し、応答
シグナルの時間変化を追跡することによりプロテアーゼ
インヒビターをスクリーニングすることが可能である。
【0066】またここで使用する抗体は、そのまま用い
てもよいし、定法であるパパイン処理によって得られる
Fabまたはペプシン処理によって得られるF(a
b')2もしくF(ab')の形態を持った抗体を用いて
も良い。またここで使用する抗体の性質を有する抗体の
断片も使用可能である。
【0067】
【実施例】以下に実施例を挙げ本発明を具体的に説明す
るが, 本発明はこれらに限定されるものではない。
【0068】
【実施例1】不活性型HGFAおよび活性型HGFAの
作製 不活性型HGFAの調製は、特開平6-153946に記載され
ているHGFA前駆体をコードするHGFA cDNA
を使用し、特開平6-153966に記載された方法に準じ、組
換え体不活性型HGFAを作製することによって行っ
た。すなわち不活性型HGFAの前駆体の全長である6
55アミノ酸をコードするHGFA cDNAを、定法
により動物細胞発現ベクターであるpcDNA3.1
(Invitrogen社)のCMVプロモーター下流に挿入し
た。
【0069】得られた発現ベクターを、チャイニーズハ
ムスター卵巣細胞由来である動物細胞株、CHO細胞へ
BIOSEPRA社TRANSFECTAMを使用し、添付の方法に従って
導入した。この後、導入した発現ベクター上に存在する
ネオマイシン耐性遺伝子の性質を利用し、HGFA c
DNAを発現しているCHO細胞を選択した。すなわち
400μg/mlのネオマイシンおよび5%牛胎児血清を含む
ERDF(極東製薬社製)培地中、5% CO2下、37
℃にて生育可能な細胞を選択した。さらに選択したHG
FA cDNAを発現しているCHO細胞を100μMナフ
ァモスタットメシレート,400μg/mlネオマイシンおよ
び5%牛胎児血清を含むERDF(極東製薬社製)培地
にて約10日間の培養を行い約5Lで培養上清を得た。
【0070】得られた培養上清をフィルター濾過後、10
mM EDTA, 10mMベンズアミジン, 100μMナファモスタッ
トメシレート, 大豆トリプシンインヒビター,1000KIU/m
lアプロチニンを含むプロテアーゼインヒビターを添加
し、さらに0.5M酢酸緩衝液(pH4.5)を添加すること
により、培養上清のpHを約5.8に調整した。この培養
上清を、100mM NaClを含む50mM酢酸緩衝液(pH5.5)で
平衡化した硫酸化セルロファインカラム(生化学工業
(株))に添加し、100mM NaClを含む50mM酢酸緩衝液(pH
5.5)で洗浄を行った。この後、500mM NaCl, 0.05% CHA
PS(3-[(3-cholamidopropyl)dimethylammonio]propanes
ulfonic acid)を含む50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH
7.5)で溶出操作を行い、不活性型HGFA画分を得
た。
【0071】得られた画分は、150mM NaClを含む50mMリ
ン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)に透析後、A6モノク
ローナル抗体アフィニィティーカラム(下村ら、J. Bio
l. Chem., 268:22927-22932 (1993))にかけた後に、50
mMグリシン−HCl(pH3.0)緩衝液で溶出を行った。得られ
た不活性型HGFA画分は100mM NaCl, 0.05% CHAPSを
含む10mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.3)に置換し
た。この一部はプロテアーゼインヒビターであるアルガ
トロバンを終濃度40μMになる様添加して、不活性型H
GFAとして-40℃下で保存した。一方、アルガトロバ
ンを添加しなかった不活性型HGFAに対し、その重量
比で1/100量のプラズマカリクレインおよびトロンビン
を添加し37℃下で充分反応させることにより活性型36kD
a HGFAを得た。
【0072】またアルガトロバンを添加しなかった不活
性型HGFAに対し、HGFAに対する重量比で1/100
量のトロンビンおよび10μg/mlのデキストラン硫酸を添
加し、37℃下で20分反応させることにより、活性型98
kDa HGFAを得た。各活性型HGFA画分はそれぞれ再
度、A6モノクローナル抗体アフィニィティーカラムに
て精製後、100mM NaCl, 0.05% CHAPSを含む10mMリン酸
ナトリウム緩衝液(pH7.3)で平衡化したAsahipak GS
520HQカラム(昭和電工社製)を使用したHPLC操作
を実施した後、活性型36kDa HGFAおよび活性型98kDa HG
FAとして、-40℃下で保存した。
【0073】
【実施例2】活性型HGFA特異的モノクローナル抗体
スクリーニング用ELISAプレートの作製 実施例1で作製した活性型36kDa HGFAまたは活性型98KD
a HGFをハイブリドーマスクリーニング用の抗原とし
て、最終濃度1μg/mlになる様に生理的リン酸水素緩
衝液(PBS(-))に希釈後、96wellプレートのウェルに10
0μlずつ添加した。この後、4℃下にて24時間保存
して、各抗原を96ウェルプレートに吸着させた。この抗
原付着プレートより溶液を除き、5%ウシ血清アルブミ
ン(以下「BSA」と略す)を含むPBS(-)を250μlずつウ
ェルに添加して、4℃にて一昼夜(12時間程度)または
37℃にて2時間以上おくことによりブロッキング操作を
行い、活性型HGFAスクリーニング用ELISAプレ
ートとして、4℃下にて保存した。
【0074】一方、実施例1で作製した不活性型HGF
Aをハイブリドーマスクリーニング用の抗原として、最
終濃度1μg/mlになる様にPBS(-)で希釈した。この
後、96ウェルプレートのウェルに100μlずつ添加し、
4℃下にて24時間保存して各抗原を96ウェルプレート
に吸着させた。この抗原付着プレートより溶液を除き、
5% BSAを含むPBS(-)を250μlずつウェルに添加して4
℃にて一昼夜(12時間程度)、または37℃にて2時間以
上おくことによりブロッキング操作を行い、不活性型H
GFAスクリーニング用ELISAプレートとして、4
℃下にて保存した。これらのELISAプレートは、使
用直前にプレート中のブロッキング溶液を除いて使用し
た。
【0075】
【実施例3】活性型HGFA特異的モノクローナル抗体
の作製 実施例1で作製した活性型36kDa HGFA100μgまたは98KD
a HGFA100μgを含む溶液を、同容量のフロイント完全ア
ジュバントとともに、Balb/cマウスの皮下および腹腔内
に2週間間隔で6回投与した。マウスの血清中に抗体が
産生していることを確認後、100μgのHGFAを含む溶
液を尾静脈内に投与した。3日後に脾臓を取り出し、
「単クローン抗体実験マニュアル」(講談社サイエンテ
ィフィック1987年出版)に従い、ポリエチエングリコー
ル1500を使用して、脾臓細胞をミエローマ細胞P3U1と細
胞融合させ、96ウェルプレートに注入後HAT培地を添
加して14日間の培養を行った。
【0076】この後、各活性型HGFAに対して特異的
なモノクローナル抗体を培地中に産生するハイブリドー
マの選別を行った。すなわち実施例2で作製した36kDa
HGFAまたは活性型98KDa HGFAスクリーニング用ELIS
Aプレートに対して、選択するハイブリドーマの培養上
清を添加し、培養上清に存在するモノクローナル抗体の
反応性を解析した。各活性型スクリーニング用ELIS
Aプレートに対し、選択するハイブリドーマの培養上清
を100μl/ウェルにて添加した後4℃下にて2時間以上
反応させた。
【0077】この後、0.05% Tween20を含むPBS(-)液
(以下「PBST液」と略す)を用いて十分な洗浄を行な
い、HRP(西洋わさびペルオキシターゼ)標識ヒツジ抗
マウスIgG・Fcポリクローナル抗体(DAKO社)1μg/mlお
よび1% BSAを含むPBS(-)を100μlずつウェルに添加
し、さらに室温で1時間反応させた。PBST液で充分に洗
浄操作を行った後、0.4mg/mlオルトフェニレンジアミン
(OPD、Sigma社 P-9029)および0.015〜0.03%過酸化水
素溶液を含むクエン酸−リン酸緩衝液(pH5.0)を添加
して室温にて反応させ、発色を行なった。この後1N H
2SO4溶液を添加して反応を止め、測定波長490nm、リフ
ァレンス波長650nmにて測定を行なった。
【0078】次に、ここで得られた活性型36kDa HGFAま
たは活性型98KDa HGFAに対して反応性を有するモノク
ローナル抗体産生ハイブリドーマの培養上清を用い、実
施例2で作製した不活性型HGFAスクリーニング用E
LISAプレートにて同様にスクリーニングを行い、不
活性型HGFAに対して反応性を全く示さないハイブリ
ドーマを選択した。このスクリーニングにより、活性型
36kDa HGFAを認識するモノクローナル抗体であって、不
活性型HGFAを実質的に認識しないモノクローナル抗体、
または活性型98KDa HGFAを認識するモノクローナル抗体
であって、不活性型HGFAを認識しないモノクローナ
ル抗体を産生するハイブリドーマ(AHGA-A、AHGA-B、AH
GA-C)が得られた。得られた各ハイブブリドーマは、限
界希釈法による4回のクローニング操作後、培養上製を
回収してプロテインAが結合したアフィニティークロマ
トグラフィー(アマシャムファルマシアバイオテク製)
により、モノクローナル抗体の精製を行った。ハイブリ
ドーマクローンAHGA-Aは、平成13年10月19日よ
り、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託セ
ンター(〒305-8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1
番地1 中央第6)に、FERM BP−7779の受
託番号で寄託されている。
【0079】
【実施例4】活性型HGFA特異的モノクローナル抗体
の反応特異性解析 実施例3にて作製・精製された活性型HGFA特異的モ
ノクローナル抗体のうち、ハイブリドーマクローンAHGA
-A, AHGA-BおよびAHGA-C由来のモノクローナル抗体に関
する反応性を解析した。このため、実施例2にて作製し
た活性型36kDaHGFAもしくは活性型98KDa HGFAスクリー
ニング用ELISAプレートまたは不活性型HGFAス
クリーニング用ELISAプレートに対して、ハイブリ
ドーマクローンAHGA-A, AHGA-BおよびAHGA-C由来のモ
ノクローナル抗体約1μg/mlおよび1%BSAを含むPBS
(-)を100μlずつウェルに添加して、4℃下にて2時間
以上反応させた。
【0080】この後、0.05% Tween20を含むPBS(-)液
(以下「PBST液」と略す)を用いて十分な洗浄を行な
い、HRP標識ヒツジ抗マウスIgGポリクローナル抗体(DA
KO社)1μg/mlおよび1% BSAを含むPBS(-)を100μlず
つウェルに添加し、さらに室温で1時間反応させた。PB
ST液で充分に洗浄操作を行った後、0.4mg/mlオルトフェ
ニレンジアミン(OPD、Sigma社 P-9029)および0.015〜
0.03%過酸化水素溶液を含むクエン酸−リン酸緩衝液(p
H5.0)を添加して室温にて反応させ、発色を行なった。
【0081】この後、1N H2SO4溶液を添加して反応を
止め、測定波長490nm、リファレンス波長650nmにて測定
を行なった。測定結果を図1に示す。ハイブリドーマク
ローンAHGA-A、AHGA-B由来のモノクローナル抗体は、活
性型36kDa HGFAと反応し、不活性型HGFAとは反応し
なかった。またハイブリドーマクローンAHGA-Cは、活性
型98kDa HGFAと反応し、不活性型HGFAとは反応しな
かった(図1)。一方、HGFAに対する既存のモノク
ローナル抗体(7E10, P1-4, A-1, A-6, A-23,A-32, A-5
1, A-75)に関して、活性型36kDa HGFAおよび不活性型
HGFAに対する反応性を解析した結果、活性型および
不活性型HGFAの両者に対して同等の反応性を示し、
本発明で得られたモノクローナル抗体の様に活性型HG
FAに対して特異的な反応性を有していなかった。
【0082】
【実施例5】活性型HGFA特異的モノクローナル抗体
の解離定数測定 実施例3にて作製・精製された活性型HGFA特異的モ
ノクローナル抗体のうち、ハイブリドーマクローンAHGA
-A由来のモノクローナル抗体について解離定数を測定し
た。活性型HGFAを固相化し、BSAでブロッキングを行
った活性型HGFA固相化プレートに対して抗体濃度を変え
て添加し、平衡状態に達するまで十分に反応させた(2
時間以上)。この後、0.05% Tween20を含むPBS(-)液
(以下「PBST液」と略す)を用いて十分な洗浄を行な
い、HRP(西洋わさびペルオキシターゼ)標識ヤギ抗マ
ウスIgG・Fcポリクローナル抗体(ICN社)1μg/mlお
よび1% BSAを含むPBS(-)を100μlずつウェルに添加
し、さらに室温で1時間反応させた。PBST液で充分に洗
浄操作を行った後、0.4mg/mlオルトフェニレンジアミン
(OPD、Sigma社 P-9029)および0.015〜0.03%過酸化水
素溶液を含むクエン酸−リン酸緩衝液(pH5.0)を添加
して室温にて反応させ、発色を行なった。この後、1N
H2SO4溶液を添加して反応を止め、測定波長490nm、リ
ファレンス波長650nmにて測定を行なった。測定結果よ
りスキャチャードプロットを行い、解離定数を求めた。
結果は4.05×10-10Mであった。この結果は、本
発明の抗体の親和性が高いことを示している。
【実施例6】活性型HGFAを特異的に認識し、活性型
HGFAとプロテアーゼインヒビターの複合体を認識し
ないモノクローナル抗体の作製 実施例3にて選択された活性型HGFAを特異的に認識
し、不活性型HGFAを認識しないモノクローナル抗体
を産生するハイブリドーマに対し、さらに以下のスクリ
ーニングを行った。実施例2で作製した活性型36kDa HG
FAまたは活性型98KDa HGFAスクリーニング用ELISA
プレートのブロッキング溶液を除いた後、プロテアーゼ
インヒビターであるナファモスタットメシレート200μM
を含むPBS(-)を20μlずつウェルに添加して室温で1時
間反応させ、活性型HGFAとナファモスタットメシレ
ートとの複合体を形成させた。この後、選択するハイブ
リドーマの培養上清を100μl/ウェルにて添加した後4
℃下にて2時間反応させた。
【0083】この後0.05% Tween20を含むPBS(-)液(以
下PBST液と略す)を用いて十分な洗浄を行ない、HRP標
識ヒツジ抗マウスIgGポリクローナル抗体(DAKO社)1
μg/mlおよび1% BSAを含むPBS(-)を100μlずつウェル
に添加し、さらに室温で1時間反応させた。PBST液で充
分に洗浄操作を行った後、0.4mg/mlオルトフェニレンジ
アミン(OPD、Sigma社 P-9029)および0.015〜0.03%過
酸化水素溶液を含むクエン酸−リン酸緩衝液(pH5.0)
を添加して室温にて反応させ、発色を行なった。
【0084】この後1N H2SO4溶液を添加して反応を止
め、測定波長490nm、リファレンス波長650nmにて測定を
行なった。このスクリーニングにより、活性型36kDa HG
FAとナファモスタットメシレートの複合体を認識しない
モノクローナル抗体を選択した。選択されたモノクロー
ナル抗体を産生するハイブリドーマクローンをAHGA-Dと
した。得られた各ハイブブリドーマは限界希釈法による
4回のクローニング操作後、培養上製を回収してPro
teinAが結合したアフィニティークロマトグラフィ
ーによりモノクローナル抗体の精製を行った。
【0085】
【実施例7】活性型HGFAを特異的に認識し、活性型
HGFAとプロテアーゼインヒビターの複合体を認識し
ないモノクローナル抗体の反応特異性解析 実施例6にて選択されたハイブリドーマクローンAHGA-D
由来のモノクローナル抗体の反応性を解析した。実施例
2にて作製した活性型36kDa HGFAスクリーニング用EL
ISAプレートに対して、0μM, 0.820μM, 7.40μM, 2
2.20μM, 2000μMの濃度のナファモスタットメシレート
を含むPBS(-)を20μlずつウェルに添加して室温で1時
間反応させ、活性型HGFAとナファモスタットメシレ
ートとの複合体を形成させた。この後、ハイブリドーマ
クローンAHGA-D由来のモノクローナル抗体約1μg/ml,
1% BSAおよび種々の濃度のナファモスタットメシレー
ト(0μM, 0.820μM, 7.40μM, 22.20μM, 2000μM)を
含むPBS(-)を100μlずつウェルに添加して、4℃下にて
2時間以上反応させた。
【0086】この後、0.05% Tween20を含むPBS(-)液
(以下「PBST液」と略す)を用いて十分な洗浄を行な
い、HRP標識ヒツジ抗マウスIgGポリクローナル抗体(DA
KO社)1μg/mlおよび1% BSAを含むPBS(-)を100μlず
つウェルに添加し、さらに室温で1時間反応させた。PB
ST液で充分に洗浄操作を行った後、0.4mg/mlオルトフェ
ニレンジアミン(OPD、Sigma社 P-9029)および0.015〜
0.03%過酸化水素溶液を含むクエン酸−リン酸緩衝液(p
H5.0)を添加して室温にて反応させ、発色を行なった。
【0087】この後1N H2SO4溶液を添加して反応を止
め、測定波長490nm、リファレンス波長650nmにて測定を
行なった。測定結果を図2に示す。ハイブリドーマクロ
ーンAHGA-D由来のモノクローナル抗体は、プロテアーゼ
インヒビターであるナファモスタットメシレートと結合
したHGFAに対して、著しく反応性が低下した。
【0088】
【実施例8】HGFAに対するポリクローナル抗体およ
びその標識体の作製HGFAに対するポリクローナル抗
体は、実施例1で調製した活性型36kDa HGFAおよび活性
型98kDa HGFAならびに不活性型 HGFA各100μgずつ混合
したものを抗原として、ウサギ皮下へ2週間間隔で7回
投与した。血清中に抗体が産生していることを確認後、
さらに10μgの各抗原を脈内に投与し、5日後に抗血清
を取得た。さらに硫安沈殿操作後、プロテインAカラム
を使用した精製操作により、抗HGFAポリクローナル
抗体を取得した。この後、得られたHGFAポリクロー
ナル抗体をビオチン標識することにより、ビオチン標識
抗HGFAポリクローナル抗体を調製した。
【0089】
【実施例9】活性型HGFA特異的測定系の構築 実施例4で使用したハイブリドーマクローンAHGA-A由来
のモノクローナル抗体を一次抗体として使用した。この
モノクローナル抗体を30μg/mlの濃度になるように0.05
M炭酸−重炭酸緩衝液(pH9.6)に溶解し、100μl/ウ
ェルにて96ウェルプレートへ添加し、4℃にて一昼夜
(12時間程度以上)おいた。この一次抗体付着プレート
より一次抗体溶液を除いた後、1% BSAを含むPBS(-)を25
0〜300μl/ウェルずつ添加し、4℃にて一昼夜(12時間
程度)または37℃にて2時間以上おいた。このプレート
からブロッキング溶液を除き、0.15M NaCl, 0.1% CHAP
S,0.05% Tween20, 0.05% Az(アジ化ナトリウム), 0.1
% BSA, 20mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.5に溶解された
種々の濃度(0, 0.69, 2.1, 6.2, 18.5, 55.6, 167, 50
0 ng/ml)の活性型36kDaHGFAまたは不活性型98kDa
HGFAを100μlずつ添加し、4℃下にて約2時間以上反
応させた。
【0090】この後、500mM NaCl, 0.05% Tween 20, 20
mM Tris-HCl pH7.5を組成とする洗浄液を使用して十分
な洗浄を行なった後、実施例8で作製したビオチン標識
抗HGFAポリクローナル抗体1μg/mlおよび1%BSA
を含むPBS(-)を100μlずつウェルに添加し、37℃イン
キュベーター中にて2時間反応させた。
【0091】次に上記の洗浄液を使用して十分な洗浄を
行ない、HRP標識ストレプトアビジン(アマシャムファ
ルマシアバイオテク、コードRPN1231)を2000倍希
釈した1% BSAを含むPBS(-)を100μlずつウェルに添加
し、さらに室温で1時間反応させた。洗浄液液で充分に
洗浄操作を行った後、0.4mg/mlオルトフェニレンジアミ
ン(OPD、Sigma社 P-9029)および0.015〜0.03%過酸化
水素溶液を含むクエン酸−リン酸緩衝液(pH5.0)を100
μl/ウェルずつ添加して室温にて反応させ、発色を行な
った。
【0092】この後1N H2SO4溶液を100μl/ウェルず
つ添加して反応を止め、測定波長490nm、リファレンス
波長650nmにて測定を行なった。この結果を図3に示
す。図3AはHGFAの濃度、0〜500ng/mlの範囲で記
載した。図3Bは図3Aに記したHGFAの濃度のう
ち、0〜55.6ng/mlの範囲を拡大して示した。
【0093】
【実施例10】健常人血液中おける活性型HGFA量の
測定 実施例9で作製した活性型HGFA特異的測定系を用い
て、健常人144人の血清を測定した。健常人血清は採
取後に凍結して保存され、本実験の直前に解凍して使用
した。まず実施例9で作製した一次抗体付着後にブロッ
キング操作を行った96ウェルプレートに対し、あらか
じめ0.15M NaCl, 0.1% CHAPS, 0.05% Tween20, 0.05% A
z, 0.1% BSA, 20mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.5を50μ
lずつウェルに添加し、さらに健常人の血清または標準3
6kDa活性型HGFA(0, 0.69,2.1, 6.2, 18.5, 55.6,
167, 500 ng/ml)を50μlずつ添加した。この後、4℃
下にて約2時間以上反応させ、500mM NaCl, 0.05% Twee
n 20, 20mM Tris-HCl pH7.5を組成とする洗浄液を使用
して十分な洗浄を行なった後、実施例8で作製したビオ
チン標識抗HGFAポリクローナル抗体1μg/mlおよび
1%BSAを含むPBS(-)を100μlずつウェルに添加し、3
7℃インキュベーター中にて2時間反応させた。次に上
記の洗浄液を使用して十分な洗浄を行ない、HRP標識ス
トレプトアビジン(アマシャムファルマシアバイオテ
ク、コードRPN1231)を2000倍希釈した1% BSAを
含むPBS(-)を100μlずつウェルに添加し、さらに室温で
1時間反応させた。
【0094】洗浄液液で充分に洗浄操作を行った後、0.
4mg/mlオルトフェニレンジアミン(OPD、Sigma社 P-902
9)および0.015〜0.03%過酸化水素溶液を含むクエン酸
−リン酸緩衝液(pH5.0)を100μl/ウェルずつ添加して
室温にて反応させ、発色を行なった。この後1N H2SO4
溶液を100μl/ウェルずつ添加して反応を止め、測定波
長490nm、リファレンス波長650nmにて測定を行なった。
この後、標準36kDa活性型HGFA濃度とその発色量に
よる検量線を作製し、健常人血清中の濃度を算出した。
この結果を図4に示す。健常人血清においては、0ng/ml
から58.5ng/mlまでの範囲を示し、平均は19ng/mlであっ
た。
【0095】
【実施例11】各種ヒト疾患患者血液中における活性型
HGFA量の測定実施例9で作製した活性型HGFA特
異的測定系を用い、実施例10の方法に従って各種ヒト
疾患患者血清を測定した。患者数は、各疾患毎に5例と
した。各血清は採取後に凍結して保存され、本実験の直
前に解凍して使用した。その結果を表1に示す。糸球体
腎炎、膵炎、癌、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞の患者血液
中には、健常人(検体数9 平均値19ng/ml)と比較し
て活性型HGFAの濃度が高値であることが判った。
【0096】
【表1】 ──────────────────────────────── 症 例 患者1 患者2 患者3 患者4 患者5 ──────────────────────────────── 糸球体腎炎 304.2 158.3 130.0 144.8 280.7 膵炎 108.1 100.0 152.0 109.6 117.6 癌 104.1 153.9 141.6 80.9 105.4 心筋梗塞 61.6 69.2 240.7 70.1 − 狭心症 175.5 134.0 270.7 213.8 374.3 脳梗塞 64.8 96.2 554.0 − − ────────────────────────────────
【0097】
【実施例12】活性型HGFA測定用血液の採血方法と
安定性の検討 健常人より血清、クエン酸血漿、ヘパリン血漿もしくは
EDTA血漿、またはアルガトロバンを終濃度40μM含
む血清、クエン酸血漿、ヘパリン血漿もしくはEDTA
血漿を採取、調製し、それぞれを4℃または37℃にて
12時間保管後、実施例10に記載の方法にて活性型H
GFA量を測定した。この結果を図5に示す。血清また
は血漿の保管による活性型HGFA量値の上昇は血清よ
りも血漿で少ないこと、この上昇はアルガトロバン添加
により良く押さえられることが判った。
【0098】
【発明の効果】本発明により、活性型HGFAに特異的
に結合し、不活性型HGFAに結合しないモノクローナ
ル及びポリクローナル抗体が提供される。本発明の抗体
は、活性型HGFAの特異的な測定、検出に用いること
ができる。
【0099】本発明の活性型HGFAの測定法は、活性
型HGFAの血中濃度に反映される各種疾患の診断に利
用することができる。
【0100】
【配列表】 <110> Mitsubishi Chemical Corp. <120> 活性型肝細胞増殖因子アクティベーターに対する特異的抗体とその使用法 <130> J07788 <140> <141> 2001-12-05 <150> JP2000-370435 <151> 2000-12-05 <160> 3 <170> PatentIn Ver. 2.0
【0101】 <210> 1 <211> 13 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 1 Gly Arg Arg His Lys Lys Arg Thr Phe Leu Arg Pro Arg 1 5 10
【0102】 <210> 2 <211> 13 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 2 Ile Ile Gly Gly Ser Ser Ser Leu Pro Gly Ser His Pro 1 5 10
【0103】 <210> 3 <211> 26 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 3 Gly Arg Arg His Lys Lys Arg Thr Phe Leu Arg Pro Arg Ile Ile Gly 1 5 10 15 Gly Ser Ser Ser Leu Pro Gly Ser His Pro 20 25
【図面の簡単な説明】
【図1】 活性型HGFA及び不活性型HGFAに対す
るモノクローナル抗体の反応性を示す図。
【図2】 活性型HGFAとプロテアーゼインヒビター
との複合体と、モノクローナル抗体との反応性を示す
図。
【図3】 活性型HGFA測定系における活性型HGF
Aおよび不活性型HGFAとモノクローナル抗体との反
応性を示した図である。図3AはHGFAの濃度、0〜5
00ng/mlの範囲で記載、図3Bは図3Aに記したHGF
Aの濃度のうち、0-55.6ng/mlの範囲を拡大して示し
た。
【図4】 健常人血清中における活性型HGFA量のヒ
ストグラムを示した図である。
【図5】 健常人の血清、クエン酸血漿、ヘパリン血
漿、EDTA血漿における活性型HGFA値の保存安定
性とアルガトロバン添加の効果を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C12N 15/02 C12N 5/00 B C12P 21/08 15/00 C Fターム(参考) 2G045 AA01 BA13 BB14 BB20 BB46 BB50 BB51 CB01 FA29 FB01 FB03 FB07 GC10 4B024 AA01 AA11 BA41 DA02 GA03 HA11 HA17 4B064 AG27 CA19 CE12 DA01 DA13 4B065 AA91X AB02 CA25 CA44 CA46 4H045 AA11 AA20 AA30 CA40 DA76 EA20 EA50 FA74 GA26

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性型肝細胞増殖因子アクティベーター
    (HGFA)を認識する抗体であって、不活性型HGF
    Aを実質的に認識しない抗体。
  2. 【請求項2】 活性型HFGAに対する解離定数が1×
    10-8M以下である請求項1に記載の抗体。
  3. 【請求項3】 モノクローナル抗体である請求項1又は
    2に記載の抗体。
  4. 【請求項4】 SDS−PAGE法で約34,000〜約98,0
    00を示す活性型HGFAを認識し、不活性型HGFAを
    実質的に認識しない請求項3に記載の抗体。
  5. 【請求項5】 SDS−PAGE法で約34,000〜約38,0
    00を示す活性型HGFAを認識する請求項4に記載の抗
    体。
  6. 【請求項6】 受託番号FERM BP−7779であ
    るハイブリドーマにより産生される請求項4に記載のモ
    ノクローナル抗体。
  7. 【請求項7】 活性型HGFAの前駆体である不活性型
    HGFAの翻訳開始アミノ酸から数えて407番目のアル
    ギニンと408番目のイソロイシン間で限定分解を受ける
    ことにより活性化している活性型HGFAを認識し、不
    活性型HGFAを実質的に認識しないモノクローナル抗
    体。
  8. 【請求項8】 活性型HGFAを認識し、不活性型HG
    FA、及び活性型HGFAとプロテアーゼインヒビター
    の複合体を実質的に認識しないモノクローナル抗体。
  9. 【請求項9】 請求項3〜8のいずれか一項に記載のモ
    ノクローナル抗体を生産するハイブリドーマ細胞系。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8いずれか一項に記載の抗
    体の1種又は複数種を用いて、活性型HGFAを免疫学
    的方法により特異的に測定することを特徴とする、活性
    型HGFAの測定法。
  11. 【請求項11】 活性型HGFAを測定する検体が、疾
    患の疑いのある被検者または被検動物から採取された生
    体成分である請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記疾患が、臓器炎症、糸球体腎炎、
    癌、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞または血栓症である請求
    項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 疾患の疑いのある被検者から採取され
    た生体成分中の活性型HGFAを検出または測定するこ
    とを特徴とする疾患の検出方法。
  14. 【請求項14】 前記疾患が、臓器炎症、糸球体腎炎、
    癌、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞または血栓症である請求
    項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記生体成分が血液又はその分画物も
    しくは処理物であることを特徴とする請求項13または
    14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記生体成分が血漿である請求項15
    に記載の方法。
  17. 【請求項17】 血漿がクエン酸血漿である請求項16
    に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記生体成分にアルガトロバンを添加
    することを特徴とする請求項13〜17のいずれか一項
    に記載の方法。
  19. 【請求項19】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の
    抗体の1種又は複数種を含み、活性型HGFAを検出ま
    たは測定するためのキット。
  20. 【請求項20】 臓器炎症、糸球体腎炎、癌、心筋梗
    塞、狭心症、脳梗塞または血栓症の診断に用いられる請
    求項19に記載のキット。
  21. 【請求項21】 疾患の疑いのある患者から採取された
    生体成分中の活性型HGFAを測定することを特徴とす
    る請求項19または20に記載のキット。
  22. 【請求項22】 活性型HFGAの検出または測定を、
    免疫染色によって行うことを特徴とする請求項19〜2
    1のいずれか一項に記載のキット。
  23. 【請求項23】 血清もしくは血漿または全血取得用採
    血管であって、アルガトロバンを添加した採血管。
  24. 【請求項24】 活性型HGFA測定に用いる血清もし
    くは血漿または全血の採血に用いる請求項23に記載の
    採血管。
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