JP2002355910A - 不燃性ポストフォーム熱硬化性樹脂化粧板 - Google Patents

不燃性ポストフォーム熱硬化性樹脂化粧板

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JP2002355910A
JP2002355910A JP2001204060A JP2001204060A JP2002355910A JP 2002355910 A JP2002355910 A JP 2002355910A JP 2001204060 A JP2001204060 A JP 2001204060A JP 2001204060 A JP2001204060 A JP 2001204060A JP 2002355910 A JP2002355910 A JP 2002355910A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はキッチンパネル、腰壁パネル等に使
用される不燃性ポストフォーム化粧板に関し、化粧板作
成の前加工としての基材の面取り工程の削減、施工時の
部材の削減という課題を解決する。 【解決手段】 無機発泡体及び結合剤を主体とし嵩比重
が0.4〜1.0、常態での曲げ破壊荷重が20〜60
kgfの物性を有する不燃性基材に熱硬化性樹脂含浸紙
布が熱圧成形された化粧板において、成形の際に熱硬化
性樹脂含浸紙布の上に面取わ加工のための形状加工を施
された当板をおいて熱圧成形されたことを特徴とする不
燃性ポストフォーム熱硬化性樹脂化粧板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅、公共施設等
の内装用不燃性化粧板として設置が要求されるキッチン
パネル、腰壁等の熱硬化性樹脂化粧板に関するものであ
る。本発明にいう不燃とは建築基準法に基づき、不燃及
び準不燃を含むものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、キッチンの周辺等の防火性を
必要とする部分に使用される化粧板として、ケイ酸カル
シウム板、石膏ボード、金属板等に化粧シート貼りや塗
装等で化粧したものが用いられている。従来のこの種の
化粧板の施工を行う場合は、接合部の処理方法として、
木口が切り放しの場合はジョイナー等の接合部材で木口
部分を隠すか、コーキングによる処理を行っている。ま
た施工が容易な化粧板として、ポストフォーム加工化粧
板が上市されている。その製造方法としては、あらかじ
め面取り加工した基材に接着剤を使用して裏面まで樹脂
シートを巻き込むか、表面の平たん部のみを樹脂シート
等で化粧した後木口を同系色で塗装するという工程が一
般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
化粧板あるいは施工方法では、必ずしも目地処理部材の
削減および化粧板の加工工程の削減を満足するものでは
なく、コスト低減の障壁となっていた。
【0004】すなわち、何らかの目地処理を施す場合
は、ジョイナー等の部材を使用するか、コーキング仕上
げにより基材の切断部を隠蔽せねばならず、部材代や施
工賃等のコストが上昇するばかりでなく、外観性の低下
という課題も有していた。
【0005】また、突き付け施工が可能なポストフォー
ム化粧板では、基材の前加工工程が必要であった。また
巻き込み仕様の化粧板に使用されるシートは、加工形状
からも柔軟性が要求されるため、熱可塑性シートの使用
が一般的であった。その為表面物性の不足、接着剤のダ
クによる表面意匠の低下という課題を有していた。
【0006】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的は熱硬化性樹脂化粧板の特長であ
る表面硬度、耐熱性、耐汚染性などの物性を保持すると
ともに、あらかじめ基材を加工することなく、突き付け
施工が可能な面取り形状を有する熱硬化性樹脂化粧の不
燃性化粧板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は上記課
題を解決したもので、無機発泡体及び結合剤を主体とし
嵩比重が0.4〜1.0、常態での曲げ破壊荷重が20
〜60kgfの物性を有する不燃性基材に熱硬化性樹脂
含浸紙布が熱圧成形された化粧板において、成形の際に
熱硬化性樹脂含浸紙布の上に面取り加工のための形状加
工を施された当板をおいて熱圧成形されたことを特徴と
する不燃性ポストフォーム熱硬化性樹脂化粧板である。
【0008】不燃性基材は嵩比重が0.4〜1.0、常
態での曲げ破壊荷重が20〜60kgfの物性を有する
ことが必要で、この範囲以外の物性では円滑にポストフ
ォームされにくい。尚、常態時の変形が20kg/cm
以下であることが一層好ましい。
【0009】上記無機発泡体及び結合剤を主体とした不
燃性基材が表裏層の間に中層を介在させた三層構造体で
あって表裏層の各々が鉱物質繊維、無機粉状体及び結合
剤を主体とし0.9以上の比重を有し、上記中層が無機
発泡体及び結合剤を主体とし、上記表裏層より小さい比
重を有し、上記表裏層及び上記中層がホットプレスによ
り一体化されたものであることが好ましい。
【0010】かかる不燃性基材は特開2000−432
15号に開示されているものであり、大建工業(株)よ
りダイライトという登録商標を付し不燃ないし準不燃の
火山性ガラス質複層板として市販されている。これらは
耐水性、寸法安定性、比強度、加工性の点で好ましく、
面取り形状、コストを考慮すると5〜20mmの厚みが
好ましい。
【0011】さらに、基材表面をサンディング加工、シ
ーラー加工することにより、基材の不陸等に起因する成
形不良を減らすことができ、かつ意匠性の高い仕上がり
感を得ることができる。
【0012】次に、成形時に使用する当板としては、金
属製で製品サイズに合わせてR形状あるいは糸面取り形
状等の任意の形状を施すことにより形成される。この形
状の発現方法は特に限定されないが、例えばシカル加
工、あらかじめ加工形状を施した部品の接合等により達
成される。
【0013】さらに、当板表面の艶調整、エンボス等の
付与を行うことにより、一体化成形時に製品表面への転
写が可能であり、多様な意匠表現を得ることができる。
【0014】上記当板は通常片面のみに面取り形状加工
等が施されているが、多段プレス等を使用の際等におい
ては必要に応じて両面に面取り加工等を施してもよい。
【0015】本発明の熱硬化性樹脂化粧板を構成する熱
硬化性樹脂としては、ジアリルフタレート樹脂、メラミ
ン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂などが
挙げられ、特に選択性がある訳ではないが、低圧かつホ
ットーホット成形で高光沢仕上げが可能なジアリルフタ
レート樹脂が最適である。
【0016】次に、熱硬化性樹脂含浸紙の基材となる化
粧紙は、特に限定されないが、セルロースに二酸化チタ
ンを混抄した抄造紙に印刷を施したパターン紙で、坪量
が40〜150g/mのものが最適である。
【0017】熱硬化性樹脂含浸紙のスペックとしては、
樹脂付着率((付着樹脂固型分量/含浸紙重量)×10
0)が45〜70%の範囲が好ましい。
【0018】さらに意匠性を向上させるには、上記のパ
ターン紙と不織布などのオーバーレイ含浸層、クラフト
含浸紙などのアンダーレイ層を設けることが効果的であ
る。
【0019】特に、基材の裏面側にもアンダーレイ層を
成形することにより、反りが小さく安定した化粧板を得
ることができ、成形後の養生期間の短縮が可能である。
【0020】本発明の熱硬化性樹脂化粧板の製法として
は、表面層となる熱硬化性樹脂含浸紙を基材となる火山
性ガラス質複層板等の不燃性基材に重ねて、請求項3に
記載のような当板を設置した、多段式ホットプレス機や
単段式ホットプレス機あるいは連続プレス機を用いて熱
圧成形することにより得ることができる。熱圧成形の条
件としては、使用した熱硬化性樹脂に適した温度、圧
力、時間を適宜選択すればよい。例えばジアリルフタレ
ート系樹脂の場合は温度120〜190℃、圧力10〜
25kg/cm、時間30秒〜15分であれば充分に
熱圧成形できる。
【0021】次に、図面によって詳細に示す。図1は本
発明の不燃性ポストフォーム熱硬化性樹脂化粧板の成形
時の構成の断面略図を示す。1はR面取り形状2、2′
を平行に施された当板であり、3は熱硬化性樹脂含浸紙
布であり、4は不燃性基材である。図2は熱圧成形され
た不燃性ポストフォーム熱硬化性樹脂化粧板の断面略図
であり、5は熱硬化された樹脂含浸紙布であり、4は不
燃性基材である。6−6′は成形後の切断面を示す。図
3は不燃性ポストフォーム熱硬化性樹脂化粧板の不要部
分を切りはなし、2個の切り口を突き付け接着剤で固定
したものの断面略図であり、7は突き付け面、8は不要
部分を示す。
【0022】
【実施例、比較例】次に実施例、比較例によって本発明
を詳細に説明する。実施例、比較例の部は重量部を示
す。
【0023】実施例1 ジアリルオルソフタレートプレポリマー(メチルエチル
ケトン50重量%溶液粘度(30℃)96.5cp、ヨ
ウ素価56.7、ダイソー(株)製)90部、ジアリル
フタレートモノマー10部、ベンゾイルパーオキサイド
4部、内部離型剤0.4部、ハイドロキノン0.03
部、ホワイトカーボン4部をアセトン、トルエンに溶解
して樹脂液を作った。この樹脂液で、坪量80g/m
のチタン混抄紙に木目柄を印刷したパターン紙を樹脂付
着率55%に含浸し、表面化粧用の熱硬化性樹脂含浸紙
を得た。
【0024】火山性ガラス質複層板として、表面を無機
系シーラーにより目止め後サンディング処理を施した厚
さ6mmの三層構造体の不燃材ダイライトF(大建工業
(株)製、不燃第11853号、嵩比重0.72、常態
での曲げ破壊荷重37kgf)を使用した。
【0025】当板として、シカル加工により平行に2本
の2R形状の凸部を形成したステンレス板を作製し、表
面の仕上げは光沢とした。
【0026】成形は、まず上記の当板を単段プレス機の
片側に設置し、温度を195℃に設定した。次に含浸紙
および基材のセット物を挿入し、圧力15kg/cm
で40秒間の成形条件によりホットーホット成形し、2
辺に2R面取り形状を有する片面光沢化粧板を得た。
【0027】実施例2 火山性ガラス質複層板として、表面を無機系シーラーに
より目止め後サンディング処理を施した厚さ6mmの三
層構造体の準不燃材ダイライトJ(大建工業(株)製、
準不燃第2897号、嵩比重0.72、常態での曲げ破
壊荷重47kgf)を使用した以外は実施例1と同様の
成形を行った。
【0028】実施例3 火山性ガラス質複層板として、表面を無機系シーラーに
より目止め後サンディング処理を施した厚さ9mmのダ
イライトF(大建工業(株)製)を使用した以外は実施
例1と同様の成形を行った。
【0029】実施例4 実施例1に記載のジアリルオルソフタレートプレポリマ
ー90部、ジアリルフタレートモノマー10部、ベンゾ
イルパーオキサイド4部、ハイドロキノン0.03部を
アセトン、トルエンに溶解して樹脂液を得た。この樹脂
液が固型分換算で10重量%、蛭石焼成粉末65重量
%、水酸化アルミニウム粉末20重量%、パルプ粉末5
重量%の組成となるよう調整し撹拌後、減圧乾燥により
樹脂含浸粉状組成物を得た。
【0030】上記樹脂含浸粉状組成物を、実施例1に記
載の樹脂液を固型分樹脂率50重量%となるよう含浸し
乾燥した坪量60g/mのクラフト紙上に7mmの厚
みで均一に堆積し、上下に平当板を載置したセット物を
プレス機に挿入し、温度150℃、圧力5kg/cm
で20分間の成形を行い、比重0.7で厚さ6mmの単
層基材(準不燃、嵩比重0.7、常態での曲げ破壊荷重
42kgf)を得た。
【0031】基材として、火山性ガラス質複層板の代わ
りに、上記基材を使用した以外は実施例1と同様の成形
を行った。
【0032】実施例1〜4の化粧板は、平面部から面取
り形状部分にかけてクラックや銀目等の成形不良が無
く、木質系基材に成形した通常のジアリルフタレート化
粧板と比較して遜色ない仕上がり感を有していた。
【0033】さらに不要部分を切り落とし、突き付け施
工を行ったところ、市販のポストフォーム化粧板と同等
の仕上がり観となった。
【0034】比較例1 実施例1と同様の方法により、表面用の熱硬化性樹脂含
浸紙を得た。
【0035】不燃性基材として、表面を#180にてサ
ンディングし、ウレタン系シーラーにて素地固め処理を
行った厚さ6mmの硅酸カルシウム板(比重=1.0)
を使用した。当板および成形は、実施例1に記載の条件
にて行った。
【0036】比較例1の化粧板は、当板の接触不良によ
る銀目が全面に見られ、かつR形状部分のへこみは全く
見られず、目的とする面取り形状を有する化粧板は得ら
れなかった。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の不燃性ポ
ストフォーム熱硬化性樹脂化粧板は熱硬化性樹脂含浸
紙、基材、当板を選択することにより、熱圧成形と同時
に面取り形状を形成することができる。従って熱硬化性
樹脂であるので表面硬度、耐熱性、耐汚染性に優れ、且
つ意匠性、施工性が優れた面取り形状化粧板を安価に提
供するという効果を奏するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の不燃性ポストフォーム熱硬化性樹脂化
粧板の成形の構成の断面略図である。
【図2】熱圧成形された不燃性ポストフォーム熱硬化性
樹脂化粧板の断面略図である。
【図3】不燃性ポストフォーム熱硬化性樹脂化粧板の不
要部分を切りはなし、2個の切り口を突き付け施工した
ものの断面略図である。
【符号の説明】
1 当板 2、2′ R面取り形状 3 熱硬化性樹脂含浸紙布 4 不燃性基材 5 熱硬化された樹脂含浸紙布 6−6′ 不要部分の切断面 7 突き付け面 8 不要部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 33/00 B32B 33/00 E04F 13/18 E04F 13/18 A C Fターム(参考) 2E110 AA02 AA42 AA57 AA65 AB04 AB23 AB43 BA02 BA12 BB03 BB23 BD26 GA04W GA24X GA33W GA33X GB11X GB42W GB49W GB52W GB54W 4F100 AC00A AC00C AC00D AK01B AK44B BA04 BA07 BA10B CB00C CB00D DB15 DE01C DE01D DG01C DG01D DG10B DJ01A EJ20 EJ39 EJ42 EJ82B GB07 JA13A JB13B JJ07 JJ07A JK04A JL05 YY00A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機発泡体及び結合剤を主体とし嵩比重
    が0.4〜1.0、常態での曲げ破壊荷重が20〜60
    kgfの物性を有する不燃性基材に熱硬化性樹脂含浸紙
    布が熱圧成形された化粧板において、成形の際に熱硬化
    性樹脂含浸紙布の上に面取り加工のための形状加工を施
    された当板をおいて熱圧成形されたことを特徴とする不
    燃性ポストフォーム熱硬化性樹脂化粧板。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の無機発泡体及び結合剤
    を主体とした不燃性基材が表裏層の間に中層を介在させ
    た三層構造体であって表裏層の各々が鉱物質繊維、無機
    粉状体及び結合剤を主体とし、0.9以上の比重を有
    し、上記中層が無機発泡体及び結合剤を主体とし、上記
    表裏層より小さい比重を有し一体化されたものである請
    求項1に記載の不燃性ポストフォーム熱硬化性樹脂化粧
    板。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の当板であって、当板の
    材質が金属であり、少なくとも片面に平行する2辺の面
    取り形状加工を施された当板を使用して作られたことを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の不燃性ポス
    トフォーム熱硬化性樹脂化粧板。
  4. 【請求項4】 熱硬化性樹脂がジアリルフタレート系樹
    脂である請求項1〜3のいずれかに記載の不燃性ポスト
    フォーム熱硬化性樹脂化粧板。
  5. 【請求項5】 不燃性基材の厚みが5〜20mmである
    請求項1〜4のいずれかに記載の不燃性ポストフォーム
    熱硬化性樹脂化粧板。
  6. 【請求項6】 熱硬化性樹脂層の厚みが0.05〜2.
    0mmである請求項1〜5のいずれかに記載の不燃性ポ
    ストフォーム熱硬化性樹脂化粧板。
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