JP2002355643A - 生ごみ処理機 - Google Patents

生ごみ処理機

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JP2002355643A JP2001160469A JP2001160469A JP2002355643A JP 2002355643 A JP2002355643 A JP 2002355643A JP 2001160469 A JP2001160469 A JP 2001160469A JP 2001160469 A JP2001160469 A JP 2001160469A JP 2002355643 A JP2002355643 A JP 2002355643A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 室内に置いての使用が、ほこりの排出等の問
題なくできるようにすると共に、室内での就寝時の使用
も、騒音の問題なくできるようにする。 【解決手段】 処理槽5の内部から排気する排気通路2
7に、処理槽5の内部で発埃性を有する基材57及び微
生物と共に生ごみを撹拌することにより発生したほこり
を捕獲するフィルタ42を含む複数段のフィルタ(3
2,42)を設けることにより、基材から発生する細か
なほこりを捕獲でき、もって、室内に置いても、ほこり
で室内が汚されることなく使用できるようにした。又、
通常の運転コースに対し、少なくとも撹拌を休止する時
間を長くする就寝コースを実行するようにもした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生ごみを微生物によ
って分解処理する生ごみ処理機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、家庭用もしくは業務用の生ご
み処理機においては、処理機本体の内部に処理槽が具え
られ、この処理槽の内部に、有機物を分解する微生物
(バチルス菌など)を含んだ、おがくずや、木のチッ
プ、ピートモスといった多孔質の基材を収容し、もって
処理槽の内部に基材と微生物とが収容され、その中に生
ごみ(厨芥)を収容して、この生ごみを上記微生物によ
り分解処理するものが供されている。
【0003】上記微生物は一般に好気性であり、空気中
の酸素の存在のもとに、生ごみを分解処理する。又、一
般に生ごみの80〔%〕は水分であり、分解に際して
は、その水分を処理槽外に排出する必要がある。これら
のために、処理槽の内部には撹拌体が設けられ、処理槽
の外部にモータや伝動機構が設けられて、これにより撹
拌体を回転駆動し、もって上述の基材と微生物及び生ご
みを撹拌するようになっている。すなわち、生ごみ処理
機の撹拌には、微生物に酸素を供給し、そして、生ごみ
の水分を排出するという重要な役割がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、処理槽
の内部に収容された基材と微生物及び生ごみを撹拌すれ
ば、微生物に酸素が供給され、そして、生ごみの水分が
排出されるのであるが、同時に、生ごみが基材中に分散
され、破砕もされる。これにより、生ごみの微生物によ
る分解処理が促進されるのであるが、更に同時に基材も
徐々に破砕され、それに伴って細かなほこりが発生す
る。
【0005】しかして、生ごみ処理機には、上述の生ご
みから排出された水分等を処理槽の内部から機外に排出
するための排気通路が設けられており、この排気通路に
は処理槽の内部に面する入口部等にフィルタが設けられ
ているものの、それは処理槽内部の基材自身など大きな
異物の散出を抑制する程度のものであり、上述の撹拌破
砕によって基材から発生した細かなほこりを捕獲するま
でには至らないものである。
【0006】このため、生ごみ処理機を室内に置いて使
用すると、排出されるほこりで室内が汚されるという問
題点があり、それを避けるべく、屋外に置いて使用せざ
るを得ないが、このものの場合、処理槽の内部に生ごみ
を投入するたびに屋外に出なければならないなど、使い
勝手が悪いものであった。本発明は上述の事情に鑑みて
なされたものであり、従ってその目的は、室内に置いて
問題なく使用できる生ごみ処理機を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の生ごみ処理機は、発埃性を有する基材と微
生物とが収容された処理槽の内部に生ごみを収容し、こ
の収容した生ごみを前記基材及び微生物と共に撹拌し
て、微生物により分解処理するものにおいて、前記処理
槽内部から排気する排気通路を具え、この排気通路に、
前記処理槽内部で発生したほこりを捕獲するフィルタを
含む複数段のフィルタを設けたことを特徴とする(請求
項1の発明)。
【0008】このものによれば、複数段のフィルタに含
まれた、処理槽内部で発生したほこりを捕獲するフィル
タにより、発埃性を有する基材、すなわち、撹拌された
ときにほこり(埃)が出る基材から発生した細かなほこ
りを捕獲できるので、室内に置いても、ほこりで室内が
汚されることなく使用できる。
【0009】この場合、複数段のフィルタのうち、少な
くとも1つのフィルタは、抗菌又は消臭性能を有するも
のであると良い(請求項2の発明)。このものでは、基
材から発生した細かなほこりのほかに、生ごみから出勝
ちな雑菌や臭いも捕ることができる。
【0010】又、複数段のフィルタのうち、初段のフィ
ルタを処理槽内部から排気通路への入口部に設け、処理
槽内部で発生したほこりを捕獲するフィルタを、処理槽
を収容した処理機本体の下部に設けると良い(請求項3
の発明)。このものでは、処理槽内部で発生したほこり
を捕獲するフィルタを、処理機本体下部のスペースを利
用して面積大に設けることができ、それだけ、ほこりの
捕獲量を多くできる。
【0011】更に、処理槽内部で発生したほこりを捕獲
するフィルタは、処理槽を収容した処理機本体に着脱可
能に設けると良い(請求項4の発明)。このものでは、
ほこりを捕獲したフィルタの掃除など手入れが処理機本
体外で容易にできる。
【0012】このほか、処理槽を収容した処理機本体
は、底面部又は下部側面部に、その部分の排気通路を流
れる排気風の流れ方向先に入口部が指向する排気口を有
すると良い(請求項5の発明)。このものでは、処理機
本体の排気口の入口部の向きにより、排気風の流勢を充
分に落として機外に排出させることができる。
【0013】又、微生物は家畜の腸内菌と土壌菌から成
るものであると良い(請求項6の発明)。このもので
は、生ごみの分解処理時の臭いの発生を効果的に抑制で
きる。更に、排気通路が排気切換可能な第1の通路と第
2の通路とを有し、そのうちの第2の通路に脱臭装置を
設けると良い(請求項7の発明)。このものでは、臭い
の発生が少ないときと、多いときとで、通路を選択して
状況に合った排気ができる。
【0014】排気通路が排気切換可能な第1の通路と第
2の通路とを有するものでは、処理槽内部で発生したほ
こりを捕獲するフィルタをそれら第1及び第2の両通路
に共通に設けるのも良い(請求項8の発明)。このもの
では、処理槽内部で発生したほこりを捕獲するフィルタ
を第1及び第2の両通路に個別に要することがない。一
方、基材は籾殻を含んで構成されていると良い(請求項
9の発明)。このものでは、籾殻が硬く、撹拌されても
ほこりが出にくいから、室内へのほこりの排出をより少
なく抑制できる。
【0015】又、処理槽内部の水分率を検知する水分率
検知手段を具え、その検知した処理槽内部の水分率が3
5〔%〕以下であるときに、運転率を下げる制御をする
ようにすると良い(請求項10の発明)。このもので
は、基材が乾燥してほこりが出やすくなる状況で、運転
率を下げることにより、撹拌や排気が減じられ、ほこり
が出にくくできる。
【0016】更に、上記水分率検知手段にて検知した処
理槽内部の水分率が35〔%〕以下であるときに、水分
補給のための警告をするようにすると良い(請求項11
の発明)。このものでは、基材が乾燥してほこりが出や
すくなる状況で、水分補給のための警告をすることによ
り、使用者にて基材を湿らせ、ほこりが出にくくでき
る。
【0017】そのほか、上記水分率検知手段にて検知し
た処理槽内部の水分率が35〔%〕以下であるときに、
排気を第2の通路を通じて行うように切換えるように
し、そして、その第2の通路には殺菌手段を有すると良
い(請求項12の発明)。このものでは、基材が乾燥し
てほこりが出やすくなったとき、それに伴って雑菌も出
やすくなる状況となるため、この状況で、殺菌手段を有
する第2の通路を通じて排気することにより、雑菌を死
滅させることができる。
【0018】又、処理槽内部からの排気を第2の通路を
通じて行ったときに、その開始から所定時間後、第1の
通路を通じて排気するように切換えると良い(請求項1
3の発明)。このものでは、処理槽内部からの排気を脱
臭装置のある第2の通路を通じて行ったとき、運転がそ
のまま、すなわち、脱臭装置のある第2の通路を通じて
排気する状態で続けられることを回避できる。
【0019】そして、本発明の生ごみ処理機は、基材と
微生物とが収容された処理槽の内部に生ごみを収容し、
この収容した生ごみを前記基材及び微生物と共に撹拌し
て、微生物により分解処理するものにおいて、通常の運
転コースに対し、少なくとも撹拌を休止する時間を長く
する就寝コースを実行する制御手段を具えたことをも特
徴とする(請求項14の発明)。このものによれば、就
寝コースを実行したときに、少なくとも撹拌を休止する
時間が長くされることで、就寝時に耳障りと感じられる
可能性が少なくなり、室内に置いての使用、特に就寝時
の使用に好適するものとなる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例につき、
図面を参照して説明する。まず、図2には、生ごみ処理
機の本体1を示しており、これは円筒形部1aの後側に
四角筒形部1bを一体に有するもので、それらを外箱2
と台板3及びトップパネル4で組成している。このう
ち、トップパネル4は、図1に示す処理槽5の上端開口
縁部に形成したフランジ部6と一体に形成したものであ
り、その処理槽5の上面開口部に対しては、蓋7を枢支
軸8によりトップパネル4に開閉可能に枢支して設けて
いる。この蓋7は中央部に別体の透明板による透明部9
を有しており、これによって処理槽5の内部が外部の上
方から透視できるようになっている。
【0021】処理槽5は、詳細には例えばプラスチック
により有底の円筒状に形成したもので、これを、処理機
本体1の内部、特に外箱2の内部に収容し、前記フラン
ジ部6を外箱2の上縁部に係合させて固定している。こ
の処理槽5の底部のほゞ中心部には軸受10を設けてお
り、この軸受10により軸11を回転可能且つ水密に支
承して貫通状態に設けている。
【0022】軸11の、処理槽5内底部に位置する上端
部には、撹拌体12を取付けている。この撹拌体12
は、例えば金属製で、図3及び図4に示すように、軸1
0への取付けに供したボス13の周囲に、第1、第2、
及び第3のアーム14,15,16をほゞ均等間隔置き
(ほゞ等分配置)で放射状に突設したものであり、この
各アーム14〜16に、それぞれ第1、第2、及び第3
の撹拌翼17,18,19を例えば溶接により取付けて
一体化している。
【0023】このうち、第1の撹拌翼17は、第1のア
ーム14の長さに応じて、撹拌体12の回転中心である
ボス13の近くに位置し、撹拌体12の回転方向である
矢印A方向に向かって下方に約45度傾斜している。こ
れに対して、第2の撹拌翼18は、第2のアーム15の
長さに応じて、第1の撹拌翼17より遠くの処理槽5の
周側部5aの近くに位置し、第1の撹拌翼17同様に、
撹拌体12の回転方向(矢印A方向)に向かって下方に
約45度傾斜している。そして、第3の撹拌翼19は、
第3のアーム16の長さに応じて、第1の撹拌翼17と
同様な位置を占め、撹拌体12の回転方向(矢印A方
向)に向かって山状(V字状)を成している。
【0024】なお、第3の撹拌翼19は、第1及び第2
の撹拌翼17,18よりも高い位置を占めるものであ
り、これの2つの翼片19a,19bによる山形状の角
度αはほゞ90度となっている。又、第1〜第3の撹拌
翼17〜19は、撹拌体12の回転方向(矢印A方向)
に、第1の撹拌翼17、第2の撹拌翼18、第3の撹拌
翼19の順に位置している。
【0025】処理槽5の外部下方には、図5に示すよう
に、撹拌体駆動装置20を複数のボルト21によって取
付けている。この撹拌体駆動装置20は、この場合、モ
ータ22と、例えばギヤ列から成る減速伝動機構部23
とを組合わせた減速機付きモータ(例えばギヤドモー
タ)から成っており、撹拌体駆動装置20の出力軸であ
る減速伝動機構部23の出力軸を、前記軸11に連結し
ている。この結果、前記撹拌体12は、撹拌体駆動装置
20により、約10〔rpm〕前後の回転速度で軸11
と共に前述の矢印A方向に回転駆動されるようになって
いる。
【0026】又、この場合、減速伝動機構部23が前記
軸受10の下方へ側方(図5中右側)から平たく延びる
ものであるのに対し、モータ22は該減速伝動機構部2
3の基部(図5中右側部)から起立し、上面部が処理槽
5の外底面部近くに位置している。これにより、モータ
22を、処理槽5の下方へ突出した軸受10の長さ寸法
分のスペースを利用して配置し、処理機本体1の高さを
低く抑えるコンパクト化を図る共に、処理機本体1の下
部に後述する第2のフィルタ配置のためのスペースを余
すようにしている。
【0027】処理槽5の周側部5aには、外方より槽加
熱ヒータ24を取付けると共に、水分センサ25を取付
けている。このうち、槽加熱ヒータ24は例えば面状ヒ
ータから成っており、処理槽5の周側部5aのほゞ全部
を囲っていて、該処理槽5を加熱、ひいては処理槽5の
内部を加熱するようになっている。水分センサ25は、
処理槽5の内部の水分率を検知するもので、ひいては処
理槽5の内部に後述のごとく収容される基材の水分率を
検知する水分率検知手段として機能するようになってい
る。
【0028】このほか、処理槽5の周側部5aの内面部
には温度センサ26を取付けている。この温度センサ2
6は、処理槽5の内部の温度を検知するもので、ひいて
は処理槽5の内部に収容される上述の基材の温度を検知
する温度検知手段として機能するようになっている。
【0029】処理機本体1の内部には又、図1に示すよ
うに後部に、排気通路27を設けている。この排気通路
27は、処理槽5の上部から処理機本体1の底部(台板
3の内部)に至るもので、図6に示すように、第1の通
路28と第2の通路29の2つの通路から成っている。
【0030】これらの通路28,29に対して、処理槽
5の周側部5aの上部には、図5に示すように連通口3
0,31を形成しており、この連通口30,31が処理
槽5の内部から両通路28,29に通じる入口部として
それぞれ機能する。この連通口30,31には、それら
をそれぞれに覆う第1のフィルタ32,33を設けてお
り、この第1のフィルタ32,33は、この場合、後述
する基材自身など大きな異物の、処理槽5内から両通路
28,29内への散出を抑制するに足る粗目のものであ
る。
【0031】又、図6に示すように、第1の通路28に
は上部、第2の通路29には下部に、それぞれ排気ファ
ン34,35を設けている。この排気ファン34,35
は、いずれも、モータ34a,35aと、それらにより
それぞれ回転駆動される送風羽根車34b,35bから
成っている。
【0032】更に、第2の通路29には、上下の中間部
に脱臭装置36を設けている。この脱臭装置36は、こ
の場合、脱臭触媒(例えばプラチナ触媒)37と、これ
を加熱し活性化させる例えばシーズ線から成るヒータ3
8とにより構成している。なお、この脱臭装置36のヒ
ータ38は周囲雰囲気を約200〜300〔℃〕に加熱
するもので、雑菌を死滅させる殺菌手段としての機能を
も有するものである。このヒータ38の近くには、該ヒ
ータ38近くの温度を検知する温度センサ39を設けて
いる。
【0033】そして、両通路28,29の下部に存する
下部連通口40,41が通じた前記台板3の内部は、両
通路28,29の下部連通口40,41から先の部分で
あって、下部連通口40,41より元の部分より広いス
ペースとなっており、ここに第2のフィルタ42を両通
路28,29に対し共通に設けている。この第2のフィ
ルタ42は、図1にも示すが、後述する基材の撹拌破砕
によって該基材から発生する細かなほこりなど、処理槽
5の内部で発生するほこりを捕獲することが可能な密目
(前記第1のフィルタ32,33より目が細かい)のも
のであり、且つ、抗菌及び消臭性能を有している。
【0034】詳細には、図示はしないが、この第2のフ
ィルタ42は、第1〜第3の3層から成っており、その
第1層を抗菌不織布で構成し、第2層を帯電不織布で構
成し、第3層を消臭不織布で構成している。又、この場
合、抗菌剤としては、大和化学工業株式会社の商品名で
いうアモルデンOMC−52相当品を採用し、消臭剤と
しては、同じく大和化学工業株式会社の商品名でいうザ
オバタックA相当品を採用して、抗菌及び消臭性能を高
く得るようにしている。
【0035】又、この第2のフィルタ42は、フィルタ
ケース43に前上がりの傾斜状に取付けている。フィル
タケース43は、台板3内のスペースの多くを占める大
きさの偏平矩形容器から成っており、これに第2のフィ
ルタ42を前上がりの傾斜状に取付けることによって、
より多くのフィルタ面積が確保されるようにしている。
更に、この第2のフィルタ42は、フィルタケース43
に着脱可能にも取付けている。
【0036】加えて、フィルタケース43は、台板3に
前方からの引出し式にて着脱可能に取付けており、それ
によって、第2のフィルタ42も、台板3ひいては処理
機本体1に着脱可能に取付けている。なお、フィルタケ
ース43は、装着状態で、前記両通路27の下部連通口
40,41に嵌合接続される連通口44,45(図6参
照)を有している。
【0037】フィルタケース43内は、前述のように、
両通路27の下部連通口40,41から先の部分でもあ
り、フィルタケース43の底面部は処理機本体1の底面
部でもある(図1参照)。このフィルタケース43の底
面部には複数の排気口46を形成し、これと上述の連通
口44,45以外、フィルタケース43は周囲を閉塞し
ている。又、排気口46は、この場合、フィルタケース
43の底面部に上方(フィルタケース43内)への切り
起こしによって形成したもので、それぞれ、フィルタケ
ース43内に位置する入口部46aが前方に指向し、出
口部46bが下方へ開口している。
【0038】図7は、操作部47の構成を示している。
この操作部47は、前記トップパネル4に設けたもの
で、切換スイッチ48を有すると共に、この切換スイッ
チ48で使用者により選択される、「自動」、「おやす
み」、及び「脱臭」の各運転コースを表示する表示部4
9,50,51を有し、更に、「乾燥検知」を表示する
表示部52を有している。この表示部49〜52は、例
えばLEDなど発光体の発光によりそれぞれの表示作動
をするようになっている。又、この操作部47の裏側に
は、図1に示す操作基板53を配設しており、この操作
基板53には、切換スイッチ48の操作を受付けると共
に、表示部49〜52にそれぞれ表示作動をさせるため
の各種電子部品を実装している。
【0039】図8には、制御装置54を示している。こ
の制御装置54は、本実施例の生ごみ処理機の運転全般
を制御する制御手段として機能するもので、例えばマイ
クロコンピュータから成っており、前記排気通路27の
第1の通路28に取付けて処理機本体1の内後部に配設
している。
【0040】この制御装置54には、上記切換スイッチ
48から選択信号が入力されると共に、前記水分センサ
25から水分率検知信号が入力され、更に、温度センサ
26、並びに温度センサ39からそれぞれ温度検知信号
が入力され、前記蓋7の開閉を検知するように設けた蓋
スイッチ55からは蓋開閉検知信号が入力されるように
している。
【0041】そして、制御装置54は、それらの入力並
びにあらかじめ記憶された制御プログラムに基づいて、
上記表示部49〜52と、前記槽加熱ヒータ24、撹拌
体駆動装置20のモータ22、排気ファン34、排気フ
ァン35、及び脱臭装置36のヒータ38、を駆動する
ための駆動回路56に駆動制御信号を与えるようにして
いる。
【0042】次に、上記構成のものの作用を述べる。生
ごみを処理する前に、処理槽5内には、有機物を分解す
る微生物を含んだ基材57を図1及び図5に示すように
収容し、もって処理槽5の内部に基材57と微生物とが
収容された状態にしておく。
【0043】この場合、基材57には、おがくずや、木
のチップ、ピートモスといった多孔質で発埃性を有する
ものを用い、それに特には籾殻を加えたものを用いる。
籾殻の添加率は30〔%〕以下、特には約10〜15
〔%〕とする。又、微生物には、家畜(例えば豚)の腸
内菌と土壌菌とを用いる。なお、微生物は、基材57に
あらかじめ含ませるのではなく、基材57とは別に処理
槽5内に投入するようにしても良い。
【0044】この状態で、生ごみ処理機の図示しない電
源プラグを給電コンセントに差込み接続することによ
り、生ごみ処理機に電源を投入する。すると、制御装置
54が図9に示すように作動を開始(スタート)して、
最初に、運転コースの選択があったか否かの判断をする
(ステップS1)。このステップS1で、運転コースの
選択がなかった(NO)と判断されれば、表示部49を
表示作動させて(ステップS2)、通常の運転コースで
ある「自動コース」を開始する(ステップS3)。
【0045】この「自動コース」では、基本的に、撹拌
体駆動装置20を、撹拌体12を交互に正転、逆転させ
ることを2〜4分行い、該撹拌体12の回転を休止させ
ることを30分〜1時間行うパターンの繰返しで、間欠
運転させる。この状態で、使用者が、処理槽5内に生ご
みを投入すべく蓋7を開けると、それを蓋スイッチ55
が検知することにより、撹拌体12がこのとき回転して
いれば、該撹拌体12の回転が停止される。そして、そ
の後、処理槽5内に生ごみを投入して蓋7を閉じれば、
それを蓋スイッチ55が検知することにより、撹拌体1
2の回転が再開される。
【0046】これにより、処理槽5内に収容された生ご
みは、基材57及び微生物と共に撹拌されて、それらの
中に分散されると共に、基材57や撹拌体12及び処理
槽5との摩擦によって破砕され(基材57も徐々に破砕
される)、更に、微生物に効率良く接触される。よっ
て、処理槽5内に収容された生ごみは、微生物により徐
々に分解処理されるようになる。又、この撹拌により、
微生物には酸素が供給され、且つ生ごみの分解により発
生した水分が排出される。
【0047】ここで、本実施例の、生ごみと基材57及
び微生物の撹拌について詳述する。まず、処理槽5内の
収容した基材57の量は、撹拌体12が基材57の全量
の1/3ぐらいの領域に位置する程度とする。撹拌体1
2は、第1の撹拌翼17が、処理槽5内の底部において
その中心部と処理槽5の周側部5aとの間のほぼ中央に
位置していると共に、回転方向(矢印A方向)に向かっ
て下方に傾斜しているので、回転により、処理槽5内の
底部付近の収容物(生ごみと基材57及び微生物)をす
くい上げると共に、その収容物を処理槽5の周側部5a
側へ押し出すように作用する。
【0048】第2の撹拌翼18は、撹拌体12の回転方
向で第1の撹拌翼17の次に位置している。この第2の
撹拌翼18は、第1の撹拌翼17よりも処理槽5の周側
部5aに近い側に位置していると共に、回転方向(矢印
A方向)に向かって下方に傾斜しているので、回転によ
り、処理槽5内の周側部5aに近い底部付近の収容物を
すくい上げる。そのすくい上げられた収容物は、処理槽
5の周側部5aに沿って持ち上げられるようになる。
【0049】第3の撹拌翼19は、撹拌体12の回転方
向で第2の撹拌翼18の次に位置している。この第3の
撹拌翼19は、第1の撹拌翼17と同様に処理槽5内の
底部においてその中心部と処理槽5の周側部5aとのほ
ゞ中央に位置していると共に、回転方向に向かって山状
をなしているので、回転により、処理槽5内の下部の収
容物を処理槽5の周側部5a側と中心部側とに押し分け
るように作用する。これにより、該第3の撹拌翼19の
背部19c(図3参照)に空間部が形成されるようにな
り、この空間部に、上記第2の撹拌翼18によって持ち
上げられた収容物が落ちるようになる。
【0050】このような第1〜第3の撹拌翼17〜19
の作用により、処理槽5内の収容物は、底部側のものが
すくい上げられて処理槽5の周側部5a側(撹拌体12
の回転中心から遠い周囲部側)へ押しやられ、その処理
槽5の周側部5a側のものが上部側へ持ち上げられ、そ
の持ち上げられたものが、処理槽5内の中央部側(撹拌
体12の回転中心側)へ落ちるというように、処理槽5
内において収容物が、図1に矢印B1,B2で示すよう
に、下から上へ、また、上から下へと対流するようにし
て、渦を巻くように三次元的に撹拌されるようになる。
従って、処理槽5内の底部に配設された撹拌体12の撹
拌翼17〜19により、処理槽5内の収容物全体を効率
良く撹拌することができる。
【0051】基材57に含まれた微生物で生ごみを分解
処理するには、その微生物と生ごみとを効率良く接触さ
せる必要があり、そのほか、投入した生ごみを早く見え
なくしたり、生ごみから発せられる臭気を早く感じなく
するためにも、投入後、生ごみを基材57中に早く分散
させる必要がある。これに対して、基材57を上述のよ
うに撹拌することにより、生ごみの分散はきわめて早い
ものとなる。実験的には、例えば10秒前後で、生ごみ
が見えなくなり、分散される。しかも、この場合、撹拌
体12としては、処理槽5内の底部に低く位置するもの
で足る特長をも有している。
【0052】一方、微生物で生ごみを分解処理すると
き、その分解を効率良く行い、且つ臭気の発生を少なく
抑えるためには、基材57は、湿度を約35〜60
〔%〕に保つ必要がある。しかしながら、生ごみの投入
量や投入回数が少ない場合、基材57の湿度は上述の約
35〜60〔%〕を下回ることがあり、このようになる
と基材57が乾燥状態になり、ほこりを発生しやすくな
る。
【0053】これに対し、本実施例の「自動コース」で
は、水分センサ25により処理槽5内の水分率を検知す
る(ステップS4)。そして、その検知結果に基づき、
運転のモードを、「高湿度モード」(ステップS5)、
「中湿度モード」(ステップS6)、及び「低湿度モー
ド」(ステップS7)のいずれかに設定して実行する。
【0054】「高湿度モード」は、検知した処理槽5内
の水分率が高いとき(例えば55〔%〕超であるとき)
に設定し実行するもので、撹拌体駆動装置20の前述の
ような間欠運転に加えて、このときには、排気通路27
のうちの第1の通路28に設けた排気ファン34を、3
0秒運転し、30秒休止するパターンの繰返しで、間欠
運転させる。更に、このときには、槽加熱ヒータ24
を、温度センサ26で検知する処理槽5内の温度が約3
8〔℃〕となるように発熱させる。
【0055】「中湿度モード」は、検知した処理槽5内
の水分率が中程度であるとき(例えば55〔%〕以下、
45〔%〕超であるとき)に設定し実行するもので、撹
拌体駆動装置20の前述のような間欠運転に加えて、こ
のときには、上述の排気ファン34を、30秒運転し、
60秒休止するパターンでの繰返しで、間欠運転させ
る。更に、このときには、槽加熱ヒータ24を、温度セ
ンサ26で検知する処理槽5内の温度が約31〔℃〕と
なるように発熱させる。
【0056】「低湿度モード」は、検知した処理槽5内
の水分率が低いとき(例えば45〔%〕以下、35
〔%〕超であるとき)に設定し実行するもので、撹拌体
駆動装置20の前述のような間欠運転に加えて、このと
きには、排気ファン34を、15秒運転し、120秒休
止するパターンの繰返しで、間欠運転させる。更に、こ
のときには、槽加熱ヒータ24を、温度センサ26で検
知する処理槽5内の温度が約21〔℃〕となるように発
熱させる。
【0057】この後、ステップS4から例えば2時間が
経過したか否かの判断をし(ステップS8)、経過して
いない(NO)と判断されるうちは、ステップS5〜S
7中の実行中のステップに戻る。又、2時間が経過した
(YES)と判断されれば、ステップS1に戻り、この
ステップS1以降の動作を繰返す。図10はこのような
「自動コース」における動作内容を表しており、こうし
た「自動コース」における動作により、処理槽5内の湿
度、ひいては該処理槽5内の基材57の湿度は、例えば
35〜60〔%〕の適正なレベルに維持される。
【0058】中でも、排気ファン34の運転により、処
理槽5内の空気が、生ごみの分解により発生した水分を
伴って、図1に矢印Cで示すように、排気通路27の第
1の通路28を通じ機外に排出される。この第1の通路
28を通じて処理槽5内から排出される空気は、処理槽
5内を出るときに第1のフィルタ32を通り、従って、
このときに、その排出空気に基材57自身など大きな異
物が含まれていれば、それが該第1のフィルタ32に捕
獲される。
【0059】そして、第1のフィルタ32を通った空気
が第1の通路28から出る直前に第2のフィルタ42を
通り、従って、このときに、基材57の前述の撹拌によ
る破砕によって該基材57から発生した細かなほこりな
ど、処理槽5の内部で発生して該排出空気に含まれたほ
こりが、該第2のフィルタ42に捕獲される。又、この
とき、第2のフィルタ42は抗菌及び消臭性能を有して
おり、従って、上述の基材57から発生した細かなほこ
り等のほかに、生ごみから出勝ちな雑菌や臭いも、該第
2のフィルタ42により捕ることができる。
【0060】なお、この抗菌及び消臭性能については、
第2のフィルタ42でなく、第1のフィルタ32が有し
ていても、生ごみから出勝ちな雑菌や臭いを上述同様に
捕ることができ、又、それらの両フィルタ32,42が
有していれば、上述以上に雑菌や臭いを捕ることができ
る。更に、それらのフィルタ32,42は、抗菌及び消
臭のいずれか一方の性能のみを有していても良い。
【0061】しかして、第2のフィルタ42を通った空
気は、その後、フィルタケース43底面部の排気口46
を通って機外に排出される。このとき、排気口46は、
入口部46aが前方に指向しており、この入口部46a
が指向した前方は、その部分の排気通路であるフィルタ
ケース43内を図1に矢印Cで示すように流れる排気風
の流れ方向先である。従って、その排気風は、第2のフ
ィルタ42を通った後、図1に矢印C´で示すように、
流れを逆向きに変えて排気口46の入口部46aを通
り、そして出口部46bから下方へ排出される。かくし
て、排気風は流勢を充分に落とされて機外に排出され
る。なお、こうした排気に伴って、処理槽5内には、蓋
7と処理槽5との接触部の隙間など適当な隙間から、機
外の空気が導入される。
【0062】以上に対して、先のステップS4で検知し
た処理槽5内の水分率が35〔%〕以下であったとき、
制御装置54は、表示部52を連続点灯もしくは点滅に
より表示作動させ(ステップS9)、「乾燥検知モー
ド」を設定して実行する(ステップS10)。
【0063】この「乾燥検知モード」では、撹拌体駆動
装置20の休止時間を前述の他のモードの30分〜1時
間より長くして、運転率を下げる。場合によっては、撹
拌体駆動装置20をまったく運転させなくても良い。
又、運転させる場合、撹拌体駆動装置20は、排気ファ
ンの運転とは同時に運転しないようにしている。更に、
この場合、排気ファンの運転モードは、15秒運転し、
10分ほど休止するパターンの繰返しで、間欠運転させ
るもので、前述の他のモードにおける排気ファン34の
運転率より運転率を下げる。
【0064】これらは、基材57が乾燥状態に近いと
き、生ごみの分解処理が完了している可能性が高いから
であり、又、基材57からはほこりが発生しやすいから
であって、つまり、できる限り、基材57からほこりを
発生させず、且つ発生したほこりを出させないようにす
るためである。
【0065】更に、この場合、排気ファンの運転につい
ては、前述の排気ファン34に代わって、排気通路27
の第2の通路29に設けた排気ファン35を運転させ
る。これにより、処理槽5内の空気は、排気通路27の
第2の通路29を通じ機外に排出される。この第2の通
路29を通じて処理槽5内から排出される空気は、処理
槽5内を出るときに第1のフィルタ33を通り、従っ
て、このときにも、その排出空気に基材57自身など大
きな異物が含まれていれば、それが該第1のフィルタ3
3に捕獲される。
【0066】そして、このときには又、槽加熱ヒータ2
4は発熱させず、第2の通路29に設けた脱臭装置36
の脱臭触媒37を加熱し活性化させるヒータ38を、排
気ファン35の運転とタイミングを合わせて発熱させ
る。これにより、上記第1のフィルタ33を通った空気
が、脱臭装置36を通るとき、脱臭触媒37により脱臭
され、すなわち、含んだ臭いが捕られる。又、このとき
には、基材57から出やすいほこりに伴って雑菌も出や
すく、それが排出空気に含まれるが、それに対し、ヒー
タ38は周囲雰囲気を約200〜300〔℃〕、特には
約250〔℃〕に加熱するもので、その高熱により雑菌
を死滅させる。なお、ヒータ38による加熱温度の制御
は、制御装置54が、温度センサ39の検知結果に基づ
いてヒータ38の通電を制御することにより行う。
【0067】脱臭装置36を通った空気は、その後、第
2の通路29から出る直前に第2のフィルタ42を通
り、従って、このときに、前述同様、基材57から発生
した細かなほこりなど、処理槽5の内部で発生して該排
出空気に含まれたほこりが、該第2のフィルタ42に捕
獲される。又、このときにも、第2のフィルタ42は抗
菌及び消臭性能を有しており、従って、上述の基材57
から発生した細かなほこり等のほかに、生ごみから出勝
ちな雑菌や臭いを、該第2のフィルタ42により捕るこ
とができる。しかして、第2のフィルタ42を通った空
気は、その後、フィルタケース43底面部の排気口46
を前述同様に通って機外に排出される。
【0068】又、このときのステップS9における表示
部52の表示作動は、使用者に水分補給のための警告を
したものであり、使用者がそれに気付いて蓋7を開け、
その後に蓋7が閉じられれば、それを蓋スイッチ55に
より検知し(ステップS11)、その蓋7の開放と閉鎖
との間に処理槽5内に必要な水分が補給されたと見て、
ステップS3に戻る(「乾燥検知モード」を解除す
る)。又、この場合、蓋スイッチ55による蓋7の開閉
の検知がなければ、ステップS4に戻る。図11はこの
ような「乾燥検知モード」における動作内容を表してお
り、こうした「乾燥検知モード」における動作により、
処理槽5内の湿度のそれ以上の低下を防ぐことができ
る。
【0069】そして、制御装置54は、先のステップS
1で、運転コースの選択があった(YES)と判断され
れば、それは「おやすみ」コースの選択であるか否かの
判断をする(ステップS12)。このステップS12
で、「おやすみ」コースの選択である(YES)と判断
されれば、表示部50を表示作動させて(ステップS1
3)、「おやすみコース」(就寝コース)を開始する
(ステップS14)。
【0070】この「おやすみコース」は、静かに就寝し
たいときに選択されるものであって、図12に示すよう
に、撹拌体駆動装置20の休止時間を4〜8時間と長く
するものであり、それ以外は、「自動コース」における
乾燥検知モード以外の他のモードと内容を同じにしてい
る。これにより、就寝時に耳障りと感じられる可能性の
ある撹拌体駆動装置20の駆動音の発生を抑える。又、
この場合、排気ファンは、排気ファン34を「自動コー
ス」における上記他のモードのパターンと同じに運転す
るが、これも、その休止時間を撹拌体駆動装置20の休
止時間と同程度に長くしても良く、もしくはまったく運
転させないようにしても良い。
【0071】又、この場合も、例えば2時間ごとに、水
分センサ25による処理槽5内の水分率の検知をし、そ
の検知結果で、排気ファン34の運転率を変えることに
より、処理槽5内の湿度、ひいては該処理槽5内の基材
57の湿度を、例えば35〜60〔%〕の適正なレベル
に維持するようにする。更に、この場合、槽加熱ヒータ
24による処理槽5内の加熱温度も、水分センサ25に
よる処理槽5内の水分率の検知結果で変える(ステップ
S15)。
【0072】更に、この場合、ステップS15の後に
は、所定時間(例えば8時間)が経過したか否かの判断
をし(ステップS16)、経過していない(NO)と判
断されるうちは、ステップS15に戻り、経過した(Y
ES)と判断されたところで、ステップS3に進む。
【0073】制御装置54は、ステップS12で、選択
されたコースが「おやすみ」コースではない(NO)判
断されれば、選択されたコースは「脱臭コース」である
か否かの判断をする(ステップS17)。このステップ
S17で、選択されたコースが「脱臭」コースである
(YES)と判断されれば、表示部51を表示作動させ
て(ステップS18)、「脱臭コース」を開始する(ス
テップS19)。
【0074】この「脱臭コース」は、規定量以上の生ご
みを投入したときなど、臭いが多く発生すると予想され
るとき、又は多く発生したときに選択されるものであっ
て、図13に示すように、排気ファン35を連続運転さ
せると共に、脱臭装置36のヒータ38を、前述の「乾
燥検知モード」を実行したときと同様に、温度センサ3
9の検知結果に基づいて、周囲雰囲気を約200〜30
0〔℃〕、特には約250〔℃〕に加熱するように通電
制御して発熱させるものであり、それ以外は、「自動コ
ース」における乾燥検知モード以外の他のモードと内容
を同じにしている。
【0075】これにより、処理槽5内の空気は、「乾燥
検知モード」と同様に、排気通路27の第2の通路29
を通じて機外に排出され、第1のフィルタ33で、該排
出空気に含まれた基材57自身など大きな異物が該第1
のフィルタ33に捕獲される。又、第1のフィルタ33
を通った空気が、脱臭装置36を通るときに、脱臭触媒
37により脱臭され、すなわち、含んだ臭いが捕られ
る。更に、このときには、排出空気に含まれた雑菌が、
ヒータ38の発熱による周囲雰囲気の高熱により死滅さ
れる。
【0076】更に、脱臭装置36を通った空気が、その
後、第2のフィルタ42を通るとき、基材57から発生
した細かなほこりなど、処理槽5の内部で発生して該排
出空気に含まれたほこりが、該第2のフィルタ42に捕
獲される。又、このときにも、第2のフィルタ42は抗
菌及び消臭性能を有しており、従って、上述の基材57
から発生した細かなほこり等のほかに、生ごみから出勝
ちな雑菌や臭いを、該第2のフィルタ42により捕るこ
とができる。
【0077】又、この場合も、例えば2時間ごとに、水
分センサ25による処理槽5内の水分率の検知をし、そ
の検知結果で、槽加熱ヒータ24による処理槽5内の加
熱温度を変える。(ステップS20)。
【0078】更に、この場合、ステップS20の後に
は、所定時間(例えば24〜72時間中の24時間)が
経過したか否かの判断をし(ステップS21)、経過し
ていない(NO)と判断されるうちは、ステップS20
に戻り、経過した(YES)と判断されたところで、ス
テップS3に進む。又、このとき、ヒータ38の発熱を
停止させた後も、例えば約30秒ほど続けて排気ファン
35を運転させ、これによって、本体1内の温度が高く
なり過ぎるのを防ぐようにしている。なお、制御装置4
5は、ステップS17で、選択されたコースが「脱臭コ
ース」ではない(NO)と判断されれば、選択されたコ
ースは「自動コース」であるから、ステップS2に進
む。
【0079】このように本構成のものでは、発埃性を有
する基材57と微生物とが収容された処理槽5の内部に
生ごみを収容し、この収容した生ごみを上記基材57及
び微生物と共に撹拌して、微生物により分解処理するも
のにおいて、上記処理槽5の内部から排気する排気通路
27に、処理槽5の内部で発生したほこりを捕獲する第
2のフィルタ42を含む複数段(上記実施例では第1及
び第2の2段)のフィルタ32,33,42を設けてい
る。
【0080】これにより、発埃性を有する基材57、す
なわち、撹拌されたときにほこりが出る基材57から発
生した細かなほこりを、第2のフィルタ42により捕獲
できるので、生ごみ処理機を室内に置いても、ほこりで
室内が汚されることなく使用できる。よって、従来の、
屋外に置いて使用せざるを得なかったものと異なり、処
理槽5の内部に生ごみを投入するたびに屋外に出る必要
がなくなるなど、使い勝手を良くすることができる。
【0081】又、上記複数段のフィルタのうち、少なく
とも1つのフィルタ(上記実施例では第2のフィルタ4
2)を、抗菌又は消臭性能を有するものとしている。こ
れにより、基材57から発生した細かなほこりのほか
に、生ごみから出勝ちな雑菌や臭いも捕ることができ
る。
【0082】更に、複数段のフィルタのうち、初段のフ
ィルタである第1のフィルタ32,33を、処理槽5の
内部から排気通路27への入口部(連通口30,31)
にそれぞれ設け、処理槽5の内部で発生したほこりを捕
獲するフィルタである第2のフィルタ42を、処理機本
体1の下部に設けている。これにより、第2のフィルタ
42を、処理機本体1の下部のスペースを利用して面積
大に設けることができ、それだけ、ほこりの捕獲量を多
く確保することができる。
【0083】加えて、第2のフィルタ42は、処理機本
体1に着脱可能に設けている。これにより、ほこりを捕
獲した第2のフィルタ42の掃除など手入れが処理機本
体1の外部で容易にできる。なお、この第2のフィルタ
42は、処理機本体1の前方から着脱できるようにして
いるが、左右の両側方から着脱できるようにしても良
い。
【0084】このほか、処理機本体1は、それの底面部
であるフィルタケース43の底面部に、その部分の排気
通路を流れる排気風の流れ方向先に入口部46aが指向
する排気口46を有している。これにより、前述のごと
く、排気風の流勢を充分に落として機外に排出させるこ
とができるので、その排気風が室内に流勢強く排出され
るのを避けることができ、室内での使用に、より適した
ものとなすことができる。なお、この場合、排気口46
は処理機本体1の底面部でなく、下部の側面部に設ける
ようにしても良い。
【0085】又、生ごみを分解処理する微生物について
は、これを家畜(例えば豚)の腸内菌と土壌菌から成る
ものとしている。これにより、生ごみの分解処理時の臭
いの発生を効果的に抑制できる。これは、図14及び図
15からも明らかである。
【0086】図14及び図15は、本発明の微生物(家
畜の腸内菌と土壌菌から成るもの)を含んだ基材57
と、従来の基材とをそれぞれ使用して、それぞれ生ごみ
の分解処理をしたときの、発生臭気成分とその濃度の変
化とをガスクロマト質量分析計で測定した結果を示して
いる。測定条件は、1〔g〕の基材を10〔ml〕の純
水に溶解させて溶出成分を分析すると共に、ベースライ
ンからのピーク面積で成分量を測定した。なお、ここで
使用した従来の基材は、一般的に使用されている杉のお
がくずのみを用いたものである。
【0087】この図14に示した数値結果、及び図15
の(a),(b)に示したクロマトグラムから明らかな
ように、本発明の微生物(家畜の腸内菌と土壌菌から成
るもの)を含んだ基材57によれば、n酪酸や、iso
酪酸、そして吉草酸は検出されず(ND)、従来に比
し、酢酸(酸臭)における約1/8から吉草酸(動物
臭)の約1/220強の減少効果が確認され、嫌な臭い
が少ない快適な生ごみ処理を実行できることが確認され
た。
【0088】更に、排気通路27は、排気切換可能な第
1の通路28と第2の通路29とを有し、そのうちの第
2の通路29に脱臭装置36を設けている。これによ
り、臭いの発生が少ないときには、脱臭装置36のない
第1の通路28を選択して効率良く排気し(自動コー
ス)、一方、臭いの発生が多いときには、脱臭装置36
を有する第2の通路29を選択して、多い臭いも出さな
いように排気する(脱臭コース)ということが可能で、
要するに、臭いの発生状況に合った選択使用が可能であ
り、使い勝手を一層良くし得る。
【0089】又、排気通路27の排気切換可能な第1の
通路28と第2の通路29とに対して、第2のフィルタ
42は、それら第1及び第2の両通路28,29に共通
に設けている。これにより、処理槽5の内部で発生した
ほこりを捕獲するフィルタ(第2のフィルタ42)を第
1及び第2の両通路28,29に個別に要することがな
く、合理的な構造で、コスト安に提供することができ
る。
【0090】一方、基材57は籾殻を含んで構成してい
る。これにより、籾殻が硬く、撹拌されてもほこりが出
にくいから、室内へのほこりの排出をより少なく抑制で
きる。そのほか、籾殻は水分の発散性に優れるものであ
り、これによって、基材57が水分で固まるのを防ぎ、
生ごみとの接触の多い良い状態に基材57を維持できる
効果をも奏する。
【0091】又、処理槽5の内部の水分率を検知する水
分率検知手段として水分センサ25を具え、その検知し
た処理槽5内部の水分率が35〔%〕以下であるときに
は、運転率を下げる制御をするようにしている(乾燥検
知モード)。図16は、基材57の水分率と粉塵(ほこ
り)の発生量との関係を示しており、基材57の水分率
が35〔%〕以下となると、該基材57が撹拌されるこ
とにより発生する粉塵の量は、「ビル管理法による規制
値」を超えるほどに増える。
【0092】すなわち、基材57は乾燥するとほこりが
出やすくなるもので、水分率が35〔%〕以下となるま
で乾燥すると、出るほこりの量は「ビル管理法による規
制値」を超えるほどにまでなってしまう。このような状
況で、上述のごとく運転率を下げることにより、基材5
7の撹拌や排気が減じられ、ほこりを出にくくすること
ができる。
【0093】更に、上記水分センサ25にて検知した処
理槽5内部の水分率が35〔%〕以下であるときには、
表示部52を表示作動させることにより、水分補給のた
めの警告をするようにもしている(図9のステップS
9)。これにより、上述の基材57が乾燥してほこりが
出やすくなった状況で、使用者がそれに気付き、処理槽
5内に水分を補給できるので、基材57を湿らせ、ほこ
りを出にくくできる。なお、この警告は、表示部52の
表示作動に代えて、あるいはそれと共に、ブザーを鳴動
させることにより行うようにしても良く、それらが警告
手段として機能するものである。
【0094】そのほか、上記水分センサ25にて検知し
た処理槽5内部の水分率が35〔%〕以下であるときに
は、排気を第2の通路29を通じて行うように切換える
ようにし(「乾燥検知モード」)、そして、その第2の
通路29には殺菌手段としてヒータ38を有している。
これにより、基材57が乾燥してほこりが出やすくなっ
たとき、それに伴って雑菌も出やすくなる状況となるの
に対して、その状況では、殺菌手段(ヒータ38)を有
する第2の通路29を通じて排気するので、雑菌を死滅
させることができ、該雑菌が室内に排出されることのな
いようにできる。
【0095】又、処理槽5の内部からの排気を第2の通
路29を通じて行ったとき(脱臭コース)に、その開始
から例えば24〜72時間等の所定時間後、第1の通路
28を通じて排気するように切換えるようにしている
(図9のステップS21でYESの場合)。これによ
り、処理槽5の内部からの排気を脱臭装置36のある第
2の通路29を通じて行ったとき、運転がそのまま、す
なわち、脱臭装置36のある第2の通路29を通じて排
気する状態で続けられることを回避でき、脱臭装置36
の作動に要する電力費など経費の節減ができると共に、
それが使用者の手を煩わさずにできる。
【0096】そして、通常の運転コース(自動コース)
に対し、少なくとも撹拌(撹拌体12の回転)を休止す
る時間を長くする就寝コース(おやすみコース)を実行
するようにしている。これにより、就寝コースを実行し
たときには、少なくとも撹拌を休止する時間が長くされ
ることで、就寝時に耳障りと感じられる可能性が少なく
なり、室内に置いての使用、特に就寝時の使用に好適す
るものとなる。
【0097】なお、以上の実施例に対して、撹拌体12
は前述以外のもの、例えば横軸回転するもの等に変えて
実施するようにしても良い。又、フィルタは、2段より
多く設けるようにしても良い。更に、フィルタは、第1
のフィルタが前記第2フィルタ42のように細かなほこ
りを捕獲するものとし、第2のフィルタが抗菌、脱臭性
能等のみを有するものとしても良い。
【0098】加えて、生ごみを分解処理する微生物は、
家畜の腸内菌と土壌菌から成るものに代えて、醸造時に
生成する酵母もしくは酵母エキス等を使用するようにし
ても良い。そして、脱臭装置36は、触媒タイプでない
もの、例えば活性炭等を使用したものであっても良く、
雑菌を死滅させる殺菌手段も、脱臭装置とは別の例えば
紫外線等によるものとしても良い。そのほか、本発明は
上記し且つ図面に示した実施例にのみ限定されるもので
はなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し
得る。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の生ごみ処
理機によれば、室内に置いての使用が、ほこりの排出等
の問題なくできることにより、使い勝手を良くすること
ができる。又、室内での就寝時の使用も、騒音の問題な
くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体の縦断側面図
【図2】全体の外観斜視図
【図3】全体の破断平面図
【図4】撹拌体単体の拡大斜視図
【図5】全体の縦断正面図
【図6】全体の縦断背面図
【図7】操作部の拡大平面図
【図8】電気的構成のブロック図
【図9】作用を説明するためのフローチャート
【図10】自動コースの動作内容を示す図
【図11】乾燥検知モードの動作内容を示す図
【図12】おやすみコースの動作内容を示す図
【図13】脱臭コースの動作内容を示す図
【図14】臭気成分の測定数値を表した図
【図15】臭気成分の測定濃度変化を表したクロマトグ
ラム
【図16】基材の水分率と粉塵の発生量との関係を示す
【符号の説明】
1は処理機本体、5は処理槽、12は撹拌体、20は撹
拌体駆動装置、25は水分センサ(水分率検知手段)、
27は排気通路、28は第1の通路、29は第2の通
路、30,31は連通口(排気通路への入口部)、3
2,33は第1のフィルタ、34,35は排気ファン、
36は脱臭装置、42は第2のフィルタ、46は排気
口、46aは排気口の入口部、52は表示部(警告手
段)、54は制御装置(制御手段)、57は基材を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 53/38 B09B 3/00 ZABD 53/81 B01D 53/34 116B B01F 15/00 (72)発明者 舟木 一雄 愛知県瀬戸市穴田町991番地 東芝中部リ ビングサービス株式会社内 Fターム(参考) 4C080 AA05 AA09 BB02 CC15 JJ03 JJ06 KK08 MM05 MM07 NN05 QQ11 4D002 AB02 BA04 BA14 CA07 DA41 4D004 AA03 AC02 CA15 CA19 CA22 CA48 CB04 CB27 CC08 CC09 DA01 DA02 DA03 DA04 DA09 DA20 4D058 JA12 JB25 JB39 KA01 KA11 KA15 KA25 KB11 KC32 KC37 QA05 SA01 SA20 TA07 TA08 UA25 4G037 DA18 DA30 EA04

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発埃性を有する基材と微生物とが収容さ
    れた処理槽の内部に生ごみを収容し、この収容した生ご
    みを前記基材及び微生物と共に撹拌して、微生物により
    分解処理するものにおいて、 前記処理槽内部から排気する排気通路を具え、 この排気通路に、前記処理槽内部で発生したほこりを捕
    獲するフィルタを含む複数段のフィルタを設けたことを
    特徴とする生ごみ処理機。
  2. 【請求項2】 複数段のフィルタのうち、少なくとも1
    つのフィルタが、抗菌又は消臭性能を有することを特徴
    とする請求項1記載の生ごみ処理機。
  3. 【請求項3】 複数段のフィルタのうち、初段のフィル
    タを処理槽内部から排気通路への入口部に設け、処理槽
    内部で発生したほこりを捕獲するフィルタを、処理槽を
    収容した処理機本体の下部に設けたことを特徴とする請
    求項1記載の生ごみ処理機。
  4. 【請求項4】 処理槽内部で発生したほこりを捕獲する
    フィルタを、処理槽を収容した処理機本体に着脱可能に
    設けたことを特徴とする請求項1記載の生ごみ処理機。
  5. 【請求項5】 処理槽を収容した処理機本体が、底面部
    又は下部側面部に、その部分の排気通路を流れる排気風
    の流れ方向先に入口部が指向する排気口を有することを
    特徴とする請求項1記載の生ごみ処理機。
  6. 【請求項6】 微生物が家畜の腸内菌と土壌菌から成る
    ことを特徴とする請求項1記載の生ごみ処理機。
  7. 【請求項7】 排気通路が排気切換可能な第1の通路と
    第2の通路とを有し、そのうちの第2の通路に脱臭装置
    を設けたことを特徴とする請求項1記載の生ごみ処理
    機。
  8. 【請求項8】 排気通路が排気切換可能な第1の通路と
    第2の通路とを有し、処理槽内部で発生したほこりを捕
    獲するフィルタをそれら第1及び第2の両通路に共通に
    設けたことを特徴とする請求項1記載の生ごみ処理機。
  9. 【請求項9】 基材が籾殻を含んで構成されていること
    を特徴とする請求項1記載の生ごみ処理機。
  10. 【請求項10】 処理槽内部の水分率を検知する水分率
    検知手段を具えると共に、その検知した処理槽内部の水
    分率が35〔%〕以下であるときに、運転率を下げる制
    御をする制御手段を具えたことを特徴とする請求項1記
    載の生ごみ処理機。
  11. 【請求項11】 処理槽内部の水分率を検知する水分率
    検知手段を具えると共に、その検知した処理槽内部の水
    分率が35〔%〕以下であるときに、水分補給のための
    警告をする制御手段を具えたことを特徴とする請求項1
    記載の生ごみ処理機。
  12. 【請求項12】 処理槽内部の水分率を検知する水分率
    検知手段を具えると共に、その検知した処理槽内部の水
    分率が35〔%〕以下であるときに、排気を第2の通路
    を通じて行うように切換える制御手段を具え、且つその
    第2の通路が殺菌手段を有することを特徴とする請求項
    7記載の生ごみ処理機。
  13. 【請求項13】 処理槽内部からの排気を第2の通路を
    通じて行ったときに、その開始から所定時間後、第1の
    通路を通じて排気するように切換える制御手段を具えた
    ことを特徴とする請求項7記載の生ごみ処理機。
  14. 【請求項14】 基材と微生物とが収容された処理槽の
    内部に生ごみを収容し、この収容した生ごみを前記基材
    及び微生物と共に撹拌して、微生物により分解処理する
    ものにおいて、 通常の運転コースに対し、少なくとも撹拌を休止する時
    間を長くする就寝コースを実行する制御手段を具えたこ
    とを特徴とする生ごみ処理機。
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