JP2002354692A - 車両用二次電池制御装置 - Google Patents

車両用二次電池制御装置

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JP2002354692A JP2001162659A JP2001162659A JP2002354692A JP 2002354692 A JP2002354692 A JP 2002354692A JP 2001162659 A JP2001162659 A JP 2001162659A JP 2001162659 A JP2001162659 A JP 2001162659A JP 2002354692 A JP2002354692 A JP 2002354692A
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武仁 依田
Haruyoshi Yamashita
晴義 山下
Makoto Motono
誠 本野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バイパス回路を備えた二次電池において、微
短絡による過放電を防止する。 【解決手段】 複数の二次電池D1〜D4が直列接続さ
れ、各二次電池にバイパス回路12、14、16、18
が並列接続される。ECU10は、二次電池D1〜D4
の充電状態(SOC)が均等化するようにバイパス回路
をオン作動させる。二次電池D1〜D4に微短絡が生じ
た場合、二次電池D1〜D4の全体のSOCが均等化の
ために低下することを防止すべく、ECU10は微短絡
を検出した場合に二次電池の制御目標値を60%から7
0%に増大させる。また、制御目標範囲を縮小する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用二次電池制御
装置、特に直列接続された複数の二次電池の充電状態の
制御に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、二次電池を複数個直列に接続
するとともに、各二次電池に抵抗及びスイッチからなる
放電回路(あるいはバイパス回路)を並列に接続し、二
次電池間の充電状態(SOC)のばらつきを軽減する装
置が知られている。
【0003】例えば、特開平11−150877号公報
には、抵抗及びスイッチを直列接続してなる放電回路を
各二次電池に並列に接続し、二次電池の端子電圧のばら
つき度合いが大きい場合には最も端子電圧の大きい二次
電池に接続されている放電回路をオンして放電させ、設
定値まで低下させる技術が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、二次電
池のいずれかに微短絡が生じた場合、当該二次電池の自
己放電によりその端子電圧が低下し、バイパス回路によ
り他の正常な二次電池もこの微短絡した二次電池に合わ
せようとしてしまうため、短絡した二次電池のみならず
全体としても充電状態が低下して過放電状態となり易い
問題があった。
【0005】もちろん、二次電池に短絡が生じた場合、
バイパス回路の動作を一律に禁止することも考えられる
が、この場合には二次電池間のばらつきが増大してしま
う問題がある。
【0006】本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑
みなされたものであり、その目的は、バイパス回路を有
する二次電池に異常が生じても、過放電状態を抑制する
ことができる装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、直列接続された複数の二次電池のそれぞ
れに並列接続された放電手段と、前記複数の二次電池の
充電状態を検出する充電状態検出手段と、前記充電状態
に応じて前記放電手段のオンオフを制御する制御手段と
を備える車両用二次電池制御装置であって、前記二次電
池の異常を検出する手段と、前記異常が検出された場合
に前記二次電池の充電状態制御目標値を変化させる制御
目標値設定手段とを有することを特徴とする。
【0008】ここで、前記制御目標値設定手段は、前記
異常が短絡の場合には前記充電状態制御目標値を増大さ
せることが好適である。
【0009】また、本装置において、前記制御目標値設
定手段は、車両の走行状態に応じて前記充電状態制御目
標値を変化させることが好適である。
【0010】また、本発明は、直列接続された複数の二
次電池のそれぞれに並列接続された放電手段と、前記複
数の二次電池の充電状態を検出する充電状態検出手段
と、前記充電状態に応じて前記放電手段のオンオフを制
御する制御手段とを備える車両用二次電池制御装置であ
って、前記二次電池の異常を検出する手段と、前記異常
が検出された場合に前記二次電池の充電状態目標制御範
囲を変化させる制御目標範囲設定手段とを有することを
特徴とする。
【0011】ここで、前記制御目標範囲設定手段は、前
記異常が短絡の場合には前記充電状態制御目標範囲を縮
小させることが好適である。
【0012】また、本装置において、前記制御目標範囲
設定手段は、車両の走行状態に応じて前記充電状態制御
目標範囲を変化させることが好適である。
【0013】このように、本発明の車両用二次電池制御
装置では、異常が生じた場合には充電状態(SOC)の
制御目標値あるいは制御目標範囲を変化させる。より具
体的には、短絡などの異常時には制御目標値を正常時よ
りも増大させて高めに設定し、あるいは制御目標範囲を
正常時よりも縮小させる。制御目標値を増大させること
で、短絡による自己放電でSOCが低下しても、過放電
状態となるまでの時間を延ばすことができる。また、制
御目標範囲を縮小させることによっても、同様に短絡に
よるSOC低下の影響を抑えることができる。
【0014】制御目標値を増大させた場合、あるいは制
御目標範囲を縮小させた場合、車両の走行状態によって
は二次電池の使用効率が低下する場合がある。例えば、
制御目標値を高めに設定すると、車両走行中の回生効率
が低下し、あるいは満充電状態となる頻度が高くなる。
そこで、異常時に制御目標値あるいは制御目標範囲を変
化させる際に、車両の走行状態を考慮して変化させるこ
とで、二次電池の使用効率低下を抑えることもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
形態について説明する。
【0016】図1には、本実施形態に係る制御装置の構
成が示されている。複数の二次電池D1〜D4が直列接
続されており、各二次電池D1〜D4には抵抗及びスイ
ッチングトランジスタを直列接続してなるバイパス回路
12、14、16、18が並列接続されている。各二次
電池D1〜D4の端子及びバイパス回路12、14、1
6、18のスイッチングトランジスタのベース端子はそ
れぞれ電子制御装置ECU10に接続される。
【0017】電子制御装置ECU10は各二次電池D1
〜D4の充電状態SOCを監視し、二次電池の充放電を
制御する。電子制御装置ECU10は、通常は二次電池
D1〜D4のSOCが例えば60%になるように充放電
制御する。一方、電子制御装置ECU10は、各二次電
池D1〜D4のSOCばらつきを算出し、このばらつき
が許容範囲内にあるようにバイパス回路12、14、1
6、18のオンオフを制御する。ばらつきを許容範囲内
に抑える理由は、ある二次電池のSOCが著しく高い場
合には過充電状態となるおそれがあるため充電できる範
囲が狭まり、逆にある二次電池のSOCが著しく低い場
合には過放電状態となるおそれがあるため放電できる範
囲が狭まり、いずれにせよ充放電の範囲を広くとれない
からである。電子制御装置ECU10は、ばらつきが許
容範囲内にない場合には、二次電池D1〜D4のうち、
最もSOCの高い二次電池に並列接続されたバイパス回
路をオンして放電させ、SOCを低下させてばらつきを
許容範囲内に維持する。一方、二次電池D1〜D4のい
ずれかに微短絡が生じた場合、イグニッションオフ状態
においてこの二次電池は自己放電により他の二次電池に
比べてSOCが低下し、ECU10はこの二次電池のS
OCに合わせるべく他の二次電池のバイパス回路をオン
して自己放電させるため、全体のSOCが急激に減少し
てしまう。そこで、本実施形態では、二次電池の微短絡
を検出した場合に二次電池の制御目標値を通常の60%
から変化させ、これにより二次電池の過放電を防止して
いる。
【0018】図2には、本実施形態におけるECU10
の処理フローチャートが示されている。まず、ECU1
0は、二次電池D1〜D4に微短絡が生じているか否か
を判定する(S101)。ここで、微短絡が生じている
か否かは、二次電池のSOCの低下度合いから判定する
ことができる。二次電池のSOCの低下度合いが所定値
を越えている場合には、微短絡していると判定できる。
二次電池D1〜D4のいずれにも微短絡が生じていない
場合、つまり正常の場合には上述したようにECU10
はSOCの制御目標値を60%に設定して制御する(S
102)。
【0019】一方、二次電池D1〜D4のいずれかに微
短絡が検出された場合、ECU10はSOCの制御目標
値を通常の値60%よりも高い値、例えば70%に設定
して二次電池を充放電制御する(S103)。制御目標
値を60%から70%に増大させることで、バイパス回
路をオンして全体を微短絡している二次電池のSOCに
合わせ込んだとしても、当初のSOCが70%と高いた
め過放電状態への移行を遅延させることができる。
【0020】図3には、イグニッションスイッチがオフ
状態(車両停車時)における制御目標値が60%の場合
と70%の場合のSOCの時間変化が示されている。図
において、横軸は時間、縦軸はSOCであり、制御目標
値が60%の場合の時間変化が符号100で、制御目標
値が70%の場合の時間変化が符号200で示されてい
る。
【0021】制御目標値が60%の場合、バイパス回路
が動作するため微短絡が生じた二次電池のSOC100
aに合わせるように他の正常な二次電池のSOC100
bも低下していき、下限SOCまで比較的短時間で到達
してしまう。
【0022】ところが、制御目標値が70%の場合、同
様に微短絡が生じた二次電池のSOC200a及び正常
な二次電池のSOC200bともに低下するが、もとも
とのSOCが高いため、下限SOCに達するまでの時間
がかかることになり、結果として過放電状態となること
を抑制できる。
【0023】なお、微短絡が生じた場合、SOCの制御
目標値を通常よりも増大させることで、下限SOCに達
する時間を長くすることが可能であるが、あまり制御目
標値を大きくしてしまうと、制動時の電力回生を効率的
に行うことができなくなるので、適当な値に設定するこ
とが望ましい。
【0024】図4には、ECU10の他の処理フローチ
ャートが示されている。まず、二次電池のいずれかに微
短絡が生じているか否かを判定する(S201)。この
判定は、例えば均等化を行うか否かを判定するために二
次電池のSOCを検出するタイミング、あるいはバイパ
ス回路をオンさせたときのタイミングで行うことができ
る。そして、微短絡が生じておらず二次電池が正常であ
ると判定された場合には、ECU10は二次電池のSO
Cの制御目標範囲を20%〜80%の範囲に設定する
(S202)。
【0025】一方、二次電池のいずれかに微短絡が生じ
ていると判定された場合、ECU10は二次電池のSO
Cの制御目標範囲を正常の範囲よりも狭い30%〜70
%に設定する(S203)。制御目標範囲を縮小するの
は、微短絡が生じている場合にはSOCの低下が大き
く、したがって仮に20%を下限として制御している場
合には微短絡によるSOC低下で過放電状態となるおそ
れがあるからである。制御目標範囲を縮小することで、
より限定した範囲で二次電池を制御し、微短絡の影響を
抑えることができる。
【0026】図5には、ECU10のさらに別の処理フ
ローチャートが示されている。まず、ECU10は二次
電池のいずれかに微短絡が生じているか否かを判定する
(S301)。そして、微短絡が生じていない場合に
は、上述したように二次電池の制御目標値(制御中心
値)を60%に設定する(S302)。
【0027】一方、微短絡が生じている場合には、制御
目標値を変化させるが、この例ではまず車両の状態を判
定する。具体的には、車両が走行中か停止直前かを判定
する(S303)。そして、車両が停止直前である場合
には制御目標値を60%から80%に変化させ(S30
4)、車両が走行中である場合には制御目標値を60%
から70%に変化させる(S305)。車両の走行状態
に応じて制御目標値を変化させるのは、仮に車両走行中
に制御目標値を80%と高めに設定した場合、走行状況
に応じてSOCが増減し、100%近傍に達する回数が
増えて回生効率が低下するからである。一方、車両が停
止中の場合には微短絡によりSOCは低下していくか
ら、停止直前に予め制御目標値を高めに設定することで
過放電状態となるのを確実に防止することができる。な
お、停止直前か否かは、例えばナビゲーション装置と組
み合わせて判断できる。すなわち、車両が目的地に近づ
いた場合にはやがて車両が停止すると判断することがで
きる。
【0028】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変
更が可能である。
【0029】例えば、図4の例では微短絡が生じた場合
に制御目標範囲を通常の20%〜80%から30%〜7
0%に縮小しているが、微短絡の場合には制御目標の下
限値が問題となるため、制御目標範囲の下限値のみを変
化させて30%〜80%とすることもできる。また、制
御目標範囲を縮小するのではなく、制御目標範囲を上方
にシフトさせて30%〜90%とすることも可能であ
る。
【0030】また、図5において微短絡が生じた場合
に、車両の走行状態に応じてSOCの制御目標値を変化
させているが、車両の走行状態に応じて制御目標範囲を
変化させることもできる。例えば、微短絡が生じた場合
で車両が走行中である場合には制御目標範囲を30%〜
70%とし、車両が停止直前である場合には制御目標範
囲を30%〜80%とする等である。車両走行中には制
御目標範囲を通常状態と同様に20%〜80%とするこ
ともできる。
【0031】また、微短絡が生じた場合に、制御目標値
(制御中心)と制御目標範囲の双方を変化させることも
好適である。例えば、正常時には制御目標値60%、制
御目標範囲20%〜80%とすると、微短絡時には制御
目標値70%、制御目標範囲30%〜80%とする等で
ある。
【0032】さらに、本実施形態では、異常の態様とし
て二次電池の微短絡を例にとり説明したが、通常状態に
比して二次電池のSOCを低下させる、あるいは増大さ
せる任意の異常にも同様に適用することができる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
二次電池の異常時にも過放電状態を抑制することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の構成図である。
【図2】 実施形態の処理フローチャートである。
【図3】 制御目標値の異なるSOCの時間的変化を示
すグラフ図である。
【図4】 実施形態の他の処理フローチャートである。
【図5】 実施形態のさらに他の処理フローチャートで
ある。
【符号の説明】
10 電子制御装置ECU、12、14、16、18
バイパス回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本野 誠 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 5G003 AA07 BA03 CA11 CC02 DA07 EA05 FA06 FA08 5G053 AA02 AA16 BA09 CA08 DA03 EA01 FA05 5H030 AA04 AS08 BB27 FF41 5H115 PA08 PC06 PG04 PI16 TI02 TI10 TR19 TU17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直列接続された複数の二次電池のそれぞ
    れに並列接続された放電手段と、 前記複数の二次電池の充電状態を検出する充電状態検出
    手段と、 前記充電状態に応じて前記放電手段のオンオフを制御す
    る制御手段と、 を備える車両用二次電池制御装置であって、 前記二次電池の異常を検出する手段と、 前記異常が検出された場合に前記二次電池の充電状態制
    御目標値を変化させる制御目標値設定手段と、 を有することを特徴とする車両用二次電池制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置において、 前記制御目標値設定手段は、前記異常が短絡の場合には
    前記充電状態制御目標値を増大させることを特徴とする
    車両用二次電池制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1、2のいずれかに記載の装置に
    おいて、 前記制御目標値設定手段は、車両の走行状態に応じて前
    記充電状態制御目標値を変化させることを特徴とする車
    両用二次電池制御装置。
  4. 【請求項4】 直列接続された複数の二次電池のそれぞ
    れに並列接続された放電手段と、 前記複数の二次電池の充電状態を検出する充電状態検出
    手段と、 前記充電状態に応じて前記放電手段のオンオフを制御す
    る制御手段と、 を備える車両用二次電池制御装置であって、 前記二次電池の異常を検出する手段と、 前記異常が検出された場合に前記二次電池の充電状態目
    標制御範囲を変化させる制御目標範囲設定手段と、 を有することを特徴とする車両用二次電池制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の装置において、 前記制御目標範囲設定手段は、前記異常が短絡の場合に
    は前記充電状態制御目標範囲を縮小させることを特徴と
    する車両用二次電池制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項4、5のいずれかに記載の装置に
    おいて、 前記制御目標範囲設定手段は、車両の走行状態に応じて
    前記充電状態制御目標範囲を変化させることを特徴とす
    る車両用二次電池制御装置。
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