JP2002353622A - 多層配線板、多層配線用基材及びその製造方法 - Google Patents

多層配線板、多層配線用基材及びその製造方法

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JP2002353622A JP2002076523A JP2002076523A JP2002353622A JP 2002353622 A JP2002353622 A JP 2002353622A JP 2002076523 A JP2002076523 A JP 2002076523A JP 2002076523 A JP2002076523 A JP 2002076523A JP 2002353622 A JP2002353622 A JP 2002353622A
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Shoji Ito
彰二 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビア・オン・ビアやチップ・オン・ビアが可
能であり、また高密度実装が可能でかつ可撓性のあるF
PCを容易に多層化することができる多層配線板、多層
配線用基材及びその製造方法を得ることを目的とする。 【解決手段】 本発明に係る多層配線用基材は、可撓性
を有する樹脂フィルム(1)の一方の面に銅箔(2)が
貼り付けられると共に他方の面に接着剤層(3)が形成
され、前記銅箔(2)、樹脂フィルム(1)及び接着剤
層(3)を貫通するように貫通孔(7)が形成された銅
張樹脂フィルム(10)と、この銅張樹脂フィルム(1
0)の貫通孔(7)に、前記銅箔側から先端(8b)が
前記接着剤層側に突出するようにスクリーン印刷により
埋め込まれた導電ペースト(8)とを備えてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数のプリント
配線板が積み上げられて多層化された多層配線板、それ
に用いられる多層配線用基材及びその製造方法に関する
ものであり、特に、フリップチップ実装(Flip Chip Mo
unting)などの高密度実装が可能でかつ可撓性を有する
多層配線板、多層配線用基材及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】フレキシブルプリント回路(以下、FP
Cと呼ぶ)は、可塑性を確保するため、厚さの薄い樹脂
フィルムを用いて構成される。そのため、FPCの場
合、本質的に多層配線構造の基板(多層配線板)の製造
が非常に困難であった。しかし、近年、FPCの高密度
実装化が進むにつれて、フリップチップ実装における引
き出し部の確保など、FPCにおいても多層配線化が必
要とされてきている。そこで、片面又は両面に回路パタ
ーンが形成された複数枚のFPCの間にガラエポのプリ
プレグなどを介して張り合わせ、全層を一括してドリル
などで穴あけし、スルーホールめっき等を用いて層間接
続を行うことにより多層配線化されたFPCが製造され
ている。
【0003】しかし、このようなスルーホールめっきに
よる従来の多層配線板の製造方法では、めっき後もスル
ーホールの中央に穴ができるため、ビアホールの上に別
のビアホールを形成する、いわゆるビア・オン・ビア
や、ビアホールの上にチップを搭載する、いわゆるチッ
プ・オン・ビアが不可能であった。そのため、従来の多
層配線板の製造方法では、チップ直下から引き出し線を
引き出すことができないことや、必要以上に面積を占有
するため、高密度実装の妨げになっていた。
【0004】一方、ビア・オン・ビアが可能なリジッド
な多層配線板としては、例えば、多層配線板の各層間の
接続に導電ペーストを使用したALIVH(Any Layer
Interstitial Via Hole;松下電器産業株式会社の登録
商標)基板が知られている。ALIVH基板は、未硬化
樹脂基板に貫通孔を開け、その貫通孔に導電ペーストを
充填した後、銅箔(Cu箔)を張り合わせて、圧着させ
ながら樹脂を硬化させることにより層間を接続し、銅箔
のエッチングにより回路パターンを形成することを繰り
返して導体層を積み上げて多層化するようにしたもので
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したAL
IVHのような多層配線板の製造方法では、導電ペース
トにより層間接続を行うので、ビア・オン・ビアは可能
であるが、この多層配線板の製造方法をFPCに適用し
ようとした場合、厚さの薄いポリイミドなどの樹脂フィ
ルムに穴を開け、また導電ペーストで穴を埋めなければ
ならず、多層配線されたFPCの製造が非常に困難であ
る。なぜなら、厚さの薄い樹脂フィルムでは、穴開け時
に、樹脂フィルムの歪みやドリルの巻き込みにより、穴
の位置、寸法などが変化してしまい、導電ペーストの印
刷や各層のアライメント精度が得られなくなる問題が生
じてしまうからである。
【0006】また、ALIVHを始めとした導電ペース
トにより層間接続を行う多層配線板の製造方法では、ビ
ア・オン・ビアは可能であるが、銅箔と導電ペーストの
電気特性を低下させないように、銅箔と導電ペーストと
を接続することは容易ではなく、各社独自の方法で行っ
ている。即ち、一般に、ビア・オン・ビアの層間接続を
する場合、ビアの導電ペーストと導電ペーストの間に銅
箔を挟むことにより、銅箔と導電ペーストを接続する。
このとき、銅箔と導電ペーストの電気特性を低下させな
いようにするため、銅箔に導電ペーストを突き刺すよう
に張り合わせている。例えば、ALIVH基板の場合、
導電ペーストの印刷時に、銅箔に突き刺すための導電ペ
ーストの突起を形成することと、張り合わせ時の熱プレ
スにより基板厚が減少する未硬化樹脂を使用することに
より、導電ペーストの突き刺しによる銅箔との接続を可
能としている。
【0007】しかし、FPCの樹脂フィルムに用いられ
るポリイミドのように、熱プレス時に基板厚が減少しな
い材料を用いる場合には、そのような導電ペーストの突
起による銅箔への突き刺し効果は低下してしまう。その
結果、電気特性を低下させずに銅箔と導電ペーストを接
続するのは困難である。
【0008】さらに、貫通孔に導電ペーストの埋め込み
を行う場合、導電ペーストを押し込むように印刷するた
め、導電ペーストの印刷面側が少し窪んだように印刷さ
れる。そのため、導電ペーストで穴埋めした基板同士を
張り合わせても、導電ペースト同士の十分な電気接続性
を確保することはできないという問題があった。
【0009】また、加熱時の加熱によって接着剤層が収
縮、あるいは膨張するが、断面に中心対称性がある場合
にはこれらは相殺される。しかしながら、基板断面に中
心対称性がない接着剤層の場合、積層時の加熱によって
基板のカールが認められる。特にポリイミドフィルムは
非常に屈曲性の高い基材であるために、カールは著し
い。
【0010】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたものであり、ビア・オン・ビアやチップ
・オン・ビアが可能であり、また高密度実装が可能でか
つ可撓性のあるFPCを容易に多層化することができる
多層配線板、多層配線用基材及びその製造方法を得るこ
とを目的とする。
【0011】この発明の他の目的は、接着剤層に熱硬化
性の樹脂を使用し、製造過程において多層配線用基材に
負荷を与えずに耐熱性のすぐれた多層配線板を得るよう
にしたことである。
【0012】本発明の他の目的は、接着剤層に熱硬化機
能を付与した熱可塑性樹脂を使用し、積層時に導電性樹
脂組成物(導電性ペースト)を劣化させることなく耐熱
性の高い多層配線板およびカールのない多層配線板を得
るようにしたことである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る多層配線用
基材は、可撓性を有する樹脂フィルムの一方の面に銅箔
が貼り付けられると共に他方の面に接着剤層が形成さ
れ、前記銅箔、樹脂フィルム及び接着剤層を貫通するよ
うに貫通孔が形成された銅張樹脂フィルムと、この銅張
樹脂フィルムの貫通孔に、前記銅箔側から先端が前記接
着剤層側に突出するようにスクリーン印刷により埋め込
まれた導電ペーストとを備えてなることを特徴とする。
【0014】本発明に係る多層配線用基材の製造方法
は、可撓性を有する樹脂フィルムの一方の面に銅箔が貼
り付けられ、前記樹脂フィルムの他方の面に接着剤層が
形成された銅箔樹脂フィルムに、前記銅箔、樹脂フィル
ム及び接着剤層を貫通する貫通孔を形成する工程と、前
記貫通孔に、前記銅箔側から先端が前記接着剤層側に突
出するようにスクリーン印刷により導電ペーストを埋め
込む工程とを備えてなることを特徴とする。
【0015】また、本発明に係る他の多層配線用基材の
製造方法は、可撓性を有する樹脂フィルムの一方の面に
銅箔が貼り付けられ、前記樹脂フィルムの他方の面に接
着剤層が形成された銅張樹脂フィルムに、前記銅箔をエ
ッチングして所定の回路パターンを形成する工程と、前
記回路パターンが形成された銅張樹脂フィルムの前記接
着剤層側にマスク層を形成する工程と、前記銅箔、樹脂
フィルム、接着剤層及びマスク材を貫通する貫通孔を形
成する工程と、前記貫通孔に、前記銅箔側からスクリー
ン印刷により導電ペーストを埋め込む工程と、前記マス
ク材を除去する工程とを備えてなることを特徴とする。
【0016】本発明の多層配線用基板及びその製造方法
によれば、樹脂フィルムの一方の面に銅箔が貼り付けら
れ、他方の面に接着剤層が形成された銅張樹脂フィルム
に貫通孔を形成し、導電ペーストを埋め込むようにして
いるので、樹脂フィルム単独で貫通孔を形成し、導電ペ
ーストを埋め込む場合に比べ、厚みが厚くなる分だけ貫
通孔が形成し易く、また、導電ペーストも埋め込みやす
くなる。この場合、導電ペーストを、例えば銅箔の貫通
孔の開口部周辺にはみ出るように貫通孔に埋め込むよう
にすれば、銅箔と導電ペーストとの電気接続性を向上さ
せることができる。
【0017】本発明に係る多層配線板は、上述した多層
配線用基材を、導電ペーストの先端が隣接する多層配線
用基材の銅箔又は導電ペーストと接続されるように複数
積層してなることを特徴とする。
【0018】本発明に係る多層配線板の製造方法は、上
述した多層配線用基材を、前記導電ペーストの先端が隣
接する多層配線用基材の銅箔又は導電ペーストと接続さ
れるように複数積層して前記接着剤層によって貼り合わ
せるようにしたことを特徴とする。
【0019】本発明の多層配線板及びその製造方法によ
れば、多層配線用基材の導電ペーストを、銅張樹脂フィ
ルムの貫通孔に、先端が接着剤層側に突出するように、
銅箔側からスクリーン印刷によって埋め込むようにして
いるので、多層配線用基材を複数積層した場合、導電ペ
ーストの先端が隣接する多層配線用基材の銅箔又は導電
ペーストに確実に接続され、多層配線板として構成した
場合に、層間の電気接続性を格段に向上させることがで
きる。特に銅箔を介さない導電ペースト同士の直接接続
は、電気的接続性の向上に寄与する。
【0020】なお、接着剤層としては、例えば熱可塑性
接着剤を使用することができる。この場合、多層配線用
基材を積層し、加熱することにより、多層配線用基材間
が可塑状態となった接着剤層によって密に結合されるこ
とになり、導電ペーストと隣接する多層配線用基材の銅
箔及び導電ペーストとを更に確実に接続することが可能
になる。また、この場合、多層配線用基材を貼り合わせ
ると同時に導電ペーストを本硬化させるようにすれば、
導電ペーストの部分に無理な負荷がかからず、スムーズ
な電気的接続を確保することができる。
【0021】本発明に係る多層配線用基材は、樹脂フィ
ルムの一方の面に銅箔が貼り付けられると共に他方の面
に接着剤層が形成され、前記銅箔、樹脂フィルム及び接
着剤層を貫通するように貫通孔が形成された銅張樹脂フ
ィルムと、この銅張樹脂フィルムの貫通孔に、前記銅箔
側から先端が前記接着剤層より突出するように埋め込ま
れた導電ペーストとを備えてなることを特徴とする。
【0022】本発明に係る多層配線用基材の製造方法
は、樹脂フィルムの一方の面に銅箔が貼り付けられ、前
記樹脂フィルムの他方の面に接着剤層が形成された銅張
樹脂フィルムに、前記銅箔、樹脂フィルム及び接着剤層
を貫通する貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔に、前
記銅箔側から先端が前記接着剤層より突出するように導
電ペーストを埋め込む工程とを備えてなることを特徴と
する。
【0023】本発明に係る多層配線用基材は、樹脂フィ
ルムの一方の面に銅箔が貼り付けられると共に他方の面
に熱硬化性の樹脂からなる接着剤層が形成され、前記銅
箔、樹脂フィルム及び接着剤層を貫通するように貫通孔
が形成された銅張樹脂フィルムと、この銅張樹脂フィル
ムの貫通孔に、前記銅箔側から先端が前記接着剤層側に
突出するように埋め込まれた導電ペーストとを備えてな
ることを特徴とする。
【0024】本発明に係る多層配線用基材の製造方法
は、樹脂フィルムの一方の面に銅箔が貼り付けられ、前
記樹脂フィルムの他方の面に熱硬化性の樹脂からなる接
着剤層が形成された銅箔樹脂フィルムに、前記銅箔、樹
脂フィルム及び接着剤層を貫通する貫通孔を形成する工
程と、前記貫通孔に、前記銅箔側から先端が前記接着剤
層側に突出するように導電ペーストを埋め込む工程とを
備えてなることを特徴とする。
【0025】また、本発明に係る他の多層配線用基材の
製造方法は、樹脂フィルムの一方の面に銅箔が貼り付け
られ、前記樹脂フィルムの他方の面に熱硬化性の樹脂か
らなる接着剤層が形成された銅張樹脂フィルムに、前記
銅箔をエッチングして所定の回路パターンを形成する工
程と、前記回路パターンが形成された銅張樹脂フィルム
の前記接着剤層側にマスク層を形成する工程と、前記銅
箔、樹脂フィルム、接着剤層及びマスク材を貫通する貫
通孔を形成する工程と、前記貫通孔に、前記銅箔側から
導電ペーストを埋め込む工程と、前記マスク材を除去す
る工程とを備えてなることを特徴とする。
【0026】本発明に係る多層配線板は、上述した多層
配線用基材を、導電ペーストの先端が隣接する多層配線
用基材の銅箔又は導電ペーストと接続されるように複数
積層してなることを特徴とする。
【0027】本発明に係る多層配線板の製造方法は、上
述した多層配線用基材を、前記導電ペーストの先端が隣
接する多層配線用基材の銅箔又は導電ペーストと接続さ
れるように複数積層して前記接着剤層によって貼り合わ
せるようにしたことを特徴とする。
【0028】本発明による多層配線用基材および多層配
線板の製造方法によれば、接着剤層に熱硬化性の樹脂を
使用しているので、製造過程において多層配線用基材に
負荷を与えずに耐熱性のすぐれた多層配線板が得られ
る。
【0029】本発明に係る多層配線用基材は、樹脂フィ
ルムの一方の面に銅箔が貼り付けられると共に他方の面
に熱硬化機能を付与した熱可塑性樹脂から成る接着剤層
が形成され、前記銅箔、樹脂フィルム及び接着剤層を貫
通するように貫通孔が形成された銅張樹脂フィルムと、
この銅張樹脂フィルムの貫通孔に、前記銅箔側から先端
が前記接着剤層側に突出するように埋め込まれた導電ペ
ーストとを備えてなることを特徴とする。
【0030】本発明に係る多層配線用基材の製造方法
は、樹脂フィルムの一方の面に銅箔が貼り付けられ、前
記樹脂フィルムの他方の面に熱硬化機能を付与した熱可
塑性樹脂から成る接着剤層が形成された銅箔樹脂フィル
ムに、前記銅箔、樹脂フィルム及び接着剤層を貫通する
貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔に、前記銅箔側か
ら先端が前記接着剤層側に突出するように導電ペースト
を埋め込む工程とを備えてなることを特徴とする。
【0031】また、本発明に係る他の多層配線用基材の
製造方法は、可撓性を有する樹脂フィルムの一方の面に
銅箔が貼り付けられ、前記樹脂フィルムの他方の面に熱
硬化機能を付与した熱可塑性樹脂から成る接着剤層が形
成された銅張樹脂フィルムに、前記銅箔をエッチングし
て所定の回路パターンを形成する工程と、前記回路パタ
ーンが形成された銅張樹脂フィルムの前記接着剤層側に
マスク層を形成する工程と、前記銅箔、樹脂フィルム、
接着剤層及びマスク材を貫通する貫通孔を形成する工程
と、前記貫通孔に、前記銅箔側からスクリーン印刷によ
り導電ペーストを埋め込む工程と、前記マスク材を除去
する工程とを備えてなることを特徴とする。
【0032】本発明に係る多層配線板は、上述した多層
配線用基材を、導電ペーストの先端が隣接する多層配線
用基材の銅箔又は導電ペーストと接続されるように複数
積層してなることを特徴とする。
【0033】本発明に係る多層配線板の製造方法は、上
述した多層配線用基材を、前記導電ペーストの先端が隣
接する多層配線用基材の銅箔又は導電ペーストと接続さ
れるように複数積層して前記接着剤層によって貼り合わ
せるようにしたことを特徴とする。
【0034】本発明による多層配線用基材および多層配
線板の製造方法によれば、接着剤層に熱硬化機能を付与
した熱可塑性樹脂を使用しているので、積層時に導電性
樹脂組成物(導電性ペースト)を劣化させることなく耐
熱性の高い多層配線板およびカールのない多層配線板を
得ることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について説明する。
【0036】図1は、本発明の一実施形態に係る多層配
線板を構成する多層配線用基材を製造工程順に示す断面
図、図2及び図3は、本発明の一実施形態に係る多層配
線板を製造工程順に示す断面図である。
【0037】多層配線用基材20は、多層配線板を構成
するための多層配線用の接続材であり、片面銅張樹脂フ
ィルムからなるFPCを基本として構成されている。即
ち、多層配線用基材20は、図1(i)に示すように、
ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)等の可撓性の樹脂フィルム1の一方の面に銅箔2
が貼り付けられ、他方の面に熱可塑性ポリイミド等から
なる接着剤層3が形成された銅張樹脂フィルム10と、
この銅張樹脂フィルム10に形成された貫通孔7(図1
(g)参照)に埋め込まれたインナービアホールを形成
する導電ペースト8とから構成されている。銅箔2は、
エッチング等により所定の回路パターンを形成してい
る。導電ペースト8は、銅箔2側からスクリーン印刷等
により埋め込まれ、銅箔2の開口部の周辺部にはみ出
し、先端部が接着剤層3側から突出している。
【0038】多層配線板は、図1(i)のような構造の
多層配線用基材を複数層(図2及び図3では3層)積み
上げて構成される。図2及び図3に示すように、多層配
線板では、多層配線用基材の貫通孔7に導電ペースト8
が充填(穴埋め)されているため、ビア・オン・ビアに
より各層間の接続が可能となる。
【0039】また、図1(h)及び(i)に示すよう
に、導電ペースト8は、穴埋め印刷時に、その印刷面側
が銅箔2の表面より少し窪んだように穴埋めされるが、
図1(i)に示すように、導電ペースト8は、印刷面と
反対面側(裏側)に突起が形成されるように印刷されて
いるので、図3に示すように、ビア・オン・ビアによる
層間接続を行う際に、導電ペースト8の印刷面側の窪み
が、印刷面と反対面側の突起により塞がれる。尚、導電
ペースト8の突起の高さは、窪みの大きさにもよるが、
10μm前後が好ましい。
【0040】このように、ビア・オン・ビアの層間接続
を行う際、従来技術で説明したような導電ペースト8と
導電ペースト8の間に銅箔を挟む構成ではなく、直接、
導電ペースト8同士を接続している。
【0041】また、図1(h)に示すように、導電ペー
スト8は、穴埋め印刷時に、その印刷面側が銅箔2の穴
開け部5からはみ出すように銅箔2の表面まで(表面よ
り少し窪んではいるが)穴埋めされるので、導電ペース
ト8の印刷面側の端部が、銅箔2の穴開け部5の側面及
び周縁と接触している。
【0042】次に、図1から図3に基づいて、本発明の
多層配線板の製造工程(製造方法)について説明する。
【0043】(1)多層配線用基材の製造工程(図1) まず、図1(a)に示すように、12.5〜50μm厚
のポリイミドからなる樹脂フィルム1の一方の面に、5
〜18μm厚の銅箔2が張り付けられ、他面に、15〜
30μm厚(層間接続をした際の銅箔2の回路パターン
を埋めるだけの厚さ)の熱可塑性ポリイミドからなる接
着剤層3が形成された片面銅張樹脂フィルム10を用意
又は作製する。
【0044】次に、図1(b)に示すように、樹脂フィ
ルム1に張り付けられた銅箔2上に、ドライフィルム
(レジスト)4を真空ラミネータ又はロールラミネータ
でラミネートする。次に、図1(c)に示すように、回
路パターンをドライフィルム4上に露光し、その後、現
像する。
【0045】次に、図1(d)に示すように、ドライフ
ィルム4をマスクとして銅箔2をエッチングすることに
より、所定の回路パターンを形成する。このとき、後で
貫通孔7を穴開けする部分である穴開け部5も同時にエ
ッチングして形成しておく。次に、図1(e)に示すよ
うに、銅箔2上のドライフィルム4を剥離し、図1
(f)に示すように、接着剤層3の表面にマスク材とし
て10〜50μmのマスキングテープ6を張り付ける。
マスキングテープ6としては、PETなどを用いること
ができる。
【0046】次に、図1(g)に示すように、CO2 レ
ーザなどでレーザ光を穴開け部5に照射することによ
り、マスキングテープ6ごと樹脂フィルム1及び接着剤
層3に0.05〜0.3mmφの貫通孔7を開ける。
尚、貫通孔7の穴開けは、レーザ照射に限るものではな
く、ドリルなどによって穴開けしても構わない。
【0047】次に、図1(h)に示すように、貫通孔7
に導電ペースト8をスクリーン印刷して穴埋めする。こ
のとき、導電ペースト8は、穴開け部5からはみ出るよ
うに、穴開け部5(貫通孔7)の穴径よりも1〜5割程
度の大きい径でスクリーン印刷される。これにより銅箔
2のランド部2aと面方向に接続されたつば部8aが形
成される。尚、導電ペースト8としては、Ag、Cu、
C、AgコートCuペーストなどの導電性を示すもので
あれば用いることが可能である。
【0048】次に、オーブンによって80℃で加熱し
て、導電ペースト8を仮硬化させ、図1(i)に示すよ
うに、マスキングテープ6を剥がすと、印刷面と反対面
側に接着剤層3から突出した導電ペースト8の突起部8
bが形成される。これにより、多層配線用基材20が完
成する。
【0049】(2)多層配線板のプレス工程(図2及び
図3) 図2に示すように、各多層配線用基材(3つの多層配線
用基材)20a,20b,20cには、それぞれ、複数
の回路パターン及び貫通孔7が形成されている。また、
貫通孔7には、導電ペースト8が充填されている。
【0050】図3(a)に示すように、各多層配線用基
材20a〜20c及び最外層の銅箔9上を熱プレスによ
り一括して張り合わせ、図3(b)に示すように、最外
層の銅箔9上に回路を形成することにより、本実施形態
の多層配線板が完成される。熱プレスによる各多層配線
用基材20a〜20c及び銅箔2の張り合わせは、28
0℃程度に加熱し、9MPa程度でプレスして、接着性
と流動性を持った熱可塑性ポリイミドの接着剤層3内に
銅箔2の回路パターンと導電ペースト8のつば部8aと
を埋め込むことによって行われる。このとき、同時に各
多層配線用基材20a〜20cの導電ペースト8同士を
熱プレスにて押し固めながら本硬化させる。
【0051】以上のように、この実施の形態によれば、
多層配線用基材20a〜20cの貫通孔7に導電ペース
ト8が穴埋めされているため、ビア・オン・ビアにより
各層間の接続が可能となり、また、印刷面と反対面側
(裏側)に導電ペースト8の突起部8bが形成されてい
るため、ビア・オン・ビアによる層間接続を行う際に、
導電ペースト8の印刷面側の窪みがその突起部8aによ
り塞がれ、その結果、電気接続性の良い導電ペースト8
同士の接続を容易に行うことが可能となる。
【0052】また、貫通孔7の穴埋め印刷時に、導電ペ
ースト8は、その印刷面側が銅箔2の穴開け部5からは
み出すように穴埋めされるので、導電ペースト8の印刷
面側のつば部8aが、銅箔2の穴開け部5の側面及び周
縁と確実に接触し、その結果、銅箔2と導電ペースト8
の電気接続性を低下させずに、銅箔2と導電ペースト8
とを接続することが可能となる。
【0053】また、多層配線用基材の製造の過程で、銅
張樹脂フィルム10を用いているので、サンプルの固
定、穴開け、穴埋め工程における位置寸法の精度が維持
されるとともに取り扱いも容易となり、その結果、製造
作業の労力も軽減される。即ち、従来では、可撓性のあ
る厚さの薄い樹脂フィルム(ポリイミドフィルム)1の
まま、サンプルの固定、穴開け、穴埋め工程を行わなけ
ればならなかったが、この実施の形態では、樹脂フィル
ム1に銅箔2及び接着剤層3を張り付けた後、サンプル
の固定、穴開け、穴埋め工程を行うことができるので、
穴開け及び導電ペースト8の充填が容易になる。
【0054】このように、本発明では、高密度実装が可
能でかつ可撓性のある多層配線構造のFPCを提供でき
るので、この多層配線板のFPCを電子機器に用いるこ
とにより、電子機器の小型化を図ることができ、また曲
線のある製品の高性能化、例えば、腕時計のベルト部分
に高密度実装されたプリント回路を組み込ませることな
どが可能である。
【0055】次に、図4,図5,図6を参照して、本発
明による多層配線用基材および多層配線板の他の実施形
態について説明する。
【0056】この実施形態は、図1,図2,図3で示さ
れた実施形態における導電ペースト8の印刷面側8a
が、穴埋め印刷後に平らに(12c)なっていることで
ある。
【0057】すなわち、多層配線用基材20は、多層配
線板を構成するための多層配線用の接続材であり、片面
銅張樹脂フィルムからなるFPCを基本として構成され
ている。即ち、多層配線用基材20は、図4(i)に示
すように、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)等の可撓性の樹脂フィルム1の一方の
面に銅箔2が貼り付けられ、他方の面に熱可塑性ポリイ
ミド等からなる接着剤層3が形成された銅張樹脂フィル
ム10と、この銅張樹脂フィルム10に形成された貫通
孔7(図4(g)参照)に埋め込まれたインナービアホ
ールを形成する導電ペースト12とから構成されてい
る。銅箔2は、エッチング等により所定の回路パターン
を形成している。導電ペースト12は、銅箔2側からス
クリーン印刷等により埋め込まれ、銅箔2の開口部の周
辺部につば部12aとしてはみ出すと共に、導電ペース
ト12の印刷面側12cが平らになっており、先端部が
突起12bとして接着剤層3側から突出している。
【0058】多層配線板は、図4(i)のような構造の
多層配線用基材を複数層(図5及び図6では3層)積み
上げて構成される。図5及び図6に示すように、多層配
線板では、多層配線用基材の貫通孔7に導電ペースト1
2が充填(穴埋め)されているため、ビア・オン・ビア
により各層間の接続が可能となる。
【0059】このように、ビア・オン・ビアの層間接続
を行う際、従来技術で説明したような導電ペースト12
と導電ペースト12の間に銅箔を挟む構成ではなく、直
接、導電ペースト12同士を接続している。
【0060】次に、図4から図6に基づいて、この実施
形態の多層配線板の製造工程(製造方法)について説明
する。
【0061】(1)多層配線用基材の製造工程(図4) まず、図4(a)に示すように、12.5〜50μm厚
のポリイミドからなる樹脂フィルム1の一方の面に、5
〜18μm厚の銅箔2が張り付けられ、他面に、15〜
30μm厚(層間接続をした際の銅箔2の回路パターン
を埋めるだけの厚さ)の熱可塑性ポリイミドからなる接
着剤層3が形成された片面銅張樹脂フィルム10を用意
又は作製する。
【0062】次に、図4(b)に示すように、樹脂フィ
ルム1に張り付けられた銅箔2上に、ドライフィルム
(レジスト)4を真空ラミネータ又はロールラミネータ
でラミネートする。次に、図4(c)に示すように、回
路パターンをドライフィルム4上に露光し、その後、現
像する。
【0063】次に、図4(d)に示すように、ドライフ
ィルム4をマスクとして銅箔2をエッチングすることに
より、所定の回路パターンを形成する。このとき、後で
貫通孔7を穴開けする部分である穴開け部5も同時にエ
ッチングして形成しておく。次に、図4(e)に示すよ
うに、銅箔2上のドライフィルム4を剥離し、図4
(f)に示すように、接着剤層3の表面にマスク材とし
て10〜50μmのマスキングテープ6を張り付ける。
マスキングテープ6としては、PETなどを用いること
ができる。
【0064】次に、図4(g)に示すように、CO2 レ
ーザなどでレーザ光を穴開け部5に照射することによ
り、マスキングテープ6ごと樹脂フィルム1及び接着剤
層3に0.05〜0.3mmφの貫通孔7を開ける。
尚、貫通孔7の穴開けは、レーザ照射に限るものではな
く、ドリルなどによって穴開けしても構わない。
【0065】次に、図4(h)に示すように、貫通孔7
に導電ペースト12をスクリーン印刷して穴埋めする。
このとき、導電ペースト12は、穴開け部5からはみ出
るように、穴開け部5(貫通孔7)の穴径よりも1〜5
割程度の大きい径でスクリーン印刷される。これにより
銅箔2のランド部2aと面方向に接続されたつば部12
aが形成される。また、この時、導電ペースト12の印
刷面側12cが平らになっている。
【0066】尚、導電ペースト12としては、Ag、C
u、C、AgコートCuペーストなどの導電性を示すも
のであれば用いることが可能である。
【0067】また、上記導電ペースト12は、スクリー
ン印刷で埋め込まれているが、スクリーン印刷以外の印
刷技術で埋め込んでも良い。
【0068】次に、オーブンによって80℃で加熱し
て、導電ペースト12を仮硬化させ、図4(i)に示す
ように、マスキングテープ6を剥がすと、印刷面と反対
面側に接着剤層3から突出した導電ペースト12の突起
部12bが形成される。これにより、多層配線用基材2
0が完成する。
【0069】(2)多層配線板のプレス工程(図5及び
図6) 図5に示すように、各多層配線用基材(3つの多層配線
用基材)20a,20b,20cには、それぞれ、複数
の回路パターン及び貫通孔7が形成されている。また、
貫通孔7には、導電ペースト12が充填されている。
【0070】図6(a)に示すように、各多層配線用基
材20a〜20c及び最外層の銅箔9上を熱プレスによ
り一括あるいは順次張り合わせ、図6(b)に示すよう
に、最外層の銅箔9上に回路を形成することにより、本
実施形態の多層配線板が完成される。熱プレスによる各
多層配線用基材20a〜20c及び銅箔2の張り合わせ
は、280℃程度に加熱し、9MPa程度でプレスし
て、接着性と流動性を持った熱可塑性ポリイミドの接着
剤層3内に銅箔2の回路パターンと導電ペースト12の
つば部12aとを埋め込むことによって行われる。この
とき、同時に各多層配線用基材20a〜20cの導電ペ
ースト12同士を熱プレスにて押し固めながら本硬化さ
せる。
【0071】以上のように、この実施の形態によれば、
多層配線用基材20a〜20cの貫通孔7に導電ペース
ト12が穴埋めされているため、ビア・オン・ビアによ
り各層間の接続が可能となり、また、印刷面と反対面側
(裏面)に導電ペースト12の突起部12bが形成され
ているため、ビア・オン・ビアによる層間接続を行う際
に、電気接続性の良い導電ペースト12同士の接続を容
易に行うことが可能となる。
【0072】また、貫通孔7の穴埋め印刷時に、導電ペ
ースト12は、その印刷面側が銅箔2の穴開け部5から
はみ出すように穴埋めされるので、導電ペースト12の
印刷面側のつば部12aが、銅箔2の穴開け部5の側面
及び周縁と確実に接触し、その結果、銅箔2と導電ペー
スト12の電気接続性を低下させずに、銅箔2と導電ペ
ースト12とを接続することが可能となる。
【0073】また、多層配線用基材の製造の過程で、銅
張樹脂フィルム10を用いているので、サンプルの固
定、穴開け、穴埋め工程における位置寸法の精度が維持
されるとともに取り扱いも容易となり、その結果、製造
作業の労力も軽減される。即ち、従来では、可撓性のあ
る厚さの薄い樹脂フィルム(ポリイミドフィルム)1の
まま、サンプルの固定、穴開け、穴埋め工程を行わなけ
ればならなかったが、この実施の形態では、樹脂フィル
ム1に銅箔2及び接着剤層3を張り付けた後、サンプル
の固定、穴開け、穴埋め工程を行うことができるので、
穴開け及び導電ペースト12の充填が容易になる。
【0074】また、上記多層配線用基材を用意し、それ
を組み合わせて一括して張り合わせるだけで所望の多層
配線板が形成できるので、プレス工程で多層配線用基材
を加工する必要がなく多層配線板のプレス工程が簡単に
なる。
【0075】次に、図7,図8,図9を参照して、本発
明による多層配線用基材および多層配線板の他の実施形
態について説明する。
【0076】この実施形態は、図4,図5,図6で示さ
れた実施形態における接着剤層3が、熱硬化性樹脂(3
A)になっていることである。
【0077】ここで、層間接着剤層3として単なる熱可
塑性ポリイミドを使用した場合、ガラス転移点以上に加
熱することにより多層接着(本圧着)することになる。
しかし、この多層接着のための加熱によって導電性樹脂
組成物(導電ペースト)の樹脂の劣化や、金属フィラー
の酸化が起こるために、熱可塑性ポリイミドはガラス転
移点の低いものを使用する必要があった。
【0078】しかしながら、単なる熱可塑性ポリイミド
は加熱するといったん弾性率は低下し、再び冷却すると
弾性率は元に戻る、即ち、熱履歴に対して弾性率が可逆
性を持つという性質を持っている。従って、単にガラス
転移点の低い熱可塑性ポリイミドを接着剤として使用し
た場合、多層配線板製造後のハンダ付けや耐熱試験等で
接着が解除されてしまう場合があった。そこで、逆にガ
ラス転移点は高いものを使用する必要があった。
【0079】従って、単なる熱可塑性ポリイミドを使う
ことによる上記のジレンマを解決するには、そのポリイ
ミド接着剤層3はポリイミドの耐熱性を維持しつつ低温
圧着できなくてはならない。
【0080】そこで、層間の接着剤層3Aに熱可塑性の
接着剤を使用するのではなく、熱硬化性の樹脂(初期状
態は未硬化の状態で、硬化温度以上で硬化し、その後温
度を下げても初期状態には戻らず、硬化したままとな
る)の様な耐熱性のある樹脂を用い、その硬化温度を、
導電ペーストに混ぜられた樹脂の焼けや、フィラーが酸
化しない温度以下とすれば、製造過程で、基板に負荷を
与えずに耐熱性の良い多層配線板を作製することができ
る。
【0081】すなわち、多層配線用基材20は、多層配
線板を構成するための多層配線用の接続材であり、片面
銅張樹脂フィルムからなるFPCを基本として構成され
ている。即ち、多層配線用基材20は、図7(j)に示
すように、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)、液晶ポリマー等の可撓性(屈曲性)
の樹脂フィルム1の一方の面に銅箔2が貼り付けられ、
他方の面に熱硬化性ポリイミド等からなる接着剤層3A
が形成された銅張樹脂フィルム10と、この銅張樹脂フ
ィルム10に形成された貫通孔7(図7(g)参照)に
埋め込まれたインナービアホールを形成する導電ペース
ト12とから構成されている。銅箔2は、エッチング等
により所定の回路パターンを形成している。導電ペース
ト12は、銅箔2側からスクリーン印刷等により埋め込
まれ、銅箔2の開口部の周辺部につば部12aとしては
み出すと共に、導電ペースト12の印刷面側12cが平
らになっており、先端部が突起12bとして接着剤層3
A側から突出している。
【0082】ここで、上記実施形態では、樹脂フィルム
10として可撓性すなわち屈曲性を有する材料を使用し
たが、樹脂フィルム10としてガラスエポキシ材あるい
はアラミドエポキシ材のようなリジット材料を使用する
こともできる。
【0083】なお、上記樹脂フィルム10の他の材料と
しては、BTレジン,PPO,PPE等が使用可能であ
る。
【0084】上記接着剤層3Aは、上記熱硬化性ポリイ
ミドの他に、ガラエポのプリプレグ又はアラミドのプリ
プレグを用いることもできる。
【0085】また、上記接着剤層3Aは、60℃〜25
0℃で硬化する樹脂を用いることが望ましい。
【0086】すなわち、硬化温度が、導電ペーストに混
合された揮発性成分の蒸発温度以上で、かつ導電ペース
トに混ぜられている樹脂の耐熱温度以下で硬化する樹脂
を使用することが望ましい。
【0087】多層配線板は、図7(j)のような構造の
多層配線用基材を複数層(図8及び図9では3層)積み
上げて構成される。図8及び図9に示すように、多層配
線板では、多層配線用基材の貫通孔7に導電ペースト1
2が充填(穴埋め)されているため、ビア・オン・ビア
により各層間の接続が可能となる。
【0088】このように、ビア・オン・ビアの層間接続
を行う際、従来技術で説明したような導電ペースト12
と導電ペースト12の間に銅箔を挟む構成ではなく、直
接、導電ペースト12同士を接続している。
【0089】次に、図7から図9に基づいて、この実施
形態の多層配線板の製造工程(製造方法)について説明
する。
【0090】(1)多層配線用基材の製造工程(図7) まず、図7(a)に示すように、12.5〜50μm厚
のポリイミドからなる樹脂フィルム1の一方の面に、5
〜18μm厚の銅箔2が張り付けられ、他面に、15〜
30μm厚(層間接続をした際の銅箔2の回路パターン
を埋めるだけの厚さ)の熱硬化性ポリイミドからなる接
着剤層3Aが形成された片面銅張樹脂フィルム10を用
意又は作製する。
【0091】次に、図7(b)に示すように、樹脂フィ
ルム1に張り付けられた銅箔2上に、ドライフィルム
(レジスト)4を真空ラミネータ又はロールラミネータ
でラミネートする。次に、図7(c)に示すように、回
路パターンをドライフィルム4上に露光し、その後、現
像する。
【0092】次に、図7(d)に示すように、ドライフ
ィルム4をマスクとして銅箔2をエッチングすることに
より、所定の回路パターンを形成する。このとき、後で
貫通孔7を穴開けする部分である穴開け部5も同時にエ
ッチングして形成しておく。次に、図7(e)に示すよ
うに、銅箔2上のドライフィルム4を剥離し、図7
(f)に示すように、接着剤層3Aの表面にマスク材と
して10〜50μmのマスキングテープ6を張り付け
る。マスキングテープ6としては、PETなどを用いる
ことができる。
【0093】次に、図7(g)に示すように、CO2 レ
ーザなどでレーザ光を穴開け部5に照射することによ
り、マスキングテープ6ごと樹脂フィルム1及び接着剤
層3Aに0.05〜0.3φの貫通孔7を開ける。尚、
貫通孔7の穴開けは、レーザ照射に限るものではなく、
ドリルなどによって穴開けしても構わない。
【0094】ここでは、CO2 レーザで穴開け部5に貫
通孔7を開けているが、この様にすることによってより
小さな穴(50〜250ミクロン)を開けることができ
る。すなわち、穴開け部5を形成しないで銅箔2と共に
貫通孔7を開けようとした場合、上記CO2 レーザ(穴
開け可能範囲:50〜250ミクロン)では困難であ
り、ドリル(穴開け可能範囲:200ミクロン以上)に
よって大きな穴(200ミクロン以上)を開けるしかな
かった。なお、UV−YAGレーザやエクサイマレーザ
のような他のレーザによって小さな穴を開けることもで
きるがコストが非常に高くなり現実的ではなかった。
【0095】なお、ここで、上記貫通孔7は、銅箔2ご
と貫通させたものであるので、銅箔2を残して後述する
導電ペースト12を埋め込んだ場合に生じるところのボ
イドが入りやすい、デスミアが生じやすい等の欠点がな
い。
【0096】次に、図7(h)(i)に示すように、上
記銅箔2およびマスク30上に導電ペースト12を載
せ、ウレタンやシリコン等のスキージ32を矢印Aの方
向に移動させて印刷することにより貫通孔7に導電ペー
スト12を穴埋めするが、このとき、貫通孔7の接着剤
層3A側の出口に導電ペースト12を留めておくために
シリコンあるいはフッ素加工処理された通気性のある離
型紙31を敷いておく。
【0097】ここで、上記離型紙31が通気性を有して
いる理由としては、導電ペースト12の埋め込み時に空
気が逃げるためである。また、上記離型紙31の少なく
とも上面がシリコンあるいはフッ素加工処理されている
理由としては、上記離型紙31と接触した導電ペースト
12が離型紙31からはがれやすくするためであり、後
で離型紙31をはがす時に導電ペースト12が貫通孔7
から脱落しないようにするためである。
【0098】このとき、導電ペースト12は、穴開け部
5からはみ出るように、穴開け部5(貫通孔7)の穴径
よりも1〜5割程度の大きい径でスクリーン印刷され
る。これにより銅箔2のランド部2aと面方向に接続さ
れたつば部12aが形成される。また、この時、導電ペ
ースト12の印刷面側12cが平らになっている。
【0099】尚、導電ペースト12としては、Ag、C
u、C、AgコートCuペーストなどの導電性を示すも
のであれば用いることが可能である。
【0100】また、上記導電ペースト12は、スクリー
ン印刷で埋め込まれているが、スクリーン印刷以外の印
刷技術で埋め込んでも良い。
【0101】次に、離型紙31をはがしオーブンによっ
て80℃で加熱して、導電ペースト12を仮硬化させ、
図7(j)に示すように、マスキングテープ6を剥がす
と、印刷面と反対面側に接着剤層3Aから突出した導電
ペースト12の突起部12bが形成される。この場合
(仮硬化温度80℃)、上記接着剤層3Aは上記仮硬化
温度80℃より高い温度で硬化する樹脂を用いている。
また、上記導電ペースト12によっては仮硬化(溶剤や
空気を飛ばすため)を行わなくても良いものもある。
【0102】これにより、多層配線用基材20が完成す
る。
【0103】(2)多層配線板のプレス工程(図8及び
図9) 図8に示すように、各多層配線用基材(3つの多層配線
用基材)20a,20b,20cには、それぞれ、複数
の回路パターン及び貫通孔7が形成されている。また、
貫通孔7には、導電ペースト12が充填されている。
【0104】図9(a)に示すように、各多層配線用基
材20a〜20c及び最外層の銅箔9上を熱プレスによ
り一括あるいは順次張り合わせ、図9(b)に示すよう
に、最外層の銅箔9上に回路を形成することにより、本
実施形態の多層配線板が完成される。熱プレスによる各
多層配線用基材20a〜20c及び銅箔2の張り合わせ
は、170℃程度に加熱し、9MPa程度でプレスし
て、接着性と流動性を持った熱可塑性ポリイミドの接着
剤層3A内に銅箔2の回路パターンと導電ペースト12
のつば部12aとを埋め込むことによって行われる。こ
のとき、同時に各多層配線用基材20a〜20cの導電
ペースト12同士を熱プレスにて押し固めながら本硬化
させる。
【0105】以上のように、この実施の形態によれば、
層間の接着剤層3Aに熱可塑性の接着剤を使用するので
はなく、熱硬化性の樹脂(初期状態は未硬化の状態で、
硬化温度以上で硬化し、その後温度を下げても初期状態
には戻らず、硬化したままとなる)の様な、ペーストに
混ぜられた樹脂の焼けや、フィラーが酸化しない温度以
下で硬化する熱硬化樹脂を使用すれば、製造過程で、基
板に負荷を与えずに耐熱性の良い多層配線板を作製する
ことができる。また、揮発成分に関しては、通常100
℃前後で蒸発するため、それ以上で硬化する樹脂を使用
すればよい。
【0106】また、多層配線用基材20a〜20cの貫
通孔7に導電ペースト12が穴埋めされているため、ビ
ア・オン・ビアにより各層間の接続が可能となり、ま
た、印刷面に導電ペースト12の突起部12bが形成さ
れているため、ビア・オン・ビアによる層間接続を行う
際に、電気接続性の良い導電ペースト12同士の接続を
容易に行うことが可能となる。
【0107】また、貫通孔7の穴埋め印刷時に、導電ペ
ースト12は、その印刷面側が銅箔2の穴開け部5から
はみ出すように穴埋めされるので、導電ペースト12の
印刷面側のつば部12aが、銅箔2の穴開け部5の側面
及び周縁と確実に接触し、その結果、銅箔2と導電ペー
スト12の電気接続性を低下させずに、銅箔2と導電ペ
ースト12とを接続することが可能となる。
【0108】また、多層配線用基材の製造の過程で、銅
張樹脂フィルム10を用いているので、サンプルの固
定、穴開け、穴埋め工程における位置寸法の精度が維持
されるとともに取り扱いも容易となり、その結果、製造
作業の労力も軽減される。即ち、従来では、可撓性のあ
る厚さの薄い樹脂フィルム(ポリイミドフィルム)1の
まま、サンプルの固定、穴開け、穴埋め工程を行わなけ
ればならなかったが、この実施の形態では、樹脂フィル
ム1に銅箔2及び接着剤層3Aを張り付けた後、サンプ
ルの固定、穴開け、穴埋め工程を行うことができるの
で、穴開け及び導電ペースト12の充填が容易になる。
【0109】また、上記多層配線用基材を用意し、それ
を組み合わせて一括して張り合わせるだけで所望の多層
配線板が形成できるので、プレス工程で多層配線用基材
を加工する必要がなく多層配線板のプレス工程が簡単に
なる。
【0110】次に、図10,図11,図12を参照し
て、本発明による多層配線用基材および多層配線板の他
の実施形態について説明する。
【0111】この実施形態は、図4,図5,図6で示さ
れた実施形態における接着剤層3が、熱硬化機能を付与
した熱可塑性ポリイミド(3B)になっていることであ
る。
【0112】ここで、層間接着剤層3として単なる熱可
塑性ポリイミドを使用した場合、ガラス転移点以上に加
熱することにより多層接着(本圧着)することになる。
しかし、この多層接着のための加熱によって導電性樹脂
組成物(導電ペースト)の樹脂の劣化や、金属フィラー
の酸化が起こるために、熱可塑性ポリイミドはガラス転
移点の低いものを使用する必要があった。
【0113】しかしながら、単なる熱可塑性ポリイミド
は加熱するといったん弾性率は低下し、再び冷却すると
弾性率は元に戻る、即ち、熱履歴に対して弾性率が可逆
性を持つという性質を持っている。従って、単にガラス
転移点の低い熱可塑性ポリイミドを接着剤として使用し
た場合、多層配線板製造後のハンダ付けや耐熱試験等で
接着が解除されてしまう場合があった。そこで、逆にガ
ラス転移点は高いものを使用する必要があった。
【0114】従って、単なる熱可塑性ポリイミドを使う
ことによる上記のジレンマを解決するには、そのポリイ
ミド接着剤層3はポリイミドの耐熱性を維持しつつ低温
圧着できなくてはならない。
【0115】そこで、上記接着剤層3を熱硬化機能を付
与した熱可塑性ポリイミド3Bとすることで、積層時に
導電性樹脂組成物(導電ペースト)を劣化させることな
く、耐熱性の高い多層配線板を製造することが可能にな
る。
【0116】すなわち、多層配線用基材20は、多層配
線板を構成するための多層配線用の接続材であり、片面
銅張樹脂フィルムからなるFPCを基本として構成され
ている。即ち、多層配線用基材20は、図10(j)に
示すように、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)、液晶ポリマー等の可撓性(屈曲
性)の樹脂フィルム1の一方の面に銅箔2が貼り付けら
れ、他方の面に熱硬化機能を付与した熱可塑性ポリイミ
ドからなる接着剤層3Bが形成された銅張樹脂フィルム
10と、この銅張樹脂フィルム10に形成された貫通孔
7(図10(g)参照)に埋め込まれたインナービアホ
ールを形成する導電ペースト12とから構成されてい
る。銅箔2は、エッチング等により所定の回路パターン
を形成している。導電ペースト12は、銅箔2側からス
クリーン印刷等により埋め込まれ、銅箔2の開口部の周
辺部につば部12aとしてはみ出すと共に、導電ペース
ト12の印刷面側12cが平らになっており、先端部が
突起12bとして接着剤層3B側から突出している。
【0117】ここで、上記実施形態では、樹脂フィルム
10として可撓性すなわち屈曲性を有する材料を使用し
たが、樹脂フィルム10としてガラスエポキシ材あるい
はアラミドエポキシ材のようなリジット材料を使用する
こともできる。
【0118】なお、上記樹脂フィルム10の材料として
は、他にBTレンジ,PPO,PPE等が使用可能であ
る。
【0119】また、接着剤層3Bには、ガラス転移温度
70℃〜90℃で弾性率600〜1400MPaで硬化
温度が150℃〜200℃の熱硬化性機能を付与した熱
可塑性ポリイミドが用いられている。
【0120】多層配線板は、図10(j)のような構造
の多層配線用基材を複数層(図11及び図12では3
層)積み上げて構成される。図11及び図12に示すよ
うに、多層配線板では、多層配線用基材の貫通孔7に導
電ペースト12が充填(穴埋め)されているため、ビア
・オン・ビアにより各層間の接続が可能となる。
【0121】このように、ビア・オン・ビアの層間接続
を行う際、従来技術で説明したような導電ペースト12
と導電ペースト12の間に銅箔を挟む構成ではなく、直
接、導電ペースト12同士を接続している。
【0122】次に、図10から図12に基づいて、この
実施形態の多層配線板の製造工程(製造方法)について
説明する。
【0123】(1)多層配線用基材の製造工程(図1
0) まず、図10(a)に示すように、12.5〜50μm
厚のポリイミドからなる樹脂フィルム1の一方の面に、
5〜18μm厚の銅箔2が張り付けられ、他面に、15
〜30μm厚(層間接続をした際の銅箔2の回路パター
ンを埋めるだけの厚さ)の熱硬化機能を付与した熱可塑
性ポリイミドからなる接着剤層3Bが形成された片面銅
張樹脂フィルム10を用意又は作製する。
【0124】すなわち、ここで、片面銅貼りのポリイミ
ド樹脂フィルム1の他面に、熱硬化機能が付与された熱
可塑性ポリイミドであるポリイミド系ボンディングシー
トからなる接着剤層3Bが、ガラス転移温度(70℃〜
90℃)より高く、後述する多層配線板のプレス工程時
(積層時)の本圧着時の硬化温度(約180℃)より低
い温度(約100℃)で短時間(約10分)に圧力40
kgf/cm2で仮圧着される。
【0125】ここで、上記熱硬化機能が付与された熱可
塑性ポリイミドであるポリイミド系ボンディングシート
3Bとしては、新日鐵化学株式会社のポリイミド系接着
シートのSPBシリーズ等が用いられる。なお、上記新
日鐵化学株式会社のポリイミド系接着シートのSPBシ
リーズにおける熱硬化機能が付与された熱可塑性ポリイ
ミドの製造方法等は、日本特許出願:特願平10−37
700(特開平11―228825)、1998年2月
19日出願および特願平10−145872(特開平1
1―335555)、1998年5月27日出願に開示
されている。
【0126】次に、図10(b)に示すように、樹脂フ
ィルム1に張り付けられた銅箔2上に、ドライフィルム
(レジスト)4を真空ラミネータ又はロールラミネータ
でラミネートする。次に、図10(c)に示すように、
回路パターンをドライフィルム4上に露光し、その後、
現像する。
【0127】次に、図10(d)に示すように、ドライ
フィルム4をマスクとして銅箔2をエッチングすること
により、所定の回路パターンを形成する。このとき、後
で貫通孔7を穴開けする部分である穴開け部5も同時に
エッチングして形成しておく。次に、図10(e)に示
すように、銅箔2上のドライフィルム4を剥離し、図1
0(f)に示すように、接着剤層3Bの表面にマスク材
として10〜50μmのマスキングテープ6を張り付け
る。マスキングテープ6としては、PETなどを用いる
ことができる。
【0128】次に、図10(g)に示すように、CO2
レーザなどでレーザ光を穴開け部5に照射することによ
り、マスキングテープ6ごと樹脂フィルム1及び接着剤
層3に0.05〜0.3mmφの貫通孔7を開ける。
尚、貫通孔7の穴開けは、レーザ照射に限るものではな
く、ドリルなどによって穴開けしても構わない。
【0129】ここでは、CO2 レーザで穴開け部5に貫
通孔7を開けているが、この様にすることによってより
小さな穴(50〜250ミクロン)を開けることができ
る。すなわち、穴開け部5を形成しないで銅箔2と共に
貫通孔7を開けようとした場合、上記CO2 レーザ(穴
開け可能範囲:50〜250ミクロン)では困難であ
り、ドリル(穴開け可能範囲:200ミクロン以上)に
よって大きな穴(200ミクロン以上)を開けるしかな
かった。なお、UV−YAGレーザやエクサイマレーザ
のような他のレーザによって小さな穴を開けることもで
きるがコストが非常に高くなり現実的ではなかった。
【0130】なお、ここで、上記貫通孔7は、銅箔2ご
と貫通させたものであるので、銅箔2を残して後述する
導電ペースト12を埋め込んだ場合に生じるところのボ
イドが入りやすい、デスミアが生じやすい等の欠点がな
い。
【0131】次に、図10(h)(i)に示すように、
上記銅箔2およびマスク30上に導電ペースト12を載
せ、ウレタンやシリコン等のスキージ32を矢印Aの方
向に移動させて印刷することにより貫通孔7に導電ペー
スト12を穴埋めするが、このとき、貫通孔7の接着剤
層3側の出口に導電ペースト12を留めておくためにシ
リコンあるいはフッ素加工処理された通気性のある離型
紙31を敷いておく。
【0132】ここで、上記離型紙31が通気性を有して
いる理由としては、導電ペースト12の埋め込み時に空
気が逃げるためである。また、上記離型紙31の少なく
とも上面がシリコンあるいはフッ素加工処理されている
理由としては、上記離型紙31と接触した導電ペースト
12が離型紙31からはがれやすくするためであり、後
で離型紙31をはがす時に導電ペースト12が貫通孔7
から脱落しないようにするためである。
【0133】このとき、導電ペースト12は、穴開け部
5からはみ出るように、穴開け部5(貫通孔7)の穴径
よりも1〜5割程度の大きい径でスクリーン印刷され
る。これにより銅箔2のランド部2aと面方向に接続さ
れたつば部12aが形成される。また、この時、導電ペ
ースト12の印刷面側12cが平らになっている。
【0134】尚、導電ペースト12としては、Ag、C
u、C、AgコートCuペーストなどの導電性を示すも
のであれば用いることが可能である。
【0135】また、上記導電ペースト12は、スクリー
ン印刷で埋め込まれているが、スクリーン印刷以外の印
刷技術で埋め込んでも良い。
【0136】次に、離型紙31をはがしオーブンによっ
て80℃で加熱して、導電ペースト12を仮硬化させ、
図10(j)に示すように、マスキングテープ6を剥が
すと、印刷面と反対面側に接着剤層3Bから突出した導
電ペースト12の突起部12bが形成される。これによ
り、多層配線用基材20が完成する。
【0137】(2)多層配線板のプレス工程(図11及
び図12) 図11に示すように、各多層配線用基材(3つの多層配
線用基材)20a,20b,20cには、それぞれ、複
数の回路パターン及び貫通孔7が形成されている。ま
た、貫通孔7には、導電ペースト12が充填されてい
る。
【0138】図12(a)に示すように、各多層配線用
基材20a〜20c及び最外層の銅箔9上を熱プレスに
より一括あるいは順次張り合わせ、図12(b)に示す
ように、最外層の銅箔9上に回路を形成することによ
り、本実施形態の多層配線板が完成される。熱プレスに
よる各多層配線用基材20a〜20c及び銅箔2の張り
合わせは、180℃程度に加熱し、60分間40kgf
/cm2程度でプレス(本圧着)して、接着性と流動性
を持った熱可塑性ポリイミドの接着剤層3B内に銅箔2
の回路パターンと導電ペースト12のつば部12aとを
埋め込むことによって行われる。このとき、同時に各多
層配線用基材20a〜20cの導電ペースト12同士を
熱プレスにて押し固めながら本硬化させる。
【0139】この本圧着時に、加熱温度が180℃と低
いので導電性樹脂組成物(導電ペースト12)が劣化す
ることがない。
【0140】また、この時、多層配線板がカール(湾
曲)することは無かった。すなわち、加熱時の加熱によ
って接着層が収縮、あるいは膨張するが、断面に中心対
称性がある場合にはこれらは相殺されるが、特にポリイ
ミドフィルムは基板断面に中心対称性がない非常に屈曲
性の高い基材であるために加熱時のカールは著しい。し
かしながら、この実施形態によれば、加熱温度を約28
0℃から180℃に下げられるのでカールが生じない。
【0141】以上のように、この実施の形態によれば、
接着剤層3Bに、熱硬化機能を付与した熱可塑性ポリイ
ミドボンディングシートを用いているので、積層時(本
圧着時)に導電性樹脂組成物(導電ペースト12)を劣
化させることなく、またカール(湾曲)の生じることな
く多層配線板を作製できる。
【0142】また、多層配線用基材20a〜20cの貫
通孔7に導電ペースト12が穴埋めされているため、ビ
ア・オン・ビアにより各層間の接続が可能となり、ま
た、印刷面に導電ペースト12の突起部12bが形成さ
れているため、ビア・オン・ビアによる層間接続を行う
際に、電気接続性の良い導電ペースト12同士の接続を
容易に行うことが可能となる。
【0143】また、貫通孔7の穴埋め印刷時に、導電ペ
ースト12は、その印刷面側が銅箔2の穴開け部5から
はみ出すように穴埋めされるので、導電ペースト12の
印刷面側のつば部12aが、銅箔2の穴開け部5の側面
及び周縁と確実に接触し、その結果、銅箔2と導電ペー
スト12の電気接続性を低下させずに、銅箔2と導電ペ
ースト12とを接続することが可能となる。
【0144】また、多層配線用基材の製造の過程で、銅
張樹脂フィルム10を用いているので、サンプルの固
定、穴開け、穴埋め工程における位置寸法の精度が維持
されるとともに取り扱いも容易となり、その結果、製造
作業の労力も軽減される。即ち、従来では、可撓性のあ
る厚さの薄い樹脂フィルム(ポリイミドフィルム)1の
まま、サンプルの固定、穴開け、穴埋め工程を行わなけ
ればならなかったが、この実施の形態では、樹脂フィル
ム1に銅箔2及び接着剤層3Bを張り付けた後、サンプ
ルの固定、穴開け、穴埋め工程を行うことができるの
で、穴開け及び導電ペースト12の充填が容易になる。
【0145】また、上記多層配線用基材を用意し、それ
を組み合わせて一括して張り合わせるだけで所望の多層
配線板が形成できるので、プレス工程で多層配線用基材
を加工する必要がなく多層配線板のプレス工程が簡単に
なる。
【0146】なお、前記図1(i),4(i),7
(j),10(j)に示した多層配線用基板20におけ
る貫通孔7および導電ペースト8,12の平面から見た
形状(図1(i),4(i),7(j),10(j)の
上から見た形状)は通常円形状となっているがこれに限
定されず他の形状でもよい。
【0147】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、樹脂フ
ィルムの一方の面に銅箔が貼り付けられ、他方の面に接
着剤層が形成された銅張樹脂フィルムに貫通孔を形成
し、導電ペーストを埋め込むようにしているので、樹脂
フィルム単独で貫通孔を形成し、導電ペーストを埋め込
む場合に比べ、厚みが厚くなる分だけ貫通孔が形成し易
く、また、導電ペーストも埋め込みやすくなる。
【0148】また、本発明によれば、多層配線用基材の
導電ペーストを、銅張樹脂フィルムの貫通孔に、先端が
接着剤層側に突出するように、銅箔側からスクリーン印
刷によって埋め込むようにしているので、多層配線用基
材を複数積層した場合、導電ペーストの先端が隣接する
多層配線用基材の銅箔又は導電ペーストに確実に接続さ
れ、多層配線板として構成した場合に、層間の電気接続
性を格段に向上させることができる。特に銅箔を介さな
い導電ペースト同士の直接接続は、電気的接続性の向上
に寄与する。
【0149】以上のことから、本発明によれば、ビア・
オン・ビアやチップ・オン・ビアが可能であり、また高
密度実装が可能でかつ可撓性のあるFPCを容易に多層
配線化することができるという効果を奏する。
【0150】また、本発明によれば、接着剤層に熱硬化
性の樹脂を使用しているので、製造過程において多層配
線用基材に負荷を与えずに耐熱性のすぐれた多層配線板
が得られる。
【0151】また、本発明によれば、接着剤層に熱硬化
機能を付与した熱可塑性樹脂を使用しているので、積層
時に導電性樹脂組成物(導電性ペースト)を劣化させる
ことなく耐熱性の高い多層配線板およびカールのない多
層配線板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る多層配線板を構成す
る多層配線用基材を製造工程順に示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る多層配線板を製造工
程順に示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る多層配線板を製造工
程順に示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る多層配線板を構成
する多層配線用基材を製造工程順に示す断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る多層配線板を製造
工程順に示す断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る多層配線板を製造
工程順に示す断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る多層配線板を構成
する多層配線用基材を製造工程順に示す断面図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る多層配線板を製造
工程順に示す断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係る多層配線板を製造
工程順に示す断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係る多層配線板を構
成する多層配線用基材を製造工程順に示す断面図であ
る。
【図11】本発明の他の実施形態に係る多層配線板を製
造工程順に示す断面図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係る多層配線板を製
造工程順に示す断面図である。
【符号の説明】 1…樹脂フィルム、2…銅箔、3…接着剤層、4…ドラ
イフィルム、5…穴開け部、6…マスキングテープ、7
…貫通孔、8…導電ペースト、9…銅箔、10…銅張樹
脂フィルム、20,20’…多層配線用基材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中尾 知 千葉県佐倉市六崎1440 株式会社フジクラ 佐倉事業所内 Fターム(参考) 5E346 AA12 AA15 AA16 AA43 CC08 CC10 CC32 CC41 DD02 DD12 DD32 DD44 EE04 FF18 GG15 GG18 GG19 GG22 GG23 GG28 HH07 HH33

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性を有する樹脂フィルムの一方の面
    に銅箔が貼り付けられると共に他方の面に接着剤層が形
    成され、前記銅箔、樹脂フィルム及び接着剤層を貫通す
    るように貫通孔が形成された銅張樹脂フィルムと、 この銅張樹脂フィルムの貫通孔に、前記銅箔側から先端
    が前記接着剤層側に突出するようにスクリーン印刷によ
    り埋め込まれた導電ペーストとを備えてなることを特徴
    とする多層配線用基材。
  2. 【請求項2】 前記導電ペーストは、前記銅箔の貫通孔
    の開口部周辺にはみ出るように前記貫通孔に埋め込まれ
    ていることを特徴とする請求項1記載の多層配線用基
    材。
  3. 【請求項3】 前記接着剤層は、熱可塑性接着剤からな
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の多層配
    線用基材。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の多層
    配線用基材を、前記導電ペーストの先端が隣接する多層
    配線用基材の銅箔又は導電ペーストと接続されるように
    複数積層してなる多層配線板。
  5. 【請求項5】 可撓性を有する樹脂フィルムの一方の面
    に銅箔が貼り付けられ、前記樹脂フィルムの他方の面に
    接着剤層が形成された銅張樹脂フィルムに、前記銅箔、
    樹脂フィルム及び接着剤層を貫通する貫通孔を形成する
    工程と、 前記貫通孔に、前記銅箔側から先端が前記接着剤層側に
    突出するようにスクリーン印刷により導電ペーストを埋
    め込む工程とを備えてなることを特徴とする多層配線用
    基材の製造方法。
  6. 【請求項6】 可撓性を有する樹脂フィルムの一方の面
    に銅箔が貼り付けられ、前記樹脂フィルムの他方の面に
    接着剤層が形成された銅張樹脂フィルムに、前記銅箔を
    エッチングして所定の回路パターンを形成する工程と、 前記回路パターンが形成された銅張樹脂フィルムの前記
    接着剤層側にマスク層を形成する工程と、 前記銅箔、樹脂フィルム、接着剤層及びマスク材を貫通
    する貫通孔を形成する工程と、 前記貫通孔に、前記銅箔側からスクリーン印刷により導
    電ペーストを埋め込む工程と、 前記マスク材を除去する工程とを備えてなることを特徴
    とする多層配線用基材の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜3のいずれか1項記載の多層
    配線用基材を、前記導電ペーストの先端が隣接する多層
    配線用基材の銅箔又は導電ペーストと接続されるように
    複数積層して前記接着剤層によって貼り合わせるように
    したことを特徴とする多層配線板の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記多層配線用基材を貼り合わせると同
    時に導電ペーストを本硬化させるようにしたことを特徴
    とする請求項7記載の多層配線板の製造方法。
  9. 【請求項9】 樹脂フィルムの一方の面に銅箔が貼り付
    けられると共に他方の面に接着剤層が形成され、前記銅
    箔、樹脂フィルム及び接着剤層を貫通するように貫通孔
    が形成された銅張樹脂フィルムと、 この銅張樹脂フィルムの貫通孔に、前記銅箔側から先端
    が前記接着剤層より突出するように埋め込まれた導電ペ
    ーストとを備えてなることを特徴とする多層配線用基
    材。
  10. 【請求項10】 樹脂フィルムの一方の面に銅箔が貼り
    付けられ、前記樹脂フィルムの他方の面に接着剤層が形
    成された銅張樹脂フィルムに、前記銅箔、樹脂フィルム
    及び接着剤層を貫通する貫通孔を形成する工程と、 前記貫通孔に、前記銅箔側から先端が前記接着剤層より
    突出するように導電ペーストを埋め込む工程とを備えて
    なることを特徴とする多層配線用基材の製造方法。
  11. 【請求項11】 樹脂フィルムの一方の面に銅箔が貼り
    付けられると共に他方の面に熱硬化性の樹脂からなる接
    着剤層が形成され、前記銅箔、樹脂フィルム及び接着剤
    層を貫通するように貫通孔が形成された銅張樹脂フィル
    ムと、 この銅張樹脂フィルムの貫通孔に、前記銅箔側から先端
    が前記接着剤層側に突出するように埋め込まれた導電ペ
    ーストとを備えてなることを特徴とする多層配線用基
    材。
  12. 【請求項12】 前記導電ペーストは、前記銅箔の貫通
    孔の開口部周辺にはみ出るように前記貫通孔に埋め込ま
    れていることを特徴とする請求項11記載の多層配線用
    基材。
  13. 【請求項13】 請求項11,12のいずれか1項記載
    の多層配線用基材を、前記導電ペーストの先端が隣接す
    る多層配線用基材の銅箔又は導電ペーストと接続される
    ように複数積層してなる多層配線板。
  14. 【請求項14】 樹脂フィルムの一方の面に銅箔が貼り
    付けられ、前記樹脂フィルムの他方の面に熱硬化性の樹
    脂からなる接着剤層が形成された銅張樹脂フィルムに、
    前記銅箔、樹脂フィルム及び接着剤層を貫通する貫通孔
    を形成する工程と、 前記貫通孔に、前記銅箔側から先端が前記接着剤層側に
    突出するように導電ペーストを埋め込む工程とを備えて
    なることを特徴とする多層配線用基材の製造方法。
  15. 【請求項15】 可撓性を有する樹脂フィルムの一方の
    面に銅箔が貼り付けられ、前記樹脂フィルムの他方の面
    に熱硬化性の樹脂からなる接着剤層が形成された銅張樹
    脂フィルムに、前記銅箔をエッチングして所定の回路パ
    ターンを形成する工程と、 前記回路パターンが形成された銅張樹脂フィルムの前記
    接着剤層側にマスク層を形成する工程と、 前記銅箔、樹脂フィルム、接着剤層及びマスク材を貫通
    する貫通孔を形成する工程と、 前記貫通孔に、前記銅箔側から導電ペーストを埋め込む
    工程と、 前記マスク材を除去する工程とを備えてなることを特徴
    とする多層配線用基材の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項11,12のいずれか1項記載
    の多層配線用基材を、前記導電ペーストの先端が隣接す
    る多層配線用基材の銅箔又は導電ペーストと接続される
    ように複数積層して前記接着剤層によって貼り合わせる
    ようにしたことを特徴とする多層配線板の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記多層配線用基材を貼り合わせると
    同時あるいはその後に導電ペーストを本硬化させるよう
    にしたことを特徴とする請求項16記載の多層配線板の
    製造方法。
  18. 【請求項18】 前記接着剤層は、熱硬化型のポリイミ
    ドからなることを特徴とする請求項11,12,14,
    又は15記載の多層配線用基材および多層配線用基材の
    製造方法。
  19. 【請求項19】 前記接着剤層は、ガラエポのプリプレ
    グからなることを特徴とする請求項11,12,14,
    又は15記載の多層配線用基材および多層配線用基材の
    製造方法。
  20. 【請求項20】 前記接着剤層は、アラミドのプリプレ
    グからなることを特徴とする請求項11,12,14,
    又は15記載の多層配線用基材および多層配線用基材の
    製造方法。
  21. 【請求項21】 前記接着剤層は、60℃〜250℃で
    硬化する樹脂からなることを特徴とする請求項11,1
    2,14,又は15記載の多層配線用基材および多層配
    線用基材の製造方法。
  22. 【請求項22】 樹脂フィルムの一方の面に銅箔が貼り
    付けられると共に他方の面に熱硬化機能を付与した熱可
    塑性樹脂から成る接着剤層が形成され、前記銅箔、樹脂
    フィルム及び接着剤層を貫通するように貫通孔が形成さ
    れた銅張樹脂フィルムと、 この銅張樹脂フィルムの貫通孔に、前記銅箔側から先端
    が前記接着剤層側に突出するように埋め込まれた導電ペ
    ーストとを備えてなることを特徴とする多層配線用基
    材。
  23. 【請求項23】 前記導電ペーストは、前記銅箔の貫通
    孔の開口部周辺にはみ出るように前記貫通孔に埋め込ま
    れていることを特徴とする請求項22記載の多層配線用
    基材。
  24. 【請求項24】 請求項22,23のいずれか1項記載
    の多層配線用基材を、前記導電ペーストの先端が隣接す
    る多層配線用基材の銅箔又は導電ペーストと接続される
    ように複数積層してなる多層配線板。
  25. 【請求項25】 樹脂フィルムの一方の面に銅箔が貼り
    付けられ、前記樹脂フィルムの他方の面に熱硬化機能を
    付与した熱可塑性樹脂から成る接着剤層が形成された銅
    張樹脂フィルムに、前記銅箔、樹脂フィルム及び接着剤
    層を貫通する貫通孔を形成する工程と、 前記貫通孔に、前記銅箔側から先端が前記接着剤層側に
    突出するように導電ペーストを埋め込む工程とを備えて
    なることを特徴とする多層配線用基材の製造方法。
  26. 【請求項26】 可撓性を有する樹脂フィルムの一方の
    面に銅箔が貼り付けられ、前記樹脂フィルムの他方の面
    に熱硬化機能を付与した熱可塑性樹脂から成る接着剤層
    が形成された銅張樹脂フィルムに、前記銅箔をエッチン
    グして所定の回路パターンを形成する工程と、 前記回路パターンが形成された銅張樹脂フィルムの前記
    接着剤層側にマスク層を形成する工程と、 前記銅箔、樹脂フィルム、接着剤層及びマスク材を貫通
    する貫通孔を形成する工程と、 前記貫通孔に、前記銅箔側からスクリーン印刷により導
    電ペーストを埋め込む工程と、 前記マスク材を除去する工程とを備えてなることを特徴
    とする多層配線用基材の製造方法。
  27. 【請求項27】 請求項22,23のいずれか1項記載
    の多層配線用基材を、前記導電ペーストの先端が隣接す
    る多層配線用基材の銅箔又は導電ペーストと接続される
    ように複数積層して前記接着剤層によって約180℃の
    加熱圧着で貼り合わせるようにしたことを特徴とする多
    層配線板の製造方法。
  28. 【請求項28】 前記多層配線用基材を貼り合わせると
    同時あるいはその後に導電ペーストを本硬化させるよう
    にしたことを特徴とする請求項27記載の多層配線板の
    製造方法。
  29. 【請求項29】 前記接着剤層は、熱硬化機能を付与し
    た熱可塑性ポリイミドからなることを特徴とする請求項
    22,23,25又は26記載の多層配線用基材および
    多層配線用基材の製造方法。
  30. 【請求項30】 前記樹脂フィルムの他方の面に熱硬化
    機能を付与した熱可塑性樹脂から成る接着剤層を形成す
    る際に、前記樹脂フィルムの他方の面に、熱硬化性機能
    を付与した熱可塑性ポリイミドであるポリイミド系ボン
    ディングシートをガラス転移温度より高く硬化温度(本
    圧着)より低い温度で仮圧着して形成することを特徴と
    する請求項25又は26に記載の多層配線用基材の製造
    方法。
  31. 【請求項31】 前記接着剤層は、ガラス転移温度70
    ℃〜90℃、弾性率600〜1400MPaの熱硬化性
    機能を付与した熱可塑性ポリイミドからなることを特徴
    とする請求項22,23,25又は26記載の多層配線
    用基材および多層配線用基材の製造方法。
  32. 【請求項32】 前記樹脂フィルムが可撓性を有する材
    料からなることを特徴とする請求項9,11,22のい
    ずれか1つに記載の多層配線用基材。
  33. 【請求項33】 前記樹脂フィルムがリジット材料から
    なることを特徴とする請求項9,11,22のいずれか
    1つに記載の多層配線用基材。
  34. 【請求項34】 前記樹脂フィルムが可撓性を有する材
    料からなることを特徴とする請求項13あるいは24に
    記載の多層配線板。
  35. 【請求項35】 前記樹脂フィルムがリジット材料から
    なることを特徴とする請求項13あるいは24に記載の
    多層配線板。
  36. 【請求項36】 前記樹脂フィルムが可撓性を有する材
    料からなることを特徴とする請求項10,15,25,
    26のいずれか1つに記載の多層配線用基材の製造方
    法。
  37. 【請求項37】 前記樹脂フィルムがリジット材料から
    なることを特徴とする請求項10,15,25,26の
    いずれか1つに記載の多層配線用基材の製造方法。
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