JP2002353580A - 回路基板用絶縁材,回路基板およびその製造方法 - Google Patents

回路基板用絶縁材,回路基板およびその製造方法

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JP2002353580A
JP2002353580A JP2001154440A JP2001154440A JP2002353580A JP 2002353580 A JP2002353580 A JP 2002353580A JP 2001154440 A JP2001154440 A JP 2001154440A JP 2001154440 A JP2001154440 A JP 2001154440A JP 2002353580 A JP2002353580 A JP 2002353580A
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circuit board
resin
halogen
insulating layer
flame retardant
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JP2001154440A
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English (en)
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Yoshihiro Kawakita
嘉洋 川北
Fumio Echigo
文雄 越後
Kazunori Menya
和則 面屋
Takashi Obayashi
孝志 大林
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】回路基板のハロゲンフリー化と難燃化とを両立
させ,かつ基板特性の低下をはじめとする非ハロゲン系
難燃剤による不具合を改善する。 【解決手段】ハロゲンフリー化による基板特性の低下を
回路基板の構成によって改善する。本発明の非ハロゲン
系回路基板は,各絶縁層の表面から内部方向に非ハロゲ
ン系難燃剤の含有率が小さくなる,あるいは各絶縁層に
おける(125℃におけるヤング率)/(25℃におけ
るヤング率)が0.8以上であることを特徴とする。ま
た,本発明の回路基板は,最外絶縁層が含む非ハロゲン
系難燃剤の含有率が内層絶縁層が含む含有率より小さ
い,あるいは最外絶縁層の125℃でのヤング率が内層
絶縁層の125℃でのヤング率より大きいことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器に使用す
る回路基板に関するものであり,特に地球環境に対して
負荷の小さい非ハロゲン系材料を用いた回路基板に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】回路基板は,安全性の観点から火災防止
を目的に難燃剤を絶縁層の樹脂に添加あるいは反応させ
て難燃化している。この難燃剤として,高い難燃効果を
有し,かつ回路基板における基板特性を確保しやすい臭
素系難燃剤が主に使われている。しかし,近年,地球的
規模での環境対策意識が高まる中,回路基板を焼却処分
する際,この臭素をはじめとするハロゲン系難燃剤が燃
焼条件によっては有毒ガスを発生すると問題視されてい
る。これに伴い,回路基板の環境対応材料の研究開発が
進められ,特に絶縁材料のハロゲンフリー化が急速に進
められている。
【0003】一般的にハロゲンフリー化された回路基板
(以下,非ハロゲン系回路基板という)において,従来
のハロゲン系難燃剤を使用した回路基板(以下,ハロゲ
ン系回路基板という)と同等の難燃性,すなわちUL9
4−V0レベル(炎を取去った後の有炎燃焼時間が10
秒以内)の難燃性を目標として様々な開発が進められて
いる。その従来の技術として,リン系,窒素系等の非ハ
ロゲン系難燃剤,あるいは金属水酸化物等の数種類を組
み合わせて絶縁層に添加するような材料配合による技
術,また,絶縁層の樹脂骨格にリン,窒素,ケイ素等の
難燃効果のある元素を組み込む技術,あるいは化学構造
的に燃焼性を低下させるような樹脂,具体的には芳香環
濃度を大きくするような化学構造を持つ樹脂を用いる技
術,さらには充填剤的な難燃剤ではその表面処理および
充填プロセスからの技術等によって非ハロゲン系回路基
板が開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の非ハロゲン系回
路基板は,そのハロゲンフリー化とUL94−V0レベ
ルの難燃性とを両立するために,上記したような絶縁材
料の開発が主に行われている。しかし,従来技術におい
て,回路基板の難燃性は十分に確保できるが,配線層と
絶縁層との接着強度(以下,ピール強度という)の低下
をはじめとする機械強度,あるいはガラス転移温度の低
下をはじめとする耐熱性等における基板特性の低下が否
めない。このような基板特性の低下を改善する試みとし
て,上記のような材料組成,あるいは樹脂および難燃剤
における化学構造面での開発といった従来技術を発展さ
せるような開発が中心に行われているが,回路基板の構
造からの改善による技術開発はほとんど見当たらない。
【0005】そこで,本発明は前記従来の問題を解決す
るため,回路基板のハロゲンフリー化と難燃化との両立
は勿論のこと,ハロゲンフリー化による基板特性の低下
を回路基板あるいはその絶縁材料の構成によって改善す
ることを目的とする。すなわち,種々の非ハロゲン系の
難燃剤を効率よく回路基板に適用し,その難燃剤による
不具合を改善することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】以下の本発明の説明の前
に用語の意味を説明をする。本発明における「非ハロゲ
ン系」とは,ハロゲン化化合物を含まないことを意味
し,樹脂の反応残基および不純物のハロゲンは対象外と
する。また,「非ハロゲン系難燃剤」とは,難燃効果を
有する物質であるが,本発明では水酸化アルミニウムあ
るいは水酸化マグネシウム等の難燃効果を有する無機フ
ィラーは含まず,難燃効果のある有機物あるいは有機物
塩のことを意味する。ただし,水酸化アルミニウムある
いは水酸化マグネシウム等の難燃効果を有する無機フィ
ラーは,「無機フィラー」の語句に含まれる。
【0007】前記目的を達成するため、本発明の第1の
回路基板用絶縁材は,半硬化状態の非ハロゲン系樹脂と
補強材とからなり,かつその樹脂が非ハロゲン系難燃剤
を含む回路基板用絶縁材であって,この回路基板用絶縁
材の表面から内部方向にその難燃剤の含有率が小さくな
ることを特徴とする。
【0008】また,本発明の第2の回路基板用絶縁材
は,半硬化状態の非ハロゲン系樹脂と補強材とからな
り,かつその樹脂が非ハロゲン系難燃剤を含む回路基板
用絶縁材であって,この回路基板用絶縁材を硬化した硬
化物の125℃におけるヤング率の,その硬化物の25
℃におけるヤング率に対する比が0.8以上であること
を特徴とする。
【0009】また,本発明の第1の回路基板は,非ハロ
ゲン系絶縁層と配線層とが交互に積層された2層以上の
回路基板であって,少なくとも最外層の絶縁層に前記第
1あるいは第2の回路基板用絶縁材のいずれかを用いて
構成することを特徴とする。
【0010】先ず,本発明の第1の回路基板用絶縁材を
用いた回路基板について説明する。この構成であれば,
配線層と絶縁層との界面近傍における難燃剤の濃度が大
きく,一方,絶縁層内部における難燃剤の濃度は小さく
なる。一般的な非ハロゲン系難燃剤,例えばリン系難燃
剤は熱可塑効果を有するため,回路基板の耐熱性が低下
する。しかし,この構成であれば,配線層と絶縁層との
界面近傍のみ可塑化されるが,絶縁層内部は可塑化され
難くなる。したがって,配線層と絶縁層との界面近傍で
は,この熱可塑効果によって逆に配線層と絶縁層との間
の熱膨張差による歪みを緩和することができるため,本
発明の第1の回路基板用絶縁材を用いた回路基板はピー
ル強度をハロゲン系回路基板と同等以上にすることがで
きる。さらに,絶縁層内部は難燃剤による影響が小さい
ため,従来のハロゲン系回路基板並みの耐熱性を確保す
ることができる。また、絶縁層表面近傍における難燃剤
の濃度が大きくなり、表面の難燃性が良好となるため、
所望の難燃性を確保するための難燃剤の必要量を少なく
することができる。
【0011】次に,本発明の第2の回路基板用絶縁材を
用いて回路基板を作製した場合について説明する。この
構成であれば,絶縁層のヤング率において,(125℃
のヤング率)/(25℃のヤング率)が0.8以上とな
る回路基板を提供できる。ヤング率の比がこの範囲に収
まるように種々の非ハロゲン系難燃剤を用いて絶縁材料
の組成を決定すれば,高温時におけるピール強度,熱膨
張係数(特に厚み方向)等の熱的な基板特性において,
ハロゲン系回路基板並みの水準を非ハロゲン系回路基板
で容易に達成することができ,さらに基板信頼性につい
ても同様のことである。したがって,このヤング率の比
を指標とすることで,ハロゲン系回路基板と同水準の基
板特性を有する非ハロゲン系回路基板の材料開発を極め
て容易にすることができる。なお,125℃のヤング率
で規定したことは,実使用上,回路基板が到達しうる温
度を想定しているためである。
【0012】また,本発明の第2の回路基板は,非ハロ
ゲン系絶縁層と配線層とが交互に積層され,かつ非ハロ
ゲン系難燃剤を少なくとも内層の絶縁層に含む4層以上
の回路基板であって,最外層の絶縁層における難燃剤の
含有率が,内層すなわち最外層を除く絶縁層における難
燃剤の含有率より小さいことを特徴とする。
【0013】この構成であれば,最外層に位置する絶縁
層における非ハロゲン系難燃剤の含有率が通常必要とさ
れる含有率(例えば,UL94−V0クラスの難燃を確
保するための含有率)より小さいため,その難燃剤によ
るピール強度の低下を抑制することができる。また,最
外層における難燃剤の含有率が小さいため,回路基板の
耐熱性も十分に確保できる。さらに,最外層の絶縁層に
おける難燃剤の減少分を内層絶縁層に加えても,部品が
実装される最外層の配線層のピール強度の低下は起こる
ことはなく,必要とする難燃性を十分に確保できる。
【0014】また,本発明の第3の回路基板は,非ハロ
ゲン系絶縁層と配線層とが交互に積層され,かつ非ハロ
ゲン系難燃剤を少なくとも内層の絶縁層に含む4層以上
の回路基板であって,125℃における最外層の絶縁層
のヤング率が,内層すなわち最外層を除く絶縁層のそれ
より大きいことを特徴とする。絶縁層における非ハロゲ
ン系難燃剤の含有率が通常必要とされる含有率(UL9
4−V0クラスの難燃を確保するための含有率)であれ
ば,基板特性(ピール強度,耐熱性等)の低下が大きく
なることがある。しかし,本発明の第3の回路基板の構
成であれば,このような絶縁層を回路基板の内層に配置
して,最外層に耐熱性のより高い絶縁層,すなわち12
5℃におけるヤング率が内層の絶縁層より大きな絶縁層
を配置させることで,非ハロゲン系で耐熱性が十分確保
できる回路基板を提供することができる。また,最外層
の耐熱性の低下を極めて良好に抑制できるため,高温時
のピール強度の低下も極めて小さい。さらに,難燃化に
ついては回路基板全体として必要な難燃剤を内層に添加
することで十分に確保できる。
【0015】また,本発明の第4の回路基板は,非ハロ
ゲン系絶縁層と配線層とが交互に積層された4層以上の
回路基板であって,少なくとも最外層の絶縁層が難燃性
化合物からなり,かつその難燃化合物からなる層を除く
絶縁層に非ハロゲン系難燃剤を含むことを特徴とする。
本発明の第3の回路基板とほぼ同様の構成で,かつ同様
の効果はあるが,より耐熱性の高い非ハロゲン系回路基
板を提供することができる。すなわち,最外層の絶縁層
に難燃剤が全くといって良いほど用いられていない難燃
性化合物を配置することができるためである。
【0016】また,本発明の第1の回路基板の製造方法
は,非ハロゲン系の回路基板用絶縁材の両面に非ハロゲ
ン系の樹脂シートを重ね,さらにその両面に離形性フィ
ルムを重ねて圧着して積層体を形成する工程と,その離
形性フィルムを具備した積層体に貫通孔を所望の位置に
形成する工程と,その貫通孔に導電性ペーストを充填す
る工程と、その導電性ペーストを充填された積層体から
離型性フィルムのみを剥離する工程と、その離型性フィ
ルムが剥離された積層体の両面に金属箔を重ねる工程
と、さらにこの積層体を加熱加圧して金属箔と積層体と
を接着し,かつ貫通孔に充填された導電性ペーストを圧
縮硬化してビアを形成する工程と,その積層体の金属箔
に所望の回路パターンを形成する工程とを含む工程を少
なくとも1回以上繰り返してなる回路基板の製造方法で
あって,樹脂シートおよび回路基板用絶縁材がそれぞれ
非ハロゲン系難燃剤を含み,かつ樹脂シートにおける難
燃剤の含有率が回路基板用絶縁材の含有率より大きいこ
とを特徴とする。この製造方法であれば,本発明の第1
の回路基板用絶縁材を用いた本発明の第1の回路基板と
同様の回路基板を提供することができ,さらに完全IV
H(インタースティシャルビアホール)構造の回路基板
を構成することができるため,非ハロゲン系の高密度実
装用の回路基板を提供することができる。
【0017】また,本発明の第2の回路基板の製造方法
は,非ハロゲン系の回路基板用絶縁材の両面に樹脂層を
片面に具備した離形性フィルムを樹脂層側で重ねて圧着
して積層体を形成する工程と,離形性フィルムを具備し
た積層体に貫通孔を所望の位置に形成する工程と,その
貫通孔に導電性ペーストを充填する工程と、貫通孔に導
電性ペーストが充填された積層体から離型性フィルムの
みを剥離する工程と、その離型性フィルムを剥離した積
層体の両面に金属箔を重ねる工程と、その積層体を加熱
加圧して金属箔と積層体とを接着し,かつ貫通孔に充填
された導電性ペーストを圧縮硬化してビアを形成する工
程と,その積層体の金属箔に所望の回路パターンを形成
する工程とを含む工程を少なくとも1回以上繰り返して
なる回路基板の製造方法であって,樹脂層および回路基
板用絶縁材がそれぞれ非ハロゲン系難燃剤を含み,かつ
離形フィルムの樹脂層における難燃剤の含有率が回路基
板用絶縁材の含有率より大きいことを特徴とする。この
製造方法においても,本発明の第1の回路基板用絶縁材
を用いた本発明の第1の回路基板と同様の回路基板を提
供することができ,さらに完全IVH構造の回路基板を
構成することができるため,非ハロゲン系の高密度実装
用の回路基板を提供することができる。
【0018】なお,本発明の回路基板において,PSR
(Photo Solder Resist)等は必要に応じて設けても良
いが,その際PSRも非ハロゲン系でなければならな
い。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明についてさらに具体的に説
明するため,それぞれの実施の形態について以下に説明
する。
【0020】本発明の第1の回路基板用絶縁材は,半硬
化状態の非ハロゲン系樹脂と補強材とからなり,かつそ
の樹脂が非ハロゲン系難燃剤を含む回路基板用絶縁材で
あって,この回路基板用絶縁材の表面から内部方向にそ
の難燃剤の含有率が小さくなることを特徴とする。この
構成において,難燃剤の総含有量は,所望とする難燃
性,例えばUL94−V0レベルを確保できる含有量で
あれば良く,また,絶縁材内部における難燃剤の含有量
が0であっても構わない。また,その難燃剤の含有率が
表面から内部方向に小さくなることは,必ずしも連続し
た濃度勾配を持つ必要はなく,表層部分(絶縁材厚みに
対して最大25%までの深さ)と内層部分における難燃
剤の濃度がそれぞれ異なり,内層部分が小さければ良
い。したがって,表層から内部への難燃剤の濃度勾配が
非連続であっても構わない。
【0021】また,本発明の回路基板用絶縁材の補強材
が,有機繊維又はガラス繊維の少なくとも一方を主成分
とする不織布あるいは織布からなることが好ましく,こ
れらの補強材を用いれば,回路基板における絶縁層の機
械強度,寸法安定性,薄型化等に優れた回路基板用絶縁
材を提供することができ,また,絶縁材料としてのハン
ドリング性が極めて良好になる。また,その補強材が有
機繊維を主成分とする場合,全芳香族ポリアミド,全芳
香族ポリエステルおよびポリパラフェニレンベンゾビス
オキサゾールからなる群から選択された少なくとも1種
であることが好ましく,これらのような高耐熱性有機繊
維を用いれば,回路基板における絶縁層の機械特性が良
好になることは勿論のことであり,軽量化,低誘電率化
に優れた回路基板用絶縁材を提供することができる。ま
た,これらのような有機繊維であれば,繊維自身が難燃
性あるいは自己消火性を有するため,回路基板の難燃性
を損なうことはない。さらに,この補強材の構成が有機
繊維とガラス繊維との混合体であっても構わない。ま
た,本発明の回路基板用絶縁材の補強材が,無機フィラ
ーであることも好ましく,回路基板の絶縁層における機
械特性が良好になることは勿論のことであり,寸法安定
性,低熱膨張化に優れた回路基板用絶縁材を提供するこ
とができる。その無機フィラーはアルミナ,シリカ等で
良く,さらに回路基板の高放熱化には窒化アルミニウム
等が有用である。また,無機フィラーに難燃効果を有す
る水酸化アルミニウム,水酸化マグネシウムを用いれば
回路基板の難燃性が高まるので,より好ましい。以下に
具体的な実施の形態を示す。
【0022】先ず,第1の回路基板用絶縁材における実
施の形態1〜4で用いた材料について説明する。
【0023】樹脂は,主剤にクレゾールノボラック型エ
ポキシ(エポキシ当量:214),硬化剤にフェノール
ノボラック(OH当量:105)を用いてなるエポキシ
樹脂である。非ハロゲン系難燃剤には,縮合リン酸エス
テル(P含有率:9質量%)を用いた。
【0024】(実施の形態1)実施の形態1における回
路基板用絶縁材は,縮合リン酸エステルを添加した半硬
化状態のエポキシ樹脂をガラス織布(厚み:100μ
m)に含浸した回路基板用絶縁材であって,この回路基
板用絶縁材の表面から内部方向にリン原子の含有率が小
さくなった構成である。この構成において,樹脂量は6
0質量%であり,表面から15μmまでの樹脂中におけ
るP含有率は2.0質量%であり,それ以外の樹脂中の
P含有率は1.0質量%である。
【0025】(実施の形態2)実施の形態2における回
路基板用絶縁材は,縮合リン酸エステルを添加した半硬
化状態のエポキシ樹脂をアラミド不織布(厚み:100
μm)に含浸した回路基板用絶縁材であって,この回路
基板用絶縁材の表面から内部方向にリン原子の含有率が
小さくなった構成である。この構成において,樹脂量は
52質量%であり,表面から10μmまでの樹脂中にお
けるP含有率は2.2質量%であり,それ以外の樹脂中
のP含有率は1.0質量%である。
【0026】(実施の形態3)実施の形態3における回
路基板用絶縁材は,縮合リン酸エステルを添加したエポ
キシ樹脂とアルミナ(粒径:5μm)とからなるシート
(厚み:120μm)を半硬化状態にした回路基板用絶
縁材であって,この回路基板用絶縁材の表面から内部方
向にリン原子の含有率が小さくなった構成である。この
構成において,樹脂量は40質量%であり,表面から5
μmまでの樹脂中におけるP含有率は1.5質量%であ
り,それ以外の樹脂中のP含有率は1.0質量%であ
る。
【0027】(実施の形態4)実施の形態4における回
路基板用絶縁材は,縮合リン酸エステルを添加したエポ
キシ樹脂と水酸化アルミニウム(粒径:8μm)とから
なるシート(厚み:100μm)を半硬化状態にした回
路基板用絶縁材であって,この回路基板用絶縁材の表面
から内部方向にリン原子の含有率が小さくなった構成で
ある。この構成において,樹脂量は10質量%であり,
表面から5μmまでの樹脂中におけるP含有率は1.0
質量%であり,それ以外の樹脂中のP含有率は0質量%
である。
【0028】本発明の第1の回路基板用絶縁材は,実施
の形態1〜4に限定されるものではなく,例えば実施の
形態1〜3等は,水酸化アルミニウム,水酸化マグネシ
ウム等の難燃効果を有する無機フィラーをさらに添加し
ても良く,この場合、回路基板をより難燃化することが
できる。また,樹脂についても実施の形態1〜4のよう
なエポキシでなくとも,例えばポリイミド樹脂,フェノ
ール樹脂,シリコーン樹脂,ポリエステル樹脂等の熱硬
化性のもであれば良い。難燃剤に関しても縮合リン酸エ
ステル等のリン系以外に,グアニジン系あるいはメラミ
ン系等の窒素系でも良く,それら単独あるいは併用でも
良い。
【0029】次に,本発明の第2の回路基板用絶縁材
は,半硬化状態の非ハロゲン系樹脂と補強材とからな
り,かつその樹脂が非ハロゲン系難燃剤を含む回路基板
用絶縁材であって,この回路基板用絶縁材を硬化した硬
化物の125℃におけるヤング率が,その硬化物の25
℃におけるヤング率に対して0.8以上であることを特
徴とする。この構成であれば,高温時におけるピール強
度,熱膨張係数等の熱的な基板特性において,ハロゲン
系回路基板並みの水準を容易に達成することができる。
また,ヤング率の比がこの範囲に収まるよう,換言すれ
ば,このヤング率の比を指標とすることで,ハロゲン系
回路基板と同水準の基板特性を有する非ハロゲン系回路
基板の材料開発を容易にすることができる。
【0030】また,その補強材が有機繊維を主成分とす
る場合,全芳香族ポリアミド,全芳香族ポリエステルお
よびポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールからな
る群から選択された少なくとも1種であることが好まし
く,これらのような高耐熱性有機繊維を用いれば,回路
基板における絶縁層の機械特性が良好になることは勿論
のことであり,軽量化,低誘電率化に優れた回路基板用
絶縁材を提供することができる。また,これらのような
有機繊維であれば,繊維自身が難燃性あるいは自己消火
性を有するため,回路基板の難燃性を損なうことはな
い。さらに,この補強材の構成が有機繊維とガラス繊維
との混合体であっても構わない。また,本発明の回路基
板用絶縁材の補強材が,無機フィラーであることも好ま
しく,回路基板の絶縁層における機械特性が良好になる
ことは勿論のことであり,寸法安定性,低熱膨張化に優
れた回路基板用絶縁材を提供することができる。その無
機フィラーはアルミナ,シリカ等で良く,さらに回路基
板の高放熱化には窒化アルミニウム等が有用である。ま
た,無機フィラーに難燃効果を有する水酸化アルミニウ
ム,水酸化マグネシウムを用いれば回路基板の難燃性が
高まるので,より好ましい。以下に具体的な実施の形態
を示す。
【0031】先ず,第2の回路基板用絶縁材における実
施の形態5〜8で用いた材料について説明する。
【0032】樹脂は,主剤にクレゾールノボラック型エ
ポキシ(エポキシ当量:214),硬化剤にフェノール
ノボラック(OH当量:105)を用いてなるエポキシ
樹脂である。非ハロゲン系難燃剤には,レゾルシニルジ
フェニルホスフェート(反応性RDP,P含有率:11
質量%)あるいは縮合リン酸エステル(P含有率:9質
量%)を併用した。
【0033】(実施の形態5)実施の形態5における回
路基板用絶縁材は,反応性RDPを添加した半硬化状態
のエポキシ樹脂をガラス織布(厚み:100μm)に含
浸した回路基板用絶縁材であって,この回路基板用絶縁
材を硬化した硬化物の125℃におけるヤング率が9.
2GPaであり,25℃におけるヤング率が10.0G
Paである。このヤング率の比,すなわち(125℃に
おけるヤング率)/(25℃におけるヤング率)が0.
92となる。この構成において,樹脂量は60質量%で
あり,樹脂中のP含有率は2.0質量%である。
【0034】(実施の形態6)実施の形態6における回
路基板用絶縁材は,反応性RDPおよび縮合リン酸エス
テルを添加した半硬化状態のエポキシ樹脂をガラス織布
(厚み:100μm)に含浸した回路基板用絶縁材であ
って,この回路基板用絶縁材を硬化した硬化物の125
℃におけるヤング率が9.8GPaであり,25℃にお
けるヤング率が11.0GPaである。このヤング率の
比,すなわち(125℃におけるヤング率)/(25℃
におけるヤング率)が0.89となる。この構成におい
て,樹脂量は60質量%であり,樹脂中のP含有率は
1.8質量%であり,反応性RDPのPと縮合リン酸エ
ステルのPとの質量比が3:7である。
【0035】(実施の形態7)実施の形態7における回
路基板用絶縁材は,反応性RDPを添加した半硬化状態
のエポキシ樹脂をアラミド不織布(厚み:100μm)
に含浸した回路基板用絶縁材であって,この回路基板用
絶縁材を硬化した硬化物の125℃におけるヤング率が
6.4GPaであり,25℃におけるヤング率が7.0
GPaである。このヤング率の比,すなわち(125℃
におけるヤング率)/(25℃におけるヤング率)が
0.91となる。この構成において,樹脂量は52質量
%であり,樹脂中のP含有率は2.5質量%である。
【0036】(実施の形態8)実施の形態8における回
路基板用絶縁材は,反応性RDPおよび縮合リン酸エス
テルを添加した半硬化状態のエポキシ樹脂をアラミド不
織布(厚み:100μm)に含浸した回路基板用絶縁材
であって,この回路基板用絶縁材を硬化した硬化物の1
25℃におけるヤング率が6.2GPaであり,25℃
におけるヤング率が7.2GPaである。このヤング率
の比,すなわち(125℃におけるヤング率)/(25
℃におけるヤング率)が0.86となる。この構成にお
いて,樹脂量は52質量%であり,樹脂中のP含有率は
2.0質量%であり,反応性RDPのPと縮合リン酸エ
ステルのPとの質量比が3:7である。
【0037】次に,トリフェニルグリシジルエーテルメ
タンに9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスフ
ァフェナトレン−10−オキシドを反応させたP含有エ
ポキシ樹脂(エポキシ当量:340,P含有量:4質量
%)を主剤にした実施の形態について示す。この場合、
難燃剤があらかじめ絶縁樹脂の骨格に導入されているた
め,難燃剤による耐熱性の低下をある程度抑制できる。
【0038】(実施の形態9)実施の形態9における回
路基板用絶縁材は,半硬化状態のP含有エポキシ樹脂を
アラミド不織布(厚み:100μm)に含浸した回路基
板用絶縁材であって,この回路基板用絶縁材を硬化した
硬化物の125℃におけるヤング率が6.5GPaであ
り,25℃におけるヤング率が6.8GPaである。こ
のヤング率の比,すなわち(125℃におけるヤング
率)/(25℃におけるヤング率)が0.96となる。
この構成において,樹脂量は52質量%であり,樹脂中
のP含有率は2.5質量%である。
【0039】(実施の形態10)実施の形態10におけ
る回路基板用絶縁材は,縮合リン酸エステルを添加した
半硬化状態のP含有エポキシ樹脂をアラミド不織布(厚
み:100μm)に含浸した回路基板用絶縁材であっ
て,この回路基板用絶縁材を硬化した硬化物の125℃
におけるヤング率が6.3GPaであり,25℃におけ
るヤング率が7.0GPaである。このヤング率の比,
すなわち(125℃におけるヤング率)/(25℃にお
けるヤング率)が0.90となる。この構成において,
樹脂量は52質量%であり,樹脂中のP含有率は2.0
質量%である。P含有エポキシ樹脂のPと縮合リン酸エ
ステルのPとの質量比が3:7である。
【0040】次に,補強材に無機フィラーを使用した本
発明の第2の回路基板用絶縁材の実施の形態について示
す。
【0041】(実施の形態11)実施の形態11におけ
る回路基板用絶縁材は,反応性RDPを添加した半硬化
状態のエポキシ樹脂とシリカ(粒径:5μm)とからな
るシート(厚み:120μm)を半硬化状態にした回路
基板用絶縁材であって,この回路基板用絶縁材を硬化し
た硬化物の125℃におけるヤング率が13.6GPa
であり,25℃におけるヤング率が14.2GPaであ
る。このヤング率の比,すなわち(125℃におけるヤ
ング率)/(25℃におけるヤング率)が0.96とな
る。この構成において,樹脂量は10質量%であり,樹
脂中のP含有率は1.5質量%である。
【0042】(実施の形態12)実施の形態12におけ
る回路基板用絶縁材は,半硬化状態のエポキシ樹脂と水
酸化アルミニウム(粒径:8μm)とからなるシート
(厚み:120μm)を半硬化状態にした回路基板用絶
縁材であって,この回路基板用絶縁材を硬化した硬化物
の125℃におけるヤング率が13.7GPaであり,
25℃におけるヤング率が14.0GPaである。この
ヤング率の比,すなわち(125℃におけるヤング率)
/(25℃におけるヤング率)が0.98となる。この
構成において,樹脂量は10質量%であり,樹脂中のP
含有率は0質量%である。
【0043】本発明の第2の回路基板用絶縁材は,実施
の形態5〜12に限定されるものではなく,例えば実施
の形態5〜10等は,水酸化アルミニウム,水酸化マグ
ネシウム等の難燃効果を有する無機フィラーをさらに添
加しても良く,この場合より回路基板の難燃性を高める
ことができる。また,無機フィラーは実施の形態11お
よび12で使用したものに限定されるものでなく,アル
ミナ,窒化アルミニウム等で良く,さらに難燃効果を有
する水酸化マグネシウムでも良い。また,樹脂について
も実施の形態5〜12のようなエポキシでなくとも,例
えばポリイミド樹脂,フェノール樹脂,シリコーン樹
脂,ポリエステル樹脂等の熱硬化性のもであれば良い。
難燃剤に関してもリン系以外に,グアニジン系あるいは
メラミン系等の窒素系でも良く,それら単独あるいは併
用でも良い。
【0044】次に,本発明の第1の回路基板は,非ハロ
ゲン系絶縁層と配線層とが交互に積層された2層以上の
回路基板であって,少なくとも最外層の絶縁層が本発明
の第1又は第2の回路基板用絶縁材を硬化させてなるこ
とが特徴であり,層間の電気的接続の手法は特に問わな
い。例えば,スルーホール,めっきビア,ペーストビア
等で良く,高密度用回路基板であれば,短配線および微
細配線パターンが要求されるのでIVH構造を有するこ
とが好ましく,そのIVHがめっきビア,フィルドめっ
きビアあるいはペーストビアであることが好ましい。特
にペーストビアの場合,導電性粒子,例えば金,銀,
銅,ニッケル,インジウム,パラジウムあるいはそれら
の合金と,エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂とからなるこ
とが好ましく,回路基板の成形の際に圧縮硬化すること
で電気的接続を確保できることが好ましい。さらに,回
路基板の層数についても2層以上であれば,特に限定は
なく,多層基板であっても良く,各絶縁層の厚みが同一
でなくとも良い。
【0045】本発明の第1又は第2の回路基板用絶縁材
を用いて銅張積層板(回路基板)を作製し,さらに比較
例を用いて本発明の第1の回路基板について説明する。
なお,銅張積層板は,実施の形態1〜12のそれぞれの
回路基板用絶縁材の両面に銅箔を重ね,真空熱プレスで
200℃,1時間加熱加圧して作製した。そして,それ
ぞれの銅張積層板の難燃性および25℃,125℃にお
けるピール強度について比較して説明する。難燃性につ
いてはUL94難燃性試験法を用いた。ピール強度につ
いは,銅張積層板を10mm幅で切り出し,それを支持
材(厚み:1.6mm)に接着剤で貼り付けた後,銅箔
を90°方向に引き剥がしたときの強度である。なお,
クロスヘッドスピードは,20mm/分とし,25mm
引き剥がしたときの平均である。その結果を表1に示
す。なお,比較例1および2の回路基板用絶縁材につい
て以下に示す。
【0046】(比較例1)比較例1における回路基板用
絶縁材は,縮合リン酸エステルを添加した半硬化状態の
エポキシ樹脂をガラス不織布(厚み:100μm)に含
浸した回路基板用絶縁材であって,その難燃剤は均一に
存在しており,絶縁層樹脂中におけるP含有率は1.8
質量%である。また,(125℃におけるヤング率)/
(25℃におけるヤング率)は0.7であり,樹脂量は
60質量%である。なお,使用した材料についてはすで
に述べたものと同様である。
【0047】(比較例2)比較例2における回路基板用
絶縁材は,縮合リン酸エステルを添加した半硬化状態の
エポキシ樹脂をアラミド不織布(厚み:100μm)に
含浸した回路基板用絶縁材であって,その難燃剤は均一
に存在しており,絶縁層樹脂中におけるP含有率は2.
2質量%である。また,(125℃におけるヤング率)
/(25℃におけるヤング率)は0.6であり,樹脂量
は52質量%である。なお,使用した材料についてはす
でに述べたものと同様である。
【0048】
【表1】
【0049】表1より,すべての回路基板において難燃
性はUL94−V0レベルに達している。一方,ピール
強度においては,125℃において比較例1および2が
1.0kN/m未満の値を示した。しかし,本発明の第
1又は第2の回路基板用絶縁材を用いた回路基板(実施
の形態1〜12)の場合,25℃および125℃のいず
れも1.0kN/m以上の強度を十分に確保した。特に
25℃の常温では第1の回路基板用絶縁材を用いた回路
基板(実施の形態1〜4)が優れており,一方,125
℃の高温では第2の回路基板用絶縁材を用いた回路基板
(実施の形態5〜12)が優れていることがわかる。以
上より,本発明の回路基板用絶縁材を用いた回路基板,
すなわち本発明の第1の構成の回路基板であれば,非ハ
ロゲン系回路基板のピール強度の向上ができる。
【0050】次に,本発明の第2の回路基板は,非ハロ
ゲン系絶縁層と配線層とが交互に積層され,かつ非ハロ
ゲン系難燃剤を少なくとも内層の絶縁層に含む4層以上
の回路基板であって,最外層の絶縁層における難燃剤の
含有率が,内層すなわち最外層を除く絶縁層における難
燃剤の含有率より小さいことを特徴とする。この構成に
おいて,難燃剤の総含有量は,所望とする難燃性,例え
ばUL94−V0レベルを回路基板全体として確保でき
る含有量であれば良く,可能な限り最外層における難燃
剤の含有率が少ないことが好ましく,その含有率が0で
あっても構わない。これは,一般的に非ハロゲン系難燃
剤の添加量の増加に伴い,絶縁層の耐熱性および機械特
性が低下するためである。また,最外層以外のそれぞれ
の絶縁層における難燃剤の含有率は必ずしも同一でなく
ても良い。
【0051】また,少なくとも内層の絶縁層が,非ハロ
ゲン系樹脂と,補強材として不織布あるいは織布を少な
くとも含み,全絶縁層の補強材が不織布あるいは織布で
あっても良く,さらにこれらが有機繊維又はガラス繊維
の少なくとも一方を主成分とすることが好ましく,回路
基板における絶縁層の機械強度の向上,寸法安定性,薄
型化等に有用である。また,その補強材が有機繊維を主
成分とする場合,全芳香族ポリアミド,全芳香族ポリエ
ステルおよびポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾー
ルからなる群から選択された少なくとも1種であること
が好ましく,これらのような高耐熱性有機繊維を用いれ
ば,回路基板における絶縁層の機械特性が良好であるこ
とは勿論であり,軽量化,低誘電率化が容易である。さ
らに,これらのような有機繊維であれば,繊維自身に難
燃性あるいは自己消火性を有するため,回路基板の難燃
性を損なうことはない。この補強材の構成が有機繊維と
ガラス繊維との混合体であっても構わない。また,本発
明の第2の回路基板の少なくとも内層の絶縁層が非ハロ
ゲン系樹脂と無機フィラーとを少なくとも含むことも好
ましく,この場合,回路基板の機械特性が良好であるこ
とは勿論であり,寸法安定性,低熱膨張化に優れた回路
基板を提供することができる。その無機フィラーはアル
ミナ,シリカ等で良く,さらに回路基板の高放熱化には
窒化アルミニウム等が有用である。また,無機フィラー
に難燃効果を有する水酸化アルミニウム,水酸化マグネ
シウムを用いれば,回路基板をより難燃化することがで
きるのでより好ましい。
【0052】以下に図面を用いてさらに本発明の第2の
回路基板について説明する。図1は,本発明の第2の回
路基板における4層回路基板の構成を模式化して示す断
面図である。図1は,内層の絶縁層102と最外の絶縁
層103と配線層104および105が交互に積層され
た4層からなる回路基板101であり,層間の電気接続
はスルーホール106とIVH107で確保された構成
である。本発明の第2の回路基板によれば,最外の絶縁
層103における非ハロゲン系難燃剤の含有率が内層の
絶縁層102より小さくなることを特徴とする。なお,
本発明の回路基板は,層間の電気的接続の手法は特に問
わない。例えば,スルーホール,めっきビア,ペースト
ビア等で良く,高密度用回路基板であれば,短配線およ
び微細配線パターンが要求されるのでIVH構造である
ことが好ましく,そのIVHがめっきビア,フィルドめ
っきビアあるいはペーストビアであることが好ましい。
特にペーストビアの場合,導電性粒子,例えば金,銀,
銅,ニッケル,インジウム,パラジウムあるいはそれら
の合金と,エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂とからなるこ
とが好ましく,回路基板の成形の際に圧縮硬化すること
で電気的接続を確保できることが好ましい。また,スル
ーホール106は必要に応じて設ければ良い。さらに,
配線層104および105についても特に限定はなく,
フルアディティブ,セミアディティブ,サブトラクティ
ブ法等で形成すれば良い。また,回路基板の層数につい
ても4層以上であれば,特に限定はなく,多層基板であ
っても良く,さらに各絶縁層の厚みが同一でなくとも良
い。
【0053】次に,本発明の第2の回路基板における実
施の形態13〜17で用いた材料について説明する。な
お、本発明の第2の回路基板における効果は,層間の電
気的接続の手法および配線層には左右されないので,絶
縁層の構成のみ示す。
【0054】樹脂は,主剤にクレゾールノボラック型エ
ポキシ(エポキシ当量:214),硬化剤にフェノール
ノボラック(OH当量:105)を用いてなるエポキシ
樹脂である。非ハロゲン系難燃剤には,縮合リン酸エス
テル(P含有量:9質量%)を用いた。
【0055】(実施の形態13)図1の絶縁層102お
よび103は,縮合リン酸エステルを添加したエポキシ
樹脂をガラス織布(厚み:100μm)に含浸した形態
であり,その樹脂量は55質量%である。そして,それ
ぞれの絶縁層樹脂におけるP含有率は,絶縁層102に
おいて2質量%,絶縁層103において1.0質量%で
ある。
【0056】(実施の形態14)図1の絶縁層102お
よび103は,縮合リン酸エステルを添加したエポキシ
樹脂をアラミド不織布(厚み:100μm)に含浸した
形態であり,その樹脂量は50質量%である。そして,
それぞれの絶縁層樹脂におけるP含有率は,絶縁層10
2において2.5質量%,絶縁層103において1.0
質量%である。
【0057】(実施の形態15)図1の絶縁層102
は,縮合リン酸エステルを添加したエポキシ樹脂をアラ
ミド不織布(厚み:100μm)に含浸し,絶縁層10
3は縮合リン酸エステルを添加したエポキシ樹脂をガラ
ス織布(厚み:100μm)に含浸した形態であり,そ
れぞれの樹脂量はいずれも50質量%である。そして,
それぞれの絶縁層樹脂におけるP含有率は,絶縁層10
2において2.2質量%,絶縁層103において1質量
%である。
【0058】(実施の形態16)図1の絶縁層102
は,縮合リン酸エステルを添加したエポキシ樹脂をガラ
ス織布(厚み:100μm)に含浸し,絶縁層103
は,エポキシ樹脂にシリカが充填された形態(厚み:5
0μm)であり,それぞれの樹脂量は50質量%および
40質量%である。それぞれの絶縁層樹脂におけるP含
有率は,絶縁層102において2質量%,絶縁層103
において0.7質量%である。
【0059】(実施の形態17)図1の絶縁層102
は,縮合リン酸エステルを添加したエポキシ樹脂をガラ
ス織布(厚み:100μm)に含浸し,絶縁層103
は,エポキシ樹脂に難燃性を有する水酸化アルミニウム
が高充填された形態(厚み:50μm)であり,それぞ
れの樹脂量は50質量%および10質量%である。それ
ぞれの絶縁層樹脂におけるP含有率は,絶縁層102に
おいて2質量%,絶縁層103においては0質量%であ
る。
【0060】本発明の第2の回路基板は,実施の形態1
3〜17に限定されるものではなく,例えば実施の形態
13〜16等は,水酸化アルミニウム,水酸化マグネシ
ウム等の難燃効果を有する無機フィラーをさらに添加し
ても良く,この場合より回路基板の難燃性を高めること
ができる。また,無機フィラーは実施の形態16および
17に限定されるものではなく,アルミナ,窒化アルミ
ニウム等で良く,さらに難燃効果を有する水酸化マグネ
シウムでも良い。また,樹脂についても実施の形態13
〜17のようなエポキシ樹脂でなくとも,例えばポリイ
ミド樹脂,フェノール樹脂,シリコーン樹脂,ポリエス
テル樹脂等でも良い。難燃剤に関してもリン系以外に,
グアニジン系あるいはメラミン系等の窒素系でも良く,
それら単独あるいは併用でも良い。
【0061】本発明の実施の形態13〜17において,
いずれの場合も難燃性はUL94−V0レベルであり,
最外層の絶縁層における非ハロゲン系難燃剤の添加量が
本来より少量となっているため,いずれの実施の形態に
おいても25℃におけるピール強度が1.4kN/m以
上を確保することができた。また,125℃におけるピ
ール強度も1.2kN/m以上を確保できた。
【0062】次に,本発明の第3の回路基板は,非ハロ
ゲン系絶縁層と配線層とが交互に積層され,かつ非ハロ
ゲン系難燃剤を少なくとも内層の絶縁層に含む4層以上
の回路基板であって,125℃における最外層の絶縁層
のヤング率が,内層すなわち最外層を除く絶縁層のそれ
より大きいことを特徴とする。この構成において,難燃
剤の総含有量は,所望とする難燃性,例えばUL94−
V0レベルを回路基板全体として確保できる含有量であ
れば良く,可能な限り最外層における難燃剤の含有率が
少ないことが好ましく,その含有率が0であっても構わ
ない。一般的な非ハロゲン系難燃剤の場合,特にリン系
であるが,その添加量の増加に伴い,絶縁層のヤング率
の温度依存性が大きくなる。すなわち,温度上昇による
ヤング率の低下が顕著になり,さらにピール強度も温度
上昇に伴い,低下する。したがって,最外層のヤング率
がある水準,好ましくは125℃において2.0GPa
以上である必要がある。また,最外層以外のそれぞれの
絶縁層における難燃剤の含有率は必ずしも同一でなくて
も良い。
【0063】また,少なくとも最外層の絶縁層が,非ハ
ロゲン系樹脂と,補強材として不織布あるいは織布を少
なくとも含み,全絶縁層の補強材が不織布あるいは織布
であっても良く,さらにこれらが有機繊維又はガラス繊
維の少なくとも一方を主成分とすることが好ましく,回
路基板における絶縁層の機械強度の向上,寸法安定性,
薄型化等に有用である。また,その補強材が有機繊維を
主成分とする場合,全芳香族ポリアミド,全芳香族ポリ
エステルおよびポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ
ールからなる群から選択された少なくとも1種であるこ
とが好ましく,これらのような高耐熱性有機繊維を用い
れば,回路基板における絶縁層の機械特性が良好である
ことは勿論のことであり,軽量化,低誘電率化が容易で
ある。さらに,これらのような有機繊維であれば,繊維
自身に難燃性あるいは自己消火性を有するため,回路基
板の難燃性を損なうことはない。この補強材の構成が有
機繊維とガラス繊維との混合体であっても構わない。ま
た,本発明の第3の回路基板の少なくとも内層の絶縁層
が非ハロゲン系樹脂と無機フィラーとを少なくとも含む
ことも好ましく,この場合,回路基板の機械特性が良好
になることは勿論のことであり,寸法安定性,低熱膨張
化に優れた回路基板を提供することができる。その無機
フィラーはアルミナ,シリカ等で良く,さらに回路基板
の高放熱化には窒化アルミニウム等が有用である。ま
た,無機フィラーに難燃効果を有する水酸化アルミニウ
ム,水酸化マグネシウムを用いれば,回路基板をより難
燃化することができるのでより好ましい。
【0064】以下に図面を用いてさらに本発明の第3の
回路基板について説明する。第3の回路基板の構成は,
本発明の第2の回路基板の構成と基本的に同様であるの
で,図1を再度用いて説明する。本発明の第3の回路基
板によれば,最外の絶縁層103の125℃におけるヤ
ング率が,内層の絶縁層102より大きくなることを特
徴とする。なお,第3の回路基板においても層間の電気
的接続の手法,例えばスルーホール106あるいはIV
H107と,配線層104および105については特に
限定されず,本発明の第2の回路基板と同様である。ま
た,回路基板の層数についても4層以上であれば,特に
限定はなく,多層基板であっても良く,さらに各絶縁層
の厚みが同一でなくとも良い。
【0065】次に,本発明の第3の回路基板における実
施の形態18〜22で用いた材料について説明する。な
お、本発明の第3の回路基板における効果も層間の電気
的接続の手法および配線層には左右されないので,絶縁
層の構成のみ示す。
【0066】樹脂は,主剤にクレゾールノボラック型エ
ポキシ(エポキシ当量:214),硬化剤にフェノール
ノボラック(OH当量:105)を用いてなるエポキシ
樹脂である。非ハロゲン系難燃剤には,縮合リン酸エス
テル(P含有量:9質量%)を用いた。また,トリフェ
ニルグリシジルエーテルメタンに9,10−ジヒドロ−
9−オキサ−10−ホスファフェナトレン−10−オキ
シドを反応させたP含有エポキシ樹脂(エポキシ当量:
340,P含有量:4質量%)の主剤も用いた。この場
合、難燃剤があらかじめ絶縁樹脂の骨格に導入されてい
るため,難燃剤による耐熱性の低下を程度抑制できる。
【0067】(実施の形態18)図1の絶縁層102
は,縮合リン酸エステルを添加したエポキシ樹脂をガラ
ス織布(厚み:100μm)に含浸した形態で,その樹
脂量は50質量%であり,125℃におけるヤング率は
9.0GPaである。絶縁層103はP含有エポキシ樹
脂をガラス織布(厚み:60μm)に含浸した形態で,
その樹脂量は50質量%であり,125℃におけるヤン
グ率は9.8GPaである。そして,それぞれの絶縁層
樹脂におけるP含有率は,絶縁層102および103共
に2質量%である。
【0068】(実施の形態19)図1の絶縁層102
は,縮合リン酸エステルを添加したエポキシ樹脂をアラ
ミド不織布(厚み:100μm)に含浸した形態で,そ
の樹脂量は50質量%であり,125℃におけるヤング
率は5.6GPaである。絶縁層103はP含有エポキ
シ樹脂をアラミド不織布(厚み:80μm)に含浸した
形態で,その樹脂量は50質量%であり,125℃にお
けるヤング率は6.5GPaである。そして,それぞれ
の絶縁層樹脂におけるP含有率は,絶縁層102および
103共に2質量%である。
【0069】(実施の形態20)図1の絶縁層102
は,縮合リン酸エステルを添加したエポキシ樹脂をアラ
ミド不織布(厚み:100μm)に含浸した形態で,そ
の樹脂量は50質量%であり,125℃におけるヤング
率は5.6GPaである。絶縁層103は縮合リン酸エ
ステルを添加したエポキシ樹脂をガラス織布(厚み:1
00μm)に含浸した形態で,その樹脂量は50質量%
であり,125℃におけるヤング率は9.0GPaであ
る。そして,それぞれの絶縁層樹脂におけるP含有率
は,絶縁層102および103共に2質量%である。
【0070】(実施の形態21)図1の絶縁層102
は,縮合リン酸エステルを添加したエポキシ樹脂をアラ
ミド不織布(厚み:100μm)に含浸した形態で,そ
の樹脂量は50質量%であり,125℃におけるヤング
率は5.6GPaである。絶縁層103は縮合リン酸エ
ステルを添加したエポキシ樹脂にシリカを充填した形態
(厚み:50μm)で,その樹脂量は40質量%であ
り,その125℃におけるヤング率は12.8GPaで
ある。そして,それぞれの絶縁層樹脂におけるP含有率
は,絶縁層102および103共に2質量%である。
【0071】(実施の形態22)図1の絶縁層102
は,縮合リン酸エステルを添加したエポキシ樹脂をガラ
ス織布(厚み:100μm)に含浸した形態で,その樹
脂量は50質量%であり,125℃におけるヤング率は
9.0GPaである。絶縁層103はエポキシ樹脂と水
酸化マグネシウム(粒径:2μm)を充填した形態(厚
み:50μm)で,その樹脂量は10質量%であり,そ
の125℃におけるヤング率は13.6GPaである。
そして,それぞれの絶縁層樹脂におけるP含有率は,絶
縁層102は2質量%であり,絶縁層103は0質量%
である。
【0072】本発明の第3の回路基板は,実施の形態1
8〜22に限定されるものではなく,例えば実施の形態
18〜21等は,水酸化アルミニウム,水酸化マグネシ
ウム等の難燃効果を有する無機フィラーをさらに添加し
ても良く,この場合,より回路基板の難燃性を高めるこ
とができる。また,無機フィラーは実施の形態21およ
び22に限定されるものではなく,アルミナ,窒化アル
ミニウム等で良く,さらに難燃効果を有する水酸化アル
ミニウムでも良い。また,樹脂についても実施の形態1
8〜22のようなエポキシ樹脂でなくとも,例えばポリ
イミド樹脂,フェノール樹脂,シリコーン樹脂,ポリエ
ステル樹脂等でも良い。難燃剤に関してもリン系以外
に,グアニジン系あるいはメラミン系等の窒素系でも良
く,それら単独あるいは併用でも良い。
【0073】本発明の実施の形態18〜22において,
いずれの場合も難燃性はUL94−V0レベルであり,
最外層の絶縁層の高温(125℃)におけるヤング率が
内層のそれより大きく,耐熱性が確保されているため,
いずれの実施の形態においても125℃におけるピール
強度が1.2kN/m以上を確保することができ,25
℃におけるピール強度も1.2kN/m以上を確保でき
た。
【0074】次に,本発明の第4の回路基板は,非ハロ
ゲン系絶縁層と配線層とが交互に積層された4層以上の
回路基板であって,少なくとも最外層の絶縁層が難燃性
化合物からなり,かつその難燃性化合物からなる層を除
く絶縁層に非ハロゲン系難燃剤を含むことを特徴とす
る。この構成において,最外層の難燃性化合物からなる
絶縁層は,ポリイミド,全芳香族ポリアミド,全芳香族
ポリエステル,ポリフェニレンサルファイド,ポリフェ
ニレンエーテルおよびポリエーテルスルホンからなる群
から選択された少なくとも1種からなるフィルムである
ことが好ましい。なお,フィルムの厚みとしては10〜
75μmが好ましい。これらのフィルムであれば,フィ
ルム自体に難燃性あるいは自己消火性を有し,特に難燃
剤を必要としないため,ピール強度をハロゲン系回路基
板と同等にすることができる。なお,フィルムを絶縁層
として用いる場合,熱可塑性フィルムでない限り配線層
を接着するための接着層をフィルムの両面に設ける必要
がある。この場合,非常に薄くすれば,例えば1〜10
μm程度であれば,難燃剤の添加は特に必要としない。
接着層としては,1〜20μmが好ましい。また,熱可
塑性フィルムであれば,熱融着によって配線層を接着す
ることができるため,必ずしも接着層を必要としない。
したがって,本発明の第4の回路基板は,回路基板全体
としての難燃性を確保するためには,内層の絶縁層に難
燃剤を添加することで確保することができる。その内層
の絶縁層における難燃剤の総含有量は,所望とする難燃
性,例えばUL94−V0レベルを回路基板全体として
確保できる含有量である必要があるが,内層におけるそ
れぞれの絶縁層における難燃剤の含有率は必ずしも同一
でなくても良い。
【0075】また,内層の絶縁層が,非ハロゲン系樹脂
と,補強材として不織布あるいは織布を少なくとも含
み,すべての内層の絶縁層の補強材が不織布あるいは織
布であっても良く,さらにこれらが有機繊維又はガラス
繊維の少なくとも一方を主成分とすることが好ましく,
回路基板における絶縁層の機械強度の向上,寸法安定
性,薄型化等に有用である。また,その補強材が有機繊
維を主成分とする場合,全芳香族ポリアミド,全芳香族
ポリエステルおよびポリパラフェニレンベンゾビスオキ
サゾールからなる群から選択された少なくとも1種であ
ることが好ましく,これらのような高耐熱性有機繊維を
用いれば,回路基板における絶縁層の機械特性が良好で
あることは勿論であり,軽量化,低誘電率化が容易であ
る。さらに,これらのような有機繊維であれば,繊維自
身に難燃性あるいは自己消火性を有するため,回路基板
の難燃性を損なうことはない。この補強材の構成が有機
繊維とガラス繊維との混合体であっても構わない。ま
た,本発明の第4の回路基板の内層の絶縁層が非ハロゲ
ン系樹脂と無機フィラーとを少なくとも含むことも好ま
しく,この場合,回路基板の機械特性は勿論のことであ
り,寸法安定性,低熱膨張化に優れた回路基板を提供す
ることができる。その無機フィラーはアルミナ,シリカ
等で良く,さらに回路基板の高放熱化には窒化アルミニ
ウム等が有用である。また,無機フィラーに難燃効果を
有する水酸化アルミニウム,水酸化マグネシウムを用い
れば,回路基板をより難燃化することができるのでより
好ましい。
【0076】以下に図面を用いてさらに本発明の第4の
回路基板について説明する。図2は,本発明の第4の回
路基板における4層回路基板の構成を模式化して示す断
面図である。図2は,内層の絶縁層202と,難燃性化
合物203と接着層204からなる最外の絶縁層と,配
線層205および206が交互に積層された4層からな
る回路基板201であり,層間の電気接続はIVH20
7とスルーホール208で確保された構成である。本発
明の第4の回路基板によれば,最外の絶縁層を難燃性化
合物203を主体として構成し,かつ内層の絶縁層20
2が非ハロゲン系難燃剤を含むことを特徴とする。な
お,接着層204に難燃剤を使用しても良いが,本発明
の構成であれば難燃剤は特に必要としない。さらに,本
発明の回路基板は,IVH207とスルーホール208
等の層間の電気的接続の手法は特に問わない。例えば,
スルーホール,めっきビア,ペーストビア等で良く,高
密度用回路基板であれば,短配線および微細配線パター
ンが要求されるのでIVH構造であることが好ましく,
そのIVHがめっきビア,フィルドめっきビアあるいは
ペーストビアであることが好ましい。特にペーストビア
の場合,導電性粒子,例えば金,銀,銅,ニッケル,イ
ンジウム,パラジウムあるいはそれらの合金と,エポキ
シ樹脂等の熱硬化性樹脂とからなることが好ましく,回
路基板の成形の際に圧縮硬化することで電気的接続を確
保できることが好ましい。さらに,配線層205および
206についても特に限定はなく,フルアディティブ,
セミアディティブ,サブトラクティブ法等で形成すれば
良い。また,回路基板の層数についても4層以上であれ
ば,特に限定はなく,多層基板であっても良い。さら
に,各絶縁層の厚みが同一でなくとも良いが,表層に微
細配線が要求される場合,IVHのアスペクト比を踏ま
えると内層厚みより最外層の厚みが小さいことが好まし
い。
【0077】第4の回路基板における実施の形態23〜
25で用いた材料について説明する。なお、本発明の第
4の回路基板における効果も層間の電気的接続の手法お
よび配線層には左右されないので,絶縁層の構成のみ示
す。
【0078】内層の絶縁層の樹脂は,主剤にクレゾール
ノボラック型エポキシ(エポキシ当量:214),硬化
剤にフェノールノボラック(OH当量:105)を用い
てなるエポキシ樹脂である。非ハロゲン系難燃剤には,
縮合リン酸エステル(P含有量:9質量%)を用いた。
【0079】(実施の形態23)図2の最外の絶縁層に
おける難燃性化合物203はポリイミドフィルム(厚
み:12μm)であり,その両面の接着層204は変性
ポリイミド(厚み:5μm)であり、難燃剤は含まれて
いない。内層の絶縁層202は,縮合リン酸エステルを
添加したエポキシ樹脂をガラス織布(厚み:100μ
m)に含浸した形態で,その樹脂量は60質量%であ
る。また,その絶縁層202の樹脂におけるP含有率は
2質量%である。
【0080】(実施の形態24)図2の最外の絶縁層に
おける難燃性化合物203はポリイミドフィルム(厚
み:12μm)であり,その両面の接着層204は変性
ポリイミド(厚み:5μm)であり、難燃剤は含まれて
いない。内層の絶縁層202は,縮合リン酸エステルを
添加したエポキシ樹脂をアラミド不織布(厚み:100
μm)に含浸した形態で,その樹脂量は50質量%であ
る。その絶縁層202の樹脂におけるP含有率は2質量
%である。
【0081】(実施の形態25)図2の最外の絶縁層に
おける難燃性化合物203は全芳香族ポリエステルフィ
ルム(厚み:25μm)であり,その両面の接着層20
4は設けていない。内層の絶縁層202は,縮合リン酸
エステルを添加したエポキシ樹脂をアラミド不織布(厚
み:100μm)に含浸した形態で,その樹脂量は50
質量%である。その絶縁層202の樹脂におけるP含有
率は2質量%である。
【0082】本発明の第4の回路基板は,実施の形態2
3〜25に限定されるものではなく,例えば内層の絶縁
層202に水酸化アルミニウム,水酸化マグネシウム等
の難燃効果を有する無機フィラーをさらに添加しても良
く,この場合,より回路基板の難燃性を高めることがで
きる。また,内層の絶縁層202がエポキシ樹脂に無機
フィラーを充填した形態であっても良く,無機フィラー
は,シリカ,アルミナ,窒化アルミニウム等で良く,さ
らに難燃効果を有する水酸化アルミニウム,水酸化マグ
ネシウムでも良い。また,樹脂についてもエポキシ樹脂
でなくとも,例えばポリイミド樹脂,フェノール樹脂,
シリコーン樹脂,ポリエステル樹脂等でも良い。難燃剤
に関してもリン系以外に,グアニジン系あるいはメラミ
ン系等の窒素系でも良く,それら単独あるいは併用でも
良い。
【0083】本発明の実施の形態23〜25において,
いずれの場合も難燃性はUL94−V0レベルであり,
最外層の絶縁層において非ハロゲン系難燃剤を使用する
必要がないため,いずれの実施の形態においても25℃
におけるピール強度が1.4kN/m以上,125℃に
おけるピール強度が1.2kN/m以上を確保すること
ができた。
【0084】次に,本発明の回路基板の製造方法につい
て説明する。
【0085】先ず,本発明の第1の回路基板の製造方法
は,本発明の第1の回路基板用絶縁材を使用しなくとも
本発明の第1の回路基板の構成を容易に得ることができ
る。また,この製造方法であれば,全層IVH構造の回
路基板を製造することができるため,非ハロゲン系かつ
高密度実装用の回路基板を提供することができる。ま
た,回路基板用絶縁材が非ハロゲン系樹脂と補強材とし
て不織布あるいは織布を少なくとも含み,全絶縁層の補
強材が不織布あるいは織布であっても良く,さらにこれ
らが有機繊維又はガラス繊維の少なくとも一方を主成分
とすることが好ましい。また,その補強材が有機繊維を
主成分とする場合,全芳香族ポリアミド,全芳香族ポリ
エステルおよびポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ
ールからなる群から選択された少なくとも1種であるこ
とが好ましい。この補強材の構成は有機繊維とガラス繊
維との混合体であっても構わない。また,回路基板用絶
縁材が非ハロゲン系樹脂と無機フィラーとを少なくとも
含むことも好ましい。その無機フィラーはアルミナ,シ
リカ,窒化アルミニウム,水酸化アルミニウムおよび水
酸化マグネシウムからなる群から選択された少なくとも
1種であることが好ましい。また,回路基板用絶縁材に
本発明の回路基板用絶縁材を用いても構わない。
【0086】続いて,本発明の第1の回路基板の製造方
法について図面を用いて説明する。図3は,本発明の第
1および第2の回路基板の製造方法を説明する模式的な
断面図である。本発明の第1の回路基板の製造方法は,
非ハロゲン系の回路基板用絶縁材301の両面に非ハロ
ゲン系の樹脂シート302を重ね,さらにその両面に離
形性フィルム303を重ねて圧着して積層体304を形
成する工程(a1),(b)と,その離形性フィルム3
03を具備した積層体304に貫通孔305を所望の位
置に形成する工程(c)と,その貫通孔305に導電性
ペースト306を充填する工程(d)と、その導電性ペ
ースト306が充填された積層体304から離型性フィ
ルム303のみを剥離する工程(e)と、離型性フィル
ム303が剥離された積層体の両面に金属箔307を重
ねる工程(f)と、さらに加熱加圧して金属箔307と
積層体とを接着し,かつ貫通孔305に充填された導電
性ペースト306を圧縮硬化してビア308を形成する
工程(g)と,その積層体の金属箔307に所望の回路
パターン309を形成する工程(h)とを含む工程を少
なくとも1回以上繰り返してなる回路基板の製造方法で
あって,樹脂シート302および回路基板用絶縁材30
1がそれぞれ非ハロゲン系難燃剤を含み,かつ樹脂シー
ト302における難燃剤の含有率が回路基板用絶縁材3
01のそれより大きいことを特徴とする。
【0087】また,本発明の第2の回路基板の製造方法
は,非ハロゲン系の回路基板用絶縁材301の両面に樹
脂層310を片面に具備した離形性フィルム311を用
いる工程(a2)以外は,第1の回路基板の製造方法と
同様である。
【0088】いずれの製造方法においても,本発明の第
1の回路基板用絶縁材を用いた本発明の第1の回路基板
と同様の回路基板312を提供することができ,さらに
完全IVH構造の回路基板を構成することができるた
め,非ハロゲン系の高密度実装に極めて優れた回路基板
を提供することができる。
【0089】さらに,上記工程を繰り返すことにより完
全IVH構造の多層基板を容易に提供することができ
る。ここで,図4を用いて繰り返す工程について説明す
る。図4は,本発明の第1および第2の回路基板の多層
化工程の模式的な断面図である。図4において,図3の
(a1)又は(a2)〜(h)の工程によって製造され
たコア基板401の両面に,図3の(a1)又は(a
2)〜(e)の工程によって製造された積層体402を
重ね,さらにその両面に金属箔403を重ねる工程
(a)と,さらに加熱加圧して金属箔403と積層体4
02とを接着し,かつ貫通孔に充填された導電性ペース
トを圧縮硬化してビア404を形成する工程(b)と,
その積層体の金属箔403に所望の回路パターン405
を形成する工程(c)とを含む工程を少なくとも1回以
上繰り返すことで多層化が容易にできる。また,あらか
じめコア基板401と積層体402とを交互に積層体4
02が外側になるように重ね,最後に金属箔403を重
ねて,以下,図4の(b)および(c)の工程を行なう
ことでも多層化ができ,この場合積層回数を減少させる
ことができるため,製造タクトの短縮化に適している。
なお,本発明の回路基板の製造方法における配線層は銅
を主成分とすれば良く,その配線層を形成するために用
いた金属箔307,403は銅箔で良い。また,離形性
フィルム303および樹脂層310を具備した離形性フ
ィルム311はポリエチレンテレフタレート(PE
T),ポリエチレンナイトレート(PEN),セルロー
ス系のフィルムから選ばれることが好ましく,貫通孔3
05は炭酸ガスレーザー,YAGレーザーあるいはエキ
シマレーザーのいずれかで形成されることが好ましい。
また,導電性ペースト306は,導電性粒子,例えば
金,銀,銅,ニッケル,インジウム,パラジウムあるい
はそれらの合金と,エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂とか
らなることが好ましい。また,導電性ペースト306の
充填はスキージ等を用いた印刷法で良いが,真空中で行
なうとより効果的に導電性ペースト306のF値を増大
化することができる。回路基板の成形は真空熱プレスが
好ましい。
【0090】以下に本発明の回路基板の製造方法におけ
る具体的な実施の形態を示す。先ず,以下の実施の形態
26〜29で用いた共通の材料および工法について説明
する。
【0091】材料において,離形性フィルムには20μ
mのPETフィルムを用い,導電性ペーストには導電性
粒子に銅粉(平均粒径:5μm)を,バインダにビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂(3質量部)とダイマー酸を
グリシジルエステル化したエポキシ樹脂(7質量部)と
アミンアダクト型硬化剤(2.5質量部)とからなる樹
脂に混合して用い,そのF値(フィラー値)は87.5
である。非ハロゲン系難燃剤には,縮合リン酸エステル
(P含有量:9質量%)を用いた。
【0092】工法において,ラミネーター(温度:12
0℃,圧力196kPa)によって積層体304を形成
し,炭酸ガスレーザーによって200μmの貫通孔30
5を形成し,真空熱プレス(温度:200℃,圧力:4
903kPa,硬化時間:1時間)によって成形体を作
製した。また,ペースト充填には印刷法を,回路パター
ン形成にはエッチング法を用いた。さらに,図3の離形
性フィルム311は,PETフィルムの片面にバーコー
ターによって固形分70質量%のMEKワニスを塗布し
て,120℃で10分間乾燥して作製した。
【0093】(実施の形態26)図3の回路基板用絶縁
材301は,縮合リン酸エステルを添加した半硬化状態
のエポキシ樹脂,具体的には主剤にクレゾールノボラッ
ク型エポキシ(エポキシ当量:214),硬化剤にフェ
ノールノボラック(OH当量:105)を用いてなるエ
ポキシ樹脂をガラス織布(厚み:100μm)に含浸し
た形態であり,樹脂量が50質量%,P含有率が1.0
質量%である。また,樹脂シート302あるいは樹脂層
を具備した離形性フィルム311の樹脂層310は,縮
合リン酸エステルを添加した絶縁材301と同様の半硬
化状態のエポキシ樹脂であり,厚みが10μmでP含有
率は2.0質量%である。
【0094】(実施の形態27)図3の回路基板用絶縁
材301は,縮合リン酸エステルを添加した半硬化状態
のエポキシ樹脂,具体的には主剤にクレゾールノボラッ
ク型エポキシ(エポキシ当量:214),硬化剤にフェ
ノールノボラック(OH当量:105)を用いてなるエ
ポキシ樹脂をアラミド不織布(厚み:100μm)に含
浸した形態であり,樹脂量が50質量%,P含有率が
1.0質量%である。また,樹脂シート302あるいは
樹脂層を具備した離形性フィルム311の樹脂層310
は,縮合リン酸エステルを添加した絶縁材301と同様
の半硬化状態のエポキシ樹脂であり,厚みが10μmで
P含有量は2.2質量%である。
【0095】(実施の形態28)図3の回路基板用絶縁
材301は,縮合リン酸エステルを添加した半硬化状態
のエポキシ樹脂,具体的には主剤にクレゾールノボラッ
ク型エポキシ(エポキシ当量:214),硬化剤にフェ
ノールノボラック(OH当量:105)を用いてなるエ
ポキシ樹脂とアルミナ(粒径:5μm)とからなるシー
ト(厚み:120μm)であり,樹脂量が40質量%,
P含有量が1.0質量%である。また,樹脂シート30
2あるいは樹脂層を具備した離形性フィルム311の樹
脂層310は,縮合リン酸エステルを添加した絶縁材3
01と同様の半硬化状態のエポキシ樹脂であり,厚みが
5μmでP含有量は1.5質量%である。
【0096】(実施の形態29)図3の回路基板用絶縁
材301は,縮合リン酸エステルを添加した半硬化状態
のエポキシ樹脂,具体的には主剤にクレゾールノボラッ
ク型エポキシ(エポキシ当量:214),硬化剤にフェ
ノールノボラック(OH当量:105)を用いてなるエ
ポキシ樹脂と水酸化アルミニウム(粒径:8μm)とか
らなるシート(厚み:100μm)であり,樹脂量が1
0質量%,P含有量が0質量%である。また,樹脂シー
ト302あるいは樹脂層を具備した離形性フィルム31
1の樹脂層310は,縮合リン酸エステルを添加した絶
縁材301と同様の半硬化状態のエポキシ樹脂であり,
厚みが5μmでP含有量は1質量%である。
【0097】実施の形態26〜29において,本発明の
回路基板の第1あるいは第2の製造方法を用いれば,本
発明の第1の回路基板を容易に作製することができ,か
つその回路基板における本発明の効果は全く同等であ
る。さらに,この製造方法であれば,全層IVH構造の
高密度実装に極めて優れた回路基板を提供することが容
易である。
【0098】なお,本発明は,以上の実施の形態1〜2
9に示した構成,材料および工法に限定されるものでな
い。
【0099】
【発明の効果】以上,説明したように本発明は,回路基
板用絶縁材あるいは回路基板の構成であれば,非ハロゲ
ン系回路基板の非ハロゲン系難燃剤による不具合,特に
ピール強度をはじめとする基板特性の低下を容易に改善
することができる。また,本発明の第2の回路基板用絶
縁材であれば,その硬化物のヤング率の比,すなわち
(125℃のヤング率)/(25℃のヤング率)が0.
8以上となるように材料組成を構築すれば,容易にハロ
ゲン系回路基板と同等の基板特性を有する非ハロゲン系
回路基板を提供することができる。また,本発明の回路
基板の製造方法によれば,非ハロゲン系難燃剤による基
板特性の低下を抑制できる構造,かつ高密度実装に極め
て優れた全層IVH構造の回路基板を容易に提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第2又は第3の回路基板の模式的な断
面図である。
【図2】本発明の第4の回路基板の模式的な断面図であ
る。
【図3】本発明の第1および第2の回路基板の製造方法
を説明する模式的な断面図である。
【図4】本発明の第1および第2の回路基板の多層化工
程の模式的な断面図である。
【符号の説明】
101 本発明の第2又は第3の回路基板 102 内層の絶縁層 103 最外の絶縁層 104,105 配線層 106 スルーホール 107 IVH(インタースティシャルビアホール) 201 本発明の第4の回路基板 202 内層の絶縁層 203 難燃性化合物 204 接着層 205,206 配線層 207 IVH(インタースティシャルビアホール) 208 スルーホール 301 回路基板用絶縁材 302 樹脂シート 303 離形性フィルム 304 離形性フィルム,樹脂層と回路基板用絶縁材か
らなる積層体 305 貫通孔 306 導電性ペースト 307 金属箔 308 ビア 309 回路パターン 310 樹脂層 311 樹脂層を具備した離形性フィルム 312 本発明の第1の回路基板 401 コア基板 402 導電性ペーストが貫通孔に充填され,樹脂層と
回路基板用絶縁材からなる積層体 403 金属箔 404 ビア 405 回路パターン 406 本発明の第1の回路基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/46 H05K 3/46 N T // C08L 63:00 C08L 63:00 C (72)発明者 面屋 和則 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 大林 孝志 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4F072 AA01 AA05 AA07 AB05 AB06 AB07 AB09 AB28 AB29 AD23 AE06 AE07 AF03 AF04 AF06 AG03 AG16 AH02 AK05 5E346 AA12 AA15 AA43 CC04 CC05 CC09 CC12 CC13 DD12 EE39 FF04 FF18

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半硬化状態の非ハロゲン系樹脂と補強材
    とからなり,かつ前記樹脂に非ハロゲン系難燃剤を含む
    回路基板用絶縁材であって,前記回路基板用絶縁材の表
    面から内部方向に前記難燃剤の含有率が小さくなること
    を特徴とする回路基板用絶縁材。
  2. 【請求項2】 半硬化状態の非ハロゲン系樹脂と補強材
    とからなり,かつ前記樹脂に非ハロゲン系難燃剤を含む
    回路基板用絶縁材であって,前記回路基板用絶縁材を硬
    化した硬化物の25℃におけるヤング率に対する125
    ℃におけるヤング率の比が0.8以上であることを特徴
    とする回路基板用絶縁材。
  3. 【請求項3】 前記補強材が,有機繊維又はガラス繊維
    の少なくとも一方を主成分とする不織布あるいは織布か
    らなることを特徴とする請求項1又は2に記載の回路基
    板用絶縁材。
  4. 【請求項4】 前記有機繊維が,全芳香族ポリアミド,
    全芳香族ポリエステルおよびポリパラフェニレンベンゾ
    ビスオキサゾールからなる群から選択された少なくとも
    1種であることを特徴とする請求項3に記載の回路基板
    用絶縁材。
  5. 【請求項5】 前記補強材が,無機フィラーであること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の回路基板用絶縁
    材。
  6. 【請求項6】 前記無機フィラーが,アルミナ,シリ
    カ,窒化アルミニウム,難燃効果を有する水酸化アルミ
    ニウムおよび水酸化マグネシウムからなる群から選択さ
    れた少なくとも1種であることを特徴とする請求項5に
    記載の回路基板用絶縁材。
  7. 【請求項7】 非ハロゲン系絶縁層と配線層とが交互に
    積層された2層以上の回路基板であって,少なくとも最
    外層の前記絶縁層が,請求項1〜6のいずれかに記載の
    回路基板用絶縁材を硬化させてなることを特徴とする回
    路基板。
  8. 【請求項8】 非ハロゲン系絶縁層と配線層とが交互に
    積層され,かつ非ハロゲン系難燃剤を少なくとも内層の
    前記絶縁層に含む4層以上の回路基板であって,最外層
    の前記絶縁層が含む前記非ハロゲン系難燃剤の含有率
    が,内層の前記絶縁層が含む前記非ハロゲン系難燃剤の
    含有率より小さいことを特徴とする回路基板。
  9. 【請求項9】 非ハロゲン系絶縁層と配線層とが交互に
    積層され,かつ非ハロゲン系難燃剤を少なくとも内層の
    前記絶縁層に含む4層以上の回路基板であって,最外層
    の前記絶縁層の125℃におけるヤング率が,内層の前
    記絶縁層の125℃におけるヤング率より大きいことを
    特徴とする回路基板。
  10. 【請求項10】 少なくとも前記内層の絶縁層が,非ハ
    ロゲン系樹脂と,補強材として有機繊維又はガラス繊維
    の少なくとも一方を主成分とする不織布あるいは織布を
    少なくとも含むことを特徴とする請求項8又は9に記載
    の回路基板。
  11. 【請求項11】 前記有機繊維が,全芳香族ポリアミ
    ド,全芳香族ポリエステルおよびポリパラフェニレンベ
    ンゾビスオキサゾールからなる群から選択された少なく
    とも1種であることを特徴とする請求項10に記載の回
    路基板。
  12. 【請求項12】 少なくとも前記内層の絶縁層が,非ハ
    ロゲン系樹脂と無機フィラーとを少なくとも含むことを
    特徴とする請求項8又は9に記載の回路基板。
  13. 【請求項13】 前記無機フィラーが,アルミナ,シリ
    カ,窒化アルミニウム,難燃効果を有する水酸化アルミ
    ニウムおよび水酸化マグネシウムからなる群から選択さ
    れた少なくとも1種であることを特徴とする請求項12
    に記載の回路基板。
  14. 【請求項14】 非ハロゲン系絶縁層と配線層とが交互
    に積層された4層以上の回路基板であって,少なくとも
    最外層の前記絶縁層が難燃性化合物からなり,かつ前記
    難燃性化合物からなる絶縁層以外の層に非ハロゲン系難
    燃剤を含むことを特徴とする回路基板。
  15. 【請求項15】 前記難燃性化合物が,ポリイミド,全
    芳香族ポリアミド,全芳香族ポリエステル,ポリフェニ
    レンサルファイド,ポリフェニレンエーテルおよびポリ
    エーテルスルホンからなる群から選択された少なくとも
    1種であるとともに、前記最外層の絶縁層がフィルムか
    ら構成されることを特徴とする請求項14に記載の回路
    基板。
  16. 【請求項16】 非ハロゲン系の回路基板用絶縁材の両
    面に非ハロゲン系の樹脂シートを重ね,さらにその両面
    に離形性フィルムを重ねて圧着して積層体を形成する工
    程と,離形性フィルムを具備した前記積層体に貫通孔を
    所望の位置に形成する工程と,前記貫通孔に導電性ペー
    ストを充填する工程と、前記貫通孔に前記導電性ペース
    トを充填した前記積層体から前記離型性フィルムのみを
    剥離する工程と、前記離型性フィルムを剥離した積層体
    の両面に金属箔を重ねる工程と、前記積層体を加熱加圧
    して前記金属箔と前記積層体とを接着し,かつ前記貫通
    孔に充填された前記導電性ペーストを圧縮硬化してビア
    を形成する工程と,前記金属箔に所望の回路パターンを
    形成する工程とを含む工程を少なくとも1回以上繰り返
    してなる回路基板の製造方法であって,前記樹脂シート
    および前記回路基板用絶縁材がそれぞれ非ハロゲン系難
    燃剤を含み,かつ前記樹脂シートの前記難燃剤の含有率
    が前記回路基板用絶縁材の前記難燃剤の含有率より大き
    いことを特徴とする回路基板の製造方法。
  17. 【請求項17】 非ハロゲン系の回路基板用絶縁材の両
    面に樹脂層を片面に具備した離形性フィルムを前記樹脂
    層側で重ねて圧着して積層体を形成する工程と,離形性
    フィルムを具備した前記積層体に貫通孔を所望の位置に
    形成する工程と,前記貫通孔に導電性ペーストを充填す
    る工程と、前記貫通孔に前記導電性ペーストを充填した
    前記積層体から前記離型性フィルムのみを剥離する工程
    と、前記離型性フィルムを剥離した積層体の両面に金属
    箔を重ねる工程と、前記積層体を加熱加圧して前記金属
    箔と前記積層体とを接着し,かつ前記貫通孔に充填され
    た前記導電性ペーストを圧縮硬化してビアを形成する工
    程と,前記金属箔に所望の回路パターンを形成する工程
    とを含む工程を少なくとも1回以上繰り返してなる回路
    基板の製造方法であって,前記樹脂層および前記回路基
    板用絶縁材がそれぞれ非ハロゲン系難燃剤を含み,かつ
    前記樹脂層の前記難燃剤の含有率が前記回路基板用絶縁
    材の前記難燃剤の含有率より大きいことを特徴とする回
    路基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007266323A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Matsushita Electric Works Ltd 電子部品内蔵基板、電子部品内蔵基板の製造方法、及び電子部品の製造方法
WO2024171697A1 (ja) * 2023-02-17 2024-08-22 Agc株式会社 半導体パッケージ基板

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