JP4534793B2 - プリント配線板及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents

プリント配線板及びプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば電子機器、電気機器、コンピュータ、通信機器等に用いられるプリント配線板、及びこのプリント配線板の製造方法に関するものである。
近年、半導体チップやチップ部品等の電子部品は軽薄小型化が進んでおり、それに伴ってこれら電子部品が実装されるプリント配線板の高密度配線化への要望が高まっている。このため、インターステーシャルバイアホール(以下、IVHということがある)が各層ごとに形成された多層構造体は、従来の貫通スルーホールをもつ多層基板に比べて配線密度が高く、注目を集めている。
このようなIVHを有する多層配線基板は、特公昭45−13303号公報に開示されているようにその有用性が古くから認識されているが、近年ではレーザー加工技術やIVHの形成のためのペースト印刷技術の進歩もあって、特開平8−255982号公報、特開平9−36551公報に開示されているような画期的な工法が提案されるに至っている。特に特開平9−36551号公報に開示の工法による全層IVH基板の場合は積層成形のためのプレス回数が大幅に削減され、製造工程として洗練されてきている。
そして、特許文献1では、図2に示すように、ガラスクロス1にエポキシ樹脂を含浸・硬化させた硬化樹脂層2の両面にエポキシ樹脂組成物等からなる接着層3とPETフィルム等からなる保護フィルム層4が順次配された材料A’を用い(図2(a))、バイアホール9形成用の貫通孔5を形成してこれに導電性ペースト6を充填した後に前記PETフィルムを剥離し、銅箔や導体配線7a等の導体層7を積層成形するプリント配線板B’(図2(b))の製造方法が提案されている。
特開2002−103494号公報
しかし、上記のように硬化樹脂層2、接着層3、保護フィルムを積層して形成した絶縁材料を製造する場合には、次に示すような問題があった。
すなわち、ガラスクロス1を含む硬化樹脂層2としては、一般的な片面基板や、銅張積層板の表面の銅箔をエッチング除去したものなどが用いられるが、このような硬化樹脂層2では、そのガラスクロス1の表面と絶縁層8の表面との間には、前記除去される銅箔の粗面の凹凸(処理足)をカバーするために通常10μmを超える厚み(樹脂厚みW’)で樹脂が存在し、また、硬化樹脂層2を銅箔が設けられていないアンクラッド基板にて形成する場合にも、ガラスクロス1が表面に露出しないようにするために同様に樹脂厚みW’が10μmを超えるものであった。そして、このような硬化樹脂層2に接着層3を形成すると、更に全体の厚みが大きくなってしまうものであった。このため、硬化樹脂層2と接着層3とでプリント配線板Bの絶縁層8を形成する場合にこの絶縁層8の厚みが大きくなってしまい、この絶縁層8に形成されるバイアホール9(IVH)の長さも長くなってしまうものであった。このようにバイアホール9の長さが長くなると、それに伴ってバイアホール9の電気抵抗値が増大して導通信頼性の低下を招き、またこの導通信頼性を維持するためにはバイアホール9の断面積を増大させることでバイアホール9の電気伝導性を維持する必要が生じ、配線の高密度化に逆行する事態が生じてしまうものであった。
また、バイアホール9における導電性ペースト6は、上記のような硬化樹脂層2と接着層3とで構成される絶縁層8よりも熱膨脹係数が小さく、このためバイアホール9の形成後の処理工程やプリント配線板B’の使用時などに熱による負荷がかけられた場合、熱膨張の差のためにバイアホール9における導電性ペースト6と、このバイアホール9に接続されている導体配線7aとの間で剥離等が生じてしまい、耐熱信頼性が低くなってしまうという問題もあった。
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、硬化樹脂層、接着層、保護フィルム層を積層して形成したプリント配線板用絶縁材料から製造されるプリント配線板に関し、バイアホールの長さの長大化を防止してバイアホールにおける導通信頼性を高く維持することができるプリント配線板、及びこプリント配線板の製造方法を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、上記プリント配線板用絶縁材料Aにより製造されるプリント配線板Bの熱履歴による信頼性の低下を防ぐことも目的とするものである。
本発明のプリント配線板は、ガラスクロス1に熱硬化性樹脂組成物を含浸硬化させた硬化樹脂層2の両面に、Bステージ状態の熱硬化性樹脂組成物からなる接着層3が積層して設けられ、各接着層3の外面に保護フィルム層4が積層されており、且つ前記硬化樹脂層2における接着層3に接する表面と硬化樹脂層2内のガラスクロス1の表面との間の寸法が10μm以下であるプリント配線板用絶縁材料Aを用い、このプリント配線板用絶縁材料Aに厚み方向に貫通する貫通孔5を穿設し、この貫通孔5に導電性ペースト6を充填した後、保護フィルム層4を接着層3から剥離し、更に接着層3に導体層7を積層して重ねた状態で加熱加圧成形を行うことで、作製することができる。このようにして形成されるプリント配線板Bでは、硬化樹脂層2と接着層3とで形成される絶縁層8の厚みを薄く形成することができ、このためこの絶縁層8に形成されるバイアホールの長さの長大化を防止することができる。また、ガラスクロス1と硬化した熱硬化性樹脂とにて構成される絶縁層8において、ガラスクロス1の占める割合が相対的に大きくなることから、絶縁層8全体の熱膨張係数が小さくなり、このため、バイアホール9における導電性ペースト6と絶縁層8との間の熱膨張係数の差が小さくなる。
上記プリント配線板用絶縁材料Aでは、上記接着層3を加熱硬化した際のガラス転移点が、上記硬化樹脂層2のガラス転移点よりも10℃以上高いものである。これにより、絶縁層8の熱膨張係数が小さく、バイアホール9における導電性ペースト6と絶縁層8との間の熱膨張係数の差が小さい状態にある温度域を広くすることができる。
また、本発明のプリント配線板Bの製造方法は、上記のようなプリント配線板用絶縁材料Aに厚み方向に貫通する貫通孔5を穿設する工程、前記貫通孔5に導電性ペースト6を充填する工程、上記保護フィルム層4を上記接着層3から剥離する工程、前記接着層3に導体層7を積層して重ねた状態で加熱加圧成形を行う工程を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、プリント配線板用絶縁材料にて作製されるバイアホールが形成されたプリント配線板における、絶縁層に形成されるバイアホールの長さの長大化を防止してバイアホールの電気抵抗値の増大を抑制し、バイアホールにおける導通信頼性を高く維持することができるものであるものであり、また併せてバイアホールにおける導電性ペーストと絶縁層との間の熱膨張係数の差を小さくすることができて、バイアホール形成後の各種処理や、プリント配線板の使用時などに熱による負荷がかけられた場合でも、バイアホールと導体層との間の剥離等が生じにくくし、耐熱信頼性を向上することができるものである。
本発明に係るプリント配線板用絶縁材料Aは、硬化樹脂層2の両面にそれぞれ接着層3と保護フィルム層4とを順次積層して構成される。
硬化樹脂層2は、ガラスクロス1に熱硬化性樹脂組成物を含浸硬化させた構造を有しているものであり、また、この硬化樹脂層2における接着層3に接する表面と硬化樹脂層2内のガラスクロス1の表面との間の寸法は、10μm以下に形成されている。
硬化樹脂層2は、ガラスクロス1にエポキシ樹脂ワニス等の熱硬化性樹脂ワニスを含浸した後、加熱乾燥してBステージ状態としたプリプレグの両面に銅箔等の金属箔を配置した状態で加熱硬化することで両面金属箔張積層板を得た後、両面の金属箔をエッチング処理等にて除去することで形成することができる。また、前記プリプレグの両面に離型フィルムやアルミ箔のような離型箔を配置した状態で加熱硬化した後に前記離型箔を剥離して得られるアンクラッド基板にて硬化樹脂層2を形成するようにしても良い。このように硬化樹脂層2を形成する際には、硬化樹脂層2の表面と硬化樹脂層2内のガラスクロス1の表面との間の寸法、すなわち硬化樹脂層2の表面とガラスクロス1の表面との間に存在する樹脂の厚み(以下、樹脂厚みWという)が、10μm以下となるように、ガラスクロス1に対する熱硬化性樹脂ワニスの含浸量や、硬化成形時の成形厚みが調整されるものである。このとき、ガラスクロス1の厚みと、硬化樹脂層2の厚みとの差が、0.02mm以下となる。
上記樹脂厚みWは薄いほど好ましく、厚みが0となって硬化樹脂層2の表面にガラスクロス1が露出しても良いが、好ましくはこの厚みを1μm以上となるようにする。
このように硬化樹脂層2内の樹脂厚みWを小さくすると、硬化樹脂層2の表面にガラスクロス1が露出する可能性があり、また仮にこの硬化樹脂層2に対して銅箔等の金属箔や金属膜の導体層7を積層成形する際に十分な密着強度が得られないおそれも生じるが、硬化樹脂層2には接着層3を積層して設けるため、ガラスクロス1が露出してもこれを接着層3にて被覆し、またこの接着層3にて金属箔や金属膜との密着性を確保することができるものである。そして、このように樹脂厚みWを小さくすることで、硬化樹脂層2全体の厚みを小さくすることができ、ひいては硬化樹脂層2と接着層3とで構成されるプリント配線板Bの絶縁層8の厚みを小さくすることができるものである。
また、接着層3はBステージ状態の熱硬化性樹脂組成物にて形成される。この接着層3の形成のための熱硬化性樹脂組成物としては、適宜のものを挙げることができ、例えばエポキシ樹脂及び硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物のほか、ポリイミド系、ビスマレイミドトリアジン系、アクリレート系、フェノール系等の熱硬化性樹脂組成物を用いることができる。接着層3の厚みは、金属箔や金属膜等との十分な接着性が確保することができる程度に適宜調整されるが、この厚みが過大になると絶縁層8の厚みの増大化を招くため、好ましくは50μm以下の範囲の厚みに形成される。
また、保護フィルム層4は適宜のシート材にて形成することができるが、例えばポリエチレンテレフタレート製のシート材にて形成することができる。ここで、保護フィルム層4の厚みにより、後述するように導電性ペースト6の貫通孔5からの突出寸法が決定されるため、保護フィルム層4の厚みは導電性ペースト6の突出量を十分確保することができるように適宜調整されるものであるが、好ましくは12〜50μmの範囲とする。
接着層3及び保護フィルム層4は適宜の手法で形成することができるが、例えば硬化樹脂層2の両面に接着層3の形成のための熱硬化性樹脂組成物をロールコータ、カーテンコータ、スプレーコータ、スクリーン印刷などの手段で塗布し、乾燥した後、保護フィルム層4となるシート材を積層して配置し、この状態で加熱することにより熱硬化性樹脂組成物を半硬化させてBステージ状態とする。これにより、Bステージ状態となった熱硬化性樹脂組成物にて接着層3が形成されると共に、シート材にて保護フィルム層4が形成される。また、保護シートとなるシート材の一面に接着層3の形成のための熱硬化性樹脂組成物を塗布した後、これを熱ロール等を用いて硬化樹脂層2の両面にラミネートしてもよく、この場合も、Bステージ状態となった熱硬化性樹脂組成物にて接着層3が形成されると共に、シート材にて保護フィルム層4が形成される。
このように形成されるプリント配線板用絶縁材料Aでは、硬化樹脂層2と接着層3をそれぞれ構成するための熱硬化性樹脂組成物について、その具体的組成は特に制限されるものではないが、後述するように優れた耐熱信頼性を得るためには、好ましくは硬化樹脂層2のガラス転移点よりも、接着層3を加熱硬化した場合のそのガラス転移点の方が、10℃以上高くなるようにする。このとき、硬化樹脂層2と接着層3を形成するための各熱硬化性樹脂組成物は、硬化物のガラス転移点が前記の条件となるように各組成を決定するものであるが、特に硬化樹脂層2を形成するための熱硬化性樹脂組成物としてその硬化物のガラス転移点が120〜180℃の範囲のものを用いると共に、接着層3を形成するための熱硬化性樹脂組成物としてその硬化物のガラス転移点が120〜200℃の範囲のものを用い、且つ両者のガラス転移点の差が10〜20℃の範囲となるようにすることが好ましいものである。具体的には、例えば硬化樹脂層2を、硬化物のガラス転移点が120℃であるFR−4グレードの熱硬化性樹脂組成物にて形成し、接着層3を、硬化物のガラス転移点が180℃であるFR−5グレードの熱硬化性樹脂組成物にて形成することができる。
次に、このようなプリント配線板用絶縁材料Aを用いたプリント配線板Bの製造方法について説明する。
まず、プリント配線板用絶縁材料Aにドリル加工やレーザ加工等を施すことにより、一方の保護シート材、一方の接着層3、硬化絶縁層8、他方の接着層3、他方の保護フィルム層4を順次貫通する貫通孔5を穿設する。この貫通孔5の開口径は特に制限されないがバイアホール9の電気抵抗値を十分に低減すると共に過剰な大径化による配線密度低下を防止するためには、直径100〜500μmの範囲とすることが好ましい。
次に、一方の保護フィルム層4側から、銀ペースト等の導電性ペースト6を貫通孔5内に印刷法等により充填した後、両側の保護フィルム層4を剥離する。このとき保護フィルム層4の厚み分だけ、導電性ペースト6が貫通孔5から突出することになる。
次に、露出した各接着層3の表面にそれぞれ金属箔等からなる導体層7を配置した状態で、加熱加圧成形する。
この加熱加圧成形時においては、接着層3は一旦加熱により溶融した後、熱硬化することとなり、このため接着層3と導体層7(金属箔)とが密着し、また同時に硬化樹脂層2とその両側の接着層3とによって、絶縁層8が形成される。
また、このとき導電性ペースト6の貫通孔5から突出する部分が導体層7(金属箔)に密接し、これにより貫通孔5の形成位置において両側の導体層7(金属箔)間を導通するバイアホール9が形成される。
次に、必要に応じて絶縁層8の両側の導体層7(金属箔)にアディティブ法やサブトラクティブ法等を施すことにより、導体配線7aを形成する。これにより、両面に導体配線7aが形成されたプリント配線板Bを得ることができる。
各接着層3の一方又は双方に重ねる導体層7としては、上記のような金属箔に限るものではない。例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の剥離フィルムの表面に導体層7として配線加工がなされた金属膜を形成したものを用いることもできる。この場合、保護フィルム層4を剥離することにより露出した各接着層3の表面にそれぞれ剥離フィルムを金属膜からなる導体層7が各接着層3と重なるように配置した状態で、加熱加圧成形する。このとき導体層7(金属膜)における所定位置が上記貫通孔5から突出する導電性ペースト6と重なるようにする。この加熱加圧成形時においても、接着層3と導体層7(金属膜)とが密着すると共に硬化樹脂層2とその両側の接着層3とによって絶縁層8が形成され、また貫通孔5の形成位置において両側の導体層7(金属膜)間を導通するバイアホール9が形成される。
次に、剥離フィルムを剥離して導体層7(金属膜)を絶縁層8側に残存させることにより、プリント配線板Bが形成される。このとき、導体層7(金属膜)は既に配線加工がなされているため、更にアディティブ法やサブトラクティブ法等を施すことなく、導体配線7aとして形成される。
また、各接着層3の一方又は双方に重ねる導体層7として、別のプリント配線板に形成された導体配線7aを適用することもできる。この場合、保護フィルム層4を剥離することにより露出した接着層3の表面に別のプリント配線板を、その導体配線7aが各接着層3と重なるように配置した状態で、加熱加圧成形する。このとき導体層7(導体配線7a)における所定位置が上記貫通孔5から突出する導電性ペースト6と重なるようにする。この加熱加圧成形時においても、接着層3と導体層7(導体配線7a)とが密着すると共に硬化樹脂層2とその両側の接着層3とによって絶縁層8が形成され、また貫通孔5の形成位置において両側の導体層7(導体配線7a)間を導通するバイアホール9が形成される。これにより、多層のプリント配線板Bが形成されるものである。
また、上記のように形成されたプリント配線板Bに対して更に絶縁層と導体層を積層成形し、更に多層のプリント配線板Bを得ることもできる。
このようにして形成されるプリント配線板Bでは、上記のようにプリント配線板用絶縁材料Aにおける硬化樹脂層2の接着層3に接する表面と硬化樹脂層2内のガラスクロス1の表面との間の寸法(樹脂厚みW)が10μm以下となっているために、硬化樹脂層2と接着層3とで形成される絶縁層8の厚みを薄く形成することができ、このためこの絶縁層8に形成されるバイアホール9の長さの長大化を防止してバイアホール9の電気抵抗値の増大を抑制し、バイアホール9における導通信頼性を高く維持することができるものである。
また、上記のように樹脂厚みWを10μm以下とすると、ガラスクロス1と硬化した熱硬化性樹脂とにて構成される絶縁層8において、ガラスクロス1の占める割合が相対的に大きくなることから、絶縁層8全体の熱膨張係数が小さくなる。このため、バイアホール9における導電性ペースト6と絶縁層8との間の熱膨張係数の差が小さくなり、バイアホール9形成後の各種処理や、プリント配線板Bの使用時などに熱による負荷がかけられた場合でも、バイアホール9と導体層7との間の剥離等が生じにくくなり、耐熱信頼性が向上するものである。
また、特に上記のようにプリント配線板用絶縁材料Aにおける接着層3を加熱硬化した際のガラス転移点が、硬化樹脂層2のガラス転移点よりも10℃以上高いものであると、プリント配線板Bに熱による負荷がかけられる場合での信頼性が更に向上する。すなわち、接着層3を構成する熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、ガラス転移点以上となると熱膨張係数が急激に増大して、絶縁層8全体の熱膨張係数も大きくなるものであるが、上記のように接着層3を加熱硬化した際のガラス転移点を高くすることにより、絶縁層8の熱膨張係数が小さい状態にある温度域を広くすることができ、これにより上記のようなバイアホール9と導体層7との間の剥離等が生じることを更に抑制して、耐熱信頼性を向上することができるものである。
(実施例1)
ガラスクロス1(WEA品番106;厚み0.038mm)にエポキシ樹脂ワニス(松下電工株式会社製の積層板「R1766」の製造用途に用いられているエポキシ樹脂ワニス)を含浸、乾燥させることにより樹脂分70%のプリプレグを作製した。
このプリプレグの両面にアルミニウム箔を配置した状態で、真空下、190℃、4.0MPaの条件下で180分の加熱加圧した後、アルミニウム箔を除去し、板厚0.050mmのアンクラッド基板からなる硬化樹脂層2を得た。このときの硬化樹脂層2における両側の樹脂厚みWは0.006mmであった。
次に、ビスフェノールA型臭素化エポキシ樹脂メチルエチルケトン溶液(ダウ・ケミカル社製「DER514」)80重量%、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂メチルエチルケトン溶液(大日本インキ化学工業株式会社製「EPICLON−N−690」)7重量%、エタン型固形エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製「EOPN1031」)5重量%、ジシアンジアミド(日本カーバイド工業株式会社製、ジメチルホルアミド10%溶液)8重量%からなる熱硬化性樹脂組成物ワニスを調製し、これをロールコーターにて上記硬化樹脂層2の一面に10μmの厚みで塗布した後、50℃でタック性が無くなるまで60分乾燥することで、接着層3を形成した。次いで同様にして硬化樹脂層2の他面にも接着層3を形成した。
次に、保護フィルム層4として、ポリエチレンテレフタレート製のフィルム(東レ株式会社製「T−60」)を、50℃、0.49MPa(5kgf/cm2)の条件でロールラミネートすることにより、各接着層3の表面に貼着し、プリント配線板用絶縁材料Aを得た。
このプリント配線板用絶縁材料Aの絶縁層8と、硬化後の接着層3の各ガラス転移温度を、TMA法で測定したところ、それぞれ140℃と178℃であった。
(実施例2)
硬化樹脂層2として、実施例1と同様のアンクラッド基板を形成した。
次に、液状臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製「YDF−8170」)20重量部、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製「YDB−400」)20重量部を、溶媒であるメチルエチルケトンに攪拌しながら溶解させ、そこへフェノールノボラック型硬化剤(明和化成株式会社製「MEH−7500」)20重量部を加えて、熱硬化性樹脂組成物ワニスを調製し、これを硬化樹脂層2の一面に10μmの厚みで塗布した後、50℃でタック性が無くなるまで60分乾燥することで、接着層3を形成した。次いで同様にして硬化樹脂層2の他面にも接着層3を形成した
次に、実施例1と同様にして保護フィルム層4を各接着層3の表面に貼着し、プリント配線板用絶縁材料Aを得た。
このプリント配線板用絶縁材料Aの絶縁層8と、硬化後の接着層3の各ガラス転移温度を、TMA法で測定したところ、それぞれ140℃と178℃であった。
(比較例1)
ガラスクロス1(WEA品番106;厚み0.038mm)にエポキシ樹脂ワニス(松下電工株式会社製の積層板「R1766」の製造用途に用いられているエポキシ樹脂ワニス)を含浸、乾燥させることにより樹脂分70%のプリプレグを作製した。
このプリプレグの両面にアルミニウム箔を配置した状態で、真空下、190℃、3.0MPaの条件下で180分の加熱加圧した後、アルミニウム箔を除去し、板厚0.064mmのアンクラッド基板からなる硬化樹脂層2を得た。このときの硬化樹脂層2における両側の樹脂厚みWは0.013mmであった。
次に、実施例1と同様にして、硬化樹脂層2の両面に接着層3を形成した後、更に各接着層3の表面に保護フィルム層4を貼着し、プリント配線板用絶縁材料Aを得た。
このプリント配線板用絶縁材料Aの絶縁層8と、硬化後の接着層3の各ガラス転移温度を、TMA法で測定したところ、それぞれ140℃と138℃であった。
(プリント配線板Bの製造)
上記各実施例及び比較例にて得られたプリント配線板用絶縁材料Aに対して、炭酸ガスレーザー(三菱電機株式会社製「ML605」)を用いて、直径150μmの貫通孔5を穿設し、この貫通孔5内に、スキージ印刷法にて導電性ペースト6(銀コート銅粉)を印刷充填した。
次に、両面の保護フィルムを剥離して、導電性ペースト6からなるバンプを突出させて露出させ、この状態で厚み18μm銅箔を各両面に配して、真空プレスを用いて真空下で、180℃、3.0MPaの条件下で120分間、加熱加圧成形した。
次に、基板の端面をカットしたのち、両面の銅箔に対して、ドライフィルムの形成、露光現像、塩化第二銅でのエッチング処理を順次施すことにより、配線加工を施した。
このように形成された導体層7(導体配線7a)における、バイアホール9と接続されている部分の電気抵抗値を測定し、これをバイアホール9あたりの電気抵抗値に換算した。
また、同基板を260℃の半田槽に20秒間、3回フロートさせて熱負荷を与えた後、同様にしてバイアホール9あたりの電気抵抗値を導出した。
これらの結果は下記表1に示すとおりであり、比較例1に対して実施例1,2ではバイアホール9あたりの電気抵抗値が低く抑えられると共に、熱負荷が与えられた際の抵抗変化率値も小さく押さえられており、特に実施例2では抵抗変化率値が著しく抑制された。
Figure 0004534793
本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)乃至(b)は断面図である。 従来技術の一例を示すものであり、(a)及び(b)は断面図である。
符号の説明
A プリント配線板用絶縁材料
B プリント配線板
1 ガラスクロス
2 硬化樹脂層
3 接着層
4 保護フィルム層
5 貫通孔
6 導電性ペースト
7 導体層
8 絶縁層
9 バイアホール

Claims (2)

  1. ガラスクロスに熱硬化性樹脂組成物を含浸硬化させた硬化樹脂層の両面に、Bステージ状態の熱硬化性樹脂組成物からなる接着層が積層して設けられ、各接着層の外面に保護フィルム層が積層されており、且つ前記硬化樹脂層における接着層に接する表面と硬化樹脂層内のガラスクロスの表面との間の寸法が10μm以下であると共に、前記接着層を加熱硬化した際のガラス転移点が、前記硬化樹脂層のガラス転移点よりも10℃以上高いプリント配線板用絶縁材料に厚み方向に貫通する貫通孔を穿設し、前記貫通孔に導電性ペーストを充填し、前記保護フィルム層を前記接着層から剥離し、前記接着層に導体層を積層して重ねた状態で加熱加圧成形してなることを特徴とするプリント配線板。
  2. ガラスクロスに熱硬化性樹脂組成物を含浸硬化させた硬化樹脂層の両面に、Bステージ状態の熱硬化性樹脂組成物からなる接着層が積層して設けられ、各接着層の外面に保護フィルム層が積層されており、且つ前記硬化樹脂層における接着層に接する表面と硬化樹脂層内のガラスクロスの表面との間の寸法が10μm以下であると共に、前記接着層を加熱硬化した際のガラス転移点が、前記硬化樹脂層のガラス転移点よりも10℃以上高いプリント配線板用絶縁材料に厚み方向に貫通する貫通孔を穿設する工程、前記貫通孔に導電性ペーストを充填する工程、記保護フィルム層を記接着層から剥離する工程、前記接着層に導体層を積層して重ねた状態で加熱加圧成形を行う工程を含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
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