JP2002353281A - シリコンウェーハ表面品質の評価方法 - Google Patents
シリコンウェーハ表面品質の評価方法Info
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Abstract
表面品質の評価のバラツキをなくし、安定した評価を行
うことのできるシリコンウェーハ表面品質の評価方法を
提供する。 【解決手段】アンモニア水、過酸化水素水及び水よりな
る処理液を用いてシリコンウェーハ表面に長時間のエッ
チング処理を施し、該シリコンウェーハ表面に形成され
たLPDの個数を調べることによりシリコンウェーハの
評価を行う方法において、該処理液中にキレート剤を加
えるようにした。
Description
(以下単にウェーハと称することがある)の表面品質、
特に微小な欠陥を精度良く評価することのできるシリコ
ンウェーハ表面の評価方法に関する。
チョクラルスキー法(CZ法)やフローティングゾーン
法(FZ法)で成長された単結晶インゴットを円板状に
スライスしウェーハの原型を作るスライス工程と、この
ウェーハを平坦化するためのラッピング工程、加工歪を
除去するためのエッチング工程、更には鏡面化のための
ポリッシング工程という手順を経て、少なくともその片
面(主面)が鏡面仕上げされたウェーハに加工されるウ
ェーハ加工プロセスと、その後、前記ウェーハの鏡面に
微細な電気回路を書き込んで行くデバイス製造プロセス
に分かれている。これらの製造工程には、他にも熱処理
工程や洗浄、乾燥工程、検査工程などの種々の工程があ
る。
イスを製造するまでの工程において、酸化膜耐圧等のウ
ェーハ特性を劣化させる欠陥の存在や有機物、重金属等
による汚染は極力抑える必要があり、ウェーハ加工プロ
セスでは、このような欠陥や汚染を確認するための検査
手段や、汚染された金属を除去するための洗浄工程など
の検討が行われている。
して、アンモニア系の溶液を用いた評価方法が開発され
ている。例えば、特開平3−276722号公報には、
エピタキシャルウェーハを標準試料として、ウェーハ表
面のパーティクルを測定することが記載されている。ま
た特開平3−233955号公報では、微小ピットを検
出する方法が記載されている。
水素、水よりなる処理液を用い、シリコンウェーハ表面
に長時間又は繰り返しエッチング処理を施し、該シリコ
ンウェーハの表面に形成されたLight Point
Defect(以下LPDと称す)の個数又はLPD
の増加現象を調べる事によりシリコンウェーハの評価を
行う方法で、該処理液中のアンモニアの濃度を過酸化水
素の濃度よりも高濃度としたシリコンウェーハの評価法
を開発した(特開2000−208578号公報)。本
評価法によりウェーハ表面の微小な欠陥の評価が可能に
なった。この評価方法は、SC1長時間エッチング評価
法、SC1−RT評価法等といわれる(以下SC1−R
T評価法と称す)。
価法においてウェーハの評価結果が安定しないという問
題が発生した。つまり、同一の特性を持つウェーハを評
価しても、評価する日にち又は場所等が異なると値が変
わり、特にバッチ間のバラツキが大きかった。
結果のバラツキの原因については、溶液の金属汚染の影
響が想定されるが、SC1−RT評価後処理液の重金属
汚染レベルを調査しても、重金属汚染濃度は検出下限以
下(検出下限は1ppb)であるため、現状の評価レベ
ルでは特に金属汚染を受けているとは考えられておら
ず、はっきりした原因が分からなかった。
チングを行うと金属不純物が原因と思われる面粗れが生
じ、LPDの正確なカウントができない場合もあった。
極微小の欠陥を検出する場合、エッチング時間を長くす
る必要が生じるため、評価の精度及びバラツキを防止す
るにはこのような金属起因と考えられる面粗れを防止す
る必要があった。
問題点に鑑みなされたもので、SC1−RT評価法にお
けるシリコンウェーハ表面品質の評価のバラツキをなく
し、安定した評価を行うことのできるシリコンウェーハ
表面品質の評価方法を提供することを目的とする。
によるウェーハの評価結果が安定しない原因について、
鋭意調査したところ、1ppb程度の検出下限では検出
できないようなアンモニア系水溶液中の極微量な金属汚
染が関係しているのではないかと考えられた。
品質を安定に評価するための方法について検討を続けた
結果、アンモニア系水溶液にキレート剤を添加すると、
バラツキが抑えられ安定した評価ができることがわかっ
た。また、処理槽を酸洗浄してから評価を行っても、安
定した評価ができることも分かった。したがって、極微
量な金属汚染により評価結果が影響を受けている可能性
が高いことが考えられる。
けるアンモニア系水溶液にキレート剤を添加することに
より、そのウェーハの評価結果が著しく安定した。これ
は、キレート分子がアンモニア系水溶液中に溶け込んだ
検出下限以下の極微量な汚染金属をトラップするためと
考えられる。本発明者は、このような知見を基として本
発明を完成した。
明のシリコンウェーハ表面品質の評価方法は、アンモニ
ア水、過酸化水素水及び水よりなる処理液を用いてシリ
コンウェーハ表面に長時間のエッチング処理を施し、該
シリコンウェーハ表面に形成されたLPDの個数を調べ
ることによりシリコンウェーハの評価を行う方法、いわ
ゆるSC1−RT評価法において、該処理液中にキレー
ト剤を加えることを特徴とする。
限はないが、代表例としてクエン酸やエチレンジアミン
テトラ酢酸(EDTA)、ニトロ三酢酸(NTA)、ジ
エチレントリアミン−N,N,N’,N’’,N’’−
五酢酸(DTPA)等が挙げられる。特に、クエン酸を
添加すると廃水の処理等取扱いが容易で好ましい。
制限はないが、汚染金属の種類や含有量、アンモニア系
水溶液の液組成などによって決定される。例えば、事前
に処理槽を酸洗浄したり高純度の薬液を使用すること
で、通常は含有されている汚染金属は1ppb以下と大
変微量であるため、キレート剤の添加量は1ppb程度
添加すればよい。
らの汚染金属の侵入による影響を防止するには添加量と
して、あらかじめ多めのキレート剤を添加しておくこと
が好ましい。クエン酸やEDTA程度のキレート能を持
つキレート剤であれば、1ppb〜2%程度の範囲で添
加しておけば好ましい。なお、クエン酸などの酸性のキ
レート剤を添加する場合、添加量が多すぎると処理液の
エッチング速度が遅くなるなどの影響が出てくるため、
1ppb〜2000ppm程度が好適である。キレート
剤の種類やキレート能によって最適な濃度を添加すれば
良い。
処理液を調製後、この処理液に添加しても良く、あるい
は、アンモニア水、過酸化水素水、水に予めキレート剤
を添加し、しかる後にこれらを混合して処理液を調製し
ても良い。
従来から知られているもので良いが、上記処理液のウェ
ーハに対するエッチング速度が1.0〜4.0nm/m
inであるのが好適であり、感度の面からアンモニア系
水溶液の処理液の濃度は、例えば該処理液中のアンモニ
ア濃度を0.3〜3.0wt%、過酸化水素濃度0.1
5〜0.6wt%とし、アンモニア濃度を過酸化水素濃
度の2倍以上、好ましくは2〜5倍程度とすればよい。
特に28wt%アンモニア水:30wt%過酸化水素
水:水を10:2:100程度の比で調製した処理液が
好ましい。
のではないが30分以上120分程度で行われる。この
ような長時間処理を行えば、対象とする欠陥がパーティ
クルカウンター等でカウントできる大きさとなり、LP
D数が正確に把握できる。このエッチング処理は一度に
(例えば、同じ処理液で60分間のエッチング処理)行
っても、また複数回に別け繰り返し(例えば、20分の
エッチング処理を3回)行っても良い。
は表面近傍のバルク部分の欠陥を評価したい場合には処
理時間を増やす事で検出することも可能である。なお、
処理時間が増えるとウェーハ表面が粗れることもある
が、キレート剤を入れた事により金属起因と思われる面
粗れも抑制され120分以上の処理時間でも実施でき
る。しかし、この処理時間は、通常は30分から60分
程度が好ましい。
面品質を高感度に測定するには、シリコンウェーハ表面
の酸化膜を除去した後に実施してもよい。シリコンウェ
ーハ表面の酸化膜を除去する方法は、金属汚染のされて
いない高純度のHF溶液で行ってもよく、また金属汚染
のない研磨等で除去することもできる。
たLPDの個数を調べる。LPDについては、0.11
〜0.12μm以上のものをカウントするとウェーハ品
質を正確に評価できる。
を添付図面に基づいて説明するが、図示例は例示的に示
されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種
々の変形が可能なことはいうまでもない。
の評価方法の工程順の一例を示すフローチャートであ
る。同図において、まず、LPD測定対象となるウェー
ハを準備する(ステップ100)。そのウェーハに対し
て長時間のエッチング処理を施し(ステップ102)、
純水リンス(ステップ104)及びIPA(イソプロピ
ルアルコール)乾燥(ステップ106)を行った後、L
PDの測定を行う(ステップ108)。
溶液の処理液としては、前述した組成のものが用いられ
るが、その処理液の一例として、28wt%アンモニア
水:30wt%過酸化水素水:水を10:2:100程
度の比で調製した処理液をベースとしたものが好まし
い。このようなSC1−RT評価法に用いる処理液に添
加するキレート剤には、クエン酸、EDTA等を用いる
ことができる。
度のものを使用する。これは処理液中に金属を持ち込む
事が好ましくないためである。例えば、クエン酸は高純
度品で、10wt%中のAl、Ca、Cu、Fe、M
g、Pb濃度が1ppb以下、Ni濃度が5ppb以
下、Cr濃度が10ppb以下であり、例えば上記ベー
スの処理液にクエン酸を添加した処理薬液として、アン
モニア水(28wt%):過酸化水素水(30wt
%):クエン酸(10wt%):水=10:2:1:1
00の組成のものを調合した場合、クエン酸添加による
金属不純物の持ち込みは、Al、Ca、Cu、Fe、M
g、Pb濃度で0.01ppb以下、Ni濃度が0.0
5ppb以下、Cr濃度が0.1ppb以下と非常に微
量なものとなる。
エン酸を添加した処理液を用いて、処理液の液温を約8
0℃とし、30分以上、例えば40分間程度のエッチン
グ処理を行う。薬液処理後、純水によりオーバーフロー
リンスを10分程度行い、IPA(イソプロピルアルコ
ール)ベーパーを用いて乾燥後、LPDカウントを行
う。
グ製パーティクルカウンターLS―6500等を用い
て、0.12μm以上のサイズのものをカウントする。
に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもの
で限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもな
い。
SC1−RT評価法によるウェーハ表面品質の評価の安
定化の効果を調べた。被処理サンプルには2種類のCZ
結晶から作った8インチ鏡面ウェーハを用いた。ひとつ
は欠陥の多い結晶から作製したウェーハ(実施例1)、
もうひとつは無欠陥の結晶から作製したウェーハ(実施
例2)を評価した。欠陥の多い結晶にはCOP(Cry
stal Originated Particle)が
全面に含まれるのに対し、無欠陥結晶にはCOPが存在
しない。
%):過酸化水素水(30wt%):キレート剤(クエ
ン酸)(10wt%):水=10:2:1:100の組
成のものを調合した。
0mm×280mmの洗浄槽を用いた。8インチウェー
ハ洗浄用テフロン(登録商標)バスケットに、汚染のな
いダミーウェーハを一番初めのスロットに装填し、その
隣のスロットに欠陥の多い結晶ウェーハ、さらにその隣
に無欠陥結晶ウェーハを装填した。ダミーウェーハを入
れた理由は、光の影響等を防止することによって、2枚
のサンプルウェーハの洗浄条件を一致させるためであ
る。この被評価サンプルウェーハのセットを、上記の方
法で計30バッチ評価した。なお、被評価サンプルウェ
ーハは、それぞれのバッチで異なるものを用いるが、こ
れらは同一インゴットから切り出され、同一条件で加工
されたウェーハであり基本的に同じ特性を有するウェー
ハである。
度のエッチング処理を行った。処理後、純水によりオー
バーフローリンスを10分間行い、IPA(イソプロピ
ルアルコール)ベーバーを用いて乾燥後、LPDカウン
トを行った。
ーティクルカウンターLS―6500を用いて、PMT
電圧700Vで、0.12μm以上のサイズのものをカ
ウントした。
施例2)に示す。実施例1の欠陥の多い結晶のウェーハ
から得られたLPD数は平均値2962個、標準偏差1
69個(図2)であった。また、実施例2の無欠陥結晶
のウェーハでは平均値21個、標準偏差11個(図3)
と、どちらの結晶においてもバッチ間で非常に安定した
結果が得られた。
製したウェーハ(比較例1)及び無欠陥の結晶から作製
したウェーハ(比較例2)を用い、キレート剤を添加し
ないで、実施例1及び2と同様な評価を行った。つま
り、このときの処理薬液の組成は、アンモニア水(28
wt%):過酸化水素水(30wt%):水=10:
2:100である。
1)及び図5(比較例2)に示す。無欠陥結晶のウェー
ハにおいてキレート剤を添加した場合(実施例2)はL
PD数が全て50個以下であったが、キレート剤を添加
しなかった場合(比較例2)は2バッチ目、3バッチ目
及び4バッチ目でLPD数がかなり多くなり、半分程度
の確率で正しい評価が出来ないことが分かった。特に4
バッチ目ではLPD数が30000個以上になり、明ら
かに異常な結果を示した。同様の傾向が、比較例1の欠
陥の多い結晶ウェーハを用いた場合にも見られた。
C1−RT評価法におけるウェーハ表面品質の評価のバ
ラツキをなくし、その安定性を著しく向上させることが
できるという効果が達成される。また、キレート剤の添
加により長時間のエッチングを行っても金属起因と考え
られる面粗れが生じづらくなるため、長時間エッチング
も可能となり極微小な欠陥も評価できる。
ートである。
1−RT評価法におけるバッチ間評価安定性を示すグラ
フである。
1−RT評価法におけるバッチ間評価安定性を示すグラ
フである。
来のSC1−RT評価法を行った場合に、バッチ間バラ
ツキが発生していることを示すグラフである。
来のSC1−RT評価法を行った場合に、バッチ間バラ
ツキが発生していることを示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 アンモニア水、過酸化水素水及び水より
なる処理液を用いてシリコンウェーハ表面に長時間のエ
ッチング処理を施し、該シリコンウェーハ表面に形成さ
れたLPDの個数を調べることによりシリコンウェーハ
の評価を行う方法において、該処理液中にキレート剤を
加えることを特徴とするシリコンウェーハ表面品質の評
価方法。 - 【請求項2】 前記処理液中に加えるキレート剤がクエ
ン酸であることを特徴とする請求項1記載のシリコンウ
ェーハ表面品質の評価方法。 - 【請求項3】 前記処理液のエッチング速度が、1.0
〜4.0nm/minであることを特徴とする請求項1
又は2記載のシリコンウェーハ表面品質の評価方法。 - 【請求項4】 前記処理液のアンモニア濃度が、0.3
〜3.0wt%、過酸化水素濃度が0.15〜0.6w
t%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
項記載のシリコンウェーハ表面品質の評価方法。 - 【請求項5】 前記エッチング処理が30〜120分で
あることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載
のシリコンウェーハ表面品質の評価方法。 - 【請求項6】 前記キレート剤の添加量が1ppb以上
であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記
載のシリコンウェーハ表面品質の評価方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001161056A JP2002353281A (ja) | 2001-05-29 | 2001-05-29 | シリコンウェーハ表面品質の評価方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001161056A JP2002353281A (ja) | 2001-05-29 | 2001-05-29 | シリコンウェーハ表面品質の評価方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
ID=19004391
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001161056A Pending JP2002353281A (ja) | 2001-05-29 | 2001-05-29 | シリコンウェーハ表面品質の評価方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2001
- 2001-05-29 JP JP2001161056A patent/JP2002353281A/ja active Pending
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