JP2002352812A - 燃料電池用セパレータ及びそれを用いた固体高分子型燃料電池 - Google Patents
燃料電池用セパレータ及びそれを用いた固体高分子型燃料電池Info
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
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Abstract
セパレータを提供する。 【解決手段】 炭素又は黒鉛から主として成り、かつポ
リ(メタ)アクリレートを含んでいる燃料電池用セパレ
ータであって、見かけ比重が1.5〜1.85g/cm
3でガス透過率が1×10-5cc/sec、cm、at
m以下であることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
Description
れた、燃料電池用セパレータ、及びそれを用いた固体高
分子型燃料電池に関する。
る発電装置として開発が進められている。なかでも、固
体高分子型燃料電池は、小規模発電や可搬用電源として
の用途、特に車載用の内燃機関の代替動力源として期待
されている。固体高分子型燃料電池の各セルは、例えば
フッ素系樹脂を基材とするイオン交換膜からなる電解
質、その両側に設けた一対の電極、及びそれを更に両側
から挟むカーボン材から成るセパレータにより構成され
る。
水素等の燃料ガス及び酸素等の酸化剤ガスを供給し、か
つ燃料電池セル内で発生した電気を外部に取り出すため
のもので、一般に平板の両面にガスの流路となる溝を、
直線状又は格子状に形成した構造を有している。燃料電
池用セパレータは、燃料ガスと酸化剤ガスとを完全に分
離した状態で電極に供給するために高度のガス不透過性
が要求され、また発電効率を高くするために電気抵抗が
小さいことが必要である。更に車載用の内燃機関の代替
動力源として用いる場合は、できるだけ軽量化すること
が望まれている。
タ中に存在する貫通気孔を極力減らすことが必要であ
る。このため、従来、導電性のよいカーボン又は黒鉛の
粉末や繊維粉砕物を原材料とし、これに熱硬化性樹脂を
バインダとして加えて、混練・成形することにより、貫
通気孔の少ないセパレータを製造する方法が提案されて
いる。しかしながら、この方法により得られるセパレー
タは、ガス透過率を十分に低くしようとすると密度が高
くなり、セパレータが非常に重くなってしまう。例え
ば、車載用の燃料電池に用いた場合は、現状ではセパレ
ータの重量だけで100kg以上と非常に重いものにな
ってしまう。
用の燃料電池としても好適な、ガス不透過性に優れ、か
つ、軽量な燃料電池用セパレータを提供しようとするも
のである。
した結果、炭素又は黒鉛から主として成り、かつ、ポリ
(メタ)アクリレートで貫通気孔を封鎖してなる燃料電
池用セパレータは、ガス不透過性に優れ、軽量であるこ
とを見いだし、本発明を完成した。即ち、本発明の要旨
は、炭素又は黒鉛から主として成り、かつポリ(メタ)
アクリレートを含んでいる燃料電池用セパレータであっ
て、見かけ比重が1.5〜1.85g/cm3で、ガス
透過率が1×10-5cc/sec・cm・atm以下で
あることを特徴とする燃料電池用セパレータに存する。
本発明に係る燃料電池用セパレータは、炭素又は黒鉛か
ら主として成る骨格構造を有しており、その形状は、従
来の燃料電池用セパレータと基本的に同一である。セパ
レータの骨格構造をなす基体の製造方法としては、例え
ば、黒鉛板の表面に切削により溝を形成する方法、炭素
又は黒鉛の粉末や繊維粉砕物に熱硬化性樹脂又はピッチ
等をバインダとして加えて混練・成形した後に焼成し、
炭化・黒鉛化したものに機械加工を施して、所望の形状
とする方法などが挙げられる。また、炭素又は黒鉛の粉
末や繊維粉砕物に少量の熱硬化性樹脂又はピッチ等をバ
インダとして加えて混練した後、所望の形状を有する金
型を用いて成形する方法に依ることもできる。
記の炭素又は黒鉛から主として成る骨格構造を有する基
体中に、ポリ(メタ)アクリレートを含んでいることを
特徴とする。ここでポリ(メタ)アクリレートとは、ア
クリレート及び/又はメタアクリレートを主たるモノマ
ーとする重合体を意味する。その含有量は、骨格構造を
形成している炭素又は黒鉛100重量部に対して、通常
0.1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部であ
る。含有量が少ない場合は、十分なガス不透過性が達成
できないおそれがある。また、含有量が多すぎる場合に
は、セパレータ内部だけでなく表面部分にもポリ(メ
タ)アクリレートが多量に付着して、セパレータの電気
抵抗を増大させるおそれがある。
有させるポリ(メタ)アクリレートとしては、ポリグリ
コールジ(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アク
リレート及びヒドロキシアルキルメタアクリレートを主
体とする共重合体が好ましい。この共重合体をセパレー
タに含有させるには、上記で形成した炭素又は黒鉛から
主としてなる骨格構造を有する基体に、共重合体を構成
するモノマーを含浸させて骨格構造内部で重合させれば
よい。
コールジ(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、
及び2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等
に代表されるアゾ系開始剤からなる重合性組成物を入
れ、この中に上記で形成した炭素又は黒鉛から主として
なる骨格構造を有するセパレータ基体を浸漬し、容器内
を通常50torr以下に減圧して基体内部の脱気を行
う。十分な脱気を行うためには20torr以下、特に
10torr以下に減圧するのが好ましい。脱気が不十
分であると重合性組成物を内部に十分含浸させることが
できない。次いで、容器内を大気圧に戻して基体内部に
まで重合組成物を浸透させる。所望ならば加圧して浸透
を促進してもよい。次いで容器から基体を取り出し、表
面に付着している重合性組成物を洗浄除去した後、加熱
して重合性組成物を基体内部で重合させる。含浸に供す
る重合性組成物の粘度は、通常1〜50センチポイズ
(cp)であればよいが、1〜30cp、特に1〜20
cpであるのが好ましい。粘度が高すぎると内部にまで
十分に含浸させるのが困難である。逆に粘度が低すぎる
場合は、含浸させた組成物が流出してしまうおそれがあ
る。粘度の調整は、含浸時の温度を調整したり、界面活
性剤を添加することによって行うことができる。
通常は室温で実施すればよい。含浸後、表面に付着して
いる重合性組成物を40℃以下、好ましくは10〜30
℃の水を用いて洗い流したのち、通常50〜150℃、
好ましくは60〜130℃、更に好ましくは80〜12
0℃の温度に加熱して、重合性組成物を硬化させる。
合は、ポリグリコールジ(メタ)アクリレート、アルキ
ル(メタ)アクリレート及びヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレート、重合開始剤の合計量を100とした
場合に、通常はポリグリコールジ(メタ)アクリレート
60〜85重量%、アルキル(メタ)アクリレート5〜
30重量%、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
3〜15重量%及び重合開始剤0 .01〜2重量%で
あり、好ましくは、ポリグリコールジ(メタ)アクリレ
ート65〜80重量%、アルキル(メタ)アクリレート
8〜25重量%、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ート4〜12重量%、及び重合開始剤0.5〜1重量%
である。また、非イオン性界面活性剤を重合性組成物中
に0 .5〜10重量%、特に1〜8重量%となるよう
に含有させるのも好ましい。
ートとしては、トリメチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト等を用いるのが好ましい。アルキル(メタ)アクリレ
ートとしては、アルキル基の炭素数が10〜18、特に
12〜16の直鎖又は分岐鎖状アルキル(メタ)アクリ
レートを用いるのが好ましい。なかでも好ましいのは炭
素数12〜16の直鎖アルキル(メタ)アクリレートで
ある。
としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどを用い
るのが好ましい。非イオン性界面活性剤としては、ノニ
ルフェノールにアルキレンオキシドを付加させたノニル
フェノールエトキシレート、ノニルフェノールプロポキ
シレート等、を用いるのが好ましい。なかでも好ましい
のは、ノニルフェノールに対してエチレンオキシドを5
〜30モル、特に約10モル付加したノニルフェノール
エトキシレートである。重合開始剤としては、2,2−
アゾビス(2−メチルブチロニトリル)など常用のもの
を用いればよい。
せの一例は、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート65〜80重量%、アルキル基が炭素数12〜1
6の直鎖状アルキル基の混合物であるアルキル(メタ)
アクリレート8〜25重量%、2−、又は3−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート4〜12重量%、ノニ
ルフェノールエトキシレート(エトキシ基付加モル数1
0モル)1〜8重量%及び2,2−アゾビス(2−メチ
ルブチロニトリル)0.5〜1重量%である。
ニルフェノールエトキシレートのマレイン酸モノエステ
ルや、メタクリル酸エステル等を含有させることもでき
る。本発明に係る燃料電池用セパレータは、炭素又は黒
鉛から主としてなる骨格構造に重合性組成物を含浸させ
て重合させることにより、骨格構造内部の貫通気孔を封
鎖してあるので、ガス透過率が1×10-5cc/sec
・cm・atm以下と著しく小さい。ガス透過率は重合
性組成物の含浸量により5×10-6cc/sec ・c
m ・atm以下、所望ならば1×10-6cc/sec
・cm ・atm 以下と更に小さなものとすることもで
きる。
通気孔を封鎖したので、見かけ比重が1.5〜1.85
g/cm3 と小さい。見かけ比重は好ましくは、1 .
55〜1 .8g/cm3、特に1 .6〜1 .75g/
cm3であり、固体高分子型燃料電池を軽量化すること
が可能である。
するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例
により限定されるものではない。なお、以下の実施例に
おいてガス透過率は、下記のようにして測定した。セパ
レータを、窒素供給設備および透過ガス回収装置を備え
たサンプル密着用冶具(ガス透過面積:直径2.5cm)
で上下から挟み、サンプル上部から圧力1kg/cm2
の窒素ガスを供給する。サンプルを透過したガスを、ガ
ス回収管を経由して水中に放出させる。最初に気泡が放
出されてから次に気泡が放出されるまでの時間(秒)を
測定し、下記式によりガス透過率を計算した。
(気泡1個の体積)×セパレータの厚さ(cm)}÷{1kg
/cm2(窒素ガス圧力)×時間(sec)×ガス透過面積(c
m2)} 実施例1 黒鉛粉末とピッチを重量比3:1で混合し、圧力2 .
5ton/cm2でプレス成形した。成形体を700℃
で焼成して、縦12cm、横12cm、厚さ5mmの主
成分が黒鉛から成るセパレータ基体を作成した。
ルジメタアクリレート72重量%、炭素数12、14及
び16のn−アルコール混合物のエステルであるメタア
クリレート15重量%、2−ヒドロキシプロピルメタア
クリレート5重量%、ノニルフェノールエトキシレート
(エトキシ基付加モル10モル数)2重量%及び2,2
−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.5重量
%、さらにノニルフェノールエトキシレート(エトキシ
基付加10モル数)のマレイン酸エステル1重量%、及
びノニルアルコールエトキシレート(エトキシ基付加3
0モル数)のメタクリル酸エステル5重量%からなる重
合性組成物を入れ、これに上記のセパレータ基体を浸漬
した。
の圧力に90分間保持して、セパレータ基体内の空気を
抜き出した。その後、圧力を大気圧に戻し、60分間保
持してセパレータ基体内部に重合性組成物を浸透させ
た。セパレータ基体を取り出し、流水で洗浄して表面に
付着している重合性組成物を除去した後、80℃の温水
に60分間浸漬して、重合性組成物を重合させ、内部に
ポリメタアクリレートを含有しているセパレータとし
た。得られたセパレータの特性を表−1に示す。なお、
含浸処理前の基体の見かけ密度に比して、得られたセパ
レータの見かけ密度は約5%増加していた。 比較例1 黒鉛粉末にバインダーとして熱硬化性樹脂を重量比で
9:1の割合で加えて混練し、120℃で圧力1ton
/cm2でプレス成形して、縦12cm、横12cm、
厚さ5mmのセパレータを得た。得られたセパレータの
特性を表−1に示す。比較例2 黒鉛粉末にバインダーとして熱硬化性樹脂を重量比で
9:1の割合で加えて混練し、120℃で圧力0 .7
ton/cm2でプレス成形して、縦12cm、横12
cm、厚さ5mmのセパレータを得た。得られたセパレ
ータの特性を表−1に示す。
うにガス不透過性に優れたものは見かけ比重が大きくな
り、燃料電池の重量が大きくなる。また比較例2のよう
に見かけ比重を小さくすると、ガス不透過性が不十分に
なる。これに対し本発明では、ガス不透過性に優れ、か
つ見かけ比重も小さくすることができる。
性に優れ、かつ、見かけ比重が小さく軽量なため、燃料
電池用セパレータとして非常に有用である。
Claims (6)
- 【請求項1】炭素又は黒鉛から主として成り、かつポリ
(メタ)アクリレートを含んでいる燃料電池用セパレー
タであって、見かけ比重が1.5〜1.85g/cm3
でガス透過率が1×10-5cc/sec・cm・atm
以下であることを特徴とする燃料電池用セパレータ。 - 【請求項2】炭素又は黒鉛がセパレータの骨格構造を形
成しており、ポリ(メタ)アクリレートがこの構造の空
隙に含浸状態で存在していることを特徴とする請求項1
記載の燃料電池用セパレータ。 - 【請求項3】炭素又は黒鉛から主として成る成形体に
(メタ)アクリレートを含浸させた後、その場で重合さ
せることにより形成されたものであることを特徴とする
請求項1又は2に記載の燃料電池用セパレータ。 - 【請求項4】炭素又は黒鉛100重量部に対し、ポリ
(メタ)アクリレート0.1〜20重量部を含んでいる
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の
燃料電池用セパレータ。 - 【請求項5】見かけ比重が1.55〜1.8g/cm3
でガス透過率が5×10-6cc/sec・cm・at
m 以下であることを特徴とする請求項1ないし4のい
ずれかに記載の燃料電池用セパレータ。 - 【請求項6】請求項1ないし5のいずれかに記載のセパ
レータを備えていることを特徴とする固体高分子型燃料
電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001156363A JP2002352812A (ja) | 2001-05-25 | 2001-05-25 | 燃料電池用セパレータ及びそれを用いた固体高分子型燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001156363A JP2002352812A (ja) | 2001-05-25 | 2001-05-25 | 燃料電池用セパレータ及びそれを用いた固体高分子型燃料電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002352812A true JP2002352812A (ja) | 2002-12-06 |
Family
ID=19000381
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001156363A Pending JP2002352812A (ja) | 2001-05-25 | 2001-05-25 | 燃料電池用セパレータ及びそれを用いた固体高分子型燃料電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002352812A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005071635A (ja) * | 2003-08-26 | 2005-03-17 | Ibiden Co Ltd | 多孔質黒鉛板、多孔質黒鉛板の製造方法、高分子電解質型燃料電池用セパレータ |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000251903A (ja) * | 1999-02-25 | 2000-09-14 | Hitachi Chem Co Ltd | 燃料電池用セパレータ及びその製造法並びに燃料電池用セパレータを用いた燃料電池 |
JP2001085031A (ja) * | 1999-09-16 | 2001-03-30 | Kemitsukusu:Kk | 燃料電池用ガス不透過カーボンプレート |
-
2001
- 2001-05-25 JP JP2001156363A patent/JP2002352812A/ja active Pending
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JP2001085031A (ja) * | 1999-09-16 | 2001-03-30 | Kemitsukusu:Kk | 燃料電池用ガス不透過カーボンプレート |
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JP4656823B2 (ja) * | 2003-08-26 | 2011-03-23 | イビデン株式会社 | 多孔質黒鉛板、多孔質黒鉛板の製造方法、高分子電解質型燃料電池用セパレータ |
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