JP4656823B2 - 多孔質黒鉛板、多孔質黒鉛板の製造方法、高分子電解質型燃料電池用セパレータ - Google Patents

多孔質黒鉛板、多孔質黒鉛板の製造方法、高分子電解質型燃料電池用セパレータ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子電解質型燃料電池用セパレータに好適に用いることができる多孔質黒鉛板、多孔質黒鉛板の製造方法、及び、これを用いた高分子電解質型燃料電池用セパレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電解質としてプロトン導電性の固体高分子膜を用いた高分子電解質型燃料電池(以下、PEFCともいう)の開発が進められている。PEFCは、電解質が固体であることから、電解質の飛散がなく、振動に強く、騒音が少ない点、燃料極、空気極の差圧運転や加圧運転が容易である点において優れている。また、PEFCは、80〜100℃程度と燃料電池のなかではかなり低い温度で作動することから、起動時間が短い点、樹脂等の低廉な材料を使用することにより燃料電池の実用化の障壁となるコストの問題を解決しやすい点においても優れており、低温で作動するにも関わらず高出力密度が得られる。
【0003】
このようなPEFCの基本的な構造及び作動原理は以下の通りである。
図1は、PEFCを構成する単セルの構造を模式的に示した分解斜視図である。
図1に示した通り、PEFCの単セル10では、固体高分子電解質膜11を介し、その両側に空気極12(正極)と燃料極13(負極)とが対向するように接合されており、空気極12と燃料極13の外側には、PEFC用セパレータ20、30がそれぞれ当接されている。空気極12及び燃料極13は、触媒層と多孔質支持層の2層からなり、触媒層からなる面で固体高分子電解質膜11と接し、多孔質支持層からなる面でPEFC用セパレータ20、30と接する。
なお、空気極12と燃料極13との間には、外部負荷回路が接続されて電力が取り出されるが、このようなPEFCの単セル10から得られる電位差(電圧)は小さいため、実際に使用する場合は、PEFCの単セル10を複数積層してスタックを形成し、大きな電位差(電圧)が得られるようにする。
【0004】
このようなPEFCにおいて、PEFC用セパレータ20、30は、PEFCの燃料となる水素を燃料極13に、酸素を空気極12にそれぞれ供給する流路としての役割、及び、セルの強度を維持する役割を有している。
このため、PEFC用セパレータ20、30には、燃料ガスを供給、排出するための燃料ガス孔23、33、及び、空気を供給、排出するための空気孔24、34が全てのセルを貫通するように設けられ、燃料極13と接する側の面に、燃料ガス孔22、23と繋がる燃料ガス溝21、31が設けられ、空気極12と接する側の面に、空気孔24、34と繋がる空気溝22、32が設けられる。
PEFC用セパレータ20、30では、水素又は水素を生成しやすい物質からなる燃料ガス及び空気(酸素)が、燃料ガス孔23、33及び空気孔24、34を通じて、各セルの燃料ガス溝21、31及び空気溝22、32に連続的に供給され、使用後の燃料ガス及び空気が、各セルの燃料ガス溝21、31及び空気溝22、32から、燃料ガス孔23、33及び空気孔22、32を通じて、連続的に排出される。
このようなPEFC用セパレータ20、30では、両面に設けられた溝に供給される燃料ガスと空気とが混入しないように高い気密性が必要とされ、通常、PEFC用セパレータ20、30は、気密性の高いカーボン系材料又は金属系材料から構成される。
【0005】
PEFCでは、燃料極13に燃料ガスを供給し、空気極12に空気を供給すると、燃料極13においては、下記反応式(1)に示す反応が起こり、空気極12においては、下記反応式(2)に示す反応が起こる。
その結果、PEFC全体では、下記反応式(3)に示す反応が起こることとなる。
【0006】
2H→4H+4e・・・(1)
【0007】
+4H+4e→2HO・・・(2)
【0008】
2H+O→2HO・・・(3)
【0009】
このように、PEFCでは、燃料極13において反応式(1)で表される反応により電子(4e)が生成し、この電子が外部負荷回路を経由して空気極12に移動する際に、外部負荷回路において行う仕事が電力として取り出される。
また同時に、PEFCでは、燃料極13において反応式(1)で表される反応により水素イオン(4H)が生成し、この水素イオンが固体高分子電解質膜11を経由して空気極12に移動し、酸素と反応する。その結果、PEFCでは、上記反応式(2)及び(3)に示したように、発電に伴って水素と酸素とが反応して、空気極12において水が生成することとなる。
【0010】
ここで、固体高分子電解質膜11内における水素イオンの移動を円滑に進めるためには、固体高分子電解質膜11が充分な水分を保持していることが重要であり、通常は、燃料ガスを湿らせて、固体高分子電解質膜11に水分を供給している。しかしながら、システムの簡素化やエネルギー効率の観点から、PEFCの運転を加湿装置なしで行いたいという要求が高まってきていた。また、PEFCの高出力化につれ、水素イオンの移動に伴う燃料極13側からの水の持ち去り(電気浸透現象)が起こり、特に燃料極13側の固体高分子電解質膜11内が乾燥し、電気抵抗が増大する結果、PEFCの出力密度が低下することになるという問題があった。
【0011】
これに対して、空気極12において生成した水分を、PEFC用セパレータ20、30を介して、できるだけセル外に放出することなく、隣接するセルに供給される燃料ガスの加湿に使用することが検討されている。
しかしながら、PEFC用セパレータ20、30には、水分を透過させる機能以外にも、上述したように、両面に設けられた溝に供給される燃料ガスと空気とが混入しないような高い気密性が必要とされており、相反する機能が要求されていた。
【0012】
そこで、PEFC用セパレータ20、30を多孔質材により構成することが検討されている(例えば、特許文献1参照)。多孔質材により構成されたPEFC用セパレータ20、30では、空気極12において生成した水が多孔質材中を満たすことにより、隣接するセルに対して供給される燃料ガスを加湿できるとともに、両面に設けられた溝に供給される燃料ガスと空気とが透過して混入することを防止する。
【0013】
【特許文献1】
特開平6−231793号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、PEFC用セパレータの外周部では、全てのセルを貫通するように、燃料ガス孔、空気孔が設けられるため、多孔質材中を空気極において生成した水により満たすことができず、高い気密性が得られないという問題があった。
【0015】
本発明は、上記課題に鑑み、高分子電解質型燃料電池用セパレータに好適に用いることができる多孔質黒鉛板、多孔質黒鉛板の製造方法、及び、これを用いた高分子電解質型燃料電池用セパレータを提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
第一の本発明は、開気孔率が10%未満の外周部と、開気孔率が10%以上の中央部とからなることを特徴とする多孔質黒鉛板である。
【0017】
第二の本発明は、第一の本発明の多孔質黒鉛板の略外周部を樹脂により封孔してなることを特徴とする高分子電解質型燃料電池用セパレータである。
【0018】
【発明の実施の形態】
まず、第一の本発明の多孔質黒鉛板について説明する。
第一の本発明の多孔質黒鉛板は、開気孔率が10%未満の外周部と、開気孔率が10%以上の中央部とからなることを特徴とする。
第一の本発明の多孔質黒鉛板によれば、外周部の開気孔率が10%未満であるので、PEFC用セパレータに用いられ、全てのセルを貫通するように、燃料ガス孔及び空気孔が外周部に設けられた際にも、外周部が高い気密性を有し、これらの孔を流れる空気と燃料ガスとが混入しないように遮蔽することができる。また、第一の本発明の多孔質黒鉛板によれば、中央部の開気孔率が10%以上であるので、PEFC用セパレータに用いられた際に、空気極において生成した水分により隣接するセルに供給される燃料ガスを充分に加湿することができるとともに、水分を充分に保持して、PEFC用セパレータの一方の面上を流れる空気と、他方の面上を流れる燃料ガスとが混入しないように遮蔽することができる。
【0019】
第一の本発明の多孔質黒鉛板の外周部における開気孔率が10%以上であると、PEFC用セパレータに用いられた際に、必要とされる強度を満たさなかったり、外周部に形成された孔を流れる空気と燃料ガスとが混入してしまったりする。
第一の本発明の多孔質黒鉛板の中央部における開気孔率の下限は、10%であり、好ましい上限は70%である。10%未満であると、PEFC用セパレータに用いられた際に、空気極において生成した水分により隣接するセルに供給される燃料ガスを充分に加湿できないことがある。70%を超えると、PEFC用セパレータに用いられた際に、必要とされる強度を満たさなかったり、PEFC用セパレータの一方の面上を流れる空気と、他方の面上を流れる燃料ガスとが混入してしまったりすることがある。
なお、本明細書において、開気孔率とは、多孔質体の見かけ上の容積に対する、多孔質体の外部に通じた空孔の容積の総和の割合を意味する。
【0020】
第一の本発明の多孔質黒鉛板の外周部における水銀圧入法による平均細孔半径の好ましい上限は1μmである。1μmを超えると、PEFC用セパレータに用いられた際に、外周部に形成された孔を流れる空気と燃料ガスとが混入してしまったりすることがある。
【0021】
第一の本発明の多孔質黒鉛板の外周部における通気率の好ましい上限は0.05cm/sである。0.05cm/sを超えると、PEFC用セパレータに用いられた際に、必要とされる強度を満たさなかったり、外周部に形成された孔を流れる空気と燃料ガスとが混入してしまったりすることがある。
なお、通気率は、透過ガスの容積(cm・atm)×試料の厚さ(cm)/(試料の面積(cm)×透過ガスの圧力差(atm)×時間(秒))により求められる。
【0022】
第一の本発明の多孔質黒鉛板の外周部は、外周に沿って幅10mm以上形成されることが好ましい。10mm未満であると、PEFC用セパレータに用いられた際に、適当な大きさの燃料ガス孔及び空気孔を設けることができないことがある。
【0023】
第一の本発明の多孔質黒鉛板の中央部における水銀圧入法による平均細孔半径の好ましい下限は、1μmであり、好ましい上限は3μmである。1μm未満であると、PEFC用セパレータに用いられた際に、空気極において生成した水分により隣接するセルに供給される燃料ガスを充分に加湿できないことがある。3μmを超えると、PEFC用セパレータの一方の面上を流れる空気と、他方の面上を流れる燃料ガスとが混入してしまったりすることがある。
【0024】
第一の本発明の多孔質黒鉛板の中央部における通気率の好ましい下限は、0.2cm/sであり、好ましい上限は3cm/sである。0.2cm/s未満であると、PEFC用セパレータに用いられた際に、空気極において生成した水分により隣接するセルに供給される燃料ガスを充分に加湿できないことがある。3cm/sを超えると、PEFC用セパレータに用いられた際に、必要とされる強度を満たさなかったり、PEFC用セパレータの一方の面上を流れる空気と、他方の面上を流れる燃料ガスとが混入してしまったりすることがある。
【0025】
第一の本発明の多孔質黒鉛板は、等方性黒鉛からなることが好ましい。
【0026】
次に、第一の本発明の多孔質黒鉛板を製造する方法について説明する。
第一の本発明の多孔質黒鉛板を製造する方法としては特に限定されないが、例えば、中央部の構成材料となる第一の炭素材用原料粉により、第一の成形体を作製し、外周部の構成材料となる第二の炭素材用原料粉により、上記第一の成形体を被包した状態で成形を行い、第二の成形体を作製し、上記第二の成形体を焼成及び黒鉛化して、多孔質黒鉛材を作製し、上記多孔質黒鉛材を板状に加工する方法等が好適に用いられる。なお、第一の成形体を第二の炭素材用原料粉により被包した状態で成形を行う際には、第二の成形体を一体のものとして得ることができれば第一の成形体の全面(六面)を第二の炭素材用原料粉により被包しなくてもよい。すなわち、少なくとも第一の成形体の側面(四面)を第二の炭素材用原料粉により被包していればよく、第一の成形体の側面と上面又は下面(五面)とを第二の炭素材用原料粉により被包していてもよい。
【0027】
なかでも、中央部の構成材料となる第一の炭素材用原料粉に、平均粒子直径10μm以上の炭素材用原料粉を使用し、外周部の構成材料となる第二の炭素材用原料粉に、平均粒子直径10μm未満の炭素材用原料粉を使用する方法が特に好適に用いられる。
このような、平均粒子直径10μm以上の第一の炭素材用原料粉を成形して第一の成形体を作製する第一の成形工程、平均粒子直径10μm以下の第二の炭素材用原料粉により、上記第一の成形体を被包した状態で成形を行い、第二の成形体を作製する第二の成形工程、上記第二の成形体を焼成及び黒鉛化して、多孔質黒鉛材を作製する黒鉛化工程、及び、上記多孔質黒鉛材を板状に加工する形状加工工程を有する第一の本発明の多孔質黒鉛板の製造方法(以下、炭素材用原料粉粒径調整法ともいう)もまた本発明の1つである。
【0028】
上記炭素材用原料粉粒径調整法における第一の成形工程では、平均粒子直径10μm以上の第一の炭素材用原料粉を成形して第一の成形体を作製する。上記炭素材用原料粉粒径調整法における上記第一の炭素材用原料粉の平均粒子直径が10μm未満であると、第一の本発明の多孔質黒鉛板の中央部における開気孔率が小さくなり過ぎ、PEFC用セパレータに用いられた際に、空気極において生成した水分により隣接するセルに供給される燃料ガスを充分に加湿できないことがある。
なお、上記炭素材用原料粉粒径調整法における上記第一の炭素材用原料粉の平均粒子直径の好ましい上限は50μmである。50μmを超えると、第一の本発明の多孔質黒鉛板の中央部における開気孔率が大きくなり過ぎ、PEFC用セパレータに用いられた際に、必要とされる強度を満たさなかったり、PEFC用セパレータの一方の面上を流れる空気と、他方の面上を流れる燃料ガスとが混入してしまったりすることがある。
【0029】
上記炭素材用原料粉粒径調整法における第一の炭素材用原料粉としては、炭素を主成分とする粉末であれば特に限定されず、例えば、メソカーボン等の粉末が挙げられる。
【0030】
上記炭素材用原料粉粒径調整法における上記第一の成形体を作製する際の成形方法としては特に限定されず、公知の成形方法を用いることができる。
上記第一の炭素材用原料粉を成形する際には、上記第一の炭素材用原料粉に対して、バインダー樹脂等を添加してもよい。上記バインダー樹脂としては特に限定されず、例えば、ピッチ、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
なお、上記第一の炭素材用原料粉が、メソカーボン等の自己焼結性の原料粉である場合は、特にバインダー樹脂は必要としない。
【0031】
上記炭素材用原料粉粒径調整法における第二の成形工程では、平均粒子直径が10μm以下の第二の炭素材用原料粉により、上記第一の成形体を被包した状態で成形を行い、第二の成形体を作製する。これにより、第一の本発明の多孔質黒鉛板において中央部を構成することとなる第一の成形体の周囲に、第一の本発明の多孔質黒鉛板において外周部を構成することとなる被覆層が形成されることとなる。このように平均粒子直径の小さい炭素材用原料粉を用いて、第一の本発明の多孔質黒鉛板において外周部を構成することとなる被覆層を形成することにより、第一の本発明の多孔質黒鉛板の外周部は、開気孔率が10%以下となり、中央部よりも開気孔率が大きくなる。
なお、上記炭素材用原料粉粒径調整法における第二の炭素材用原料粉の平均粒子直径の上限は10μmである。10μm以上であると、第一の本発明の多孔質黒鉛板の外周部における開気孔率が大きくなり過ぎ、PEFC用セパレータに用いられた際に、必要とされる強度を満たさなかったり、外周部に形成された孔を流れる空気と燃料ガスとが混入してしまったりすることがある。
【0032】
上記炭素材用原料粉粒径調整法における第二の炭素材用原料粉としては、炭素を主成分とする粉末であれば特に限定されず、例えば、メソカーボン等の粉末が挙げられる。
【0033】
上記炭素材用原料粉粒径調整法における第二の成形体を作製する際の成形方法としては、上記第一の成形体を被包した状態で行うことができるものであれば特に限定されず、公知の成形方法を用いることができる。
上記第二の炭素材用原料粉を成形する際には、上記第一の炭素材用原料粉に対して、バインダー樹脂等を添加してもよい。上記バインダー樹脂としては特に限定されず、例えば、ピッチ、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
なお、炭素材用原料粉が、メソカーボン等の自己焼結性の原料粉である場合は、特にバインダー樹脂は必要としない。
【0034】
上記炭素材用原料粉粒径調整法における第一の炭素材用原料粉と第二の炭素材用原料粉とからなる第二の成形体を焼成及び黒鉛化して、多孔質黒鉛材を作製する黒鉛化工程は、公知の焼成方法、及び、公知の黒鉛化方法にて行うことができる。
また、上記炭素材用原料粉粒径調整法における上記多孔質黒鉛材を板状に加工する形状加工工程は、切断、上下面の研削等の公知の切削方法にて行うことができ、上記多孔質黒鉛材を切断して板状にする方法によれば、複数の第一の本発明の多孔質黒鉛板を同時に製作することができる。
【0035】
また、中央部の構成材料となる第一の炭素材用原料粉として、気孔形成材を10〜80重量%含有する第一の炭素材用原料粉を用い、外周部の構成材料となる第二の炭素材用原料粉に、気孔形成材を含有しない第二の炭素材用原料粉又は気孔形成材の含有量が5重量%以下である第二の炭素材用原料粉を用いる方法が特に好適に用いられる。
このような、気孔形成材を10〜80重量%含有する第一の炭素材用原料粉を成形して第一の成形体を作製する第一の成形工程、気孔形成材を含有しない第二の炭素材用原料粉、又は、気孔形成材の含有量が5重量%以下である第二の炭素材用原料粉により、上記第一の成形体を被包した状態で成形を行い、第二の成形体を作製する第二の成形工程、上記第二の成形体を焼成及び黒鉛化して、多孔質黒鉛材を作製する黒鉛化工程、及び、上記多孔質黒鉛材を板状に加工する形状加工工程を有する本発明の多孔質黒鉛板の製造方法(以下、気孔形成材含有量調整法ともいう)もまた本発明の1つである。
【0036】
上記気孔形成材含有量調整法における第一の成形工程では、気孔形成材を10〜80重量%含有する第一の炭素材用原料粉を成形して第一の成形体を作製する。上記気孔形成材含有量調整法における第一の炭素材用原料粉中の気孔形成材としては、焼成することにより分解して成形体中に気孔を形成することができる物質であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、小麦粉、片栗粉等からなる粉末、綿、麻、ナイロン、ポリエステル等からなる繊維等が挙げられる。
【0037】
上記気孔形成材含有量調整法における第一の炭素材用原料粉中の気孔形成材の含有量の下限は10重量%であり、上限は80重量%である。10重量%未満であると、第一の本発明の多孔質黒鉛板の中央部における開気孔率が小さくなり過ぎ、PEFC用セパレータに用いられた際に、空気極において生成した水分により隣接するセルに供給される燃料ガスを充分に加湿できないことがある。80重量%を超えると、第一の本発明の多孔質黒鉛板の中央部における開気孔率が大きくなり過ぎ、PEFC用セパレータに用いられた際に、必要とされる強度を満たさなかったり、PEFC用セパレータの一方の面上を流れる空気と、他方の面上を流れる燃料ガスとが混入してしまったりすることがある。
【0038】
上記気孔形成材含有量調整法における第一の炭素材用原料粉としては、例えば、炭素を主成分とする粉末と上記気孔形成材からなる粉末とを混合した混合粉末等が挙げられる。上記炭素を主成分とする粉末としては、例えば、メソカーボン等の粉末が挙げられる。
また、上記第一の炭素材用原料粉には、バインダー樹脂からなる粉末等を含有させてもよい。上記バインダー樹脂としては特に限定されず、例えば、ピッチ、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
なお、上記第一の炭素材用原料粉が、メソカーボン等の自己焼結性の原料粉である場合は、特にバインダー樹脂は必要としない。
【0039】
上記気孔形成材含有量調整法における第一の炭素材用原料粉の平均粒子直径の好ましい下限は10μmであり、好ましい上限は50μmである。10μm未満であると、第一の本発明の多孔質黒鉛板の中央部における開気孔率が小さくなり過ぎ、PEFC用セパレータに用いられた際に、空気極において生成した水分により隣接するセルに供給される燃料ガスを充分に加湿できないことがある。50μmを超えると、第一の本発明の多孔質黒鉛板の中央部における開気孔率が大きくなり過ぎ、PEFC用セパレータに用いられた際に、必要とされる強度を満たさなかったり、PEFC用セパレータの一方の面上を流れる空気と、他方の面上を流れる燃料ガスとが混入してしまったりすることがある。
【0040】
上記気孔形成材含有量調整法における第一の成形体を作製する際の成形方法としては特に限定されず、公知の成形方法を用いることができる。
【0041】
上記気孔形成材含有量調整法における第二の成形工程では、気孔形成材を含有しない第二の炭素材用原料粉、又は、気孔形成材の含有量が5重量%以下である第二の炭素材用原料粉により、上記第一の成形体を被包した状態で成形を行い、第二の成形体を作製する。これにより、第一の本発明の多孔質黒鉛板において中央部を構成することとなる第一の成形体の周囲に、第一の本発明の多孔質黒鉛板において外周部を構成することとなる被覆層を形成する。このように気孔形成材を含有しない第二の炭素材用原料粉、又は、気孔形成材の含有量が5重量%以下である第二の炭素材用原料粉を用いて、第一の本発明の多孔質黒鉛板において外周部を構成することとなる被覆層を形成することにより、第一の本発明の多孔質黒鉛板の外周部は、開気孔率が10%以下となる。
【0042】
上記気孔形成材含有量調整法における第二の炭素材用原料粉としては、例えば、炭素を主成分とする粉末、又は、炭素を主成分とする粉末と上記気孔形成材からなる粉末とを混合した混合粉末等が挙げられる。上記炭素を主成分とする粉末としては、例えば、メソカーボン等の粉末が挙げられる。
また、上記第二の炭素材用原料粉には、バインダー樹脂からなる粉末等を含有させてもよい。上記バインダー樹脂としては特に限定されず、例えば、ピッチ、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
なお、上記第二の炭素材用原料粉が、メソカーボン等の自己焼結性の原料粉である場合は、特にバインダー樹脂は必要としない。
【0043】
上記気孔形成材含有量調整法における第二の炭素材用原料粉中の気孔形成材の含有量の上限は、5重量%である。5重量%を超えると、第一の本発明の多孔質黒鉛板の外周部における開気孔率が大きくなり過ぎ、PEFC用セパレータに用いられた際に、必要とされる強度を満たさなかったり、外周部に形成された孔を流れる空気と燃料ガスとが混入してしまったりすることがある。
【0044】
上記気孔形成材含有量調整法における第二の炭素材用原料粉の平均粒子直径の上限は10μmである。10μmを超えると、第一の本発明の多孔質黒鉛板の外周部における開気孔率が大きくなり過ぎ、PEFC用セパレータに用いられた際に、必要とされる強度を満たさなかったり、外周部に形成された孔を流れる空気と燃料ガスとが混入してしまったりすることがある。
【0045】
上記気孔形成材含有量調整法における第二の成形体を作製する際の成形方法としては、上記第一の成形体を被包した状態で行うことができるものであれば特に限定されず、公知の成形方法を用いることができる。
【0046】
上記気孔形成材含有量調整法における第一の炭素材用原料粉と第二の炭素材用原料粉とからなる第二の成形体を焼成及び黒鉛化して、多孔質黒鉛材を作製する黒鉛化工程は、公知の焼成方法、及び、公知の黒鉛化方法にて行うことができる。また、上記気孔形成材含有量調整法における上記多孔質黒鉛材を板状に加工する形状加工工程は、切断、上下面の研削等の公知の切削方法にて行うことができ、上記多孔質黒鉛材を切断して板状にする方法によれば、複数の第一の本発明の多孔質黒鉛板を同時に製作することができる。
【0047】
また、第一の本発明の多孔質黒鉛板を製造する方法としては、中央部の構成材料となる第一の黒鉛材用原料粉により、第一の成形体を作製し、外周部の構成材料となる第二の黒鉛材用原料粉により、上記第一の成形体を被包した状態で成形を行い、多孔質黒鉛材を作製し、上記多孔質黒鉛材を板状に加工する方法もまた好適に用いられる。なお、第一の成形体を第二の黒鉛材用原料粉により被包した状態で成形を行う際には、第二の成形体を一体のものとして得ることができれば第一の成形体の全面(六面)を第二の黒鉛材用原料粉により被包しなくてもよい。すなわち、少なくとも第一の成形体の側面(四面)を第二の黒鉛材用原料粉により被包していればよく、第一の成形体の側面と上面又は下面(五面)とを第二の黒鉛材用原料粉により被包していてもよい。
【0048】
なかでも、中央部の構成材料となる第一の黒鉛材用原料粉に、平均粒子直径10μm以上の黒鉛材用原料粉を使用し、外周部の構成材料となる第二の黒鉛材用原料粉に、平均粒子直径10μm未満の黒鉛材用原料粉を使用する方法が特に好適に用いられる。
このような、平均粒子直径10μm以上の第一の黒鉛材用原料粉を成形して第一の成形体を作製する第一の成形工程、平均粒子直径10μm未満の第二の黒鉛材用原料粉により、上記第一の成形体を被包した状態で成形を行い、多孔質黒鉛材を作製する第二の成形工程、及び、上記多孔質黒鉛材を板状に加工する形状加工工程を有する本発明の多孔質黒鉛板の製造方法(以下、黒鉛材用原料粉粒径調整法ともいう)もまた本発明の1つである。
【0049】
上記黒鉛材用原料粉粒径調整法における第一の成形工程では、平均粒子直径10μm以上の第一の黒鉛材用原料粉を成形して第一の成形体を作製する。上記黒鉛材用原料粉粒径調整法における第一の黒鉛材用原料粉の平均粒子直径が10μm未満であると、第一の本発明の多孔質黒鉛板の中央部における開気孔率が小さくなり過ぎ、PEFC用セパレータに用いられた際に、空気極において生成した水分により隣接するセルに供給される燃料ガスを充分に加湿できないことがある。なお、上記黒鉛材用原料粉粒径調整法における上記第一の原料中の黒鉛材用原料粉の平均粒子直径の好ましい上限は50μmである。50μmを超えると、第一の本発明の多孔質黒鉛板の中央部における開気孔率が大きくなり過ぎ、PEFC用セパレータに用いられた際に、必要とされる強度を満たさなかったり、PEFC用セパレータの一方の面上を流れる空気と、他方の面上を流れる燃料ガスとが混入してしまったりすることがある。
【0050】
上記炭素材用原料粉粒径調整法における第一の黒鉛材用原料粉としては、黒鉛を主成分とする粉末であれば特に限定されない。
【0051】
上記黒鉛材用原料粉粒径調整法における上記第一の成形体を作製する際の成形方法としては特に限定されず、公知の成形方法を用いることができる。
上記第一の黒鉛材用原料粉を成形する際には、上記第一の黒鉛材用原料粉に対して、バインダー樹脂等を添加してもよい。上記バインダー樹脂としては特に限定されず、例えば、ピッチ、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
なお、上記第一の黒鉛材用原料粉が、自己焼結性の原料粉である場合は、特にバインダー樹脂は必要としない。
【0052】
上記黒鉛材用原料粉粒径調整法における第二の成形工程では、平均粒子直径が10μm以下の第二の黒鉛材用原料粉により、上記第一の成形体を被包した状態で成形を行い、第二の成形体を作製する。これにより、第一の本発明の多孔質黒鉛板において中央部を構成することとなる第一の成形体の周囲に、第一の本発明の多孔質黒鉛板において外周部を構成することとなる被覆層が形成されることとなる。このように平均粒子直径の小さい黒鉛材用原料粉を用いて、第一の本発明の多孔質黒鉛板において外周部を構成することとなる被覆層を形成することにより、第一の本発明の多孔質黒鉛板の外周部は、開気孔率が10%以下となり、中央部よりも開気孔率が大きくなる。
なお、上記黒鉛材用原料粉粒径調整法における第二の黒鉛材用原料粉の平均粒子直径の上限は10μmである。10μm以上であると、第一の本発明の多孔質黒鉛板の外周部における開気孔率が大きくなり過ぎ、PEFC用セパレータに用いられた際に、必要とされる強度を満たさなかったり、外周部に形成された孔を流れる空気と燃料ガスとが混入してしまったりすることがある。
【0053】
上記黒鉛材用原料粉粒径調整法における第二の黒鉛材用原料粉としては、炭素を主成分とする粉末であれば特に限定されず、例えば、メソカーボン等の粉末が挙げられる。
【0054】
上記黒鉛材用原料粉粒径調整法における第二の成形体を作製する際の成形方法としては、上記第一の成形体を被包した状態で行うことができるものであれば特に限定されず、公知の成形方法を用いることができる。
上記第二の黒鉛材用原料粉を成形する際には、上記第一の黒鉛材用原料粉に対して、バインダー樹脂等を添加してもよい。上記バインダー樹脂としては特に限定されず、例えば、ピッチ、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
なお、上記第二の黒鉛材用原料粉が、自己焼結性の原料粉である場合は、特にバインダー樹脂は必要としない。
【0055】
上記黒鉛材用原料粉粒径調整法における第一の黒鉛材用原料粉と第二の黒鉛材用原料粉とからなる多孔質黒鉛材を板状に加工する形状加工工程は、切断、上下面の研削等の公知の切削方法にて行うことができ、上記多孔質黒鉛材を切断して板状にする方法によれば、複数の第一の本発明の多孔質黒鉛板を同時に製作することができる。
【0056】
第一の本発明の多孔質黒鉛板は、外周部において気密性が高く、中央部において気密性が低い。このような第一の本発明の多孔質黒鉛板の用途としては特に限定されないが、例えば、PEFC用セパレータ等の構成材料に好適に用いることができる。第一の本発明の多孔質黒鉛板を用いてなるPEFC用セパレータは、外周部において気密性が高いので、燃料ガス孔及び空気孔が外周部に設けられた際にも、これらの孔を流れる空気と燃料ガスとが混入しないように遮蔽でき、中央部において気密性が低いことから、空気極において生成した水分のうち、排気ガスとともにセル外へ放出される割合を減らし、隣接するセルの燃料極へ供給する割合を増大させることができるとともに、水分を充分に保持して、PEFC用セパレータの一方の面上を流れる空気と、他方の面上を流れる燃料ガスとが混入しないように遮蔽することができる。その結果、第一の本発明の多孔質黒鉛板を用いてなるPEFC用セパレータは、高出力のPEFCを実現することができる。
【0057】
なかでも、第一の本発明の多孔質黒鉛板の略外周部を樹脂により封孔してなる高分子電解質型燃料電池用セパレータは、外周部における気密性に優れるので特に好ましい。
第二の本発明の高分子電解質型燃料電池用セパレータは、第一の本発明の多孔質黒鉛板の略外周部を樹脂により封孔してなることを特徴とする。
なお、第一の本発明の多孔質黒鉛板の略外周部とは、第一の本発明の多孔質黒鉛板の外周部と同一であってもよく、樹脂による封孔処理の精度を考慮して、第一の本発明の多孔質黒鉛板の外周部とほぼ同一の範囲であることを意味する。
【0058】
上記略外周部の封孔に用いられる樹脂としては特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0059】
次に、第二の本発明のPEFC用セパレータの構造について、図2及び図3を参照しながら説明する。
図2(a)は、第二の本発明のPEFC用セパレータの一例を模式的に示した断面図である。図2(b)は、(a)に模式的に示したPEFC用セパレータの一例を上からみた平面図である。
【0060】
図2に示したように、第二の本発明のPEFC用セパレータ40は、第一の本発明の多孔質黒鉛板の略外周部に、燃料ガス孔43、空気孔44が設けられ、第一の本発明の多孔質黒鉛板の中央部の燃料極と接する側の面に、燃料ガス孔43と繋がる燃料ガス溝41が設けられ、第一の本発明の多孔質黒鉛板の中央部の空気極と接する側の面に、空気孔44と繋がる空気溝42が設けられたものである。
【0061】
燃料ガス溝41は、第二の本発明のPEFC用セパレータ40が燃料ガス溝41を有する面で燃料極に当接された際に、燃料ガスの流路となる空洞を確保するために設けられる。これにより、燃料ガス溝41を通じて、燃料極に燃料ガスを供給し、使用後の排気ガスを排出することができる。
【0062】
燃料ガス溝41の数としては特に限定されないが、複数設けられることが好ましい。燃料極と燃料ガスとの接触面積を充分に確保しつつ、第二の本発明のPEFC用セパレータ40の強度を、単セルを複数積層したスタック構造としても変形や破損を生じないものとするためである。
また、燃料ガス溝41が複数設けられる場合には、燃料ガス溝は、互いに平行に設けられることが好ましい。燃料極に燃料ガスを均一に供給しつつ、第二の本発明のPEFC用セパレータ40に必要とされる強度を確保するためである。
【0063】
燃料ガス溝41の断面形状としては特に限定されず、例えば、凹形等が挙げられる。
燃料ガス溝41の幅としては特に限定されず、燃料ガス溝41の数、PEFCの出力密度等に応じて決定される。
燃料ガス溝41の深さとしては特に限定されないが、第二の本発明のPEFC用セパレータ40の厚さの半分以下であることが好ましい。PEFC用セパレータ40に必要とされる強度を確保するためである。
【0064】
空気溝42は、PEFC用セパレータ40が空気溝42を有する面で空気極に当接された際に、空気の流路となる空洞を確保するために設けられる。これにより、空気溝42を通じて、空気極に空気を供給し、使用後の排気ガスを排出することができる。
【0065】
空気溝42の数としては特に限定されないが、複数設けられることが好ましい。
空気極と空気との接触面積を充分に確保しつつ、PEFC用セパレータ40に必要とされる強度を確保するためである。
また、空気溝42が複数設けられる場合には、空気溝42は、互いに平行に設けられることが好ましい。空気極に空気を均一に供給しつつ、PEFC用セパレータ40に必要とされる強度を確保するためである。なかでも、空気溝42と燃料ガス溝41とが、PEFC用セパレータ40の上下面で互いに直交する方向に設けられることが好ましい。PEFC用セパレータ40に必要とされる強度を確保するうえで効果的であるとともに、単セルを複数積層したスタック構造とする際に、燃料ガス孔43に接続される燃料ガスの供給パイプ及び排出パイプ、空気孔44に接続される空気の供給パイプ及び排出パイプを配設しやすくなるからである。
【0066】
空気溝42の断面形状としては特に限定されず、例えば、凹形等が挙げられる。
空気溝42の幅としては特に限定されず、空気溝42の数、PEFCの出力密度等に応じて決定される。
空気溝42の深さとしては特に限定されないが、第二の本発明のPEFC用セパレータ40の厚さの半分以下であることが好ましい。PEFC用セパレータ40に必要とされる強度を確保するためである。
【0067】
第二の本発明のPEFC用セパレータ40の厚さとしては特に限定されないが、単セルを薄型化及び軽量化するために、PEFC用セパレータ40に必要とされる強度を確保することができる範囲で薄いことが好ましい。
第二の本発明のPEFC用セパレータ40の大きさとしては、単セルの大きさに合わせた大きさであることが好ましく、通常、燃料極及び空気極と同一の大きさにする。
なお、第二の本発明のPEFC用セパレータ40は、通常、中央部に設けられた燃料ガス溝41又は空気溝42を仕切る凸部、及び、外周部を均一の厚さにして、これらにより燃料極及び空気極と当接し接着することが好ましいが、燃料極及び空気極や固体高分子電解質膜を小さくする場合には、外周部の厚さを中央部の厚さよりも厚くしてもよい。
【0068】
図3(a)は、第二の本発明のPEFC用セパレータの別の一例を模式的に示した分解斜視図である。図3(b)は、(a)に模式的に示したPEFC用セパレータの別の一例を上からみた平面図である。
図3に示したように、第二の本発明のPEFC用セパレータは、燃料ガス溝51と空気溝52とをそれぞれ外側に向けて、第一の板状部材49と、第二の板状部材50とが隙間なく貼り合わせられた構造からなるものであってもよい。
【0069】
上記第一の板状部材49は、第一の本発明の多孔質黒鉛板の略外周部に、燃料ガス孔53、空気孔55及び冷却水孔58が設けられ、第一の本発明の多孔質黒鉛板の中央部の燃料極と接する側の面に、燃料ガス孔53と繋がる燃料ガス溝51が設けられたものである。
上記第二の板状部材50は、第一の本発明の多孔質黒鉛板の略外周部に、燃料ガス孔54、空気孔56、冷却水孔59が設けられ、第一の本発明の多孔質黒鉛板の中央部の空気極と接する側の面に、空気孔56と繋がる空気溝52が設けられている。
更に、上記第一の板状部材49及び/又は上記第二の板状部材50は、貼り合わせ面の中央部に、冷却水孔58、59と繋がる冷却水を循環させるための冷却水溝57が設けられている。上記冷却水溝57の形状としては特に限定されないが、PEFC用セパレータに必要とされる強度を確保することができる範囲で、貼り合わせ面の中央部全体に均一に形成されることが好ましい。
なお、上記貼り合わせ構造からなるPEFC用セパレータは、その内部に冷却水を循環させるための冷却水溝57を設けたこと以外は、一方の面に燃料ガス溝を有し、他方の面に空気溝を有する上述の一体型のPEFC用セパレータと同様である。
【0070】
このような貼り合わせ構造からなるPEFC用セパレータを用いたPEFCでは、PEFC用セパレータの内部の空隙に冷却水を循環させることができるので、PEFC用セパレータを確実かつ大量に吸湿させて、燃料ガス及び空気の加湿を効果的に行うことができ、PEFCの放熱能力も向上させることができる。
【0071】
また、第二の本発明のPEFC用セパレータは、上記第一の板状部材49及び/又は上記第二の板状部材50の貼り合わせ面の中央部に冷却水溝57を設ける代りに、上記第一の板状部材と上記第二の板状部材との間に冷却用部材を介在させ、冷却用部材の中央部に冷却水溝を設けてもよい。
この場合、上記冷却用部材は、第一の本発明の多孔質黒鉛板の略外周部に、燃料ガス孔、空気孔及び冷却水孔が設けられ、第一の本発明の多孔質黒鉛板の中央部に、冷却水孔と繋がる冷却水を循環させるための冷却水溝が設けられたものである。
【0072】
第二の本発明のPEFC用セパレータの製造方法としては、上述の方法により第一の本発明の多孔質黒鉛体を作製し、作製した第一の本発明の多孔質黒鉛体の略外周部に樹脂を含浸して硬化させるものであれば特に限定されず、その形状は、第一の本発明の多孔質黒鉛体を成形する際の成形型の形状を調整し、必要に応じて、更に切削加工、穴あけ加工、レーザー加工等を行うことにより形成することができる。
また、貼り合わせ構造からなる第二の本発明のPEFC用セパレータを作製する場合には、構成部材となる複数の第一の本発明の多孔質黒鉛体を作製した後、貼り合わせる。
【0073】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0074】
(実施例1)
(1)平均粒子直径40μmのメソカーボン(川崎製鉄製、KMFC)を、10MPaにて型押し成形して170mm×170mm×170mmの第一の成形体を作製した。次いで、上記第一の成形体がラバーバッグの中央になるようにして、平均粒子直径7μmのメソカーボン(川崎製鉄製、KMFC)をラバーバッグ内に充填し、面圧1000barにてCIP成形を行い、200mm×200mm×200mmの第二の成形体を作製した。次に、上記第二の成形体を昇温速度3℃/hにて1000℃まで焼成した後、2500℃で黒鉛化処理を実施した。こうして得られた多孔質黒鉛材を200mm×200mm×5mmの平板状に加工し、外周部と中央部とで開気孔率の異なる多孔質黒鉛板を作製した。次いで、多孔質黒鉛板をフェノール樹脂に浸漬し、多孔質黒鉛板の外周に幅15mm含浸させ、200℃で硬化処理を行った後、190mm×190mm×1mmに再加工し、端から5mmの位置にφ3mmの燃料ガス孔及び空気孔を設け、燃料ガス溝及び空気溝を設け、PEFC用セパレータを得た。
【0075】
(2)燃料極の触媒層、固体高分子電解質膜、及び、空気極の触媒層が接合されてなる膜・電極接合体の両面それぞれに、燃料極又は空気極の多孔質支持層としてのカーボンペーパー、及び、(1)で作製したPEFC用セパレータを順に重ねて、0.5MPaの圧力で挟み込み、1セルからなるPEFCを作製した。続いて、セル間のセパレータが1枚となるように1セルからなるPEFCを2つ組み合わせて、2セルからなるPEFCを作製した。
【0076】
(実施例2)
(1)平均粒子直径30μmのメソカーボン(川崎製鉄製、KMFC)80重量%、及び、気孔形成材として平均粒子直径1μmのポリメチルメタクリレート粒子20重量%を含有する炭素材用原料粉を、10MPaにて型押し成形して170mm×170mm×170mmの第一の成形体を作製した。次いで、上記第一の成形体がラバーバッグの中央になるようにして、平均粒子直径7μmのメソカーボン(川崎製鉄製、KMFC)99重量%、及び、気孔形成材として平均粒子直径1μmのポリメチルメタクリレート粒子1重量%を含有する炭素材用原料粉をラバーバッグ内に充填し、面圧1000barにてCIP成形を行い、200mm×200mm×200mmの第二の成形体を作製した。次に、上記第二の成形体を昇温速度3℃/hにて1000℃まで焼成した後、2500℃で黒鉛化処理を実施した。こうして得られた多孔質黒鉛材を200mm×200mm×5mmの平板状に加工し、外周部と中央部とで開気孔率の異なる多孔質黒鉛板を作製した。次いで、多孔質黒鉛板をフェノール樹脂に浸漬し、多孔質黒鉛板の外周に幅15mm含浸させ、200℃で硬化処理を行った後、190mm×190mm×1mmに再加工し、端から5mmの位置にφ3mmの燃料ガス孔及び空気孔を設け、燃料ガス溝及び空気溝を設け、PEFC用セパレータを得た。
(2)(1)で作製したPEFC用セパレータを用いたこと以外は、実施例1と同様にして2セルからなるPEFCを作製した。
【0077】
(実施例3)
(1)平均粒子直径30μmのメソカーボン(川崎製鉄製、KMFC)80重量%、及び、気孔形成材として平均粒子直径1μmのポリメチルメタクリレート粒子20重量%を含有する炭素材用原料粉を、10MPaにて型押し成形して170mm×170mm×170mmの第一の成形体を作製した。次いで、上記第一の成形体がラバーバッグの中央になるようにして、平均粒子直径7μmのメソカーボン(川崎製鉄製、KMFC)をラバーバッグ内に充填し、面圧1000barにてCIP成形を行い、200mm×200mm×200mmの第二の成形体を作製した。次に、上記第二の成形体を昇温速度3℃/hにて1000℃まで焼成した後、2500℃で黒鉛化処理を実施した。こうして得られた多孔質黒鉛材を200mm×200mm×5mmの平板状に加工し、外周部と中央部とで開気孔率の異なる多孔質黒鉛板を作製した。次いで、多孔質黒鉛板をフェノール樹脂に浸漬し、多孔質黒鉛板の外周に幅15mm含浸させ、200℃で硬化処理を行った後、190mm×190mm×1mmに再加工し、端から5mmの位置にφ3mmの燃料ガス孔及び空気孔を設け、燃料ガス溝及び空気溝を設け、PEFC用セパレータを得た。
(2)(1)で作製したPEFC用セパレータを用いたこと以外は、実施例1と同様にして2セルからなるPEFCを作製した。
【0078】
(実施例4)
(1)平均粒子直径40μmの黒鉛粉末80重量%、及び、バインダー樹脂としてフェノール樹脂20重量%を含有する黒鉛材用原料粉を、100MPaにて型押し成形して170mm×170mm×170mmの第一の成形体を作製した。次いで、上記第一の成形体がラバーバッグの中央になるようにして、平均粒子直径7μmの黒鉛粉末70重量%、及び、バインダー樹脂としてフェノール樹脂30重量%を含有する黒鉛材用原料粉をラバーバッグ内に充填し、面圧1000barにてCIP成形を行い、200mm×200mm×200mmの多孔質黒鉛際材を作製した。こうして得られた多孔質黒鉛材を200mm×200mm×5mmの平板状に加工し、外周部と中央部とで開気孔率の異なる多孔質黒鉛板を作製した。次いで、多孔質黒鉛板をフェノール樹脂に浸漬し、多孔質黒鉛板の外周に幅15mm含浸させ、200℃で硬化処理を行った後、190mm×190mm×1mmに再加工し、端から5mmの位置にφ3mmの燃料ガス孔及び空気孔を設け、燃料ガス溝及び空気溝を設け、PEFC用セパレータを得た。
(2)(1)で作製したPEFC用セパレータを用いたこと以外は、実施例1と同様にして2セルからなるPEFCを作製した。
【0079】
(比較例1)
(1)開気孔率15%の等方性黒鉛(イビデン製、ET−10)を190mm×190mm×1mmの平板状に加工し、端から10mmの位置にφ3mmの燃料ガス孔及び空気孔を設け、燃料ガス溝及び空気溝を設け、PEFC用セパレータを得た。
(2)(1)で作製したPEFC用セパレータを用いたこと以外は、実施例1と同様にして2セルからなるPEFCを作製した。
【0080】
(比較例2)
(1)開気孔率55%の多孔質黒鉛材を190mm×190mm×30mmの平板状に加工して多孔質黒鉛板を作製した。次いで、多孔質黒鉛板をフェノール樹脂に浸漬し、多孔質黒鉛板の外周に幅15mm含浸させ、200℃で硬化処理を行った。続いて、多孔質黒鉛板の上面から10mm及び下面から10mmの部分を切り取り、残りの部分を190mm×190mm×1mmの平板10枚に再加工した。この平板1枚について、端から8mmの位置にφ3mmの燃料ガス孔及び空気孔を設け、燃料ガス溝及び空気溝を設け、PEFC用セパレータを得た。
(2)(1)で作製したPEFC用セパレータを用いたこと以外は、実施例1と同様にして2セルからなるPEFCを作製した。
【0081】
(開気孔率測定)
実施例1〜4及び比較例2と同様にして作製した、フェノール樹脂を含浸させる前後の多孔質黒鉛板、及び、比較例1と同様にして作製した、等方性黒鉛からなる平板について、中央部及び外周部(端から15mmまでの部分)からそれぞれ試料片を切り出し、水銀ポロシメータにより開気孔率を測定した。
結果を表1に示した。
【0082】
(気密性試験)
実施例1〜4及び比較例1〜2に係るPEFCを密閉容器に入れ、密閉容器外からPEFC用セパレータの燃料ガス孔に水素、空気孔に空気を供給し、反応後の排気を密閉容器外に放出させるようにしてPEFCを運転した。
密閉容器内にリークした水素の割合を、供給した水素の量と、密閉容器内の水素濃度とを測定することにより算出した。
結果を表1に示した。
【0083】
(電池特性試験)
実施例1〜4及び比較例1〜2に係るPEFCについて、水素導入口圧力:0.05MPa、空気導入口圧力:0.05MPa、セルの作動温度:80℃、アノード側の水素ガス加湿器の温度:80℃、カソード側の空気加湿器の温度:80℃、水素利用率:70%、及び、酸素利用率:40%の条件で、電流密度1A/cmにて3時間定電流駆動の通電を行った後、開回路電圧を測定し、その後電流密度を1A/cmにして30分通電した後のセルの端子間電圧、更に2A/cmにして30分通電した後のセルの端子間電圧を測定し、電流電圧特性を確認した。
結果を表1に示した。
【0084】
【表1】
Figure 0004656823
【0085】
表1に示したように、PEFC用セパレータを構成する多孔質黒鉛板の外周部の開気孔率が低いほど、PEFCは、気密性に優れていた。また、実施例に係るPEFCは、電流電圧特性に優れ、高電流密度で通電した後でも、セルの端子間電圧が高かった。
【0086】
【発明の効果】
第一の本発明の多孔質黒鉛板は、開気孔率が10%以下の外周部と、開気孔率が10%以上の中央部とからなるので、外周部において気密性が高く、中央部において気密性が低い。このような第一の本発明の多孔質黒鉛板を用いてなるPEFC用セパレータは、外周部において気密性が高いことから、燃料ガス孔及び空気孔が外周部に設けられた際にも、これらの孔を流れる空気と燃料ガスとが混入しないように遮蔽でき、中央部において気密性が低いことから、空気極において生成した水分のうち、排気ガスとともにセル外へ放出される割合を減らし、隣接するセルの燃料極へ供給する割合を増大させることができるとともに、水分を充分に保持して、PEFC用セパレータの一方の面上を流れる空気と、他方の面上を流れる燃料ガスとが混入しないように遮蔽できる。その結果、第一の本発明の多孔質黒鉛板を用いてなるPEFC用セパレータは、高出力のPEFCを実現することができる。すなわち、第一の本発明の多孔質黒鉛板は、PEFC用セパレータの構成材料として好適に用いることができる。
【0087】
第二の本発明の高分子電解質型燃料電池用セパレータは、第一の本発明の多孔質黒鉛板の略外周部を樹脂により封孔してなるので、外周部における気密性に特に優れる。このような第二の本発明の高分子電解質型燃料電池用セパレータは、外周部において特に気密性が高いことから、燃料ガス孔及び空気孔が外周部に設けられた際にも、これらの孔を流れる空気と燃料ガスとが混入しないように充分に遮蔽でき、中央部において気密性が低いことから、空気極において生成した水分のうち、排気ガスとともにセル外へ放出される割合を減らし、隣接するセルの燃料極へ供給する割合を増大させることができるとともに、水分を充分に保持して、PEFC用セパレータの一方の面上を流れる空気と、他方の面上を流れる燃料ガスとが混入しないように遮蔽できる。その結果、第二の本発明のPEFC用セパレータは、高出力のPEFCを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】PEFCを構成する単セルの構造を模式的に示した分解斜視図である。
【図2】(a)は、第二の本発明のPEFC用セパレータの一例を模式的に示した断面図である。(b)は、(a)に模式的に示したPEFC用セパレータの一例を上からみた平面図である。
【図3】(a)は、第二の本発明のPEFC用セパレータの別の一例を模式的に示した分解斜視図である。(b)は、(a)に模式的に示したPEFC用セパレータの別の一例を上からみた平面図である。
【符号の説明】
10 単セル
11 固体高分子電解質膜
12 空気極
13 燃料極
20、30、40 PEFC用セパレータ
21、31、41、51 燃料ガス溝
22、32、42、52 空気溝
23、33、43、53、54 燃料ガス孔
24、34、44、55、56 空気孔
49 第一の板状部材
50 第二の板状部材
57 冷却水溝
58、59 冷却水孔

Claims (8)

  1. 開気孔率が10%未満の外周部と、開気孔率が10%以上、通気率が0.2〜3cm/sの中央部とから構成される平板形状の多孔質黒鉛板からなり、
    前記中央部は両主面に露出し、燃料極及び空気極と接するように構成されており、前記中央部の外周の縁部を含む部分に外周部が形成されていることを特徴とする高分子電解質型燃料電池用セパレータ。
  2. 前記中央部の燃料極と接する面には、燃料ガス溝が形成され、前記空気極と接する面には、空気溝が形成されている請求項1に記載の高分子電解質型燃料電池用セパレータ。
  3. 前記多孔質黒鉛板は、燃料ガス溝が形成された第1の板状部材と、空気溝が形成された第2の板状部材とを貼り合わせてなり、前記第1の板状部材又は前記第2の板状部材の貼り合わせ面の中央部分に冷却水溝が形成されている請求項1又は2に記載の高分子電解質型燃料電池用セパレータ。
  4. 平均粒子直径10μm以上の第一の炭素材用原料粉を成形して第一の成形体を作製する第一の成形工程、
    平均粒子直径10μm未満の第二の炭素材用原料粉により、前記第一の成形体を被包した状態で成形を行い、第二の成形体を作製する第二の成形工程、
    前記第二の成形体を焼成及び黒鉛化して、多孔質黒鉛材を作製する黒鉛化工程、及び、
    前記多孔質黒鉛材を板状に加工する形状加工工程を有する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高分子電解質型燃料電池用セパレータの製造方法。
  5. 気孔形成材を10〜80質量%含有する第一の炭素材用原料粉を成形して第一の成形体を作製する第一の成形工程、
    気孔形成材を含有しない第二の炭素材用原料粉により、前記第一の成形体を被包した状態で成形を行い、第二の成形体を作製する第二の成形工程、
    前記第二の成形体を焼成及び黒鉛化して、多孔質黒鉛材を作製する黒鉛化工程、及び、
    前記多孔質黒鉛材を板状に加工する形状加工工程を有する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高分子電解質型燃料電池用セパレータの製造方法。
  6. 気孔形成材を10〜80質量%含有する第一の炭素材用原料粉を成形して第一の成形体を作製する第一の成形工程、
    気孔形成材の含有量が5質量%以下の第二の炭素材用原料粉により、前記第一の成形体を被包した状態で成形を行い、第二の成形体を作製する第二の成形工程、
    前記第二の成形体を焼成及び黒鉛化して、多孔質黒鉛材を作製する黒鉛化工程、及び、
    前記多孔質黒鉛材を板状に加工する形状加工工程を有する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高分子電解質型燃料電池用セパレータの製造方法。
  7. 平均粒子直径10μm以上の第一の黒鉛材用原料粉を成形して第一の成形体を作製する第一の成形工程、
    平均粒子直径10μm未満の第二の黒鉛材用原料粉により、前記第一の成形体を被包した状態で成形を行い、多孔質黒鉛材を作製する第二の成形工程、及び、
    前記多孔質黒鉛材を板状に加工する形状加工工程を有する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高分子電解質型燃料電池用セパレータの製造方法。
  8. 前記外周部を樹脂により封孔してなる請求項1〜3のいずれかに記載の高分子電解質型燃料電池用セパレータ。
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