JP2002352707A - 蛍光面の形成方法 - Google Patents
蛍光面の形成方法Info
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- JP2002352707A JP2002352707A JP2002081992A JP2002081992A JP2002352707A JP 2002352707 A JP2002352707 A JP 2002352707A JP 2002081992 A JP2002081992 A JP 2002081992A JP 2002081992 A JP2002081992 A JP 2002081992A JP 2002352707 A JP2002352707 A JP 2002352707A
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- Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 蛍光面の形成において、顔料膜の乾燥速度に
差が生じることを防止し、それによって顔料膜のドット
落ちのない優れた品質の蛍光面を形成することを可能と
する蛍光面の形成方法を提供すること。 【解決手段】 透光性基板の表面に、顔料分散液を塗布
する工程と、形成された塗布膜を乾燥して顔料膜を形成
する工程とを具備し、乾燥工程において、透光性基板の
コーナー部の温度を36℃以上に制御するとともに、透
光性基板の中央部の温度とコーナー部の温度の差を7℃
以内とすることを特徴とする。
差が生じることを防止し、それによって顔料膜のドット
落ちのない優れた品質の蛍光面を形成することを可能と
する蛍光面の形成方法を提供すること。 【解決手段】 透光性基板の表面に、顔料分散液を塗布
する工程と、形成された塗布膜を乾燥して顔料膜を形成
する工程とを具備し、乾燥工程において、透光性基板の
コーナー部の温度を36℃以上に制御するとともに、透
光性基板の中央部の温度とコーナー部の温度の差を7℃
以内とすることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光面の形成方法
に係り、特に、カラー陰極線管のパネル内面に形成され
るカラーフィルターの形成に関する。
に係り、特に、カラー陰極線管のパネル内面に形成され
るカラーフィルターの形成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カラー陰極線管において、フェー
スプレートのパネル(フェースパネル)内面と蛍光体層
との間に、蛍光体の発光色と同色の光を透過する顔料層
から構成されるフィルターパターンを設けた蛍光面が知
られている。この蛍光面では、入射した外光のうち、緑
や青成分の光を赤色顔料層で、緑や赤成分の光を青色顔
料層で、青や赤成分の光をは緑顔料層で、それぞれ吸収
させて、コントラストや色純度等の画像特性を向上させ
ようとするものである。
スプレートのパネル(フェースパネル)内面と蛍光体層
との間に、蛍光体の発光色と同色の光を透過する顔料層
から構成されるフィルターパターンを設けた蛍光面が知
られている。この蛍光面では、入射した外光のうち、緑
や青成分の光を赤色顔料層で、緑や赤成分の光を青色顔
料層で、青や赤成分の光をは緑顔料層で、それぞれ吸収
させて、コントラストや色純度等の画像特性を向上させ
ようとするものである。
【0003】このようなフィルターパターンを形成する
には、例えば、特開平11−354026号公報に記載
されているように、パネルの内面に顔料分散液を塗布
し、顔料層を形成した後、その上にフォトレジストを塗
布し、露光および現像を行なうことでパターニングする
方法が採られている。このとき、フィルター層のパター
ンとして残すべき箇所には、ガラスパネルとの付着性が
要求され、それ以外の箇所にはパネルからの剥離性が要
求される。また、顔料層においては透明性が必要とさ
れ、顔料粒子が凝集することなく均一に分散しているこ
とも要求される。
には、例えば、特開平11−354026号公報に記載
されているように、パネルの内面に顔料分散液を塗布
し、顔料層を形成した後、その上にフォトレジストを塗
布し、露光および現像を行なうことでパターニングする
方法が採られている。このとき、フィルター層のパター
ンとして残すべき箇所には、ガラスパネルとの付着性が
要求され、それ以外の箇所にはパネルからの剥離性が要
求される。また、顔料層においては透明性が必要とさ
れ、顔料粒子が凝集することなく均一に分散しているこ
とも要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなフィルターパターンの形成において、パネルの内面
に顔料分散液を塗布した後に、塗布膜は乾燥される際
に、パネルの表示有効面の中央部とコーナー部とでは、
乾燥速度に差が生じてしまうという問題がある。そのた
め、乾燥の途中において、乾燥部分と未乾燥部分とが生
じ、その境界にスジ状の厚膜部が形成されるという問題
がある。
うなフィルターパターンの形成において、パネルの内面
に顔料分散液を塗布した後に、塗布膜は乾燥される際
に、パネルの表示有効面の中央部とコーナー部とでは、
乾燥速度に差が生じてしまうという問題がある。そのた
め、乾燥の途中において、乾燥部分と未乾燥部分とが生
じ、その境界にスジ状の厚膜部が形成されるという問題
がある。
【0005】即ち、顔料分散液の粘度は一般に2cpと
低いため、例えば回転塗布法によりパネルの内面に塗布
すると、中央部、中間部、周辺部と分けた場合、周辺
部、中央部、中間部の順番で膜厚が厚くなる。特に周辺
部では、矩形パネルの4つのコーナー部において、回転
方向に沿って細長い厚膜領域が形成される。
低いため、例えば回転塗布法によりパネルの内面に塗布
すると、中央部、中間部、周辺部と分けた場合、周辺
部、中央部、中間部の順番で膜厚が厚くなる。特に周辺
部では、矩形パネルの4つのコーナー部において、回転
方向に沿って細長い厚膜領域が形成される。
【0006】このような膜厚に差がある塗布膜を乾燥す
ると、それに対応して乾燥速度に差が生じてしまい、乾
燥の途中において、中央部および中間部の乾燥部分と周
辺部、特にコーナー部の未乾燥部分とが生じ、その境界
にスジ状の厚膜部が形成されてしまうのである。
ると、それに対応して乾燥速度に差が生じてしまい、乾
燥の途中において、中央部および中間部の乾燥部分と周
辺部、特にコーナー部の未乾燥部分とが生じ、その境界
にスジ状の厚膜部が形成されてしまうのである。
【0007】このようなスジ状の厚膜部があると、その
上に形成されるレジストの膜厚が薄くなって、顔料膜を
保持する能力が低下し、レジストにより覆われていない
顔料膜を除去する際に、レジストで覆われた顔料膜も除
去される、いわゆるドット落ちと呼ばれる現象が生じて
しまう。カラーフィルターにドット落ちが生じたカラー
陰極線管は、欠陥品となってしまう。
上に形成されるレジストの膜厚が薄くなって、顔料膜を
保持する能力が低下し、レジストにより覆われていない
顔料膜を除去する際に、レジストで覆われた顔料膜も除
去される、いわゆるドット落ちと呼ばれる現象が生じて
しまう。カラーフィルターにドット落ちが生じたカラー
陰極線管は、欠陥品となってしまう。
【0008】なお、顔料膜に限らず、ブラックマトリク
ス形成のための黒色膜についても同様の問題が生ずる。
ス形成のための黒色膜についても同様の問題が生ずる。
【0009】光透過性を有する膜の場合、膜の均一性は
透過光にて認識される。膜の透過率は膜厚に依存するた
め、透過光の均一性は膜厚のムラ等の膜厚の均一性に大
きく依存する。光透過性の無い膜の場合には、膜の均一
性は反射光にて認識される。反射光の均一性は膜厚によ
る依存性が少なく、膜厚の不均一はそれほど問題になら
ない。
透過光にて認識される。膜の透過率は膜厚に依存するた
め、透過光の均一性は膜厚のムラ等の膜厚の均一性に大
きく依存する。光透過性の無い膜の場合には、膜の均一
性は反射光にて認識される。反射光の均一性は膜厚によ
る依存性が少なく、膜厚の不均一はそれほど問題になら
ない。
【0010】このような光透過性のカラーフィルター等
を有する蛍光面においては、膜厚の不均一がCRT等の
表示デバイスの輝度、外観の均一性に大きな影響を与え
る。また、極端に膜厚差がある場合は、ドットオチの問
題も生じる。従って、膜厚の均一性のコントロールが重
要であり、これを制御する原因が乾燥速度である。この
ように、乾燥速度のコントロールは、光透過性を有する
カラーフィルター等の膜の場合には非常に重要となる。
を有する蛍光面においては、膜厚の不均一がCRT等の
表示デバイスの輝度、外観の均一性に大きな影響を与え
る。また、極端に膜厚差がある場合は、ドットオチの問
題も生じる。従って、膜厚の均一性のコントロールが重
要であり、これを制御する原因が乾燥速度である。この
ように、乾燥速度のコントロールは、光透過性を有する
カラーフィルター等の膜の場合には非常に重要となる。
【0011】本発明は、このような事情の下になされ、
蛍光面の形成において、顔料膜の乾燥速度に差が生じる
ことを防止し、それによって顔料膜のドット落ちのない
優れた品質の蛍光面を形成することを可能とする蛍光面
の形成方法を提供することを目的とする。
蛍光面の形成において、顔料膜の乾燥速度に差が生じる
ことを防止し、それによって顔料膜のドット落ちのない
優れた品質の蛍光面を形成することを可能とする蛍光面
の形成方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、第1の発明は、透光性基板の表面に顔料膜および蛍
光体膜を形成してなる蛍光面の形成方法であって、前記
透光性基板の表面に、顔料分散液を塗布する工程と、形
成された塗布膜を乾燥して顔料膜を形成する工程とを具
備し、前記乾燥工程において、前記透光性基板のコーナ
ー部の温度を36℃以上に制御するとともに、前記透光
性基板の中央部の温度とコーナー部の温度の差を7℃以
内とする蛍光面の形成方法を提供する。
め、第1の発明は、透光性基板の表面に顔料膜および蛍
光体膜を形成してなる蛍光面の形成方法であって、前記
透光性基板の表面に、顔料分散液を塗布する工程と、形
成された塗布膜を乾燥して顔料膜を形成する工程とを具
備し、前記乾燥工程において、前記透光性基板のコーナ
ー部の温度を36℃以上に制御するとともに、前記透光
性基板の中央部の温度とコーナー部の温度の差を7℃以
内とする蛍光面の形成方法を提供する。
【0013】この第1の発明に係る蛍光面の形成方法に
おいて、顔料膜の膜厚を.0.3μm以上とすることが
好ましい。また、透光性基板の表面のコーナー部の温度
を36℃〜50℃に制御することが好ましい。
おいて、顔料膜の膜厚を.0.3μm以上とすることが
好ましい。また、透光性基板の表面のコーナー部の温度
を36℃〜50℃に制御することが好ましい。
【0014】また、第2の発明は、光性基板の表面に顔
料膜および蛍光体膜を形成してなる蛍光面の形成方法で
あって、前記透光性基板の表面に、顔料分散液を塗布す
る工程と、形成された塗布膜を乾燥して顔料膜を形成す
る工程とを具備し、前記乾燥工程において、前記塗布膜
の全面を乾燥する手段に加え、前記塗布膜のコーナー部
を専用に乾燥する手段により、前記塗布膜のコーナー部
を乾燥し、かつ前記顔料膜の膜厚を0.3μm以上とす
る蛍光面の形成方法を提供する。
料膜および蛍光体膜を形成してなる蛍光面の形成方法で
あって、前記透光性基板の表面に、顔料分散液を塗布す
る工程と、形成された塗布膜を乾燥して顔料膜を形成す
る工程とを具備し、前記乾燥工程において、前記塗布膜
の全面を乾燥する手段に加え、前記塗布膜のコーナー部
を専用に乾燥する手段により、前記塗布膜のコーナー部
を乾燥し、かつ前記顔料膜の膜厚を0.3μm以上とす
る蛍光面の形成方法を提供する。
【0015】第2の発明では、乾燥工程において、塗布
膜の全面を乾燥する手段に加え、塗布膜のコーナー部を
専用に乾燥する手段により、塗布膜のコーナー部を乾燥
し、かつ顔料膜の膜厚を0.3μm以上とされている。
膜の全面を乾燥する手段に加え、塗布膜のコーナー部を
専用に乾燥する手段により、塗布膜のコーナー部を乾燥
し、かつ顔料膜の膜厚を0.3μm以上とされている。
【0016】この第2の発明に係る蛍光面の形成方法に
おいて、専用乾燥手段は、空気吹き付け手段とすること
が出来る。
おいて、専用乾燥手段は、空気吹き付け手段とすること
が出来る。
【0017】以上の第1および第2の発明において、顔
料分散液中の顔料の平均粒径は、0.2μm以下である
ことが好ましく、0.01μm〜0.2μmであること
がより好ましい。また、顔料分散液は、蛍光体膜の発光
色と同色の光を透過するカラーフィルターであることが
望ましい。
料分散液中の顔料の平均粒径は、0.2μm以下である
ことが好ましく、0.01μm〜0.2μmであること
がより好ましい。また、顔料分散液は、蛍光体膜の発光
色と同色の光を透過するカラーフィルターであることが
望ましい。
【0018】蛍光面は、カラー陰極線管のパネル内面に
形成される蛍光面であることが望ましい。また、透光性
基板の表面への顔料分散液の塗布は、回転塗布法を用い
て行われるのが望ましい。
形成される蛍光面であることが望ましい。また、透光性
基板の表面への顔料分散液の塗布は、回転塗布法を用い
て行われるのが望ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
蛍光面の形成方法について、カラー陰極線管の、カラー
フィルター付き蛍光面に適用した例について詳細に説明
する。
蛍光面の形成方法について、カラー陰極線管の、カラー
フィルター付き蛍光面に適用した例について詳細に説明
する。
【0020】本発明の方法に使用可能な顔料としては、
無機系または有機系のいずれの顔料をも使用することが
できる。特に、フィルター層中に均一に分散することが
でき、光の散乱を起こすことなく、フィルター層が十分
な透明性を有するようにできる顔料の使用が好ましい。
また、カラー陰極線管の製造は、高温工程を含むので、
無機系の顔料の使用が好ましい。
無機系または有機系のいずれの顔料をも使用することが
できる。特に、フィルター層中に均一に分散することが
でき、光の散乱を起こすことなく、フィルター層が十分
な透明性を有するようにできる顔料の使用が好ましい。
また、カラー陰極線管の製造は、高温工程を含むので、
無機系の顔料の使用が好ましい。
【0021】具体的な例として、以下の顔料を例示する
ことが出来る。
ことが出来る。
【0022】赤の顔料としては、酸化第二鉄系の顔料で
あるシコトランスレッドL−2817(商品名:BAS
F社製、粒子径0.01〜0.02μm)、アントラキ
ノン系の顔料であるクロモファータルレッドA2B(商
品名:チバガイギー社製、粒子径0.01μm)等を例
示することが出来る。
あるシコトランスレッドL−2817(商品名:BAS
F社製、粒子径0.01〜0.02μm)、アントラキ
ノン系の顔料であるクロモファータルレッドA2B(商
品名:チバガイギー社製、粒子径0.01μm)等を例
示することが出来る。
【0023】青の顔料としては、アルミン酸コバルト
(Al2 O3 −CoO)系の顔料であるコバルトブルー
X (商品名:東洋顔料株式会社製、粒子径0.01〜
0.02μm)、群青系の顔料である群青No.800
0(商品名:第一化成株式会社製、粒子径0.03μ
m)、フタロシアニンブルー系の顔料であるリオノール
ブルーFG−7370(商品名:東洋インキ株式会社
製、粒子径0.01μm)等を例示することが出来る。
(Al2 O3 −CoO)系の顔料であるコバルトブルー
X (商品名:東洋顔料株式会社製、粒子径0.01〜
0.02μm)、群青系の顔料である群青No.800
0(商品名:第一化成株式会社製、粒子径0.03μ
m)、フタロシアニンブルー系の顔料であるリオノール
ブルーFG−7370(商品名:東洋インキ株式会社
製、粒子径0.01μm)等を例示することが出来る。
【0024】緑の顔料としては、TiO2 −NiO−C
oO−ZnO系の顔料であるダイピロキサイドTM−グ
リーン#3320(商品名:大日精化株式会社製、粒子
径0.01〜0.02μm)、CoO−Al2 O3 −C
r2 O3 系の顔料であるダイピロキサイドTM−グリー
ン#3420(商品名:大日精化株式会社製、粒子径
0.01〜0.02μm)、Cr2 O3 系の顔料である
ND−801(商品名:日本電工株式会社製、粒子径
0.35μm)、塩素化フタロシアニングリーン系の顔
料であるファーストゲングリーンS(商品名:大日本イ
ンキ株式会社製、粒子径0.01μm)、臭素化フタロ
シアニングリーン系の顔料であるファーストゲングリー
ン2YK(商品名:大日本インキ株式会社製、粒子径
0.01μm)等を例示することができる。
oO−ZnO系の顔料であるダイピロキサイドTM−グ
リーン#3320(商品名:大日精化株式会社製、粒子
径0.01〜0.02μm)、CoO−Al2 O3 −C
r2 O3 系の顔料であるダイピロキサイドTM−グリー
ン#3420(商品名:大日精化株式会社製、粒子径
0.01〜0.02μm)、Cr2 O3 系の顔料である
ND−801(商品名:日本電工株式会社製、粒子径
0.35μm)、塩素化フタロシアニングリーン系の顔
料であるファーストゲングリーンS(商品名:大日本イ
ンキ株式会社製、粒子径0.01μm)、臭素化フタロ
シアニングリーン系の顔料であるファーストゲングリー
ン2YK(商品名:大日本インキ株式会社製、粒子径
0.01μm)等を例示することができる。
【0025】なお、以上例示した顔料の平均粒径は、好
ましくは0.2μm以下であり、より好ましくは、0.
01〜0.2μm、最も好ましくは0.01〜0.05
μmである。顔料の平均粒径が0.2μmを越えると、
分散性が悪くなり、カラーフィルターの透明性が劣化す
る。
ましくは0.2μm以下であり、より好ましくは、0.
01〜0.2μm、最も好ましくは0.01〜0.05
μmである。顔料の平均粒径が0.2μmを越えると、
分散性が悪くなり、カラーフィルターの透明性が劣化す
る。
【0026】本発明の方法において、これらの顔料から
なるフィルターパターンの形成は、例えば以下に示す手
順で行なわれる。
なるフィルターパターンの形成は、例えば以下に示す手
順で行なわれる。
【0027】まず、上述の顔料と高分子電解質分散剤と
を主成分とする顔料分散液を、ブラックマトリクスまた
はブラックストライプが形成されたフェースパネルの内
面に、スピンコート法により塗布する。スピンコート法
によると、均一で所定の膜厚を得ることが出来る。
を主成分とする顔料分散液を、ブラックマトリクスまた
はブラックストライプが形成されたフェースパネルの内
面に、スピンコート法により塗布する。スピンコート法
によると、均一で所定の膜厚を得ることが出来る。
【0028】次いで、顔料塗膜を乾燥させる。乾燥方法
としては、水分を揮発させるとともに、高分子電解質塩
中の塩の一部を解離させることができる方法であれば、
特に限定することなく、ヒーター乾燥、熱風による乾
燥、室温放置による長時間乾燥など、種々の方法を用い
ることができる。
としては、水分を揮発させるとともに、高分子電解質塩
中の塩の一部を解離させることができる方法であれば、
特に限定することなく、ヒーター乾燥、熱風による乾
燥、室温放置による長時間乾燥など、種々の方法を用い
ることができる。
【0029】顔料塗膜の乾燥に際し、フェースパネルの
内面の中央部とコーナー部とで、乾燥速度に差が生じ、
即ち、中央部では乾燥速度が速く、コーナー部では遅い
ことから、上述したような問題が生じていたのである
が、本発明の方法においては、これを防止するために、
以下の2つの手段を提供する。
内面の中央部とコーナー部とで、乾燥速度に差が生じ、
即ち、中央部では乾燥速度が速く、コーナー部では遅い
ことから、上述したような問題が生じていたのである
が、本発明の方法においては、これを防止するために、
以下の2つの手段を提供する。
【0030】1.フェースパネルのコーナー部の温度を
36℃以上、好ましくは36〜50℃にするとともに、
透光性基板の中央部の温度とコーナー部の温度の差を7
℃以内とする。
36℃以上、好ましくは36〜50℃にするとともに、
透光性基板の中央部の温度とコーナー部の温度の差を7
℃以内とする。
【0031】2.フェースパネルのコーナー部に対する
専用の乾燥手段を設ける。
専用の乾燥手段を設ける。
【0032】専用の乾燥手段としては、ヒーター乾燥や
空気の吹き付け等を用いることが出来る。
空気の吹き付け等を用いることが出来る。
【0033】次に、こうして形成された顔料層の上に、
フォトレジストを塗布し、乾燥する。ここで、フォトレ
ジストとしては、重クロム酸アンモニウム(ADC)/
ポリビニルアルコール(PVA)、重クロム酸ナトリウ
ム(SDC)/PVA、ジアゾニウム塩/PVAなどを
使用することができる。
フォトレジストを塗布し、乾燥する。ここで、フォトレ
ジストとしては、重クロム酸アンモニウム(ADC)/
ポリビニルアルコール(PVA)、重クロム酸ナトリウ
ム(SDC)/PVA、ジアゾニウム塩/PVAなどを
使用することができる。
【0034】次いで、レジスト塗膜に対し、高圧水銀灯
等を用いた露光を行い、光(紫外線)照射された部分を
硬化させた後、水等に不溶性となった高分子電解質を可
溶化する物質を含有するアルカリ水溶液を用いて現像す
る。このとき、レジスト塗膜が除去された部分の下の顔
料塗膜も同時に除去され、所定のパターンの顔料層とレ
ジスト層の積層パターンが得られる。
等を用いた露光を行い、光(紫外線)照射された部分を
硬化させた後、水等に不溶性となった高分子電解質を可
溶化する物質を含有するアルカリ水溶液を用いて現像す
る。このとき、レジスト塗膜が除去された部分の下の顔
料塗膜も同時に除去され、所定のパターンの顔料層とレ
ジスト層の積層パターンが得られる。
【0035】そして、これら一連の工程を、複数色、通
常は青、緑、赤色の順に繰り返して行なうことにより、
青、緑、赤の3色のフィルター層を所定のパターンで形
成することができる。そして、レジスト層を除去した
後、フィルターパターンの上に通常のスラリー法により
青、緑、赤色の蛍光体層をそれぞれ形成することによ
り、カラー陰極線管等のフィルター付き蛍光面を得るこ
とができる。
常は青、緑、赤色の順に繰り返して行なうことにより、
青、緑、赤の3色のフィルター層を所定のパターンで形
成することができる。そして、レジスト層を除去した
後、フィルターパターンの上に通常のスラリー法により
青、緑、赤色の蛍光体層をそれぞれ形成することによ
り、カラー陰極線管等のフィルター付き蛍光面を得るこ
とができる。
【0036】本発明の方法では、フェースパネルの内面
に被着した顔料膜を乾燥するに際し、フェースパネルの
コーナー部の温度を36℃以上、好ましくは36〜50
℃にするとともに、透光性基板の中央部の温度とコーナ
ー部の温度の差を7℃以内とするか、またはフェースパ
ネルのコーナー部に対する専用の乾燥手段を設けてい
る。
に被着した顔料膜を乾燥するに際し、フェースパネルの
コーナー部の温度を36℃以上、好ましくは36〜50
℃にするとともに、透光性基板の中央部の温度とコーナ
ー部の温度の差を7℃以内とするか、またはフェースパ
ネルのコーナー部に対する専用の乾燥手段を設けてい
る。
【0037】このように、従来、33℃程度であったフ
ェースパネルのコーナー部の温度を上昇させることによ
り、中央部とコーナー部との間の乾燥速度の差を小さく
し、それによってスジ状の膜厚部の形成を防止し、その
結果、顔料膜のドット落ちをなくすことが出来る。
ェースパネルのコーナー部の温度を上昇させることによ
り、中央部とコーナー部との間の乾燥速度の差を小さく
し、それによってスジ状の膜厚部の形成を防止し、その
結果、顔料膜のドット落ちをなくすことが出来る。
【0038】中央部の温度よりもコーナー部の温度が7
℃を越える温度低い場合には、コーナー部の顔料膜の乾
燥が不十分となり、顔料膜の膜厚に関係なくドットオチ
やスジムラが発生し、良品は得られない。逆に、中央部
の温度よりもコーナー部の温度が7℃を越える温度高い
場合には、コーナー部の顔料膜の乾燥が早すぎて、額縁
状の膜厚ムラや、ブラックマトリクスまたはブラックス
トライプ内の顔料膜の不均一が発生し、輝度、外観の均
一性がくずれ、良品は得られない。
℃を越える温度低い場合には、コーナー部の顔料膜の乾
燥が不十分となり、顔料膜の膜厚に関係なくドットオチ
やスジムラが発生し、良品は得られない。逆に、中央部
の温度よりもコーナー部の温度が7℃を越える温度高い
場合には、コーナー部の顔料膜の乾燥が早すぎて、額縁
状の膜厚ムラや、ブラックマトリクスまたはブラックス
トライプ内の顔料膜の不均一が発生し、輝度、外観の均
一性がくずれ、良品は得られない。
【0039】また、フェースパネルのコーナー部に対す
る専用の乾燥手段を設けることにより、乾燥温度を上昇
させることなく、顔料塗膜の均一な乾燥を行うことが出
来、その結果、スジ状の膜厚部の形成、顔料膜のドット
落ちをなくすことが出来る。
る専用の乾燥手段を設けることにより、乾燥温度を上昇
させることなく、顔料塗膜の均一な乾燥を行うことが出
来、その結果、スジ状の膜厚部の形成、顔料膜のドット
落ちをなくすことが出来る。
【0040】なお、乾燥後の顔料膜の膜厚は、0.3μ
m以上であることが望ましい。顔料膜の膜厚が0.3μ
m未満では、カラーフィルターとしての役割を果たすこ
とが困難となる。しかし、顔料膜の膜厚が厚すぎると、
その上に形成されるレジストの膜厚が薄くなって、顔料
膜を保持する力が弱くなり、ドット落ちが生じ易くなる
ので、5μmを越えないことが望ましい。
m以上であることが望ましい。顔料膜の膜厚が0.3μ
m未満では、カラーフィルターとしての役割を果たすこ
とが困難となる。しかし、顔料膜の膜厚が厚すぎると、
その上に形成されるレジストの膜厚が薄くなって、顔料
膜を保持する力が弱くなり、ドット落ちが生じ易くなる
ので、5μmを越えないことが望ましい。
【0041】顔料膜の膜厚は、色により多少異なってい
る。例えば、赤の顔料膜が0.3〜0.8μm、緑の顔
料膜が0.6〜1.0μm、青の顔料膜が1.4〜2.
6μmであるが好ましい。
る。例えば、赤の顔料膜が0.3〜0.8μm、緑の顔
料膜が0.6〜1.0μm、青の顔料膜が1.4〜2.
6μmであるが好ましい。
【0042】以下、図面を参照して、本発明の実施例に
ついて説明する。
ついて説明する。
【0043】実施例1 図1(a)〜(g)は、本実施例に係る蛍光面形成方法
を工程順に示す断面図である。
を工程順に示す断面図である。
【0044】まず、図1(a)に示すように、カラー陰
極線管のガラスパネル1(6個準備した)の内面に、ブ
ラックマトリクスとして所定パターンの光吸収層2を、
公知の方法で形成した。すなわち、パネル1内面にフォ
トレジスト層を形成し、シャドウマスクを介して露光し
た後、現像・乾燥して、顔料層および蛍光体層の形成予
定部にドット状の光硬化膜を残留させた。次いで、全面
に、黒鉛のような光吸収物質を塗布した後、過酸化水素
水で洗浄して光硬化膜を溶解することにより、その上の
光吸収物質を除去し、顔料層および蛍光体層の形成予定
部を露出させた、パターニングされた光吸収層2を形成
した。
極線管のガラスパネル1(6個準備した)の内面に、ブ
ラックマトリクスとして所定パターンの光吸収層2を、
公知の方法で形成した。すなわち、パネル1内面にフォ
トレジスト層を形成し、シャドウマスクを介して露光し
た後、現像・乾燥して、顔料層および蛍光体層の形成予
定部にドット状の光硬化膜を残留させた。次いで、全面
に、黒鉛のような光吸収物質を塗布した後、過酸化水素
水で洗浄して光硬化膜を溶解することにより、その上の
光吸収物質を除去し、顔料層および蛍光体層の形成予定
部を露出させた、パターニングされた光吸収層2を形成
した。
【0045】次に、青、緑、赤の各色のフィルター層を
形成するための顔料分散液として、次の組成のものをそ
れぞれ準備した。緑顔料分散液は、緑顔料として、Ti
O2 −NiO−CoO−ZnO(商品名ダイピロキサイ
ドTMグリーン#3320:粒子径0.01〜0.02
μm、大日精化社製)を30wt%、高分子電解質とし
てアクリル酸共重合体のアンモニウム塩(商品名ディス
ペックGA−40、アライド・コロイド社製)を0.7
wt%の割合で、それぞれ純水中に分散させて調製し
た。このとき、高分子電解質濃度/顔料濃度比は、0.
023となっている。
形成するための顔料分散液として、次の組成のものをそ
れぞれ準備した。緑顔料分散液は、緑顔料として、Ti
O2 −NiO−CoO−ZnO(商品名ダイピロキサイ
ドTMグリーン#3320:粒子径0.01〜0.02
μm、大日精化社製)を30wt%、高分子電解質とし
てアクリル酸共重合体のアンモニウム塩(商品名ディス
ペックGA−40、アライド・コロイド社製)を0.7
wt%の割合で、それぞれ純水中に分散させて調製し
た。このとき、高分子電解質濃度/顔料濃度比は、0.
023となっている。
【0046】青顔料分散液は、青顔料として、アルミン
酸コバルト(Al2O3−CoO)(商品名コバルトブ
ルーX:粒子径0.01〜0.02μm、東洋顔料社
製)を30wt%、高分子電解質としてポリアクリル酸
共重合体のアンモニウム塩(商品名ディスペックGA−
40、アライド・コロイド社製)を0.7wt%の割合
で、それぞれ純水中に分散させて調製した。このとき、
高分子電解質濃度/顔料濃度比は0.023となってい
る。
酸コバルト(Al2O3−CoO)(商品名コバルトブ
ルーX:粒子径0.01〜0.02μm、東洋顔料社
製)を30wt%、高分子電解質としてポリアクリル酸
共重合体のアンモニウム塩(商品名ディスペックGA−
40、アライド・コロイド社製)を0.7wt%の割合
で、それぞれ純水中に分散させて調製した。このとき、
高分子電解質濃度/顔料濃度比は0.023となってい
る。
【0047】赤顔料分散液は、赤顔料としてFe2O3
の微粒子(粒子径0.01〜0.02μm)を20wt
%、高分子電解質として、ポリオキシエチレンアルキル
エーテルサルフェートのアンモニウム塩(商品名ハイテ
ノール08、第一工業製薬株式会社製)を0.7wt%
の割合で、それぞれ純水中に分散させて調製した。この
とき、高分子電解質濃度/顔料濃度比は0.035とな
っている。
の微粒子(粒子径0.01〜0.02μm)を20wt
%、高分子電解質として、ポリオキシエチレンアルキル
エーテルサルフェートのアンモニウム塩(商品名ハイテ
ノール08、第一工業製薬株式会社製)を0.7wt%
の割合で、それぞれ純水中に分散させて調製した。この
とき、高分子電解質濃度/顔料濃度比は0.035とな
っている。
【0048】顔料分散液の塗布工程および乾燥工程は、
それぞれ以下に示す方法で行なった。即ち、基板として
のカラー陰極線管のパネル1を温度30℃に保持し、ま
ず上述の青顔料分散液をスピンコート法により塗布し
た。
それぞれ以下に示す方法で行なった。即ち、基板として
のカラー陰極線管のパネル1を温度30℃に保持し、ま
ず上述の青顔料分散液をスピンコート法により塗布し
た。
【0049】スピンコート法による顔料分散液の塗布
は、水平から35°傾斜させて配置したフェースパネル
の塗布面に対し、ノズルから顔料分散液を吹き付け、次
いで、パネル1を100〜150rpmの回転速度で回
転させ、過剰の顔料分散液を振り切り、一定膜厚を有す
る塗布層とすることにより行った。
は、水平から35°傾斜させて配置したフェースパネル
の塗布面に対し、ノズルから顔料分散液を吹き付け、次
いで、パネル1を100〜150rpmの回転速度で回
転させ、過剰の顔料分散液を振り切り、一定膜厚を有す
る塗布層とすることにより行った。
【0050】その後、フェースパネルを水平に対して7
5℃に傾斜させて配置し、これに対向して配置したパネ
ル状の赤外線ヒーターにより、塗布膜を乾燥し、図1
(b)に示すように、青顔料層3Bを形成した。
5℃に傾斜させて配置し、これに対向して配置したパネ
ル状の赤外線ヒーターにより、塗布膜を乾燥し、図1
(b)に示すように、青顔料層3Bを形成した。
【0051】このとき、6個のパネルについて、ヒータ
ー温度を種々変化させて、パネルのコーナー部の温度を
30℃、32℃、34℃、36℃、38℃、40℃にな
るようにした。
ー温度を種々変化させて、パネルのコーナー部の温度を
30℃、32℃、34℃、36℃、38℃、40℃にな
るようにした。
【0052】次に、以下に示す組成のフォトレジスト液
を準備した。すなわち、ポリビニルアルコール(PV
A)を3wt%、重クロム酸アンモニウムを0.2wt
%、界面活性剤を0.01wt%、残部を純水として調
製したフォトレジスト液を、上述の青顔料分散液と同様
の方法で塗布・乾燥して、図1(b)に示すように、青
色顔料層3Bの上にレジスト塗膜4を形成した。
を準備した。すなわち、ポリビニルアルコール(PV
A)を3wt%、重クロム酸アンモニウムを0.2wt
%、界面活性剤を0.01wt%、残部を純水として調
製したフォトレジスト液を、上述の青顔料分散液と同様
の方法で塗布・乾燥して、図1(b)に示すように、青
色顔料層3Bの上にレジスト塗膜4を形成した。
【0053】次に、図1(c)に示すように、図示しな
い高圧水銀灯を用いて、シャドウマスクを介して所定の
パターンに露光した。次いで、現像および乾燥を、以下
に示す方法で行なった。すなわち、霧状にした現像液、
例えばNaCO3を含有するpH9のアルカリ水溶液
を、現像液圧2〜10kg/cm2でスプレイすること
により現像し、乾燥して、図1(d)に示すように、青
顔料層3Bと硬化したレジスト層5とが積層した所定の
パターンを形成した。
い高圧水銀灯を用いて、シャドウマスクを介して所定の
パターンに露光した。次いで、現像および乾燥を、以下
に示す方法で行なった。すなわち、霧状にした現像液、
例えばNaCO3を含有するpH9のアルカリ水溶液
を、現像液圧2〜10kg/cm2でスプレイすること
により現像し、乾燥して、図1(d)に示すように、青
顔料層3Bと硬化したレジスト層5とが積層した所定の
パターンを形成した。
【0054】このような青顔料層3Bと同様にして、6
個のサンプルについて、緑顔料層3Gおよび赤顔料層3
Rを順に形成した(図1(e))。即ち、塗布層の乾燥
に際し、6個のパネルについて、ヒーター温度を種々変
化させて、パネルのコーナー部の温度を30℃、32
℃、34℃、36℃、38℃、40℃になるようにし
た。なお、現像液としては、緑顔料層3G、赤顔料層3
RともにNaCO3を含有するアルカリ水溶液を用い
た。
個のサンプルについて、緑顔料層3Gおよび赤顔料層3
Rを順に形成した(図1(e))。即ち、塗布層の乾燥
に際し、6個のパネルについて、ヒーター温度を種々変
化させて、パネルのコーナー部の温度を30℃、32
℃、34℃、36℃、38℃、40℃になるようにし
た。なお、現像液としては、緑顔料層3G、赤顔料層3
RともにNaCO3を含有するアルカリ水溶液を用い
た。
【0055】次に、青、緑、赤各色の顔料層の上のレジ
スト層5を剥離し、図1(f)に示すように、パネル1
の内面に、青顔料層3B、緑顔料層3Gおよび赤顔料層
3Rからなるフィルターパターンを形成した。
スト層5を剥離し、図1(f)に示すように、パネル1
の内面に、青顔料層3B、緑顔料層3Gおよび赤顔料層
3Rからなるフィルターパターンを形成した。
【0056】このようにして形成されたフィルターパタ
ーンを観察し、ドット落ちの有無を調べた。その結果を
下記表1に示す。これは、顔料層の透過率を80%以上
とした場合である。
ーンを観察し、ドット落ちの有無を調べた。その結果を
下記表1に示す。これは、顔料層の透過率を80%以上
とした場合である。
【0057】
【表1】
【0058】上記表1から明らかなように、顔料分散液
の塗布膜の乾燥に際し、パネルのコーナー部の温度が3
0℃、32℃、34℃のときに、パネルのコーナー部に
おいて、スジ状の膜厚部が認められた。そして、パネル
のコーナー部の温度が低いほど、ドット落ち面積は広が
っていた。
の塗布膜の乾燥に際し、パネルのコーナー部の温度が3
0℃、32℃、34℃のときに、パネルのコーナー部に
おいて、スジ状の膜厚部が認められた。そして、パネル
のコーナー部の温度が低いほど、ドット落ち面積は広が
っていた。
【0059】これに対し、パネルのコーナー部の温度が
36℃、38℃、40℃と、36℃以上のときには、ド
ット落ちは全く認められなかった。
36℃、38℃、40℃と、36℃以上のときには、ド
ット落ちは全く認められなかった。
【0060】次に、このようにして形成されたカラーフ
ィルターの上に、図1(g)に示すように、青顔料層3
Bの上に青蛍光体層6Bを、緑顔料層3Gの上に緑蛍光
体層6Gを、赤顔料層3Rの上に赤蛍光体層6Rを、そ
れぞれ通常のスラリー法により順に形成した。
ィルターの上に、図1(g)に示すように、青顔料層3
Bの上に青蛍光体層6Bを、緑顔料層3Gの上に緑蛍光
体層6Gを、赤顔料層3Rの上に赤蛍光体層6Rを、そ
れぞれ通常のスラリー法により順に形成した。
【0061】なお、蛍光体スラリー(懸濁液)として
は、以下のものを用いた。すなわち、青色蛍光体スラリ
ーとしては、青色発光蛍光体である(ZnS:Ag,A
l)を100gと、PVA5g、ADC0.30g、界
面活性剤0.01g、純水140gを混合撹拌して調製
したものを使用した。また、緑色蛍光体スラリーとして
は、緑色蛍光体(ZnS:Cu,Al)100gと、P
VA8g、ADC0.40g、界面活性剤0.01g、
純水160gを混合撹拌して調製したものを使用した。
さらに赤色蛍光体スラリーとしては、赤色蛍光体(Y2
O2S:Eu)100gと、PVA10g、ADC0.
50g、界面活性剤0.01g、純水190gを混合撹
拌して調製したものを使用した。
は、以下のものを用いた。すなわち、青色蛍光体スラリ
ーとしては、青色発光蛍光体である(ZnS:Ag,A
l)を100gと、PVA5g、ADC0.30g、界
面活性剤0.01g、純水140gを混合撹拌して調製
したものを使用した。また、緑色蛍光体スラリーとして
は、緑色蛍光体(ZnS:Cu,Al)100gと、P
VA8g、ADC0.40g、界面活性剤0.01g、
純水160gを混合撹拌して調製したものを使用した。
さらに赤色蛍光体スラリーとしては、赤色蛍光体(Y2
O2S:Eu)100gと、PVA10g、ADC0.
50g、界面活性剤0.01g、純水190gを混合撹
拌して調製したものを使用した。
【0062】こうして、パネル1内面に青、緑、赤色の
顔料層3B、3G、3Rおよび蛍光体層6B、6G、6
Rがそれぞれ所定のパターンで形成された、フィルター
付き蛍光面が得られた。そして、得られた蛍光面におい
ては、顔料層のドット落ちががなく、高品質の表示が実
現された。
顔料層3B、3G、3Rおよび蛍光体層6B、6G、6
Rがそれぞれ所定のパターンで形成された、フィルター
付き蛍光面が得られた。そして、得られた蛍光面におい
ては、顔料層のドット落ちががなく、高品質の表示が実
現された。
【0063】次に、それぞれのコーナー部の温度(中央
部とコーナー部の温度差:±7℃以内)において、顔料
の透過率(膜厚)を10〜95%と変化させた場合の蛍
光面の製品品位を求めた。その結果を図2に示す。な
お、製品品位は8以上が良品であり、7以下が不良とな
る。
部とコーナー部の温度差:±7℃以内)において、顔料
の透過率(膜厚)を10〜95%と変化させた場合の蛍
光面の製品品位を求めた。その結果を図2に示す。な
お、製品品位は8以上が良品であり、7以下が不良とな
る。
【0064】図2から、コーナー部の温度が高いほど品
位は向上しており、顔料膜の透過率が80%以上と高い
(膜厚は薄い)ほど製品品位が高いことがわかる。
位は向上しており、顔料膜の透過率が80%以上と高い
(膜厚は薄い)ほど製品品位が高いことがわかる。
【0065】実施例2顔料分散液の塗布膜の乾燥に際
し、パネルのコーナー部の温度を変化させることに加
え、コーナー部に対し、空気を吹き付けたことを除い
て、実施例1と同様にしてカラーフィルターを形成し、
蛍光面を形成した。
し、パネルのコーナー部の温度を変化させることに加
え、コーナー部に対し、空気を吹き付けたことを除い
て、実施例1と同様にしてカラーフィルターを形成し、
蛍光面を形成した。
【0066】なお、パネルのコーナー部に対する空気の
吹き付けは、ノズルから空気をパネル内面の周辺部に所
定の傾斜した角度で吹き付け、空気流が周縁に向かって
流れるようにした。空気流の流量は150mリットル/
分、温度は23℃であった。
吹き付けは、ノズルから空気をパネル内面の周辺部に所
定の傾斜した角度で吹き付け、空気流が周縁に向かって
流れるようにした。空気流の流量は150mリットル/
分、温度は23℃であった。
【0067】このようにして形成されたフィルターパタ
ーンを観察し、ドット落ちの有無を調べた。その結果を
下記表2に示す。これは、顔料層の透過率を80%以上
とした場合である。
ーンを観察し、ドット落ちの有無を調べた。その結果を
下記表2に示す。これは、顔料層の透過率を80%以上
とした場合である。
【0068】
【表2】
【0069】上記表2から明らかなように、顔料分散液
の塗布膜の乾燥に際し、パネルのコーナー部の温度がい
ずれの温度であっても、ドット落ちは全く認められなか
った。このことから、パネルのコーナー部に対する専用
の乾燥手段を用いることにより、パネルのコーナー部の
温度にかかわらず、ドット落ちを防止することが出来、
安定した品位の蛍光面を得ることが出来ることがわか
る。
の塗布膜の乾燥に際し、パネルのコーナー部の温度がい
ずれの温度であっても、ドット落ちは全く認められなか
った。このことから、パネルのコーナー部に対する専用
の乾燥手段を用いることにより、パネルのコーナー部の
温度にかかわらず、ドット落ちを防止することが出来、
安定した品位の蛍光面を得ることが出来ることがわか
る。
【0070】即ち、このように、パネルのコーナー部に
対する専用の乾燥手段を用いることにより、パネル内面
の顔料分散液の塗布膜を均一に乾燥することが出来、乾
燥部と未乾燥部の境界がなくなり、スジ状の膜厚部の発
生が防止され、スジ状のドット落ちを防止することが出
来た。
対する専用の乾燥手段を用いることにより、パネル内面
の顔料分散液の塗布膜を均一に乾燥することが出来、乾
燥部と未乾燥部の境界がなくなり、スジ状の膜厚部の発
生が防止され、スジ状のドット落ちを防止することが出
来た。
【0071】次に、専用の乾燥手段を用いて乾燥した、
それぞれのコーナー部の温度において、顔料の透過率
(膜厚)を10〜95%と変化させた場合の蛍光面の製
品品位を求めた。その結果を図3に示す。なお、製品品
位は8以上が良品であり、7以下が不良となる。
それぞれのコーナー部の温度において、顔料の透過率
(膜厚)を10〜95%と変化させた場合の蛍光面の製
品品位を求めた。その結果を図3に示す。なお、製品品
位は8以上が良品であり、7以下が不良となる。
【0072】図3から、コーナー部の温度が低くてて
も、専用の乾燥手段を用いることにより、高品位が得ら
れ、また顔料膜の透過率が80%以上と高い(膜厚は薄
い)ほど製品品位が高いことがわかる。
も、専用の乾燥手段を用いることにより、高品位が得ら
れ、また顔料膜の透過率が80%以上と高い(膜厚は薄
い)ほど製品品位が高いことがわかる。
【0073】なお、以上の実施例では、本発明をカラー
陰極線管におけるカラーフィルターの形成に用いた例に
ついて説明したが、陰極線管に限らず、プラズマディス
プレイパネル(PDP)や液晶表示装置のような表示装
置のカラーフィルター形成に、適用することも可能であ
る。
陰極線管におけるカラーフィルターの形成に用いた例に
ついて説明したが、陰極線管に限らず、プラズマディス
プレイパネル(PDP)や液晶表示装置のような表示装
置のカラーフィルター形成に、適用することも可能であ
る。
【0074】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
ると、光透過性を有するカラーフィルター等の膜の乾燥
の際に、ガラスパネルの中央部/コーナー部における乾
燥速度を制御することにより、膜全面を均一に乾燥し、
乾燥部と未乾燥部の境界が無くなり、スジ状の膜厚ムラ
や顔料膜の膜厚の不均一をなくすことが可能であり、輝
度、外観の均一性が良好な蛍光面を得ることが出来る。
ると、光透過性を有するカラーフィルター等の膜の乾燥
の際に、ガラスパネルの中央部/コーナー部における乾
燥速度を制御することにより、膜全面を均一に乾燥し、
乾燥部と未乾燥部の境界が無くなり、スジ状の膜厚ムラ
や顔料膜の膜厚の不均一をなくすことが可能であり、輝
度、外観の均一性が良好な蛍光面を得ることが出来る。
【図1】本発明の一実施例に係る蛍光面の形成プロセス
を工程順に示す断面図。
を工程順に示す断面図。
【図2】それぞれのコーナー部の温度における、顔料の
透過率(膜厚)と蛍光面の製品品位との関係を示す特性
図。
透過率(膜厚)と蛍光面の製品品位との関係を示す特性
図。
【図3】専用の乾燥手段を用いて乾燥した場合の、それ
ぞれのコーナー部の温度における、顔料の透過率(膜
厚)と蛍光面の製品品位との関係を示す特性図。
ぞれのコーナー部の温度における、顔料の透過率(膜
厚)と蛍光面の製品品位との関係を示す特性図。
1…パネル 2…光吸収層 3B…青顔料層 3G…緑顔料層 3R…赤顔料層 4…レジスト層 5…硬化レジスト層 6B…青蛍光体層 6G…緑蛍光体層 6R…赤蛍光体層
Claims (10)
- 【請求項1】透光性基板の表面に顔料膜および蛍光体膜
を形成してなる蛍光面の形成方法であって、 前記透光性基板の表面に、顔料分散液を塗布する工程
と、 形成された塗布膜を乾燥して顔料膜を形成する工程とを
具備し、 前記乾燥工程において、前記透光性基板のコーナー部の
温度を36℃以上に制御するとともに、前記透光性基板
の中央部の温度とコーナー部の温度の差を7℃以内とす
ることを特徴とする蛍光面の形成方法。 - 【請求項2】前記乾燥工程において、前記顔料膜の膜厚
は.0.3μm以上とされることを特徴とする請求項1
に記載の方法。 - 【請求項3】前記透光性基板のコーナー部の温度を36
℃〜50℃に制御することを特徴とする請求項1に記載
の蛍光面の形成方法。 - 【請求項4】光性基板の表面に顔料膜および蛍光体膜を
形成してなる蛍光面の形成方法であって、 前記透光性基板の表面に、顔料分散液を塗布する工程
と、 形成された塗布膜を乾燥して顔料膜を形成する工程とを
具備し、 前記乾燥工程において、前記塗布膜の全面を乾燥する手
段に加え、前記塗布膜のコーナー部を専用に乾燥する手
段により、前記塗布膜のコーナー部を乾燥し、かつ前記
顔料膜の膜厚を0.3μm以上とすることを特徴とする
蛍光面の形成方法。 - 【請求項5】前記専用乾燥手段は、空気吹き付け手段で
あることを特徴とする請求項4に記載の方法。 - 【請求項6】前記顔料分散液中の顔料の平均粒径は、
0.2μm以下であることを特徴とする請求項1または
4に記載の蛍光面の形成方法。 - 【請求項7】前記顔料分散液中の顔料の平均粒径は、
0.01μm〜0.2μmであることを特徴とする請求
項1または4に記載の方法。 - 【請求項8】前記顔料分散液は、蛍光体膜の発光色と同
色の光を透過するカラーフィルターであることを特徴と
する請求項1または4に記載の方法。 - 【請求項9】前記蛍光面は、カラー陰極線管のパネル内
面に形成される蛍光面であることを特徴とする請求項1
または4に記載の蛍光面の形成方法。 - 【請求項10】前記透光性基板の表面への顔料分散液の
塗布は、回転塗布法を用いて行われることを特徴とする
請求項1または4に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002081992A JP2002352707A (ja) | 2001-03-23 | 2002-03-22 | 蛍光面の形成方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001-86225 | 2001-03-23 | ||
JP2001086225 | 2001-03-23 | ||
JP2002081992A JP2002352707A (ja) | 2001-03-23 | 2002-03-22 | 蛍光面の形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002352707A true JP2002352707A (ja) | 2002-12-06 |
Family
ID=26611969
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002081992A Pending JP2002352707A (ja) | 2001-03-23 | 2002-03-22 | 蛍光面の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002352707A (ja) |
-
2002
- 2002-03-22 JP JP2002081992A patent/JP2002352707A/ja active Pending
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