JP2002352698A - 電界放射型電子源およびその製造方法 - Google Patents
電界放射型電子源およびその製造方法Info
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Abstract
率の高効率化を図れるとともに、絶縁耐圧向上、長寿命
化および大面積化が容易な電界放射型電子源を提供す
る。 【解決手段】n形シリコン基板1の主表面側に強電界ド
リフト部6が形成され、強電界ドリフト部6上に表面電
極7が形成される。n形シリコン基板1が下部電極を構
成する。強電界ドリフト部6は、Si膜よりなる導電性
膜6bとSiO 2膜よりなる絶縁性膜6aとが交互に積
層される。各導電性膜6bおよび各絶縁性膜6aの各膜
厚は電子の平均自由行程と同等または電子の平均自由行
程以下に設定する。すなわち、各導電性膜6bおよび各
絶縁性膜6aそれぞれの各膜厚は電子の弾道化が起こる
程度の膜厚に設定する。
Description
子線を放射するようにした電界放射型電子源およびその
製造方法に関するものである。
した多孔質半導体層よりなる強電界ドリフト層を形成
し、強電界ドリフト層上に表面電極を形成した電界放射
型電子源が提案されている。なお、導電性基板として
は、例えば、抵抗率が導体の導電率に比較的近い半導体
基板、金属基板、ガラス基板(絶縁性基板)の一表面に
導電性層を形成したものなどが用いられている。
7に示すように導電性基板としてのn形シリコン基板1
の主表面側に強電界ドリフト層6”が形成され、強電界
ドリフト層6”上に表面電極7が形成されている。ま
た、n形シリコン基板1の裏面にはオーミック電極2が
形成されている。なお、図7に示す例では、n形シリコ
ン基板1と強電界ドリフト層6”との間に例えばノンド
ープの多結晶シリコンからなる半導体層3を介在させて
あるが、半導体層3を介在させずにn形シリコン基板1
の主表面上に強電界ドリフト層6”を形成した構成も提
案されている。
から電子を放出させるには、表面電極7に対向配置され
たコレクタ電極21を設け、表面電極7とコレクタ電極
21との間を真空とした状態で、表面電極7がn形シリ
コン基板1(オーミック電極2)に対して高電位側(正
極)となるように表面電極7とn形シリコン基板1との
間に直流電圧Vpsを印加するとともに、コレクタ電極2
1が表面電極7に対して高電位側となるようにコレクタ
電極21と表面電極7との間に直流電圧Vcを印加す
る。各直流電圧Vps,Vcを適宜に設定すれば、n形シ
リコン基板1から注入された電子が強電界ドリフト層
6”をドリフトし表面電極7を通して放出される(な
お、図7中の一点鎖線は表面電極7を通して放出された
電子e-の流れを示す)。表面電極7には仕事関数の小
さな材料(例えば、金)が採用され、表面電極7の膜厚
は10〜15nm程度に設定されている。
0’では、表面電極7とオーミック電極2との間に流れ
る電流をダイオード電流Ipsと呼び、コレクタ電極21
と表面電極7との間に流れる電流をエミッション電流
(放出電子電流)Ieと呼ぶことにすれば(図7参
照)、ダイオード電流Ipsに対するエミッション電流I
eの比率(=Ie/Ips)が大きいほど電子放出効率が高
くなる。なお、この電界放射型電子源10’では、表面
電極7とオーミック電極2との間に印加する直流電圧V
psを10〜20V程度の低電圧としても電子を放出させ
ることができる。
出特性の真空度依存性が小さく且つ電子放出時にポッピ
ング現象が発生せず安定して電子を高い電子放出効率で
放出することができる。
界ドリフト層6”が、導電性基板たるn形シリコン基板
1上にノンドープの多結晶シリコン層を堆積させた後
に、該多結晶シリコン層を陽極酸化処理にて多孔質化
し、多孔質化された多結晶シリコン層(多孔質多結晶シ
リコン層)を急速熱酸化(Rapid Thermal Oxidatio
n:RTO)によって例えば900℃の温度で酸化する
ことにより形成されている。
ト層6”は、図8に示すように、少なくとも、柱状の多
結晶シリコンのグレイン51と、グレイン51の表面に
形成された薄いシリコン酸化膜52と、グレイン51間
に介在するナノメータオーダのシリコン微結晶63と、
シリコン微結晶63の表面に形成され当該シリコン微結
晶63の結晶粒径よりも小さな膜厚の酸化膜であるシリ
コン酸化膜64とから構成されると考えられる。すなわ
ち、強電界ドリフト層6”は、陽極酸化処理を行う前の
多結晶シリコン層に含まれていた各グレインの表面が多
孔質化し各グレインの中心部分では結晶状態が維持され
ているものと考えられる。したがって、強電界ドリフト
層6”に印加された電界の大部分はシリコン酸化膜64
を集中的に通り、注入された電子はシリコン酸化膜64
を通る強電界により加速されグレイン51間を表面に向
かって図8中の矢印Aの向きへ(図8中の上方向へ向か
って)ドリフトするので、電子放出効率を向上させるこ
とができる。ここにおいて、電界放射型電子源10’
は、シリコン微結晶63のサイズ(結晶粒径)およびシ
リコン酸化膜64の膜厚それぞれを電子の平均自由行程
以下にすることで起こる電子の弾道化(いわゆる弾道型
電子放出現象)を利用している。なお、強電界ドリフト
層6”の表面に到達した電子はホットエレクトロンであ
ると考えられ、表面電極7を容易にトンネルし真空中に
放出される。
性基板としてn形シリコン基板を用いているが、図9に
示すように、ガラス基板からなる絶縁性基板11の一表
面に導電性層12を形成したものを用いた電界放射型電
子源10”も提案されている。ここに、上述の電界放射
型電子源10’と同様の構成要素には同一の符号を付し
て説明を省略する。
から電子を放出させるには、表面電極7に対向配置され
たコレクタ電極21を設け、表面電極7とコレクタ電極
21との間を真空とした状態で、表面電極7が導電性層
12に対して高電位側(正極)となるように表面電極7
と導電性層12との間に直流電圧Vpsを印加するととも
に、コレクタ電極21が表面電極7に対して高電位側と
なるようにコレクタ電極21と表面電極7との間に直流
電圧Vcを印加する。各直流電圧Vps,Vcを適宜に設
定すれば、導電性層12から注入された電子が強電界ド
リフト層6”をドリフトし表面電極7を通して放出され
る(なお、図9中の一点鎖線は表面電極7を通して放出
された電子e-の流れを示す。) 上述の構成を有する電界放射型電子源10”では、表面
電極7と導電性層12との間に流れる電流をダイオード
電流Ipsと呼び、コレクタ電極21と表面電極7との間
に流れる電流をエミッション電流(放出電子電流)Ie
と呼ぶことにすれば(図9参照)、ダイオード電流Ips
に対するエミッション電流Ieの比率(=Ie/Ips)が
大きいほど電子放出効率が高くなる。なお、この電界放
射型電子源10”では、表面電極7と導電性層12との
間に印加する直流電圧Vpsを10〜20V程度の低電圧
としても電子を放出させることができる。
化処理を利用して強電界ドリフト層6”を形成した電界
放射型電子源10’,10”は、シリコン微結晶63の
形状が球状であって、強電界ドリフト層6”中のシリコ
ン微結晶63のサイズや配列、シリコン微結晶63の充
填率などの制御が難しく、表面にシリコン酸化膜62が
形成されたシリコン微結晶63が連なった部分でのみ電
子の弾道化が起こると考えられ、表面にシリコン酸化膜
62が形成されたシリコン微結晶63が連なっていない
部分での電子の散乱や散乱確率の増大によって強電界ド
リフト層6”内でのエネルギ損失が増えて電子のエネル
ギが低減され、十分なエミッション電流および十分な電
子放出効率が得られないという不具合があった。
あって多孔質化された領域の厚みの制御が難しく、多孔
質化された領域の厚みが面内で不均一になってしまい、
結果的に強電界ドリフト層6”の厚みが面内で不均一に
なってしまうので、エミッション特性に面内分布が生じ
たり、局所的に欠陥が生じたりして絶縁破壊が起こり寿
命が短くなってしまうという不具合や面内均一性の点で
大面積化が難しいという不具合があった。
あり、その目的は、エミッション電流の大電流化および
電子放出効率の高効率化を図れるとともに、絶縁耐圧向
上、長寿命化および大面積化が容易な電界放射型電子源
およびその製造方法を提供することにある。
目的を達成するために、下部電極と、下部電極に対向す
る表面電極と、下部電極と表面電極との間に介在する強
電界ドリフト部とを備え、下部電極と表面電極との間に
表面電極を高電位側として電圧を印加したときに強電界
ドリフト部に作用する電界により下部電極から注入され
た電子がドリフトして表面電極を通して放出されるよう
にし、強電界ドリフト部を導電性膜と絶縁性膜とが交互
に積層された構造とし、各導電性膜および各絶縁性膜そ
れぞれの膜厚を電子の弾道化が起こる程度の膜厚にして
あることを特徴とするものであり、強電界ドリフト部を
導電性膜と絶縁性膜とが交互に積層された構造とし、各
導電性膜および各絶縁性膜それぞれの膜厚を電子の弾道
化が起こる程度の膜厚にしてあることにより、強電界ド
リフト部の面内全域において電子の弾道化が起こるの
で、従来のように陽極酸化処理を利用して形成された強
電界ドリフト層を備えた電界放射型電子源に比べて、エ
ミッション電流の大電流化および電子放出効率の高効率
化を図れるとともに面内の均一性を高めることができ、
しかも絶縁耐圧向上、長寿命化および大面積化が容易に
なる。なお、上述の電子の弾道化を起こすには、各導電
性膜および各絶縁性膜の各膜厚を電子の平均自由行程と
同等または電子の平均自由行程以下に設定すればよい。
て、前記絶縁性膜が、酸化膜よりなるので、例えば前記
絶縁性膜としてシリコン酸化膜を採用することで前記絶
縁性膜の絶縁耐圧を高めることができるとともに、前記
絶縁性膜を一般的な半導体製造プロセスにより形成する
ことができる。
て、前記酸化膜が、前記導電性膜の構成元素を含んでい
るので、前記酸化膜の安定性を高めることが可能になる
とともに、絶縁性膜と導電性膜との界面の欠陥を少なく
することが可能になる。
て、前記絶縁性膜が、窒化膜よりなるので、例えば前記
絶縁性膜としてシリコン窒化膜を採用することで前記絶
縁性膜の絶縁耐圧を高めることができるとともに、前記
絶縁性膜を一般的な半導体製造プロセスにより形成する
ことができ、しかもシリコン酸化膜に比べて絶縁耐圧を
高めることができる。
て、前記絶縁性膜が、酸窒化膜よりなるので、例えば前
記絶縁性膜としてシリコン酸窒化膜を採用することで前
記絶縁性膜の絶縁耐圧を高めることができるとともに、
前記絶縁性膜を一般的な半導体製造プロセスにより形成
することができ、しかもシリコン酸化膜に比べて絶縁耐
圧を高めることができる。
て、前記導電性膜が、シリコン膜よりなり、前記絶縁性
膜が、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒
化膜から選択されるので、一般的な半導体製造プロセス
を利用して強電界ドリフト部を形成することができる。
6のいずれかに記載の電界放射型電子源の製造方法であ
って、前記導電性膜を熱CVD法若しくはプラズマCV
D法により形成することを特徴とし、前記導電性膜の面
内均一性を高めることができて、従来のように陽極酸化
処理を利用して形成された強電界ドリフト層を備えた電
界放射型電子源に比べて、エミッション電流の大電流化
および電子放出効率の高効率化を図れるとともに面内の
均一性を高めることができ、しかも絶縁耐圧向上、長寿
命化および大面積化が容易な電界放射型電子源を提供す
ることができる。
射型電子源の製造方法であって、前記強電界ドリフト部
の形成にあたっては、下部電極の一表面側に酸化膜を形
成する工程と、酸化膜の一部を還元することにより前記
絶縁性膜および前記導電性膜を形成する工程とを交互に
繰り返すことを特徴とし、前記絶縁性膜および前記導電
性膜の面内均一性を高めることができて、従来のように
陽極酸化処理を利用して形成された強電界ドリフト層を
備えた電界放射型電子源に比べて、エミッション電流の
大電流化および電子放出効率の高効率化を図れるととも
に面内の均一性を高めることができ、しかも絶縁耐圧向
上、長寿命化および大面積化が容易な電界放射型電子源
を提供することができる。
3記載の電界放射型電子源の製造方法であって、前記酸
化膜を、熱CVD法、プラズマCVD法、プラズマ酸化
法、電気化学的酸化法、オゾン酸化法から選択される方
法により形成することを特徴とし、前記絶縁性膜の面内
均一性を高めることができて、従来のように陽極酸化処
理を利用して形成された強電界ドリフト層を備えた電界
放射型電子源に比べて、エミッション電流の大電流化お
よび電子放出効率の高効率化を図れるとともに面内の均
一性を高めることができ、しかも絶縁耐圧向上、長寿命
化および大面積化が容易な電界放射型電子源を提供する
ことができる。
項6のいずれかに記載の電界放射型電子源の製造方法で
あって、前記絶縁性膜を、熱CVD法、プラズマCVD
法、プラズマ処理法から選択される方法により形成する
ことを特徴とし、前記絶縁性膜の面内均一性を高めるこ
とができて、従来のように陽極酸化処理を利用して形成
された強電界ドリフト層を備えた電界放射型電子源に比
べて、エミッション電流の大電流化および電子放出効率
の高効率化を図れるとともに面内の均一性を高めること
ができ、しかも絶縁耐圧向上、長寿命化および大面積化
が容易な電界放射型電子源を提供することができる。な
お、プラズマ処理法としては、プラズマ酸化、プラズマ
窒化、プラズマ酸窒化などがある。
項6のいずれかに記載の電界放射型電子源の製造方法で
あって、前記強電界ドリフト部を形成するにあたって
は、導電性膜を形成する工程と、当該導電性膜の表面側
に急速加熱法により前記絶縁性膜を形成する工程とを交
互に繰り返すことを特徴とし、前記導電性膜および前記
絶縁性膜の面内均一性を高めることができて、従来のよ
うに陽極酸化処理を利用して形成された強電界ドリフト
層を備えた電界放射型電子源に比べて、エミッション電
流の大電流化および電子放出効率の高効率化を図れると
ともに面内の均一性を高めることができ、しかも絶縁耐
圧向上、長寿命化および大面積化が容易な電界放射型電
子源を提供することができる。また、急速加熱法により
前記絶縁性膜を形成しているので、前記絶縁性膜の膜質
を向上できるとともに前記絶縁性膜の膜厚の制御性が向
上する。
導電性基板として抵抗率が導体の抵抗率に比較的近い単
結晶のn形シリコン基板(例えば、抵抗率が略0.01
Ωcm〜0.02Ωcmの(100)基板)を用いてい
る。
1に示すように、導電性基板たるn形シリコン基板1の
主表面側に電子のドリフトする強電界ドリフト部6が形
成され、強電界ドリフト部6上に表面電極7が形成さ
れ、n形シリコン基板1の裏面にオーミック電極2が形
成されている。なお、本実施形態では、n形シリコン基
板1が下部電極を構成している。したがって、表面電極
7は下部電極に対向しており、下部電極と表面電極7と
の間に強電界ドリフト部6が介在している。
は、図2に示すように、表面電極7を真空中に配置する
とともに表面電極7に対向してコレクタ電極21を配置
し、表面電極7をn形シリコン基板1(オーミック電極
2)に対して正極として直流電圧Vpsを印加するととも
に、コレクタ電極21を表面電極7に対して正極として
直流電圧Vcを印加することにより、n形シリコン基板
1から注入された電子が強電界ドリフト部6をドリフト
し表面電極7を通して放出される(なお、図2中の一点
鎖線は表面電極7を通して放出された電子e-の流れを
示す)。したがって、表面電極7としては、仕事関数の
小さな材料を用いることが望ましい。ここにおいて、表
面電極7とn形シリコン基板1(オーミック電極2)と
の間に流れる電流をダイオード電流Ipsと称し、コレク
タ電極21と表面電極7との間に流れる電流を放出電子
電流Ieと称し、ダイオード電流Ipsに対する放出電子
電流Ieが大きい(Ie/Ipsが大きい)ほど電子放出効
率が高くなる。
ば、シリコン膜)よりなる導電性膜6bと絶縁膜(例え
ば、シリコン酸化膜)よりなる絶縁性膜6aとが交互に
積層されている。ところで、強電界ドリフト部6では、
規定数(例えば60)の導電性膜6bおよび絶縁性膜6
aが1層ごとに交互に積層され、各導電性膜6bおよび
各絶縁性膜6aの膜厚はそれぞれ同じ値に設定されてい
る。ここにおいて、すなわち、各導電性膜6bおよび各
絶縁性膜6aそれぞれの各膜厚は電子の弾道化が起こる
程度の膜厚に設定してある。言い換えれば、各導電性膜
6bおよび各絶縁性膜6aの各膜厚は電子の平均自由行
程と同等または電子の平均自由行程以下に設定すればよ
い。なお、本実施形態では、導電性膜6bの材料として
Siを採用し導電性膜6bの膜厚を5nmに設定してあ
り、絶縁性膜6aの材料としてSiO2を採用し絶縁性
膜6aの膜厚を2nmに設定してある。上記規定数は、
強電界ドリフト部6の所望の厚さに応じて適宜設定すれ
ばよい。
用され、表面電極7の厚さは10nmに設定されている
が、この膜厚は特に限定するものではなく、強電界ドリ
フト部6を通ってきた電子がトンネルできる膜厚であれ
ばよく、表面電極7の厚さは10〜15nm程度に設定
すればよい。
成された金属膜(例えば、Cr膜)よりなる第1薄膜層
7aと第1薄膜層7a上に積層された金属膜(例えば、
Au膜)よりなる第2薄膜層7bとにより構成されてい
る。ここにおいて、強電界ドリフト部6上の第1薄膜層
7aの材料としては、例えば、クロム、ニッケル、白
金、チタン、イリジウムなどの強電界ドリフト部6との
密着性が高く第2薄膜層7bと強電界ドリフト部6との
間での拡散を防止することができる材料を採用すればよ
く、第2薄膜層7bの材料としては、抵抗が低く経時安
定性の高い金などを採用すればよい。なお、本実施形態
では、第1薄膜層7aの材料としてCrを採用し第1薄
膜層7aの膜厚を2nmに設定してあり、第2薄膜層7
bの材料としてAuを採用し第2薄膜層7bの膜厚を8
nmに設定してある。また、本実施形態では、表面電極
7を2層の金属膜により構成してあるが、2層の金属膜
で構成する代わりに、1層または3層以上の金属膜によ
り構成してもよい。
の製造方法について図3を参照しながら説明する。
ック電極2を形成した後、n形シリコン基板1の主表面
側にプラズマCVD法によって所定膜厚(本実施形態で
は、5nm)の半導体膜(本実施形態では、Si膜)か
らなる導電性膜6bを形成することにより、図3(a)
に示すような構造が得られる。なお、プラズマCVD法
によってSi膜からなる導電性膜6bを形成する際の原
料ガスとしてはモノシラン(SiH4)を用いている
が、水素ガスにより希釈されたガスを用いてもよい。
6bを形成した後、導電性膜6b上にプラズマCVD法
によって所定膜厚(本実施形態では、2nm)の絶縁膜
(本実施形態では、SiO2膜)からなる絶縁性膜6a
を積層することにより、図3(b)に示すような構造が
得られる。なお、プラズマCVD法によってSiO2膜
からなる絶縁性膜6aを形成する際の原料ガスとしては
モノシラン(SiH4)と酸素(O2)との混合ガスを用
いている。
膜6aの成膜とを交互に繰り返して規定数(本実施形態
では、60)の導電性膜6bと規定数(本実施形態で
は、60)の絶縁性膜6aとが1層ごとに交互に積層さ
れた構造の強電界ドリフト部6(図1参照)を形成する
ことにより、図3(c)に示す構造が得られる。
界ドリフト部6上に金属膜(本実施形態では、Cr膜)
からなる第1薄膜層7aを電子ビーム蒸着法によって積
層し、さらに第1薄膜層7a上に金属膜(本実施形態で
は、Au膜)からなる第2薄膜層7bを電子ビーム蒸着
法によって積層することで第1薄膜層7aと第2薄膜層
7bとからなる表面電極7が形成され、図3(d)に示
す構造の電界放射型電子源10が得られる。なお、本実
施形態では、表面電極7となる第1薄膜層7aおよび第
2薄膜層7bを電子ビーム蒸着法により形成している
が、表面電極7の形成方法は電子ビーム蒸着法に限定さ
れるものではなく、例えばスパッタ法を用いてもよい。
10では、強電界ドリフト部6を導電性膜6bと絶縁性
膜6aとが交互に積層された構造とし、各導電性膜6b
および各絶縁性膜6aそれぞれの膜厚を電子の弾道化が
起こる程度の膜厚にしてあることにより、強電界ドリフ
ト部6の面内全域において電子の弾道化が起こるので、
従来のように多結晶シリコン層に陽極酸化処理を施して
多孔質多結晶シリコン層を形成した後に酸化することで
強電界ドリフト層6”を形成している場合に比べて、エ
ミッション電流の大電流化および電子放出効率の高効率
化を図ることができるとともに面内の均一性を高めるこ
とができ、しかも絶縁耐圧の向上、長寿命化および面内
均一性を高めたうえでの大面積化が容易になる。したが
って、大面積のディスプレイや平面発光装置への応用が
可能となる。また、絶縁性膜6aとしてシリコン酸化膜
を採用しているので、絶縁性膜6aの絶縁耐圧を高める
ことができるとともに、絶縁性膜6aを一般的な半導体
製造プロセスにより形成することができる。しかも、導
電性膜6bとしてシリコン膜を採用しているので、絶縁
性膜6aが導電性膜6bの構成元素を含んでおり、絶縁
性膜6aを構成するシリコン酸化膜の安定性を高めるこ
とができるとともに、絶縁性膜6aと導電性膜6bとの
界面の欠陥を低減することができる。
板としてガラス基板からなる絶縁性基板11の一表面上
に金属膜(例えば、タングステン膜)よりなる導電性層
を設けたものを用いている。このように絶縁性基板の一
表面側に導電性層を形成した基板を用いる場合には、実
施形態1のように導電性基板として半導体基板を用いる
場合に比べて、電子源の大面積化および低コスト化が可
能になる。
4に示すように、絶縁性基板11上の導電性層12上に
強電界ドリフト部6が形成され、強電界ドリフト部6上
に表面電極7が形成されている。なお、本実施形態で
は、導電性層12が下部電極を構成している。したがっ
て、本実施形態においても、表面電極7は下部電極に対
向しており、下部電極と表面電極7との間に強電界ドリ
フト部6が介在している。表面電極7の構成は実施形態
1と同じなので実施形態1と同一の符号を付して説明を
省略する。
ら電子を放出させるには、図5に示すように、表面電極
7に対向配置されたコレクタ電極21を設け、表面電極
7とコレクタ電極21との間を真空とした状態で、表面
電極7が導電性層12に対して高電位側(正極)となる
ように表面電極7と導電性層12との間に直流電圧Vps
を印加するとともに、コレクタ電極21が表面電極7に
対して高電位側となるようにコレクタ電極21と表面電
極7との間に直流電圧Vcを印加する。各直流電圧Vp
s,Vcを適宜に設定すれば、導電性層12から注入さ
れた電子が強電界ドリフト部6をドリフトし表面電極7
を通して放出される(図5中の一点鎖線は表面電極7を
通して放出された電子e-の流れを示す)。なお、強電
界ドリフト部6の表面に到達した電子はホットエレクト
ロンであると考えられ、表面電極7を容易にトンネルし
真空中に放出される。
表面電極7と導電性層12との間に流れる電流をダイオ
ード電流Ipsと呼び、コレクタ電極21と表面電極7と
の間に流れる電流をエミッション電流(放出電子電流)
Ieと呼ぶことにすれば(図5参照)、ダイオード電流
Ipsに対するエミッション電流Ieの比率(=Ie/I
ps)が大きいほど電子放出効率が高くなる。
SiO2膜)よりなる絶縁性膜6aと半導体膜(例え
ば、シリコン膜)よりなる導電性膜6bとが交互に積層
されている。ところで、強電界ドリフト部6では、規定
数(例えば60)の絶縁性膜6aおよび導電性膜6bが
1層ごとに交互に積層され、各絶縁性膜6aおよび各導
電性膜6bの膜厚はそれぞれ同じ値に設定されている。
ここにおいて、各絶縁性膜6aおよび各導電性膜6bそ
れぞれの各膜厚は電子の弾道化が起こる程度の膜厚に設
定してある。言い換えれば、各絶縁性膜6aおよび各導
電性膜6bの各膜厚は電子の平均自由行程と同等または
電子の平均自由行程以下に設定すればよい。なお、本実
施形態では、絶縁性膜6aの材料としてSiO2を採用
し絶縁性膜6aの膜厚を2nmに設定してあり、導電性
膜6bの材料としてSiを採用し導電性膜6bの膜厚を
5nmに設定してある。上記規定数は、強電界ドリフト
部6の所望の厚さに応じて適宜設定すればよい。
の製造方法について図6を参照しながら説明する。
タ法などによって金属膜(例えば、タングステン膜)か
らなる導電性層12を形成して導電性基板を構成した
後、導電性基板の主表面側(ここでは、導電性層12
上)にプラズマCVD法によって所定膜厚(本実施形態
では、2nm)の絶縁膜(本実施形態では、SiO
2膜)からなる絶縁性膜6aを形成することにより、図
6(a)に示すような構造が得られる。なお、プラズマ
CVD法によってSiO2膜からなる絶縁性膜6aを形
成する際の原料ガスとしてはモノシラン(SiH4)と
亜酸化窒素(N2O)との混合ガスを用いており、基板
温度は400℃としている。
成した後、絶縁性膜6a上にプラズマCVD法によって
所定膜厚(本実施形態では、5nm)の半導体膜(本実
施形態では、Si膜)からなる導電性膜6bを積層する
ことにより、図6(b)に示すような構造が得られる。
なお、プラズマCVD法によってSi膜からなる導電性
膜6bを形成する際の原料ガスとしてはモノシランを用
いているが、水素ガスにより希釈されたガスを用いても
よい。
膜6bの成膜とを交互に繰り返して規定数(本実施形態
では、60)の絶縁性膜6aと規定数(本実施形態で
は、60)の導電性膜6bとが1層ごとに交互に積層さ
れた構造の強電界ドリフト部6(図4参照)を形成する
ことにより、図6(c)に示す構造が得られる。
界ドリフト部6上に金属膜(本実施形態では、Cr膜)
からなる第1薄膜層7aを電子ビーム蒸着法によって積
層し、さらに第1薄膜層7a上に金属膜(本実施形態で
はAu膜)からなる第2薄膜層7bを電子ビーム蒸着法
によって積層することで第1薄膜層7aと第2薄膜層7
bとからなる表面電極7が形成され、図6(d)に示す
構造の電界放射型電子源10が得られる。なお、本実施
形態では、表面電極7となる第1薄膜層7aおよび第2
薄膜層7bを電子ビーム蒸着法により形成しているが、
表面電極7の形成方法は電子ビーム蒸着法に限定される
ものではなく、例えばスパッタ法を用いてもよい。
10では、強電界ドリフト部6を導電性膜6bと絶縁性
膜6aとが交互に積層された構造とし、各導電性膜6b
および各絶縁性膜6aそれぞれの膜厚を電子の弾道化が
起こる程度の膜厚にしてあることにより、強電界ドリフ
ト部6の面内全域において電子の弾道化が起こるので、
従来のように多結晶シリコン層に陽極酸化処理を施して
多孔質多結晶シリコン層を形成した後に酸化することで
強電界ドリフト層6”を形成している場合に比べて、エ
ミッション電流の大電流化および電子放出効率の高効率
化を図ることができるとともに面内の均一性を高めるこ
とができ、しかも絶縁耐圧の向上、長寿命化および面内
均一性を高めたうえでの大面積化が容易になる。したが
って、大面積のディスプレイや平面発光装置への応用が
可能となる。また、絶縁性膜6aとしてシリコン酸化膜
を採用しているので、絶縁性膜6aの絶縁耐圧を高める
ことができるとともに、絶縁性膜6aを一般的な半導体
製造プロセスにより形成することができる。しかも、導
電性膜6bとしてシリコン膜を採用しているので、絶縁
性膜6aが導電性膜6bの構成元素を含んでおり、絶縁
性膜6aを構成するシリコン酸化膜の安定性を高めるこ
とができるとともに、絶縁性膜6aと導電性膜6bとの
界面の欠陥を低減することができる。
6aとしてシリコン酸化膜を採用しているが、絶縁性膜
6aをシリコン酸化膜以外の酸化膜、シリコン窒化膜や
シリコン窒化膜以外の窒化膜、シリコン酸窒化膜やシリ
コン酸窒化膜以外の酸窒化膜などにより構成してもよ
く、シリコン窒化膜やシリコン酸窒化膜を採用すること
でシリコン酸化膜の場合に比べて絶縁耐圧を高めること
が可能になる。絶縁性膜6aとしてシリコン窒化膜を採
用した場合には、例えば原料ガスとしてモノシランとア
ンモニア(NH3)を用いたプラズマCVD法により形
成することができ、絶縁性膜6aとしてシリコン酸窒化
膜を採用した場合には、例えば原料ガスとしてSiH4
とN2O(またはO2)とNH3とを用いたプラズマCV
D法により形成することができる。絶縁性膜6aの形成
方法は、プラズマCVD法に限らず、例えば、熱CVD
法、プラズマ処理法(プラズマ酸化、プラズマ窒化、プ
ラズマ酸窒化)などにより形成してもよい。ここに、絶
縁性膜6aとして酸化膜を採用する場合の絶縁性膜6a
の形成方法としては、熱CVD法、プラズマCVD法、
プラズマ酸化法、電気化学的酸化法、オゾン酸化法など
を利用すればよい。
をプラズマCVD法により形成しているが、プラズマC
VD法に限らず、例えば熱CVD法により形成してもよ
い。なお、熱CVD法によりSi膜からなる導電性膜6
bを形成するには、例えばSiH4ガス雰囲気中で基板
温度を900℃に加熱すればよい。
ては、下部電極の一表面側にシリコン酸化膜を形成する
工程と、当該シリコン酸化膜の一部を還元することによ
り残りのシリコン酸化膜からなる絶縁性膜6aおよびシ
リコン膜からなる導電性膜6bを形成する工程とを交互
に繰り返すことにより形成してもよい。
として、半導体膜(例えばSi膜)よりなる導電性膜6
bを形成する工程と、急速加熱法(例えば、RTO、R
TNなど)により導電性膜6bの表面側に絶縁膜(例え
ば、SiO2膜、Si3N4膜)からなる絶縁性膜6aを
形成する工程とを交互に繰り返すようにしてもよく、こ
の場合には、急速加熱法により絶縁性膜6aを形成して
いるので、絶縁性膜6aの膜質を向上できるとともに絶
縁性膜6aの膜厚の制御性が向上する。
極に対向する表面電極と、下部電極と表面電極との間に
介在する強電界ドリフト部とを備え、下部電極と表面電
極との間に表面電極を高電位側として電圧を印加したと
きに強電界ドリフト部に作用する電界により下部電極か
ら注入された電子がドリフトして表面電極を通して放出
されるようにし、強電界ドリフト部を導電性膜と絶縁性
膜とが交互に積層された構造とし、各導電性膜および各
絶縁性膜それぞれの膜厚を電子の弾道化が起こる程度の
膜厚にしてあるものであり、強電界ドリフト部を導電性
膜と絶縁性膜とが交互に積層された構造とし、各導電性
膜および各絶縁性膜それぞれの膜厚を電子の弾道化が起
こる程度の膜厚にしてあることにより、強電界ドリフト
部の面内全域において電子の弾道化が起こるので、従来
のように陽極酸化処理を利用して形成された強電界ドリ
フト層を備えた電界放射型電子源に比べて、エミッショ
ン電流の大電流化および電子放出効率の高効率化を図れ
るとともに面内の均一性を高めることができ、しかも絶
縁耐圧向上、長寿命化および大面積化が容易になるとい
う効果がある。なお、上述の電子の弾道化を起こすに
は、各導電性膜および各絶縁性膜の各膜厚を電子の平均
自由行程と同等または電子の平均自由行程以下に設定す
ればよい。
て、前記絶縁性膜が、酸化膜よりなるので、例えば前記
絶縁性膜としてシリコン酸化膜を採用することで前記絶
縁性膜の絶縁耐圧を高めることができるとともに、前記
絶縁性膜を一般的な半導体製造プロセスにより形成する
ことができるという効果がある。
て、前記酸化膜が、前記導電性膜の構成元素を含んでい
るので、前記酸化膜の安定性を高めることが可能になる
とともに、絶縁性膜と導電性膜との界面の欠陥を少なく
することが可能になるという効果がある。
て、前記絶縁性膜が、窒化膜よりなるので、例えば前記
絶縁性膜としてシリコン窒化膜を採用することで前記絶
縁性膜の絶縁耐圧を高めることができるとともに、前記
絶縁性膜を一般的な半導体製造プロセスにより形成する
ことができ、しかもシリコン酸化膜に比べて絶縁耐圧を
高めることができるという効果がある。
て、前記絶縁性膜が、酸窒化膜よりなるので、例えば前
記絶縁性膜としてシリコン酸窒化膜を採用することで前
記絶縁性膜の絶縁耐圧を高めることができるとともに、
前記絶縁性膜を一般的な半導体製造プロセスにより形成
することができ、しかもシリコン酸化膜に比べて絶縁耐
圧を高めることができるといいう効果がある。
て、前記導電性膜が、シリコン膜よりなり、前記絶縁性
膜が、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒
化膜から選択されるので、一般的な半導体製造プロセス
を利用して強電界ドリフト部を形成することができると
いう効果がある。
6のいずれかに記載の電界放射型電子源の製造方法であ
って、前記導電性膜を熱CVD法若しくはプラズマCV
D法により形成するので、前記導電性膜の面内均一性を
高めることができて、従来のように陽極酸化処理を利用
して形成された強電界ドリフト層を備えた電界放射型電
子源に比べて、エミッション電流の大電流化および電子
放出効率の高効率化を図れるとともに面内の均一性を高
めることができ、しかも絶縁耐圧向上、長寿命化および
大面積化が容易な電界放射型電子源を提供することがで
きるという効果がある。
射型電子源の製造方法であって、前記強電界ドリフト部
の形成にあたっては、下部電極の一表面側に酸化膜を形
成する工程と、酸化膜の一部を還元することにより前記
絶縁性膜および前記導電性膜を形成する工程とを交互に
繰り返すので、前記絶縁性膜および前記導電性膜の面内
均一性を高めることができて、従来のように陽極酸化処
理を利用して形成された強電界ドリフト層を備えた電界
放射型電子源に比べて、エミッション電流の大電流化お
よび電子放出効率の高効率化を図れるとともに面内の均
一性を高めることができ、しかも絶縁耐圧向上、長寿命
化および大面積化が容易な電界放射型電子源を提供する
ことができるという効果がある。
3記載の電界放射型電子源の製造方法であって、前記酸
化膜を、熱CVD法、プラズマCVD法、プラズマ酸化
法、電気化学的酸化法、オゾン酸化法から選択される方
法により形成するので、前記絶縁性膜の面内均一性を高
めることができて、従来のように陽極酸化処理を利用し
て形成された強電界ドリフト層を備えた電界放射型電子
源に比べて、エミッション電流の大電流化および電子放
出効率の高効率化を図れるとともに面内の均一性を高め
ることができ、しかも絶縁耐圧向上、長寿命化および大
面積化が容易な電界放射型電子源を提供することができ
るという効果がある。
項6のいずれかに記載の電界放射型電子源の製造方法で
あって、前記絶縁性膜を、熱CVD法、プラズマCVD
法、プラズマ処理法から選択される方法により形成する
ので、前記絶縁性膜の面内均一性を高めることができ
て、従来のように陽極酸化処理を利用して形成された強
電界ドリフト層を備えた電界放射型電子源に比べて、エ
ミッション電流の大電流化および電子放出効率の高効率
化を図れるとともに面内の均一性を高めることができ、
しかも絶縁耐圧向上、長寿命化および大面積化が容易な
電界放射型電子源を提供することができるという効果が
ある。なお、プラズマ処理法としては、プラズマ酸化、
プラズマ窒化、プラズマ酸窒化などがある。
項6のいずれかに記載の電界放射型電子源の製造方法で
あって、前記強電界ドリフト部を形成するにあたって
は、導電性膜を形成する工程と、当該導電性膜の表面側
に急速加熱法により前記絶縁性膜を形成する工程とを交
互に繰り返すので、前記導電性膜および前記絶縁性膜の
面内均一性を高めることができて、従来のように陽極酸
化処理を利用して形成された強電界ドリフト層を備えた
電界放射型電子源に比べて、エミッション電流の大電流
化および電子放出効率の高効率化を図れるとともに面内
の均一性を高めることができ、しかも絶縁耐圧向上、長
寿命化および大面積化が容易な電界放射型電子源を提供
することができるという効果がある。また、急速加熱法
により前記絶縁性膜を形成しているので、前記絶縁性膜
の膜質を向上できるとともに前記絶縁性膜の膜厚の制御
性が向上するという効果がある。
図である。
図である。
ある。
図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 下部電極と、下部電極に対向する表面電
極と、下部電極と表面電極との間に介在する強電界ドリ
フト部とを備え、下部電極と表面電極との間に表面電極
を高電位側として電圧を印加したときに強電界ドリフト
部に作用する電界により下部電極から注入された電子が
ドリフトして表面電極を通して放出されるようにし、強
電界ドリフト部を導電性膜と絶縁性膜とが交互に積層さ
れた構造とし、各導電性膜および各絶縁性膜それぞれの
膜厚を電子の弾道化が起こる程度の膜厚にしてあること
を特徴とする電界放射型電子源。 - 【請求項2】 前記絶縁性膜は、酸化膜よりなることを
特徴とする請求項1記載の電界放射型電子源。 - 【請求項3】 前記酸化膜は、前記導電性膜の構成元素
を含んでいることを特徴とする請求項2記載の電界放射
型電子源。 - 【請求項4】 前記絶縁性膜は、窒化膜よりなることを
特徴とする請求項1記載の電界放射型電子源。 - 【請求項5】 前記絶縁性膜は、酸窒化膜よりなること
を特徴とする請求項1記載の電界放射型電子源。 - 【請求項6】 前記導電性膜は、シリコン膜よりなり、
前記絶縁性膜は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シ
リコン酸窒化膜から選択されることを特徴とする請求項
1記載の電界放射型電子源。 - 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれかに記
載の電界放射型電子源の製造方法であって、前記導電性
膜を熱CVD法若しくはプラズマCVD法により形成す
ることを特徴とする電界放射型電子源の製造方法。 - 【請求項8】 請求項3記載の電界放射型電子源の製造
方法であって、前記強電界ドリフト部の形成にあたって
は、下部電極の一表面側に酸化膜を形成する工程と、酸
化膜の一部を還元することにより前記絶縁性膜および前
記導電性膜を形成する工程とを交互に繰り返すことを特
徴とする電界放射型電子源の製造方法。 - 【請求項9】 請求項2または請求項3記載の電界放射
型電子源の製造方法であって、前記酸化膜を、熱CVD
法、プラズマCVD法、プラズマ酸化法、電気化学的酸
化法、オゾン酸化法から選択される方法により形成する
ことを特徴とする電界放射型電子源の製造方法。 - 【請求項10】 請求項1ないし請求項6のいずれかに
記載の電界放射型電子源の製造方法であって、前記絶縁
性膜を、熱CVD法、プラズマCVD法、プラズマ処理
法から選択される方法により形成することを特徴とする
電界放射型電子源。 - 【請求項11】 請求項1ないし請求項6のいずれかに
記載の電界放射型電子源の製造方法であって、前記強電
界ドリフト部を形成するにあたっては、導電性膜を形成
する工程と、当該導電性膜の表面側に急速加熱法により
前記絶縁性膜を形成する工程とを交互に繰り返すことを
特徴とする電界放射型電子源の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001159624A JP3852564B2 (ja) | 2001-05-28 | 2001-05-28 | 電界放射型電子源およびその製造方法 |
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JP2001159624A JP3852564B2 (ja) | 2001-05-28 | 2001-05-28 | 電界放射型電子源およびその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002352698A true JP2002352698A (ja) | 2002-12-06 |
JP3852564B2 JP3852564B2 (ja) | 2006-11-29 |
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---|---|---|---|
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JP (1) | JP3852564B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006126383A1 (ja) * | 2005-05-24 | 2006-11-30 | Konica Minolta Holdings, Inc. | 電界放出型電子源及びその製造方法 |
JP2012054061A (ja) * | 2010-08-31 | 2012-03-15 | Sharp Corp | 電子放出素子及びその製造方法並びに電子放出装置 |
-
2001
- 2001-05-28 JP JP2001159624A patent/JP3852564B2/ja not_active Expired - Fee Related
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