JP2002350926A - カメラ用シャッタ - Google Patents

カメラ用シャッタ

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JP2002350926A JP2001158276A JP2001158276A JP2002350926A JP 2002350926 A JP2002350926 A JP 2002350926A JP 2001158276 A JP2001158276 A JP 2001158276A JP 2001158276 A JP2001158276 A JP 2001158276A JP 2002350926 A JP2002350926 A JP 2002350926A
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Shigemi Takahashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シャッタ羽根の作動によって磨耗紛が発生し、
撮像面に付着する量を抑制できるようにしたカメラ用シ
ャッタを提供すること。 【解決手段】シャッタ地板1と中間板4の間に先羽根の
羽根室が形成され、中間板4と補助地板5の間に後羽根
の羽根室が形成されている。また、シャッタ地板1と補
助地板5には、羽根室側に壁部1t,5iを形成しシャ
ッタ地板1の被写体側には、枠体部1nが形成され、補
助地板5の撮像素子側には、凹部5tが形成されてい
る。そして、シャッタ地板1と補助地板5には、先羽根
と後羽根が作動上接触しない面に、粘着材ADを塗布し
てある。そのため、先羽根や後羽根の作動によって発生
した磨耗紛は、それらの粘着材ADに付着し、撮像面に
飛来する量が極端に抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラ用シャッタ
に関する。
【0002】
【従来の技術】カメラ用シャッタには、大きく分けて、
フォーカルプレンシャッタとレンズシャッタとがある。
そして、最近のフォーカルプレンシャッタは、主に、シ
ャッタ羽根を二つ(先羽根(群)と後羽根(群))備え
ていて、それらを、シャッタ地板,中間板,補助地板と
称されている3枚の板部材で形成した二つの羽根室内に
別々に配置した構成をしている。そして、このタイプの
シャッタは、フィルム使用のカメラにもデジタルカメラ
にも用いられており、撮影時には、二つのシャッタ羽根
を所定の時間間隔で順に作動させ、それらによって形成
されるスリットにより、長方形をした撮像面の一つの辺
から対向する辺に向けて、連続的に露光するようにして
いる。
【0003】また、デジタルカメラにのみ用いられるフ
ォーカルプレンシャッタとしては、シャッタ羽根を一つ
しか備えていないものがあるが、その場合には、上記の
3枚の板部材のうち中間板を備えておらず、シャッタ地
板と補助地板によって一つの羽根室を構成している。そ
して、このタイプのものは、通常は撮像面を被写体光に
さらしておき、撮影の終了時にだけ一時的に撮像面を覆
うようにしている。
【0004】しかしながら、上記のいずれのタイプの場
合でも、夫々のシャッタ羽根の構成は同じであって、一
端をシャッタ地板に枢着された複数のアームに対し、短
冊状をした1枚以上の羽根を枢支することによって、平
行四辺形のリンク機構を応用した機構に構成されてい
る。また、各アームと羽根との枢支構成は、アームと羽
根とに形成された孔を重ね、それらの孔に、リベット部
品である連結軸の先端をアーム側から挿入し、羽根にか
しめている。そして、そのかしめ部は、羽根の形状によ
って羽根の摺動面から突き出ないようにされているが、
連結軸の頭部は、シャッタ地板又は補助地板側となって
いて、アームから突き出るようになっている。
【0005】他方、レンズシャッタの場合には、主に、
撮影レンズの間に配置されるものと後方に配置されるも
のとがあるが、それらの殆どのものは、露光開口を開く
ときは略中央から開き、閉じるときは略中央に向けて閉
じるようになっている。そして、いずれのシャッタも、
フィルム使用のカメラとデジタルカメラの両方に使用が
可能であって、デジタルカメラに用いる場合には、通常
は、撮像面を被写体光にさらしておき、撮影の終了時に
だけ一時的に露光開口を閉じるようにしている。
【0006】また、レンズシャッタの場合には、絞り機
構と同様に開口規制を行えるものもあり、フィルム使用
のカメラに用いる場合には、撮影時に円形の露光開口を
全開にする前に所定の開口規制位置から閉じ作動を行わ
せてしまい、デジタルカメラに用いる場合には、撮影前
に所定の開口規制位置に開かせておき、撮影終了時にの
み一時的に閉じ作動を行わせるようにしている。そし
て、このようなレンズシャッタの場合にも、羽根と、羽
根を作動させる部材とは、孔と連結軸との回転可能な嵌
合構成によって連結されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な構成をしたシャッタ機構は、かなりの高速で作動して
いるため、外見上は何の問題もなく作動し且つ停止して
いるように見えるが、実際には、そのときどきによって
複雑な動きを伴いながら作動していたり、停止時には強
烈な衝撃力を受けて一時的に羽根などが変形させられた
りするため、各部材間の摺動,当接等によって、極めて
微細な磨耗粉を発生させている。そして、そのような磨
耗粉は、羽根同士間や、羽根と地板間などのように、主
に面と面とが摺接する場合にも生じることがあるが、羽
根と他の部材との連結部などのように、孔と軸との摺接
部から発生する場合の方が圧倒的に多い。
【0008】そこで、そのような典型例をフォーカルプ
レンシャッタの場合で説明する。通常のシャッタ羽根
は、上記のように、アームと羽根と連結軸とで構成され
ている。そのため、シャッタ羽根の作動中において、ア
ームと連結軸との嵌合部では相対的に摺接状態となる。
そして、停止時における衝撃力はこの嵌合部にも大きく
作用する。また、シャッタ羽根の作動中には、連結軸の
頭部が地板面を摺動する。そして、この作動中にシャッ
タ羽根は正規の作動方向へ作動するだけでなく複雑な作
動をし、特に、停止時にはアームや羽根が変形させられ
るので、連結軸の頭部は、シャッタ地板面又は補助地板
面に叩き付けられるような現象も生じる。更に、シャッ
タ羽根の作動中には、殆どの場合、スリット形成羽根の
枢支部は、露光開口内を出入りするように構成されてい
るため、露光開口から出るときには、連結軸の頭部がシ
ャッタ地板又は補助地板の開口部の端面に当接したりす
る。
【0009】ところで、上記のようなアームや羽根は、
通常の場合、比較的剛性に優れた薄い金属性の板材をプ
レス機械で打ち抜いて製作されている。また、リベット
部品としての連結軸は、快削鋼の棒材を切削して製作さ
れている。そのため、複数の羽根でシャッタ羽根を構成
する場合であっても、羽根同士の摺動によって磨耗粉を
発生させてしまう度合いは極めて少ないし、羽根室を構
成している板部材に対して羽根が摺動しても、比較的大
きな面と面との摺接であるため、仮に板部材が合成樹脂
製であったとしても(シャッタ地板と補助地板は合成樹
脂で製作されることがある)、磨耗粉の発生は極めて少
ない。
【0010】しかしながら、連結軸とアームの嵌合部に
おいては、連結軸の方が削られて、比較的多くの磨耗紛
を発生させてしまうことがある。また、シャッタ地板や
補助地板が金属性の場合には比較的硬質の金属が採用さ
れるため、それらに対する摺動や当接によって連結軸の
頭部が削られ、比較的多くの磨耗紛を発生させてしまう
ことがある。更に、シャッタ地板や補助地板が合成樹脂
製の場合には、それらの地板から磨耗紛を発生させてし
まうこともある。そして、構成の違いこそあれ、レンズ
シャッタにも、上記した孔と連結軸との嵌合部があり、
且つそのほかにも複数の摺接部を有しているために、多
かれ少なかれこのような磨耗粉を発生させてしまう。
【0011】このようにして磨耗紛が発生しても、その
磨耗紛が露光開口から離れた方向へ移動するような特別
な手段が講じられていて、露光開口からフィルムやCC
Dなどの結像面に飛来しないようにしてあれば別である
が、そのような好都合な手段はなかなか見当たらない。
そして、このような磨耗紛がフィルムやCCDなどの表
面に所定量以上に付着すると好適な撮影結果が得られな
くなり、拡大して再現したときには、その不具合さが画
像の一部に顕在化されてしまうことになる。特に、デジ
タルカメラの場合には、撮像素子がカメラ内に固定され
ているため、磨耗紛が、直接、撮像素子の入射面に付着
したり、その前面に配置されたローパスフィルタの入射
面に付着したりすると、それ以後の全ての撮影にその影
響が現れ、しかも、それ以後に、他の磨耗紛が、その上
や周りに次々と付着していくこともあって、極めて問題
となる。
【0012】そこで、フォーカルプレンシャッタを備え
たカメラにおいてそのような現象が生じた場合、従来
は、レンズを取り外したうえに、ミラーをアップ状態に
し、更にシャッタ羽根を撮像素子の前面から退去させた
状態(露光開口の全開状態)にしておいて、エアーブラ
シ等によってそれらの磨耗紛を除去せざるを得なかっ
た。しかしながら、そのような作業は決して簡単なこと
ではなく、また、ズームレンズを備えたカメラや、レン
ズシャッタを備えたカメラのように、レンズ交換を意図
していないカメラの場合には、上記のような方法で行う
ことすらもできなかった。そして、このようなことは、
磨耗粉のみならず、外部からカメラ内に入って来たり、
カメラ内で発生したゴミ対策についても同様であった。
従って、そのような磨耗紛やゴミなどの影響が出にくい
カメラ用シャッタの出現が望まれている。
【0013】他方、フィルムを使用するカメラの場合に
は、そのようにして磨耗紛がフィルムに付着しても、フ
ィルムが撮影の都度送られるので、そのコマだけのこと
で済むし、デジタルカメラの場合のように累積して付着
するというようなことはあり得ない。そのため、従来
は、このような磨耗紛について余り問題にしていなかっ
たが、最近では、デジタルカメラの場合で問題とされて
いるために、たとえ影響度が小さくても、そのような現
象の生じにくいシャッタを採用したいという要求が出る
ようになってきた。
【0014】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、その目的とするところは、シ
ャッタ羽根の作動によって発生した磨耗紛や、カメラ内
に存在するゴミなどが、露光開口から結像面に向けて飛
来しにくいようにした構成のカメラ用シャッタを提供す
ることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のカメラ用シャッタは、露光用の開口部を
有している2枚の地板の間に羽根室を構成し該羽根室内
にシャッタ羽根を配置しているか、前記2枚の地板の間
を仕切って二つの羽根室を構成し夫々の羽根室に別々の
シャッタ羽根を配置するかしていて、前記2枚の地板の
少なくとも一方には、前記シャッタ羽根が作動上接触し
ない面に、粘着手段が設けられているようにする。
【0016】また、本発明のカメラ用シャッタにおいて
は、前記粘着手段が、前記2枚の地板の少なくとも一方
に形成された窪み内に設けられているようにすると、窪
みを羽根室内に形成した場合には、シャッタ羽根の作動
領域内に該粘着手段を配置することが可能になるし、羽
根室外に形成した場合には、粘着手段が手や物に触れに
くくなるので、シャッタの取扱上有利になる。
【0017】また、本発明のカメラ用シャッタにおいて
は、前記2枚の地板の少なくとも一方には、羽根室外に
おいて前記開口部を囲むように枠体部が形成されてい
て、該枠体部に前記粘着手段が設けられているようにす
ると、羽根室内から被写体側に飛散しようとする摩擦粉
やゴミを捕らえやすく、再びシャッタ内に飛来する量を
少なくすることが可能となる。
【0018】また、本発明のカメラ用シャッタにおいて
は、前記2枚の地板の少なくとも一方が、前記羽根室側
に、前記開口部から外周端まで連なる壁部を有してい
て、該羽根室側の面と該面とは平行でない該壁部の面と
の少なくとも一方に、前記粘着手段が設けられているよ
うにすると、摩擦粉やゴミを効果的に捕らえやすく、且
つ前記開口部側へ飛散しにくくなる。
【0019】また、その場合、本発明のカメラ用シャッ
タにおいては、前記シャッタ羽根が、前記2枚の地板の
一方に回転可能に取り付けられた複数のアームと、それ
らのアームに枢支された少なくとも1枚の羽根とを有し
ていて、前記壁部が、前記アームの作動領域と前記開口
部との間に設けられているようにすると、フォーカルプ
レンシャッタとして極めて好適な構成になる。
【0020】更に、本発明のカメラ用シャッタにおいて
は、前記粘着手段が、反射防止機能を有しているように
すると、漏光防止などの点でも有利になる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図1〜図
7に示した実施例によって説明する。本実施例は、デジ
タルカメラ用のフォーカルプレンシャッタとして構成し
たものである。そして、図1は被写体側(撮影レンズ
側)から視た実施例の透視図であって、露光作動開始直
前の状態を示したものであり、図2は図1のA―A線断
面図である。また、図3は図1のB−B線断面図であっ
て、先羽根及び後羽根については概略的に示したもので
ある。図4及び図5は、図1に示されている主要な構成
ブロックを個別に示した平面図である。また、図6は撮
像素子側から視た実施例の平面図であって、後羽根は露
光作動終了直後の状態で示してある。更に、図7は、図
1と同じようにして視た実施例の透視図であって、露光
作動終了直後の状態を示したものである。
【0022】先ず、本実施例の構成を説明するが、その
説明に際しては、シャッタをカメラに組み付けた状態
で、被写体側を表面側と称し、撮像素子側を背面側と称
することにする。尚、予めことわっておくが、図面に
は、先羽根と後羽根を駆動するための各駆動部材や、撮
影後それらの駆動部材をセットするためのセット部材
や、各駆動部材の露光作動の開始を制御する各々の電磁
石などが示されていない。それらは、本発明を理解する
のに直接関係がないからであり、本実施例の場合には、
それらについての周知の構成が適用される。
【0023】図4(a)に示されているシャッタ地板1
は、図1において一番被写体側に配置されている。この
シャッタ地板1は、合成樹脂製であって、略中央部には
露光用の開口部1aが形成されており、その左側の側方
位置には三つの円弧状の長孔1b,1c,1dが形成さ
れている。そして、長孔1b,1cの上端部には、周知
のようにして、平面形状が略C字状をしているブチルゴ
ム製の緩衝部材2,3が取り付けられている。
【0024】シャッタ地板1には、軸1e,1f,1
g,1h,1i,1j,1k,1mが立設されている。
それらのうち軸1e,1fは、シャッタ地板1の表裏両
面に立設されているが、軸1gは表面側にだけ立設さ
れ、軸1h,1i,1j,1k,1mは背面側にだけ立
設されている。そのうち、軸1e,1fは、表面側にお
いて、図示していない周知の先羽根用駆動部材と後羽根
用駆動部材を回転可能に取り付け、背面側において、後
述する先羽根と後羽根のアームを回転可能に取り付けて
いる。そして、上記の各駆動部材に設けられている駆動
ピンは、上記の長孔1b,1cを貫通して背面側に突き
出ており、露光作動の終了時には、上記の緩衝部材2,
3に当接するようになっている。
【0025】軸1gには、図示していない周知のセット
部材が回転可能に取り付けられていて、セット時には初
期位置から回転して、上記の各駆動部材を夫々の駆動ば
ねの付勢力に抗してセット位置まで回転させ、初期位置
へ復帰したときには、図示していないピンが上記の長孔
1dの一端に当接して停止させられるようになってい
る。また、軸1h,1iは、後述する先羽根,後羽根の
アームを回転可能に取り付けるためのものであり、軸1
j,1k,1mは、後述する中間板と補助地板を取り付
けるためのものである。
【0026】シャッタ地板1の表面側には、開口部1a
を囲むようにして被写体側に突き出した長方形の枠体部
1nが形成されており、その周囲には四つの浅い窪み1
p,1q,1r,1sが形成されている。また、シャッ
タ地板1の背面側には、開口部1aの左側の縁に沿い上
下方向に延伸して壁部1tが形成されているが、この壁
部1tには、図3の断面図から分かるように、傾斜面1
uが形成されている。また、その図3から分かるよう
に、壁部1tの形成されている開口部1aの縁と対向し
ている縁にも傾斜面1vが形成されている。更に、シャ
ッタ地板1の背面側には、図2に示したように、表面側
に形成された窪み1pと対応する位置に同じ形状の窪み
1wが形成され、表面側に形成された窪み1rと対応す
る位置に同じ形状の窪み1xが形成されている。
【0027】そして、このような形状をしたシャッタ地
板1には、機能上及び取扱上で問題とならない面に粘着
材ADが塗布されている。即ち、図4(a)から分かる
ように、シャッタ地板1の表面側に形成された窪み1
p,1q,1r,1sの底面には、シャッタ地板1の表
面に出ないようにして粘着材ADが塗布されている。ま
た、枠体部1nには、図2及び図3から分かるように、
開口部1aに向いている面に塗布されているし、枠体部
1nと開口部1aとの間の被写体側の面にも塗布されて
いる。
【0028】更に、背面側において、粘着材ADは、窪
み1w,1xの底面に塗布されているし、上記の傾斜面
1u,1vにも塗布されているし、壁部1tには、開口
部1aとは反対側の面にも塗布されている。また、図3
だけでは塗布領域が明確ではないが、シャッタ地板1の
背面側の一部(図3において壁1tに繋がる左側の面
と、図3の左右端の面)にも、後述する先羽根の作動領
域ではないところに塗布されている。尚、図1及び図7
においては、図面を見やすくするために、これらの粘着
材ADの図示を一部省略してある。
【0029】以上の説明で、シャッタ地板1自身と、主
にシャッタ地板1の表面側に取り付けられる図示してい
ない周知の部材の説明を終わり、以後は、シャッタ地板
1の背面側に取り付けられる部材と、それらの取付け構
成について説明するが、先ずは、その背面側の全体構成
の概要を説明しておく。シャッタ地板1の背面側には、
夫々、所定の間隔を空けて中間板4(図4(c)参照)
と補助地板5(図5参照)とが取り付けられ、シャッタ
地板1と中間板4との間が先羽根(図4(b)参照)の
羽根室となり、中間板4と補助地板5との間が後羽根
(図4(d)参照)の羽根室となっている。また、中間
板4と補助地板5にも、略中央部に開口部4a,5aが
形成されており、通常は、シャッタ地板1の開口部1a
をそれらと重ね合わせることによって、長方形を横長に
した露光開口が合成されるようになっているが、本実施
例の場合は、開口部1aのみによって露光開口が規制さ
れている。
【0030】そこで、先ず、図4(b)に示された先羽
根について説明する。本実施例の先羽根は、二つのアー
ム6,7と、それらの長さ方向に順に枢支された4枚の
羽根8,9,10,11で構成され、最先端に枢支され
た羽根11がスリット形成羽根となっている。そして、
アーム6は、その左端部の孔を、シャッタ地板1の背面
側に突き出た上記の軸1eに嵌合させて枢着され、長孔
6aには、上記した図示していない先羽根用駆動部材の
駆動ピンが嵌合している。また、もう一つのアーム7
は、やはり、その左端部の孔を、シャッタ地板1の軸1
hに嵌合させて枢着されている。
【0031】アーム6,7に対する各羽根の枢支は、周
知のように、リベット部品である連結軸を用いて行われ
る。そして、それらの枢支構成は全て同じである。そこ
で、図4(b)においては、スリット形成羽根11の枢
支に用いられている連結軸に符号12,13を付けてお
いたので、全ての枢支構成を代表して、連結軸12を用
いた枢支構成について説明する。アーム6と羽根11に
は予め孔が形成されている。そこで、それらの孔を合わ
せておき、連結軸12をアーム6側から挿入して、その
挿入端を羽根11にかしめている。その場合、アーム6
と連結軸12とは固定されていない。従って、この先羽
根の場合には、8個の連結軸の頭部は、全て、アーム
6,7の面からシャッタ地板1側に突き出ていて、シャ
ッタ地板1に対して摺動するようになっている。
【0032】次に、図4(c)を用いて中間板4を説明
する。上記したように、中間板4は、シャッタ地板1と
の間に先羽根の羽根室を形成しており、その略中央部に
は開口部4aが形成されている。この開口部4aは、シ
ャッタ地板1の開口部1aと異なる形状をしているが、
その理由は周知であるため説明を省略する。そして、本
実施例においては、その開口部4aの左側の形成縁が、
開口部1aの左側の形成縁と略重なるように配置されて
いる。また、この中間板4は、三つの孔4b,4c,4
dをシャッタ地板1の軸1j,1k,1mに嵌合させて
取り付けられているが、本実施例の場合には、中間板4
は、明示していない手段によって、その嵌合部において
軸1j,1k,1mの軸方向へ移動しないように取り付
けられている。
【0033】中間板4の背面側には、図4(d)に示す
ような後羽根が配置されている。この後羽根は、上記の
先羽根を上下方向に裏返した構成をしていて、二つのア
ーム14,15と、それらの長さ方向に順に枢支された
4枚の羽根16,17,18,19で構成され、最先端
に枢支された羽根19がスリット形成羽根となってい
る。そして、アーム14は、その左端部の孔を、シャッ
タ地板1の背面側に突き出た上記の軸1fに嵌合させて
枢着され、長孔14aには、上記した図示していない後
羽根用駆動部材の駆動ピンが嵌合している。また、他方
のアーム15は、その左端部の孔を、シャッタ地板1の
軸1iに嵌合させて枢着されている。
【0034】アーム14,15に対する各羽根16,1
7,18,19の枢支構成は、先羽根の場合と全く同じ
である。従って、この後羽根の場合には、アーム14,
15が羽根16,17,18,19よりも補助地板5側
に配置されているから、8個の連結軸の頭部は、全て、
アーム14,15の面から補助地板5側に突き出てい
て、補助地板5に対して摺動するようになっている。
尚、この後羽根は、図1の状態においては、羽根16,
17,18,19が重畳状態となって開口部1aの下方
位置に格納されているが、図4(d)においては、構成
を分かり易くするために、展開状態にして示してある。
【0035】図5には、中間板4と共に後羽根の羽根室
を形成している補助地板5が示されている。この補助地
板5は、合成樹脂製であって、略中央部に、既に説明し
た開口部5aが形成されている。そして、この開口部5
aは、シャッタ地板1の開口部1aよりも若干大きい形
状をしているが、その左側の形成縁は、開口部1a,4
aの左側の形成縁と略重なるようにして配置されてい
る。また、この開口部5aの左側には、四つの孔が形成
されているが、それらはシャッタ地板1に立設された四
つの軸1e,1f,1h,1iの先端部を受け入れるた
めの孔である。更に、補助地板5の三隅には孔5b,5
c,5dが形成されているが、これらの孔は補助地板5
をシャッタ地板1の軸1j,1k,1mに取り付けるた
めのものであって、その具体的な取り付け方は後述す
る。
【0036】補助地板5には、その四方の外周に遮光壁
5e,5f,5g,5hが形成されているが、これらの
遮光壁は、外周方向からの光が羽根室内に入るのを遮断
するためのものである。また、補助地板5には、開口部
5aの左端縁に沿い且つ遮光壁5e,5gまで延伸して
壁部5iが形成されており、その壁部5iには、被写体
側に向け且つ開口部1a側に向けて傾斜面5jが形成さ
れているが、その壁部5iが形成されている開口部5a
の縁と対向している縁にも傾斜面5kが形成されてい
る。
【0037】そして、補助地板5の表面側(羽根室側)
には、開口部5aの上方位置と下方位置に、夫々、三つ
ずつの浅い窪み5m,5n,5p,5q,5r,5sが
形成され、遮光壁5eには緩衝部材20,21が取り付
けられ、遮光壁5gには、緩衝部材22,23が取り付
けられている。また、補助地板5の背面側には、図2,
図3,図6から分かるように、開口部5aを囲むように
して凹部5tが形成され、その周囲には四つの浅い窪み
5u,5v,5w,5xが形成されている。
【0038】このような形状をした補助地板5にも、機
能上及び取扱上で問題とならない面に粘着材ADが塗布
されている。即ち、図5から分かるように、補助地板5
の表面側に形成された窪み5m,5n,5p,5q,5
r,5sの底面には、補助地板5の表面に出ないように
して粘着材ADが塗布されている。また、粘着材AD
は、傾斜面5j,5kにも塗布されており、傾斜面5j
に繋がる遮光壁5e,5gの内面の一部にも塗布されて
いる。また、粘着材ADは、壁部5iの、開口部5aと
は反対側の面にも塗布されており、その面と繋がる遮光
壁5e,5gの内面の一部と、補助地板5の表面の一部
にも塗布されている。更に、粘着材ADは、遮光壁5
f,5hの内面と、それらに繋がる補助地板5の表面の
一部にも塗布されている。そして、緩衝部材22,23
の間に形成されている遮光壁5gの肉厚部にも、その上
面に塗布されている。
【0039】また、このような粘着材ADは、補助地板
5の背面側にも塗布されている。即ち、図6から分かる
ように、補助地板5の背面側に形成された窪み5u,5
v,5w,5xの底面には、補助地板5の背面に出ない
ようにして粘着材ADが塗布されている。また、凹部5
tには、図2及び図3からも分かるように、開口部5a
に向けている面にも塗布されているし、その内側にある
撮像素子側に向けた面にも塗布されている。尚、図1及
び図7においては、図面を見やすくするために、このよ
うにして、補助地板5に塗布されている粘着材ADの一
部を図示していない。
【0040】次に、この補助地板5の取付け方を説明す
るが、その取付け方法は従来から知られているものであ
るため簡単に説明する。即ち、シャッタ地板1の軸1j
の先端面にはねじ孔が形成されていて、軸1k,1mの
先端部周囲には環状に溝が形成されている。そして、補
助地板5の孔5c,5dは鍵穴を横にした形状をしてい
る。そこで、先ず、図5において孔5c,5dの左側の
大きな開口部を、軸1k,1mに嵌合させ、次に、補助
地板5を左側に移動させることによって、右側の小さな
開口部の縁を、上記した環状の溝に入り込ませる。そし
て、この状態で、図6に示されたネジ24を孔5bに通
し、軸1jのねじ孔に螺合している。
【0041】本実施例のシャッタユニットは上記のよう
に構成されているが、このシャッタはデジタルカメラ用
のフォーカルプレンシャッタである。そのため、補助地
板5の背面側には撮像素子が配置されるが、図2に示す
ように、本実施例の場合には撮像素子としてCCD25
が用いられ、その前面にローパスフィルタ26が配置さ
れている。そして、上記した補助地板5の凹部5tは、
ローパスフィルタ26を受け入れるためのものであり、
このような構成にすることによって、カメラ内における
光軸に沿った方向の省スペース化に寄与し、ひいてはカ
メラの薄型化に寄与するようになっている。尚、本実施
例においては、CCD25とローパスフィルタ26を別
体としているが、それらを一体化する場合もあるし、ロ
ーパスフィルタ26を配置しないものもある。従って、
後者の場合には、凹部5tはCCD25を受け入れるこ
とになる。
【0042】次に、本実施例の作動を説明する。図1
は、シャッタのセット状態を示してい。このとき、図示
していない周知の先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材
は、夫々の駆動ばねの付勢力に抗し、初期位置から回転
させられた図示していないセット部材によって時計方向
ヘ回転された状態にある。そのため、各々の駆動部材に
設けられている駆動ピンが、先羽根のアーム6と後羽根
のアーム14を時計方向へ回転させた状態となってい
て、先羽根の4枚の羽根8,9,10,11は展開状態
となって開口部1aを覆っており、後羽根の4枚の羽根
16,17,18,19は重畳状態となって、開口部1
aの下方位置に格納されている。
【0043】このようなセット状態において、カメラの
レリーズボタンが押されると、先ず、図示していない先
羽根用電磁石と後羽根用電磁石に通電され、先羽根用駆
動部材と後羽根用駆動部材が吸着保持されると、セット
部材は初期位置へ復帰する。そして、次に、先羽根用電
磁石に対する通電が断たれると、該電磁石による保持力
が失われ、先羽根用駆動部材が先羽根用駆動ばねの付勢
力によって反時計方向へ回転する。そのため、先羽根用
駆動部材の駆動ピンが、アーム6を反時計方向へ回転さ
せ、先羽根の4枚の羽根8,9,10,11を上方へ作
動させていく。その結果、各羽根は相互の重なり量を大
きくして行き、スリット形成羽根11の下側の縁である
スリット形成縁によって、開口部1aを開いていく。
【0044】そして、スリット形成羽根11のスリット
形成縁が、開口部1aを全開にした段階で、先羽根用駆
動部材の駆動ピンが緩衝部材2に当接し、アーム6が緩
衝部材20に当接し、羽根8〜11の先端が緩衝部材2
1に当接して、先羽根用駆動部材と先羽根の作動が停止
する。このとき、二つの緩衝部材20,21は、一時的
に圧縮させられるが、羽根8〜11が、補助地板5の遮
光壁5eに塗布された粘着材ADに接触する程にまでは
圧縮されない。そのため、図2から分かるように、遮光
壁5eの内側には、かなりの面積に粘着材ADを塗布す
ることが可能である。
【0045】本実施例の場合は、このようにして行なわ
れる作動中に、アーム6,7の先端が開口部1aの中を
通過しないため、当然のことながら、連結軸12,13
も開口部1aの中を通過しない。そのため、連結軸1
2,13の頭部が、開口部1aの縁の端面に当接した
り、その近傍位置においてシャッタ地板1の羽根室側の
面に当接したりすることがないので、それが原因となっ
て比較的大きな磨耗紛を比較的多く発生させてしまうよ
うなことはない。しかしながら、この作動中において、
アーム6,7と八つの連結軸との間、及び八つの連結軸
の頭部とシャッタ地板1の羽根室側の面との間では、比
較的大きな磨耗紛を発生させてしまうことがある。
【0046】また、羽根同士や、羽根とシャッタ地板1
の間や、羽根と中間板4との間では、比較的大きな磨耗
粉が発生せず且つ比較的多くの磨耗粉が発生しないとは
いえ、全く発生しないというわけではない。更に、羽根
室内又はシャッタの外側近傍には、前回の撮影までに発
生した磨耗粉が滞留していたり、シャッタ機構以外で発
生した磨耗粉やカメラ内に進入したゴミなどが滞留して
いる。そのため、上記のような先羽根の作動中には、そ
の作動によって発生した磨耗粉や、滞留していた磨耗粉
とゴミが空中に舞い上がることになる。
【0047】ところが、本実施例の場合には、図1にお
いて壁部1tの左側で舞い上がった磨耗粉やゴミは、壁
部1tに遮られて開口部1a側には余り進出せず、その
作動終了後には、それらの殆どが先羽根の羽根室内に塗
布された粘着材ADやその他の部材面に付着する。そし
て、粘着材ADに付着したものは、再度舞い上がらない
ようになる。また、図1において壁部1tの右側で舞い
上がる磨耗粉やゴミは、左側で舞い上がるものに比較し
て少ないが、それらも、傾斜面1u,1vや先羽根の羽
根室内に塗布された粘着材ADなどに付着するし、可能
性としては少ないが、後羽根の羽根室内に侵入したもの
は、後羽根の羽根室内の粘着材ADなどに付着する。更
に、各羽根室外で舞い上がったものは、シャッタ地板1
と補助地板5の外側に塗布された粘着材ADなどに付着
する。従って、ローパスフィルタ26に向かうものは極
めて少なく、且つ傾斜面5j,5kに塗布した粘着材A
Dに付着してしまうものもある。
【0048】上記のように、先羽根用電磁石に対する通
電が断たれてから所定時間が経過すると、今度は、後羽
根用電磁石に対する通電が断たれる。このようにして後
羽根用電磁石に対する通電が断たれるタイミングは、撮
影条件によって様々であり、実際には、先羽根の露光作
動が終了する前に断たれる場合が多い。しかしながら、
本実施例の作動説明においては、説明の都合上、上記の
ように、先羽根の露光作動が終了した後に通電が断たれ
た場合で説明する。
【0049】後羽根用電磁石に対する通電が断たれる
と、後羽根用駆動部材は、後羽根用駆動ばねの付勢力に
よって反時計方向へ回転させられる。そのため、後羽根
用駆動部材の駆動ピンが、アーム14を反時計方向へ回
転させ、後羽根の4枚の羽根16,17,18,19を
上方へ作動させていくので、各羽根は相互の重なり量を
小さくして行き、スリット形成羽根19の上側の縁であ
るスリット形成縁によって、開口部1aを閉じていく。
そして、スリット形成羽根19のスリット形成縁が、開
口部1aを閉鎖した段階で、後羽根用駆動部材の駆動ピ
ンが緩衝部材3に当接し、後羽根用駆動部材と後羽根の
作動が停止する。その停止状態が図6及び図7に示され
ている。
【0050】このような後羽根の露光作動中において、
アーム14,15の作動は補助地板5に形成された壁5
iの左側で行なわれる。従って、アーム14,15の先
端が開口部5aの中を通過しない以上、当然のことなが
ら、スリット形成羽根19の枢支構成に用いられている
二つの連結軸も開口部5aの中を通過しない。そのた
め、それらの連結軸の頭部が、開口部5aの縁の端面に
当接したり、その近傍位置において補助地板5の羽根室
側の面に当接したりすることがなく、従来のように、そ
のような当接によって磨耗紛を発生させてしまうことが
ない。
【0051】しかしながら、上記した先羽根の作動にお
ける場合と同様に、程度の差こそあれ、磨耗粉やゴミは
舞い上がる。即ち、この作動中において、アーム14,
15と八つの連結軸との間、及び八つの連結軸の頭部と
補助地板5の羽根室側の面との間で、比較的多くの磨耗
紛を発生させるが、そのようにして発生した磨耗粉が、
それ以前から、粘着材の塗布されていない部材面に付着
していた磨耗粉やゴミと共に舞い上がることになるが、
それらの殆どは壁部5iによって開口部5aに進行する
のを阻止され、その作動終了後には、後羽根の羽根室内
に塗布された粘着材ADやその他の部材面に付着する。
そして、粘着材ADに付着したものは、再度舞い上がら
ないようになる。
【0052】また、図1において壁部5iの右側で舞い
上がる磨耗粉やゴミは、左側で舞い上がるものに比較し
て少ないが、それらも、後羽根の羽根室内に塗布された
粘着材ADなどに付着するし、先羽根の羽根室内に侵入
したものは、傾斜面1u,1vや先羽根の羽根室内の粘
着材ADなどに付着する。更に、各羽根室外で舞い上が
ったものは、シャッタ地板1と補助地板5の外側に塗布
された粘着材ADなどに付着するし、ローパスフィルタ
26に向かったものの一部は、傾斜面5j,5kに塗布
した粘着材ADに付着する。従って、ローパスフィルタ
26に飛来するものは極めて少なくなる。
【0053】上記のことからも分かるように、壁部1
t,5iは、磨耗紛などをローパスフィルタ26の方へ
進行させないようにするためのものであるから、本来で
あれば、開口部1a,5aの縁の長さだけ形成すれば足
りることになる。しかし、本実施例の場合には、その両
端を回り込むものをも阻止できるようにするために、地
板1,5の上下端まで延伸させている。
【0054】また、本実施例の壁部1t,5iの高さ
(羽根室側に突き出している寸法)は一律となってい
る。そして、各壁部1t,5iの先端と中間板4との間
の間隔は、先羽根及び後羽根の4枚の羽根を重畳状態に
したときの寸法を考慮して決められている。しかしなが
ら、上記の間隔は、先羽根や後羽根が展開状態にあると
きには、おおよそ2枚の羽根の厚さ分だけあればよいこ
とになる。従って、そのように隙間を一律にせず、壁部
1t,5iの高さが徐々に変わるようにすれば、磨耗粉
やゴミの遮断効果が一層向上することになる。但し、本
発明は、壁部1t,5iを、そのような形状にすること
に限定されず、また、壁部1t,5iを設けることを必
須とするものでもない。しかし、仮に一方の壁部だけを
設けるとしたら、ローパスフィルタ26に近い補助地板
5の壁部5iであることは言うまでもない。
【0055】次に、シャッタのセット作動を説明する。
図7の状態において、図示していないセット部材が回転
を開始すると、先ず、先羽根用駆動部材を、先羽根用駆
動ばねの付勢力に抗して時計方向ヘ回転させる。それに
よって、先羽根用駆動部材の駆動ピンがアーム6を時計
方向ヘ回転させるので、先羽根の4枚の羽根8,9,1
0,11は、相互の重なり量を小さくしつつ下方へ作動
されていく。そして、先羽根のスリット形成羽根11と
後羽根のスリット形成羽根19との重なり量が所定量に
達した段階で、セット部材が後羽根用駆動部材を、後羽
根用駆動ばねの付勢力に抗して時計方向ヘ回転させ始め
る。そのため、後羽根用駆動部材の駆動ピンがアーム1
4を時計方向ヘ回転させるので、後羽根の4枚の羽根1
6,17,18,19は、相互の重なり量を大きくしつ
つ下方へ作動させられる。
【0056】このようにして、先羽根と後羽根はセット
作動をさせられていくが、このようなセット作動は、実
際には急速に行われる。そのため、先羽根の羽根8,
9,10,11が展開状態となって開口部1aを覆った
直後に、図示していないセット部材の回転は停止する
が、先羽根と後羽根の各枢支部には公差が設けられてい
るため、各々の羽根は、それらの枢支部を支点にして、
慣性によって時計方向へ若干回転させられる。従って、
このとき、後羽根の4枚の羽根16,17,18,19
は重畳状態となって緩衝部材22,23に当接し、その
後、若干戻って図1に示された状態で静止する。
【0057】このように、本実施例によれば、先羽根や
後羽根の作動に影響を与えないようにして羽根室内の面
に塗布した粘着材ADが、各羽根室内で舞い上がる磨耗
紛やゴミを付着してしまうので、壁部1t,5iの存在
と相俟って、開口部1a,5a側へ進行する量が非常に
少なくなる。また、開口部1a,5a側へ飛び出した磨
耗紛やゴミの中にも、傾斜面1u,1v,5j,5kに
塗布された粘着材ADに付着してしまうものがあるた
め、ローパスフィルタ26に飛来する量は極めて制限さ
れたものとなる。更に、シャッタの外部に飛び出したも
のや、最初から外部にあるものは、それらの一部が、シ
ャッタ地板1と補助地板5の外側の面に塗布された粘着
材ADに付着するので、その後、ローパスフィルタ26
に飛来する量が制限されることになる。
【0058】尚、上記の実施例においては、シャッタ地
板と補助地板に、直接、粘着材を塗布する場合で説明し
たが、予め粘着材を塗布又は含浸してあるテープ(粘着
テープ)をシャッタ地板と補助地板に貼付するようにし
ても差し支えないし、それらを併用しても差し支えな
い。また、それらのような粘着手段を、シャッタ地板と
補助地板のうち、一方にだけ設けるようにしても差し支
えない。また、それらの粘着手段に反射防止材が含有さ
れていると、それらの面で反射した光が、撮影中に撮像
面に達したり、カメラの不使用時にフィルムを感光させ
てしまうのを防止することが可能になる。
【0059】更に、上記の実施例は、デジタルカメラに
用いる場合で説明したが、本発明は、フィルム使用のカ
メラにも適用できるし、また、デジタルカメラに用いる
場合であっても、シャッタ羽根を一つ(一組)にし、シ
ャッタ地板と補助地板とで一つの羽根室を形成したシャ
ッタにしても差し支えない。また、上記の実施例におい
ては、各シャッタ羽根が4枚の羽根を有しているが、そ
の枚数には限定されず、1枚であっても5枚であっても
差し支えない。従って、これらのことから、本発明は、
フォーカルプレンシャッタのみならず、ビハインド・ザ
・レンズシャッタ(撮影レンズの後方位置に配置される
レンズシャッタ)に適用しても有効である。
【0060】
【発明の効果】以上のように、本発明は、シャッタ地板
と補助地板の少なくとも一方に、シャッタ羽根の作動に
影響を与えないようにして粘着手段を設けたので、シャ
ッタ羽根の作動中に発生した磨耗粉や、それまでに既に
発生していた磨耗粉やゴミを好適に付着し、その吸着し
た磨耗粉やゴミを再度空中に舞い上がらせることがない
ので、撮像面に飛来し付着する磨耗紛やゴミを極端に少
なくすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】被写体側、即ち撮影レンズ側から視た実施例の
透視図であって、露光作動開始直前の状態を示したもの
である。
【図2】図1のA―A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図であって、先羽根及び後
羽根は概略的に示してある。
【図4】図1に示されている主要な構成ブロックのう
ち、補助地板を除く各ブロックを個別に示した平面図で
あって、図4(a)はシャッタ地板を、図4(b)は先
羽根を、図4(c)は中間板を、図4(d)は後羽根を
示したものである。
【図5】実施例に採用されている補助地板を被写体側か
ら視た平面図である。
【図6】撮像素子側から視た実施例の平面図であって、
後羽根は露光作動終了直後の状態で示してある。
【図7】図1と同じようにして視た実施例の透視図であ
って、露光作動終了直後の状態を示したものである。
【符号の説明】
1 シャッタ地板 1a,4a,5a 開口部 1b,1c,1d,6a,14a 長孔 1e,1f,1g,1h,1i,1j,1k,1m 軸 1n 枠体部 1p,1q,1r,1s,1w,1x,5m,5n,5
p,5q,5r,5s,5u,5v,5w,5x 窪み 1t,5i 壁部 1u,1v,5j,5k 傾斜面 2,3,20,21,22,23 緩衝部材 4 中間板 4b,4c,4d,5b,5c、5d 孔 5 補助地板 5e,5f,5g,5h 遮光壁 5t 凹部 6,7,14,15 アーム 8,9,10,11,16,17,18,19 羽根 12,13 連結軸 24 ネジ 25 CCD 26 ローパスフィルタ AD 粘着材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光用の開口部を有している2枚の地板
    の間に羽根室を構成し該羽根室内にシャッタ羽根を配置
    しているか、前記2枚の地板の間を仕切って二つの羽根
    室を構成し夫々の羽根室に別々のシャッタ羽根を配置す
    るかしていて、前記2枚の地板の少なくとも一方には、
    前記シャッタ羽根が作動上接触しない面に、粘着手段が
    設けられていることを特徴とするカメラ用シャッタ。
  2. 【請求項2】 前記粘着手段が、前記2枚の地板の少な
    くとも一方に形成された窪み内に設けられていることを
    特徴とする請求項1に記載のカメラ用シャッタ。
  3. 【請求項3】 前記2枚の地板の少なくとも一方には、
    羽根室外において前記開口部を囲むように枠体部が形成
    されていて、該枠体部に前記粘着手段が設けられている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ用シャ
    ッタ。
  4. 【請求項4】 前記2枚の地板の少なくとも一方が、前
    記羽根室側に、前記開口部から外周端まで連なる壁部を
    有していて、該羽根室側の面と該面とは平行でない該壁
    部の面との少なくとも一方に、前記粘着手段が設けられ
    ていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載
    のカメラ用シャッタ。
  5. 【請求項5】 前記シャッタ羽根が、前記2枚の地板の
    一方に回転可能に取り付けられた複数のアームと、それ
    らのアームに枢支された少なくとも1枚の羽根とを有し
    ていて、前記壁部が、前記アームの作動領域と前記開口
    部との間に設けられていることを特徴とする請求項4に
    記載のカメラ用シャッタ。
  6. 【請求項6】 前記粘着手段が、反射防止機能を有して
    いることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の
    カメラ用シャッタ。
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