JP2002350447A - 生理活性物質固定化担体及びその製造方法、固定化生理活性物質、試料中の対象成分分析方法、並びに試料中の対象成分分析用キット - Google Patents

生理活性物質固定化担体及びその製造方法、固定化生理活性物質、試料中の対象成分分析方法、並びに試料中の対象成分分析用キット

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JP2002350447A JP2001156086A JP2001156086A JP2002350447A JP 2002350447 A JP2002350447 A JP 2002350447A JP 2001156086 A JP2001156086 A JP 2001156086A JP 2001156086 A JP2001156086 A JP 2001156086A JP 2002350447 A JP2002350447 A JP 2002350447A
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Makoto Amano
誠 天野
Tatsuo Kurosawa
竜雄 黒澤
Michifumi Nika
通文 丹花
Hiroshi Okamura
浩 岡村
Kenichi Takagi
研一 高木
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Toyo Kohan Co Ltd
Fujifilm Wako Pure Chemical Corp
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Wako Pure Chemical Industries Ltd
Toyo Kohan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生理活性物質を高密度に固定化することがで
き、固定化効率が高い担体、該固定化担体を用いて効率
良く生体成分を分析する方法、及び前記分析のためのキ
ットを提供することを目的とする。 【解決手段】 生理活性物質が固定化された炭素乃至は
金属又は半金属炭素化合物層が表面に形成されている担
体からなる生理活性物質固定化担体、官能基を有する炭
素乃至は金属又は半金属炭素化合物層が表面に形成され
た担体と、生理活性物質とを接触させることを特徴とす
る、生理活性物質固定化担体の製造方法、当該担体を用
いて試料中の対象成分を分析する方法、及び、当該担体
を含んでなる試料中の対象成分分析用キット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生理活性物質固定
化担体、前記担体の製造方法、担体上に固定化された生
理活性物質、前記担体を用いて試料中の対象成分を分析
する方法、並びに前記担体を含む試料中の対象成分分析
用キットを提供するものである。なお、本発明において
生理活性物質とは、生体に特有の作用を及ぼす物質又は
生体由来タンパク若しくはペプチド等をいう。
【0002】
【従来の技術】酵素、抗体等の生理活性物質は、特定の
物質に対し高い選択性を有しているものが多く、このよ
うな性質を利用して特定の生体成分等を高精度に検出す
るために利用されている。特に、目的物質と反応する抗
体を適当な固相(担体)に固定した後検体を接触させ、
さらに目的物質と特異的に結合する標識抗体と反応させ
て目的物質の測定を行うイムノアッセイ法は、免疫検査
において多用されている。
【0003】しかしながら、タンパク質や糖質等の生理
活性物質を、担体へ強固で効率よく固定化することは、
タンパク質や糖質等の表面電荷が様々であること等に起
因して非常に困難であった。
【0004】従来より、タンパク質等の生理活性物質を
スライドガラスやポリアクリルアミドゲル等の担体の上
に固定化する方法、並びに当該固定化担体を用いて試料
中の抗原を当該担体状の抗体と結合させ高効率(High-t
hroughput)で検出する方法について、BioTechniques 2
7,778-788(1999)、Biosensors & BioelectronicsVol.
13, No.3-4, pp. 407-415, 1998、Clin. Chem. 44:9,2
036-2043(1998)、Clin. Chem. Acta (1990) 194
(1)、Anal. Chem. 1999, 71, 3845-3852、J. Immunol.
Methods, 136(1991), 239-246、Anal. Biochem. 278,
123-131(2000)、J.Immunol. Methods. 99(1987)10
7-112、Anal. Biochem. 250, 203-211 (1997)、Science
Vol. 289, 1760-1763)等の報告がある。
【0005】しかし、これらの報告の方法では、担体に
抗体を高密度に固定化することができず、大量の抗体を
必要とする割には固定化の効率が低いという問題があっ
た。
【0006】また、アレルギーの原因(アレルゲン)を
同定するため、アレルギーの発現によって、当該アレル
ギーの原因であるアレルゲンと特異的に結合するIgE
が産生されることを利用して、IgEを検査する方法が
行われており、患者の血清中のIgEをアレルゲンと反
応させて、標識した抗IgE抗体で検出する方法が実用
化されている。
【0007】具体的には、試料中のIgEと、スライド
グラス上に固定化された抗ヒトIgE抗体とを反応させ
た後、更に酵素標識した抗ヒトIgE抗体を反応させ
て、抗ヒトIgE抗体−IgE−酵素標識抗ヒトIgE
抗体複合体を生成させ、当該複合体中の標識を検出する
方法(Methods in enzymology Vol. 184 501-507, 199
0)、アレルゲンをろ紙に結合して、これに血清を反応
させ、ウミホタル由来のルシフェラーゼでラベルした抗
IgE抗体で検出する方法(特開平5−113443号
公報)、アフィニティーカラムを使用する方法(特表平
5−508220号公報)、抗IgE抗体を2官能性の
試薬によりポリスチレンプレートやガラス繊維フィルタ
ーなどの固相支持体に固定する方法(特表平8−509
064号公報)などがある。
【0008】しかし、これらの報告の方法でも、担体に
各種アレルゲンや抗IgE抗体を高密度に固定化するこ
とができず、大量の抗体を必要とする割には固定化の効
率が低いという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した如
き状況に鑑みなされたもので、生理活性物質を高密度に
固定化することができ、固定化効率が高い生理活性物質
固定化担体、該固定化担体の製造方法、該固定化担体を
用いて効率良く試料中の対象成分を分析する方法、及び
前記分析のためのキットを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく検討を行った結果、生理活性物質を固定化す
るための担体として炭素乃至は金属又は半金属炭素化合
物層が表面に形成されている担体を採用すると高密度に
官能基を配位することが可能となり、この官能基に生理
活性物質の官能基を結合させて固定することができるの
で、固定化の効率が向上し、該生理活性物質固定化担体
を用いた試料中の対象成分の分析の効率化が可能となる
ことを見出して本発明に至った。
【0011】すなわち、請求項1記載の発明は、生理活
性物質が固定化された炭素乃至は金属又は半金属炭素化
合物層が担体表面に形成されている担体からなる生理活
性物質固定化担体を提供するものである。生理活性物質
の担体表面への固定化は、自体公知の固定化方法、例え
ば物理的に吸着させて固定化する方法或いは化学的結合
により固定化する方法等を利用すればよいが、請求項2
に記載するように、炭素乃至は金属又は半金属炭素化合
物層の官能基を介して固定されていることが好ましく、
特に、請求項3に記載するように、生理活性物質が有す
る官能基と炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層の官
能基との結合により、担体表面に固定化されていること
が好ましい。
【0012】この場合において、請求項4に記載されて
いるように、生理活性物質が有する官能基又は/及び炭
素乃至は金属又は半金属炭素化合物層の官能基が、水酸
基、カルボキシル基、硫酸基、シアノ基、ニトロ基、チ
オール基、アミノ基、アミノフェニル基及びエポキシ基
からなる群から選ばれた1又は2以上のものであること
が好ましい。
【0013】また、生理活性物質は、請求項5に記載す
るように、生体に特有の作用を及ぼす物質又は生体由来
タンパク或いはペプチドであり、特に、請求項6に記載
するように、抗原又は/及び抗体が好ましい。中でも、
生理活性物質が、請求項7に記載するように、腫瘍マー
カー、ホルモン、環境ホルモン、微生物由来タンパク又
はペプチド或いは糖鎖抗原、レセプター、リガンド、ア
レルゲン、免疫グロブリン、レクチン、糖鎖、脂質、リ
ポ多糖及びこれらに対する抗体からなる群から選ばれた
1又は2以上のものであることが特に好ましい。
【0014】具体的には、請求項8に記載するように、
生理活性物質が、アレルゲン、免疫グロブリン、及びこ
れらに対する抗体からなる群から選ばれた1又は2以上
のものであることが好ましい。
【0015】更に、炭素乃至は金属又は半金属炭素化合
物は、請求項9及び10に記載するように、結晶性炭素
又は/及び非晶性炭素からなるものが好ましく、より具
体的には、請求項11に記載するように、結晶性炭素は
ダイヤモンド又はダイヤモンドライクカーボンが、ま
た、請求項12に記載するように、非晶性炭素はグラフ
ァイト又は非晶性カーボンが好ましい。これらの中で
も、結晶性炭素、特に、ダイヤモンドが好ましい。
【0016】請求項13に記載の発明は、官能基を有す
る炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層が表面に形成
された担体と、生理活性物質とを接触させることを特徴
とする、生理活性物質固定化担体の製造方法を提供する
ものである。
【0017】より具体的には、請求項14に記載するよ
うに、炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層が形成さ
れた担体表面に官能基を導入し、次いでこれと生理活性
物質とを接触させることが好ましい。この場合におい
て、当該担体表面に導入する官能基は、請求項15に記
載するように、水酸基、カルボキシル基、硫酸基、シア
ノ基、ニトロ基、チオール基、アミノ基、アミノフェニ
ル基及びエポキシ基からなる群から選ばれた1又は2以
上のものであることが好ましい。
【0018】請求項16記載の発明は、炭素乃至は金属
又は半金属炭素化合物層が形成されている担体上に固定
化されてなる生理活性物質を提供するものである。
【0019】請求項17記載の発明は、請求項1〜12
の何れかに記載の生理活性物質固定化担体を用いること
を特徴とする、試料中の対象成分の分析方法を提供する
ものである。より具体的には、請求項17に記載するよ
うに、生理活性物質固定化担体と対象成分を含有する試
料とを接触させて生成した担体に固定化された生理活性
物質と試料中の対象成分との複合体を分析するものであ
る。
【0020】ここで担体表面に固定化された生理活性物
質は、請求項19に記載するように、抗原又は抗体の何
れかであり、対象成分が当該生理活性物質に対する抗原
又は抗体であることが好ましく、より好ましくは、当該
抗原又は抗体は、請求項20に記載するように、腫瘍マ
ーカー、ホルモン、環境ホルモン、微生物由来タンパク
又はペプチド或いは糖鎖抗原、レセプター、リガンド、
アレルゲン、免疫グロブリン、レクチン、糖鎖、脂質、
リポ多糖及びこれらに対する抗体からなる群から選ばれ
た1又は2以上のものである。中でも、抗原又は抗体
は、請求項21に記載するように、アレルゲン、免疫グ
ロブリン、レクチン、及びこれらに対する抗体からなる
群から選ばれた1又は2以上のものであることが特に好
ましい。
【0021】請求項22記載の発明は、請求項1〜11
の何れかに記載の生理活性物質固定化担体を含んでなる
対象成分分析用キットを提供するものである。
【0022】
【発明の実施の形態】まず、請求項1記載の発明の生理
活性物質固定化担体について説明する。請求項1記載の
本発明の生理活性物質固定化担体は、生理活性物質が固
定化された炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層が担
体表面に形成されている担体からなることを特徴とす
る。
【0023】生理活性物質とは、請求項5に記載するよ
うに、生体に特有の作用を及ぼす物質若しくは生体由来
タンパク或いはペプチドであり、具体的には、例えばタ
ンパク、タンパク誘導体、ペプチド、ペプチド誘導体、
糖、糖誘導体、脂質、脂質誘導体等である。より具体的
には、請求項6に記載するように、抗原又は/及び抗体
が、後述するように抗原抗体反応により生体成分を正確
に分析できるので、好ましい。中でも、請求項7に記載
するように、腫瘍マーカー(例えばAFP,PSA,C
EA,PGI,PGII等のタンパク抗原、CA19−
9,PIVKA−II,CA125等の糖鎖抗原等)、
ホルモン(例えばPTH,T3,T4,TSH,インシ
ュリン,Cペプチド,LH,FSH,プロラクチン
等)、環境ホルモン(例えばトリブチルスズ,ノニルフ
ェノール,4−オクチルフェノール,フタル酸ジ−n−
ブチル,フタル酸ジシクロヘキシル,ベンゾフェノン,
オクタクロロスチレン,フタル酸ジ−2−エチルヘキシ
ル等)微生物由来タンパク又はペプチド或いは糖鎖抗原
(例えば結核菌,肺炎球菌,ジフテリア菌,髄膜炎菌,
淋菌,ブドウ球菌,レンサ球菌,腸内細菌,大腸菌,ヘ
リコバクター・ピロリ等の細菌、インフルエンザウイル
ス,アデノウイルス,炎テロウイルス,ポリオウイル
ス,EBウイルス,HAV,HBV,HCV,HIV,
HTLV等のウイルス、例えばカンジダ,クリプトコッ
カス等の真菌、レプトスピラ,梅毒トレポネーマ等のス
ピロヘータ、クラミジア、マイコプラズマ等の微生物由
来のタンパク又はペプチド或いは糖鎖抗原)、レセプタ
ー(例えばエストロゲン,TSH等に対するレセプタ
ー)、リガンド(例えばエストロゲン,TSH等)、ア
レルゲン(例えば気管支喘息,アレルギー性鼻炎,アト
ピー性皮膚炎等のアレルギーの原因となる吸入性アレル
ゲン、例えば食物アレルゲン等。より具体的には、例え
ばハウスダスト,例えばコナヒョウダニ,ヤケヒョウダ
ニ等のダニ類、例えばスギ、ヒノキ、スズメノヒエ,ブ
タクサ,オオアワガエリ,ハルガヤ,ライムギ等の花
粉、例えばネコ,イヌ,カニ等の動物、例えば米,卵白
等の食物、真菌、昆虫、木材、薬剤、化学物質等に由来
するアレルゲン)、免疫グロブリン(例えばIgG,I
gM,IgA,IgE,IgD,これらの分解産物
等)、レクチン(例えばコンカナバリンA,レンズマメ
レクチン,インゲンマメレクチン,ダツラレクチン,小
麦胚芽レクチン等)、糖鎖(例えばABO抗原等)、脂
質(例えばコレステロール等の脂質、カルジオリピン、
ホスファチジルコリン等のリン脂質、スフィンゴミエリ
ン等のスフィンゴリン脂質、リポタンパク質)、リポ多
糖(例えばエンドトキシン等)及びこれらに対する抗体
からなる群から選ばれた1又は2以上のものであること
が特に好ましい。
【0024】尚、生理活性物質としてレセプター、リガ
ンド、レクチン、腫瘍マーカー(糖鎖)、タンパク又は
ペプチド等を用いた場合には、抗原抗体反応に限らず、
レセプター−アクセプター間反応、レクチン−糖鎖間反
応或いはタンパク−ペプチド鎖間反応等によっても対象
成分を分析し得る。
【0025】本発明の生理活性物質固定化担体を試料中
の対象成分の分析に用いる場合には、分析対象となる成
分と特異的に結合する生理活性物質を適宜選択すればよ
い。例えば、試料中の対象成分が抗原である場合には、
担体上に固定化させる生理活性物質として当該抗原に対
する抗体を選択し、対象成分が抗体である場合には、当
該抗体に対する抗原或いは当該抗体に対する抗体を選択
すればよい。また、異なる2種以上の生理活性物質を選
択すれば、一回の操作で、試料中に存在する2種以上の
異なる対象成分を同時に分析することや未知の対象成分
を分析、即ち検出乃至特定・同定することが可能とな
る。
【0026】尚、対象成分がレセプター、リガンド、レ
クチン、腫瘍マーカー(糖鎖)、タンパク又はペプチド
等である場合には、レセプターに対するリガンド、リガ
ンドに対するレセプター、レクチンに対する糖鎖、腫瘍
マーカー(糖鎖)に対するレクチン、タンパクに対する
ペプチド鎖、ペプチドに対するタンパクを夫々生理活性
物質として選択してもよい。
【0027】本発明には、例えば、請求項8に記載する
ように、生理活性物質としてアレルゲン、免疫グロブリ
ン(特にIgE)、及びこれらに対する抗体からなる群
から選ばれた1又は2以上のものを固定化した生理活性
物質固定化担体を用いることにより、アレルギー関連の
分析を行うことができ、本発明の好ましい具体的な実施
態様のひとつである。
【0028】即ち、例えばアレルゲンに対する抗体を生
理活性物質として選択すれば、アレルゲンの分析(試料
中のアレルゲンの存在の有無及びアレルゲンの量の分析
等)を行うことができ、例えばアレルゲンを生理活性物
質として選択すれば、アレルギーの原因となるアレルゲ
ンの特定分析(どのようなアレルゲンに対してアレルギ
ー反応を示すのか否か及びアレルギー反応の程度の分析
等)を行うことができる。また、例えば抗IgE抗体を
生理活性物質として選択すれば、試料中に存在する総I
gE量の分析(アレルギー体質であるか否か及びその程
度の分析等)を行うことができる。
【0029】尚、上記したように、異なる2種以上の生
理活性物質を、炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層
が表面に形成されてなる担体上に固定化する場合には、
これらの生理活性物質が固定化されている位置が夫々明
らかになるように、表面に適当な表示(例えば番号等を
付す等)等をしておくことが好ましい。
【0030】炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層が
形成されてなる担体に生理活性物質を固定化する量とし
ては、使用する担体の表面積や生理活性物質の性質や種
類等によって異なるため一概には言えないが、例えば生
理活性物質が固定化される部分の単位面積(cm2)当た
りの固定化量として、通常0.1ng〜1mg、好ましくは1n
g〜100μgである。
【0031】本発明で用いられる炭素乃至は金属又は半
金属炭素化合物層が形成されてなる担体(以下、炭素乃
至は金属又は半金属炭素化合物層形成担体という。)と
は、担体が炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物で表面
が被覆されたものである。具体的には、炭素乃至は金属
又は半金属炭素化合物としては、請求項9及び10に記
載するように、結晶性炭素、非晶性炭素等の炭素、金属
炭素化合物、半金属炭素化合物等が挙げられる。
【0032】より具体的には、結晶性炭素は、請求項1
1に記載するように、ダイヤモンド,ダイヤモンドライ
クカーボン等が好ましく、また、非晶性炭素は、請求項
12に記載するように、グラファイト,非晶性カーボン
等が好ましい。また、金属炭素化合物としては炭化タン
グステン,炭化チタニウム等が、半金属炭素化合物とし
ては炭化珪素等が好ましい。尚、ダイヤモンドとして
は、炭化合成ダイヤモンド、高圧形成ダイヤモンド、或
いは天然のダイヤモンド等が挙げられる。また、結晶性
炭素化合物は、その構造が単結晶体或いは多結晶体のい
ずれでも差し支えない。
【0033】これら炭素乃至は金属又は半金属炭素化合
物は、1種でも、また2種類以上組み合わせてもよい。
ダイヤモンド,ダイヤモンドライクカーボン等の結晶性
炭素、グラファイト,非晶性カーボン等の非晶性炭素、
なかでもダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン等
の結晶性炭素は、その上に生理活性物質を多く結合させ
ることができるので、特に好ましい。
【0034】炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層形
成担体に於ける炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物で
被覆される担体は、ガラス、シリカゲル、シリコンなど
各種セラミックスや、フェライト、鉄、ニッケル、コバ
ルト等を主成分とした合金といった無機系の担体や、セ
ルロース、デキストラン、ポリアクリルアミド、ポリス
チレン系誘導体、無水マレイン酸系重合体、ナイロン、
ポリアクリロニトリルなどの有機合成ポリマーなど有機
系の担体が挙げられる。担体の形状は粒子状、板状、棒
状、膜状、ディスク状、円盤状など特に限定されない。
これらのうち、安価で入手しやすい点からガラスが好ま
しい。
【0035】また、担体の大きさは、使用目的により異
なり、特に限定されないが、100cm2以下、好まし
くは50cm2以下、より好ましくは25cm2以下であ
る。
【0036】炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層形
成担体の炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層の厚さ
は、一般に1nm以上とすることが望ましい。好ましく
は1.5nm〜1000nmである。1nm未満だと被
覆の効果が実質上得られない。一方で、1000nmを
超えると、実質コーティング層の極表面のみを利用する
ことになるため、労力及び費用の点で無駄となる。
【0037】炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層
は、公知の方法で炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物
を担体に被覆させることにより製造することができる。
公知の方法としては、マイクロ波プラズマCVD法、E
CRCVD法、IPC法、直流スパッタリング法、EC
Rスパッタリング法、イオンプレーティング法、アーク
イオンプレーティング法、EB蒸着法、抵抗加熱蒸着
法、スラリーコーティング法などが挙げられる(特開平
10-95695号公報、特開平8-296044号公報、特開平8-1655
76号公報、特開平8-74056号公報等)。
【0038】炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層形
成担体の表面は、平滑であっても、意図的に粗面化され
ていてもよい。粗面化すると、担体の表面積が増え、多
量の生理活性物質を固定させるのに好都合である。
【0039】生理活性物質の担体表面への固定化は、自
体公知の固定化方法、例えば物理的に吸着させて固定化
する方法或いは化学的結合により固定化する方法等を利
用すればよいが、請求項2に記載するように、炭素乃至
は金属又は半金属炭素化合物層の官能基を介して固定化
されていることが好ましく、特に、請求項3に記載する
ように、生理活性物質が有する官能基と炭素乃至は金属
又は半金属炭素化合物層の官能基との結合により固定化
されていることが好ましい。
【0040】炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層の
官能基としては、生理活性物質と直接或いはスペーサー
等を介して間接的に結合し得るものであればよく、具体
的には、請求項4に記載するように、水酸基、カルボキ
シル基、硫酸基、シアノ基、ニトロ基、チオール基、ア
ミノ基、アミノフェニル基及びエポキシ基からなる群か
ら選ばれた1又は2以上のものが挙げられる。
【0041】また、生理活性物質が有する官能基も同様
に、炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層の官能基と
直接又はスペーサー等を介して間接的に結合し得るもの
であればよく、具体例も、上記炭素乃至は金属又は半金
属炭素化合物層が有する官能基と同様のものが挙げられ
る。
【0042】炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層形
成担体表面への官能基の導入は、担体表面を化学修飾し
て活性化させることにより行うことができる。
【0043】炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層形
成担体表面の化学修飾は、該担体表面に水酸基、カルボ
キシル基、硫酸基、シアノ基、ニトロ基、チオール基、
アミノ基、アミノフェニル基、エポキシ基などの官能基
を直接結合させてもよいが、例えば炭素数1以上、好ま
しくは1〜12、より好ましくは1〜6の炭化水素基等
のスペーサーを介して結合させることもできる。例え
ば、官能基がカルボキシル基の場合には、蟻酸、酢酸、
プロピオン酸などのモノカルボン酸;シュウ酸、マロン
酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸などのジカルボン
酸;トリメリット酸等の多価カルボン酸等、好ましくは
シュウ酸、コハク酸を炭素乃至は金属又は半金属炭素化
合物層の表面に結合させればよい。
【0044】炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層形
成担体の表面を、化学修飾してその表面に官能基を直接
或いはスペーサー等を介して導入する方法としては例え
ば、担体表面を酸素プラズマで酸化し、次いで水蒸気処
理する方法;担体表面を水素化処理し、次いで塩素ガス
中で紫外線照射して担体表面を塩素化した後、アルカリ
溶液中で加水分解してヒドロキシル化する方法;担体表
面を酸素プラズマで酸化し、次いで塩素化した後アルカ
リ溶液中で加水分解してヒドロキシル化する方法;担体
表面を水素化処理し、次いで塩素ガス中で紫外線照射し
て担体表面を塩素化した後、非水溶媒中でカルボン酸ソ
ーダと反応させる方法等が挙げられる。
【0045】より具体的には、例えば、炭素乃至は金属
又は半金属炭素化合物層形成担体の表面をカルボキシル
基で化学修飾したい場合は、炭素乃至は金属又は半金属
炭素化合物層形成担体表面の水素化処理、塩素化処理、
アミノ化処理及びカルボキシル化処理を行うことが望ま
しい。詳しくは、担体表面を水素化処理し、次いで塩素
ガス中で紫外線照射して炭素材料等の表面を塩素化し、
次いでアンモニアガス中で紫外線照射してアミノ化した
後、ジカルボン酸と縮合反応させる方法が望ましい。
【0046】生理活性物質の炭素乃至は金属又は半金属
炭素化合物層形成担体への固定化は、担体表面の官能基
の種類に基づき、以下のように行うことができる(例え
ばMethodsin Enzymology Vol.44, p.11-148,(1976)
等)。
【0047】(1)炭素乃至は金属又は半金属炭素化合
物層形成担体の官能基がアミノ基の場合 炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層形成担体表面が
アミノ基で化学修飾されている場合には、生理活性物質
のカルボキシル基と担体表面のアミノ基とを、N−ヒド
ロキシスクシンイミド、カルボキシジイミド等の縮合試
薬を用いて結合させることにより生理活性物質の固定化
が可能である。
【0048】また、担体表面のアミノ基にフォスゲンを
作用させてイソシアネート化しておいた後、生理活性物
質由来のアミノ基を結合させることにより、固定化でき
る。さらに、担体表面のアミノ基にチオフォスゲンを作
用させてイソチオシアネート化しておいた後、生理活性
物質由来のアミノ基を結合させることによっても、固定
化できる。
【0049】更にまた、担体表面のアミノ基にグルタル
アルデヒドを反応させ、これを生理活性物質由来のアミ
ノ基、フェノール基と反応させることにより、固定化で
きる。
【0050】そして、生理活性物質が糖、糖タンパク等
の糖誘導体の場合は、予め過ヨウ素酸と反応させた後、
担体表面のアミノ基と反応させ、さらに水素化ホウ素ナ
トリウム等で還元することにより、固定化できる。
【0051】また、担体表面のアミノ基を、例えばm−
マレイミドベンゾイル N−ヒドロキシサクシンイミド
エステル等のマレイミド基を有する2官能性スペーサ
ー、4−サクシンイミジルオキシカルボニル−α−(2
−ピリジルジチオ)トルエン等のピリジルジチオスルフ
ィド基を有する2官能性スペーサー等でマレイミド化或
いはピリジルジチオスルフィド化した後、当該マレイミ
ド化又はピリジルジチオスルフィド化担体と生理活性物
質のチオール基とを反応させることにより固定化でき
る。
【0052】(2)炭素乃至は金属又は半金属炭素化合
物層形成担体の官能基がカルボキシル基の場合 炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層形成担体表面が
カルボキシル基で化学修飾されている場合は、担体表面
のカルボキシル基と生理活性物質のアミノ基とをN−ヒ
ドロキシスクシンイミドとカルボジイミド等の縮合試薬
を作用させて反応させることにより、固定化できる。ま
た、担体表面のカルボキシル基に塩化チオニルを作用さ
せカルボキシクロリドを形成させる。形成されたカルボ
キシクロリドと生理活性物質由来のアミノ基を反応させ
ることによっても固定化できる。
【0053】さらに、担体表面のカルボキシル基に塩酸
とメタノールを加え反応させ、次いで、ヒドラジンを加
え反応させ、ヒドラジドを形成させ、さらに、ヒドラジ
ドに亜硝酸ナトリウムと塩酸を加えアシルアジド化する
ことによって担体表面を活性化させた後、これを生理活
性物質由来のアミノ、チオール、水酸基と反応させるこ
とにより、固定化できる。
【0054】また、担体表面のカルボキシル基から無水
物を形成させ、これを生理活性物質由来のアミノ基と反
応(脱水縮合)させることにより、固定化できる。
【0055】(3)炭素乃至は金属又は半金属炭素化合
物層形成担体の官能基が水酸基の場合 炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層形成担体表面が
水酸基で化学修飾されている場合には、担体覆表面の水
酸基に塩化シアヌルを作用させてトリアジニル誘導体を
形成させ、生理活性物質由来のアミノ基を結合させるこ
とにより、固定化できる。
【0056】また、担体表面が水酸基で化学修飾されて
なる場合には、担体表面の水酸基をアセチル化した後臭
素化し、NaIで臭素と沃素を置換することによって担
体表面を活性化し、これに生理活性物質のアミノ基、チ
オール基又は水酸基と反応させることによっても、固定
化できる。
【0057】さらにまた、担体表面の水酸基に臭化シア
ンを作用させ活性化し、これを生理活性物質由来のアミ
ノ基と共有結合させることによっても、固定化できる。
【0058】(4)炭素乃至は金属又は半金属炭素化合
物層形成担体の官能基がエポキシ基の場合 炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層形成担体表面が
エポキシ基で化学修飾されている場合は、これを生理活
性物質由来の水酸基(チロシン,セリン等に由来するも
の),アミノ基又はチオール基と反応させることによ
り、固定化できる。
【0059】(5)炭素乃至は金属又は半金属炭素化合
物層形成担体の官能基が硫酸基(スルホ基)の場合 炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層形成担体表面が
スルホ基で化学修飾されている場合には、担体表面のス
ルホ基に塩化スルホン酸を反応させてスルホンクロライ
ドを形成させ、生理活性物質由来のアミノ基、イミダゾ
ール基、チオール基、フェノール基等と反応させること
により、固定化することができる。
【0060】(6)炭素乃至は金属又は半金属炭素化合
物層形成担体の官能基がアミノフェニル基の場合 炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層形成担体表面が
アミノフェニル基で化学修飾されている場合には、担体
表面のアミノフェニル基を亜硝酸ナトリウムと塩酸で活
性化しておいて、これを生理活性物質由来のアミノ基、
チオール基、フェノール基、イミダゾール基、グアニジ
ノ基と反応させるといったジアゾニウムカップリング法
を利用しても固定化できる。
【0061】(7)炭素乃至は金属又は半金属炭素化合
物層形成担体の官能基がシアノ基の場合 炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層形成担体表面が
シアノ基で化学修飾されている場合は、当該シアノ基を
酸触媒の存在下で加水分解し、これをカルボキシル基に
変換した後、上記(2)と同様にすれば固定化できる。
【0062】(8)炭素乃至は金属又は半金属炭素化合
物層形成担体の官能基がニトロ基の場合 炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層形成担体表面が
ニトロ基で修飾されている場合は、リチウムアルミニウ
ムハイドライド等の還元剤で還元し、これをアミノ基に
変換した後、上記(1)と同様にすれば固定化できる。
【0063】(9)炭素乃至は金属又は半金属炭素化合
物層形成担体の官能基がチオール基の場合 炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層形成担体表面が
チオール基で化学修飾されている場合は、生理活性物質
のアミノ基を、例えばm−マレイミドベンゾイル N−
ヒドロキシサクシンイミド エステル等のマレイミド基
を有する2官能性スペーサー、4−サクシンイミジルオ
キシカルボニル−α−(2−ピリジルジチオ)トルエン
等のピリジルジチオスルフィド基を有する2官能性スペ
ーサー等でマレイミド化或いはピリジルジチオスルフィ
ド化した後、当該マレイミド化又はピリジルジチオスル
フィド化生理活性物質と担体表面のチオール基とを反応
させることにより固定化できる。
【0064】また、上記した如き2官能性スペーサーの
代わりに、ビス マレイミドヘキサン、1,4−ジ−
〔3’−2’−ピリジルジチオ(プロピオンアミド)〕
ブタン等の2官能性スペーサーを用いて、担体表面のチ
オール基と生理活性物質のチオール基とを反応させるこ
とにより、固定化できる。
【0065】尚、上記方法は、互いに結合させる官能基
の組み合わせが同じであれば、担体表面の官能基と生理
活性物質由来の官能基が逆であっても、場合によっては
適用可能である。
【0066】本発明に係る生理活性物質がその表面に固
定化されている炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層
が形成されている担体からなる生理活性物質固定化担体
は、非特異的な吸着による分析への影響を防止するため
に、いわゆるブロッキング処理、より具体的には、例え
ばアルブミン,グロブリン,カゼイン,ポリビニルアル
コール,界面活性剤,シランカップリング剤,チタンカ
ップリング剤,アルミカップリング剤等のブロッキング
剤によるブロッキング処理を施しておくことが望まし
い。また、本発明に係る当該担体は、例えば乾燥処理、
凍結処理、凍結乾燥処理等を施した状態、或いは適当な
緩衝液に浸漬させた状態等、多種多様の状態で保存し得
る。
【0067】当該緩衝液としては、通常この分野で用い
られている例えばトリス緩衝液、リン酸緩衝液、ベロナ
ール緩衝液、ホウ酸緩衝液、グッド緩衝液等が挙げら
れ、また、このような緩衝液中には、例えばアルブミ
ン、グロブリン、水溶性ゼラチン、ポリエチレングリコ
ール等の安定化剤、界面活性剤、糖類等を含有させてお
いてもよい。
【0068】尚、異なる2種以上の生理活性物質が固定
化された炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層が表面
に形成されている担体からなる生理活性物質固定化担体
を製造するには、生理活性物質として異なる2種以上の
ものを適宜使用する以外は、上記した方法に準じて行え
ばよい。
【0069】次に、本発明の表面に生理活性物質が固定
化された炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層が形成
された生理活性物質固定化担体の製造方法について説明
する。
【0070】即ち、請求項13に記載するように、その
表面に官能基を有する炭素乃至は金属又は半金属炭素化
合物層が形成された担体と、生理活性物質とを接触させ
た後、前述したように自体公知の固定化方法、例えば物
理的に吸着させて固定化する方法(物理的結合方法)等
を利用して当該担体表面に生理活性物質を固定化し、目
的の生理活性物質が固定化された炭素乃至は金属又は半
金属炭素化合物層が表面に形成されている担体からなる
生理活性物質固定化担体を製造することができる。
【0071】なかでも、当該担体と生理活性物質とをよ
り強固に結合し得るので、その表面に官能基を有する炭
素乃至は金属又は半金属炭素化合物層が形成された担体
と、生理活性物質とを接触させ、化学的結合により炭素
乃至は金属又は半金属炭素化合物層の官能基を介して生
理活性物質を担体表面に固定することが好ましく(化学
的結合方法)、特に、生理活性物質が有する官能基と炭
素乃至は金属又は半金属炭素化合物層の官能基とを化学
的結合により結合させて生理活性物質を担体表面に固定
することが好ましい。
【0072】尚、本発明の製造方法に於いて、生理活性
物質、炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物並びに担体
等の具体例及び好ましい態様、炭素乃至は金属又は半金
属炭素化合物層形成方法等は先に述べた通りである。
【0073】また、炭素乃至は金属又は半金属炭素化合
物層に導入される官能基、並びに結合させる生理活性物
質中の官能基の種類や組み合わせも前述の通りであり、
生理活性物質又は炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物
層の官能基と直接或いはスペーサー等を介して間接的に
結合し得るものであればよく、具体的には、請求項15
に記載するように、水酸基、カルボキシル基、硫酸基、
シアノ基、ニトロ基、チオール基、アミノ基、アミノフ
ェニル基及びエポキシ基からなる群から選ばれた1又は
2以上のものが挙げられる。
【0074】上記本発明の製造方法は、具体的には例え
ば以下の如くして実施すればよい。即ち、物理的結合方
法を利用する場合には、例えば、炭素乃至は金属又は半
金属炭素化合物層形成担体に、生理活性物質を含有する
溶液を、例えば塗布、滴下又は噴霧等するか、若しくは
当該溶液中に当該担体を浸漬するか、或いは市販のスタ
ンピング装置を用いる方法(例えば、日本レーザー電子
(株)等から販売されているスタンピング装置を用いる
方法等)等により、当該担体と生理活性物質とを接触さ
せた後、これを乾燥して物理的吸着により担体表面に生
理活性物質を固定化し、目的の生理活性物質が固定化さ
れた炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層が表面に形
成されている担体からなる生理活性物質固定化担体を得
ることができる。
【0075】また、化学的結合方法を利用する場合に
は、例えば、その表面に官能基を有する炭素乃至は金属
又は半金属炭素化合物層形成担体に、生理活性物質を含
有する溶液を、例えば塗布、滴下又は噴霧等するか、若
しくは当該溶液中に当該担体を浸漬するか、或いは市販
のスタンピング装置を用いる方法(例えば、日本レーザ
ー電子(株)等から販売されているスタンピング装置を
用いる方法等)等により、当該担体と生理活性物質とを
接触させた後、自体公知の化学的結合方法に従って当該
担体の官能基と生理活性物質、具体的には生理活性物質
の官能基とを反応させて化学的に結合させ、担体表面に
生理活性物質を固定化し、目的の生理活性物質が固定化
された炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層が表面に
形成されている担体からなる生理活性物質固定化担体を
得ることができる。
【0076】尚、炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物
層形成担体が生理活性物質を結合させるための適当な官
能基を有さない場合等に於いては、請求項14に記載す
るように、予め炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層
形成担体表面に適当な官能基を導入した後、上記したよ
うに当該担体と、生理活性物質とを接触させればよい。
上記方法に於いて、炭素乃至は金属又は半金属炭素化合
物層形成担体表面への官能基の導入方法は、先に述べた
通りである。
【0077】また、上記方法に於いて、生理活性物質を
含有させる溶液としては、通常この分野で用いられてい
る例えばトリス緩衝液、リン酸緩衝液、ベロナール緩衝
液、ホウ酸緩衝液、グッド緩衝液等が挙げられる。ま
た、固定化する際の溶液中の生理活性物質量としては、
使用する生理活性物質の性質や種類等により一概には言
えないが、通常1ng/ml〜1000mg/ml、好ましくは1μ
g/ml〜10mg/ml、より好ましくは10μg/ml〜2mg/ml
である。このような生理活性物質含有溶液を用いて先に
述べた濃度範囲となるように担体表面に生理活性物質が
固定化される。
【0078】また、請求項16記載の発明は、炭素乃至
は金属又は半金属炭素化合物層が形成されている担体上
に固定化されてなることを特徴とする生理活性物質に関
するものである。
【0079】このような生理活性物質は従来知られてお
らず、このようにすることにより、例えば試料中の当該
生理活性物質と結合する性質を有する対象成分を高感度
に且つ高精度に測定し得るようになる。尚、生理活性物
質、炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物並びに担体等
の具体例及び好ましい態様、炭素乃至は金属又は半金属
炭素化合物層形成方法、固定化方法等は先に述べた通り
である。
【0080】上記方法により生理活性物質がその表面に
固定化されている、炭素乃至は金属又は半金属炭素化合
物層が形成されている担体を得た後、これを通常この分
野で行われているブロッキング処理、即ち、当該担体
を、更に例えばアルブミン,グロブリン,カゼイン,ポ
リビニルアルコール,界面活性剤,シランカップリング
剤,チタンカップリング剤,アルミカップリング剤等の
ブロッキング剤を含有する溶液中に浸漬する処理を行う
ことが望ましい。
【0081】次に、請求項17記載の本発明の試料中の
対象成分の分析方法について説明する。請求項17記載
の本発明の方法は、請求項1〜12の何れかに記載の生
理活性物質固定化担体を用いるものである。該生理活性
物質固定化担体を用いることにより、試料中の対象成分
を効率よく高感度且つ高精度に分析することができる。
【0082】より具体的には、請求項18に記載するよ
うに、先ず、請求項1〜12の何れかに記載の生理活性
物質固定化担体と、対象成分を含有する試料とを接触さ
せ、当該担体に固定化された生理活性物質と試料中の当
該対象成分との複合体を生成させる。次いで当該複合体
を分析することにより試料中の対象成分の分析を行えば
よい。
【0083】また、本発明の分析方法に於いて、異なる
2種以上の生理活性物質が固定化された炭素乃至は金属
又は半金属炭素化合物層が表面に形成されている担体か
らなる生理活性物質固定化担体を用いることにより、試
料中の対象成分を効率よく高感度且つ高精度に分析し得
るだけでなく、一回の操作で、試料中に存在する2種以
上の異なる対象成分を同時に分析することや未知の対象
成分を分析(特定・同定)することも可能となる。
【0084】より具体的には、先ず、試料中に含有され
る各種対象成分を、生理活性物質固定化担体上に固定化
された異なる2種以上の生理活性物質全てと実質上同時
に接触することになるように、当該担体表面に供給し、
生成される当該担体に固定化された各種生理活性物質と
試料中の当該各種対象成分との複合体を分析することに
より、試料中の各種対象成分の分析を行えばよい。
【0085】ここでいう対象成分とは、例えば抗原抗体
反応、レセプター−リガンド間反応、レクチン−糖鎖間
反応、タンパク−ペプチド鎖間反応等によって生理活性
物質と特異的に結合する能力を有するものである。より
具体的には、前述した如き生理活性物質と同様のものが
挙げられ、また、生理活性物質と対象成分の組み合わせ
も先に述べた通りである。
【0086】また、試料としては、例えば血清,血漿,
髄液,滑液,リンパ液等の体液、尿,糞便のような排泄
物、喀たん,膿,皮膚由来物等の生体由来試料、例えば
食品,飲料,水道水,海水,湖沼水,河川水,工場廃
液,半導体用洗浄水,医療器具等を洗浄した後の洗浄液
等の環境試料及びこれらを水や通常この分野で用いられ
ている例えばトリス緩衝液、リン酸緩衝液、ベロナール
緩衝液、ホウ酸緩衝液、グッド緩衝液等の緩衝液等に適
宜溶解させて再構成して得られた処理物等が挙げられ
る。
【0087】本発明の分析方法に於いて、生理活性物質
が固定化された炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層
が表面に形成されている担体からなる生理活性物質固定
化担体と、対象成分を含有する試料とを接触させる方
法、又は試料中に含有される各種対象成分を、生理活性
物質固定化担体上に固定化された異なる2種以上の生理
活性物質全てと実質上同時に接触させる方法としては、
当該試料を当該担体上に滴下又は塗布等する方法、若し
くは当該試料中に当該担体を浸漬する方法等が挙げられ
る。
【0088】上記方法に於いて、生理活性物質固定化担
体に固定化された生理活性物質と試料中の当該対象成分
との複合体を分析するには、通常、当該複合体に、更
に、当該対象成分或いは当該複合体に特異的に結合する
性質を有する標識結合物質を接触させ、生理活性物質固
定化担体に固定化された生理活性物質と試料中の当該対
象成分と当該標識結合物質との複合体(標識複合体)を
生成させ、当該標識複合体中の標識物質を測定し、その
結果に基づいて行うのが一般的である。
【0089】尚、対象成分が、例えば酵素、色素、蛍光
物質、発光物質、紫外部に吸収を有する物質等何らかの
方法により検出可能なものである場合等には、必ずしも
上記した如き標識結合物質を用いなくても良い。また、
生理活性物質固定化担体に固定化された生理活性物質と
試料中の当該対象成分との複合体と、当該対象成分或い
は当該複合体に特異的に結合する性質を有する標識結合
物質とを接触させるには、上記した如き生理活性物質が
その表面に固定化されている、炭素乃至は金属又は半金
属炭素化合物層が形成されている担体からなる生理活性
物質固定化担体と、対象成分を含有する試料とを接触さ
せる方法と同様に行えばよい。
【0090】ここで、対象成分或いは当該複合体に特異
的に結合する性質を有する標識結合物質は、対象成分或
いは当該複合体に特異的に結合する性質を有し、且つ何
らかの方法により検出可能なものであり、通常は標識物
質によって標識された、対象成分或いは当該複合体に特
異的に結合する能力を有する物質である。尚、対象成分
或いは当該複合体に特異的に結合する能力を有する物質
は、先に述べた生理活性物質と同様のものであり、通
常、対象成分或いは当該複合体に対する抗体又は抗原が
一般的である。
【0091】本発明に於いて用いられる標識物質として
は、酵素免疫測定法(EIA)、放射免疫測定法(RIA)、
蛍光免疫測定法(FIA)、ハイブリダイゼーション法
等、通常この分野で用いられるものであればよく、例え
ばアルカリホスファターゼ(ALP),β-ガラクトシ
ダーゼ(β-Gal),パーオキシダーゼ(POD),マ
イクロパーオキシダーゼ,グルコースオキシダーゼ(G
OD),グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD
H),リンゴ酸脱水素酵素,ルシフェラーゼ等の酵素
類、例えばクーマシーブリリアントブルーR250,メチル
オレンジ等の色素、例えば99mTc,131I,125I,14
C,3H,32P,35S,等の放射性同位元素、例えばC
y3,フルオレセイン,ローダミン,ダンシル,フルオ
レスカミン,クマリン,ナフチルアミン或はこれらの誘
導体,ユウロピウム(Eu)等の蛍光性物質、例えばルシ
フェリン,イソルミノール,ルミノール,ビス(2,4,6-
トリフロロフェニル)オキザレート等の発光性物質、例
えばフェノール,ナフトール,アントラセン或はこれら
の誘導体等の紫外部に吸収を有する物質、例えば4-アミ
ノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル,3-ア
ミノ-2,2,5,5-テトラメチルピロリジン-1-オキシル,2,
6-ジ-t-ブチル-α-(3,5-ジ-t-ブチル-4-オキソ-2,5-シ
クロヘキサジエン-1-イリデン)-p-トリルオキシル等の
オキシル基を有する化合物に代表されるスピンラベル化
剤としての性質を有する物質等が挙げられる。
【0092】標識物質により、対象成分或いは当該複合
体に特異的に結合する能力を有する物質を標識するに
は、通常この分野で用いられる常法、例えば自体公知の
EIA、RIA、FIA或いはハイブリダイゼーション
法等に於いて一般的に行われている自体公知の標識方法
[例えば、医化学実験講座、第8巻、山村雄一監修、第
1版、中山書店、1971;図説 蛍光抗体、川生明著、第
1版、(株)ソフトサイエンス社、1983;酵素免疫測定
法、石川栄治、河合忠、宮井潔編、第3版、医学書院、
1987、モレキュラー クローニング ア ラボラトリー
マニュアル セカンド エディション、J.サムブル
ック,E.F.フリッシュ,T.マニアティス、コール
ド スプリング ハーバー ラボラトリー プレス等]
や、アビジン(又はストレプトアビジン)とビオチンの
反応を利用した常法等何れの方法により行ってもよい。
【0093】本発明の分析方法に於いては、生成した、
1又は異なる2種以上の生理活性物質が固定化された炭
素乃至は金属又は半金属炭素化合物層が表面に形成され
ている担体からなる生理活性物質固定化担体と、試料中
の対象成分との複合体中の当該対象成分、又は1又は異
なる2種以上の生理活性物質が固定化された炭素乃至は
金属又は半金属炭素化合物層が表面に形成されている担
体からなる生理活性物質固定化担体と試料中の対象成分
と当該対象成分或いは当該複合体に特異的に結合する性
質を有する標識結合物質との複合体(標識複合体)中の
標識物質の性質に基づいて検出することにより、試料中
の対象成分の存在の有無を分析することができる。
【0094】更に、本発明の分析方法によれば、当該複
合体中の対象成分又は当該標識複合体中の標識物質の量
を、これらの性質に応じた測定方法により求め、これら
の量に基づいて、試料中の対象成分の量を定量的又は半
定量的に求めることができる。
【0095】尚、得られた対象成分又は標識物質の量に
基づいて、試料中の対象成分の量を求めるには、例えば
対象成分濃度既知の試料(標準品)を用いて同様の方法
により測定を行い、対象成分濃度と得られた測定値(測
定された複合体中の対象成分量又は標識複合体中の標識
物質量)との関係を示す検量線を用いて試料中の対象成
分の量を算出すればよい。
【0096】本発明の分析方法をより具体的に述べれば
以下の通りである。即ち、先ず、1又は異なる2種以上
の生理活性物質が固定化された炭素乃至は金属又は半金
属炭素化合物層が表面に形成されている担体からなる生
理活性物質固定化担体と、対象成分を含有する試料とを
上記した如き方法により互いに接触させ、当該生理活性
物質と当該対象成分との複合体を生成させる。その後、
当該担体を、例えばトリス緩衝液,リン酸緩衝液,ベロ
ナール緩衝液,ホウ酸緩衝液,グッド緩衝液,SSC緩
衝液等のハイブリダイゼーション法,免疫法等の分野で
用いられる緩衝液等で洗浄し、複合体の生成に関与しな
かった試料中の成分を除去する。次いで、要すれば、生
成した当該複合体と、当該対象成分或いは当該複合体に
特異的に結合する性質を有する標識結合物質とを接触さ
せ、生理活性物質固定化担体に固定化された生理活性物
質と試料中の対象成分と当該標識結合物質との標識複合
体を生成させた後、当該担体を、上記した如き緩衝液等
で洗浄して標識複合体の生成に関与しなかった遊離の標
識結合物質を除去する。次いで、当該複合体中の対象成
分又は当該標識複合体中の標識物質を、これらの性質に
応じた所定の方法により測定し、その結果に基づいて試
料中の対象成分を分析することができる。
【0097】また、上記した如き方法の他に、例えば標
識物質によって標識された対象成分を用いて、これと試
料中の対象成分との競合反応を利用する、いわゆる競合
法によっても、試料中の対象分子を分析することができ
る。
【0098】即ち、先ず、1又は異なる2種以上の生理
活性物質が固定化された炭素乃至は金属又は半金属炭素
化合物層が表面に形成されている担体からなる生理活性
物質固定化担体と、対象成分を含有する試料と、標識物
質により標識された対象成分とを接触させ、当該生理活
性物質と当該標識された対象成分との標識複合体と、当
該生理活性物質と当該対象成分との複合体を生成させ
る。その後、当該担体を、上記した如き緩衝液等で洗浄
し、複合体の生成に関与しなかった試料中の成分及び遊
離の標識された対象成分を除去する。次いで、当該標識
複合体中の標識物質又は除去された遊離の標識された対
象成分に結合した標識物質を、これらの性質に応じた所
定の方法により測定し、その結果に基づいて試料中の対
象成分を分析することができる。
【0099】ここで、標識物質による対象成分の標識方
法及び生理活性物質固定化担体と試料と標識された対象
成分との接触方法は、夫々先に述べた標識物質により対
象成分或いは複合体に特異的に結合する能力を有する物
質を標識する方法及び生理活性物質固定化担体と対象成
分を含有する試料とを接触させる方法と同様であり、そ
れ以外については前述した通りである。
【0100】上記方法に於いて、複合体中の対象成分又
は標識複合体中の標識物質を測定するには、これらの種
類に応じて夫々所定の測定方法に従って行えばよい。例
えば、その性質が酵素活性の場合にはEIAやハイブリ
ダイゼーション法等の常法、例えば「酵素免疫測定法、
蛋白質 核酸 酵素 別冊 No.31、北川常廣・ 南原利夫・
辻章夫・石川榮治編集、51〜63頁、共立出版(株)、19
87年9月10日発行」等に記載された方法に準じて測定を
行えばよく、検出物質が放射性物質の場合にはRIAや
ハイブリダイゼーション法等の常法に従い、該放射性物
質の出す放射線の種類及び強さに応じて液浸型GMカウ
ンター,液体シンチレーションカウンター,井戸型シン
チレーションカウンター等の測定機器を適宜選択して使
用し、測定を行えばよい(例えば医化学実験講座、第8
巻、山村雄一監修、第1版、中山書店、1971,生化学実
験講座2 トレーサー実験法下、竹村彰祐,本庶佑、50
1〜525頁、(株)東京化学同人、1977年2月25日発行等
参照。)。また、その性質が蛍光性の場合には蛍光光度
計や共焦点レーザー顕微鏡等の測定機器を用いるFIA
やハイブリダイゼーション法等の常法、例えば「図説
蛍光抗体、川生明著、第1版、( 株)ソフトサイエンス
社、1983」、「生化学実験講座2
【0101】核酸の化学III、実吉峯郎、299〜318頁、
(株)東京化学同人、1977年12月15日発行等に記載され
た方法に準じて測定を行えばよく、その性質が発光性の
場合にはフォトンカウンター等の測定機器を用いる常
法、例えば「酵素免疫測定法、蛋白質 核酸 酵素 別冊
No.31、北川常廣・南原利夫・辻章夫・石川榮治編集、2
52〜263頁、共立出版(株)、1987年9月10日発行」等
に記載された方法に準じて測定を行えばよい。更に、そ
の性質が紫外部に吸収を有する性質の場合には分光光度
計等の測定機器を用いる常法によって測定を行えばよ
く、その性質が発色性の場合には分光光度計や顕微鏡等
の測定機器を用いる常法によって測定を行えばよい。ま
た、検出物質がスピンの性質を有する物質の場合には電
子スピン共鳴装置を用いる常法、例えば「酵素免疫測定
法、蛋白質 核酸 酵素 別冊 No.31、北川 常廣・南原利
夫・辻章夫・石川榮治編集、264〜271頁、共立出版
(株)、1987年9月10日発行」等に記載された方法に準
じて夫々測定を行えばよい。
【0102】上記の方法に於いて、対象成分或いは複合
体に特異的に結合する性質を有する標識結合物質の量
は、用いられる当該標識結合物質の種類等により異なる
ため一概には言えないが、通常は生理活性物質固定化担
体に固定化された生理活性物質の全てと結合し得る濃度
以上であり、また、標識物質により標識された対象成分
の量も同様に、用いられる対象成分の種類等により異な
るため一概には言えないが、通常は生理活性物質固定化
担体に固定化された生理活性物質の全てと結合し得る濃
度以上である。
【0103】また、上記方法に於いて、反応時のpHや
温度は、生理活性物質と対象成分の種類等により異なる
ため一概には言えないが、生理活性物質と対象成分との
複合体、生理活性物質と対象成分と標識物質との標識複
合体又は生理活性物質と標識対象成分との複合体が形成
されるのを妨げない範囲であれば良く、pHは、通常2
〜10、好ましくは5〜9であり、温度は、通常0〜9
0℃、好ましくは20〜80℃である。また、反応時間
は、上記した如き複合体が形成されるのに要する時間
が、当該複合体を形成する成分の性質等により異なるの
で、夫々の性質に応じ、通常数秒乃至数時間適宜反応さ
せればよい。
【0104】本発明の分析方法に於いては、本発明に係
る担体表面に固定化させる生理活性物質として、請求項
19に記載するように、抗原又は抗体を選択すれば、試
料中に存在する、当該生理活性物質に対する抗原又は抗
体を対象成分として簡便且つ高精度に分析し得る。ま
た、請求項20に記載するように、腫瘍マーカー、ホル
モン、環境ホルモン、微生物由来タンパク又はペプチド
或いは糖鎖抗原、レセプター、リガンド、アレルゲン、
免疫グロブリン(特にIgE)、レクチン、糖鎖、及び
これらに対する抗体からなる群から選ばれた1又は2以
上のものを選択すれば、試料中に存在するこれら自体或
いはこれら生理活性物質に対する抗体を簡便に分析し得
るので有用である。
【0105】尚、生理活性物質としてレセプター、リガ
ンド、レクチン、腫瘍マーカー(糖鎖)、タンパク又は
ペプチド等を選択した場合には、抗原抗体反応に限ら
ず、レセプター−リガンド間反応、レクチン−糖鎖間反
応或いはタンパク−ペプチド鎖間反応等によっても分析
し得る。
【0106】更には、請求項21に記載するように、生
理活性物質としてアレルゲン、免疫グロブリン(特にI
gE)、及びこれらに対する抗体からなる群から選ばれ
た1又は2以上のものを固定化した生理活性物質固定化
担体を用いて本発明の分析方法を実施すれば、アレルギ
ー関連の分析を簡便且つ高精度に行うことができるので
特に有用である。
【0107】即ち、例えばアレルゲンに対する抗体を生
理活性物質として用いれば、アレルゲンの分析(試料中
のアレルゲンの存在の有無及びアレルゲンの量の分析)
に有用であり、例えばアレルゲンを生理活性物質として
用いれば、アレルギーの原因となるアレルゲンの特定分
析(どのようなアレルゲンに対してアレルギー反応を示
すのか否か及びアレルギー反応の程度の分析)に有用で
あり、また、例えば抗IgE抗体を生理活性物質として
用いれば、試料中に存在する総IgE量の分析(アレル
ギー体質であるか否か及びその程度の分析)に有用であ
る。
【0108】本発明の分析方法を、アレルギー関連の分
析を例にとり、以下により具体的に説明する。
【0109】(1)アレルゲンの分析 先ず、生理活性物質としてアレルゲンに対する抗体が固
定化された生理活性物質固定化担体上に、対象成分(ア
レルゲン)を含有する試料を滴下又は塗布等するか、或
いは当該試料中に当該担体を浸漬等して互いに接触さ
せ、生理活性物質固定化担体上のアレルゲンに対する抗
体とアレルゲンとの複合体を生成させる。その後、当該
担体を適当な緩衝液等で洗浄し、複合体の生成に関与し
なかった試料中の成分(遊離のアレルゲン等)を除去す
る。次いで、生成した当該複合体と、標識物質により標
識されたアレルゲンに対する抗体(当該対象成分或いは
当該複合体に特異的に結合する性質を有する標識結合物
質)とを上記と同様にして接触させ、生理活性物質固定
化担体に固定化されたアレルゲンに対する抗体とアレル
ゲンと標識されたアレルゲンに対する抗体との標識複合
体を生成させる。その後、これを、適当な緩衝液等で洗
浄して標識複合体の生成に関与しなかった遊離の標識さ
れたアレルゲンに対する抗体を除去する。次いで、当該
標識複合体中の標識物質を、前述した如き方法により測
定すれば、試料中にアレルゲンが存在するのか否かを分
析することができる。
【0110】更に、上記方法に於いて当該標識複合体中
の標識物質の量を、前述した如き方法により求め、得ら
れた標識物質の量を、アレルゲン濃度既知の試料(標準
品)を用いて同様の方法により測定を行って得られた、
アレルゲン濃度と得られた測定値(測定された標識複合
体中の標識物質量)との関係を示す検量線に当てはめれ
ば、試料中に存在するアレルゲンの量を定量又は半定量
的に求めることができる。
【0111】上記方法に於いて、異なる2種以上のアレ
ルゲンに対する抗体が固定化された炭素乃至は金属又は
半金属炭素化合物層が表面に形成されている担体からな
る生理活性物質固定化担体を用いてこれを行えば、一回
の操作で、試料中に存在する複数種のアレルゲンを特定
・同定・定量等を行うことができるので有利である。
【0112】(2)アレルギーの原因となるアレルゲン
の特定分析 先ず、生理活性物質としてアレルゲン(抗原)が固定化
された炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層が表面に
形成されている担体からなる生理活性物質固定化担体上
に、対象成分(当該アレルゲンに対するIgE)を含有
する試料を滴下又は塗布等するか、或いは当該試料中に
当該担体を浸漬等して互いに接触させ、担体上のアレル
ゲンと当該アレルゲンに対するIgEとの複合体を生成
させる。その後、当該担体を適当な緩衝液等で洗浄し、
複合体の生成に関与しなかった試料中の成分(遊離の対
象外のIgE等)を除去する。次いで、生成した当該複
合体と、標識物質により標識された抗IgE抗体(当該
対象成分或いは当該複合体に特異的に結合する性質を有
する標識結合物質)とを上記と同様にして接触させ、担
体に固定化されたアレルゲンと当該アレルゲンに対する
IgEと標識抗IgE抗体との標識複合体を生成させ
る。その後、これを、適当な緩衝液等で洗浄して標識複
合体の生成に関与しなかった遊離の標識抗IgE抗体を
除去する。次いで、当該標識複合体中の標識物質を、前
述した如き方法により測定すれば、試料中に生理活性物
質として用いた特定のアレルゲンに対するIgEが存在
するのか否か、即ち、試料が由来する生体が特定のアレ
ルゲンに対してアレルギー反応を引き起こすのか否か、
更に換言すれば、アレルギーの原因となるアレルゲンを
特定することができる。
【0113】更に、上記方法に於いて当該標識複合体中
の標識物質の量を、前述した如き方法により求め、得ら
れた標識物質の量を、IgE濃度既知の試料(標準品)
を用いて同様の方法により測定を行って得られた、Ig
E濃度と得られた測定値(測定された標識複合体中の標
識物質量)との関係を示す検量線に当てはめれば、試料
中に存在する、生理活性物質として用いたアレルゲンに
対する抗体(IgE)の量を定量又は半定量的に求める
ことができ、これにより、試料が由来する生体の特定の
アレルゲンに対する感受性の強さの程度、即ち、当該生
体が特定のアレルゲンに対してアレルギー反応を引き起
こす強さの程度をも分析することができる。
【0114】尚、上記方法の概略を図1に示す。
【0115】上記方法に於いて、異なる2種以上のアレ
ルゲンが固定化された炭素乃至は金属又は半金属炭素化
合物層が表面に形成されている担体からなる生理活性物
質固定化担体を用いてこれを行えば、一回の操作で、試
料中に存在する各種IgEが反応するアレルゲンの種類
(即ち、当該試料に係る生体がどのようなアレルゲンに
対してアレルギー反応を引き起こすのか否か)を特定・
同定することや特定・同定されたアレルゲンに対する感
受性の強さの程度を分析することができるので有利であ
る。
【0116】(3)試料中に存在する総IgE量の分析 先ず、生理活性物質として抗IgE抗体が固定化された
炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層が表面に形成さ
れている担体からなる生理活性物質固定化担体上に、対
象成分(IgE)を含有する試料を滴下又は塗布等する
か、或いは当該試料中に当該担体を浸漬等して互いに接
触させ、担体上の抗IgE抗体とIgEとの複合体を生
成させる。その後、当該担体を適当な緩衝液等で洗浄
し、複合体の生成に関与しなかった試料中の成分を除去
する。次いで、生成した当該複合体と、標識物質により
標識された抗IgE抗体(当該対象成分或いは当該複合
体に特異的に結合する性質を有する標識結合物質)とを
上記と同様にして接触させ、担体に固定化された抗Ig
E抗体とIgEと標識抗IgE抗体との標識複合体を生
成させる。その後、これを、適当な緩衝液等で洗浄して
標識複合体の生成に関与しなかった遊離の標識抗IgE
抗体を除去する。次いで、当該標識複合体中の標識物質
の量を、前述した如き方法により求め、得られた標識物
質の量を、IgE濃度既知の試料(標準品)を用いて同
様の方法により測定を行って得られた、IgE濃度と得
られた測定値(測定された標識複合体中の標識物質量)
との関係を示す検量線に当てはめれば、試料中に存在す
る総IgE量を定量又は半定量的に求めることができ
る。これにより、当該試料に係る生体のアレルゲン全般
に対する感受性の強さの程度、即ち、当該生体がアレル
ギー体質であるのか否か(その程度)を分析することが
できる。
【0117】尚、上記方法の概略を図2に示す。
【0118】上記方法に於いて、抗IgE抗体と異なる
2種以上のアレルゲンとが夫々同一面上に固定化された
炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層が表面に形成さ
れている担体からなる生理活性物質固定化担体を用い
て、上記方法(2)と方法(3)とを同時に行えば、一
回の操作で、試料中に存在するIgEに対するアレルゲ
ンの種類(即ち、当該試料に係る生体がどのようなアレ
ルゲンに対してアレルギー反応を引き起こすのか否か)
の特定・同定又は/及び特定・同定されたアレルゲンに
対する感受性の強さの程度の分析と同時に当該試料に係
る生体のアレルゲン全般に対する感受性の強さの程度
(当該生体がアレルギー体質であるのか否か)の分析を
行うことができるので有利である。
【0119】即ち、先ず、生理活性物質として抗IgE
抗体と異なる2種以上のアレルゲンとが夫々同一面上に
固定化された炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層が
表面に形成されている担体からなる生理活性物質固定化
担体上に、対象成分(IgE)を含有する試料を滴下又
は塗布等するか、或いは当該試料中に当該担体を浸漬等
して互いに接触させ、担体上の各種アレルゲンとIgE
との複合体及び担体上の抗IgE抗体とIgEとの複合
体を夫々生成させる。その後、当該担体を適当な緩衝液
等で洗浄し、複合体の生成に関与しなかった試料中の成
分を除去する。次いで、生成した各種複合体と、標識物
質により標識された抗IgE抗体とを上記と同様にして
接触させ、担体に固定化されたアレルゲンとIgEと標
識抗IgE抗体との標識複合体と担体に固定化された抗
IgE抗体とIgEと標識抗IgE抗体との標識複合体
を夫々生成させる。その後、これを、適当な緩衝液等で
洗浄して標識複合体の生成に関与しなかった遊離の標識
抗IgE抗体を除去する。その後、生成した該標識複合
体のうち、担体に固定化された各種アレルゲンに係る標
識複合体中の夫々の標識物質を、前述した如き方法によ
り測定すれば、生理活性物質として用いた2種以上のア
レルゲンのうちの何れのアレルゲンに対する抗体(Ig
E)が試料中に存在するのか否か、即ち、試料中に存在
するIgEに対するアレルゲンの種類の特定・同定、換
言すれば、当該試料に係る生体がどのようなアレルゲン
に対してアレルギー反応を引き起こすのか否かの分析を
行うことができ、また、前述した如き方法により測定さ
れた標識物質の量に基づいて、前述した如き方法により
試料中に存在する特定・同定されたアレルゲンに対する
抗体(IgE)の量を定量又は半定量的に求めれば、当
該試料に係る生体の当該特定・同定されたアレルゲンに
対する感受性の強さの程度、即ち、当該生体が特定・同
定されたアレルゲンに対してアレルギー反応を引き起こ
す強さの程度を分析することができる。更に、前述した
如き方法により測定された標識物質の量に基づいて、前
述した如き方法により試料中に存在する総IgE量を定
量又は半定量的に求めれば、当該試料に係る生体のアレ
ルゲン全般に対する感受性の強さの程度、即ち、当該生
体がアレルギー体質であるのか否か(その程度)を分析
することができる。
【0120】続いて請求項22記載の本発明の試料中の
対象成分分析用キットについて説明する。
【0121】請求項22記載の本発明のキットは、請求
項1〜12の何れかに記載の生理活性物質固定化担体を
含んでなるものである。これらの生理活性物質固定化担
体には、分析対象となる1又は2以上の対象成分に対応
し、それぞれに特異的に結合しうる1又は2以上の生理
活性物質が固定化されている。本発明のキットに於い
て、当該生理活性物質固定化担体の好ましい態様及び具
体例等は、先に述べた通りである。また、本発明のキッ
トには、当該担体の他に、上記した如きの対象成分或い
は当該対象成分に係る複合体に特異的に結合する性質を
有する標識結合物質を含ませることができる。
【0122】尚、本発明のキットは、上記した如き請求
項1〜12の何れかに記載の生理活性物質固定化担体を
含んでなる以外は、上記した如き通常この分野で用いら
れる試薬類、例えば緩衝液(洗浄液)等の溶液、例えば
被酸化性呈色試薬やカップリング剤等の発色剤、例えば
標識物質が酵素である場合は、その酵素を測定するため
の基質、酵素反応を停止するための反応停止剤等の試薬
類、対象成分からなる標準品等を含んでいてもよい。
尚、このような試薬類や標準品に含まれる各種成分の使
用濃度は、この分野で通常使用される濃度範囲から適宜
選択すればよい。
【0123】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。
【0124】実施例.1 図1のプロセスに従い、抗IgE抗体を結合したダイヤ
モンド被覆担体を用いてIgEの分析を行った。
【0125】1.官能基の活性化 カルボキシル基で覆われたダイヤモンド被覆担体を、2
0mM N-hydroxysuccinimide及び0.1M 1-(3-(di
methylamino)propyl)3-ethylcarbodimideを含む0.1
M リン酸緩衝液(pH6)に30分間浸漬した。浸漬
終了後、滅菌蒸留水で2回洗浄し、完全に水分が飛ぶよ
うに、ダイヤモンド被覆担体を遠心分離した。
【0126】2.抗ヒトIgE抗体の固定化 抗ヒトIgE抗体を50mM MOPS緩衝液pH7.
5で所定濃度に調整し、上記で作成した活性化ダイヤモ
ンド被覆担体に、日本レーザー電子製GT−MASSス
タンピングマシーンを用いてスポッティングした。
【0127】スポッティング終了後、あらかじめ、65
℃にした50% ホルムアミドを含む加湿チャンバー内
で1時間インキュベーションを行った。
【0128】3.ブロッキング処理 上記2で得たIgE抗体固定化ダイヤモンド被覆担体
に、2% 牛血清アルブミンを含む50mM MOPS
緩衝液(pH7.5)で一昼夜室温でブロッキングを行
った。ブロッキング処理後、1000rpmで1分間遠
心分離を行った。
【0129】4.検体との反応 測定対象であるヒトIgEを、2% 牛血清アルブミン
を含む50mM MOPS緩衝液(pH7.5)で所定
濃度に調製して検体とし、各検体を10μLチップに供
与し、気泡が入らないようにカバーグラスをかぶせた
後、ハイブリダイゼーション容器に入れ室温で1時間反
応させた。反応終了後、カバーグラスを除去し、SSC
(0.15M NaCl−0.015M クエン酸三ナ
トリウム溶液)で3回洗浄し、1000rpm 1分間
遠心分離を行った。
【0130】5.担体に結合したヒトIgEの検出 Cy3 label 抗ヒトIgE抗体 0.86μg/mlを10
μLチップに供与し、気泡が入らないようにカバーグラ
スをかぶせた後、ハイブリダイゼーション溶液に入れ、
室温で1時間反応させた。反応終了後、カバーグラスを
除去し、SSC(0.15M NaCl−0.015M
クエン酸三ナトリウム溶液)で5回洗浄し、1000
rpmで1分間遠心分離を行った。
【0131】抗原抗体反応の度合いをGSI Lumonicus社
製の共焦点レーザースキャナーでCy3label 抗ヒト
IgE抗体の量を測定した。測定結果を表1及び図3に
示す。
【0132】
【表1】
【0133】表1及び図3の結果から、本発明の方法に
よりヒトIgEの検出及び定量が可能となることが判
る。
【0134】実施例.2 図2のプロセスに従い、抗IgE抗体を結合したダイヤ
モンド被覆担体を用いてアレルゲンの分析を行った。
【0135】1.ダイヤモンド被覆基体の活性化 カルボキシル基で覆われたダイヤモンド被覆基体を20
mM N−ヒドロキシサクシンイミド及び0.1M 1
−(3−ジメチルアミノ)プロピル3−エチルカルボジ
イミドを含む0.1M リン酸緩衝液(pH6)に30
分間浸漬した。その後、これを、滅菌蒸留水で2回洗浄
し、完全に水分が蒸発するように、遠心分離処理を行っ
た。
【0136】2.アレルゲンの固定化 アレルゲン(ダニ抗原又はスギ抗原)を、50mM M
OPS緩衝液(pH7.5)で夫々0.5mg/mlの濃度
となるように調整し、上記作製した活性化ダイヤモンド
被覆基体に、日本レーザー電子製GT−MASSスタン
ピングマシーンを用いてスポッティングした。スポッテ
ィング終了後、50%ホルムアミドを含む加湿チャンバ
ー内で、1時間インキュベーションを行った。
【0137】3.ブロッキング処理 2%牛血清アルブミンを含む50mM MOPS緩衝液
(pH7.5)10μlを、ダイヤモンド被覆基体にア
プライし、カバーガラスを気泡が入らないようにかぶ
せ、2時間ブロッキングを行った。
【0138】カバーガラスを取り除き、1×SSCで3
回洗浄を行った後、遠心分離処理により、余分な水分を
除去した。
【0139】4.検体のアプライ スギ又はダニに対してアレルギー反応を示すヒトの血清
(スギ陽性血清又はダニ陽性血清)、及び両者に対して
アレルギー反応を示さないヒトの血清(陰性血清)を検
体とし、これら血清10μlを夫々マイクロアレイ上に
アプライし、カバーガラスを気泡が入らないようにかぶ
せ、4℃で1昼夜反応させた。反応後、カバーガラスを
除去し、1×SSCで3回洗浄を行い、遠心分離処理に
より余分な水分を除去した。
【0140】5.標識抗体との反応 4.3μg/ml Cy3 label 抗IgE抗体、及び2
% 牛血清アルブミンを含む、50mM MOPS緩衝
液(pH7.5)10μlを、マイクロアレイ上にアプ
ライし、カバーガラスを気泡が入らないようにかぶせ、
3時間反応を行った。反応後、カバーガラスを除去し、
1×SSCで3回洗浄後、遠心分離処理により余分な水
分を除去した。
【0141】6.結果 抗原抗体反応の度合いを、GSI Lumonicus社製の共焦点
レーザースキャナーでCy3 label 抗ヒトIgE抗
体由来の蛍光を測定した。陰性血清を検体として用いた
場合の結果を図4に、スギ陽性血清を検体として用いた
場合の結果を図5に、また、ダニ陽性血清を検体として
用いた場合の結果を図6に夫々示す。
【0142】図4の結果から、陰性血清を用いた場合
は、マイクロアレイ上のスギ抗原及びダニ抗原固定化部
位からは、Cy3 label 抗ヒトIgE抗体由来の蛍
光が殆ど認められないことが、図5の結果から、スギ陽
性血清を用いた場合は、マイクロアレイ上のスギ抗原固
定化部位からはCy3 label 抗ヒトIgE抗体由来
の蛍光が認められるのに対して、ダニ抗原固定化部位か
らはCy3 label 抗ヒトIgE抗体由来の蛍光が殆
ど認められないことが、また、図6の結果から、ダニ陽
性血清を用いた場合は、ダニ抗原固定化部位からCy3
label 抗ヒトIgE抗体由来の強い蛍光が認められ
ることが、夫々判る。
【0143】尚、図6に於いて、マイクロアレイ上のス
ギ抗原固定化部位からもCy3 label 抗ヒトIgE
抗体由来の弱い蛍光が若干認められているが、これは、
当該ダニ陽性血清提供者に関して詳細な検査を行った結
果、ダニのみでなく、スギに対しても若干の弱いアレル
ギー反応を示すこと、即ち、当該ダニ陽性血清は、ダニ
とスギに対してアレルギー反応を示す血清であったため
である。
【0144】これらの結果から、本発明の方法によりア
レルギーの原因となるアレルゲンの特定が可能となるこ
とが判る。また、特定されたアレルゲンに対する感受性
の強さの程度を分析することが可能となることが判る。
【0145】
【発明の効果】本発明の生理活性物質固定化担体は、生
理活性物質を高密度に固定化することができるので、生
理活性物質を大量に消費することなく高い固定化効率を
実現することができる。しかも、種々の表面電荷を示す
生理活性物質であっても、高い固定化効率を保つことが
できる。また、本発明の担体の製造方法によれば、前記
担体を効率よく製造することができる。
【0146】さらに、本発明の試料中の対象成分を分析
する方法は、前記担体を用いるので、各種対象成分を正
確に分析することが可能である。さらに、本発明のキッ
トを用いることにより、試料中の対象成分の分析をより
簡便に行うことができる。特に、抗IgE抗体を固定化
した担体は、アレルゲンと反応しアレルギーに深く関与
するIgEを正確に分析することができるので、アレル
ギーの原因など各種免疫診断に有用である。したがっ
て、本発明は、医療分野での疾病診断、生化学、分子生
物学分野での研究等の各分野で有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の分析方法によるIgEの分析を示す
模式図である。
【図2】 本発明の分析方法による特定のアレルゲンに
対するIgEの分析を示す模式図である。
【図3】 実施例.1で得られたIgE分析の結果を示
す図である。
【図4】 実施例.2で得られた陰性血清を検体として
用いた場合のアレルゲン分析の結果を示す図である。
【図5】 実施例.2で得られたスギ陽性血清を検体と
して用いた場合のアレルゲン分析の結果を示す図であ
る。
【図6】 実施例.2で得られたダニ陽性血清を検体と
して用いた場合のアレルゲン分析の結果を示す図であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 黒澤 竜雄 兵庫県尼崎市高田町6番1号 和光純薬工 業株式会社大阪研究所内 (72)発明者 丹花 通文 山口県下松市東豊井1296番地の1 東洋鋼 鈑株式会社技術研究所内 (72)発明者 岡村 浩 山口県下松市東豊井1296番地の1 東洋鋼 鈑株式会社技術研究所内 (72)発明者 高木 研一 山口県下松市東豊井1296番地の1 東洋鋼 鈑株式会社技術研究所内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生理活性物質が固定化された炭素乃至は
    金属又は半金属炭素化合物層が担体表面に形成されてい
    る担体からなる生理活性物質固定化担体。
  2. 【請求項2】 生理活性物質が、炭素乃至は金属又は半
    金属炭素化合物層の官能基を介してその表面に固定化さ
    れている請求項1に記載の生理活性物質固定化担体。
  3. 【請求項3】 生理活性物質が、該物質が有する官能基
    と炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層の官能基との
    結合により、炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層の
    表面に固定化されている請求項1に記載の生理活性物質
    固定化担体。
  4. 【請求項4】 生理活性物質が有する官能基又は/及び
    炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層の官能基が、水
    酸基、カルボキシル基、硫酸基、シアノ基、ニトロ基、
    チオール基、アミノ基、アミノフェニル基及びエポキシ
    基からなる群から選ばれた1又は2以上のものである請
    求項3に記載の生理活性物質固定化担体。
  5. 【請求項5】 生理活性物質が、生体に特有の作用を及
    ぼす物質又は生体由来タンパク若しくはペプチドである
    請求項1〜4の何れかに記載の生理活性物質固定化担
    体。
  6. 【請求項6】 生理活性物質が、抗原又は/及び抗体で
    ある請求項1〜5の何れかに記載の生理活性物質固定化
    担体。
  7. 【請求項7】 抗原又は/及び抗体が、腫瘍マーカー、
    ホルモン、環境ホルモン、微生物由来タンパク又はペプ
    チド或いは糖鎖抗原、レセプター、リガンド、アレルゲ
    ン、免疫グロブリン、レクチン、糖鎖、脂質、リポ多糖
    及びこれらに対する抗体からなる群から選ばれた1又は
    2以上のものである請求項6に記載の生理活性物質固定
    化担体。
  8. 【請求項8】 抗原又は/及び抗体が、アレルゲン、免
    疫グロブリン、及びこれらに対する抗体からなる群から
    選ばれた1又は2以上のものである請求項7に記載の生
    理活性物質固定化担体。
  9. 【請求項9】 炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物層
    が、結晶性炭素からなる層である、請求項1〜8の何れ
    かに記載の生理活性物質固定化担体。
  10. 【請求項10】 炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物
    層が、非晶性炭素からなる層である、請求項1〜8の何
    れかに記載の生理活性物質固定化担体。
  11. 【請求項11】 結晶性炭素が、ダイヤモンド又はダイ
    ヤモンドライクカーボンである請求項9に記載の生理活
    性物質固定化担体。
  12. 【請求項12】 非晶性炭素が、グラファイト又は非晶
    性カーボンである請求項10に記載の生理活性物質固定
    化担体。
  13. 【請求項13】 官能基を有する炭素乃至は金属又は半
    金属炭素化合物層が表面に形成された担体と、生理活性
    物質とを接触させることを特徴とする生理活性物質固定
    化担体の製造方法。
  14. 【請求項14】 炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物
    層が形成された担体表面に官能基を導入し、次いでこれ
    と生理活性物質とを接触させることを特徴とする生理活
    性物質固定化担体の製造方法。
  15. 【請求項15】 官能基が、水酸基、カルボキシル基、
    硫酸基、シアノ基、ニトロ基、チオール基、アミノ基、
    アミノフェニル基及びエポキシ基からなる群から選ばれ
    た1又は2以上のものである請求項13又は14に記載
    の方法。
  16. 【請求項16】 炭素乃至は金属又は半金属炭素化合物
    層が形成されている担体表面に固定化されてなる生理活
    性物質。
  17. 【請求項17】 請求項1〜12の何れかに記載の生理
    活性物質固定化担体を用いることを特徴とする、試料中
    の対象成分の分析方法。
  18. 【請求項18】 請求項1〜12の何れかに記載の生理
    活性物質固定化担体と対象成分を含有する試料とを接触
    させ、当該担体表面に固定化された生理活性物質と試料
    中の対象成分とから生成した複合体を分析することを特
    徴とする、請求項17に記載の分析方法。
  19. 【請求項19】 担体表面に固定化された生理活性物質
    が、抗原又は抗体の何れかであり、試料中の対象成分
    が、当該生理活性物質に対する抗原又は抗体である請求
    項17又は18に記載の分析方法。
  20. 【請求項20】 抗原又は抗体が、腫瘍マーカー、ホル
    モン、環境ホルモン、微生物由来タンパク又はペプチド
    或いは糖鎖抗原、レセプター、リガンド、アレルゲン、
    免疫グロブリン、レクチン、糖鎖、脂質、リポ多糖及び
    これらに対する抗体からなる群から選ばれた1又は2以
    上のものである請求項19に記載の分析方法。
  21. 【請求項21】 抗原又は抗体が、アレルゲン、免疫グ
    ロブリン、及びこれらに対する抗体からなる群から選ば
    れた1又は2以上のものである請求項20に記載の分析
    方法。
  22. 【請求項22】 請求項1〜12の何れかに記載の生理
    活性物質固定化担体を含んでなる試料中の対象成分分析
    用キット。
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