JP3566377B2 - ダイヤモンド薄膜バイオセンサ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は医療、食品管理、工業プロセス又は環境モニタなどに利用されるバイオセンサ又は化学センサとして好適のダイヤモンド薄膜バイオセンサに関する。
【0002】
【従来の技術及び解決すべき問題点】
ダイヤモンドは耐熱性が優れ、バンドギャップが大きい(5.5eV)ことが特徴である。このため、アンドープダイヤモンド膜は電気的に絶縁体であるが、ボロン(B)等の不純物をドーピングすることにより、半導体化することができる。また、ダイヤモンドは絶縁破壊電圧及び飽和ドリフト速度か大きく、更に誘電率が小さいという優れた電気的特性を有する。
【0003】
このような性質を利用して、半導体ダイヤモンドを用いた温度センサ、整流ダイオード、電界効果トランジスタ等の電子デバイスの開発が進められている。また、ダイヤモンドのバンドギャップが大きいことを利用して、紫外線等の短波長領域に対応する光センサ又は発光素子への応用についての研究も行われている。
【0004】
このような電気的特性に加え、ダイヤモンドは熱伝導率が大きい点、比熱が小さい点、化学試薬に対して安定である点、耐熱性が優れている点、放射線照射によるダメージが少ない点等で、他の物質を大きく凌ぐ特徴を有している。
【0005】
ダイヤモンドがこのように優れた複合的な特性をもっているにも拘わらず、半導体分野では、従来、ダイヤモンドの耐熱性に注目した高温用デバイス(温度センサ、ダイオード、トランジスタ等)の研究以外の研究は希である。
【0006】
さて、近年、特定の化学物質・生体物質と特異的に反応する酵素、抗原、抗体、オルガネラ、動植物細胞、結合性蛋白質、微生物なとの生体関連識別物質(以下これを単に「識別物質」と略称する)を電極に固定し、その反応による物理的・化学的変化を電気信号として検出するバイオセンサが研究されている。バイオセンサの概念を図21に示す。
【0007】
バイオセンサの中で広範に用いられているのはグルコース・センサである。これは酸素検出用電極又は過酸化水素検出用電極と、電極に固定されたグルコースオキシダ−ゼとから構成されている。試料中のグルコースがグルコースオキシダーゼと触媒反応してグルコノラクトンに変化するときに消費される酸素の減少量又は発生する過酸化水素の濃度を電極で検出してグルコース濃度を測定する。この場合には、グルコースオキシダーゼが識別物質である。
【0008】
本願発明者はダイヤモンドが生体適合性に優れ、しかも半導体化及び微細加工が可能であることに注目し、広範なバイオセンサのトランスデューサ(信号変換回路)及びその周辺回路に応用できる点に着目した。ダイヤモンドは炭素原子が共有結合された物質であり、識別物質に対して無害であるばかりでなく、識別物質との親和性がよい。更に、ダイヤモンド表面は化学修飾により親水性から疎水性まで制御できるので、抗血栓性をもたせることもできる。
【0009】
しかしながら、ダイヤモンドの生体適合性については、従来、人工臓器の部品のコーティング程度の応用しか考えられておらず、ダイヤモンドの半導体特性と生体適合性との双方の特徴を同時に利用した応用例は全くみられない。
【0010】
例えば、文献「(1)X.Zhang et al, Proceedings of the 2nd International Conference on the Applications of Diamond Films and Related Materials, edited by M. Yashikawa et al (MYU, Tokyo 1993), p.65;(2)X. Zhang et al, Materials Letters, Vol.18,pp.318−319(1944);(3)J.Zhu et al, Biosensors & Bioelectronics, Vol.9, pp.295−300(1994)」(以下、これを従来技術1という)では、非ダイヤモンド材料の上にダイヤモンド薄膜をコーティングし、これをグルコース・センサの基板として用いている。
【0011】
しかし、従来技術1においては、ダイヤモンド薄膜はその上に密着性よく金属電極を形成するだけの目的に用いられており、ダイヤモンド以外の材料でも十分に代替できる。また、従米技術1ではダイヤモンド薄膜は試料と接触することはなく、ダイヤモンドのもつ生体適合性の特徴が全く利用されていない。
【0012】
ダイヤモンドを化学電極として用いる試みは文献「(1)K.Patel et al,平成3年度、日本太陽エネルギー学会・日本風力エネルギ協会合同研究発表講演論文集(1991年9月20日、21日)pp.105−108;(2)K.Patel et al, J.Photohem.Photobil.A:Chem., Vol. 65,pp.419−429(1992);(3)R.Tenne et al,J.Electroanal.Chem.Vol.347,pp.409−415(1993);(4)S.Yang et al,Advances in New Diamond Science and Technology, edited by Y.Saito et al (MYU,Tokyo 1994),pp.741−744](以下、これを従来技術2という)に示されており、半導体ダイヤモンドを電極に用いることにより、還元反応を効率よく進めることができることが見出されている。
【0013】
しかし、従来技術2においては、ダイヤモンド電極の化学工業分野への応用を目的としているので、バイオセンサへの応用及びセンサ製作に必要な微細加工などについては全く触れられていない。
【0014】
特開昭61−33645(以下、これを従来技術3という)においては、図22に示すように、ダイヤモンド膜又はダイヤモンド状非晶質炭素膜を、公知のシリコン半導体を用いて作製されたイオン感応電界効果型トランジスタ(Ion Sensitive Field Effect Transistor、以下、これをISFETと略称する)のゲート部の絶縁膜として用いる方法が示されている。即ち、p型シリコン基板6の表面に、n型シリコン拡散層からなるソース4及びドレイン5が形成されており、この基板上には、第1の絶縁層1と、その上のダイヤモンド膜又はダイヤモンド状非晶質炭素膜2とが積層されていて、これによりゲート絶縁膜3が構成されている。
【0015】
しかし、品質の良いダイヤモンド薄膜をコーティングする場合には、基板温度を約800℃にする必要があるが、このような高温下ではシリコン半導体を用いたISFETは熱破壊されてしまう。そこで、従来技術3は実際には適用不可能である。
【0016】
バイオセンサの長寿命化には、繰り返し測定又は長時間測定に対して識別物質の流出を防ぐことが必要である。識別物質を固定する方法としては以下の技術が開示されている。即ち、特開昭60−29657号、特開昭60−39547号、特開昭60−79258号には、半導体微細加工用のフォトリソグラフィー・プロセスで用いられる感光樹脂(フォトレジスト)と識別物質を混合してISFETのイオン感応面に塗布し、光硬化させる方法が開示されている。また、特開昭60−247151号においては、識別物質に親和性がある有機膜をISFETのゲート部表面に塗布し、識別物質を固定する方法が開示されている。更に、特開昭63−229358号では、上記処理の後、更にその表面を不溶化する方法が開示されている。以下、これらの技術を従来技術4とする。
【0017】
しかし、上述のような生体関連物質の固定方法においては、識別物質を感光樹脂と混合するので使用可能な感光樹脂の種類に制限があり、また混合により生体関連物質の活性を弱めてしまうという問題点がある。また、リソグラフィ−において、紫外光照射又は現像液若しくは剥離液等で処理される過程でも、識別物質の活性が低下する。更に、化学物質及び生体物質が感光樹脂膜の内部を拡散し、また反応により生成した副生成物質が感光樹脂膜の外部に拡散することも必要である。しかしながら、一般に化学物質及び生体物質の拡散速度は遅いので、このようなバイオセンサの応答速度は極めて遅く、バイオセンサからの電気信号の強度が安定するまでに長時間が必要であるという問題点がある。
【0018】
一方、識別物質の流出を防止する技術として、以下の技術が開示されている。即ち、特開昭60−173459では、識別物質を塗布した後、多孔体で被覆することが開示されている。また、特開昭61−88135、特開昭61−234349では架橋反応により識別物質分子間を化学結合させて流出を防ぐ方法が開示されている。しかしながら、これらの場合にも上記と同じ問題点がある。
【0019】
また、バイオセンサの構造としては、以下のものが公知である。
(1)図23に示すように、平面基板7上に測定用の作用電極9及び対向電極8の2電極が形成されており、更に参照電極10を備えている。そして、作用電極9の上には、生体関連識別物質11がコーティングされ、中央部に、絶縁樹脂12が被覆されている(特開昭60−173459:以下、これをダイオード型という)。
(2)図24に示すように、ダイオ−ド型で電極がマイクロアレイであるタイプ(従来技術4、例えば特開昭60−247151:以下、これをマイクロアレイ型という)がある。シリコン基板13上に、シリコン酸化膜14が形成されており、このシリコン酸化膜14の上に、素子分離用のシリコン酸化膜15が局所的に形成されている。そして、このシリコン酸化膜15に囲まれた領域に、クロロメチル化ポリスチレン膜16を間に挟んで作用電極17及び対向電極18がアレイ状に形成され、クロロメチル化ポリスチレン膜の上に、酵素19が固定されている。
(3)図25に示すように、ISFETのゲート部位に識別物質を固定し、イオン又はpHの変化に応答させるタイプがある(特開平5−281181:以下、これをトランジスタ型という)。即ち、サファイア基板20の裏面に、金膜21が形成され、サファイア基板20の表面に、npn構造のFET26が設けられている。そして、これらのFET26を被覆するようにして、酸化シリコン膜22、窒化シリコン膜23が形成されており、その上に、アルブミン24及びグルコースオキシダーゼ25が固定されている。
(4)図26はサーミスタ回路27の上に、生体関連識別物質28が固定されているものである。この図26に示すものは、固定化した識別物質が反応するときの反応熱発生による温度上昇を感知するタイプである(特開61−212750:以下、これをサーミス夕型という)。
(5)また、図27に示すように、特開平5−256812には、図23と同様のダイオード型のバイオセンサ基板7の上に、対向電極8、作用電極9及び参照電極10を形成し、作用電極9に生体関連識別物質11を固定し、これらの周囲に、更に温度調節用ヒータ29を組み込んだバイオセンサが開示されている。
【0020】
しかしながら、図23〜図27に開示されたバイオセンサでは電極として金属を用いているために識別物質の固定が困難であり、使用中に識別物質の流出が著しいために寿命が短いという問題がある。また図25のISFETではゲート部の絶縁膜が酸化シリコン(セラミックス)であり、上記と同じく識別物質の固定が困難であるという問題がある。
【0021】
これに対しダイヤモンドは識別物質と同じく炭素を構成原子としているために、識別物質との適合性が良く、さらにダイヤモンド膜表面を化学修飾することにより、識別物質との親和性を向上できるため、その固定が容易であるという特徴がある。
【0022】
ダイヤモンドの気相合成法としては、マイクロ波化学気相蒸着(CVD)法(例えば特公昭59−27754、特公昭61−3320)、高周波プラズマCVD法、熱フィラメントCVD法、直流プラズマCVD法、プラズマジェット法、燃焼法及び熱CVD法等が知られている。
【0023】
これらの方法でシリコンなどの非ダイヤモンド基板に気相合成されたダイヤモンド膜は、一般にダイヤモンド粒子がランダムに凝集した多結晶であり、粒界が高密度に存在する。しかし、最近では、特殊な基板表面処理によりダイヤモンド結晶粒子がほぼ一定方向に揃った高配向膜の合成も報告されている。
【0024】
ダイヤモンド膜の表面を(111)結晶面又は(100)結晶面のみから構成することは、多結晶ダイヤモンド膜でも高配向膜でも可能である。
【0025】
バルクダイヤモンド上にダイヤモンド膜を形成する場合は、バルクダイヤモンドを特定の結晶面に沿って切断・研磨することにより、任意の結晶面をもったダイヤモンド膜を得ることができる。
【0026】
ダイヤモンド合成原料に微量の不純物を添加することにより、ダイヤモンドを半導体化することができる。例えば高温高圧合成でも、気相合成でも、不純物としてホウ素(B)を添加すると導電性の良いp型の半導体ダイヤモンドが得られることが知られている。
【0027】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、高感度・長寿命・高速応答性・再利用可能の全ての要望を満足することができるダイヤモンド薄膜バイオセンサを提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るダイヤモンド薄膜バイオセンサは、トランスデューサの一部又は全部が半導体ダイヤモンド膜又はアンドープダイヤモンド膜から構成され、前記半導体ダイヤモンド膜又はアンドープダイヤモンド膜は、その表面が水素化、酸化若しくはハロゲン化されているか、又は水酸基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、硫酸基及びニトロ基からなる群から選択された1若しくは2以上の置換基で置換されることにより、化学修飾された後、前記半導体ダイヤモンド膜又はアンドープダイヤモンド膜の表面の一部又は全部に生体関連識別物質が固定されていることを特徴とする。前記トランスデューサは、ダイオード型、マイクロアレイ型、トランジスタ型、サーミスタ型、ホール効果型若しくは磁気抵抗型、又は光センサ型である。
【0029】
【作用】
本発明においては、半導体ダイヤモンド膜を用いてトランスデューサを作製し、これに識別物質を固定しているので、極めて高感度・長寿命・高速応答性であり、再利用可能なバイオセンサを得ることができる。
【0030】
バイオセンサのトランスデューサの一部又は全部をダイヤモンド膜で製作することにより、ダイヤモンドのもつ生体適合性を有効に利用することができる。
【0031】
なお、一旦、特性か劣化したダイヤモンド薄膜バイオセンサであっても、その生体関連識別物質又は生体関連識別物質及び機能性分子を化学処理により除去し、再び生体関連識別物質の固定又は機能性分子の結合と生体関連識別物質の固定により、再生することが可能である。
【0032】
本発明においては、半導体ダイヤモンド膜又はアンドープダイヤモンド膜を用いてトランスデューサを作製し、これに識別物質を固定することにより、ダイヤモンドのもつ生体適合性、化学試薬に対する不活性性、無毒などの特徴を生かすことができる。
【0033】
また、ダイヤモンドの表面処理により親水性から疎水性までを制御できるので、ダイヤモンド・センサに抗血栓性をもたせることもできる。
【0034】
本発明においては、さらにバイオセンサを、ダイオード型、トランジスタ型、サーミスタ型、又は磁気センサ型に構成することができ、これらの複数のセンサを同一基板に形成することもできる。
【0035】
また、トランスデューサ部に光照射することにより感度を増大させることができる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明について添付の図面を参照して詳細に説明する。図1はダイヤモンド薄膜を用いたダイオード型センサのトランスデューサ部の断面構造の例を示す。ダイヤモンド膜の微細加工は「選択成長」及びプラズマ・エッチング又は機械加工等の公知の技術により行うことができる。例えば、トランスデューサの作製に必要なダイヤモンドの微細加工技術又は選択成長技術は、文献T.Inoue et al.,J.Appl Phys.、Vol.67,No.12,pp.7329−7336(1990)に示されている。
【0037】
トランスデューサを加熱するヒータ、試料の温度を測定する温度センサなどの周辺回路も半導体ダイヤモンド膜を用いて作製できる。このトランスデューサと周辺回路をモノリシックに作製した場合は、機能面及びコスト面からもメリットが大きい。
【0038】
図1に示すように、基板30の上に、下地膜としてアンドープダイヤモンド膜31が形成されており、このアンドープダイヤモンド膜31の上に、作用電極34、対向電極33及び参照電極32が形成されており、作用電極34は生体関連識別物質35により被覆されており、更にこの生体関連識別物質35は生体膜36により被覆されている。
【0039】
これらの作用電極34、対向電極33及び参照電極32は、半導体ダイヤモンドヒータ37により取り囲まれており、このヒータ37はアンドープダイヤモンド膜38により被覆されている。
【0040】
図1では下地を電気絶縁性のアンドープダイヤモンド膜31としたが、下地のない構造にすることも可能である。これは以下のいずれの場合にも同様である。
【0041】
電極、下地膜及びヒータに半導体ダイヤモンド膜を用いる場合、そのサイズに特別の制限はなく、ドーピング濃度によって最適値を選ぶことができるが、特性及びコスト等を考慮すると、アンドープダイヤモンド下地層31の厚さは1〜50μm、電極32〜34の厚さは0.1〜5μm、電極32〜34のアクティブな領域の長さ及び幅は20μm〜lmm、ヒータ37の厚さは0.1〜50μm、電気絶縁のためのアンドープダイヤモンド膜38の厚さは0.5〜10μmの範囲が最も望ましい。
【0042】
図2乃至図5は夫々マイクロアレイ型センサのトランスデューサ部の断面構造を示す。図2に示すように、基板40の上に、下地膜としてアンドープダイヤモンド膜41が形成されており、この下地膜41の上に、複数個の対向電極43と作用電極44とが、間にアンドープダイヤモンド膜47を挟んで配列されている。また、最外側の対向電極43の外側にもアンドープダイヤモンド膜47が設けられている。そして、このアンドープダイヤモンド膜47の上に、生体関連識別物質45が固定されており、この生体関連識別物質45は生体膜46により被覆されている。更に、アンドープダイヤモンド膜41の上には、参照電極42が形成されている。
【0043】
この図2のように、作用電極44と対向電極43の間をアンドープダイヤモンド膜47とし、これに識別物質45を固定する他、下地としてアンドープダイヤモンド膜41を用いた場合には、図3に示すように、作用電極44と対向電極43との間のアンドープダイヤモンド膜47は必ずしも必要ではなく、省略できる。この場合は、下地のアンドープダイヤモンド膜41の表面に、直接、識別物質45を固定すればよい。
【0044】
また、ダイオード型と同じように作用電極、対向電極、参照電極のいずれか又は全てを半導体ダイヤモンド膜とすることができる。図4及び図5に示すように、ダイオード型と同様に、少なくとも作用電極44として半導体ダイヤモンド膜を用い、この半導体ダイヤモンド膜44の表面に識別物質45を固定することもできる。
【0045】
マイクロアレイ型センサについても、ダイオード型センサと同じく、電極、下地及びそのサイズに特別の制限はなく、ドーピング濃度も最適値を選ぶことができる。アクティブなダイヤモンド膜電極の幅は1〜20μm、長さは20μm〜lmmの範囲が最も望ましい。
【0046】
トランスデューサがトランジスタ型の場合、そのトランジスタ部を半導体ダイヤモンド膜を用いて作製することができる。図6乃至図9はそのトランジスタ型のダイヤモンドセンサの例を示す。図6は、トランジスタがMESFET(Metal−Semiconducor FET)の場合である。
【0047】
基板50の上に、アンドープダイヤモンド膜52及びゲート電極51が形成されており、このアンドープダイヤモンド膜52の上に、半導体ダイヤモンド膜53が形成されている。この半導体ダイヤモンド膜53の表面には、2個のp+ダイヤモンド層54が形成されており、これらのp+ダイヤモンド層54の上には、ソース電極55a及びドレイン電極55bが形成されている。p+ダイヤモンド層54(以下、これをp+層と略称する)は、イオン注入又は気相合成によりBを高濃度(1019〜1022/cm3)にドーピングしたものである。
【0048】
そして、ソース電極55a及びドレイン電極55bは酸化シリコン、窒化シリコン、樹脂等の絶縁材料又はこれらを積層した電気絶縁膜56で覆われている。ソース電極55a及びドレイン電極55bの直下のp+層54により、電極55a、55bと半導体ダイヤモンド層53との間の接触抵抗を低減できる。
【0049】
生体関連識別物質57はソース・ドレイン電極の間(以下、これをゲート部と略称する)に固定され、安定化のためにその表面が生体膜58で覆われている。
【0050】
なお、ゲート電極51に印加する電圧はソース電極55aに対して正でも負でも良いが、負電圧を印加する方がセンサの感度が高い。
【0051】
本願発明者らの研究によると、基板50が非ダイヤモンドの場合、アンドープダイヤモンド下地層52の厚さは1〜20μm、p+層54の厚さは100Å〜1μm、半導体ダイヤモンド層53の厚さは100Å〜2μm、ソース・ドレイン電極間距離(以下、これをゲート長と略称する)は0.5〜50μmの範囲が最も望ましい。ソース、ドレイン電極の横幅(以下、これをゲート幅と略称する)は大きいほど信号電流が大きいが、2μmからlmmが最も望ましい。基板50がすべてダイヤモンド膜の場合には、その厚さは20〜500μmが最も望ましい。
【0052】
図7はトランジスタがMiSFET(Metal−intrinsic Semiconductor−Semiconductor FET)の場合の例である。半導体ダイヤモンド層53の表面には薄いアンドープダイヤモンド膜59が積層されている。(以下、このアンドープダイヤモンド膜59をゲート絶縁膜という。)各部分の最も望ましい長さは上記と同じである。ゲ−ト絶縁膜59の厚さは100Å〜1μmが望ましい。
【0053】
図8はトランジスタがpip−FETの場合である。このタイプは、半導体ダイヤモンド層53を有しない。また、ドレイン電極55b側のp+層54は必ずしも必要ではない。各部分の最も望ましい長さは上記と同様であるが、アンドープダイヤモンド膜52の厚さは1〜10μm、ゲート長は0.5〜1μmが最も望ましい。
【0054】
図9はトランジスタがδ−ドープFETの場合の例である。この場合にはソースとドレイン側のp+層54が高濃度にBドーピングされた薄い半導体ダイヤモンド層60で結ばれている。各部分の最も望ましい長さはpip−FETの場合と同様であるが、薄い半導体ダイヤモンド層60の厚さは50〜500Åが最も望ましい。
【0055】
図6〜9においては、識別物質57はゲート部に固定されている。しかし、識別物質57をFETの周辺にのみ配置することも可能である。この場合は、試料中の化学物質・生体物質と識別物質との反応で生じる副生成物がゲート部の電位を変えるので、これによるFETの電流変化を測定することにより、試料中の化学物質・生体物質の濃度を知ることができる。
【0056】
トランスデューサがサーミスタ型の場合、試料中の化学物質・生体物質と識別物質との反応で生じる熱による温度変化を感知することにより、その濃度を知ることができる。図10、図11はダイヤモンド膜を用いたサーミスタ型ダイヤモンド・センサの例である。
【0057】
即ち、図10に示すように、基板61の上に、アンドープダイヤモンド下地層62が形成されており、この下地層62の上に、発熱測定用サーミスタ部と、参照用サーミスタ部とに分かれて、半導体ダイヤモンド膜63が形成されている。
【0058】
各半導体ダイヤモンド膜63の縁部には、p+ダイヤモンド層64が形成されており、各p+層64の上には電極65が形成され、これらの電極65は電気絶縁膜66で被覆されている。電極65間にはアンドープダイヤモンド層67が形成されており、一方の発熱測定用サーミスタ部のアンドープダイヤモンド層67の上には、生体関連識別物質68が固定され、この識別物質68は生体膜69により被覆されている。
【0059】
温度が高いほどp型半導体ダイヤモンド膜63の抵抗値は低くなるので、抵抗値から環境温度を求めることができる。図10では参照用のサーミスタと発熱測定用のサーミスタが隣接して配置されており、これらの温度差から試料中の化学物質・生体物質の濃度を算定することができる。
【0060】
図11では参照用と発熱測定用のサーミスタが一体化されている。これにより作製プロセスを簡単化できる。
【0061】
基板61が非ダイヤモンドの場合、アンドープダイヤモンド下地層62の厚さは1〜20μm、p+層64の厚さは100Å〜1μm、半導体ダイヤモンド層63の厚さは0.5〜10μmの範囲か最も望ましい。電極間距離には制限がないが約1μmから数mmが可能である。半導体ダイヤモンド膜63が、Bをドープしたp型の場合、ドーピング濃度は1015〜1020原子/cm3が望ましい。
【0062】
トランスデューサがホール効果型又は磁気抵抗型の場合、試料中の化学物質・生体物質と識別物質との反応で磁気的変化が起こる場合に、それを感知して濃度を知ることができる。
【0063】
図12にはホール効果型のセンサの断面図を示す。また、図13及び図14には電極の配置方法を示す。但し、電極の位置以外の詳細は省略してある。基板71の上には、アンドープダイヤモンド層72が形成され、アンドープダイヤモンド層72の上には、半導体ダイヤモンド層73が形成されている。そして、この半導体ダイヤモンド層73の縁部の表面には、p+ダイヤモンド層74が形成されており、このp+ダイヤモンド層74の上には電極75が形成されている。各電極75は電気絶縁膜76により被覆されており、電極間にはアンドープダイヤモンド膜77が形成され、その上に生体関連識別物質78が固定されている。この識別物質78が生体膜79により被覆されている。
【0064】
基板71が非ダイヤモンドの場合、アンドープダイヤモンド下地層72の厚さは1〜20μm、p+層74の厚さは100Å〜1μm、半導体ダイヤモンド層73の厚さは0.5〜50μm、電極間距離は1〜500μmの範囲が最も望ましい。半導体ダイヤモンド膜73がBをドープしたp型の場合、ドーピング濃度は1014〜1018原子/cm3が最も望ましい。
【0065】
ダイヤモンド膜にキャリア(電子、正孔)を注入すると短波長の発光か生じる。またダイヤモンド膜を用いた受光素子も作製できる。そこでダイヤモンド膜で発光部又は受光部、又はその両方をセンサのトランスデューサとすることができる。
【0066】
例えば、試料中の化学物質・生体物質が識別物質と反応する際に、発光現象が起きれば、それをダイヤモンド受光素子で検出できる。また、検出しようとする化学物質・生体物質に最も感度が高い波長の光を外部から照射し、ダイヤモンド受光部で検出することもできる。さらにダイヤモンド発光部を基坂上に組み込み、全てをダイヤモンド膜でモノリシックに作製することも可能である。この光センサ型バイオセンサの一例を図15、図16に示す。
【0067】
図15に示すセンサにおいては、基板81の上に、アンドープダイヤモンド下地膜82が形成されており、この下地膜82の上に、複数個の第1電極83及び第2電極84が適長間隔をおいて配置されている。各電極間は生体関連識別物質85により充填されており、この識別物質85は生体膜86により被覆されている。
【0068】
図16においては、アンドープダイヤモンド層82の上に、半導体ダイヤモンド層87が形成されている。
【0069】
図15、16においては、識別物質85と生体物質、化学物質との反応で生じる発光をダイヤモンド膜82又は半導体ダイヤモンド膜87で感知し、これらのダイヤモンド膜中に発生するキャリア(電子、正孔)を電極83及び84で測定することにより、生体物質、化学物質の濃度を検出する。
【0070】
基板81が非ダイヤモンドの場合、アンドープダイヤモンド下地層82の厚さは1〜50μm、半導体ダイヤモンド層87の厚さは0.5〜50μm、電極間距離は1〜50μmの範囲が最も望ましい。半導体ダイヤモンド層87がBをドープしたp型の場合、ドーピング濃度は1014〜1019原子cm3が最も望ましい。
【0071】
これらの各実施例のダイヤモンドバイオセンサは、いずれの場合にもトランスデューサ部に光照射してセンサ感度を増大させることができる。これは光照射によりダイヤモンド中のキャリア濃度が増加し、信号強度が増大するからである。
【0072】
また、前述のごとく、アンドープの自立性ダイヤモンド膜をセンサの基板として用いることができる。この場合、アンドープダイヤモンド膜に成長させた半導体ダイヤモンド膜の方が、非ダイヤモンド基板に成長させた半導体ダイヤモンド膜よりも膜質が優れている。基板がすべてダイヤモンド膜の場合には、その厚さは20〜500μmが望ましい。
【0073】
前述のごとく、ダイヤモンドには識別物質の固定が容易である。固定にはダイヤモンド膜表面に識別物質を直接に塗布することも考えられるが、ダイヤモンド膜表面を化学修飾してから、識別物質を固定することがより望ましい。又は、ダイヤモンド膜表面を化学修飾し、さらに長鎖状分子又はメディエータとなる分子(これらを機能性分子と略称する)と反応させ、これに識別物質を固定することも可能である。
【0074】
ダイヤモンド膜表面の化学修飾としては、水素化(−H)、酸化(=O、−O=O−、−OH−OH−等)、ハロゲン化(−Cl等)するか、又は水酸基(−OH)、シアノ基(−CN)、アミノ基(−NH2)、力ルボキシル基(−COOH)、硫酸基(−SO3)、ニトロ基(−NO2)で終端化するか、又はこれらから選ばれた2種類以上の置換基で終端する方法等が可能である。
【0075】
グルコースオキシダーゼのような巨大な識別物質を固定する場合には、化学修飾されたダイヤモンド表面に直接塗布するよりは、上記化学修飾の後、ヘキサメチレンジアミンなどの長鎖状分子をさらに化学結合し、しかる後に識別物質を固定する方が望ましい。これにより、ダイヤモンド表面と識別物質の立体障害を避けることかでき、また長鎖状分子と識別物質が化学結合してより強い固定が可能になる。長鏡状分子が識別物質と化学結合するためには、長鎖状分子が水酸基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、硫酸基、ニトロ基のうちの少なくとも1つを含むことか望ましい。長鎖状分子としてはへキサメチレンジアミン又はその誘導体が考えられる。
【0076】
識別物質とトランスデューサ部との間にメディエータ(電荷移動用分子)層を設ければ、化学物質・生体物質と識別物質との反応で生じた電子がトランスデューサ部へ容易に移動でき、センサの感度が向上し、また溶存酸素等により検出が妨げられることがない。メディエータとしてはフェロセン、キノン又はこれらの誘導体がある。
【0077】
但し、通常の金属電極と違って、表面が化学修飾された半導体ダイヤモンドではこのようなメディエータがなくとも電子の移動は生じる。
【0078】
ダイヤモンド自体は化学薬品に侵されにくいので、たとえセンサが劣化しても識別物質、又は識別物質及び機能性分子を化学処理により除去し、識別物質を固定するか、又は機能性分子の合成と識別物質の固定を行うことにより、センサの再利用が可能である。これにより、有害な廃棄物の処理による環境汚染を防止でき、また、コスト低減にも役立つ。
【0079】
測定試料には識別物質を失活させるさまざまな妨害成分が含まれる場合かある。本発明では、識別物質の表面にモノレイヤー以上の生体膜物質をコーティングすることにより、識別物質の失活を回避できることを見い出した。
【0080】
生体膜の機能を図17に示す。初期状態では生体膜はセンサ表面を保護する。検出すべき生体物質がセンサ表面に吸着されると、生体膜は全体を覆い保護する。代表的な生体膜物質にはフォスファチジルコリン、フォスファチジルセリンなどがある。
【0081】
識別物質とそれを検出できる化学物質及び生体物質を下記表1〜4に示す。表1は生体物質、化学物質検出用センサ、表2は脂質検出用センサ、表4は微生物を用いたセンサである。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【0085】
ところで、通常のダイオード型のバイオセンサの電極間の電位差は±5V以内、多くは±1V以内に設定されている。シリコン半導体を用いたISFETでは通常、±5V以上の電圧を印加するとFETが破壊される。しかし、ダイヤモンドは耐電圧性に優れており、ダイオード型でもトランジスタ型でも、±5V以上の電圧に十分耐えられる。特に、S/N比の高い高感度の測定には、センサの電圧を上げざるを得ないが、本発明によるダイヤモンド・バイオセンサは±1OV以上の電圧で問題なく駆動できる。本発明者らの研究ではダイヤモンドバイオセンサの駆動電圧は最大±50V、望ましくは±5〜±2OVである。
【0086】
以上、単一の機能をもつトランスデューサがダイヤモンド薄膜で製作されている場合について説明した。しかし、本発明により、同一基坂上に同一又は異なる機能をもつ複数のセンサを配置することもできる。例えば、ダイオード型センサについていえば、同一基板上に同種類の識別物質が固定された複数のセンサを設けることにより、信頼性を高めることができる。
【0087】
また、固定する識別物質を変えれば、1つのセンサで複数の化学物質・生体物質を同時に感知・定量できる。これは、においセンサ、味覚センサ及び鮮度センサのように、複数の成分を測定する場合には特に有効である。また、ダイオード型のセンサに温度センサ又はpHセンサを併置すれば、リアルタイムでセンサ感度の温度補正又はpH補正ができる。
【0088】
上記のダイヤモンド膜としては、天然又は人工合成のバルク・ダイヤモンド結晶を基板として、その表面にダイヤモンド膜を気相合成してもよいし、シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、高融点金属等の非ダイヤモンド基板に、通常の多結晶膜、粒子配向のそろった高配向膜又はヘテロエピタキシャル膜を形成してもよい。
【0089】
ダイヤモンド膜の結晶面により、化学反応性及び表面構造が異なるので、化学装飾、機能性分子の結合には表面を選ぶ必要がある。本発明ではダイヤモンド膜の表面の一部又は全部が(111)結晶面又は(100)結晶面から構成されている場合に、電流−電圧特性の直線性及びS/Nの優れたセンサができることを見出した。
【0090】
次に、本発明の実施例に係るバイオセンサを実際に製造し、その特性を調べた結果について説明する。
[実施例1]ダイオード型センサ
(1A)ダイヤモンド素子作製
lcm角の窒化シリコン基板をダイヤモンド粉末でバフ研磨し、マイクロ波CVD装置により、メタン1〜5%、酸素0.1〜2%を水素希釈したもの(全流量100sccm)を原料ガスとして20時間合成を行い、膜厚10μmのアンドープダイヤモンド膜を形成した。CVDにおいては基板温度を800〜850℃、ガス圧を30〜60Torrの範囲で一定に保った。
【0091】
次いで、作用電極として、選択成長技術を用いて、幅10μm、長さ2mm、膜厚2μmのBドープしたp型半導体ダイヤモンド膜を20μmピッチで10本、この基坂上に形成した。合成には同じくマイクロ波CVDを用い、メタン1〜5%、酸素0〜2%、ジボラン(B2H6)0.1〜20ppmを水素希釈したもの(全流量100sccm)を原料ガスとした。合成時間は10時間であった。
【0092】
次いで、対向電極として、フォトリソグラフィ技術により幅20μm、長さ2mm膜厚1000Åの白金膜を形成した。
(1B)識別物質の固定化
この素子を高周波プラズマ装置に入れ、酸素ガス0.1Torrで10分間、表面処理を行い、ダイヤモンド表面を酸化した。更にこれをヘキサメチレンジアミンに浸し、50℃〜90℃で10時間保持し、ダイヤモンド表面の長鎖分子を化学結合させた。
【0093】
次いで、この素子をpH7の10%グルタルアルデヒド、0.1M燐酸バッファー溶液に浸し、室温で2時間保持してからバッファー溶液で洗浄した。
【0094】
グルコースオキシダーゼを固定化するために、作用電極以外の電極をフォトレジスト膜でマスクし、1%グルコースオキシダーゼを懸濁させた燐酸バッファー溶液に素子を一昼夜放置した。最後に、バッファー溶液で素子を洗浄し、有機溶媒でフォトレジスト膜を除去した。
(1C)識別物質の保護
pH7の0.1M燐酸バッファー溶液と生体膜物質であるフォスファチジルコリンを混合し、超音波処理により懸濁させた。この溶液に、上記のグルコースオキシダーゼを固定化した素子を一昼夜浸した。
(1D)センサ特性の評価
上記のように作製したダイオード型のダイヤモンドセンサをグルコースを含む0.1Mの塩化ナトリウム溶液に浸し、作用電極と対向電極及び参照電極と対向電極間に1Vを印加し、グルース濃度を変えて電流測定を行った。得られたデータを、図18において、曲線Aにて示す。
【0095】
ここでは、電流は、作用電極−対向電極及び参照電極−対向電極間の電流値の差である。グルコース濃度50mg/リットルから600mg/リットルで電流値はほぼ直線上にプロットされた。
(1E)光照射の効果
センサに水銀ランプを照射して、1Dと同様の測定を行った。この結果を図18において、曲線Bに示す。グルコース濃度50mg/リットルから600mg/リットルで電流値は2〜3μA増大した。
(1F)再生したセンサの特性
センサをバッファ溶液中で超音波処理してグルコースオキシダーゼを除去し、上記1B以下の酸素プラズマ処理を除くプロセスで、センサを再生した。次いで、上記1Dと同様に、このセンサの特性評価を行った。この結果を図18において曲線Cにて示した。電流値は再生前とほぼ同一であった。
(1G)生体膜の効果
図19にはセンサに生体膜をコーティングした場合(曲線A)と、しない場合(曲線B)を示した。生体膜をコーティングした場合(曲線A)は1000回の繰り返し使用で電流値は約10%低下したのに対し、コーティングのない場合(曲線B)には約500回で電流値が約10%低下した。この結果、センサ表面に生体膜をコーティングすることにより、寿命が約2倍に増大することが分かった。
[実施例2]マイクロアレイ型センサ
実施例1と同様の方法で、マイクロアレイ型センサを作製した。作用電極の半導体ダイヤモンド膜のアクティブな領域の幅は10μm、長さは300μm、電極間のアンドープ・ダイヤモンド膜の幅は10μmとし、これを50本、基坂上に並列させた。公知の方法を用いて、アンドープ・ダイヤモンド膜表面にのみグルコースオキシダーゼを固定化し、その表面に生体膜をコーティングした。
【0096】
実施例1の工程1Dと同様に、特性を評価したところ、電流値はほぼ電極面積に比例することが分かった。
[実施例3]トランジスタ型センサ
文献K.Nishimura et al.,Advances in New Diamond Science and Technology, edited by S.Saito et al (MYU,Tokyo 1994)p.725に記載されたものと同様に、単結晶ダイヤモンド基板上にソース・ドレイン電極間距離10μm、ゲート幅500μmのMiS型FETを2素子、並列して作製した。
【0097】
この一方の素子にのみ実施例1の工程1B及び1Cと同様の方法でグルコースオキシダーゼを固定化した。他方の素子は参照用として用いた。
【0098】
測定用素子及び参照用素子の各ソース・ドレイン電極間に10μA電流が流れる場合に、この2素子についてソース・ドレイン間電圧の差を出力電圧とする回路を作製し、グルコース濃度を変えて出力電圧を測定した。この結果を図20に示す。
【0099】
【発明の効果】
本発明によれば、ダイヤモンド膜に生体関連識別物質を固定したので、種々の化学物質及び生体物質に対し、高感度及び高速応答性で応答するバイオセンサを得ることができる。
【0100】
また、トランスデューサ及び周辺回路を半導体ダイヤモンド膜を用いて作製することにより、化学センサ及びバイオセンサの実用化が容易となる。
【0101】
更に、本発明は、においセンサ、味覚センサ、鮮度センサなどとしても利用でき、医療、食品管理、工業プロセス、環境モニタ等の技術分野において、多大の貢献をなす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るダイオード型ダイヤモンドセンサを示す断面図である。
【図2】本発明の実施例に係るマイクロアレイ型ダイヤモンドセンサを示す断面図である。
【図3】本発明の実施例に係るマイクロアレイ型ダイヤモンドセンサを示す断面図である。
【図4】本発明の実施例に係るマイクロアレイ型ダイヤモンドセンサを示す断面図である。
【図5】本発明の実施例に係るマイクロアレイ型ダイヤモンドセンサを示す断面図である。
【図6】本発明の実施例に係るトランジスタ型ダイヤモンドセンサを示す断面図である。
【図7】本発明の実施例に係るトランジスタ型ダイヤモンドセンサを示す断面図である。
【図8】本発明の実施例に係るトランジスタ型ダイヤモンドセンサを示す断面図である。
【図9】本発明の実施例に係るトランジスタ型ダイヤモンドセンサを示す断面図である。
【図10】本発明の実施例に係るサーミスタ型ダイヤモンドセンサを示す断面図である。
【図11】本発明の実施例に係るサーミスタ型ダイヤモンドセンサを示す断面図である。
【図12】本発明の実施例に係るホール効果型ダイヤモンドセンサを示す断面図である。
【図13】同じくその電極配置を示す平面図である。
【図14】同じくその電極配置を示す平面図である。
【図15】本発明の実施例に係る光センサ型ダイヤモンドセンサを示す断面図である。
【図16】本発明の実施例に係る光センサ型ダイヤモンドセンサを示す断面図である。
【図17】生体膜の機能を示す模式図である。
【図18】ダイオード型センサの特性を示すグラフ図である。
【図19】生体膜の効果を示すグラフ図である。
【図20】トランジスタ型センサの出力電圧を示すグラフ図である。
【図21】生体関連識別物質とダイヤモンドバイオセンサとの関係を示す模式図である。
【図22】従来のトランジスタ型センサを示す図である。
【図23】従来のダイオード型センサを示す図である。
【図24】従来のマイクロアレイ型センサを示す図である。
【図25】従来のISFETを使用したグルコースセンサを示す図である。
【図26】従来のサーミスタ型センサを示す図である。
【図27】従来のヒータ内蔵型バイオセンサを示す図である。
【符号の説明】
30、40、50、61、71、81:基板
31、41、52、62、72、82:アンドープダイヤモンド下地膜
32、42:参照電極
33、43:対向電極
34、44:作用電極
35、45、57、68、78、85:生体関連識別物質
36、46、58、69、79、86:生体膜
37:半導体ダイヤモンドヒータ
38、47、59、67、77:アンドープダイヤモンド膜
51:ゲート電極
53、63、73、87:半導体ダイヤモンド膜
54、60、64、74:p+層
55a、55b、65、75:電極
56、66、76:電気絶縁膜
83:第1電極
84:第2電極
Claims (17)
- ダイオード型トランスデューサを備え、その作用電極、対向電極及び参照電極のうち少なくとも作用電極が、生体関連識別物質が固定された半導体ダイヤモンド膜で構成されており、前記半導体ダイヤモンド膜は、その表面が水素化、酸化若しくはハロゲン化されるか、又は水酸基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、硫酸基及びニトロ基からなる群から選択された1若しくは2以上の置換基で置換されることにより、化学修飾された後、前記半導体ダイヤモンド膜の表面の一部又は全部に生体関連識別物質が固定されていることを特徴とするダイヤモンド薄膜バイオセンサ。
- マイクロアレイ型トランスデューサを備え、その作用電極と対向電極との間に、生体関連識別物質が固定されたアンドープダイヤモンド膜が配置されており、前記アンドープダイヤモンド膜は、その表面が水素化、酸化若しくはハロゲン化されるか、又は水酸基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、硫酸基及びニトロ基からなる群から選択された1若しくは2以上の置換基で置換されることにより、化学修飾された後、前記アンドープダイヤモンド膜の表面の一部又は全部に生体関連識別物質が固定されていることを特徴とするダイヤモンド薄膜バイオセンサ。
- トランジスタ型トランスデューサを備え、そのトランジスタのソースドレイン間のゲート部が、生体関連識別物質が直接又はアンドープダイヤモンド膜を介して固定された半導体ダイヤモンド膜又はアンドープダイヤモンド膜により構成されており、前記半導体ダイヤモンド膜又はアンドープダイヤモンド膜は、その表面が水素化、酸化若しくはハロゲン化されているか、又は水酸基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、硫酸基及びニトロ基からなる群から選択された1若しくは2以上の置換基で置換されることにより、化学修飾された後、前記半導体ダイヤモンド膜の表面の一部又は全部に生体関連識別物質が固定されていることを特徴とするダイヤモンド薄膜バイオセンサ。
- サーミスタ型トランスデューサを備え、その温度感応部の一部又は全部が半導体ダイヤモンド膜により構成されており、前記半導体ダイヤモンド膜は、その表面が水素化、酸化若しくはハロゲン化されているか、又は水酸基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、硫酸基及びニトロ基からなる群から選択された1若しくは2以上の置換基で置換されることにより、化学修飾された後、前記半導体ダイヤモンド膜の表面の一部又は全部に生体関連識別物質が固定されていることを特徴とするダイヤモンド薄膜バイオセンサ。
- ホール効果型又は磁気抵抗型のトランスデューサを備え、その磁気感応部の一部又は全部が半導体ダイヤモンド膜により構成されており、前記半導体ダイヤモンド膜は、その表面が水素化、酸化若しくはハロゲン化されているか、又は水酸基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、硫酸基及びニトロ基からなる群から選択された1若しくは2以上の置換基で置換されることにより、化学修飾された後、前記半導体ダイヤモンド膜の表面の一部又は全部に生体関連識別物質が固定されていることを特徴とするダイヤモンド薄膜バイオセンサ。
- 光センサ型トランスデューサを備え、その発光部及び/又は受光部の一部又は全部が半導体ダイヤモンド膜により構成されており、前記半導体ダイヤモンド膜は、その表面が水素化、酸化若しくはハロゲン化されているか、又は水酸基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、硫酸基及びニトロ基からなる群から選択された1若しくは2以上の置換基で置換されることにより、化学修飾された後、前記半導体ダイヤモンド膜の表面の一部又は全部に生体関連識別物質が固定されていることを特徴とするダイヤモンド薄膜バイオセンサ。
- 周辺回路の構成膜がアンドープダイヤモンド膜又は半導体ダイヤモンド膜により構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のダイヤモンド薄膜バイオセンサ。
- 前記バイオセンサが基板上に形成され、前記基板がアンドープ又は半導体のダイヤモンド膜又は自立性のダイヤモンド膜により構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のダイヤモンド薄膜バイオセンサ。
- 更に、前記ダイヤモンド膜に機能性分子を化学結合させ、しかる後に前記生体関連識別物質が固定されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のダイヤモンド薄膜バイオセンサ。
- 前記機能性分子が水酸基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、硫酸基及びニトロ基からなる群から選択された1又は2以上の置換基を含むことを特徴とする請求項9に記載のダイヤモンド薄膜バイオセンサ。
- 前記機能性分子がへキサメチレンジアミン又はへキサメチレンジアミンの誘導体であることを特徴とする請求項10に記載のダイヤモンド薄膜バイオセンサ。
- 前記機能性分子がフェロセン、キノン又はこれらの誘導体であることを特徴とする請求項10に記載のダイヤモンド薄膜バイオセンサ。
- 前記生体関連識別物質の表面にモノレイヤ−以上の生体膜がコーティングされていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のダイヤモンド薄膜バイオセンサ。
- 前記生体関連識別物質が固定されたダイヤモンド膜は、天然ダイヤモンド又は人工合成のダイヤモンド結晶を基板としてその上に気相合成により形成されたものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のダイヤモンド薄膜バイオセンサ。
- 前記生体関連識別物質が固定されたダイヤモンド膜は、一層又は多層に積層されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のダイヤモンド薄膜バイオセンサ。
- 前記生体関連識別物質が固定されたダイヤモンド膜は、多結晶膜、高配向膜又はヘテロエピタキシャル膜であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のダイヤモンド薄膜バイオセンサ。
- 前記生体関連識別物質が固定されたダイヤモンド膜は、その表面の一部又は全部が(111)結晶面又は(100)結晶面から構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のダイヤモンド薄膜バイオセンサ。
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