JP3102827B2 - 特異的結合アッセイ試薬及びそれを使用した測定方法 - Google Patents

特異的結合アッセイ試薬及びそれを使用した測定方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コロイド粒子標識ある
いはマイクロパーティクル標識された試薬を利用した特
異的結合アッセイ法において、新鮮な血液あるいは血清
又は血漿を分析試料として用いて測定を行った場合であ
っても、非特異的結合反応などに起因すると考えられる
擬陽性反応が起こるというような重大な問題点のない、
それでいて簡単な方法を提供するものである。本発明
は、コロイド粒子標識あるいはマイクロパーティクル標
識された試薬を利用した特異的結合アッセイ法におい
て、分析試料である新鮮な血液あるいは血清又は血漿が
接触するコロイド粒子標識あるいはマイクロパーティク
ル標識された試薬に、ヘパリンを添加配合することで、
迅速かつ正確なアッセイをなすものである。
【0002】特に本発明は、クロマトグラフィー原理と
コロイド粒子標識あるいはマイクロパーティクル標識と
を組み合わせた免疫学的アッセイ法において、分析試料
である血液あるいは血清又は血漿及びヘパリンを含有す
る試薬と共に、コロイド粒子標識あるいはマイクロパー
ティクル標識された結合物質を、クロマトグラフィー移
動させ、分析試料中の分析対象物を介して又は介さずに
クロマトグラフィー担体上に固定化された抗原、抗体等
の特異的結合物質に反応させ、分析試料中の抗体、抗原
等を、コロイド粒子標識あるいはマイクロパーティクル
標識により特異的に検知する方法、それに用いる試薬に
関する。また本発明は、特異的結合物質、例えば、抗原
又は抗体を固定化した不溶性担体粒子(以下、固定化担
体粒子と略す)試薬を利用した免疫学的凝集アッセイ法
において、新鮮な血液あるいは血清又は血漿である分析
試料を、固定化担体粒子及びヘパリンを含有する試薬と
反応させ、生起する抗原抗体反応に基づく凝集反応ある
いは凝集阻止反応を観察することにより、検体中の対応
する抗体又は抗原を測定する方法、それに用いる試薬に
も関する。
【0003】
【従来技術及び解決すべき課題】液体中に低濃度で存在
する物質を検出するための簡便で且つ信頼性が高く、更
に危険性がなく、感度の高い方法が求められている。低
濃度の物質を検出することは、通常その検査に用いるこ
とのできる試料の量が非常に制限されているような臨床
検査の分野においては非常に難しいこととなる。
【0004】しかし、特異性が高く、かつ広範囲の物質
の検出に応用できる分析系が研究され、特異的結合反応
を利用した分析法が開発されてきた。こうして開発され
た特異的結合アッセイ法は、種々の臨床応用に非常に有
用であることがわかっている。そのような特異的結合ア
ッセイ法のうちでも、特に免疫学的アッセイ法は、免疫
グロブリン(抗体)と特異的抗原決定基を有する物質
(抗原)とのあいだの特異的結合反応である抗原・抗体
反応を利用するものである。抗体は、抗原性を示すリガ
ンド物質と選択的に結合する。すなわち抗体は、抗原性
を示すリガンド物質と特異的に反応し、似た性質を有す
るものを含めた他の物質から該リガンドを識別すること
を可能にする。免疫学的アッセイ法としては、ラジオイ
ムノアッセイ法、螢光免疫アッセイ法、発光免疫アッセ
イ法、酵素免疫アッセイ法、ラテックスなどの微粒子凝
集アッセイ法などがあげられ、各種血液あるいは血清又
は血漿を測定対象物として用いて、人の臨床検査や診
断、動物の病気の診断など広い範囲において利用されて
いる。
【0005】近年、この免疫学的アッセイ法が広く用い
られるようになり、人の臨床検査や診断、動物の病気の
診断または多くの分野の研究に応用されている。この免
疫学的アッセイ法、たとえば酵素免疫アッセイ法やラジ
オイムノアッセイ法では、固体支持体、例えばポリスチ
レン等のマイクロプレートに抗原、抗体等を固定してお
き、この固体支持体を、分析対象としての抗体、抗原等
を含有する各種血液あるいは血清等分析試料と接触せし
めることにより固体支持体に固定された抗原、抗体等と
分析試料中の抗体、抗原等とを特異的に結合せしめる
が、この場合固体支持体表面上に存在する遊離結合部位
と分析試料である血液あるいは血清又は血漿中の分析対
象物とが非特異的に結合し、これが測定誤差の原因とな
る。このため、通常抗原や抗体をプレートに固定した後
ブロッキング剤で固体支持体をコーティングして前記遊
離部位をブロックすることにより非特異的吸着を防止
し、測定を行っている。この測定に使用される代表的な
ブロッキング剤として、従来から牛血清アルブミン、卵
アルブミン、ゼラチン、スキムミルク、ポリビニルアル
コール等が知られている。
【0006】ところで、最近この様な血液あるいは血清
等分析試料中の比較的微量の分析対象物を、迅速に、高
精度でかつ簡便に測定する方法として、コロイド粒子標
識あるいはマイクロパーティクル標識された試薬を利用
した特異的結合アッセイ法が開発されてきたが、その様
なコロイド粒子標識あるいはマイクロパーティクル標識
された試薬を用いると、アッセイが簡便な操作で、迅速
に、高い感度でかつ目視的検知を容易になすことが出来
ることから、各種の測定機器を使用しなくても良くなっ
たり、短時間で多数の検体を均一な処理したり、熟練し
た技術操作を不要にするなどの点で脚光を浴びてきてい
る。特に最近血液あるいは血清又は血漿の極微量の分析
対象物を簡便な操作で、迅速に、高い感度でかつ目視的
検知を容易になすことが出来るものとして、クロマトグ
ラフィー原理とコロイド粒子標識とを組み合わせた免疫
測定法が注目を浴びてきている。この方法は、コロイド
粒子標識あるいはマイクロパーティクル標識された試薬
を、分析試料と共にクロマトグラフィー移動させ、クロ
マトグラフィー媒体上の標識試薬を検知することによっ
て分析試料中の抗体、抗原等を測定するものである。
【0007】しかしながら、免疫学的コロイド粒子標識
あるいはマイクロパーティクル標識クロマトグラフィー
反応試薬を使用する医療の現場からは、より早期に診断
して早期の治療を実現するために、あるいはベッドサイ
ドなどで、従来にも増してより微量の抗体又は抗原を血
液あるいは血清等分析試料を用い即座に測定することが
求められている。特に最近では救急医療の分野で即時検
査の必要性が高まっている。ところが、このような場面
で、新鮮な血液あるいは血清又は血漿を用いて測定を行
うと擬陽性反応が起こり、問題となることが判明した。
さらに、分析試料がどの様にして得られたかに関係な
く、また測定従事者が手技に優れるか否かに関係なく、
即座に確実に正確な測定結果を得ることが求められてい
る。
【0008】また従来、不溶性担体粒子に物理吸着ある
いは共有結合の形成により抗原又は抗体を固定化した不
溶性担体粒子と血清や尿などの検体中の対応する抗体又
は抗原との間における抗原抗体反応に基づく凝集反応あ
るいは凝集阻止反応を観察することにより、検体中の対
応する抗体又は抗原を測定する免疫学的な測定試薬が知
られている。そして、この固定化担体粒子を用いる測定
方法は検体中に含まれる比較的微量の抗体又は抗原を迅
速に、高精度でかつ簡便に測定でき、短時間の内に測定
をしうるためにその場での診断が可能であり、広く利用
されている。
【0009】しかしながら、このような免疫学的凝集反
応試薬を使用する場合にあっても、同様により早期に診
断して早期の治療を実現するために、より微量の抗体又
は抗原を血液あるいは血清等分析試料を用い迅速かつ正
確に測定することが求められている。従来この免疫学的
凝集反応の試薬の中にポリエチレングリコールを添加し
て、試薬の測定感度を向上させようとし(特開昭58−
47256)ているが、ポリエチレングリコールと検体
とが反応したり、ポリエチレングリコールと固定化担体
粒子とが反応したりして測定の特異性が劣る欠点がある
とされている。またポリビニルピロリドンを添加して、
非特異的反応を抑制して、測定感度の向上を図ろうとす
ることも提案されている。しかし、新鮮な血液あるいは
血清又は血漿を用いて測定を行なった場合には、確実に
擬陽性反応の発生を予防することは知られていなかっ
た。
【0010】
【課題を解決する手段】本発明者らは、上記目的を達成
し得る免疫学的反応試薬を得るため鋭意研究してきた結
果、コロイド粒子標識あるいはマイクロパーティクル標
識結合物質と緩衝液を含有して成る測定試薬において、
ヘパリンを添加した場合には、臨床的な診断において特
異性を損なわず、且つ緊急的な測定のため分析試料とし
て新鮮な血液あるいは血清又は血漿を用いた場合でも擬
陽性などの問題のないことを見出だし、本発明を完成す
るに至った。
【0011】即ち、本発明は、特異的結合物質、例え
ば、抗原又は抗体を固定化したコロイド粒子またはマイ
クロパーティクルを含有して成る測定試薬において、ヘ
パリンを含むことを特徴とする特異的結合アッセイ試薬
を提供する。また、本発明は、特異的結合アッセイに標
識として使用するコロイド粒子またはマイクロパーティ
クルを、クロマトグラフィー移動原理を利用して用いた
場合のアッセイ法を改良するための手段を提供すること
をも目的とするものである。さらに、本発明は、特異的
結合物質、例えば、抗原又は抗体を固定化した不溶性担
体粒子と緩衝液を含有して成る測定試薬において、ヘパ
リンを含むことを特徴とする特異的結合凝集反応アッセ
イ試薬をも提供する。
【0012】新鮮な血液あるいは血清又は血漿を測定に
用いた場合、これまでコロイド粒子標識あるいはマイク
ロパーティクル標識結合物質を用いた免疫アッセイ系で
はその検体に由来する非特異的反応を吸収あるいは阻止
することができず、その測定結果に信頼がおけなかっ
た。つまり、これまで新鮮な血液あるいは血清又は血漿
による非特異的反応を防ぐことはできなかった。これに
対し、本発明では、簡単な方法で、新鮮な血液あるいは
血清又は血漿を分析試料として用い、それらが如何なる
採血法により得られたかに無関係に非特異的反応を吸収
あるいは阻止することができる。本発明では、望ましく
ない非特異的結合反応を実質的に防止するとは、このよ
うに例えば、採血してから3時間あるいはそれ以内の新
鮮な血液あるいは血清又は血漿を分析試料として用い
て、例えば、免疫クロマトグラフィーアッセイを行った
場合、アッセイ結果に実質的に重大な問題を起こすよう
な擬陽性反応を防止し、正確にアッセイ結果を目視して
判別できるようにするなどを指す。
【0013】本発明の好ましい態様では、抗原又は抗体
を固定化したコロイド粒子またはマイクロパーティクル
と緩衝液を含有して成る免疫学的アッセイ試薬に、望ま
しくない非特異的結合反応を実質的に防止するに十分な
量のヘパリンを含有せしめる。該アッセイ試薬は、単一
の液である必要は無く、複数の液及び分散液で構成され
ていても良い。アッセイ試薬が単一の液の場合、検体と
アッセイ試薬を混合して使用し、アッセイ試薬が複数の
液及び分散液で構成されている場合は、一定の操作手順
に従って試薬の各構成部品と検体とを混合して使用す
る。アッセイ試薬が複数の液及び分散液で構成される場
合には、ヘパリンを添加して保存中に試薬特性の変化が
生じない様にヘパリンを含有する構成部品を選べば良
い。なおアッセイ試薬が単一の液の場合には、固定化コ
ロイド粒子またはマイクロパーティクルを分散した液と
ヘパリンを添加した緩衝液の2液を調製し、使用直前に
1液に混合して使用すれば、保存中のコロイド粒子また
はマイクロパーティクルで標識した特異的結合物質とヘ
パリンとの好ましくない反応が防止できて好適である。
また、固形状ヘパリンをそれぞれ別個にアッセイ試薬の
一構成部品とすることも可能である。本発明において、
ヘパリンを固体のまま試薬の構成部品とすることもでき
るが、アッセイ操作を簡便に行うために、あらかじめ緩
衝液に溶解して使用する態様が好ましい。
【0014】ヘパリンとしては、例えば、ウシ、ヒツ
ジ、ブタ、ニワトリなどの健康な食用動物の肝、肺、又
は腸粘膜から得られるものが挙げられる。ウシ肺及びブ
タ小腸粘膜から製造されたものが、好ましく使用でき
る。ヘパリンは、D-グルコサミン、D-グルクロン酸、L-
イズロン酸からなるムコ多糖硫酸エステルで、通常ヘパ
リンナトリウム、ヘパリンカルシウムが入手しうるが、
ヘパリンナトリウムは水溶性があり好ましい。ヘパリン
は、分子量6,000ダルトンから30,000ダルト
ンのものが一般に容易に得られ、本発明で用いることが
出来るが、分子量7,000ダルトンから25,000
ダルトンのものがより好ましく用いることが出来る。
【0015】この免疫学的特異的結合アッセイの場合ヘ
パリンの使用量は、感度が向上する効果と、標識化コロ
イド粒子またはマイクロパーティクルが非特異的に反応
して特異性が低下する現象と、さらには試薬粘度などが
増加してアッセイが困難になる現象とを勘案して定めれ
ば良いが、測定時の全液量に対するヘパリンの濃度が非
特異的結合反応を抑制するに十分な量とする必要があ
り、例えば、測定時の全液量に対するヘパリンの濃度
で、0.05mg/mlより大きい値となるようにする
のが好ましく、0.06mg/ml〜0.4mg/ml
の範囲にある場合が好ましく、さらに0.08mg/m
l〜0.2mg/mlの範囲にある場合が特に好適であ
る。
【0016】本発明における免疫学的特異的結合アッセ
イとしては、3つのタイプ、すなわち、競合結合アッセ
イ法、サンドイッチアッセイ法及び凝集アッセイ法が挙
げられ、それらの方法は当該分野でよく知られている。
さらに、抗体または抗原をマイクロタイターウエルの表
面上にコーティングし、そのようなウエル内の溶液中で
反応を行うための方法も挙げられる。凝集物をレーザー
などを用いたエレクトロニクス機器で測定する試みもよ
く知られている。本発明の方法、キットおよび装置に関
連して用いることのできるコロイド粒子は、特異的結合
アッセイにおいて一般に用いられるものであってよい。
とりわけよく知られているのは、コロイド状金属粒子、
特に免疫学的アッセイを行うためのコロイド状金の使用
である。重合染料粒子(これはハーシュフェルドの米国
特許第4,166,105号明細書やヘンリーの米国特
許第4,452,886号明細書などに開示されている
特異的結合アッセイ法においても標識として用いること
ができる)などの他のコロイド粒子あるいはマイクロパ
ーティクルも、このクロマトグラフィー移動特異的結合
アッセイに用いることができよう。コロイド粒子標識に
は、セレン、テルル、硫黄などの非金属粒子も含まれ、
これに限定されること無くその目視可能な信号を与える
ものが本発明の目的に従うかぎり使用できることは理解
されるべきである。
【0017】本発明の標識として用いるのに適したコロ
イド粒子やマイクロパーティクルには、特異的結合物質
の活性または他の試薬や分析対象物を妨害することなく
特異的結合物質に結合させたものが含まれる。該粒子は
検出可能なものでなければならないが、比較的低濃度で
存在するときでも視覚的に検出可能なシグナルを生じる
ことが好ましい。コロイド状金属粒子は標識として用い
るのに特に適したものの一つであり、それには金属、ま
たは金属酸化物、金属水酸化物や金属塩を含む金属化合
物からなる粒子が挙げられる。粒子は純粋な金属または
金属化合物からなっていてよいが、金属または金属化合
物をコーティングしたポリマー核を有するものからなっ
ていてもよい。そのような粒子は、純粋な金属または金
属化合物からなる粒子に似た性質を示すことが知られて
いる。適当な金属または金属化合物としては、例えば、
プラチナ、金、銀および銅などの金属、例えば、ヨウ化
銀、臭化銀、水酸化銀、酸化鉄、水酸化鉄または水和酸
化鉄、水酸化アルミニウムまたは水和酸化アルミニウ
ム、水酸化クロムまたは水和水酸化クロム、硫酸銅、硫
酸水銀、硫酸バリウム二酸化チタンなどの金属化合物よ
りなる群から選ばれたものが挙げられる。好ましい金属
コロイド粒子には、金、銀または酸化鉄からなる粒子が
挙げられる。
【0018】コロイド状金属粒子は、当該技術分野で一
般に知られた方法に従って製造することができる。特に
フレンスのネイチャー(Nature)、241、20
(1973)には、種々の大きさの金ゾル粒子の製造法
が開示されている。金コロイド粒子の製造は、塩化金の
溶液を加熱沸騰させ、ついでクエン酸ナトリウムの溶液
と混合して塩化金を還元する方法により行うことができ
る。上記二つの溶液を混合するとすぐに沸騰溶液は薄い
青色に変色して核生成の開始を示し、その後すぐに青色
が赤色に変わって単一分散粒子の生成を示す。塩化金の
還元は沸騰をさらに数分続けた後に完了する。得られる
粒子の大きさは、クエン酸ナトリウム溶液の濃度を変化
させることにより調節することができる。他の金属およ
び金属化合物からなる粒子ならびにポリマー核を有する
粒子もまた同様の方法により得ることができよう。金属
粒子標識で与えられる視覚的に検出可能なシグナルの色
は、金属粒子の種類および粒径に依存して異なる。たと
えば、コロイド状金粒子の場合には、ゾルの粒径に依存
してオレンジ〜赤〜赤紫にわたる色を生じる。
【0019】セレン、テルルおよび硫黄などの非金属の
コロイド粒子は、特開昭64−35372号に記載の方
法あるいはそれの改良法により調製することができる。
こうして得られた非金属のコロイド粒子のうち特異的結
合アッセイに用いて特に好ましいものに、セレンコロイ
ド粒子が挙げられる。マイクロパーティクルとしては、
合成あるいは天然の高分子からなる微粒子、例えば、ベ
ントナイト、ラテックス、その他の当該分野で知られた
ものが挙げられる。これらのうち染料などで着色された
ものは好ましく利用できる。
【0020】本発明の特異的結合物質とコロイド粒子あ
るいはマイクロパーティクル標識の結合は、当該技術分
野で一般に知られた方法により行うことができる。コロ
イド粒子標識等は特異的結合物質に直接結合させる必要
はなく、コーティングするか他の試薬で前もって処理す
ることにより付着させるようにしてもよい。レーベリン
グの米国特許第4,313,734号明細書には金属ゾ
ル粒子を不活性なポリマーおよびコポリマーコーティン
グでコーティングする方法が開示されている。金属ゾル
をポリマーと接触させるようにしてもよいし、1または
それ以上のモノマーを含有する環境にゾルを置いて重合
反応を開始するようにしてもよい。不活性なポリマーで
コーティングした後、吸着または共有結合により特異的
結合成分をコーティング物質に結合させることができ
る。
【0021】本発明において有用なクロマトグラフィー
用媒体には、毛管現象を示し、選択したクロマトグラフ
ィー溶媒により非固定化試薬や反応性試料成分をクロマ
トグラフィー溶媒移動させることができるようなクロマ
トグラフィー用媒体物質が挙げられる。本発明に用いる
クロマトグラフィー用媒体物質はストリップ状のもので
あることが好ましく、さらにはそれらストリップが複数
一端においてつながったものがあげられるが、クロマト
グラフィーカラム中の粒子やゲル物質を含む他の形態の
ものも想定することができ、これらに限られるものでは
ない。ペーパークロマトグラフィーに用いる織った繊維
状物質および織ってない繊維状物質のような広い範囲の
クロマトグラフィー用ストリップ状物質を本発明に用い
ることができるが、微多孔質または微細顆粒状薄層クロ
マトグラフィー用物質はアッセイのスピードおよび解析
力を高める上で特に好ましい。クロマトグラフィー用物
質は不活性であって、一般に試料成分、試薬、コロイド
粒子標識、バッファーまたは反応生成物のいづれとも物
理的または化学的に反応しないものが好ましく使用され
るが、本発明の目的を逸脱しない範囲でそれ以外のも
の、例えば、妨害物質と積極的に反応し、良好なアッセ
イ結果を与えるものは許容しえる。
【0022】本発明に使用することのできるクロマトグ
ラム用基体物質としては、ガラスやプラスチックなどの
いかなる固体であってもよいが、紙やニトロセルロース
などの多孔質または繊維状マトリックスが好ましく、ま
た薄層クロマトグラフィーに用いられるものが挙げら
れ、特に適した薄層クロマトグラフィー用基体物質とし
ては、シリカや微細顆粒セルロースなどの顆粒状薄層ク
ロマトグラフィー用物質が挙げられる。好ましい非顆粒
状多孔質物質としては、微多孔質セルロースエステル、
たとえば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸などの炭
素数1〜7のアルカンカルボン酸などの脂肪族カルボン
酸とのセルロースエステルが挙げられる。特に好ましい
のはニトロセルロースから作られた微多孔質物質であ
り、ここでニトロセルロースはセルロースのいかなる硝
酸エステルをも包含していてもよい。好ましいクロマト
グラフィー用物質には、ニトロセルロースと上記カルボ
ン酸セルロースエステルとの組み合わせたものが挙げら
れる。従って、純粋なセルロースエステルを修飾し、6
個の炭素原子当たり3個の硝酸基を含むようにしたセル
ロースエステルも用いることができる。ニトロセルロー
スクロマトグラフィー用物質は、市販のものを用いるこ
とができる。
【0023】種々のクロマトグラフィー用基体物質は、
それ自体フィルム、短冊、シート、ストリップなどの適
当な形態で用いることができる。これら基体物質はま
た、紙、ガラス、プラスッチ、金属または織物などの適
当な不活性支持物質上にコーティングし接着したラミネ
ートとすることもできる。そのような支持物質はクロマ
トグラフィー用基体物質の構造上の支持体となるものば
かりでなく、アッセイ工程の中の試薬および溶媒物質の
蒸発をも防ぐ作用をも有している。カバープレートもま
たそのような不活性物質で作ることができる。カバープ
レートは本発明の実施にあたり必ずしも必要ではない
が、さらに構造上の支持を付与し、アッセイ工程中、試
薬および溶媒物質の蒸発を防ぐために好ましい。そのよ
うなカバープレートはアッセイの進行状態を見ることが
できるように透明であってよく、また試料物質、クロマ
トグラフィー溶媒または試薬を加えるための口部を備え
ていてよい。
【0024】アッセイを行うクロマトグラフィー用媒体
の形態および大きさはいかようであってもよいが、約
0.01mm〜約0.5mmの範囲の厚さを持つものが
好ましく使用でき、最も好ましくは約0.1mmの厚さ
の短冊状ストリップの形態であるものが挙げられるが、
これには限定されない。ストリップの他の部分の寸法に
ついては広い範囲で変化させることができるが、アッセ
イ進行の時間を短縮し、高価な試薬並びにクロマトグラ
フィー用基体物質の使用を最小にするため相当小さくす
るのが好ましい。ストリップが極めて小さいときは、取
り扱いや結果の観察を容易にするために適当なハンドル
またはホールダーに取り付けてもよい。幅が約3mmか
ら約5mmで、長さが約40mmから約100mmまで
のストリップが、特に適しているが、本発明の目的に応
じてそれとは違う大きさのものも使用できる。孔径は広
い範囲で変化させることができるが、孔径の下限は、移
動させる分析対象物、試薬およびコロイド粒子標識の大
きさにより限定されよう。孔径が余りにも小さすぎる
と、アッセイ物質の移動は遅くなるか、または全然移動
されなくなる。一方、孔径の上限は、結合値により限定
されれる。一般にクロマトグラフィー移動がすみやかに
行なわれ、アッセイがすみやかに完了するのが好まし
い。クロマトグラフィー移動が余り速すぎて、試薬がお
互いに特異的に結合する時間がないために特異的結合値
が失われるようであってはならない。従って、孔径と基
体の厚さ及び大きさの組合わせは、所望のスピードおよ
び解析力を得るために、クロマトグラフィー溶媒、特異
的試薬、試料物質およびコロイド粒子標識の特性に応じ
て変化させることができる。ストリップ物質を調製する
に際し、物質中、または物質の縁中に不規則性があって
クロマトグラフィー用物質中で不均一な流れを起こすよ
うなことは避けるのが望ましい。
【0025】本発明で用いられる装置のクロマトグラフ
ィー用媒体は化学的に不活性であることが好ましいの
で、溶媒移動に対して特異的結合物質を固定化しようと
思ういづれかのゾーンで固定化を果たすための活性化を
しなければならない場合もある。クロマトグラフィー用
基体物質および使用する試薬の特定の化学的性質に従っ
て、試薬を固定化するために種々の方法を用いることが
できる。このような方法としては、通常共有結合や物理
的吸着法が挙げられる。共有結合法は、クロマトグラフ
ィー用媒体と試薬とを共有結合によって結合させて固定
化する方法である。この方法で試薬をクロマトグラフィ
ー用基体物質に結合させる際に関与する官能基は、α−
アミノ基、ε−アミノ基、α−カルボキシル基、β−カ
ルボキシル基、γ−カルボキシル基、水酸基、メルカプ
ト基、イミダゾール基、フェノール基などが挙げられ
る。これらの官能基は、通常アルデヒド、酸ハロゲン化
物、酸アジド、酸無水物、ジアゾニウム基、イソシアネ
ート、活性ハロゲン化アルキルなどによりさらに反応性
の官能基に変換されて、その利用が図られる。
【0026】一般にクロマトグラフィー用媒体がニトロ
セルロースまたは混合ニトロセルロースエステルである
場合には、試薬を固定化するためにいかなる特別の化学
的結合も必要とされない。他の物質および試薬のために
種々の技術を用いることができ、これにはカルボニルジ
イミダゾール、グルタルアルデヒド、スクシンアルデヒ
ド、マロンアルデヒド、コハク酸、o−フェニレンビス
マレイミド、エピクロルヒドリン、N−ヒドロキシスク
シンイミド、ジイソシアネート化合物、ジイソチオシア
ネート化合物、N−スクシンイミジル 4−(N−マレ
イミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレー
ト,〔N−(m−マレイミドベンゾイルオキシ)スクシ
ンイミド〕、N−スクシンイミジル 3−(2−ピリジ
ルジチオ)プロピオネートなどの物質による官能化、ま
たは臭化シアンなどの物質による処理が含まれる。他の
適当な反応としては、シッフ塩基およびアルデヒド基、
カルボニル基およびアミノ基を還元するためにホウ化水
素で処理することが挙げられる。
【0027】本発明に用いるのに適した特異的結合物質
には、リガンドとレセプターからなる特異的結合パート
ナーの一方であるような物質が含まれる。リガンドとレ
セプターは、レセプターがリガンドに特異的に結合して
他の似た性質を有する物質からリガンドを識別すること
ができるという点で互いに密接に関連したものと考える
ことができる。本発明の方法、キットおよび装置は、特
異的結合物質が抗原と抗体であるような免疫学的アッセ
イ法を行うのに特に有用なものがふくまれる。また、ア
ビジン、ビオチン、ストレプトアピジンおよび抗ビオチ
ンなどの特異的結合物質もまた、コロイド粒子あるいは
マイクロパーティクルで標識し使用することができ、本
発明によるクロマトグラフィー溶媒移動アッセイに利用
することができる。本発明の方法、キットおよび装置
は、ホルモンや他の生物学的に活性な薬剤のレセプター
の関与するものを含む他の特異的結合アッセイを行う場
合にも有用であろう。
【0028】本発明においては、固定化担体粒子と緩衝
液を含有して成る凝集反応アッセイ試薬にヘパリンを含
有させることもできる。該アッセイ試薬は、単一の液で
ある必要は無く、複数の液及び固形物で構成されていて
も良い。アッセイ試薬が単一の液の場合、検体とアッセ
イ試薬を混合して使用し、アッセイ試薬が複数の液及び
固形物で構成されている場合は、一定の操作手順に従っ
て試薬の各構成部品と検体とを混合して使用する。アッ
セイ試薬が複数の液及び固形物で構成される場合には、
ヘパリンを添加して保存中に試薬特性の変化が生じない
様にヘパリンを含有する構成部品を選べば良い。なおア
ッセイ試薬が単一の液の場合には、固定化担体粒子を分
散した液とヘパリンを添加した緩衝液の2液を調製し、
使用直前に1液に混合して使用すれば、保存中の固定化
担体粒子とヘパリンとの非特異的な反応が完全に防止で
きて好適である。また、固定化担体粒子の乾燥品及び固
形状ヘパリンをそれぞれ別個にアッセイ試薬の一構成部
品とすることも可能である。
【0029】本発明において、ヘパリンを固体のまま試
薬の構成部品とすることもできるが、アッセイ操作を簡
便に行うために、あらかじめ緩衝液に溶解して使用する
態様が好ましい。本発明において使用する緩衝液は種々
の緩衝液が限定されずに使用できるが、リン酸緩衝液、
グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液、トリス−塩酸緩衝
液、塩化アンモニウム−アンモニア緩衝液、などの緩衝
液が好適に使用される。ヘパリンの使用量は、感度が向
上する効果と、固定化担体粒子が非特異的に凝集して特
異性が低下する現象と、さらには試薬粘度が増加して撹
拌が困難になる現象とを勘案して定めれば良いが、測定
時の全液量に対するヘパリンの濃度が、非特異的結合反
応を抑制するに十分な量とする必要があり、例えば、測
定時の全液量に対するヘパリンの濃度で、0.05mg
/mlより大きな値となるようにするのが好ましく、
0.06mg/ml〜0.4mg/mlの範囲にある場
合が好ましく、さらに0.08mg/ml〜0.2mg
/mlの範囲にある場合が特に好適である。
【0030】本発明において固定化担体粒子は特異的結
合物質、例えば、抗原又は抗体を不溶性担体粒子に固定
化して調製する。不溶性担体粒子としては、固定化、保
存及び測定を行う時に用いられる液体媒体に実質的に不
溶性の不溶性担体粒子であり、平均粒子径10μm程度
以下の微粒子が好適に用いられる。これらの粒子として
は、すでに特異的結合反応、例えば、抗原抗体反応に使
用されるものが種々知られており、本発明においてもこ
れらの公知の微粒子が特に限定されず使用できる。特に
好適に使用されるものを例示すると例えば、ポリスチレ
ン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−メタク
リル酸共重合体、ポリグリシジルメタクリレート、アク
ロレイン−エチレングリコールジメタクリレート共重合
体の様な乳化重合法により得られる有機高分子ラテック
ス粒子などの有機高分子物質の微粒子、ゼラチン、ベン
トナイト、アガロース、架橋デキストランなどの微粒子
あるいはシリカ、シリカ−アルミナ、アルミナの様な無
機酸化物または該無機酸化物などにシランカップリング
処理などの操作で官能基を導入した無機粒子さらにはヒ
トO型赤血球、ヒツジ赤血球などの生物由来の粒子など
が挙げられる。
【0031】本発明の免疫学的アッセイを行うのに有用
な抗体には、生物学的流体中での検出が望まれている種
々の分析対象物と特異的に反応するものが含まれる。そ
のような抗体は好ましくはIgG、IgM、IgA、I
gE、IgD抗体またはこれらの混合物であり、これら
は非分析対象分子と結合することのできる抗体との会合
体を実質的に含んでいないものでなければならない。抗
体はポリクローナルであってもモノクローナルであって
もよい。抗体としては、周知の方法で、ウサギ、モルモ
ット、マウス、ヤギ、ヒツジ、ウマなどの哺乳動物や、
ニワトリ、アヒル、ガチョウなどの鳥類に抗原やハプテ
ン等を免疫して得られるものであってよく、さらにバイ
オテクノロジー技術、例えば、細胞融合法などの技術を
用いて得られるものであってよく、それらは精製されて
用いられる。これらは市販されているものが使用でき、
またモノクローナル抗体は、マウス腹水、組織培養物ま
たは当該技術分野で知られた他の技術により得られたも
のであってよい。
【0032】本発明のイムノアッセイを行うのに有用な
抗原およびハプテンには、天然のものであるか合成した
ものであるかにかかわらず選ぶことが出来る。特に、本
発明のクロマトグラフィー用ストリップ物質上に存在す
るときに、分析対象物である抗体が特異的に反応する抗
原決定部位を示すような物質が挙げられる。本発明によ
れば、ホルモン、ビタミン、医薬、農薬、代謝産物、生
体成分、レセプターなどもその測定対象とすることがで
きる。合成抗原には、通常の化学合成により作られたも
の、および組換えDNA技術により作られたものが挙げ
られる。
【0033】抗原としては、ステロイド系ホルモン、ペ
プチドホルモン及び蛋白質ホルモン、あるいは生体蛋
白、結核菌、MRSAなどの細菌、α−フェトプロテイ
ン、癌胎児性抗原(CEA)、CA 19−9などの癌
抗原、B型肝炎表面抗原(HBs抗原)、狂犬病ウイル
ス、インフルエンザウイルス、風疹ウイルス、AIDS
ウイルスなどのウイルス抗原などが挙げられる。本発明
において、不溶性担体粒子に固定化する抗原又は抗体と
しては、特に限定的でなく上記したような公知のものが
使用できる。
【0034】本発明において、不溶性担体粒子に抗原又
は抗体を固定化する方法は、上記したような方法も用い
ることが出来、物理的吸着、化学的共有結合の形成のい
ずれでも良い。化学的共有結合の形成についてはすでに
多くの方法が提案されており、固定化する抗体の特性に
合わせ公知の方法から固定化方法を選択すれば良い。一
般には分散媒中で抗体を必要に応じて架橋剤の存在下に
不溶性担体粒子と混合すれば良い。架橋剤としてはグル
タルアルデヒド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミ
ノプロピル)カルボジイミド塩酸塩などの公知のものが
使用できる。不溶性担体粒子に抗原又は抗体を固定化す
る際の分散媒は特に限定的ではなく公知のものが使用さ
れるが、上記の架橋剤を使用する場合には分散媒中の成
分が架橋剤と反応しない分散媒を用いる必要がある。固
定化する際の不溶性担体粒子の分散媒中の濃度は特に限
定されるものではない。抗原又は抗体の濃度も特に限定
されるものではない。本発明において、固定化担体粒子
を用いた免疫学的アッセイ方法即ち、抗体固定化担体粒
子上の抗原又は抗体と被検体中の対応する抗体又は抗原
などとの間における抗原抗体反応に基づく凝集反応ある
いは凝集阻止反応を観察する方法は、目視、光学的測定
方法など公知の方法が特に限定されず使用しうる。
【0035】
【実施例】次に実施例を示して、本発明を更に具体的に
説明する。 実施例1 クロマトグラフィー原理を用いたモノクロナール抗体を
用いたサンドイッチイムノアッセイ法を、以下のように
行った。測定キットは 1)抗HBsマウスモノクロナール抗体固相化クロマト
グラフィーシート 2)セレンコロイド標識抗HBsマウスモノクロナール
抗体試薬 3)セレンコロイド標識抗HBsマウスモノクロナール
抗体試薬溶解液からなる。
【0036】(セレンコロイドの調製)沸騰蒸留水(2
00ml)に、3%二酸化セレン(2ml)及び新しく
溶解した1%アスコルビン酸(4.5ml)を加えた。
この溶液を10分間還流した後、室温に冷却した。得ら
れた褐色がかった赤色溶液を、2,500×g、4℃で
20分間遠心分離した。得られたペレットを蒸留水(2
00ml)に再び懸濁した。
【0037】(セレンコロイド標識抗HBsマウスモノ
クロナール抗体試薬の調製)10mMトリス緩衝液(p
H7.4)中のダイナボット社製の精製抗HBsマウス
モノクロナール抗体(1.0mg/ml)を上記セレン
コロイド5mlに、12μg/mlとなるように添加
し、25℃で20分間攪拌する。その後ポリエチレング
リコール(PEG:平均分子量20k)を最終濃度0.
5%になるように加え、8,000×g、4℃で5分間
遠心分離を行い、ペレットを得た。これを2%FCS、
2%アルカリ処理カゼイン、0.5%PEGを含む50
mMトリス緩衝液(pH7.4)75mlに懸濁した。
この懸濁セレンコロイド標識抗体液を凍結乾燥し、セレ
ンコロイド標識抗HBsマウスモノクロナール抗体試薬
とした。
【0038】(セレンコロイド標識抗HBsマウスモノ
クロナール抗体試薬溶解液の調製)10mMトリス緩衝
液(pH7.4)を調製し、これを溶解液とした。
【0039】(抗HBsマウスモノクロナール抗体固相
化クロマトグラフィーシート)試験シート(テストスト
リップ)は、0.3cm×3.0cmの大きさに切断さ
れたニトロセルロース紙を支持相とした。テストストリ
ップ上にダイナボット社製の精製抗HBsマウスモノク
ロナール抗体液(3.0mg/ml)を1μlスポット
したのち、室温にて乾燥し、最終固相化クロマトグラフ
ィーシートとした。
【0040】(測定試験)検体として、ヘパリン血漿、
EDTA血漿、及び血清を用いた。なお、ヘパリン血漿
におけるヘパリン濃度は、通常の採血レベルのものであ
った。各検体は、30分以内のもの、1時間、3時間、
5時間、そして1日後のものである。セレンコロイド粒
子標識抗体試薬をその等容量のセレンコロイド粒子標識
抗体試薬用溶解液で溶解調製し、こうして得られたセレ
ンコロイド粒子標識抗体試薬液とした。一方、同様にし
て同じロットの別のセレンコロイド粒子標識抗体試薬
を、その等容量のセレンコロイド粒子標識抗体試薬用溶
解液で溶解調製し、こうして得られたセレンコロイド粒
子標識抗体試薬液にヘパリンを0.2mg/mlとなる
ように添加した抗体試薬液を調製し、ヘパリン添加セレ
ンコロイド粒子標識抗体試薬液とした。
【0041】セレンコロイド粒子標識抗体試薬液あるい
はヘパリン添加セレンコロイド粒子標識抗体試薬液25
μlを、マイクロピペットを使用して、試験用の穴に滴
下する。次に、その穴に陽性コントロールあるいは検体
25μlをそれぞれマイクロピペットを使用して添加す
る。なお、試薬液は添加前に必ず均一になるように懸濁
処理をした。検体添加後、攪拌する。次に、混合物を約
15〜約30℃で約2分間以上プレインキュベーション
を行う。ついで抗体固相化クロマトグラフィーシートを
各穴に浸し、約15〜約30℃で約15分間インキュベ
ーションを行う。同様に約40分間及び約18時間イン
キュベーションを行う試験もした。インキュベーション
後クロマトグラフィーシートを各穴より取り出し、結果
を判定する。
【0042】アッセイ結果の判定は、抗体固相化クロマ
トグラフィーシート上に付けられた抗HBsマウスモノ
クロナール抗体固相化部(スポット部)に生じるセレン
コロイド粒子由来の赤色の有無で行った。ヘパリン添
加、ヘパリン非添加それぞれについて、ヘパリン血漿を
32検体、EDTA血漿を39検体、及び血清を31検
体使用しての試験を行った。アッセイ結果を第1表に示
す。
【0043】
【第1表】
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、コロイド粒子標識ある
いはマイクロパーティクル標識された試薬を利用した特
異的結合アッセイ法において、新鮮な血液あるいは血清
又は血漿を用い測定を行った場合であっても、非特異的
結合反応などに起因すると考えられる擬陽性反応が起こ
るというような問題がない。したがって、救急医療の分
野で迅速かつ正確に検査することを可能にする。また、
ベッドの横などで手軽かつ短い時間で測定ができること
となる。分析試料をどの様にして採血して得られたかと
か、採血してからの時間などの管理を不要にし、更に分
析試料をどのように希釈しているかなどの取扱によるこ
となく迅速正確に検査結果を得ることが出来る。また本
発明によれば、抗原又は抗体を固定化した不溶性担体粒
子試薬を利用した免疫学的凝集アッセイ法において、新
鮮な血液あるいは血清又は血漿を用いても非特異的反応
無しに、迅速正確に検査結果を得ることが出来る。
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 33/553 G01N 33/553 // C12P 21/08 C12P 21/08 (C12P 21/08 C12R 1:91) (56)参考文献 特開 昭57−182169(JP,A) 特開 平6−213891(JP,A) 特開 平2−293664(JP,A) 特開 平5−34348(JP,A) 特開 昭64−32169(JP,A) 特開 昭63−25553(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/543 G01N 33/531 G01N 33/553

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コロイド粒子で標識された特異的結合物
    質と、望ましくない非特異的結合反応を実質的に防止す
    るに十分な量のヘパリンとを含有する特異的結合クロマ
    トグラフィーアッセイ試薬。
  2. 【請求項2】 ヘパリンの量が、測定時の試料当たり少
    なくとも0.05mg/mlより大きな値を与えるもの
    である請求項1記載の試薬。
  3. 【請求項3】 ヘパリンの量が、測定時の試料当たり少
    なくとも0.08mg/mlを与えるものである請求項
    1記載の試薬。
  4. 【請求項4】 ヘパリンの量が、測定時の試料当たり少
    なくとも0.1mg/mlを与えるものである請求項1
    記載の試薬。
  5. 【請求項5】 特異的結合アッセイが、抗原抗体結合反
    応を利用した免疫アッセイである請求項1〜4のいずれ
    か一に記載の試薬。
  6. 【請求項6】 特異的結合アッセイが、免疫学的クロマ
    トグラフィーアッセイである請求項1〜5のいずれか一
    に記載の試薬。
  7. 【請求項7】 特異的結合アッセイが、サンドイッチ型
    免疫クロマトグラフィーアッセイである請求項1〜6の
    いずれか一に記載の試薬。
  8. 【請求項8】 特異的結合物質が、抗体、抗原、及びハ
    プテンからなる群から選ばれたものである請求項1〜7
    のいずれか一に記載の試薬。
  9. 【請求項9】 試薬が、新鮮な血液あるいは新鮮な血清
    又は血漿を分析試料として用いて、測定を行うことので
    きるものである請求項1〜8のいずれか一に記載の試
    薬。
  10. 【請求項10】 コロイド粒子が、染料重合体、硫黄、
    セレン、テルル、金、プラチナ、銀、銅、沃化銀、臭化
    銀、酸化鉄、水酸化銅、水酸化アルミニウム、水酸化ク
    ロム、硫酸銅、硫酸水銀、硫酸バリウム、二酸化チタン
    及び水酸化鉄からなる群から選ばれたものである請求項
    1〜9のいずれか一に記載の試薬。
  11. 【請求項11】 コロイド粒子で標識された特異的結合
    物質を用いる分析試料中の分析対象物の存在の有無ある
    いは量を測定する方法において、該分析対象物とコロイ
    ド粒子で標識された特異的結合物質とを、望ましくない
    非特異的結合を実質的に防止するに十分な量のヘパリン
    の存在下反応させることを特徴とする特異的結合クロマ
    トグラフィーアッセイ方法。
  12. 【請求項12】 ヘパリンの量が、(1) 測定時の試料当
    たり少なくとも0.05mg/mlより大きな値を与え
    るもの、(2) 測定時の試料当たり少なくとも0.08m
    g/mlを与えるもの、あるいは(3) 測定時の試料当た
    り少なくとも0.1mg/mlを与えるものである請求
    項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 特異的結合アッセイが、抗原抗体結合
    反応を利用した免疫アッセイである請求項11または1
    2に記載の方法。
  14. 【請求項14】 特異的結合アッセイが、免疫学的クロ
    マトグラフィーアッセイである請求項11〜13のいず
    れか一に記載の方法。
  15. 【請求項15】 特異的結合アッセイが、サンドイッチ
    型免疫クロマトグラフィーアッセイである請求項11〜
    14のいずれか一に記載の方法。
  16. 【請求項16】 特異的結合物質が、抗体、抗原、及び
    ハプテンからなる群から選ばれたものである請求項11
    〜15のいずれか一に記載の方法。
  17. 【請求項17】 新鮮な血液あるいは新鮮な血清又は血
    漿を分析試料として用いて測定を行うものである請求項
    11〜16のいずれか一に記載の方法。
  18. 【請求項18】 コロイド粒子が、染料重合体、硫黄、
    セレン、テルル、金、プラチナ、銀、銅、沃化銀、臭化
    銀、酸化鉄、水酸化銅、水酸化アルミニウム、水酸化ク
    ロム、硫酸銅、硫酸水銀、硫酸バリウム、二酸化チタン
    及び水酸化鉄からなる群から選ばれたものである請求項
    11〜17のいずれか一に記載の方法。
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