JP3727661B6 - シグナル発生酵素としてバナジウムブロモペルオキシダーゼを使った特異的結合リガンドの測定用の分析要素および方法 - Google Patents

シグナル発生酵素としてバナジウムブロモペルオキシダーゼを使った特異的結合リガンドの測定用の分析要素および方法 Download PDF

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発明の分野
本発明は、液体試料中の特異的結合リガンドを検出するための分析要素およびそれの使用方法に関する。より詳しくは、本発明は、そのような分析要素におけるシグナル発生酵素としてのバナジウムブロモペルオキシダーゼの使用に関する。
発明の背景
分析および診断方法において、並びに医療および検査において、様々な液体例えば生物学的液体中に存在する化学的および生物学的物質の迅速且つ正確な測定が引き続き必要である。例えば、能率的な研究、診断および治療のためにはタンパク質、ホルモン、薬物、ウイルス、微生物、麻酔薬およびステロイド類の存在を迅速且つ正確に測定しなければならない。
最近の数十年間で上述の物質を検出するための様々な分析方法が開発された。それらの方法は信頼性が高くなり、ある場合には、自動化に適し、またキット形態での使用に適するようになった。そのような方法の大部分は、検出しようとする物質(本明細書中では「特異的結合リガンド」または「リガンド」と称する)と、該リガンドを認識して該リガンドと特異的に反応する対応する「レセプター」との間の「特異的結合反応」として当該技術分野で知られているものに頼っている。大部分の既知の特異的結合反応は、免疫反応体間(「イムノアッセイ」の場合)、例えば抗体と抗原、または抗体とハプテンとの間であるが、アビジンとビオチンのような別の反応も知られている。
一般に、イムノアッセイは、特定の抗原、抗体または抗原−抗体複合体の存在または不在(または量)の定性および/または定量測定を提供することができる。「競合結合イムノアッセイ」として知られるイムノアッセイの一形態では、測定しようとするリガンドの標識類似体が、リガンドとリガンド類似体の両者と反応することができる固定量の適当な抗体と競争状態に置かれる。類似体上の標識は「遊離」形または複合体形(すなわち反応した形)において適宜検出することができる。そのような検出がひいては、試験している試料中にどれくらいのリガンドがあるかを使用者に教えるだろう。
「サンドイッチ」イムノアッセイまたはイムノメトリックアッセイとして知られる別のイムノアッセイ方式では、異なるエピトープ部位でリガンドに結合する2以上のレセプター分子とリガンドとが接触せしめられる。一方のレセプターは適当に標識され、そして他方のレセプターは固体支持体上に固定化されているか、またはその上に固定化することができる。リガンドの量はリガンドと2つのレセプターの間で結合した複合体の量に正比例する。
イムノアッセイは、伝統的には溶液中で、またはアッセイ中に沈澱する試薬から液体が何かの方法で除去される試験装置中で行われている。溶液技術はこの分野で広く受け入れられているけれども、それらの技術は典型的には、複雑な溶液取扱および輸送能をしばしば有する分析機器を必要とする。更に、そのようなアッセイで使われる分析機器は、複雑な液体取扱が必要なことがあり、更に試料間汚染を防ぐために必要であろう精密なクリーニングと操作の両方のために、熟練した技術者を必要とする場合がある。
溶液化学に代わるものは乾式分析要素の使用である。乾式分析要素では全部の水性溶液が使用できるわけではないことを理解すべきである。何故なら、コーティング剤、バインダー、および前記要素の構造的完全性を維持するために必要な他の試薬からの干渉があるためである。また、好結果をもたらす要素の集成には多様な科学学問がしばしば要求される。更に、乾式分析要素は配合禁忌の成分を分離するために区画区分を使用しなければならず、別々の液体貯蔵と連続した液体添加を使用することができる溶液化学の場合にはそういったことがない。
乾式分析要素およびイムノアッセイへのそれらの使用は、Pierce他への米国特許第4,258,001号、Frickey他への米国特許第4,670,381号、国際公開第82/2601号公報(1982年8月5日公開)、欧州特許出願第051 183号(1982年5月12日公開)、および欧州特許出願第066 648号(1982年12月15日公開)をはじめとする、多数の刊行物中に記載されている。
検出に酵素標識を使用する改良型乾式分析要素およびイムノアッセイへのそれらの使用は、Belly他への1992年8月31日出願の同時係属および同時譲渡出願である米国特許出願第938,460号明細書中に記載されている。西洋ワサビペルオキシダーゼがBelly他の出願明細書に開示された好ましい酵素標識である。そのような要素は、結合した(または複合体形成した)免疫反応体から未結合の反応体を分離するための特定の洗浄技術を使って、非常に低い濃度で存在する分析物の検出に備える。
標識としてペルオキシダーゼを使った乾式分析要素において行われるイムノアッセイでは、ペルオキシダーゼの安定性が非常に重要である。何故なら、その濃度のわずかな変化でもアッセイ感度に重大な影響を及ぼすからである。Friedman他への米国特許第5,372,932号明細書に記載されたアッセイでは、乾式分析要素中の酵素または酵素標識の安定性を高めるための剤として4′−ヒドロキシまたは4′−アルコキシアリールアセトアミドが使われている。それらの剤は改善された安定性をもたらしたけれども、ペルオキシダーゼ標識の安定性は乾式分析要素に望ましいものよりもまだ低いことが観察された。
最近、ButlerおよびWalkerは、過酸化水素と臭化物アニオンの存在下で、有力な酸化剤である活性臭素種を触媒的に生成する、水生および海生藻類から抽出されたバナジウムブロモペルオキシダーゼ(VBrPO)酵素群並びに陸生地衣類および真菌類から抽出された幾つかの酵素を記載した(Butler他,Chem.Revs)., 93,1937-1944頁,1993年およびその中の参考文献を参照のこと)。
大部分のハロペルオキシダーゼが抱える問題の1つは、それらの最適pHが一般に低いpH域、即ち3〜5にあることである。これは、ペルオキシアニオンに依存する従来技術の分析要素に問題を提供する。ヒドロペルオキシドは典型的には約11.5のpKaを有する。バナジウムブロモペルオキシダーゼは、約6〜10のpH域で効率的に作用する。
従来技術において開示された分析要素および方法は高められたアッセイ感度および安定性を示すけれども、この技術分野においては更なる改良がまだ必要である。例えば、Friedman他への米国特許第5,372,932号明細書に記載された安定剤の使用を必要としない、より単純な分析要素を提供する必要性がある。更に、既知の従来法よりも改善された酵素安定性および高い感度を有する要素を提供する必要性がまだある。
発明の要約
従来技術の乾式分析要素およびイムノアッセイに関する上述の課題は、少なくとも1つの区画に、バナジウムブロモペルオキシダーゼ標識免疫反応体を含んで成る分析要素を使用することによる本発明により解決された。
より具体的には、本発明は、特異的結合リガンドの測定に有用な分析要素であって、
(i) 多孔質展開区画
(ii) 前記多孔質展開区画と液体接触状態にある1または複数の追加の区画、および
(iii)所望により、上記区画と液体接触状態にある吸収材料
を含んで成り、前記区画のうちの少なくとも1つに、着目の特異的結合リガンドまたはそれのレセプターのいずれかと特異的に反応することができるバナジウムブロモペルオキシダーゼ標識免疫反応体を含有することを特徴とする分析要素に関する。
本発明はまた、上述のイムノアッセイ分析要素を使用する特異的結合リガンドの測定方法であって、
(A)特異的結合リガンドを含むと思われる液体試料を前記分析要素と接触せしめ;
(B)前記分析要素を、
(a) バナジウムブロモペルオキシダーゼの酵素活性に応じてシグナルを与える化学発光シグナル発生試薬であって、22,3−ジヒドロ−1,44−フタラジンジオン誘導体であるシグナル発生試薬;
(b) ハロゲン、ハロゲン、擬ハロゲン、ハロゲン供給源または擬ハロゲン供給源;および
(c) ペルオキシドまたはペルオキシド生成試薬配合物
を含んで成る洗浄用組成物と接触せしめ;そして
(C)着目の特異的結合リガンドの測度として、反応した形態または未反応の形態のいずれかのバナジウムブロモペルオキシダーゼ標識免疫反応体を検出する
ことを含んで成る方法も提供する。
本発明は、乾式分析要素に使われる高感度で且つ安定な組成物を提供する。本発明の要素は様々な特異的結合リガンドの測定に有用であるが、低濃度のリガンドの測定に特に有用である。酵素安定性および高められた検出能という利点は、該要素の中にバナジウムブロモペルオキシダーゼ標識免疫反応体を含めることによって達成される。
【図面の簡単な説明】
図ぬは、要素の一成分としてバナジウムブロモペルオキシダーゼシグナル発生酵素を含有する本発明の要素、およびFriedman他への米国特許第5,372,931号明細書の実施例1に記載されたような洗浄用組成物中に含まれる増強剤としての3′−クロロ−4′−ヒドロキシアセトアニリドとシグナル発生酵素としての西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)とを含有する対照要素を使って得られた化学発光シグナルを表すグラフである。
図2は、要素の一成分としてバナジウムブロモペルオキシダーゼシグナル発生酵素を含有する本発明の要素、およびFriedman他への米国特許第5,372,931号明細書の実施例1に記載されたような洗浄用組成物中に含まれる増強剤としての3′−クロロ−4′−ヒドロキシアセトアニリドとシグナル発生酵素としての西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)とを含有する対照要素を使って得られたシグナル対ノイズ比(S/N比)を表すグラフである。
図3は、バナジウムブロモペルオキシダーゼシグナル発生酵素を含有する本発明の要素およびシグナル発生酵素として西洋ワサビペルオキシダーゼを含有する対照要素を使った、スポット形成エンザイムアッセイの安定性を表すグラフである。
図4(a)および(b)は、バナジウムブロモペルオキシダーゼシグナル発生酵素を含有する本発明の要素およびシグナル発生酵素として西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)を含有する対照要素を使った、様々な時間での室温貯蔵後の化学発光シグナル残存率を表す棒グラフである。
発明の詳細な説明
本発明の方法は、特異的結合アッセイ、例えば競合結合方式またはイムノメトリック方式(これらの用語は当該技術分野で既知である)のいずれでもよいイムノアッセイである。測定しようとする着目の分析物は、特異的結合リガンド、標識リガンド、標識リガンド類似体、またはそれのレセプターである。
本発明は、様々な水性液体、例えばヒトおよび動物の生物学的液体、食品、工業または都市廃液、およびこの方法で通常試験されている他の液体中の低濃度のリガンドを測定するために有利に用いられる。試験することができる生物学的液体としては、非限定的に、全血、血清、血漿、尿、脊髄液、涙液、滑液、リンパ液、組織もしくはプラークの懸濁液、歯肉滲出液、膣液、脳室液および当業者に容易に明らかである他の液体が挙げられる。
測定することができるリガンドとしては、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質(例えば酵素、抗体、リポタンパク質および糖タンパク質)、薬物、麻酔薬、ステロイド、毒素および糖類(例えば多糖類)が挙げられるが、それに限定されない。特に着目される特異的結合リガンドとしては、ジゴキシン、フェニトイン、フェノバルビタール、テオフィリン、C反応性タンパク質、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、チロニン誘導体(例えばチロキシンおよびトリヨードチロニン)、クレアチンキナーゼ−MB、カルバマゼピン、ゲンタマイシン、トブラマイシンまたはバンコマイシンが挙げられる。本発明は、ジゴキシン、フェニトイン、フェノバルビタールおよびC反応性タンパク質の測定に最も有用である。
本発明は、多孔質展開区画、通常は希釈されたまたは未希釈の試験試料(例えば1〜50μl)を収容するのに適当な多孔度を有する塗布層、を含んで成る分析要素を使って行われる。本発明の要素は当業界で周知の技術を使って集成される。好ましくは、多孔質展開区画は等方性多孔質であり、その性質は粒子間、繊維間または該区画の他の物理成分間の空間により提供される。等方性多孔質とは、液体が区画全体に均一に展開されることを意味する。そのような区画に有用な材料は水不溶性であり、そしてアッセイ中それらの構造的完全性を維持するものである。要素を集成する従来の材料および方法は、例えば、Przybylowicz他への米国特許第3,992,158号、Pierce他への米国特許第4,258,001号、Kitazima他への米国特許第4,292,272号、およびKoyama他への米国特許第4,430,436号明細書に記載されており、その内容は参考として本明細書中に組み込まれる。好ましい多孔質展開区画はPierce他への米国特許第4,258,001号明細書中に記載されたように、干渉性三次元構造において有機ポリマー粒子と高分子接着剤とから調製される。
要素中には1または複数の追加の区画があり、その全てが多孔質展開区画と液体接触状態にある。「液体接触状態」という語は、本明細書中では液体が1つの区画から別の区画へと容易に移動することができることを表すために用いられる。そのような追加の区画、好ましくは被覆ポリマー層は、下塗区画、試薬区画および放射線遮断区画を含み、当業界で既知であるような11たは複数の親水性バインダー材料、例えばゼラチン、アクリルアミドポリマーおよびビニルピロリドンポリマーから構成される。ある区画は水不溶性であることができ、またある区画は水溶性であることができる。
本発明の要素の区画は自立性であることができるが、好ましくは、それらの区画は適当な寸法安定性の、化学的に不活性の支持体上に配置される。好ましくは、該支持体は非孔質で且つ電磁線に対して透明である。特定の支持体は意図する検出モード(例えば透過率または反射率分光分析法)と適合できなければならない。有用な支持体材料としては、紙、金属ホイル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネートおよびセルロースエステルが挙げられるが、それらに限定されない。
所望により、該要素は本発明の要素の区画と液体接触状態で吸収材料を含んで成る。本発明で使われる吸収材料は全体で該要素に液体収容量を加え、本発明の方法で使われる洗浄液のための貯槽を提供する。適当な吸収材料はガラス微小繊維、紙、スポンジ、布、プラスチックなどを含むが、該材料が液体を吸収することができる限り、それらに限定されない。
好ましい態様では、展開区画が試料および洗浄液を取り入れやすくするために吸収材料の輪状切片が展開区画の上に置かれる。
本発明の要素の少なくとも1つの区画に、着目の特異的結合リガンドまたはそのレセプターのいずれかと特異的に反応することができるバナジウムブロモペルオキシダーゼ標識免疫反応体が存在する。競合結合イムノアッセイでは、標識免疫反応体は一般に特異的結合リガンドの標識類似体である。サンドイッチアッセイでは、標識免疫反応体はリガンドのための標識レセプターであることができ、または該レセプターに特異的に結合する標識分子(例えば標識抗抗体)であることができる。
そのような標識免疫反応体は、Yoshitake他,Eur.J.Biochem.,101,395,1979およびKondo他への米国特許第5,106,732号明細書に記載されたものをはじめとする、様々な既知の手順のいずれかにより調製することができる。
本明細書中で用いる「バナジウムブロモペルオキシダーゼ」とは、ルミノールのような物質の酸化を触媒して適当な化学発光シグナルを生成する任意のバナジウムペルオキシダーゼ活性を有する物質(酵素または他のもの)であることを意味する。本発明において使用することができるタンパク様バナジウムブロモペルオキシダーゼ源の特定例はButler他,Chem.Rev.,93,1937-1944頁(1993)中に見つけることができ、非限定例としてアスコフィルム・ノドサム(Ascophyllum nodosum)、セラミルム・ルブルム(Ceramirum rubrum)、ラミナリア・サッカリナ(Laminaria saccharina)、フカス・ディスチクス(Fucus distichus)、コラリナ・ピルリフェラ(Corallina pilurifera)、コラリナ・オフィシナリス(Corallina officinalis)、マクロシスチス・ピリフェラ(Macrocystis pyrifera)等から得られるものが挙げられる。バナジウムブロモペルオキシダーゼの単離方法は上述のButler他の文献中に見つけることができる。それらのタンパク様バナジウムブロモペルオキシダーゼ源のうち、アスコフィルム・ノドサム(Ascophyllum nodosum)が特に好ましい。
上述したように、乾式分析要素の中にバナジウムブロモペルオキシダーゼを含めることにより、本発明の要素は、全く予想外にも、Friedman他への米国特許第5,372,931号明細書に記載されたような増強剤を添加する必要なしに、改善された酵素安定性と高められた検出能を示す。
本発明において使われるバナジウムブロモペルオキシダーゼ標識免疫反応体の量は、反応に使われる別の成分の量および試験試料中の分析物の推定量によって広範囲に渡り異なることができる。通常、要素中に存在する量は少なくとも約0.01μg/m2であり、好ましい範囲は約0.1〜約100μg/m2である。
本発明の要素は、所望により、着目の特異的結合リガンドかそれのレセプターのいずれかと特異的に反応することができる未標識の免疫反応体を含んでもよい。競合結合イムノアッセイでは、この免疫反応体は通常はリガンドに対するレセプター(例えば抗体)である。サンドイッチイムノアッセイでは、未標識の免疫反応体はリガンドに対するレセプターであるか、または該レセプターに対する結合分子であることができる。好ましい態様では、そのような免疫反応体はリガンドに特異的な抗体である。
存在する場合、未標識の免疫反応体は、要素の任意の区画に置かれるが、ただしバナジウムブロモペルオキシダーゼ標識免疫反応体と同じ区画には置かれない。よって、該要素のそれらの2つの成分は、アッセイが始まるまでは何らかの形で分離された状態に維持される。それらを該要素の異なる区画に配置することによりそれらの成分を分離してもよいし、または同じ区画にあるけれども、アッセイが始まると免疫反応体を放出する材料により一方がカプセル封入されてもよい。好ましくは、それらの免疫反応体は別々の区画または層に保持される。
該要素の一区画全体に分散されている適当な粒子の上に未標識免疫反応体が固定化されるのも、同様に好ましい。そのような粒子はガラス、酸化鉄、セラミック、有機合成または天然ポリマーをはじめとする任意の適当な材料から成り、そして約0.01〜約10μmの平均粒度を有することができる。好ましくは、該粒子は合成ポリマーから調製され、そして免疫反応体分子の吸着または共有結合による接着のための適当な表面基を有する。そのような材料は当業界でいろいろ知られており、例えばWarren他への米国特許第4,828,978号、Sutton他への米国特許第4,997,772号、Sutton他への米国特許第5,147,777号またはSutton他への米国特許第5,177,023号明細書、およびその中に記載された参考文献中に記載されている。
特に有用なポリマー粒子は、反応性カルボキシ、22−置換エチルスルホニルまたはビニルスルホニル基を有するエチレン型不飽和重合性モノマーから調製されたものであり、特に前の段落に参照したSutton他の特許明細書中に記載されたものである。
本発明の好ましい態様では、特異的結合リガンドの測定用の多層分析要素が提供される。具体的には、多層分析要素は非孔質支持体を含んで成り、その上に液体接触状態において、
第一試薬または緩衝剤層、
着目の特異的結合リガンドまたはそれのレセプターのいずれかと反応することができる未標識の免疫反応体を含んで成る下塗層、
均一に分散された、着目の特異的結合リガンドまたはそれのレセプターのいずれかと反応することができるバナジウムブロモペルオキシダーゼ標識免疫反応体を含有する多孔質展開層
を有する。
本発明の多層要素は、所望により上述した区画のうちの1つと液体接触状態にある吸収材料を含有してもよい。
より好ましい態様では、バナジウムブロモペルオキシダーゼ標識免疫反応体は、当業者に周知であるようなインクジェット蒸着、吹付塗蒸着およびグラビア蒸着をはじめとする(がそれらに限定されない)製造技術を使うことによって多孔質展開層の最上部に置かれる。
本発明の要素は、製造、液体の拡がり、望ましくない放射線の吸収、およびレセプター安定性を助けるために当業界で知られているような様々な添加剤を適当な区画中に含むことができる。
本発明の要素は、従来技術に記載されているような従来の塗布技術および装置(グラビア塗布、流し塗、ホッパー塗布および他の塗布技術)を使って調製することができる。要素は様々な形状に作ることができ、例としては、所望の幅を有する細長いテープ、シート、スライドまたはチップの形が挙げられる。更に、本発明の方法は手動であることができるし、または適当な分析機器と手順を使って自動化することができる。通常、本発明の方法は、試験試料(例えば、1〜50μl)を多孔質展開区画の上にスポットすることにより、要素中の試薬類を接触させることを含む。要素内で液体が移動することにより、試薬が効果的に混合されて反応が起こる。
試料の適用後、要素は、要素の種々の区画における適当な特異的結合複合体の形成を加速するかまたは他の方法で促進するために望ましいであろう任意のコンディショニング、例えばインキュベーション、加熱または他の操作に暴露される。ある場合には、反応した形または未反応の形のバナジウムブロモペルオキシダーゼ標識免疫反応体の効率的分離を行わなくても適当なシグナルが得られるけれども、不均一イムノアッセイとして知られるものに典型的であるように、要素の一区画の中で両形態が分離されることが好ましい。そうすれば、該区画の限定領域においてシグナルをより良好に読み取ることができる。
該要素への洗浄溶液(約5〜約200μl)の適用は、この分離を行うための好ましい操作である。洗浄溶液は当業界で既知の任意の適当な方法で適用することができるが、好ましくは、例えば10μl/秒までの連続した計量速度で、より好ましくは約1μl/秒の速度で適用される。しかしながら、上述した吸収材料を要素に使うことによって容易に提供されるように多孔質展開区画が適用の間中液体を吸収する限り、どんな洗浄溶液の適用速度および方法でも使用することができる。
洗浄溶液は連続して適用される複数の液体組成物を含んで成ることができるが、その液体の少なくとも1つが後述するようなシグナル発生組成物を含まなければならない。あるいは、洗浄溶液のいずれかの中に界面活性剤を使うこともできる。
本発明の方法で用いる洗浄溶液は、約6.5〜約10のpHを有する、化学発光シグナル発生のための分析用組成物であって、
(a) バナジウムブロモペルオキシダーゼの触媒活性に応じてシグナルを提供する化学発光シグナル発生試薬であって、22,3−ジヒドロ−11,44−フタラジンジオン誘導体であるシグナル発生試薬;
(b) ハロゲン、擬ハロゲン、ハロゲン供給源または擬ハロゲン供給源;および
(c) ペルオキシドまたはペルオキシド生成試薬配合物
を含んで成る組成物である。
前に指摘したように、本発明に使われるシグナル発生組成物は、その成分の1つとして、22,33−ジヒドロ−11,4−フタラジンジオン誘導体(本明細書中では“DPD”とも言う)を含有する。化学発光反応において励起状態に変換され、続いて光の放出を伴いながら非励起状態に戻ることができるいずれの遊離型または複合型DPDでも、本発明の実施に有用である。相当な数のそういった化合物が当技術分野において知られており、それらとしてはKricka他への米国特許第4,598,044号明細書およびGrundermann他,Chemiluminescence in Organic Chemistry,Springer-Verlag,Berlin,1987,204-207頁に記載されたものが挙げられる。
そのような化合物は一般に「ルミノール型ヒドラジン類」として知られており、例としてフタル酸ヒドラジン、ナフタレン−1,2−ジカルボン酸ヒドラジン、アントラセン−2,3−ジカルボン酸ヒドラジン、フェナントレン−1,2−ジカルボン酸ヒドラジン、フルオレン−1,2−ジカルボン酸ヒドラジン、ベンゾ〔g,h,i〕ペリレン−1,2−ジカルボン酸ヒドラジン、コロネン−1,2−ジカルボン酸ヒドラジン、および当業者に容易に明白である他のものが挙げられる。
特に、本発明において使用できるDPDは次の構造式により定義される:
Figure 0003727661
上式中Z1,Z2,Z3およびZ4は独立に水素;約1〜約6個の炭素原子を含むアルキル、例えばメチル、エチル、イソプロピル、−ブチル、sec−ペンチルおよびヘキシル;約2〜約6個の炭素原子を含むアルケニル、例えばエテニル、1−プロペニル、イソブテニル、2−(N,N−ジイソプロピルアミノ)ビニル、2−(N,N−ジイソブチルアミノ)ビニル、2−(N,N−ジイソペンチルアミノ)ビニルおよび2−ヘキセニル;ヒドロキシ;約1〜約6個の炭素原子を含むアルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、−ブトキシおよびヘキソキシ;カルボキシ;アルキルまたはアルカノイルで置換されたアミノを含めたアミノ、例えばメチルアミノ、エチルアミノ、アミド(例えばアセトアミドおよびヘキサナミド)、ジメチルアミノ、ジエチルアミノおよびジイソブチルアミノ;または置換されたアミノアリールを含めたアミノアリール、例えばp−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、p−(N,N−ジエチルアミノ)フェニルおよび5−アミノ−2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン−8−イル(=ルミニル)である。
1とZ2の少なくとも一方がアミノ(前に定義したような置換アミノを含む)、共役アミノアルケニル(上述したような置換アミノアルケニルを含む)またはアミノアリール、例えばp−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、p−(N,N−ジエチルアミノ)フェニルおよび5−アミノ−2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン−8−イルである。本明細書中で用いる「共役アミノアルケニル」とは、アミノ基からアルケニル基を経由してそれが置換基として結合しているフタラジンジオンの芳香環へと電子共鳴することのできる一価の基を言い、その例としては、例えば、ジアルキルアミノビニル基、例えば2−(N,N−ジイソプロピルアミノ)ビニル、2−(N,N−ジイソブチルアミノ)ビニルおよび2−(N,N−ジイソペンチルアミノ)ビニル;並びにジアルキルアミノブタジエニル基、例えば4−(N,N−ジエチルアミノ)−1,3−ブタジエン−1−イルが挙げられる。
あるいは、Z1,Z2,Z3およびZ4のいずれか2つの隣接した基、いずれか3つの隣接した基または全ての基(すなわち、2つもしくは3つの隣接基の組合せ、または4つ全部の基)が一緒になって、1または複数の芳香環を含む縮合環系を形成することができる。そのような縮合環は1または複数のヒドロキシにより、アミノ(上述したような置換または非置換の)によりまたは約1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシ、例えばメトキシ、エトキシおよびイソプロポキシにより、置換されてもよい。好ましくは、そのような縮合環は1または複数の第一級、第二級もしくは第三級アミン、ヒドロキシまたはアルコキシにより置換される。
代表的な有用DPD化合物としては、ルミノール、イソルミノール、N−(4−アミノブチル)−N−エチルイソルミノールヘミスクシンイミド、N−(6−アミノヘキシル)−N−エチルイソルミノール、N−エチルイソルミノールおよび7ジメチルアミノナフタレン−1,2−ジカルボン酸ヒドラジドが挙げられるが、それらに限定されない。ルミノール〔5−アミノ−2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン〕およびイソルミノール〔6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン〕が好ましく、ルミノールが最も好ましい。
他の有用なDPD化合物の群はGundermann他の上記刊行物の中に記載されており、その例としては、置換または非置換フタル酸ヒドラジド、アントラセン−2,3−ジカルボン酸ヒドラジド、フェナントレンジカルボン酸ヒドラジド、フルオレン−1,2−ジカルボン酸ヒドラジド、ベンゾ〔g,h,i〕ペリレン−1,2−ジカルボン酸ヒドラジドおよびコロネン−1,2−ジカルボン酸ヒドラジド、例えば次の構造により表されるもの、が挙げられる:
Figure 0003727661
本発明において有用であると当業者が認める別のフタラジンジオン類似体としては、Masuya他への欧州特許出願第91310875.9号、およびYamaguchiへの米国特許第5,324,835号明細書の中に開示されているものが挙げられる。前記刊行物の内容は参考として本明細書中に組み込まれる。
上記に示した化合物は商業的に入手可能であるか、または当業者に周知である従来の出発物質および手順を使って調製することができる。
本発明に使われる洗浄用組成物の第二成分は、ハロゲン、擬ハロゲン、ハロゲン供給源または擬ハロゲン供給源である。本明細書中で用いる「ハロゲンまたはハロゲン供給源」という語は、本発明の洗浄用組成物に加えるとハロゲンアニオン、すなわちフッ化物、塩化物、臭化物またはヨウ化物アニオンを生成する任意の物質を意味する。これは塩化物、臭化物およびヨウ化物のようなハロゲンを包含する。ハロゲン供給源は金属または非金属ハロゲン塩を含んで成ることができる。非金属塩としては、非限定的例として、アンモニウム、アルキルアンモニウム、置換アルキルアンモニウム、アリールアンモニウム、置換アリールアンモニウム、ヒドラジニウム、オキソニウム、トロピリウム、スルホニウム塩などが挙げられる。ハロゲン供給源は、上記カチオン種と対イオンとしてのハロゲンとの任意の組合せを含むホモポリマーまたはコポリマーを含んで成る高分子材料であってもよい。そのような材料の一例はNH4Brである。典型的には、ハロゲン供給源は第IA族金属塩として組成物に添加される。第IA族金属意外の金属塩も考えられる。本発明の特に好ましい態様では、ハロゲン供給源はNaBrである。
本明細書中で用いる「擬ハロゲンまたは擬ハロゲン供給源」という語は、本発明で使用する組成物に加えるとハロゲンに匹敵する高い電子親和力を有するアニオンを提供する任意の物質を意味する。擬ハロゲン供給源は典型的には、第IA族金属化合物であるが、それに限定されないということに注意すべきである。擬ハロゲンまたは擬ハロゲン供給源は、ハロゲン供給源について上述したような金属または非金属化合物であることができ、例えば、アンモニウム、アルキルアンモニウム化合物およびそれのポリマーであることができる。分析用シグナル発生組成物中に存在することができる適当な擬ハロゲンとしては、CN-,SCN-,OCN-,アジド、イソニトリル等が挙げられるが、それらに限定されない。それらの擬ハロゲンのうちSCN-が特に好ましい。本発明で使われる好ましい擬ハロゲン供給源はNaSCNである。
本発明で使われる洗浄用組成物の第三成分は、ペルオキシドまたはペルオキシド生成試薬配合物である。「ペルオキシド」という語は、従来技術において典型的に用いられている無機または有機ペルオキシド化合物を包含する。ペルオキシド生成試薬配合物とは、本発明で使われるシグナル発生組成物に加えるとペルオキシドを生じることができる任意の試薬配合物を包含する意味である。そのようなペルオキシド生成試薬配合物は当業者に周知であり、非限定例としては、ペルボレート、ペルアセテート、尿素ペルオキシド、および有機ペルオキシド、例えば過酸、ペルオキシ安息香酸およびオキソン、並びにヒドロペルオキシドが挙げられる。
本発明で使われる洗浄用組成物は、約6.0〜約8.0のpKaを有する1または複数の適当な生物学的緩衝剤を使って、通常約6.5〜約10、より好ましくは約6.8〜約8.0のpHに緩衝化される。それらの緩衝剤は当業界で周知のものである。そのような緩衝剤の典型例としては、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−HCl〔Tris-HCl〕;2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸〔MES〕;ピペラジン−N,N′−ビス(2−エタンスルホン酸)〔PIPES〕;3−(N−モルホリノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸〔MOPSO〕;リン酸塩緩衝剤などが挙げられるが、それらに限定されない。上述した生物学的緩衝剤のうち、Tris-HClが特に好ましい。
本発明において使われる洗浄用組成物中の各成分の量は、それの意図する用途、試薬類の特定感度、および当業者に良く判るような他の要因によって異なり得る。よって、次の一般的範囲は当業者への指標を与えるものであって、本発明の実施を制限するものではない。
具体的には、所望のpHを維持するのに必要である緩衝剤の量を決定する方法は周知であることから、本発明において使われる緩衝剤の量は当業者には容易に明らかである。シグナル発生化合物であるDPDの量は、通常は少なくとも約0.01ミリモル濃度であり、約0.1〜約10ミリモル濃度の範囲が好ましい。
第二成分、すなわちハロゲン、擬ハロゲン、ハロゲン供給源または擬ハロゲン供給源については、通常少なくとも約0.1ミリモル濃度の量で存在する。より好ましくは、ハロゲン、擬ハロゲン、ハロゲン供給源または擬ハロゲン供給源はシグナル発生組成物中に約50ミリモル〜約100ミリモル濃度の量で存在する。
第三成分、すなわちペルオキシドまたはペルオキシド生成試薬配合物については、該成分は少なくとも約0.02ミリモル濃度の量でシグナル発生組成物中に存在する。より好ましくは、ペルオキシドまたはペルオキシド生成試薬配合物は約0.5ミリモル〜鑰約.0ミリモル濃度の量で存在する。
本発明の要素は、反応した形または未反応形のバナジウムブロモペルオキシダーゼ標識免疫反応体に応じて化学発光シグナルを提供する種々様々なアッセイ形式において使用することができる。
次の実施例は本発明の範囲を例証するために与えられる。それらの実施例は例示目的にのみ与えられるため、本発明をそれに限定すべきではない。
特記しない限り、全ての試薬および装置はイーストマン・コダック・カンパニーまたは他の商業源から入手した。
実施例1
水性化学発光組成物およびバナジウムブロモペルオキシダーゼ溶液の調製
化学発光シグナル発生用水性組成物は次のようにして調製した:
0.05M Tris-HCl緩衝剤中に100μMのジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、0.75MのNaBrおよび1%臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)を含有する緩衝液(pH 8.0)を調製した。
二液型混合物からシグナル発生組成物を調製した。第一液は1mMのルミノールNaを含み、第二液は1mM H2O2を含み、両者とも上記緩衝液中に調製した。それらの二液を使用直前に混合した。
4℃で貯蔵したバナジウムブロモペルオキシダーゼ〔アスコフィルム・ノドサム(Ascophylum nodosum)由来〕原液を0.05M Tris-HCl,pH 8および0.01%ウシ血清アルブミン(BSA)中に系列希釈して、10〜50,000アトモルの範囲の既知濃度のバナジウムブロモペルオキシダーゼ溶液を得た。
次いで次の試薬マトリックス組成を有する塗布要素を調製した:
Figure 0003727661
上記試薬マトリックスには次の定義を用いる。
Tris:トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝剤。
ポリマービーズ:ポリ(ビニルトルエン−コ−メタクリル酸ビーズ)。
バインダー:ポリ(メチルアクリレート−コ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム−コ−2−アセトアセトキシエチルメタクリレート)。
TSH Abビーズ:甲状腺刺激ホルモン(TSH)に対する抗体が共有結合で取り付けられたポリ(スチレン−コ−3−(p−ビニルベンジルチオ)プロパン酸)。
TX-100:Triton X-100、すなわちRohm and Haas Co.により販売されているオクチルフェノキシポリエトキシエタノール界面活性剤。
BVSME:ビス(ビニルスルホニル)メチルエーテル。
MaWnaMt:ポリ(メチルアクリレート−コ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩−コ−アセトアセトキシエチルメタクリレート)(90/4/6)。
高感度検出イムノアッセイ塗膜上での化学発光シグナルについてのバナジウムブロモペルオキシダーゼの評価
上記で調製した化学発光シグナル発生組成物およびバナジウムブロモペルオキシダーゼ緩衝液を次のようにして使用した:
EKTACHEM(商標)C-スライド基板上に上記塗膜の16mm2切片を置くことによりスライドの形の要素を集成した(前に参照したBelly他への米国特許出願第938,460号に記載の通りに)。試料を適用することができる直径10mmの中心穴を有するWhatman GF/Bマイクロファイバーガラス吸収材料(Whatman Specialty Products Division,製品番号PD 008-12A-100)を前記塗膜の上に置いた。次いで吸収剤層の上に不透質の輪状のプラスチックトップピースをのせ、集成品全体をテープでとめた(完全集成品の詳細については、Belly他への米国特許出願第938,460号の図1と図2を参照のこと)。
次いで該要素を100μlの前記化学発光シグナル発生組成物により1μl/秒の速度で洗浄した。洗浄溶液の適用後、5μlの化学発光シグナル発生組成物中の前記バナジウムブロモペルオキシダーゼの適当な希釈液を塗膜上にスポットした。要素を即座に分解して、TURNER(商標)TD-20eルミノメーターを使って周囲温度にて塗膜の化学発光シグナルを測定した。ルミノメーターは、塗膜の中央の直径10mm部分の読み取りができるようなアダプターを使うことによって、分解した16mm2塗膜に適応するように改良した。
図1は、このアッセイの上記条件下での化学発光出力(改良ルミノメーター中に置いた後t=4分での10秒間積分)を示す。より詳しくは、図1は、本発明の要素が従来技術の要素のものと同様に容易に検出できる絶対シグナルを生成することを示す。
図1では、対照要素は、Friedman他への米国特許第5,372,931号明細書に記載されたような洗浄用組成物中にシグナル発生酵素として西洋ワサビペルオキシダーゼと、増強剤として3′−クロロ−4′−ヒドロキシアセトアニリドを含有する。ただし、洗浄用組成物を次のように変更した:指定された成分に加えて、0.05 M Tris-HCl,pH 8.0,0.1%塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC),150μM 3′−クロロ4′−ヒドロキシアセトアニリド。
図2は、当業者へのシステム感度の識別尺度としての、シグナル対ノイズ比(S/N比)を示す。図2のデータは、本発明の要素と、シグナル発生酵素として西洋ワサビペルオキシダーゼを含む対照要素とを使って得られた。HRP対照の洗浄用組成物は、増強剤としてFriedman他への米国特許第5,372,931号明細書に記載されたような3′−クロロ−4′−ヒドロキシアセトアニリドを含んだが、次のような変更を有した:指摘の成分に加えて、0.05 M Tris-HCl,pH 8.0,0.1%塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC),150μM 3′−クロロ−4′−ヒドロキシアセトアニリド。この図は、本発明の要素が対照要素よりも大きな感度を与えることを示す。
実施例2
要素の安定性の比較
この実施例は、乾式要素中でのHRPの安定性と乾式要素中でのバナジウムブロモペルオキシダーゼの安定性とを比較する。7mil Estar(ポリエチレンテレフタレート)支持体上に塗布した次の試薬マトリックス組成を有する下塗要素を調製した。
Figure 0003727661
この実施例では、バナジウムブロモペルオキシダーゼ原液について実施例1に記載したのと同じ試薬を使用したが、ただし、バナジウムブロモペルオキシダーゼ原液とHRP原液を10mMリン酸塩緩衝剤,pH 7.0中に10-8Mに希釈した。
吸収材料をスライド集成品に含めなかったことを除いて、実施例1に記載した手順を使って両要素を集成した。次いで、前記バナジウムブロモペルオキシダーゼ原液または前記HRP原液のいずれか10μlを要素の上にスポットした。
次いで各要素を室温で遮光下で30分間,2,4,6,24および48時間熟成した。各間隔後、要素を使って塗料をはがし、次いでそれをリン酸塩(pH 7.0)、0.15 M NaClおよび0.1%BSAを含有する緩衝液1ml中で抽出した。抽出材料を約2分間遠心して粒状物と固形物を分離した。
酵素活性の測定は、抽出された上澄液10μlに適当なシグナル発生組成物200μlを添加することにより行った。バナジウムブロモペルオキシダーゼには、本発明のシグナル発生洗浄用組成物を使った。HRPには、Friedman他への米国特許第5,372,931号明細書の実施例1に開示された試薬組成物を使った。次いで37℃でDYNATECH(商標)ML3000ルミノメーターを使って化学発光シグナルを測定した。
それらの実験の結果を図3にグラフ的に示す(各時点についてt=5分で1.0秒間積分)。図4(a)および(b)は、(a)HPRおよび(b)バナジウムブロモペルオキシダーゼの%残余活性を表す図3からのデータのプロットである。具体的には、それらの図は明らかに、バナジウムブロモペルオキシダーゼ含有要素の安定性が長期間(48時間まで)に渡り本質的に一定のままであることを示す。対照的に、FRP含有要素では大幅な減衰が明らかに認められる。
上記態様および実施例は本発明の範囲と精神を例示するために与えられる。それらの態様および実施例は、当業者に別の態様および実施例を明らかにするであろう。それらの別の態様および実施例は本発明の考えの中に含まれる。従って、本発明は添付の請求の範囲によってのみ制限される。

Claims (14)

  1. 特異的結合リガンドの化学発光測定用の分析要素であって、
    (i) 多孔質展開区画;および
    (ii) 前記多孔質展開区画と液体接触状態にある少なくとも1つの追加の区画を含、前記区画のうちの少なくとも1つに、着目の特異的結合リガンドのためのレセプターに特異的に結合するバナジウムブロモペルオキシダーゼ標識免疫反応体を含有することを特徴とする前記分析要素。
  2. 前記バナジウムブロモペルオキシダーゼがアスコフィルム・ノドサム(Ascophyllum nodosum)、セラミルム・ルブルム(Ceramirum rubrum)、ラミナリア・サッカリナ(Laminaria saccharina)、フカス・ディスチクス(Fucus distichus)、コラリナ・ピルリフェラ(Corallina pilurifera)、コラリナ・オフィシナリス(Corallina officinalis)またはマクロシスチス・ピリフェラ(Macrocystis pyrifera)から得られる、請求項1に記載の要素。
  3. 前記バナジウムブロモペルオキシダーゼがアスコフィルム・ノドサム(Ascophyllum nodosum)、セラミルム・ルブルム(Ceramirum rubrum)、ラミナリア・サッカリナ(Laminaria saccharina)またはコラリナ・ピルリフェラ(Corallina pilurifera)である、請求項2に記載の要素。
  4. 前記バナジウムブロモペルオキシダーゼがアスコフィルム・ノドサム(Ascophyllum nodosum)から得られる、請求項2に記載の要素。
  5. (iii)1または複数の前記区画と液体接触状態である吸収材料を更に含、請求項1に記載の要素。
  6. 特異的結合リガンドの化学発光測定用の多層分析要素であって、
    孔質支持体を含、その上に液体接触状態において次の層:
    (i) 第一試薬または緩衝剤層;
    (ii) 着目の特異的結合リガンドと特異的に結合する未標識の免疫反応体を含下塗層;および
    (iii)バナジウムブロモペルオキシダーゼ標識免疫反応体を含む多孔質展開層を有することを特徴とする前記多層分析要素。
  7. 前記バナジウムブロモペルオキシダーゼがアスコフィルム・ノドサム(Ascophyllum nodosum)、セラミルム・ルブルム(Ceramirum rubrum)、ラミナリア・サッカリナ(Laminaria saccharina)、フカス・ディスチクス(Fucus distichus)、コラリナ・ピルリフェラ(Corallina pilurifera)、コラリナ・オフィシナリス(Corallina officinalis)またはマクロシスチス・ピリフェラ(Macrocystis pyrifera)から得られる、請求項に記載の多層要素。
  8. 前記バナジウムブロモペルオキシダーゼが、アスコフィルム・ノドサム(Ascophyllum nodosum)、セラミルム・ルブルム(Ceramirum rubrum)、ラミナリア・サッカリナ(Laminaria saccharina)またはコラリナ・ピルリフェラ(Corallina pilurifera)である、請求項7に記載の要素。
  9. 前記バナジウムブロモペルオキシダーゼがアスコフィルム・ノドサム(Ascophyllum nodosum)から得られる、請求項に記載の多層要素。
  10. 前記多孔質展開層がビーズ型展開層である。請求項に記載の多層要素。
  11. (iv) 1または複数の前記層と液体接触状態である吸収材料を更に含、請求項に記載の多層要素。
  12. 特異的結合リガンドの測定方法であって、
    (A)特異的結合リガンドを含むと思われる液体試料を、
    (i) 多孔質展開区画;および
    (ii)前記多孔質展開区画と液体接触状態にある少なくとも1つの追加の区画
    を含む化学発光分析要素であって、前記区画のうちの少なくとも1つに、前記リガンドに特異的に結合するバナジウムブロモペルオキシダーゼ標識免疫反応体を含有する分析要素と接触せしめ;
    (B)前記分析要素に洗浄溶液を適用して、前記バナジウムブロモペルオキシダーゼ標識免疫反応体の反応形と前記バナジウムブロモペルオキシダーゼ標識免疫反応体の未反応形とを分離し、ここで前記洗浄溶液は
    (a) バナジウムブロモペルオキシダーゼの酵素活性に応じてシグナルを与える化学発光シグナル発生試薬であって、2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン誘導体であるシグナル発生試薬;
    (b) ハロゲン、擬ハロゲン、ハロゲン供給源または擬ハロゲン供給源;および
    (c) ペルオキシドまたはペルオキシド生成試薬組成物
    を含、6.5〜10のpHを有する組成物を含み;そして
    (C)前記特異的結合リガンドの度として、前記バナジウムブロモペルオキシダーゼ標識免疫反応体の未反応形または反応形のいずれかを検出する
    ことを含む前記方法。
  13. 前記バナジウムブロモペルオキシダーゼが、アスコフィルム・ノドサム(Ascophyllum nodosum)、セラミルム・ルブルム(Ceramirum rubrum)、ラミナリア・サッカリナ(Laminaria saccharina)、フカス・ディスチクス(Fucus distichus)、コラリナ・ピルリフェラ(Corallina pilurifera)、コラリナ・オフィシナリス(Corallina officinalis)またはマクロシスチス・ピリフェラ(Macrocystis pyrifera)から得られる、請求項12に記載の方法。
  14. 前記バナジウムブロモペルオキシダーゼが、アスコフィルム・ノドサム(Ascophyllum nodosum)、セラミルム・ルブルム(Ceramirum rubrum)、ラミナリア・サッカリナ(Laminaria saccharina)またはコラリナ・ピルリフェラ(Corallina pilurifera)、である、請求項13に記載の方法。
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