JP2002348587A - 鋼管用ねじ継手 - Google Patents

鋼管用ねじ継手

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JP2002348587A JP2001155796A JP2001155796A JP2002348587A JP 2002348587 A JP2002348587 A JP 2002348587A JP 2001155796 A JP2001155796 A JP 2001155796A JP 2001155796 A JP2001155796 A JP 2001155796A JP 2002348587 A JP2002348587 A JP 2002348587A
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Toshiro Anraku
敏朗 安楽
Shigeo Nagasaku
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ねじ部とねじ無し金属接触部とからなる接触
表面をそれぞれ有するピンとボックスとから構成される
鋼管用ねじ継手の耐焼付き性を改善して、高合金の継
手、大径継手、ねじ部の干渉量の高い継手等の焼付き易
いねじ継手でも、グリスを塗布せずに10回以上の締付け
・緩め中の焼付き発生を防止する。 【解決手段】 ボツクスとピンの少なくとも一方の接触
表面に、MoS2 および/またはWS2 粉末と粉末全体
の2〜20質量%の黒鉛粉末とからなる潤滑性粉末を、有
機樹脂、無機高分子またガラスから選ばれたバインダー
で結合した固体潤滑被膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油井管の締結等に
使用される鋼管用ねじ継手に関し、より具体的には、従
来は締結ごとに焼付き防止のため実施されてきた、重金
属粉を含むコンパウンドグリスの塗布が不要となる、耐
焼付き性、気密性、防錆性に優れた鋼管用ねじ継手に関
する。
【0002】
【従来の技術】油井掘削に用いられる鋼管である油井管
は、鋼管用ねじ継手で締結される。このねじ継手は、雄
ねじを備えたピンと、雌ねじを備えたボックスとから構
成される。
【0003】図1に模式的に示すように、通常は鋼管A
の両端の外面に雄ねじ3Aを形成してピン1とし、別部
材のスリーブ型の継手部材Bの内面に両側から雌ねじ3
Bを形成してボックス2とする。図1に示す通り、鋼管
Aは、その一方の端部に予め継手部材Bを締め付けた状
態で出荷されるのが普通である。
【0004】鋼管用ねじ継手には、鋼管と継手の重量に
起因する軸方向引張力や地中での内外面圧力などの複合
した圧力に加え、地中での熱が作用するので、このよう
な環境下でも破損せずに気密性 (シール性) を保持する
ことが要求される。また、油井管の降下作業時には、一
度締め込んだ継手を緩め、再度締め直して締結すること
がある。そのため、API (米国石油協会) では、チュ
ービング継手においては10回の、ケーシング継手におい
ては3回の締付け (メイクアップ) 、緩め (ブレークア
ウト) を行っても、ゴーリングと呼ばれる焼付きの発生
が無く、気密性が保持されることを求めている。
【0005】近年では、気密性向上の観点から、金属対
金属接触によるメタルシールが可能な特殊ねじ継手が一
般に使用されるようになっている。この種のねじ継手で
は、ピンとボックスのいずれも、雄ねじまたは雌ねじか
らなるねじ部に加えて、ねじ無し金属接触部を有してお
り、このねじ部とねじ無し金属接触部の両方が接触表面
となる。ピンとボックスのねじ無し金属接触部同士が当
接して、金属−金属間接触によるメタルシール部が形成
され、気密性が向上する。
【0006】このようなねじ継手では、接触表面、特に
ねじ無し金属接触部の焼付きを防止するため、コンパウ
ンドグリスと呼ばれる高潤滑の液状潤滑剤が使用されて
きた。このグリスを、締付け前にピンとボックスの少な
くとも一方の部材の接触表面に塗布する。しかし、この
グリスには有害な重金属が多量に含まれており、締付け
に伴って周囲にはみ出たグリスを洗浄液で洗浄するが、
この作業でコンパウンドグリスやその洗浄液が海洋や土
壌に流出して環境汚染を引き起こすことが問題視される
ようになった。また、締付けを繰り返すたびに必要とな
る洗浄とグリス塗布が、リグ現場での作業効率を低下さ
せるという問題もあった。
【0007】そこで、コンパウンドグリスの塗布が不要
な鋼管用ねじ継手として、ピンとボックスの少なくとも
一方のねじ部とねじ無し金属接触部 (即ち、接触表面)
に、二硫化モリブデンで代表される潤滑性粉末とバイン
ダーとからなる固体潤滑被膜を形成したねじ継手が開発
された (特許第3,056,6464号、特開平8−233163号、特
開平8−233164号各公報) 。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように接触表面に
固体潤滑被膜を形成した鋼管用ねじ継手の開発により、
コンパウンドグリスの塗布が不要となり、前述した環境
問題や作業効率の問題は解決できる。
【0009】しかし、上記公報に開示されているような
従来の固体潤滑被膜を形成したねじ継手では、コンパウ
ンドグリスを塗布した場合に得られるような高い焼付き
防止効果が得られず、耐焼付き性に問題が残っている。
即ち、材質が高合金鋼製である継手、ケーシングなど内
径の大きな油井管の継手、或いはシール性の高いねじ部
での干渉量の大きい継手といった、焼付きが起こり易い
種類のねじ継手では、依然として締付け・緩めの繰り返
しを数回繰り返すだけでゴーリングと呼ばれる焼付き疵
を生じることがあった。コンパウンドグリスを塗布すれ
ば、この種のねじ継手でも、焼付きを防止することがで
きるので、そのような場合はグリス塗布を行うことにな
り、上記の問題が避けられない。従って、この種のねじ
継手では、耐焼付き性を確実に改善することができる固
体潤滑被膜を開発することが求められていた。
【0010】本発明は、固体潤滑被膜を形成した鋼管用
ねじ継手であって、前述した焼付き易い種類のねじ継手
においても締付け・緩め時の焼付きを防止することがで
きる、耐焼付き性に優れた鋼管用ねじ継手を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋼管用ね
じ継手の接触表面に形成する、潤滑性粉末とバインダー
とからなる固体潤滑被膜の耐焼付き性をさまざまな摩擦
試験で調査していくうち、試験結果が摩擦試験方式に左
右されることに気付いた。即ち、供試材が一方向に摺動
する摩擦試験と往復摺動する摩擦試験とでは、固体潤滑
被膜の耐焼付き性の評価試験で得られる結果が異なるの
である。
【0012】具体的には、図2に示す要領で、表1に示
す条件下に、同じ固体潤滑被膜について、一方向と往復
方向の両方の摺動条件での摩擦試験を実施した。図2
(a) に示す一方向摺動試験は、ピンオンディスク方式と
呼ばれる、球を回転円板に一定荷重で接触させる試験で
あり、球が平面の円軌道上を一方向に移動する。一方、
図2(b) に示す往復摺動試験では、摩擦形態は同じく平
面−球間の接触であるが、球は平面の直線軌道上を往復
する。
【0013】
【表1】
【0014】両方式とも平面側だけに固体潤滑被膜が形
成され、平面と球の材質は表1に示すように両試験で同
一であり、平面の表面粗さも同一であった。被膜から見
ると、一方向摺動では、被膜は常に一方向からのせん断
を受けるが、往復摺動では被膜は両方向からのせん断を
受ける点で、差異がある。
【0015】固体潤滑被膜の形成に用いたバインダーは
ポリアミドイミド樹脂であり、バインダーと潤滑性粉末
の割合は後述する実施例と同様であった。固体潤滑被膜
の膜厚は30μmであった。試験結果 (焼付き発生までの
摺動回数、往復摺動の場合は往復で1回とする) の一部
を図3に示す。
【0016】図3(a) に示すように、一方向摺動の摩擦
試験では、前掲の各公開公報に開示された固体潤滑被膜
でも使用されている、二硫化モリブデン (図中、MoS2)
と二硫化タングステン (図中、WS2)の1種または2種の
粉末を潤滑性粉末とする固体潤滑被膜が、最も良好な耐
焼付き性を示し、他の潤滑性粉末 (図示例では黒鉛)を
添加すると、添加量に従って耐焼付き性が低下する。な
お、他の潤滑性粉末が黒鉛以外 (例、窒化硼素やポリテ
トラフルオロエチレンの粉末) でも同様の傾向を示し
た。
【0017】しかし、図3(b) に示すように、往復摺動
の摩擦試験では、潤滑性粉末が二硫化モリブデンおよび
/または二硫化タングステンの粉末だけである固体潤滑
被膜は耐焼付き性が非常に低く、この粉末にさらに少量
の黒鉛粉末を添加すると、固体潤滑被膜の耐焼付き性が
飛躍的に向上することが判明した。
【0018】即ち、二硫化モリブデンと二硫化タングス
テンの1種または2種の粉末に対する少量の黒鉛粉末の
添加は、一方向摺動する摩擦試験では耐焼付き性を著し
く低下させる一方で、往復摺動する摩擦試験では耐焼付
き性を著しく向上させる、という全く相反する、予想外
の結果を生ずる。
【0019】鋼管用ねじ継手の締付けと緩めは、当然の
ことながら往復摺動である。従って、往復摺動の摩擦試
験で優れた耐焼付き性を示す、二硫化モリブデンと二硫
化タングステンの少なくとも一方の粉末に少量の黒鉛粉
末を添加した潤滑性粉末を用いた固体潤滑被膜を、鋼管
用ねじ継手の接触表面に形成することによって、鋼管用
ねじ継手の耐焼付き性を大幅に改善することが可能とな
るはずである。実際に、このような固体潤滑被膜をねじ
継手の接触表面に形成して耐焼付き性を調べたところ、
その通りであることが確かめられた。
【0020】従来より鋼管用ねじ継手の焼付き防止に用
いられてきたコンパウンドグリスは流動性で、自己補修
機能を有しているため、一方向摺動と往復摺動とで耐焼
付き性に差異が現れない。そのため、グリス塗布の代わ
りに固体潤滑被膜を形成する場合でも、より一般的なピ
ンオンディスク型試験装置やファレックス試験機等を用
いて、一方向摺動の摩擦試験で耐焼付き性を評価するの
が普通であった。因みに、固体潤滑被膜を有する鋼管用
ねじ継手を開示している前掲公報においても、いずれも
一方向摺動の摩擦試験で耐焼付き性を評価しており、そ
のため、一方向摺動での耐焼付き性に優れた二硫化モリ
ブデンや二硫化タングステンが潤滑性粉末として選ばれ
たものと推測される。
【0021】鋼管用ねじ継手の接触表面が往復摺動を受
けることに着目し、往復摺動における耐焼付き性に優れ
た固体潤滑被膜を鋼管用ねじ継手の接触表面に形成する
という発想はこれまでになかった。本発明は、往復摺動
の摩擦試験において著しく優れた耐焼付き性を示す潤滑
性粉末を用いて固体潤滑被膜を形成することにより、グ
リス塗布不要の鋼管用ねじ継手の耐焼付き性を著しく改
善することに成功したものである。
【0022】ここに、本発明は、ねじ部とねじ無し金属
接触部とを含む接触表面をそれぞれ有するピンとボック
スとから構成される鋼管用ねじ継手であって、ピンとボ
ックスの少なくとも一方の部材の接触表面に、潤滑性粉
末とバインダーとからなる固体潤滑被膜が形成されてお
り、前記潤滑性粉末は、二硫化モリブデン粉末および二
硫化タングステン粉末から選んだ1種または2種と黒鉛
粉末とからなり、黒鉛粉末が潤滑性粉末の2〜20質量%
を占めることを特徴とする、鋼管用ねじ継手である。
【0023】
【発明の実施の形態】図4は、代表的な鋼管用ねじ継手
(以下、ねじ継手ともいう)の構成を模式的に示す概要
図である。符号1はピン、2はボックス、3はねじ部、
4はねじ無し金属接触部、5はショルダー部を示す。以
下、ねじ無し金属接触部を単に金属接触部ともいう。
【0024】図4に示したように、典型的なねじ継手
は、鋼管端部の外面に形成された、ねじ部3(即ち、雄
ねじ部)及びねじ無し金属接触部4を有するピン1と、
ねじ継手部材の内面に形成された、ねじ部3(即ち、雌
ねじ部)及びねじ無し金属接触部4を有するボックス2
とで構成される。ただし、ピンとボックスは図示のもの
に制限されない。例えば、継手部材を使用せず、鋼管の
一端をピン、他端をボックスとしたり、あるいは継手部
材をピン (雄ねじ) として、鋼管の両端をボックスとす
ることも可能である。
【0025】ピン1とボックス2のそれぞれに設けたね
じ部3と (ねじ無し) 金属接触部4がねじ継手の接触表
面である。この接触表面、中でも、より焼付きの起こり
やすい金属接触部には、耐焼付き性が要求される。従来
は、そのために、重金属粉を含有するコンパウンドグリ
スを接触表面に塗布していたが、前述したように、コン
パウンドグリスの使用には環境面と作業効率の面で問題
が多い。
【0026】一方、二硫化モリブデンおよび/または二
硫化タングステンの粉末とバインダーとからなる固体潤
滑被膜では、高合金鋼製の継手、内径の大きな継手、ね
じ部での干渉量の大きい継手といった、焼付きが起こり
易い種類のねじ継手での焼付き発生を十分に防止するこ
とができず、耐焼付き性が不十分であった。
【0027】本発明では、図2に関して説明したよう
に、往復摺動での耐焼付き性に著しく優れた、二硫化モ
リブデンおよび/または二硫化タングステンの粉末と少
量の黒鉛粉末とからなる潤滑性粉末を用いて固体潤滑被
膜を形成することにより、上記のような焼付きが起こり
易い種類のねじ継手に対しても、少なくとも10回程度ま
で締付け・緩めを繰り返しても焼付きが発生しない、優
れた耐焼付き性を付与することが可能となる。
【0028】この効果を十分に得るため、潤滑性粉末に
おける黒鉛粉末の割合を2〜20質量%とする。黒鉛粉末
がこの範囲より少なくても多くても、ねじ継手の耐焼付
き性が低下するようになる。好ましい黒鉛粉末の割合は
質量%で4〜15%、より好ましくは5〜10%である。潤
滑性粉末の残部は、実質的に二硫化モリブデンと二硫化
タングステンの1種または2種の粉末からなる。ただ
し、他の潤滑性粉末、例えば、窒化硼素、ポリテトラフ
ルオロエチレン (PTFE) も、潤滑性粉末の10%以下程度
の少量であれば、存在させうる。
【0029】本発明で用いる潤滑性粉末の平均粒径は、
特に限定するものではないが、いずれも 0.5〜60μmの
範囲内が好ましい。潤滑性粉末が0.5 μmより小さい平
均粒径を有すると、粉末同士が凝集し易くなり、固体潤
滑被膜中に均一に分散し難くなり、局所的に性能が不足
することがある。一方、粉末の平均粒径が60μmを超え
ると、固体潤滑被膜の強度が低下するばかりではなく、
下地との密着性も低下するため、焼付きの発生を抑制で
きないことがある。
【0030】本発明に係る鋼管用ねじ継手の固体潤滑被
膜は、バインダーの溶液 (分散液でもよい) に、前述し
た潤滑性粉末を添加して均一に分散させ、必要に応じて
粘度を調整することにより調製した塗布液 (粉末分散
液) を、ねじ継手のピンとボックスの少なくとも一方の
部材の接触表面に塗布し、塗膜を乾燥させることにより
形成することができる。塗布液の塗布方法は、刷毛塗
り、浸漬処理、エアースプレー法等の公知の適当な方法
でよい。
【0031】バインダーとしては、有機樹脂、無機高分
子、ガラスのいずれかを使用することができる。有機樹
脂としては、耐熱性と適度な硬さと耐摩耗性とを有する
ものが好適である。そのような樹脂としては、エポキシ
樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、ポリ
エーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、
フェノール樹脂、フラン樹脂、尿素(ウレア)樹脂、ア
クリル樹脂などの熱硬化性樹脂、ならびにポリアミドイ
ミド樹脂、ポリエチレン樹脂、シリコーン樹脂、ポリス
チレン樹脂などの熱可塑性樹脂を例示できる。
【0032】有機樹脂を適当な溶媒に溶解ないし分散さ
せた樹脂液に所定量の潤滑性粉末を添加し、均一に分散
させて塗布液を調製する。固体潤滑被膜の密着性と耐摩
耗性の観点から、ねじ継手の接触表面に塗布液を塗布し
た後、加熱して被膜を硬質化させることが好ましい。こ
の加熱温度は、好ましくは120 ℃以上、より好ましくは
150〜380 ℃であり、加熱時間は、鋼管用ねじ継手のサ
イズにより設定されればよいが、好ましくは30分以上、
より好ましくは30〜60分である。
【0033】本発明でバインダーとして用いる無機高分
子とは、Ti−O 、Si−O 、Zr−O 、Mn−O 、Ce−O 、Ba
−O といった、金属−酸素結合が三次元架橋した構造か
らなる被膜形成材料であり、ゾルゲル法と呼ばれる造膜
法により形成される。このような無機高分子は、金属ア
ルコキシドの加水分解と縮合により形成することができ
る。金属アルコキシドとしては、アルコキシ基がメトキ
シ、エトキシ、イソプロポキシ、プロポキシ、イソブト
キシ、ブトキシ、tert−ブトキシなどの低級アルコキシ
基である化合物が使用できる。好ましい金属アルコキシ
ドは、チタンまたはケイ素のアルコキシドであり、特に
チタンアルコキシドが好ましい。中でも、チタンイソプ
ロポキシドが造膜性に優れていて好ましい。金属アルコ
キシド以外に、四塩化チタンといった金属塩化物や金属
カルボン酸塩も使用できる。
【0034】このような1種または2種以上の無機高分
子被膜形成材料を、適当な溶媒 (例、アルコール) に溶
解させ (加水分解の促進のため、水および/または酸を
添加してもよい) 、得られた溶液に潤滑性粉末を分散さ
せて塗布液を調製する。この塗布をピンおよび/または
ボックスの接触表面に塗布し、塗膜を乾燥させる。塗布
後の加水分解による被膜形成を促進させるため、塗布後
に加湿処理してもよい。これは、大気中に所定時間放置
することでも行うことができるが、湿度70%以上の大気
中であるとより望ましい。好ましくは、加湿処理後に加
熱を行う。加熱により加水分解および加水分解物の縮合
と、加水分解の副産物であるアルコールの排出が促進さ
れ、短時間で造膜でき、形成される固体潤滑被膜の密着
性が強固となり、耐焼付き性が向上する。この加熱は、
溶媒が蒸発した後に行うことが好ましい。加熱温度は副
生するアルコールの沸点に近い 100〜200 ℃の温度とす
るのがよく、熱風を当てるとより効果的である。
【0035】固体潤滑被膜を形成するガラスとしては、
ホウケイ酸ガラス、ケイ酸ガラス、パイレックス(登録
商標)ガラス、水ガラスを塗布して乾燥させたものな
ど、公知のものが用いられる。水ガラス以外のガラス質
被膜は、ガラス粉末を含有する塗布液を塗布した後、ガ
ラスが溶融する温度に加熱することにより形成すること
ができる。
【0036】固体潤滑被膜の厚みは5μm以上、45μm
以下とすることが望ましい。潤滑被膜の厚さが5μm未
満では、締付け・緩めの繰り返しによる被膜の摩耗によ
り被膜切れを起こして、焼付きを生ずることがある。固
体潤滑被膜の膜厚が45μmより大きくなると、締付け量
が不十分となり、気密性が低下したり、気密性を確保す
るために面圧を高めると、焼付きが発生し易くなった
り、潤滑被膜が剥離し易くなると、いったことが起こり
やすくなる。耐焼付き性の観点から、固体潤滑被膜の膜
厚はより好ましくは15μm以上、40μm以下である。
【0037】固体潤滑被膜には、防錆剤を始めとする各
種添加剤を、耐焼付き性を損なわない範囲で添加するこ
ともできる。例えば、亜鉛粉、クロム顔料、シリカ、ア
ルミナの1種もしくは2種以上の粉末を添加することが
できる。また、着色剤を含有させて、形成された固体潤
滑被膜を着色してもよい。なお、塗布液には、分散剤、
消泡剤、増粘剤等の1種または2種以上の添加剤を適宜
含有させることもできる。
【0038】本発明に従って固体潤滑被膜を形成するピ
ンとボックスの少なくとも一方の部材の接触表面は、固
体潤滑被膜の密着性を確保するため、被膜形成前に、そ
の表面粗さRmax が、機械切削後の鋼表面粗さ(0.1〜5
μm)より大きな5〜40μmの範囲となるように予め粗
面化しておくことが望ましい。固体潤滑被膜を形成する
接触表面の表面粗さ (Rmax)が5μmより小さいと、固
体潤滑被膜の密着性が低下する傾向がある。一方、この
表面粗さが40μmを超えると、摩擦が高くなり、固体潤
滑被膜の摩耗を早め、繰り返しの締付け・緩めに耐えら
れないことがある。
【0039】粗面化の方法としては、サンドブラスト、
グラスピーニング、強酸溶液に浸漬して肌を荒らすとい
った、鋼表面それ自体を粗面化する方法に加え、鋼表面
より粗面となる下地処理層を形成して、塗布面を粗面化
する方法も可能である。
【0040】このような下地処理の例としては、リン酸
塩、蓚酸塩、硼酸塩等の化成処理被膜(生成する結晶の
成長に伴い、結晶表面の粗さが増す)を形成する方法、
銅めっきまたは鉄めっきのような金属の電気めっき (凸
部が優先してめっきされるため、僅かであるが表面が粗
くなる)を施す方法、鉄芯に亜鉛または亜鉛−鉄合金等
を被覆した粒子を遠心力またはエアー圧を利用して投射
し、亜鉛もしくは亜鉛−鉄合金をの膜を形成させる衝撃
めっき法、窒化層を形成する軟窒化法(例えば、タフト
ライド)、金属中に固体微粒子を分散させた多孔質被膜
を形成する複合金属被覆法、TiC、TiN、TiCNなどが
挙げられる。
【0041】固体潤滑被膜の密着性の観点からは、多孔
質被膜、特にリン酸塩系化成処理(リン酸マンガン、リ
ン酸亜鉛、リン酸鉄マンガン、リン酸亜鉛カルシウム)
や、衝撃めっきによる亜鉛または亜鉛−鉄合金の被膜が
好ましい。密着性の観点からリン酸マンガン被膜が、防
錆性の観点から亜鉛または亜鉛−鉄合金の被膜が、より
好ましい。
【0042】リン酸塩系化成処理被膜や、衝撃めっきに
よって形成された亜鉛もしくは亜鉛−鉄合金の被膜は、
いずれも多孔質な被膜であるため、その上に固体潤滑被
膜を形成すると、固体潤滑被膜の密着性が高まる。その
結果、締付け・緩めを繰り返しても固体潤滑被膜の剥離
が起こらず、金属間接触が効果的に防止され、耐焼付き
性、気密性、防錆性が一層向上する。
【0043】下地処理層が多孔質であっても、その上に
本発明に従って固体潤滑被膜を形成することにより、下
地の多孔質被膜の空隙が封鎖されるので、防錆性や気密
性の低下は生じない。また、多孔質被膜層が衝撃めっき
によって形成された亜鉛もしくは亜鉛−鉄合金被膜であ
る場合、亜鉛は鉄より卑な金属であるため、鉄より優先
的にイオン化して、鉄の腐食を防ぐ犠牲防食能を発揮
し、一層優れた防錆性を実現することができる。
【0044】多孔質の亜鉛または亜鉛−鉄合金層は、乾
式の衝撃めっき法により形成することができる。衝撃め
っき法としては、局部的なめっきが可能な投射めっきが
適している。投射めっき等の衝撃めっきに使用する粒子
は、少なくとも表面に亜鉛または亜鉛−鉄合金を有する
金属粒子である。全体が亜鉛または亜鉛−鉄合金からな
る粒子でもよいが、好ましいのは、特公昭59−9312号公
報に開示されている投射材料である。この投射材料は、
鉄または鉄合金を核(コア)とし、その表面に亜鉛また
は亜鉛−鉄合金層を被覆した粒子からなる。この鉄系の
核の周囲を亜鉛または亜鉛−鉄合金で被覆した粒子を基
体に投射すると、粒子の被膜層である亜鉛または亜鉛−
鉄合金のみが基体に付着し、亜鉛または亜鉛−鉄合金の
被膜が基体上に形成される。この投射めっきは、鋼の材
質に関係なく、鋼表面に密着性の良いめっき被膜を形成
することができる。
【0045】前述した各種の下地処理層を形成する場
合、その厚みに特に制約はないが、防錆性と密着性の観
点から5〜40μmであることが好ましい。5μm未満で
は、十分な防錆性が確保できないことがある。一方、40
μmを超えると、固体潤滑被膜との密着性が低下するこ
とがある。
【0046】このような下地処理を実施した場合、下地
処理を行った後すぐに固体潤滑被膜の形成を行うと、固
体潤滑被膜の密着性が向上する。この効果は、下地処理
から被膜形成処理までの時間が短いほど高くなるが、1
時間以内なら十分な効果が認められる。これは、下地処
理によって、活性な表面が露出したり、活性な下地被膜
が形成されることで、固体潤滑被膜との物理・化学吸着
性が高まるからと考えられる。
【0047】固体潤滑被膜をピンとボックスの一方の部
材の接触表面だけに形成しても本発明の目的は十分に達
成できるので、コスト面からはそのようにすることが好
ましい。その場合、ボックス (即ち、短い継手部材) の
接触表面に固体潤滑被膜を形成する方が、被膜の形成作
業が容易である。固体潤滑被膜を形成しない相手部材
(ボックスに固体潤滑被膜を形成する場合は、ピン)の
接触表面は、未被覆のままでもよい。特に、図1のよう
に、組立て時にピンとボックスが仮に締付けられる場合
には、相手部材の接触表面が裸(切削加工まま)でも、
組立て時にボックスの接触表面に形成された被膜と密着
するので、相手部材の接触表面の錆も防止できる。
【0048】ピンとボックスの一方の部材の接触表面だ
けに固体潤滑被膜を形成した場合、相手部材の接触表面
は、その粗さの山の突起部分で固体潤滑被膜がかき削ら
れることがないように、表面粗さRmax が40μm以下と
なるようにすることが望ましい。相手部材の表面粗さ
は、より好ましくは10μm以下である。
【0049】また、相手部材の接触表面に油を塗布する
と、固体潤滑被膜との摩擦が低減され、被膜の摩耗が抑
制される。油は、さらに固体潤滑被膜にも塗布すること
ができる。その場合、両方の油は同じものが好ましい
が、異なるものでも差し支えない。
【0050】使用する油に特に制限はなく、鉱物油、合
成エステル油、動植物油などのいずれも使用できる。こ
の油には、防錆添加剤、極圧添加剤といった、潤滑油に
慣用の各種添加剤を添加することができる。また、それ
らの添加剤が液体である場合、それらの添加剤を単独で
油として使用し、塗布することもできる。
【0051】防錆添加剤としては、塩基性金属スルホネ
ート、塩基性金属フェネート、塩基性金属カルボキシレ
ートなどが用いられる。極圧添加剤としては、硫黄系、
リン系、塩素系、有機金属塩など公知のものが使用でき
る。その他、酸化防止剤、流動点降下剤、粘度指数向上
剤なども油に添加することができる。
【0052】
【実施例】ねじ部とねじ無し金属接触部とを有するピン
(鋼管端部) とボックス (継手部材) からなる7インチ
サイズのねじ継手を用いて、締付け・緩めの試験を行っ
た。使用したねじ継手は、ピンとボックスのいずれも、
焼付きの起こり易い高合金鋼である13Cr鋼製であった。
【0053】ピンとボックスの少なくとも一方の接触表
面 (ねじ部と金属接触部の表面) に、下地処理として硫
酸酸洗を施した後、30分以内に、表2に示す潤滑性粉末
とバインダーとからなる固体潤滑被膜を形成した。表2
には、使用した潤滑性粉末の平均粒径と固体潤滑被膜の
膜厚も表示する。固体潤滑被膜中の潤滑性粉末とバイン
ダーの割合は体積比率で3:7の一定とした。
【0054】バインダーが有機樹脂またはガラスである
場合は、塗布液の塗布と加熱により固体潤滑被膜を形成
した。加熱温度は、バインダーが有機樹脂である場合は
230〜260 ℃、ガラスである場合は約600 ℃であった。
バインダーが無機高分子である場合は、塗布液の塗布後
に大気中で3時間放置し、最後に150 ℃の熱風を10分間
吹き付けることにより固体潤滑被膜を形成した。
【0055】固体潤滑被膜を形成しなかった部材の接触
表面は、機械研削仕上げにり、表面粗さがRmax 約3μ
mになるように調整し、場合によりその表面油を塗布し
た。一部の例では、固体潤滑被膜にも油を塗布した。使
用した油はいずれも精製鉱物油 (40℃の粘度が50 cSt)
であった。
【0056】表2に示すように処理したピンとボックス
を用いて、回転速度20 rpm、締付けトルク20000 ft・lb
s で室温での締付け・緩めを繰り返した。焼付きが発生
するまでの締付け・緩め回数を表2に併記する。前述し
たAPIがチュービングに対して要求する締付け・緩め
回数を考慮して、焼付き発生までに10回以上の締付け・
緩めが可能である場合を合格と判定した。
【0057】
【表2】
【0058】表2に示すように、本発明に従って、潤滑
性粉末が二硫化モリブデンおよび/または二硫化タング
ステンの粉末に加え、2〜20質量%の黒鉛粉末を含有し
ていると、焼付きが起こり易い高合金鋼製のねじ継手で
も、焼付きを起こさずに10回以上の締付け・緩めが可能
であり、耐焼付き性に優れていた。但し、潤滑性粉末中
の黒鉛粉末の割合が20質量%を超えると、耐焼付き性が
低下した。
【0059】これに対し、潤滑性粉末が二硫化モリブデ
ンだけであると、6回の締付け・緩めで焼付きが発生
し、耐焼付き性が不十分であった。潤滑性粉末が二硫化
モリブデンだけである固体潤滑被膜は、図3(a) に示す
ように、一方向摺動の摩擦試験では、本発明に従った固
体潤滑被膜より著しく優れた耐焼付き性を示すが、図3
(b) に示すように、往復摺動の摩擦試験では耐焼付き性
が著しく低い。本実施例の結果から、ねじ継手に形成す
る固体潤滑被膜の耐焼付き性は、一方向摺動ではなく、
往復摺動の摩擦試験でないと、適切に評価できないこと
がわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼管出荷時の鋼管とねじ継手部材の組立構成を
模式的に示す概要図である。
【図2】図2(a) は一方向摺動方式の摩擦試験の概要
を、図2(b) は往復摺動方式の摩擦試験の概要を示す。
【図3】図3(a) は一方向摺動方式の摩擦試験の結果
を、図2(b) は往復摺動方式の摩擦試験の結果を示す。
【図4】本発明の鋼管用ねじ継手の締付け部を模式的に
示す概要図である。
【符号の説明】
A:鋼管、B:ねじ継手部材 1:ピン、2:ボックス 3:ねじ部、4:ねじ無し金属接触部 5:ショルダー部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 143/02 C10M 143/02 143/10 143/10 145/14 145/14 145/20 145/20 145/24 145/24 149/18 149/18 149/20 149/20 151/04 151/04 155/02 155/02 F16L 15/04 F16L 15/04 A // C10N 10:04 C10N 10:04 10:06 10:06 10:08 10:08 10:12 10:12 10:14 10:14 20:06 20:06 Z 30:06 30:06 30:12 30:12 40:00 40:00 G (72)発明者 安楽 敏朗 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 永作 重夫 兵庫県尼崎市扶桑町1番8号 住友金属テ クノロジー株式会社内 Fターム(参考) 3H013 JA04 4H104 AA04A AA13C AA19A AA23C CA02C CA07C CB08C CB12C CB14C CE13C CE14C CG03C CJ03C EA08A FA02 FA03 FA04 FA06 FA07 LA03 LA06 PA38 QA11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ねじ部とねじ無し金属接触部とを含む接
    触表面をそれぞれ有するピンとボックスとから構成され
    る鋼管用ねじ継手であって、 ピンとボックスの少なくとも一方の部材の接触表面に、
    潤滑性粉末とバインダーとからなる固体潤滑被膜が形成
    されており、前記潤滑性粉末は、二硫化モリブデン粉末
    および二硫化タングステン粉末から選んだ1種または2
    種と黒鉛粉末とからなり、黒鉛粉末が潤滑性粉末の2〜
    20質量%を占めることを特徴とする、鋼管用ねじ継手。
  2. 【請求項2】 前記バインダーが有機樹脂、無機高分子
    およびガラスよりなる群から選ばれた材料である、請求
    項1記載の鋼管用ねじ継手。
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