JP2002348355A - 水溶性多官能エポキシ架橋体、及び製紙用添加剤とその内添紙と紙容器 - Google Patents

水溶性多官能エポキシ架橋体、及び製紙用添加剤とその内添紙と紙容器

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JP2002348355A JP2001158353A JP2001158353A JP2002348355A JP 2002348355 A JP2002348355 A JP 2002348355A JP 2001158353 A JP2001158353 A JP 2001158353A JP 2001158353 A JP2001158353 A JP 2001158353A JP 2002348355 A JP2002348355 A JP 2002348355A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、各種用途に使用可能なエポキシ樹脂
を、従来の様な複雑な反応によらず、安価で簡便な方法
によって自己硬化型に変性した、環境配慮型の水溶性多
官能エポキシ架橋体及びをそのエポキシ架橋体を使った
優れた紙力向上を発現する製紙用内添剤とそれを用いた
内添紙と紙容器を提供する。 【解決手段】1分子内に少なくとも3個、好ましくは4
個以上のエポキシ基を有する1種類以上の水溶性エポキ
シ化合物、或いは高分子に、1分子中に少なくとも2
個、好ましくは3個以上の活性水素を有する1種類以上
の水溶性アミン類を、エポキシ基mol量/活性水素m
ol量の比率が0.2〜3.0の範囲で反応させたこと
を特徴とする水溶性多官能エポキシ架橋体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変性された水溶性
の多官能エポキシ架橋体に関し、水溶性の自己硬化型樹
脂としての各種用途、例えば、紙塗工用樹脂、繊維や不
織布の仕上げ剤、各種コート剤、塗料、接着剤、そして
特に、製紙用の乾燥、或いは湿潤紙力増強剤、濾水性向
上剤、歩留まり向上剤、或いは凝集剤などの製紙用添加
剤と、その製紙用添加剤を用いた内添紙や紙容器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、エポキシ樹脂は、耐水性、接着
性、耐薬品性、耐腐食性に優れるため、広い用途で使用
されている。例えば、塗料として、食料品用の缶の内部
や電気製品などの被覆剤、または紙用の印刷向上剤や耐
水性向上剤、接着剤としては、木材用接着剤、各種包装
用接着剤、そして繊維や不織布などの繊維加工剤やさら
にはセメント混和剤などの建築材料用用途にも使用され
ている。
【0003】また近年、環境保全への意識が高まり、石
油資源消費の削減やリサイクル、さらにはゼロエミッシ
ョンを目指す産業も多くなっている。コーティング分野
では、以前から建築材料の塗料や接着剤からのVOC
(揮発性有機成分)の問題が取上げられ、有機溶剤系の
ものから水系のものへの脱溶剤化の技術転換が活発であ
り、その素材として水性エマルジョンの開発が進んでい
る。しかし、エポキシ樹脂の水性エマルジョンは数多く
提案されているが、水性エマルジョン化する為に、水不
溶性のものはアニオン基やカチオン基を導入して親水化
したり、ラジカル重合性モノマーを混合して乳化重合す
る方法があるが、合成手順が複雑であり、また界面活性
剤や乳化剤を利用して水性エマルジョン化する方法もあ
るが塗膜などの性能に劣る。そして、一般的に自己硬化
型でないエポキシ樹脂に対して、硬化剤が必要となり、
主剤と硬化剤とを混ぜ合わせた時のポットライフの問題
や硬化剤に使用される揮発性アミン類などの毒性、或い
は臭いの問題がある。
【0004】一方、自己硬化型で水溶性樹脂として知ら
れているメラミン−ホルムアルデヒド樹脂や尿素−ホル
ムアルデヒド樹脂などのホルムアルデヒド系樹脂は、例
えば、各種商業印刷物や雑誌などの塗工紙分野で顔料と
共に耐水性バインダー樹脂として使用したり、建装分野
で壁紙や木材などの接着剤に使用する場合があるが、製
造作業中、及び製品からのホルムアルデヒドの発生が問
題となる。また、ホルムアルデヒド系樹脂は、ポリアミ
ンエピクロロヒドリン系樹脂と並んで製紙分野の湿潤紙
力増強剤として多く使用されているが、他のVOCを発
生するものも含めて、食品、医薬品、電子・電気部品、
各種工業品などの包装材料としての包装紙や紙容器には
VOCの問題から適当とは言い難い。
【0005】この様な背景から、僅かに或いは全く有機
溶剤を含まないで、且つ自己硬化型の水溶性エポキシ樹
脂が望まれるところであるが、これまで未だ実現されて
いない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決するためになされたもので、各種用途に使用可能な
エポキシ樹脂を、従来の様な複雑な反応によらず、安価
で簡便な方法によって自己硬化型に変性した、環境配慮
型の水溶性多官能エポキシ架橋体を提供することにあ
る。また、特に、その水溶性多官能エポキシ架橋体を使
った優れた紙力向上を発現する製紙用内添剤とそれを用
いた内添紙と紙容器を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
1分子内に少なくとも3個、好ましくは4個以上のエポ
キシ基を有する1種類以上の水溶性エポキシ化合物、或
いは高分子に、1分子中に少なくとも2個、好ましくは
3個以上の活性水素を有する1種類以上の水溶性アミン
類を、エポキシ基mol量/活性水素mol量の比率が
0.2〜3.0の範囲で反応させたことを特徴とする水
溶性多官能エポキシ架橋体である。
【0008】請求項2に係る発明は、前記水溶性エポキ
シ化合物、或いは高分子が、水溶性のグリシジルエーテ
ル類、グリシジルエステル類、グリシジルアミン類から
選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求
項1係る水溶性多官能エポキシ架橋体である。
【0009】請求項3に係る発明は、前記水溶性エポキ
シ化合物、或いは高分子のエポキシ当量が100〜20
00であることを特徴とする、請求項1または2記載の
水溶性多官能エポキシ架橋体である。
【0010】請求項4に係る発明は、前記水溶性アミン
類として、アンモニア、1級或いは2級アミノ基、ヒド
ラジノ基、ヒドラゾノ基、アミジノ基、或いはこれらの
塩である官能基を有した水溶性の化合物、或いは高分子
からなる少なくとも1種類以上のアミン類であることを
特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
水溶性多官能エポキシ架橋体である。
【0011】請求項5に係る発明は、前記水溶性多官能
エポキシ架橋体の反応を、水、或いは水/水溶性有機溶
剤混合系、或いは水溶性有機溶剤のいずれかの溶媒を用
いて架橋反応させたことを特徴とする、請求項1ないし
4のいずれか1項に記載の水溶性多官能エポキシ架橋体
である。
【0012】請求項6に係る発明は、前記溶媒中の反応
試薬原料の固形分濃度が10〜99重量%であり、架橋
反応が進行後に水又は水/水溶性有機溶剤で希釈するこ
とで架橋反応を止める処理をしたことを特徴とする、請
求項5記載の水溶性多官能エポキシ架橋体である。
【0013】請求項7に係る発明は、前記水溶性多官能
エポキシ架橋体の架橋反応を止める為の、水又は水/水
溶性有機溶剤混合系の希釈濃度が、固形分濃度で1〜5
0重量%の範囲であることを特徴とする、請求項6記載
の水溶性多官能エポキシ架橋体である。
【0014】請求項8に係る発明は、前記水溶性有機溶
剤が、アルコール系であることを特徴とする、請求項5
ないし7のいずれか1項に記載の水溶性多官能エポキシ
架橋体である。
【0015】請求項9に係る発明は、前記水溶性多官能
エポキシ架橋体の架橋反応を止める時の粘度が、25℃
下で50mPa・s以上であることを特徴とする、請求
項5ないし8のいずれか1項に記載の水溶性多官能エポ
キシ架橋体である。
【0016】請求項10に係る発明は、請求項1〜9の
いずれか1項に記載の水溶性多官能エポキシ架橋体を用
いた製紙用添加剤である。
【0017】請求項11に係る発明は、請求項10記載
の製紙用添加剤を紙抄造時に内添した内添紙である。
【0018】請求項12に係る発明は、請求項10記載
の製紙用添加剤を紙容器抄造時に内添した紙容器であ
る。
【0019】請求項13に係る発明は、請求項11記載
の内添紙を用いた紙容器である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明好ましい実施形態
について詳細に説明する。
【0021】本発明の水溶性多官能エポキシ架橋体は、
1分子内に少なくとも3個、好ましくは4個以上のエポ
キシ基を有する1種類以上の水溶性エポキシ化合物、或
いは高分子に、1分子中に少なくとも2個、好ましくは
3個以上の活性水素を有する1種類以上の水溶性アミン
類を、水、或いは水/水溶性有機溶剤混合系、或いは水
溶性有機溶剤中で架橋反応させることを特徴とするもの
である。
【0022】本発明の水溶性多官能エポキシ架橋体の原
料となる水溶性エポキシ化合物、或いは高分子は、1分
子中に少なくとも3個の、好ましくは4個以上のエポキ
シ基を有する化合物、或いは高分子であれば特に制限は
ない。例えば、グリシジルエーテル類やグリシジルエス
テル類、グリシジルアミン類等が挙げられる。グリシジ
ルエーテル類としては、ソルビトールポリグリシジルエ
ーテル類や、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル
類、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル類、
ジグリセロールポリグリシジルエーテル類、グリセロー
ルポリグリシジルエーテル類、トリメチロールプロパン
ポリグリシジルエーテル類などが挙げられる。これらの
中には、水溶性の低いものも含まれており、場合によっ
ては水溶性有機溶剤も併用し、水性溶液にすることがで
きる。
【0023】そして、グリシジルエステル類やグリシジ
ルアミン類は芳香族系やトリアジン環のものが一般的に
多く水溶性のものは少ないが、脂肪族系の水溶性にした
ものを示す。これらは、アルコールやカルボン酸、2級
アミン類等の活性水素とエピクロルヒドリンが脱HCl
化反応しエポキシ基を導入されたものであり、これらに
限らず、同じようなエピクロルヒドリン誘導体で水溶性
のものであれば良い。また、エピクロルヒドリンは毒性
があるので、未反応のエピクロルヒドリンが極力少な
く、昨今のダイオキシンの問題から脱ハロゲン化(水
素)の良い誘導体が開発されているので、それらを使用
した方が好ましい。
【0024】本発明の水溶性多官能エポキシ架橋体の原
料となる水溶性アミン類としては、1分子内に少なくと
も2個、好ましくは3個以上の活性水素を有する水溶性
アミン類であれば、特に限定されるものではない。例え
ば、アンモニア、1級或いは2級アミノ基、ヒドラジノ
基、ヒドラゾノ基、アミジノ基、或いはこれらの塩であ
る官能基を有した水溶性化合物、或いは高分子を示し、
具体的には、1級或いは2級アミノ基を有したものとし
て、モノメチルアミン、モノエチルアミン、n−プロピ
ルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、
tert−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、γ−
アミノ酪酸、モノエタノールアミンのような脂肪族およ
び脂環式モノアミン類やアニリンや、ベンジルアミン、
フェニルジアミンのような芳香族アミン類、メラミン、
ピペラジン、イミダゾリジンのようなN−ヘテロ環アミ
ン類、エチレンジアミンやプロピレンジアミン、シクロ
ヘキシルジアミン、イソホロンジアミンのような脂肪族
および脂環式ジアミン類、ジエチレントリアミンやトリ
エチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミ
ノビスプロピルアミン、3−アザヘキサン−1,6−ジ
アミン、ポリエチレンイミンのようなポリアルキレンポ
リアミン類やその誘導体が挙げられる。ポリエチレンイ
ミンは、平均分子量300以上から100,000のも
のが入手できるが、好ましくは300〜10,000程
度のものが良い。また、ヒドラジン一水和物やヒドラジ
ン塩酸塩、硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、チオシアン
酸、炭酸などの無機塩類も挙げられる。
【0025】ヒドラジド基を有したものとしては、モノ
ヒドラジド類、ジヒドラジド類及び多価ヒドラジド類が
挙げられる。モノヒドラジド類としては、ホルムヒドラ
ジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジドな
ど、ジヒドラジド類としては、カルボヒドラジド、シュ
ウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジ
ヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ジグリコール酸
ジヒドラジドなど、多価ヒドラジド類としては、ポリア
クリル酸ヒドラジドが挙げられる。ヒドラゾノ基を有し
たものとしては、アセトアルデヒドヒドラゾンなどが挙
げられる。アミジノ基を有したものとしては、アセトア
ミジン、ヘキサンアミジン、ポリアミジンなどが挙げら
れる。
【0026】その他、ポリアザンやポリアゼン類、グア
ニジン類及びその誘導体、セミカルバジド類やカルバゾ
ン類なども含まれる。また、水溶性ポリアミン系高分子
としては、ポリビニルアミン類やポリアリルアミン類、
アミノエチル化ポリアクリル酸などのアミノエチル化樹
脂類、及びこれらの無機酸塩やその誘導体も含まれる。
そして、キトサンやその塩などの水溶性天然高分子も含
まれる。
【0027】また、以上のようなアミン類の他に、1級
或いは2級アミノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ア
ミジノ基、或いはこれらの塩である官能基を有した水溶
性化合物として、アルコキシシリル基やフルオロアルキ
ル鎖、シリコーン鎖、活性ビニル基を有していても構わ
ない。アルコキシシリル基を有したアミン類としては、
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、4−アミノブチルトリエト
キシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルト
リメトキシシランなどが例示でき、中でもN−(2−ア
ミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシランが
特に好ましい。これらは、水に溶けにくいが水/アルコ
ール系混合溶媒中でエポキシ類と反応させることで、ア
ルコキシシリル基が部分的に加水分解しシラノール基に
なって水に溶解し易くなる。フルオロアルキル基を有し
たアミン類としては、1H、1H−ヘプタフルオロブチ
ルアミン、1H、1H−トリデカフルオロヘプチルアミ
ン、1H、1H−ペンタデカフルオロオクチルアミン、
1H、1H−ヘプタデカフルオロノニルアミンなどや、
フルオロアルキル(メタ)アクリレートとヒドラジン一
水和物のマイケル付加物、フルオロアルキル基含有エポ
キシ化合物とヒドラジン一水和物の反応物などヒドラジ
ノ基導入体も挙げられる。活性ビニル基を有したアミン
類としては、ビニルアミンやアリルアミンなどが挙げら
れる。
【0028】以上のような、1分子内に少なくとも3
個、好ましくは4個以上のエポキシ基を有する水溶性エ
ポキシ化合物、或いは高分子と、活性水素を少なくとも
2個、好ましくは3個以上有する水溶性アミン類は、各
々2種類以上混合されていても良く、エポキシ基mol
量/活性水素mol量の比率が0.2〜3.0の範囲、
好ましく0.5〜2.0の比率の範囲で反応させると、
エポキシ基がアミン類の活性水素を有する窒素原子の求
核攻撃を受けエポキシ環の開環反応が起る。この時、エ
ポキシ基とアミノ基の官能基数の関係から三次元的な架
橋反応になる。この架橋反応は、エポキシ基mol量/
アミン類由来活性水素mol量の比率や溶媒種、溶媒
量、反応温度によって当然変化するが、反応中、攪拌す
るだけの非常に単純な反応と言える。
【0029】エポキシ基mol量/アミン類由来活性水
素mol量の比率は0.2〜3.0の比率の範囲、より
好ましくは、0.5〜2.0の比率の範囲が好ましい。
この架橋反応は、最終的にゲル化まで進行する反応条件
が本発明では好ましく、前述のエポキシ基mol量/ア
ミン類由来活性水素mol量の比率範囲外では、ゲル化
し難くなる。
【0030】本発明ではゲル化を自己硬化性の目安とし
ている。そして、ゲル化する手前、好ましくは直前に、
反応液へ水を加えて溶解し希釈することで、ゲル化反応
を中止させる。場合によって水/水溶性有機溶剤混合液
や水溶性有機溶剤を加えても良いが、本発明の環境配慮
の目的から言えば出来るだけ避けた方が良い。この時、
予めゲル化する時の粘度を測っておくのも一つの方法で
ある。このようにして作製できたものが、本発明の水溶
性多官能エポキシ架橋体と該水性溶液である。
【0031】本発明の水溶性多官能エポキシ架橋体を作
る架橋反応を行う時の溶媒は、水、或いは水/水溶性有
機溶剤混合系、または水溶性有機溶剤系があり、特に水
を用いるのが好ましい。水溶性有機溶剤としては、余り
毒性があるのは不適当であり、例えば、メタノールやエ
タノール、イソプロパノールなどのアルコール類、ブチ
ルセロソルブやブチルセロソルブアセテートなどのセロ
ソルブ類、エチレングリコールやプロピレングリコール
などのグリコール類、アセトンやメチルエチルケトンな
どのケトン類、ジオキサンなどのエーテル類、アセトニ
トリルやジメチルホルムアミドなどの含窒素化合物で何
れも水溶性のものが好ましく、特に環境的に好ましいの
は、エタノールやイソプロパノールなどのアルコール類
である。
【0032】溶媒中の反応試薬原料の固形分濃度は10
〜99重量%、好ましくは20〜50重量%である。固
形分濃度が薄すぎると反応速度が遅く十分に架橋反応が
進行しないし、固形分濃度が濃すぎると均一な架橋形成
が起らず部分的にゲル化してしまう場合もあるので、こ
の固形分濃度の範囲で適宜選択すれば良い。
【0033】架橋反応を止める為の水や水/水溶性有機
溶剤混合系の希釈濃度は固形分濃度が1〜50重量%、
好ましくは1〜10重量%である。この場合、希釈濃度
が薄いことは、架橋反応を止める意味から問題ないが実
用的に考えた場合に1重量%以上であり、希釈溶媒種や
反応させるエポキシ類とアミン類の組み合せにもよる
が、10重量%以下であれば、大体の架橋反応を止め自
己硬化型の多官能エポキシ架橋体水溶液を得ることがで
きる。
【0034】架橋反応を行う時の反応温度は、特に設定
する必要もなく室温下でも十分に反応は進行するが、反
応を早めたい時は、50〜80℃位まで加温しても良
い。反応時間は、反応させるエポキシ類やアミン類の種
類や組み合わせ、溶媒種や溶媒量によって異なるが、室
温下で大体10分間から長くて10時間位かかる。反応
時間が長い時は、加温すれば短時間で行うことができ
る。
【0035】以上の様に、本発明の水溶性多官能エポキ
シ架橋体は、エポキシ類とアミン類の2種類を混合して
攪拌反応させるだけの極めて簡便な方法によって作製す
ることができる。
【0036】また、本発明の水溶性多官能エポキシ架橋
体と該水性溶液は、石油由来の有機溶剤を僅かに或いは
全く使用せず作製が可能であり、架橋成分であるアミン
類は、架橋構造中に共有結合されている為、その塗膜や
含浸物、或いは内添紙などから揮発性有機成分(VO
C)をほとんど或いは全く放出しない環境配慮型のもの
である。
【0037】さらに、本発明の水溶性多官能エポキシ架
橋体は自己硬化型の水溶性樹脂である為、その用途範囲
は広い。例えば、他の水溶性樹脂を含む各種樹脂の架橋
剤や改質剤、金属や木材などの被覆用塗料、各種コート
剤、紙塗工用印刷向上剤、紙塗工用耐水化剤、接着剤、
粘着剤、繊維の防シワ・防縮加工剤や硬仕上げ剤などが
例示できる。また、製紙用添加剤として乾燥紙力増強剤
や湿潤紙力増強剤、濾水向上剤、歩留まり向上剤、凝集
剤などにも使用できる。
【0038】特に、乾燥及び湿潤紙力増強剤として使用
した場合、本発明の水溶性多官能エポキシ架橋体は構造
中にカチオン性のアミンがある為、水中でパルプ繊維に
容易に定着して、抄紙後の加熱乾燥により自己硬化反応
が起り、エポキシ基とセルロースの水酸基との架橋反応
が進行して、非常に優れた乾燥紙力と湿潤紙力を同時に
発現させることができる。そして、その乾燥紙力と湿潤
紙力の向上は、従来の各種紙力剤よりも優れている点は
注目すべき所である。また、抄紙p.H.域に制限はな
く、中性抄紙も可能である。従って、これらの特性とV
OCが殆どないことから食品、医薬品、電子・電気部
品、各種工業品などの包装材料用途として使用できる。
【0039】本発明の水溶性多官能エポキシ架橋体を添
加させる紙原料としては特に制限はなく、木材などの通
常のパルプ原料、さらに具体的には、針葉樹または広葉
樹から得られる漂白または未漂白の亜硫酸パルプ、クラ
フトパルプ、砕木パルプ、爆砕パルプ、溶解パルプ、熱
機械パルプ(TMP)、化学熱機械パルプ(CTMP)
などから選ばれる1種類または2種類以上を混ぜたもの
でも良く、特に限定されるものではない。また、場合に
よっては、最近、古紙の再生技術の進歩と古紙の再生利
用が高まっている為、脱墨パルプ(DIP)などの古紙
再生パルプを使用しても良い。
【0040】また、非木材繊維である麻類、綿(リンタ
ー)、わら、竹、ケナフ、バカス、シオグサ、エスパル
ト、楮、三椏、雁皮、ラミーなどを用いても良く、レー
ヨン、テンセル、ポリノジック繊維などの再生セルロー
スも非木材繊維に含まれる。その他、微生物産生セルロ
ース、バロニアセルロース、ホヤセルロースなどでも構
わない。
【0041】さらに、ポリエチレンやポリプロピレンな
どのポリオレフィン系繊維やPVA繊維、ビニロン繊
維、アクリル繊維、ポリエステル系繊維などの合成化学
繊維や不織布の湿式抄紙、或いは以上の化学繊維とパル
プとの湿式混抄時に内添しても良い。また、各種生分解
性樹脂繊維、例えばポリ乳酸繊維や各種脂肪族ポリエス
テル繊維、キチン、キトサン繊維、アルギン酸繊維、そ
して炭素繊維やアルミナ繊維、ガラス繊維、ステンレス
繊維等のセラミック繊維、金属繊維なども前述同様に使
用できる。
【0042】本発明の水溶性多官能エポキシ架橋体を添
加した内添紙は、従来の製紙工程で製紙できる。即ち、
水溶性多官能エポキシ架橋体の水性溶液をパルプの水分
散スラリー中に任意の割合で添加し、抄紙・抄造、プレ
ス工程、加熱乾燥工程を経て作製できる。この時、サイ
ズ剤や染顔料、填料、或いは定着助剤を配合しても構わ
ない。また、本発明の水溶性多官能エポキシ架橋体を添
加した内添紙容器を作製する場合には、従来公知の方法
が可能であり、例えば、本発明の水溶性多官能エポキシ
架橋体を添加した内添紙をプランジャー型製函機で打ち
抜き4隅を貼りあわせる組み立てる成形法や、専用のト
レー成形機で熱圧押付成形できるプレス式成形法や真空
成形法、或いは、湿式のパルプモールド成形手法により
後工程なくパルプモールド成形することも可能である。
【0043】
【実施例】以下、本発明の実施例について具体的に説明
するが、これらは本発明を限定するものではない。
【0044】以下の実施例で使用するパルプスラリーは
下記に示した叩解パルプの調整方法に基づいて作製し
た。 〈叩解パルプの調整方法〉原料パルプは、針葉樹クラフ
トパルプ(NBKP)抄紙用原料を、JIS−P820
9『パルプ試験用手漉き紙調整方法』に準拠して離解
し、JIS−P8121『パルプの濾水度試験方法』に
準拠したカナダ標準濾水度試験方法で300mlCSF
の濾水度(叩解度)のものをビーターで作製し、固形分
濃度1.0%のパルプスラリーを得た。
【0045】(実施例1)1分子中に約5個のエポキシ
基を有するナガセ化成(株)製のポリグリセロールポリ
グリシジルエーテルであるデナコールEX521を5g
(エポキシ当量183よりエポキシ基mol=27.3
2mmol)取り、水/イソプロパノール=1/1混合
液20gを加え、良く攪拌して溶解し、その中にヒドラ
ジン一水和物(98%)を0.70g(13.66mm
ol)添加した。この時のエポキシ基mol量/アミノ
基由来活性水素mol量の比率は0.5であった。これ
を室温下で攪拌反応させた所、約20分後に高粘度にな
ったので水を75g加え攪拌して溶解し、固形分濃度5
wt%の本発明の水溶性多官能エポキシ架橋体水性溶液
を得た。そして、叩解パルプの調整方法に基づいて作製
したパルプスラリー500g中(パルプ固形分量=5
g)に水溶性多官能エポキシ架橋体水性溶液5gを添加
(パルプ固形分に対して5wt%)し、3分間攪拌定着
後、標準手漉き抄紙機で抄紙し、脱水プレス(3.43
×105Pa)を3分間行い、ヤンキードライヤー(表
面温度=約120℃)で加熱乾燥させ、坪量約80g/
2の本発明の内添紙を作製した。
【0046】(実施例2)実施例1のヒドラジン一水和
物(98%)を0.35g(6.83mmol)に代え
て添加した以外同様の操作を行い、本発明の内添紙を作
製した。但し、反応に使った試薬のエポキシ基mol量
/アミノ基由来活性水素mol量の比率は1.0であ
り、これを室温下で攪拌反応させた所、高粘度になるの
に約5時間かかった。
【0047】(実施例3)実施例1のヒドラジン一水和
物をジエチレントリアミンに代えてそれを1.41g
(13.66mmol)添加した以外同様の操作を行
い、本発明の内添紙を得た。但し、反応に使った試薬の
エポキシ基mol量/アミノ基由来活性水素mol量の
比率は0.40であり、これを室温下で攪拌反応させた
所、高粘度になるのに約25分間かかった。
【0048】(実施例4)実施例3のジエチレントリア
ミンを0.7g(6.83mmol)添加した以外同様
の操作を行い、本発明の内添紙を得た。但し、反応に使
った試薬のエポキシ基mol量/アミノ基由来活性水素
mol量の比率は0.80であり、これを室温下で攪拌
反応させた所、高粘度になるのに約1時間かかった。
【0049】(実施例5)実施例1のヒドラジン一水和
物をN−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリ
メトキシシラン(チッソ(株)製、商品名;S320)
に代えてそれを3.04g(13.66mmol)添加
した以外同様の操作を行い、本発明の内添紙を得た。但
し、反応に使った試薬のエポキシ基mol量/アミノ基
由来活性水素mol量の比率は0.66であり、これを
室温下で攪拌反応させた所、高粘度になるのに約15分
間かかった。
【0050】(実施例6)実施例5のN−(2−アミノ
エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシランを1.
52g(6.83mmol)添加した以外同様の操作を
行い、本発明の内添紙を得た。但し、反応に使った試薬
のエポキシ基mol量/アミノ基由来活性水素mol量
の比率は1.6であり、これを室温下で攪拌反応させた
所、高粘度になるのに約75分間かかった。
【0051】(実施例7)実施例1のヒドラジン一水和
物を1,4−ヘキシルジアミンに代えてそれを0.4g
(3.42mmol)添加した以外同様の操作を行い、
本発明の内添紙を得た。但し、反応に使った試薬のエポ
キシ基mol量/アミノ基由来活性水素mol量の比率
は2.0であり、これを室温下で攪拌反応させた所、高
粘度になるのに約2時間かかった。
【0052】(実施例8)1分子中に約4個のエポキシ
基を有するナガセ化成(株)製のソルビトールポリグリ
シジルエーテルであるデナコールEX614を5g(エ
ポキシ当量167よりエポキシ基mol=29.94m
mol)取り、水20gを加え、良く攪拌して溶解し、
その中にヒドラジン一水和物(98%)を0.51g
(9.98mmol)添加した。この時のエポキシ基m
ol量/アミノ基由来活性水素mol量の比率は0.7
5であった。これを室温下で攪拌反応させた所、約6時
間後に高粘度になったので水を75g加え攪拌して溶解
し、固形分濃度=5wt%の本発明の水溶性多官能エポ
キシ架橋体水溶液を得た。そして、叩解パルプの調整方
法に基づいて作製したパルプスラリー500g中(パル
プ固形分量=5g)に水溶性多官能エポキシ架橋体水溶
液5gを添加(パルプ固形分に対して5wt%)し、3
分間攪拌定着後、標準手漉き抄紙機で抄紙し、脱水プレ
ス(3.43×105Pa)を3分間行い、ヤンキード
ライヤー(表面温度=約120℃)で加熱乾燥させ、本
発明の有機溶剤不含の多官能エポキシ架橋体水溶液によ
る坪量約80g/m2の内添紙を得た。
【0053】(実施例9)実施例8のヒドラジン一水和
物を平均分子量600のポリエチレンイミン(日本触媒
(株)製、商品名;SP−006、アミン価=20)に
代えてそれを0.7g(2級アミノ基;35mmol)
添加した以外同様の操作を行い、本発明の内添紙を得
た。但し、反応に使った試薬のエポキシ基mol量/ア
ミノ基由来活性水素mol量の比率は0.86であり、
これを室温下で攪拌反応させた所、高粘度になるのに約
5時間かかった。これも、本発明の有機溶剤不含の多官
能エポキシ架橋体水溶液による内添紙である。
【0054】(比較例1)叩解パルプの調整方法に基づ
いて作製したパルプスラリー500g(パルプ固形分量
=5g)をそのまま、標準手漉き抄紙機で抄紙し、脱水
プレス(3.43×105Pa)を3分間行い、ヤンキ
ードライヤー(表面温度=約120℃)で加熱乾燥さ
せ、坪量約80g/m2のNBKP原紙を作製した。
【0055】(比較例2)叩解パルプの調整方法に基づ
いて作製したパルプスラリー500g中(パルプ固形分
量=5g)に硫酸バンドをパルプ固形分に対して1wt
%添加し攪拌後、市販のメラミン−ホルムアルデヒド樹
脂の酸コロイド水溶液をパルプ固形分に対して5wt%
添加し、3分間攪拌定着後、標準手漉き抄紙機で抄紙
し、脱水プレス(3.43×105Pa)を3分間行
い、ヤンキードライヤー(表面温度=約120℃)で加
熱乾燥させ、坪量約80g/m2の湿潤紙力増強紙を作
製した。
【0056】(比較例3)叩解パルプの調整方法に基づ
いて作製したパルプスラリー500g中(パルプ固形分
量=5g)に市販のポリアミンポリアミドエピクロロヒ
ドリン樹脂の水溶液をパルプ固形分に対して5wt%添
加し、3分間攪拌定着後、標準手漉き抄紙機で抄紙し、
脱水プレス(3.43×105Pa)を3分間行い、ヤ
ンキードライヤー(表面温度=約120℃)で加熱乾燥
させ、坪量約80g/m2の湿潤紙力増強紙を作製し
た。
【0057】実施例で作製した各内添紙の紙力強度を下
記に示した試験方法に基づいて評価した。その評価結果
を表1に示す。 〈試験方法〉なお、評価を行う前に、JIS−8111
に基づいて、25℃−65%RH環境下で24時間以上
の調湿を行った。評価は、JIS−8113に基づいて
オートグラフ(島津製作所(株)製、島津オートグラフ
AG−500A)を使用して、乾燥状態(25℃−65
%RH)と湿潤状態(試験片を蒸留水へ1時間浸水)に
おける各々の破断強度を測定し裂断長を求め、湿潤裂断
長/乾燥裂断長(wet/dry)×100(%)を算
出した。
【0058】
【表1】
【0059】表1の結果から、本発明の水溶性多官能エ
ポキシ架橋体水性溶液内添紙のほとんどが、市販の湿潤
紙力増強剤による内添紙よりも、乾燥紙力と湿潤紙力が
共に大きく向上していることが判った。
【0060】
【発明の効果】以上のように、本発明により、エポキシ
類とアミン類の2種類を混合して攪拌反応させるだけの
極めて簡便な方法によって自己硬化型に変性した、環境
配慮型の水溶性多官能エポキシ架橋体を提供することが
できる。
【0061】本発明の水溶性多官能エポキシ架橋体は、
石油由来の有機溶剤を僅かに或いは全く使用せず作製が
可能であり、架橋成分であるアミン類は、架橋構造中に
共有結合されている為、その塗膜や含浸物、或いは内添
紙などから揮発性有機成分(VOC)をほとんど或いは
全く放出しない環境配慮型のものである。
【0062】また、本発明の水溶性多官能エポキシ架橋
体は、自己硬化型の水溶性樹脂である為、その用途範囲
は広く、例えば、他の水溶性樹脂を含む各種樹脂の架橋
剤や改質剤、金属や木材などの被覆用塗料、各種コート
剤、紙塗工用印刷向上剤、紙塗工用耐水化剤、接着剤、
粘着剤、繊維の防シワ・防縮加工剤や硬仕上げ剤などの
広範囲の用途に使用できる。
【0063】さらに、製紙用添加剤として乾燥紙力増強
剤や湿潤紙力増強剤、濾水向上剤、歩留まり向上剤、凝
集剤などにも使用できる。特に、乾燥及び湿潤紙力増強
剤として使用した場合、本発明の水溶性多官能エポキシ
架橋体は、構造中にカチオン性のアミンがある為、水中
でパルプ繊維に容易に定着して、抄紙後の加熱乾燥によ
り自己硬化反応が起り、エポキシ基とセルロースの水酸
基との架橋反応が進行して、非常に優れた乾燥紙力と湿
潤紙力を同時に発現させることができる。そして、その
乾燥紙力と湿潤紙力の向上は、従来の各種紙力剤よりも
優れている。また、抄紙p.H.域に制限はなく、中性
抄紙も使用可能である。
【0064】また、これらの特性とVOCが殆どないこ
とから食品、医薬品、電子・電気部品、各種工業品など
の包装紙や紙容器などの包装材料として使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 友美子 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 Fターム(参考) 3E033 BA10 BA30 BB04 CA06 CA09 4J036 AB02 AB03 AG00 AH00 DC03 DC04 DC06 DC07 DC09 DC10 DC12 DC15 DC26 DC35 DC39 DC40 DC45 DC48 DD08 FB03 FB14 GA28 JA15 KA02 4L055 AA02 AC06 AG87 AH16 AH17 AH18 EA25 EA30 EA32 FA10 FA13 FA22 FA30 GA05 GA30

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1分子内に少なくとも3個、好ましくは4
    個以上のエポキシ基を有する1種類以上の水溶性エポキ
    シ化合物、或いは高分子に、1分子中に少なくとも2
    個、好ましくは3個以上の活性水素を有する1種類以上
    の水溶性アミン類を、エポキシ基mol量/活性水素m
    ol量の比率が0.2〜3.0の範囲で反応させたこと
    を特徴とする、水溶性多官能エポキシ架橋体。
  2. 【請求項2】前記水溶性エポキシ化合物、或いは高分子
    が、水溶性のグリシジルエーテル類、グリシジルエステ
    ル類、グリシジルアミン類から選ばれる少なくとも1種
    であることを特徴とする、請求項1記載の水溶性多官能
    エポキシ架橋体。
  3. 【請求項3】前記水溶性エポキシ化合物、或いは高分子
    のエポキシ当量が100〜2000であることを特徴と
    する、請求項1または2記載の水溶性多官能エポキシ架
    橋体。
  4. 【請求項4】前記水溶性アミン類として、アンモニア、
    1級或いは2級アミノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ
    基、アミジノ基、或いはこれらの塩である官能基を有し
    た水溶性の化合物、或いは高分子からなる少なくとも1
    種類以上のアミン類であることを特徴とする、請求項1
    ないし3のいずれか1項に記載の水溶性多官能エポキシ
    架橋体。
  5. 【請求項5】前記水溶性多官能エポキシ架橋体の反応
    を、水、或いは水/水溶性有機溶剤混合系、或いは水溶
    性有機溶剤のいずれかの溶媒を用いて架橋反応させたこ
    とを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記
    載の水溶性多官能エポキシ架橋体。
  6. 【請求項6】前記溶媒中の反応試薬原料の固形分濃度が
    10〜99重量%であり、架橋反応が進行後に水又は水
    /水溶性有機溶剤で希釈することで架橋反応を止める処
    理をしたことを特徴とする、請求項5記載の水溶性多官
    能エポキシ架橋体。
  7. 【請求項7】前記水溶性多官能エポキシ架橋体の架橋反
    応を止める為の、水又は水/水溶性有機溶剤混合系の希
    釈濃度が、固形分濃度で1〜50重量%の範囲であるこ
    とを特徴とする、請求項6記載の水溶性多官能エポキシ
    架橋体。
  8. 【請求項8】前記水溶性有機溶剤が、アルコール系であ
    ることを特徴とする、請求項5ないし7のいずれか1項
    に記載の水溶性多官能エポキシ架橋体。
  9. 【請求項9】前記水溶性多官能エポキシ架橋体の架橋反
    応を止める時の粘度が、25℃下で50mPa・s以上
    であることを特徴とする、請求項5ないし8のいずれか
    1項に記載の水溶性多官能エポキシ架橋体。
  10. 【請求項10】請求項1〜9記載のいずれか1項に記載
    の水溶性多官能エポキシ架橋体を用いた製紙用添加剤。
  11. 【請求項11】請求項10記載の製紙用添加剤を紙抄造
    時に内添した内添紙。
  12. 【請求項12】請求項10記載の製紙用添加剤を紙容器
    抄造時に内添した紙容器。
  13. 【請求項13】請求項11記載の内添紙を用いた紙容
    器。
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JPH0776623A (ja) * 1994-02-10 1995-03-20 Sumitomo Chem Co Ltd カチオン性ポリマーの水分散液およびその用途
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