JP2002348350A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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JP2002348350A
JP2002348350A JP2001158463A JP2001158463A JP2002348350A JP 2002348350 A JP2002348350 A JP 2002348350A JP 2001158463 A JP2001158463 A JP 2001158463A JP 2001158463 A JP2001158463 A JP 2001158463A JP 2002348350 A JP2002348350 A JP 2002348350A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温保管性、成形性、離型性、難燃性及び耐
半田ストレス性に優れた特性を有するエポキシ樹脂組成
物を提供すること。 【解決手段】(A)ジフェニレン骨格を有するフェノー
ルアラルキル型エポキシ樹脂、(B)ジフェニレン骨格
を有するフェノールアラルキル型樹脂、(C)全無機
物、(D)硬化促進剤としてテトラフェニルホスホニウ
ム・テトラキス(1−ナフトイルオキシ)ボレート及び
(E)酸化マイクロクリスタリンワックスのウレタン化
物と酸化ポリエチレンワックスのウレタン化物を必須成
分とし、全無機物が全エポキシ樹脂組成物中87〜94
重量%であり、酸化マイクロクリスタリンワックスのウ
レタン化物と酸化ポリエチレンワックスのウレタン化物
が、全エポキシ樹脂組成物中0.05〜0.4重量%で
あることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温保管性、成形
性、離型性に優れる半導体封止用エポキシ樹脂組成物及
び難燃性、耐半田ストレス性に優れる半導体装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ダイオード、トランジスタ、集積
回路等の半導体装置は、主にエポキシ樹脂組成物で封止
されているが、これらのエポキシ樹脂組成物中には、通
常難燃性を付与するために、通常臭素含有有機化合物及
び三酸化アンチモン、四酸化アンチモン等のアンチモン
化合物が配合されている。ところが、環境・衛生の点か
ら臭素含有有機化合物及びアンチモン化合物を使用しな
いで、難燃性に優れたエポキシ樹脂組成物の開発が望ま
れている。又半導体装置をプリント回路基板への実装時
において、鉛を含有する半田(スズ−鉛合金)が使用さ
れており、同様に環境・衛生の点から鉛を含有する半田
(スズ−鉛合金)を使用しないことが望まれている。鉛
を含有する半田(スズ−鉛合金)の融点は、183℃
で、実装時の半田処理の温度は220〜240℃であ
る。これに対し、スズ−銀合金に代表される鉛を含有し
ない半田は、融点が高く、半田処理時の温度が260℃
程度となるため、より耐半田ストレス性に優れたエポキ
シ樹脂組成物の開発が望まれている。
【0003】難燃性や耐半田ストレス性を向上させるた
めには無機充填材を高充填化し、樹脂成分の含有量を減
少させる必要があり、この手法の一つとして低粘度樹脂
を用いる方法がある。現在難燃剤を使用しないで低粘度
樹脂を用い無機充填材を高充填化したエポキシ樹脂組成
物或いは難燃性に優れた樹脂を用いたエポキシ樹脂組成
物や、各種の難燃剤を用いたエポキシ樹脂組成物が提案
されているが、エポキシ樹脂組成物として良好な成形性
或いは耐半田ストレス性を完全に満足させるものは、未
だ提案されていない。これは低粘度樹脂が一般的に低分
子量化合物であり、このため成形時の加熱により3次元
化して得られる架橋構造の架橋密度は低くなり、機械的
強度や熱時弾性率が低い硬化物となるため、金型からの
離型時に硬化物が金型に付着したり或いは成形品の割れ
・欠けが発生する等、成形性及び離型性に劣るという欠
点を有するからである。
【0004】更に半導体装置をエポキシ樹脂組成物で封
止する工程において、生産効率向上の手段の一つとして
成形時間を短くすることが求められている。このために
は成形時の速硬化性、高離型性が要求される。従来から
用いられている硬化促進剤では、成形時の速硬化性を達
成するのに十分な量を添加すると、エポキシ樹脂組成物
の常温での保存性が極端に低下するという問題点があ
る。又従来から用いられている離型剤では、離型性を向
上させるのに十分な量を添加すると、多量の離型剤が金
型側に付着することによる金型曇り、型取られといった
成形性の低下の問題があり、必ずしも満足できるもので
はなかった。このため、金型汚れが少なく、成形性、離
型性、耐湿性及び耐半田ストレス性に優れたエポキシ樹
脂組成物の開発が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、常温保管
性、金型汚れが少なく、成形性、離型性に優れたエポキ
シ樹脂組成物及び耐半田ストレス性と、臭素含有有機化
合物、アンチモン化合物を含まなくとも難燃性に優れた
半導体装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、 [1](A)一般式(1)で示されるエポキシ樹脂、
(B)一般式(2)で示されるフェノール樹脂、(C)
全無機物、(D)式(3)、一般式(4)又はテトラ置
換ホスホニウム(P)と1分子内にフェノール性水酸基
を2個以上有する化合物(Q)及び1分子内にフェノー
ル性水酸基を2個以上有する化合物(Q)の共役塩基と
の分子会合体(M)であって、該共役塩基が前記1分子
内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(Q)
から1個の水素を除いたフェノキシド型化合物からなる
硬化促進剤から選ばれる1種以上の硬化促進剤、及び
(E)酸化マイクロクリスタリンワックスのウレタン化
物と酸化ポリエチレンワックスのウレタン化物を必須成
分とし、全無機物が全エポキシ樹脂組成物中87〜94
重量%であり、酸化マイクロクリスタリンワックスのウ
レタン化物と酸化ポリエチレンワックスのウレタン化物
が、全エポキシ樹脂組成物中0.05〜0.4重量%で
あることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成
物、 [2](A)一般式(1)で示されるエポキシ樹脂、
(B)一般式(2)で示されるフェノール樹脂、(C)
全無機物、(D)式(3)、一般式(4)又はテトラ置
換ホスホニウム(P)と1分子内にフェノール性水酸基
を2個以上有する化合物(Q)及び1分子内にフェノー
ル性水酸基を2個以上有する化合物(Q)の共役塩基と
の分子会合体(M)であって、該共役塩基が前記1分子
内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(Q)
から1個の水素を除いたフェノキシド型化合物からなる
硬化促進剤から選ばれる1種以上の硬化促進剤、及び
(E)酸化マイクロクリスタリンワックスと酸化ポリエ
チレンワックスをウレタン化させたものを必須成分と
し、全無機物が全エポキシ樹脂組成物中87〜94重量
%であり、臭素含有有機化合物、及びアンチモン化合物
が、それぞれの難燃剤成分毎に1000ppm以下で、
酸化マイクロクリスタリンワックスのウレタン化物と酸
化ポリエチレンワックスのウレタン化物が、全エポキシ
樹脂組成物中0.05〜0.4重量%であることを特徴
とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
【0007】
【化7】 (R1、R2は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同
一でも異なっていてもよい。aは0〜3の整数、bは0
〜4の整数。nは平均値で、1〜5の正数)
【0008】
【化8】 (R1、R2は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同
一でも異なっていてもよい。aは0〜3の整数、bは0
〜4の整数。nは平均値で、1〜5の正数)
【0009】
【化9】
【0010】
【化10】 (X1、X2、X3及びX4は、芳香環もしくは複素環
を有する1価の有機基又は1価の脂肪族基であり、それ
らは互いに同一であっても異なっていてもよい。Y1、
Y2、Y3、及びY4は、芳香環もしくは複素環を有す
る1価の有機基又は1価の脂肪族基であって、それらの
うち少なくとも1個は、分子外に放出しうるプロトンを
少なくとも1個有するプロトン供与体がプロトンを1個
放出してなる基であり、それらは互いに同一であっても
異なっていてもよい。)
【0011】[3]一般式(1)で示されるエポキシ樹
脂が、式(5)で示されるエポキシ樹脂である第[1]
項又は[2]項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成
物、
【0012】
【化11】 (nは平均値で、1〜5の正数)
【0013】[4]一般式(2)で示されるフェノール
樹脂が、式(6)で示されるフェノール樹脂である第
[1]項又は[2]項記載の半導体封止用エポキシ樹脂
組成物、
【0014】
【化12】 (nは平均値で、1〜5の正数)
【0015】[5]第[1]〜[4]項のいずれかに記
載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素
子を封止してなることを特徴とする半導体装置、であ
る。
【0016】
【発明の実施の様態】本発明で用いられる一般式(1)
で示されるエポキシ樹脂は、エポキシ基間に疎水性で剛
直なジフェニレン骨格を有しており、これを用いたエポ
キシ樹脂組成物の硬化物は吸湿率が低く、ガラス転移温
度(以下、Tgという)を越えた高温域での弾性率が低
く、架橋密度が低い割には耐熱性が高いという特徴を有
している。従って、このエポキシ樹脂を用いたエポキシ
樹脂組成物で、封止された半導体装置は、実装時の半田
処理下でも高い信頼性を得ることができる。
【0017】一般式(1)中のnは平均値で、好ましく
は1〜5の正数、特に好ましくは1〜3である。n=1
未満だとエポキシ樹脂の硬化性が低下するので好ましく
ない。n=5を越えると、樹脂粘度が高くなり流動性が
低下するので好ましくない。一般式(1)で示されるエ
ポキシ樹脂の使用量は、これを調節することにより、耐
半田ストレス性を最大限に引き出すことができる。耐半
田ストレス性の効果を引き出すためには、一般式(1)
で示されるエポキシ樹脂を、全エポキシ樹脂量中に30
重量%以上、好ましくは50重量%以上含むものが望ま
しい。30重量%未満であると、耐半田ストレス性が不
充分となるおそれがある。一般式(1)で示されるエポ
キシ樹脂の本来の特性を損なわない範囲で他のエポキシ
樹脂と併用してもよい。併用する場合は、分子中にエポ
キシ基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般
で、極力低粘度のものを使用することが望ましく、例え
ばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、
ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ
樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ナフトー
ル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アルキ
ル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジ
ン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェ
ノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。しかし、他の低
粘度のエポキシ樹脂を併用すると、成形性、離型性が劣
るおそれがある。そこで後述する本発明の硬化促進剤及
び離型剤を用いることにより、成形性、離型性を改善す
ることができる。
【0018】本発明で用いられる一般式(2)で示され
るフェノール樹脂は、フェノール基間に疎水性で剛直な
ジフェニレン骨格を有しており、これを用いたエポキシ
樹脂組成物の硬化物は吸湿率が低く、Tgを越えた高温
域での弾性率が低く、架橋密度が低い割には耐熱性が高
いという特徴を有している。従って、これらのフェノー
ル樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物で、封止された半導
体装置は、実装時の半田処理下でも高い信頼性を得るこ
とができる。一般式(2)中のnは平均値で、好ましく
は1〜5の正数、特に好ましくは1〜3である。n=1
未満だとエポキシ樹脂の硬化性が低下するので好ましく
ない。n=5を越えると、樹脂粘度が高くなり流動性が
低下するので好ましくない。
【0019】一般式(2)で示されフェノール樹脂の使
用量は、これを調節することにより、耐半田ストレス性
を最大限に引き出すことができる。耐半田ストレス性の
効果を引き出すためには、一般式(2)で示されるフェ
ノール樹脂を、全フェノール樹脂量中に30重量%以
上、好ましくは50重量%以上含むものが望ましい。3
0重量%未満であると、耐半田ストレス性が不充分とな
るおそれがある。本発明に用いる一般式(2)で示され
るフェノール樹脂の特性を損なわない範囲で他のフェノ
ール樹脂と併用してもよい。併用する場合は、分子中に
フェノール性水酸基を有するモノマー、オリゴマー、ポ
リマー全般で、極力低粘度のものを使用することが望ま
しく、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノ
ボラック樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリフェノ
ールメタン樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシク
ロペンタジエン変性フェノール樹脂等が挙げられる。本
発明に用いられる全エポキシ樹脂のエポキシ基と全フェ
ノール樹脂のフェノール性水酸基の当量比は、好ましく
は0.5〜2であり、特に0.7〜1.5がより好まし
い。0.5〜2の範囲を外れると、耐湿性、硬化性等が
低下するので好ましくない。
【0020】本発明で用いる全無機物とは、一般に封止
材料に用いられている無機充填材と必要により添加され
る難燃剤としてのアンチモン化合物、無機イオン交換体
等の無機物とを加算したものである。本発明で用いる無
機充填材の種類については特に制限はなく、例えば溶融
破砕シリカ、溶融球状シリカ、結晶シリカ、2次凝集シ
リカ、アルミナ、チタンホワイト、水酸化アルミニウム
等が挙げられ、特に溶融球状シリカが好ましい。溶融球
状シリカの形状としては、流動性改善のために限りなく
真球状であり、かつ粒度分布がブロードであることが好
ましい。全無機物の含有量としては、全エポキシ樹脂組
成物中87〜94重量%が好ましい。87重量%未満だ
と、エポキシ樹脂組成物の硬化物の低吸湿性が得られず
耐半田ストレス性が不十分となり、臭素化オルソクレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化ビスA型エポキ
シ樹脂等の臭素含有有機化合物及び三酸化アンチモン、
四酸化アンチモン等のアンチモン化合物等の難燃剤を添
加しないと難燃性が不足し好ましくない。94重量%を
越えると、流動性が低下し、成形時に充填不良等が生じ
たり、高粘度化による半導体装置内の金線変形等の不都
合が生じるおそれがあるので好ましくない。
【0021】本発明において、臭素含有有機化合物及び
アンチモン化合物の難燃剤はそれぞれの難燃剤成分毎に
1000ppm以下とする。これは意図して難燃剤を添
加しない場合であっても、原料や製造段階において混入
するレベルを0ppmにすることは経済上の理由から困
難であるため現実的な指標として定めるもので、当然0
ppmであっても0ppbであっても本発明の機能は有
効である。本発明に用いる無機充填材は、予め十分に混
合しておくことが好ましい。又必要に応じて無機充填材
をカップリング剤やエポキシ樹脂或いはフェノール樹脂
で予め処理して用いてもよく、処理の方法としては、溶
剤を用いて混合した後に溶媒を除去する方法や直接無機
充填材に添加し、混合機を用いて処理する方法等があ
る。
【0022】本発明に用いる式(3)で示される硬化促
進剤は、常温では触媒活性を示さないのでエポキシ樹脂
組成物の硬化反応が進むことがなく、成形時の高温にお
いて触媒活性が発現し、かつ一旦発現すると従来の硬化
促進剤よりも強い触媒活性を示し、エポキシ樹脂組成物
を高度に硬化させる特徴を有している。
【0023】本発明に用いる一般式(4)で示される硬
化促進剤は、ホスホニウムボレートからなる。ただし、
一般式(4)において、ホスホニウム基のX1、X2、
X3及びX4は、芳香環若しくは複素環を有する1価の
有機基又は1価の脂肪族基であり、それらは互いに同一
であっても異なっていてもよい。このようなホスホニウ
ム基としては、例えば、テトラフェニルホスホニウム、
テトラトリルホスホニウム、テトラエチルフェニルホス
ホニウム、テトラメトキシフェニルホスホニウム、テト
ラナフチルホスホニウム、テトラベンジルホスホニウ
ム、エチルトリフェニルホスホニウム、n−ブチルトリ
フェニルホスホニウム、2−ヒドロキシエチルトリフェ
ニルホスホニウム、トリメチルフェニルホスホニウム、
メチルジエチルフェニルホスホニウム、メチルジアリル
フェニルホスホニウム、テトラ−n−ブチルホスホニウ
ム等を挙げることができる。一般式(4)において、X
1、X2、X3及びX4は、芳香環を有する1価の有機
基であることが特に好ましく、又一般式(4)で示され
るホスホニウムボレートの融点は特に限定されるもので
はないが、エポキシ樹脂組成物中に均一分散させる点か
ら250℃以下であることが好ましい。特にテトラフェ
ニルホスホニウム基を有するホスホニウムボレートは、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂との相溶性が良好であ
り、好適に使用することができる。
【0024】一般式(4)において、ボレート基のY
1、Y2、Y3及びY4は、芳香環若しくは複素環を有
する1価の有機基又は1価の脂肪族基であって、それら
のうちの少なくとも1個は、分子外に放出しうるプロト
ンを少なくとも1個有するプロトン供与体がプロトンを
1個放出してなる基であり、Y1、Y2、Y3及びY4
は互いに同一であっても異なっていてもよい。このよう
なボレート基を与えるプロトン供与体としては、例え
ば、安息香酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、フタ
ル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸等の芳香族カルボン酸やフェノー
ル、ビフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノール
F、1−ナフトール、2−ナフトール、ポリフェノール
等のフェノール性化合物が良好であり、好適に使用でき
る。本発明で用いられる一般式(4)で示され硬化促進
剤は、エポキシ樹脂組成物に配合された場合、常温では
触媒活性を示さないのでエポキシ樹脂の硬化反応が進む
ことがなく、成形時の高温において触媒活性が発現し、
かつ一旦発現すると従来の硬化促進剤よりも強い触媒活
性を示してエポキシ樹脂組成物を高度に硬化させる。
【0025】本発明で用いるテトラ置換ホスホニウム
(P)と1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有す
る化合物(Q)及び1分子内にフェノール性水酸基を2
個以上有する化合物(Q)の共役塩基との分子会合体
(M)であって、該共役塩基が前記フェノール性水酸基
を2個以上有する化合物(Q)から1個の水素を除いた
フェノキシド型化合物からなる硬化促進剤は、その構成
成分の一つであるテトラ置換ホスホニウム(P)の置換
基については何ら限定されず、置換基は互いに同一であ
っても異なっていてもよい。例えば置換又は無置換のア
リール基やアルキル基を置換基に有するテトラ置換ホス
ホニウムイオンが、熱や加水分解に対して安定であり好
ましい。具体的には、テトラフェニルホスホニウム、テ
トラトリルホスホニウム、テトラエチルフェニルホスホ
ニウム、テトラメトキシフェニルホスホニウム、テトラ
ナフチルホスホニウム、テトラベンジルホスホニウム、
エチルトリフェニルホスホニウム、n−ブチルトリフェ
ニルホスホニウム、2−ヒドロキシエチルトリフェニル
ホスホニウム、トリメチルフェニルホスホニウム、メチ
ルジエチルフェニルホスホニウム、メチルジアリルフェ
ニルホスホニウム、テトラ−n−ブチルホスホニウム等
を例示できる。
【0026】本発明に用いる分子会合体(M)の構成成
分である、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有
する化合物(Q)としては、例えばビス(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジメチルフェニル)メタン(通称テトラメ
チルビスフェノールF)、4,4’−スルホニルジフェ
ノール、4,4’−イソプロピリデンジフェノール(通
称ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、
(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン及びこれらの内ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、
(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタンの3種の混合物(例えば、本州化学工業
(株)・製、ビスフェノールF−D)等のビスフェノー
ル類、1,2−ベンゼンジオール、1,3−ベンゼンジ
オール、1,4−ベンゼンジオール等のジヒドロキシベ
ンゼン類、1,2,4−ベンゼントリオール等のトリヒ
ドロキシベンゼン類、1,6−ジヒドロキシナフタレン
等のジヒドロキシナフタレン類の各種異性体、2,2’
−ビフェノール、4,4’−ビフェノール等のビフェノ
ール類の各種異性体等の化合物、フェノールノボラック
樹脂、フェノールアラルキル樹脂等が挙げられる。更
に、他の構成成分である共役塩基は、上記の化合物
(Q)から1個の水素を除いたフェノキシド型化合物で
ある。
【0027】本発明の分子分子会合体(M)は、前述の
ようにホスホニウム−フェノキシド型の塩を構造中に有
するが、従来の技術におけるホスホニウム−有機酸アニ
オン塩型の化合物と異なる点は、本発明の分子会合体
(M)では水素結合による高次構造がイオン結合を取り
囲んでいる点である。従来の技術における塩では、イオ
ン結合の強さのみにより反応性を制御しているのに対
し、本発明の分子会合体(M)では、常温ではアニオン
の高次構造による囲い込みが活性点の保護を行う一方、
成形の段階においては、この高次構造が崩れることで活
性点がむき出しになり、反応性を発現する、いわゆる潜
伏性が付与されている。本発明の分子会合体(M)の製
造方法は何ら限定されないが、代表的な2方法を挙げる
ことができる。1つ目は、テトラ置換ホスホニウム・テ
トラ置換ボレート(Z)と、1分子内に2個以上のフェ
ノール性水酸基を有する化合物(Q)とを、高温下で反
応させた後、更に沸点60℃以上の溶媒中で熱反応させ
る方法である。2つ目は、1分子内に2個以上のフェノ
ール性水酸基を有する化合物(Q)と、無機塩基又は有
機塩基とテトラ置換ホスホニウムハライドとを反応させ
る方法である。
【0028】用いるテトラ置換ホスホニウムハライドの
置換基については何ら限定されることはなく、置換基は
互いに同一であっても異なっていてもよい。例えば置換
又は無置換のアリール基やアルキル基を置換基に有する
テトラ置換ホスホニウムイオンが、熱や加水分解に対し
て安定であり好ましい。具体的には、テトラフェニルホ
スホニウム、テトラトリルホスホニウム、テトラエチル
フェニルホスホニウム、テトラメトキシフェニルホスホ
ニウム、テトラナフチルホスホニウム、テトラベンジル
ホスホニウム、エチルトリフェニルホスホニウム、n−
ブチルトリフェニルホスホニウム、2−ヒドロキシエチ
ルトリフェニルホスホニウム、トリメチルフェニルホス
ホニウム、メチルジエチルフェニルホスホニウム、メチ
ルジアリルフェニルホスホニウム、テトラ−n−ブチル
ホスホニウム等を例示できる。ハライドとしてはクロラ
イドやブロマイドを例示でき、テトラ置換ホスホニウム
ハライドの価格や吸湿等の特性、及び入手のし易さから
選択すればよく、いずれを用いても差し支えない。又こ
れらの硬化促進剤の特性が損なわれない範囲で、トリフ
ェニルホスフィン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,
0)ウンデセン−7、2−メチルイミダゾール等の他の
硬化促進剤と併用しても何ら問題はない。
【0029】本発明で用いられる酸化マイクロクリスタ
リンワックスのウレタン化物と酸化ポリエチレンワック
スのウレタン化物は、離型剤として作用するものであ
る。ウレタン化する前の酸化マイクロクリスタリンワッ
クスは、重油留分から得られるn−パラフィン及び分岐
炭化水素を含むマイクロクリスタリンワックスを酸化す
ることで得られ、カルボキシル基や水酸基を含むもので
ある。一般的に酸化マイクロクリスタリンワックスは適
度な離型性を示すが、酸化されているのは枝分かれ構造
の末端部が多いため樹脂成分との相溶性に乏しく、成形
時に金型表面に過度に染みだしてしまい、金型汚れが激
しいという欠点がある。そこで酸化マイクロクリスタリ
ンワックスのウレタン化物を用いると、適度な離型性を
維持したまま、樹脂成分との良好な相溶性を示し、金型
汚れの防止を図ることができる。
【0030】一方ウレタン化する前の酸化ポリエチレン
ワックスは、エチレン重合法やポリエチレンの熱分解物
として得られるポリエチレンワックスを酸化することで
得られ、カルボキシル基や水酸基を含むものである。分
子量1000〜10000程度のものが一般的である。
分子量は特に限定するものではないが、エポキシ樹脂組
成物の低粘度化のためには、低分子量のものを用いるこ
とが好ましい。一般的に酸化ポリエチレンワックスは、
良好な離型性を示すが融点が高く樹脂成分との相溶性に
も乏しく、成形時に金型表面に過度に染みだし、金型汚
れが激しいという欠点を有する。そこで酸化ポリエチレ
ンワックスのウレタン化物を用いると、優れた離型性を
維持したまま、樹脂成分との適度な相溶性による金型汚
れの防止を図ることができる。
【0031】本発明では、酸化マイクロクリスタリンワ
ックスのウレタン化物と酸化ポリエチレンワックスのウ
レタン化物を併用することにより、良好な相溶性による
金型汚れの防止と、優れた離型性、更に半導体装置内部
の半導体素子やそれを搭載するリードフレームとエポキ
シ樹脂組成物の硬化物との界面の密着性も向上し、耐湿
性及び耐半田ストレス性が飛躍的に向上する。ウレタン
化の方法は、特に限定するものではないが、例えばメチ
レンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の
イソシアネート類と、酸化マイクロクリスタリンワック
スや酸化ポリエチレンワックスの水酸基、カルボキシル
基とを反応させて行う。
【0032】本発明では、酸化マイクロクリスタリンワ
ックスを予めウレタン化させたものと酸化ポリエチレン
ワックスを予めウレタン化させたものとを離型剤として
用いても、或いは酸化マイクロクリスタリンワックスと
酸化ポリエチレンワックスとを予め混合してからウレタ
ン化させたものを離型剤として用いてもよい。ウレタン
化の割合については、特に限定するものではないが、得
られたワックス中の窒素分で0.3〜5重量%程度の含
有率が望ましい。ウレタン化部分が多過ぎると、密着性
は向上するものの、ワックス自体の粘度が上昇し、材料
化が困難になる。ウレタン化部分が少な過ぎると、樹脂
との相溶性が不十分なためエポキシ樹脂組成物の硬化物
での十分な密着性が得られず、耐湿性、耐半田クラック
性が発揮されない。
【0033】本発明のウレタン化されたワックスの特性
を損なわない範囲で、他の離型剤を併用することもでき
る。併用できるものとしては、例えばカルナバワックス
等の天然ワックス、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸の
金属塩類等が挙げられ、これらは単独でも混合して用い
てもよい。本発明のウレタン化されたワックスの配合量
としては、全エポキシ樹脂組成物中に0.05〜0.4
重量%が好ましい。0.05重量%未満だと十分な離型
性が得られず、0.4重量%を越えると離型性は十分な
ものの、金型曇りが発生するので好ましくない。
【0034】本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜
(E)成分の他、必要に応じて酸化ビスマス水和物等の
無機イオン交換体、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン等のカップリング剤、カーボンブラック、ベ
ンガラ等の着色剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム
等の低応力化成分、酸化防止剤等の各種添加剤を適宜配
合しても差し支えない。本発明のエポキシ樹脂組成物
は、(A)〜(E)成分、及びその他の添加剤等をミキ
サーを用いて常温混合し、ロール、ニーダー、押出機等
の混練機で溶融混練し、冷却後粉砕して得られる。本発
明のエポキシ樹脂組成物を用いて、半導体素子等の電子
部品を封止し、半導体装置を製造するには、トランスフ
ァーモールド、コンプレッションモールド、インジェク
ションモールド等の成形方法で硬化成形すればよい。
【0035】[分子会合体(M)の合成] 合成例1 本州化学工業(株)・製ビスフェノールF−D 300
g(1.5モル)と、テトラフェニルホスホニウム・テ
トラフェニルボレート(Z)329g(0.5モル)と
を3Lセパラブルフラスコに仕込み、200℃で3時間
反応させた。この反応でのベンゼン留出量は、理論生成
量の97重量%(即ちベンゼン留出率97%)であっ
た。この反応による粗生成物を微粉砕し、セパラブルフ
ラスコに仕込み、2−プロパノールを粗生成物の仕込み
重量の3倍量加え、内温82.4℃(2−プロパノール
の沸点温度)で1.5時間攪拌した。その後、2−プロ
パノールの大部分を除去し、更に加熱減圧下で低沸点分
を除去した。得られた生成物を化合物(M−1)とし
た。又溶媒を重メタノールとして、(M−1)の1H−
NMRでの測定を行った。4.8ppm付近及び3.3
ppm付近のピークは溶媒のピークで、6.4〜7.1
ppm付近のピーク群は、原料であるビスフェノールF
[(P)1モルに対するモル数(a)]及びこのビスフ
ェノールFから1個の水素を除いたフェノキシド型の共
役塩基[(P)1モルに対するモル数(b)]のフェニ
ルプロトン、7.6〜8.0ppm付近のピーク群は、
テトラフェニルホスホニウム基のフェニルプロトンと帰
属され、それらの面積比から、モル比が[(a+b)/
(P)]=2.2/1であると計算された。
【0036】合成例2 5Lのセパラブルフラスコに、本州化学工業(株)・製
ビスフェノールF−D300g(1.5モル)、北興化
学工業(株)・製テトラフェニルホスホニウムブロマイ
ド314g(0.75モル)、メタノール3000gを
仕込み、完全に溶解させた。そこに水酸化ナトリウムを
30g含有するメタノール/水混合溶液を攪拌しながら
滴下した。得られた溶液を多量の水中に滴下する再沈作
業を行い、目的物を固形物として得た。濾過して固形物
を取り出し、乾燥させて得られた生成物を化合物(M−
2)とした。又溶媒を重メタノールとして、(M−2)
の1H−NMRでの測定を行った。4.8ppm付近及
び3.3ppm付近のピークは溶媒のピークで、6.4
〜7.1ppm付近のピーク群は、原料であるビスフェ
ノールF[(P)1モルに対するモル数(a)]及びこ
のビスフェノールFから1個の水素を除いたフェノキシ
ド型の共役塩基[(P)1モルに対するモル数(b)]
のフェニルプロトン、7.6〜8.0ppm付近のピー
ク群は、テトラフェニルホスホニウム基のフェニルプロ
トンと帰属され、それらの面積比から、モル比が[(a
+b)/(P)]=2/1であると計算された。
【0037】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定
されるものではない。配合割合は重量部とする。 実施例1 下記組成物 式(5)で示されるエポキシ樹脂(軟化点60℃、エポキシ当量275g/e q) 4.78重量部 式(6)で示されるフェノール樹脂(軟化点65℃、水酸基当量200g/e q) 3.52重量部 式(7)で示される硬化促進剤 0.30重量部
【0038】
【化13】
【0039】 溶融球状シリカ 90.00重量部 ワックス1[酸化マイクロクリスタリンワックスと酸化ポリエチレンワックス のトリレンジイソシアネ−ト化物。融点89℃、酸価16、鹸化価60] 0.30重量部 無機イオン交換体 0.50重量部 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.30重量部 カーボンブラック 0.30重量部 を常温でミキサーを用いて混合し、70〜120℃で2
軸ロールを用いて混練し、冷却後粉砕してエポキシ樹脂
組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物を以下の方
法で評価した。結果を表1に示す。
【0040】評価方法 スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイ
ラルフロー測定用の金型を用い、金型温度175℃、注
入圧力7.4MPa、硬化時間2分で測定した。単位は
cm。 硬化トルク:キュラストメータ((株)オリエンテック
・製、JSRキュラストメータIVPS型)を用い、金
型温度175℃、加熱開始90秒後のトルクを求めた。
キュラストメータにおけるトルクは硬化性のパラメータ
であり、数値の大きい方が硬化性が良好である。単位は
N・m。 25℃保存性:エポキシ樹脂組成物を25℃にて3日間
保存した後スパイラルフローを測定し、エポキシ樹脂組
成物の調整直後のスパイラルフローに対する百分率とし
て表す。 難燃性:エポキシ樹脂組成物をタブレット化し、低圧ト
ランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入
圧力7.4MPa、硬化時間2分で長さ127mm、幅
12.7mm、厚さ1.6mmの成形品を成形し、UL
−94に従って難燃性試験を行った。 離型性:トランスファー成形機を用いて、金型温度18
0℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間1分で144p
LQFP(20×20×1.4mm厚さ)を300回連
続で成形した。離型時に金型に付着したり、成形品に割
れ・欠けが発生したものを×、発生しないものを○と判
定した。 金型汚れ:トランスファー成形機を用いて、金型温度1
80℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間1分で144
pLQFP(20×20×1.4mm厚さ)を300回
連続で成形した。成形品表面と金型表面の両方に白化が
あるものを×、どちらかに白化があるものを△、どちら
にも白化のないものを○と判定した。 耐湿性:エポキシ樹脂組成物をタブレット化し、低圧ト
ランスファー成形機を用いて、金型温度180℃、注入
圧力9.8MPa、硬化時間1分で144pLQFP
(20×20×1.4mm厚さ)を成形した。ポストキ
ュアとして175℃で、8時間処理したパッケージ8個
を、85℃、相対湿度60%の環境下で168時間処理
した後、IRリフロー処理(260℃)を行った。処理
後の内部の剥離の有無を超音波探傷機で観察し、内部素
子との剥離があるものを×、ないものを○と判定した。 耐半田ストレス性:エポキシ樹脂組成物をタブレット化
し、低圧トランスファー成形機を用いて金型温度180
℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間1分の条件で14
4pLQFP(20×20×1.4mm厚さ)を成形し
た。ポストキュアとして175℃で、8時間処理したパ
ッケージ8個を、85℃、相対湿度60%の環境下で1
68時間処理した後、IRリフロー処理(260℃)を
行った。処理後の内部のクラックの有無を超音波探傷機
で観察し、不良パッケージの個数を数えた。不良パッケ
ージの個数がn個であるとき、n/8と表示する。 評価結果を表1に示す。
【0041】実施例2〜6、比較例1〜7 表1及び表2の配合に従い、実施例1と同様にしてエポ
キシ樹脂組成物を得て、実施例1と同様にして評価し
た。評価結果を表1及び表2に示す。実施例2、6、比
較例2、6では式(3)の硬化促進剤を用いた。比較例
3、7のDBUは、1,8−ジアザビシクロ(5,4,
0)ウンデセン−7である。比較例5、6ではフェノー
ルアラルキル樹脂(三井化学(株)・製、XL−22
5、軟化点75℃、水酸基当量174g/eq)を用い
た。実施例2、4、5、比較例1、5で用いたワックス
2は、酸化マイクロクリスタリンワックスと酸化ポリエ
チレンワックスのトリレンジイソシアネ−ト化物で、融
点82℃、酸価18、鹸化価50である。比較例4、6
で用いた酸化マイクロクリスタリンワックスは融点90
℃である。比較例4、7で用いた酸化ポリエチレンワッ
クスは融点92℃である。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明に従うと、常温においては硬化が
進むことなく長期間にわたって安定に保存することが可
能であり、成形時に加熱された際に急激に硬化反応が発
現して良好な成形性、離型性を示すエポキシ樹脂組成物
が得られ、これを用いた半導体装置は耐半田ストレス
性、臭素含有有機化合物、アンチモン化合物を含まなく
とも難燃性に優れている。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(1)で示されるエポキシ
    樹脂、(B)一般式(2)で示されるフェノール樹脂、
    (C)全無機物、(D)式(3)、一般式(4)又はテ
    トラ置換ホスホニウム(P)と1分子内にフェノール性
    水酸基を2個以上有する化合物(Q)及び1分子内にフ
    ェノール性水酸基を2個以上有する化合物(Q)の共役
    塩基との分子会合体(M)であって、該共役塩基が前記
    1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物
    (Q)から1個の水素を除いたフェノキシド型化合物か
    らなる硬化促進剤から選ばれる1種以上の硬化促進剤及
    び(E)酸化マイクロクリスタリンワックスのウレタン
    化物と酸化ポリエチレンワックスのウレタン化物を必須
    成分とし、全無機物が全エポキシ樹脂組成物中87〜9
    4重量%であり、酸化マイクロクリスタリンワックスの
    ウレタン化物と酸化ポリエチレンワックスのウレタン化
    物が、全エポキシ樹脂組成物中0.05〜0.4重量%
    であることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 (A)一般式(1)で示されるエポキシ
    樹脂、(B)一般式(2)で示されるフェノール樹脂、
    (C)全無機物、(D)式(3)、一般式(4)又はテ
    トラ置換ホスホニウム(P)と1分子内にフェノール性
    水酸基を2個以上有する化合物(Q)及び1分子内にフ
    ェノール性水酸基を2個以上有する化合物(Q)の共役
    塩基との分子会合体(M)であって、該共役塩基が前記
    1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物
    (Q)から1個の水素を除いたフェノキシド型化合物か
    らなる硬化促進剤から選ばれる1種以上の硬化促進剤、
    及び(E)酸化マイクロクリスタリンワックスと酸化ポ
    リエチレンワックスをウレタン化させたものを必須成分
    とし、全無機物が全エポキシ樹脂組成物中87〜94重
    量%であり、臭素含有有機化合物、及びアンチモン化合
    物が、それぞれの難燃剤成分毎に1000ppm以下
    で、酸化マイクロクリスタリンワックスのウレタン化物
    と酸化ポリエチレンワックスのウレタン化物が、全エポ
    キシ樹脂組成物中0.05〜0.4重量%であることを
    特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 (R1、R2は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同
    一でも異なっていてもよい。aは0〜3の整数、bは0
    〜4の整数。nは平均値で、1〜5の正数) 【化2】 (R1、R2は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同
    一でも異なっていてもよい。aは0〜3の整数、bは0
    〜4の整数。nは平均値で、1〜5の正数) 【化3】 【化4】 (X1、X2、X3及びX4は、芳香環もしくは複素環
    を有する1価の有機基又は1価の脂肪族基であり、それ
    らは互いに同一であっても異なっていてもよい。Y1、
    Y2、Y3、及びY4は、芳香環もしくは複素環を有す
    る1価の有機基又は1価の脂肪族基であって、それらの
    うち少なくとも1個は、分子外に放出しうるプロトンを
    少なくとも1個有するプロトン供与体がプロトンを1個
    放出してなる基であり、それらは互いに同一であっても
    異なっていてもよい。)
  3. 【請求項3】 一般式(1)で示されるエポキシ樹脂
    が、式(5)で示されるエポキシ樹脂である請求項1又
    は2記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化5】 (nは平均値で、1〜5の正数)
  4. 【請求項4】 一般式(2)で示されるフェノール樹脂
    が、式(6)で示されるフェノール樹脂である請求項1
    又は2記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化6】 (nは平均値で、1〜5の正数)
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の半導体
    封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止し
    てなることを特徴とする半導体装置。
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