JP2002348341A - ブロック共重合体及びその組成物 - Google Patents
ブロック共重合体及びその組成物Info
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Abstract
透明性、低温収縮性、自然収縮性、剛性等に優れ、薄肉
化と寸法安定性及び低温収縮性に優れたブロック共重合
体組成物、及び該組成物からなる熱収縮性フィルムを提
供すること。 【解決手段】 (I)ビニル芳香族炭化水素と共役ジエ
ンとの重量比が82/18〜92/8である特定構造の
ブロック共重合体と(II)ビニル芳香族炭化水素と共
役ジエンとの重量比が65/35以上、82/18未満
である特定構造のブロック共重合体との組成物、及び該
組成物からなる熱収縮性フィルム。
Description
収縮性、剛性、透明性及び耐衝撃性に優れた熱収縮性フ
ィルムに関する。
い、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロッ
ク共重合体は、透明性、耐衝撃性等の特性を利用して射
出成形用途、シート、フィルム等の押し出し成形用途等
に使用されている。とりわけビニル芳香族炭化水素と共
役ジエンからなるブロック共重合体樹脂を用いた熱収縮
性フィルムは、従来使用されている塩化ビニル樹脂の残
留モノマーや可塑剤の残留及び焼却時の塩化水素の発生
の問題もないため、食品包装やキャップシール、ラベル
等に利用されている。熱収縮性フィルムに必要な特性と
して自然収縮性、低温収縮性、透明性、機械強度、包装
機械適性等の要求がある。これまで、これらの特性の向
上と良好な物性バランスを得るため種々の検討がなされ
てきた。例えば特開昭57−34921号公報には熱収
縮性を改良するための、スチレン−ブタジエンブロック
共重合体を融点範囲内で余熱した後、延伸する熱収縮フ
ィルムの製造方法が、特開昭58−108112号公報
には収縮特性を改良するための、スチレン・ブタジエン
ブロック共重合体の2軸延伸フィルムに特定の配向緩和
応力を保持させたスチレン系樹脂収縮フィルムが、特開
昭59−221348号公報には機械特性、光学特性、
延伸特性及び耐クラック特性等に優れる組成物を得るた
めの、脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体含有量が5〜8
0重量%で、ビカット軟化点が90℃を超えないビニル
芳香族炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体共重
合体とビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロックか
らなる共重合体との組成物が、特開昭60−22452
0号公報には収縮特性、耐環境破壊性に優れた熱収縮性
フィルムを得るための、ビニル芳香族炭化水素と共役ジ
エンからなるブロック共重合体のセグメントに特定のT
gを有する熱収縮性フィルムが、特開昭60−2245
22号公報には収縮特性、耐環境破壊性に優れた熱収縮
性フィルムを得るための、特定構造のビニル芳香族炭化
水素と共役ジエンからなるブロック共重合体の組成物か
らなる熱収縮性フィルムが、特開昭61−25819号
公報には低温収縮性、光学特性、耐クラック特性、寸法
安定性等に優れる収縮フィルムを得るための、ビニル芳
香族炭化水素含有量が95〜20重量%で、ビカット軟
化点が90℃を超えないビニル芳香族炭化水素−脂肪族
不飽和カルボン酸系誘導体共重合体とビニル芳香族炭化
水素と共役ジエンのブロックからなる共重合体との組成
物を延伸した低温収縮性フィルムが、特開平4−521
29号公報には室温での自然収縮性を改良するための、
スチレン系炭化水素と共役ジエン炭化水素からなるブロ
ック共重合体とスチレン系炭化水素を含有した特定Tg
のランダム共重合体の組成物からなるポリスチレン系熱
収縮フィルムが、特開平5−104630号公報にはフ
ィルムの経時安定性と耐衝撃性に優れた透明性熱収縮性
フィルムを得るための、ビカット軟化点が105℃を超
えないビニル芳香族炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸
系誘導体共重合体とビニル芳香族炭化水素と共役ジエン
のブロックからなる共重合体との組成物で、特定の熱収
縮力を特徴とする熱収縮性硬質フィルムが、特開平6−
220278号公報には透明性、剛性及び低温面衝撃性
をバランスさせた組成物を得るための、特定構造と分子
量分布を有するビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブ
ロックからなる共重合体とビニル芳香族炭化水素−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体樹脂との組成物が、特
開平7−216187号公報には透明性と耐衝撃性に優
れた樹脂組成物を得るための、特定構造のビニル芳香族
炭化水素ブロックビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの
共重合体ブロックを有するブロック共重合体とビニル芳
香族炭化水素と(メタ)アクリル酸エステルの共重合体
を含有する透明高強度樹脂組成物が記載されている。し
かしながら、これらのビニル芳香族炭化水素と共役ジエ
ンからなるブロック共重合体又は該ブロック共重合体と
ビニル芳香族炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸系誘導
体共重合体の組成物は、自然収縮性、低温収縮性、剛
性、透明性及び耐衝撃性のバランスが十分ではなく、こ
れらの文献にはそれらのバランスを改良する方法に関し
て開示されておらず、依然として市場での問題点が指摘
されている。
ィルム用途において、自然収縮性、低温収縮性、剛性、
透明性及び耐衝撃性等の物性バランスに優れたブロック
共重合体及びその組成物の提供を目的とする。
とも1個の重合体セグメントBを有し、ビニル芳香族炭
化水素と共役ジエンとの重量比が82/18〜92/8
であるブロック共重合体であって、重合体セグメントA
がビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの重量比が88
/12〜98/2である共重合体で、重合体セグメント
Bがビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの重量比が7
5/25を超え、88/12未満で、重合体セグメント
B中の共役ジエン量が該ブロック共重合体中の全共役ジ
エン量の40〜90重量%である共重合体からなり、該
ブロック共重合体に組み込まれているビニル芳香族炭化
水素のブロック率が20〜70重量%で、ビカット軟化
温度が50〜75℃の範囲であるブロック共重合体、
トAと少なくとも1個の重合体セグメントBを有し、ビ
ニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの重量比が82/1
8〜92/8であるブロック共重合体であって、重合体
セグメントAがビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの
重量比が88/12〜98/2である共重合体で、重合
体セグメントBがビニル芳香族炭化水素と共役ジエンと
の重量比が75/25を超え、88/12未満で、重合
体セグメントB中の共役ジエン量が該ブロック共重合体
中の全共役ジエン量の40〜90重量%である共重合体
からなり、該ブロック共重合体に組み込まれているビニ
ル芳香族炭化水素のブロック率が20〜70重量%で、
ビカット軟化温度が50〜75℃の範囲であるブロック
共重合体と、
重合体セグメントAと少なくとも1個のエラストマー性
重合体セグメントBを有し、ビニル芳香族炭化水素と共
役ジエンとの重量比が65/35以上、82/18未満
であるブロック共重合体であって、該ブロック共重合体
の動的粘弾性の関数tanδのピークが70〜125℃
に少なくとも1つ有するブロック共重合体とからなり、
(I)と(II)の重量比が10/90〜90/10で
あるブロック共重合体組成物、
トAと少なくとも1個の重合体セグメントBを有し、ビ
ニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの重量比が82/1
8〜92/8であるブロック共重合体であって、重合体
セグメントAがビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの
重量比が88/12〜98/2である共重合体で、重合
体セグメントBがビニル芳香族炭化水素と共役ジエンと
の重量比が75/25を超え、88/12未満で、重合
体セグメントB中の共役ジエン量が該ブロック共重合体
中の全共役ジエン量の40〜90重量%である共重合体
からなり、該ブロック共重合体に組み込まれているビニ
ル芳香族炭化水素のブロック率が20〜70重量%で、
ビカット軟化温度が50〜75℃の範囲であるブロック
共重合体と、
重合体セグメントAと少なくとも1個のエラストマー性
重合体セグメントBを有し、ビニル芳香族炭化水素と共
役ジエンとの重量比が65/35以上、82/18未満
であるブロック共重合体であって、該ブロック共重合体
の動的粘弾性の関数tanδのピークが70〜125℃
に少なくとも1つ有するブロック共重合体と、(II
I)スチレン含有量が70〜90重量%、アクリル酸n
−ブチル含有量が30〜10重量%からなるスチレン−
アクリル酸n−ブチル共重合体とからなり、(I)と
(II)と(III)の重量比は、合計量を100重量
%として、(I)を10〜80重量%、(II)を10
〜80重量%、(III)を5〜50重量%の範囲から
なるブロック共重合体組成物、〜のいずれかのブ
ロック共重合体、又はブロック共重合体組成物を延伸し
てなり、延伸方向における65℃の熱収縮率が10〜6
0%、延伸方向における引張弾性率が7000〜300
00Kg/cm2 である熱収縮性フィルムに関する。
ブロック共重合体(I)は、少なくとも1個、好ましく
は2個以上の重合体セグメントAと少なくとも1個の重
合体セグメントBを有し、ビニル芳香族炭化水素と共役
ジエンとの重量比が82/18〜92/8、好ましくは
84/16〜90/10である。ビニル芳香族炭化水素
と共役ジエンの比が82/18未満の場合には剛性が劣
り、92/8を超えると耐衝撃性が低下するため好まし
くない。ブロック共重合体(I)の重合体セグメントA
はビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなる共重合体
から構成され、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの比
が88/12〜98/2、好ましくは90/10〜96
/4である。重合体セグメントAのビニル芳香族炭化水
素と共役ジエンの重量比が88/12未満では成形品の
剛性、温水融着性が低下し、98/2を超えると低温収
縮性、自然収縮性に劣るため好ましくない。ブロック共
重合体(I)の重合体セグメントBはビニル芳香族炭化
水素と共役ジエンからなる共重合体で構成され、ビニル
芳香族炭化水素と共役ジエンの重量比は75/25を超
え、88/12未満、好ましくは80/20〜85/1
5である。重合体セグメントBのビニル芳香族炭化水素
と共役ジエンの重量比が75/25以下では自然収縮性
に劣り、逆に88/12以上では耐衝撃性が低下するた
め好ましくない。重合体セグメントB中の共役ジエン量
はブロック共重合体(I)中の全共役ジエン量の40〜
90重量%、好ましくは45〜85重量%である。重合
体セグメントB中の共役ジエン量がブロック共重合体
(I)中の全共役ジエン量の40重量%未満では温水融
着性が劣り、90重量%を超えると自然収縮性が劣るた
め好ましくない。ブロック共重合体(I)のブロック共
重合体に組み込まれているビニル芳香族炭化水素のブロ
ック率は20〜70重量%、好ましくは25〜60重量
%である。ブロック率が20重量%未満では成形品の剛
性が低下し、70重量%を超えると低温収縮性に劣るた
め好ましくない。ブロック共重合体(I)のビカット軟
化温度は50〜75℃、好ましくは55〜70℃の範囲
である。ビカット軟化温度が50℃未満では温水融着性
に劣り、75℃を超えると低温収縮性に劣るため好まし
くない。ブロック共重合体(I)に組み込まれているビ
ニル芳香族炭化水素のブロック率の測定は、ブロック共
重合体(I)を四酸化オスミウムを触媒としてターシャ
リーブチルハイドロパーオキサイドにより酸化分解する
方法(I.M.KOLTHOFF,etal.,J.P
olym.Sci.1,429(1946)に記載の方
法)により得たビニル芳香族炭化水素重合体ブロック成
分(但し平均重合度が約30以下のビニル芳香族炭化水
素重合体成分は除かれている)を用いて、次の式から求
めた値を云う。
体(I)中のビニル芳香族炭化水素重合体ブロックの重
量/ブロック共重合体(I)中の全ビニル芳香族炭化水
素の重量)×100
I)は、少なくとも1個、好ましくは2個以上のプラス
チック性重合体セグメントAと少なくとも1個のエラス
トマー性重合体セグメントBを有し、ビニル芳香族炭化
水素と共役ジエンとの重量比が65/35以上、82/
18未満、好ましくは67/33〜80/20、更に好
ましくは67/33〜78/22である。ビニル芳香族
炭化水素と共役ジエンの比が65/35未満の場合には
剛性が劣り、82/18を超えると耐衝撃性が低下する
ため好ましくない。プラスチック性重合体セグメントA
のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの重量比は、50
/50〜100/0であり、好ましくは70/30〜1
00/0である。エラストマー性重合体セグメントBの
ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの重量比は0/10
0以上、50/50未満である。
関数tanδのピーク温度は70〜125℃の範囲、好
ましくは80〜120℃の範囲に少なくとも1つのta
nδピークが必要である。tanδのピーク温度が70
℃未満では温水融着性が低下し、125℃を超えると自
然収縮性が悪化するため好ましくない。動的粘弾性の関
数tanδは例えば(株)レオロジ製粘弾性測定解析装
置DVE−V4或いは東洋ボールドウイン社製レオバイ
ブロンDDV−3型等より測定した値であり、ピークを
示す温度とはtanδの値の温度に対する変化量の第1
次微分値が零となる温度を云う。このtanδのピーク
温度はプラスチック性重合体セグメントAとエラストマ
ー性重合体セグメントBのビニル芳香族炭化水素と共役
ジエンの重量比、ブロック共重合体の分子量等によって
調整される。
セグメントAと重合体セグメントB及びブロック共重合
体(II)のプラスチック性重合体セグメントAとエラ
ストマー性重合体セグメントBにおいて、ビニル芳香族
炭化水素と共役ジエンとの共重合体部分におけるビニル
芳香族炭化水素は重合体連鎖中に均一に分布していて
も、テーパー(漸減)状に分布していてもよい。また、
該共重合体部分はビニル芳香族炭化水素が均一に分布し
ている部分及び/又はテーパー状に分布している部分が
複数個共存してもよい。該共重合体部分はビニル芳香族
炭化水素と共役ジエンの重量、重量比、重合反応性比等
を変えることによりコントロールすることができる。具
体的な方法としては、(イ)ビニル芳香族炭化水素と共
役ジエンとの混合物を連続的に重合系に供給して重合す
る。及び/又は(ロ)極性化合物或はランダム化剤を使
用してビニル芳香族炭化水素と共役ジエンを共重合する
等の方法が採用できる。極性化合物やランダム化剤とし
ては、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル
等のエーテル類、トリエチルアミン、テトラメチルエチ
レンジアミン等のアミン類、チオエーテル類、ホスフィ
ン類、ホスホルアミド類、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、カリウムやナトリウムのアルコキシド等が挙げられ
る。ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの共重合体部分
の共役ジエン重合体のミクロ構造は、極性化合物等を所
定量添加することによって調整することができる。
I)のポリマー構造は一般式、 (A−B)n 、A−(B−A)n 、B−(A−B)
n+1 (上式において、nは1以上の整数、一般的には1〜5
である。)で表される線状ブロック共重合体、或いは一
般式、 [(A−B)K ]m+2 −X 、[(A−B)k −A]
m+2 −X [(B−A)k ]m+2 −X 、[(B−A)k −B]
m+2 −X (上式において、Aは重合体セグメントA又はプラスチ
ック性重合体セグメントA、Bは重合体セグメントB又
はエラストマー性重合体セグメントBであり、Xは例え
ば四塩化ケイ素、四塩化スズ、1,3ビス(N,N−グ
リシジルアミノメチル)シクロヘキサン、エポキシ化大
豆油等のカップリング剤の残基または多官能有機リチウ
ム化合物等の開始剤の残基を示す。k及びmは1〜5の
整数である。)で表されるラジアルブロック共重合体、
或いはこれらのブロック共重合体の任意のポリマー構造
の混合物が使用できる。これらのブロック共重合体の分
子量は、重合に使用する触媒量により任意に調整できる
が成形加工性の点から、メルトフローインデックス(J
ISK−6870により測定。条件はG条件で温度20
0℃、荷重5Kg)が0.1〜50g/10min、好
ましくは1〜20g/10minである。本発明のブロ
ック共重合体は、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物
を開始剤としてビニル芳香族炭化水素及び共役ジエンを
重合することにより得られる。
てはスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチル
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビ
ニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレンなどが
あるが、特に一般的なものはスチレンが挙げられる。こ
れらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。共
役ジエンとしては、1対の共役二重結合を有するジオレ
フィンであり、例えば1,3−ブタジエン、2−メチル
−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチ
ル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,
3−ヘキサジエンなどであるが、好ましくは1,3−ブ
タジエン及び/又はイソプレンである。本発明のブロッ
ク共重合体(I)及び(II)において、共役ジエンと
して、ブタジエンとイソプレンを併用すると、熱成形・
加工等におけるゲル生成の少ない組成物を得ることがで
きる。ブタジエンとイソプレンの重量比は、3/97〜
90/10、好ましくは5/95〜85/15、更に好
ましくは10/90〜80/20である。ブタジエンと
イソプレンを併用する場合、ブロック共重合体(I)及
び(II)の共役ジエンとしてブタジエンとイソプレン
を併用しても良いし、ブロック共重合体(I)又はブロ
ック共重合体(II)のいずれかの共役ジエンとしてブ
タジエンとイソプレンを併用しても良い。特に、ブタジ
エンとイソプレンの重量比が、90/10〜45/55
とブタジエン比率が多い場合は低温耐衝撃性良好な組成
物を得ることができ、45/55〜3/97とイソプレ
ン比率が多い場合は極めてゲル生成が少ない組成物を得
ることができる。
ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン等の脂肪
族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロ
ヘキサン等の脂環式炭化水素、或はベンゼン、トルエ
ン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素等が
使用できる。これらは1種のみならず2種以上混合使用
してもよい。有機リチウム化合物は、分子中に一個以上
のリチウム原子を結合した有機モノリチウム化合物、有
機ジリチウム化合物、有機ポリリチウム化合物である。
これらの具体例としては、エチルリチウム、n−プロピ
ルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウ
ム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウ
ム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウ
ム、イソプレニルジリチウム等が挙げられる。これらは
1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
重合温度は一般的に−10℃〜150℃、好ましくは4
0℃〜120℃である。重合に要する時間は条件によっ
て異なるが、通常は10時間以内であり、特に好適には
0.5〜5時間である。また、重合系の雰囲気は窒素ガ
スなどの不活性ガスなどをもって置換するのが望まし
い。重合圧力は、上記重合温度範囲でモノマー及び溶媒
を液層に維持するに充分な圧力の範囲で行えばよく、特
に制限されるものではない。更に重合系内には触媒及び
リビングポリマーを不活性化させるような不純物、例え
ば水、酸素、炭酸ガス等が混入しないよう留意する必要
がある。本発明における組成物がブロック共重合体
(I)と(II)からなる場合、それらの重量比は10
/90〜90/10、好ましくは20/80〜80/2
0である。ブロック共重合体(I)と(II)の重量比
が本発明の範囲外では、耐衝撃性及び剛性のバランスが
低下するため好ましくない。
−ブチル共重合体(III)中のスチレン含有量は70
〜90重量%、好ましくは75〜90、更に好ましくは
80〜88重量%である。スチレン含有量が70重量%
未満、或いは90重量%を超える場合には、ビニル芳香
族炭化水素−共役ジエンブロック共重合体との組成物の
透明性が悪化するため好ましくない。スチレン−アクリ
ル酸n−ブチル共重合体(III)の製造方法は、スチ
レン系樹脂製造の公知の方法、例えば、塊状重合法、溶
液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等を用いることがで
きる。スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体(II
I)のメルトフローレート(以後MFRと記す)[JI
SK−6870に準拠し、G条件(温度200℃、荷重
5Kg)で測定]は成形加工の点から0.1〜20g/
10min、好ましくは1〜10g/10minが推奨
される。
(I)とブロック共重合体(II)とスチレン−アクリ
ル酸n−ブチル共重合体(III)からなる重量比は
(I)と(II)と(III)の合計量を100重量%
として、(I)を10〜80重量%、(II)10〜8
0重量%、(III)を5〜50重量%、好ましくは
(I)を15〜75重量%、(II)15〜75重量
%、(III)を5〜40重量%の範囲である。ブロッ
ク共重合体(I)とブロック共重合体(II)とスチレ
ン−アクリル酸n−ブチル共重合体(III)の重量比
が本発明の範囲外では、耐衝撃性、剛性及び低温収縮性
のバランスが低下するため好ましくない。
剤として2−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t
−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−t
−アミルフェニルアクリレートをブロック共重合体組成
物100重量部に対して0.05〜3重量部、更に好ま
しくは0.1〜2重量部添加することによって、ゲル抑
制効果を得ることができる。安定剤が0.05重量部未
満ではゲルを抑制する効果がなく、3重量部を超えて添
加しても本発明以上のゲル抑制効果に寄与しない。
オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート、2−t−ブチル−6
−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベン
ジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ビ
ス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、テト
ラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、1,
3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,
5−トリアジン等のフェノール系安定剤の少なくとも1
種を(I)と(II)の合計100重量部に対して0.
05〜3重量部、トリス−(ノニルフェニル)フォスフ
ァイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチ
ルフェニル)オクチルホスファイト、2−〔〔2,4,
8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベ
ンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィ
ン−6−イル〕オキシ〕−N,N−ビス〔2−〔〔2,
4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)
ジベンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフェ
フィン−6−イル〕オキシ〕−エチル〕−エタンアミ
ン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォス
ファイト等の有機ホスフェート系、有機ホスファイト系
安定剤の少なくとも1種をブロック共重合体100重量
部に対して0.05〜3重量部添加することができる。
的に応じて種々の重合体及び添加剤を添加することがで
きる。好適な重合体としては、ビニル芳香族炭化水素含
有量が10〜50重量%のビニル芳香族炭化水素と共役
ジエンのブロック共重合体エラストマーやゴム変性耐衝
撃性ポリスチレン、非ゴム変性ポリスチレン、スチレン
・アクリル酸エステル共重合体、ポリエチレンテレフタ
レート等であり、これらの重合体を1〜95重量%、好
ましくは3〜90重量%添加することができる。好適な
添加剤としては、クマロンーインデン樹脂、テルペン樹
脂、オイル等の軟化剤、可塑剤が挙げられる。又各種の
安定剤、顔料、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、滑剤
等も添加できる。尚、ブロッキング防止剤、帯電防止
剤、滑剤としては、例えば脂肪酸アマイド、エチレンビ
スステアロアミド、ソルビタンモノステアレート、脂肪
酸アルコールの飽和脂肪酸エステル、ペンタエリストー
ル脂肪酸エステル等、又紫外線吸収剤としては、p−t
−ブチルフェニルサリシレート、2−(2’−ヒドロキ
シ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,5−
ビス−[5’−t−ブチルベンゾオキサゾリル−
(2)]チオフェン等、「プラスチックおよびゴム用添
加剤実用便覧」(化学工業社)に記載された化合物が使
用できる。これらは、一般的に0.01〜5重量%、好
ましくは0.05〜3重量%の範囲で用いられる。
縮性の1軸又は2軸延伸フィルムを得るには、ブロック
共重合体を通常のTダイ又は環状ダイからフラット状又
はチューブ状に150〜250℃、好ましくは170〜
220℃で押出成形し、得られた未延伸物を実質的に1
軸延伸又は2軸延伸する。例えば1軸延伸の場合、フィ
ルム、シート状の場合はカレンダーロール等で押出方向
に、或いはテンター等で押出方向と直交する方向に延伸
し、チューブ状の場合はチューブの押出方向又は円周方
向に延伸する。2軸延伸の場合、フィルム、シート状の
場合には押出フィルム又はシートを金属ロール等で縦方
向に延伸した後、テンター等で横方向に延伸し、チュー
ブ状の場合にはチューブの押出方向及びチューブの円周
方向、即ちチューブ軸と直角をなす方向にそれぞれ同時
に、或いは別々に延伸する。本発明においては、延伸温
度60〜110℃、好ましくは80〜100℃で、縦方
向及び/又は横方向に延伸倍率1.5〜8倍、好ましく
は2〜6倍に延伸するのが好ましい。延伸温度が60℃
未満の場合には延伸時に破断を生じて所望の熱収縮性フ
ィルムが得にくく、110℃を超える場合は収縮特性の
良好な物が得難い。延伸倍率は用途によって必要とする
収縮率に対応するように上記範囲内で選定されるが、延
伸倍率が1.5倍未満の場合は熱収縮率が小さく熱収縮
包装用として好ましくなく、又8倍を超える延伸倍率は
延伸加工工程における安定生産上好ましくない。2軸延
伸の場合、縦方向及び横方向における延伸倍率は同一で
あっても、異なっていてもよい。1軸延伸又は2軸延伸
の熱収縮性フィルムは、次いで必要に応じて60〜10
5℃、好ましくは80〜95℃で短時間、例えば3〜6
0秒間、好ましくは10〜40秒間熱処理して室温下に
おける自然収縮を防止する手段を実施することも可能で
ある。このようにして得られた熱収縮性のフィルムを熱
収縮性包装用素材や熱収縮性ラベル用素材として使用す
るには、延伸方向における65℃の熱収縮率が10〜8
0%、好ましくは15〜70%でなければならない。延
伸方向における熱収縮率が10%未満の場合は収縮特性
が悪いため収縮包装工程において該工程を高温かつ均一
に調整したり、長時間加熱する必要があり、高温で変色
や変質を生じるような様な物品の包装が不可能となった
り収縮包装処理能力が低下するため好ましくなく、80
%を超えるとフィルムの自然収縮率が大きくなるため好
ましくない。尚、本発明において65℃の熱収縮率は低
温収縮性の尺度であり、1軸延伸又は2軸延伸フィルム
を65℃の熱水、シリコーンオイル、グリセリン等の成
形品の特性を阻害しない熱媒体中に5分間浸漬したとき
の成形品の各延伸方向における熱収縮率である。更に、
本発明の1軸延伸または2軸延伸フィルムは、延伸方向
における引張弾性率が7000〜30000Kg/cm
2 、好ましくは10000〜25000Kg/cm2 で
あることが熱収縮包装材として必要である。延伸方向に
おける引張弾性率が7000Kg/cm2未満の場合は
収縮包装工程においてヘタリを生じ正常な包装ができず
好ましくなく、30000Kg/cm2 を超えるとフィ
ルムの耐衝撃性が低下するため好ましくない。
熱収縮性包装材として使用する場合、目的の熱収縮率を
達成するために130〜300℃、好ましくは150〜
250℃の温度で数秒から数分、好ましくは1〜60秒
加熱して熱収縮させることができる。
層構造を有する多層積層体であっても良い。多層積層体
としての使用形態は、例えば特公平3−5306号公報
に開示されている形態が具体例として挙げられる。本発
明のブロック共重合体組成物は中間層及び両外層に用い
ても良いが、好ましくは中間層に使用することである。
好ましい多層フィルムの形態はブロック共重合体(I)
とブロック共重合体(II)の組成物或いはブロック共
重合体(I)とブロック共重合体(II)とスチレン−
アクリル酸n−ブチル共重合体(III)の組成物を中
間層とし、両外層にビニル芳香族炭化水素と共役ジエン
からなるブロック共重合体(内層成分とは異なり、必要
に応じてGPPS、HIPSを0.1〜20重量%添加
しても良い)から形成される。多層フィルムの厚さは2
0〜200μm、好ましくは30〜100μmで、内層
と両表層との厚みの割合は5/95〜45/55、好ま
しくは10/90〜35/65である。また、多層フィ
ルムとして自然収縮性、低温収縮性及び剛性を得るため
の多層フィルム中の好ましいビニル芳香族炭化水素量と
スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体の合計量は、
多層フィルム全体の合計量を100重量%として、70
〜95重量%、好ましくは75〜92重量%である。
からなる熱収縮性フィルムは、従来の塩化ビニル樹脂系
のものに比べ衛生上優れたものであり、その特性を生か
して種々の用途、例えば生鮮食品、菓子類の包装、衣
類、文具等の包装等に利用できる。特に好ましい用途と
しては、本発明で規定するブロック共重合体の1軸延伸
フィルムに文字や図案を印刷した後、プラスチック成形
品や金属製品、ガラス容器、磁器等の被包装体表面に熱
収縮により密着させて使用する、いわゆる熱収縮性ラベ
ル用素材としての利用が挙げられる。取り分け、本発明
の1軸延伸熱収縮性フィルムは低温収縮性、剛性及び自
然収縮性に優れるため、高温に加熱すると変形を生じる
様なプラスチック成形品の熱収縮性ラベル素材の他、熱
膨張率や吸水性等が本発明のブロック共重合体とは極め
て異なる材質、例えば金属、磁器、ガラス、紙、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィ
ン系樹脂、ポリメタクリル酸エステル系樹脂、ポリカー
ボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリア
ミド系樹脂から選ばれる少なくとも1種を構成素材とし
て用いた容器の熱収縮性ラベル素材として好適に利用で
きる。尚、本発明の熱収縮性ブロック共重合体フィルム
が利用できるプラスチック容器を構成する材質として
は、上記の樹脂の他、ポリスチレン、ゴム変性耐衝撃性
ポリスチレン(HIPS)、スチレン−ブチルアクリレ
ート共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、
スチレン−無水マレイン酸共重合体、アクリロニトリル
−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、メタクリ
ル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体(MB
S)、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、
フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等を挙
げることができる。これらのプラスチック容器は2種以
上の樹脂類の混合物でも、積層体であってもよい。尚、
本発明で規定するブロック共重合体組成物を1軸延伸し
て得た熱収縮性フィルムを熱収縮性ラベル用素材として
使用する場合、延伸方向と直交する方向における65℃
の熱収縮率は10%未満、好ましくは5%以下である。
従って、本発明において熱収縮性ラベル様として1軸延
伸するとは、延伸方向における65℃の熱収縮率が10
〜60%で延伸方向と直交する方向の熱収縮率が10%
未満になる様に延伸処理を施すことを云う。尚、本発明
においてフィルムの厚さは一般的に10〜300μm、
好ましくは30〜100μmの範囲に調整される。
は本発明の範囲を制限するものではない。表1にブロッ
ク共重合体(I)、表2にブロック共重合体(II)、
表3に実施例、比較例に使用したスチレン−アクリル酸
n−ブチル共重合体を示した。
クロヘキサン溶媒中n−ブチルリチウムを触媒とし、テ
トラメチルエチレンジアミンをランダム化剤として、表
1に示したブロック共重合体のスチレン含量(重量%)
(表1では「スチレン含量(重量%)」と略記)、重合
体セグメントAのスチレン含量(重量%)、重合体セグ
メントBのスチレン含量(重量%)、重合体セグメント
B中の共役ジエン量/ブロック共重合体中の全共役ジエ
ン量との比(重量%)(表1では「セグメントB中の共
役ジエン量(重量%)」と略記)、ブロック共重合体に
組み込まれているスチレンのブロック率(重量%)(表
1では「ブロック率(重量%)」と略記)及びビカット
軟化温度(℃)を有するブロック共重合体(I)と、表
2に示したブロック共重合体のスチレン含量(重量%)
(表2では「スチレン含量(重量%)」と略記)、プラ
スチック性重合体セグメントAのスチレン含量(重量
%)、エラストマー性重合体セグメントBのスチレン含
量(重量%)、tanδのピーク温度を有するブロック
共重合体(II)を製造した。ブロック共重合体のスチ
レン含量はスチレンとブタジエンの添加量で、重合体セ
グメントB中の共役ジエン量/ブロック共重合体中の全
共役ジエン量との比(重量%)はセグメントAとセグメ
ントBのブタジエンとイソプレンの含量で、ブロック共
重合体に組み込まれているスチレンのブロック率はセグ
メントAとセグメントBのスチレン含量で、ビカット軟
化温度はセグメントAとセグメントBのスチレン含量、
量比及びブロック共重合体の分子量で、tanδのピー
ク温度はセグメントAとセグメントBのスチレン含量、
量比及びブロック共重合体の分子量で調整した。ビカッ
ト軟化温度の測定は、厚さ3mmに圧縮成形したものを
試験片とし、ASTM D−1525に準じて測定(荷
重1Kg、昇温速度した。2℃/min)した。tan
δのピーク温度は粘弾性測定解析装置DVE−V4
((株)レオロジ製)を用い、測定条件は周波数30ヘ
ルツ、昇温速度は2℃/minで−100〜140℃の
範囲、試料は厚さ約2mm、幅約0.5mmの圧縮成形
品を用いて測定した。
した。攪拌機付きオートクレーブを用い、窒素ガス雰囲
気下でスチレン23重量部と1,3−ブタジエン3.1
重量部を含むシクロヘキサン溶液にn−ブチルリチウム
を0.052重量部、テトラメチルエチレンジアミンを
0.03重量部添加し、75℃で30分間重合した後、
更にスチレン39重量部と1,3−ブタジエン8.8重
量部を含むシクロヘキサン溶液を連続的に添加して75
℃で60分間重合した。次にスチレン23重量部と1,
3−ブタジエン3.1重量部を含むシクロヘキサン溶液
を連続的に添加して75℃で25分間重合した。その
後、重合器にメタノールをn−ブチルリチウムに対して
0.9倍モル添加して重合を停止し、安定剤として2−
t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2
−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−t−アミルフェ
ニルアクリレートをブロック共重合体組成物100重量
部に対して0.6重量部を加えた後、脱溶媒してブロッ
ク共重合体を得た。
共重合体B−1〜4についても、ブロック共重合体A−
3、ブロック共重合体B−4がメタノールを添加する前
に1,3ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シク
ロヘキサンをn−ブチルリチウムに対して0.25倍モ
ル添加した以外は、ブロック共重合体A−1と同様の方
法で製造した。また、スチレン−アクリル酸n−ブチル
共重合体C−1は、撹拌器付き10Lオートクレーブ
に、スチレンとアクリル酸n−ブチルを表3に示す比率
で5kg添加し、同時にエチルベンゼン0.3kgと、
MFRを調整するため1,1ビス(t−ブチルパーオキ
シ)シクロヘキサンを所定量仕込み、110〜150℃
で2〜10時間重合後、ベント押出機で未反応スチレ
ン、アクリル酸n−ブチル、エチルベンゼンを回収して
製造した。因みに、C−1のMFRは3.0であった。
スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体C−2〜3
も、スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体C−1と
同様の方法で製造した。
は、表4に示したブロック共重合体、スチレン−アクリ
ル酸n−ブチル共重合体の種類と量の組成物を40mm
押出機を用いて200℃で厚さ0.25mmのシート状
に成形し、その後5倍にテンターで横軸に1軸延伸して
厚さ約60μmのフィルムを得た。得られた熱収縮性フ
ィルムのフィルム性能を表4に示した。本発明のブロッ
ク共重合体組成物を用いた延伸フィルム性能は引張弾性
率で表される剛性、65℃収縮率で表される低温収縮
性、自然収縮性、パンクチャー衝撃強度で表される耐衝
撃性、温水融着性、Hazeで表される透明性に優れて
いることが分かる。尚、表4に示したシート、フィルム
性能は下記の方法で行った。
に準拠し、延伸方向の値を示した。単位はKg/c
m2 。 (2)65℃収縮率:延伸フィルムを65℃のシリコー
ンオイル中に5分間浸漬し、次式により算出した。熱収
縮率(%)=(L−L1)/L×100、L:収縮前の
長さ、L1:収縮後の長さ。 (3)自然収縮率:80℃で測定した収縮率が40%の
延伸フィルムを35℃で5日間放置し、次式により算出
した。自然収縮率(%)=(L2−L3)/L2×10
0、L2:放置前の長さ、L3:放置後の長さ。自然収
縮率が小さいほど、自然収縮性は優れる。
−8134に準拠、単位はKg・cm。 (5)温水融着性:延伸フィルムを直径約8cmのガラ
ス瓶に巻き付け、70℃温水中に3本俵積みで5分間放
置し、フィルムの融着状態を目視判定した。判定基準は
◎は全く融着していない、○は僅かに融着しているがす
ぐ離れる、×は融着してすぐには離れない。 (6)Haze:延伸前のシート表面に流動パラフィン
を塗布し、ASTM D1003に準拠して測定した。
物を使用して得られた熱収縮性フィルムは透明で剛性、
自然収縮性、低温収縮性、温水融着性及び耐衝撃性に優
れることから、フィルムの薄肉化と寸法安定性及び低温
収縮性を同時に達成でき、飲料容器包装やキャップシー
ル及び各種ラベル等に好適に利用できる。
Claims (4)
- 【請求項1】 (I)少なくとも1個の重合体セグメン
トAと少なくとも1個の重合体セグメントBを有し、ビ
ニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの重量比が82/1
8〜92/8であるブロック共重合体であって、重合体
セグメントAがビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの
重量比が88/12〜98/2である共重合体で、重合
体セグメントBがビニル芳香族炭化水素と共役ジエンと
の重量比が75/25を超え、88/12未満で、重合
体セグメントB中の共役ジエン量が該ブロック共重合体
中の全共役ジエン量の40〜90重量%である共重合体
からなり、該ブロック共重合体に組み込まれているビニ
ル芳香族炭化水素のブロック率が20〜70重量%で、
ビカット軟化温度が50〜75℃の範囲であるブロック
共重合体。 - 【請求項2】 (I)少なくとも1個の重合体セグメン
トAと少なくとも1個の重合体セグメントBを有し、ビ
ニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの重量比が82/1
8〜92/8であるブロック共重合体であって、重合体
セグメントAがビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの
重量比が88/12〜98/2である共重合体で、重合
体セグメントBがビニル芳香族炭化水素と共役ジエンと
の重量比が75/25を超え、88/12未満で、重合
体セグメントB中の共役ジエン量が該ブロック共重合体
中の全共役ジエン量の40〜90重量%である共重合体
からなり、該ブロック共重合体に組み込まれているビニ
ル芳香族炭化水素のブロック率が20〜70重量%で、
ビカット軟化温度が50〜75℃の範囲であるブロック
共重合体と、(II)少なくとも1個のプラスチック性
重合体セグメントAと少なくとも1個のエラストマー性
重合体セグメントBを有し、ビニル芳香族炭化水素と共
役ジエンとの重量比が65/35以上、82/18未満
であるブロック共重合体であって、該ブロック共重合体
の動的粘弾性の関数tanδのピークが70〜125℃
に少なくとも1つ有するブロック共重合体とからなり、
(I)と(II)の重量比が10/90〜90/10で
あるブロック共重合体組成物。 - 【請求項3】 (I)少なくとも1個の重合体セグメン
トAと少なくとも1個の重合体セグメントBを有し、ビ
ニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの重量比が82/1
8〜92/8であるブロック共重合体であって、重合体
セグメントAがビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの
重量比が88/12〜98/2である共重合体で、重合
体セグメントBがビニル芳香族炭化水素と共役ジエンと
の重量比が75/25を超え、88/12未満で、重合
体セグメントB中の共役ジエン量が該ブロック共重合体
中の全共役ジエン量の40〜90重量%である共重合体
からなり、該ブロック共重合体に組み込まれているビニ
ル芳香族炭化水素のブロック率が20〜70重量%で、
ビカット軟化温度が50〜75℃の範囲であるブロック
共重合体と、(II)少なくとも1個のプラスチック性
重合体セグメントAと少なくとも1個のエラストマー性
重合体セグメントBを有し、ビニル芳香族炭化水素と共
役ジエンとの重量比が65/35以上、82/18未満
であるブロック共重合体であって、該ブロック共重合体
の動的粘弾性の関数tanδのピークが70〜125℃
に少なくとも1つ有するブロック共重合体と、(II
I)スチレン含有量が70〜90重量%、アクリル酸n
−ブチル含有量が30〜10重量%からなるスチレン−
アクリル酸n−ブチル共重合体とからなり、(I)と
(II)と(III)の重量比は、合計量を100重量
%として、(I)を10〜80重量%、(II)を10
〜80重量%、(III)を5〜50重量%の範囲から
なるブロック共重合体組成物。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のブロッ
ク共重合体、又はブロック共重合体組成物を延伸してな
り、延伸方向における65℃の熱収縮率が10〜60
%、延伸方向における引張弾性率が7000〜3000
0Kg/cm2である熱収縮性フィルム。
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