JPH11269282A - 熱収縮フィルム - Google Patents
熱収縮フィルムInfo
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- JPH11269282A JPH11269282A JP7245298A JP7245298A JPH11269282A JP H11269282 A JPH11269282 A JP H11269282A JP 7245298 A JP7245298 A JP 7245298A JP 7245298 A JP7245298 A JP 7245298A JP H11269282 A JPH11269282 A JP H11269282A
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Abstract
でき、食品包装やキャップシール及び各種ラベル等に好
適な熱収縮フィルムを提供する。 【解決手段】 (I)プラスチック性重合体セグメント
とエラストマー性重合体セグメントを有し、ビニル芳香
族炭化水素と共役ジエンとの重量比が65/35〜90
/10であり、tanδのピーク温度が75〜120℃
に有するブロック共重合体と、(II)tanδのピー
ク温度が100〜135℃に有する非ゴム変性スチレン
系重合体、とからなるブロック共重合体組成物のtan
δのピーク温度が、非ゴム変性スチレン系重合体のta
nδのピーク温度より、3〜30℃低下した該ブロック
共重合体組成物を延伸してなり、延伸方向における80
℃の熱収縮率が15〜80%、自然収縮率が0〜3.0
%、延伸方向における引張弾性率が7000〜3000
0Kg/cm2である熱収縮フィルム。
Description
性、低温収縮性、温水融着性及び耐衝撃性に優れた熱収
縮フィルムに関する。
なるブロック共重合体樹脂を用いた熱収縮性フィルム
は、従来使用されている塩化ビニル樹脂の残留モノマー
や可塑剤の残留及び焼却時の塩化水素の発生の問題もな
いため、食品包装やキャップシール、ラベル等に利用さ
れている。
縮性、透明性、機械強度、包装機械適性等の要求があ
る。これまで、これらの特性の向上と良好な物性バラン
スを得るため種々の検討がなされてきた。例えば、特開
昭57−34921号公報では熱収縮性を改良するた
め、スチレン−ブタジエンブロック共重合体を融点範囲
内で余熱した後、延伸して熱収縮フィルムの製造方法
が、特開昭58−108112号公報では収縮特性を改
良するため、スチレン・ブタジエンブロック共重合体の
2軸延伸フィルムに特定の配向緩和応力を保持させたス
チレン系樹脂収縮フィルムが、特開昭60−22452
0号公報では収縮特性、耐環境破壊性に優れた熱収縮性
フィルムを得るため、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエ
ンからなるブロック共重合体のセグメントに特定のTg
を有する熱収縮性フィルムが、特開昭58−5355号
公報では腰と滑り性を改良した収縮包装用フィルムを得
るため、スチレン・ブタジエンブロック共重合体と特定
の熱変形温度のポリスチレンとの組成物が、特開平4−
52129号公報では室温での自然収縮性を改良するた
め、スチレン系炭化水素と共役ジエン炭化水素からなる
ブロック共重合体とスチレン系炭化水素を含有した特定
Tgのランダム共重合体の組成物からなるポリスチレン
系熱収縮フィルムが記載されている。
ンからなるブロック共重合体を用いた熱収縮フィルム
は、剛性、温水融着性が十分でなく、これを改良するた
めポリスチレンを添加した組成物も、熱収縮性、自然収
縮性の点で満足できるものではない。また、これらの文
献にはそれらを改良する方法に関して何ら開示されてい
ない。
薄肉化と寸法安定性を同時に達成するため、剛性、自然
収縮性、低温収縮性、温水融着性及び耐衝撃性に優れた
熱収縮フィルムを提供することを目的とするものであ
る。
とも1個のプラスチック性重合体セグメントAと少なく
とも1個のエラストマー性重合体セグメントBを有し、
ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの重量比が65/
35〜90/10であるブロック共重合体であって、該
ブロック共重合体の動的粘弾性の関数tanδのピーク
温度が75〜120℃に有するブロック共重合体と、
(II)動的粘弾性の関数tanδのピーク温度が10
0〜135℃に有するスチレン系重合体、からなるブロ
ック共重合体組成物であって、該ブロック共重合体組成
物の動的粘弾性の関数tanδのピーク温度が、スチレ
ン系重合体の動的粘弾性の関数tanδのピーク温度よ
り、3〜30℃低下した該ブロック共重合体組成物を延
伸してなり、延伸方向における80℃の熱収縮率が15
〜80%、自然収縮率が0〜3.0%、延伸方向におけ
る引張弾性率が7000〜30000Kg/cm2であ
る熱収縮フィルムに関する。
使用するブロック共重合体(I)は、少なくとも1個、
好ましくは2個以上のプラスチック性重合体セグメント
Aと少なくとも1個のエラストマー性重合体セグメント
Bを有し、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの重量
比が65/35〜90/10、好ましくは75/30〜
90/10である。ビニル芳香族炭化水素と共役ジエン
の比が65/35未満の場合には剛性が劣り、90/1
0を超えると耐衝撃性が低下するため好ましくない。
グメントAは、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンから
なる共重合体及び/又はビニル芳香族炭化水素重合体か
ら構成され、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの比が
80/20〜100/0、好ましくは85/15〜10
0/0である。プラスチック性重合体セグメントAのビ
ニル芳香族炭化水素と共役ジエンの重量比が80/20
未満では成形品の剛性、温水融着性が低下する場合があ
る。エラストマー性重合体セグメントBは、ビニル芳香
族炭化水素と共役ジエンからなる共重合体で構成され、
ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの重量比は0/10
0以上、80/20未満、好ましくは40/60〜75
/25である。エラストマー性重合体セグメントBのビ
ニル芳香族炭化水素と共役ジエンの重量比が80/20
以上では耐衝撃性が低下する場合がある。
粘弾性の関数tanδのピーク温度は75〜120℃の
範囲、好ましくは80〜115℃の範囲に少なくとも1
個有することが必要である。tanδのピーク温度が7
5〜120℃の範囲に存在せず、75℃未満に存在する
場合は、温水融着性が低下し、逆に120℃を超える温
度に存在する場合は自然収縮性が悪化するため好ましく
ない。
3(DUPONT社製)で測定した値であり、ピークを
示す温度とは、tanδの値の温度に対する変化量の第
1次微分値が零となる温度を云う。このtanδのピー
ク温度は、プラスチック性重合体セグメントAとエラス
トマー性重合体セグメントBのビニル芳香族炭化水素と
共役ジエンの重量比、ブロック共重合体の分子量等によ
って調整されるが、本発明の範囲に動的粘弾性の関数t
anδのピーク温度が存在するものであれば、それ以外
に動的粘弾性の関数tanδのピーク温度が複数個存在
してもよい。
スチック性重合体セグメントAとエラストマー性重合体
セグメントBのビニル芳香族炭化水素は、重合体ブロッ
ク中に均一に分布していても、テーパー(漸減)状に分
布していてもよい。また、該共重合体部分は、ビニル芳
香族炭化水素が均一に分布している部分及び/又はテー
パー状に分布している部分が複数個共存してもよい。該
共重合体部分は、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの
重量、重量比、重合反応性比等を変えることによりコン
トロールすることができる。具体的な方法としては、
(イ)ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの混合物を
連続的に重合系に供給して重合する方法、及び/又は、
(ロ)極性化合物或はランダム化剤を使用してビニル芳
香族炭化水素と共役ジエンを共重合する方法等が採用で
きる。
ラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテ
ル類、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミ
ン等のアミン類、チオエーテル類、ホスフィン類、ホス
ホルアミド類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、カリウ
ムやナトリウムのアルコキシド等が挙げられる。ビニル
芳香族炭化水素と共役ジエンの共重合体部分の共役ジエ
ン重合体のミクロ構造は、極性化合物等を所定量添加す
ることによって調整することができる。
リマー構造が一般式、 (A−B)n 、A−(B−A)n 、B−(A−B)n+1 (上式において、nは1以上の整数、一般的には1〜5
である。)で表される線状ブロック共重合体、或いは、
一般式、 [(A−B)k]m+2−X、[(A−B)k−A]m+2−
X、 [(B−A)k]m+2−X、[(B−A)k−B]m+2−
X、 (上式において、Xは例えば四塩化ケイ素、四塩化ス
ズ、1,3ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シ
クロヘキサン、エポキシ化大豆油等のカップリング剤の
残基または多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基
を示す。k及びmは1〜5の整数である。)で表される
ラジアルブロック共重合体、あるいはこれらのブロック
共重合体の任意のポリマー構造の混合物が使用できる。
合に使用する触媒量により任意に調整できるが、成形加
工性の点から、メルトフローインデックス(JISK−
6870により測定。条件はG条件で温度200℃、荷
重5Kg)が0.1〜50g/10minが好ましく、
さらに好ましくは1〜20g/10minである。本発
明で使用するブロック共重合体は、炭化水素溶媒中、有
機リチウム化合物を開始剤としてビニル芳香族炭化水素
及び共役ジエンを重合することにより得られる。
としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジ
メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレ
ン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレン
などがあるが、特に一般的なものとしてはスチレンが挙
げられる。これらは1種のみならず2種以上混合使用し
てもよい。
を有するジオレフィンであり、例えば、1,3−ブタジ
エン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレ
ン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3
−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどであるが、
特に一般的なものとしては、1,3−ブタジエン、イソ
プレン等が挙げられる。これらは1種のみならず2種以
上混合使用してもよい。
ン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン等の
脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシ
クロヘキサン等の脂環式炭化水素、或はベンゼン、トル
エン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素等
が使用できる。これらは1種のみならず2種以上混合使
用してもよい。
のリチウム原子を結合した有機モノリチウム化合物、有
機ジリチウム化合物、有機ポリリチウム化合物である。
これらの具体例としては、エチルリチウム、n−プロピ
ルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウ
ム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウ
ム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウ
ム、イソプレニルジリチウムなどが挙げられる。これら
は1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
する際の重合温度は、一般的に−10〜150℃、好ま
しくは40〜120℃である。重合に要する時間は条件
によって異なるが、通常は10時間以内であり、特に好
適には0.5〜5時間である。また、重合系の雰囲気は
窒素ガスなどの不活性ガスなどをもって置換するのが望
ましい。重合圧力は、上記重合温度範囲でモノマー及び
溶媒を液層に維持するに充分な圧力の範囲で行えばよ
く、特に制限されるものではない。更に、重合系内には
触媒及びリビングポリマーを不活性化させるような不純
物、例えば、水、酸素、炭酸ガス等が混入しないよう留
意する必要がある。
粘弾性の関数tanδのピーク温度は100〜135
℃、好ましくは110〜130℃に有するものである。
動的粘弾性の関数tanδのピーク温度が100℃未満
では温水融着性が劣り、135℃を超えると自然収縮性
が劣るため好ましくない。動的粘弾性の関数tanδの
ピーク温度は、該重合体の分子量の調整、ミネラルオイ
ル、トリスフェニルフォスフェート(TPP)等の添加
剤、可塑剤の添加又は共重合可能なモノマーを添加して
重合する等、従来公知の方法によって制御することがで
きる。
ゴム変性スチレン系重合体とゴム変性スチレン系重合体
である。非ゴム変性スチレン系重合体は、ビニル芳香族
炭化水素もしくはこれと共重合可能なモノマーを重合す
ることにより得ることができる。ビニル芳香族炭化水素
と共重合可能なモノマーとしては、アクリロニトリル、
アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、無水マ
レイン酸等が挙げられる。特に好ましいスチレン系重合
体は、ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共
重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、スチレ
ン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マ
レイン酸共重合体等が挙げられ、これらは1種又は2種
以上の混合物として使用することができる。
族炭化水素と共重合可能なモノマー及びエラストマーと
の混合物を重合することにより得ることができる。重合
方法としては、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、塊状−
懸濁重合等が一般に行われている。ビニル芳香族炭化水
素と共重合可能なモノマーとしては、アクリロニトリ
ル、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、無
水マレイン酸等が挙げられる。又、エラストマーとして
は、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチ
レン−ブタジエンゴム、ハイスチレンゴム等が使用され
る。これらのエラストマーは、ビニル芳香族炭化水素も
しくはこれと共重合可能なモノマー100重量部に対し
て1〜30重量部に溶解或いはラテックス状で、塊状、
塊状−懸濁、乳化重合等に供される。特に好ましいゴム
変性スチレン系重合体としては、耐衝撃性ゴム変性スチ
レン系重合体(HIPS)が挙げられる。
数tanδのピーク温度は、成分(II)の動的粘弾性
の関数tanδのピーク温度の3〜30℃低下したも
の、好ましくは5〜25℃低下したものである。3℃未
満では低温収縮性、自然収縮性等が劣り、30℃を超え
ると剛性、耐衝撃性が劣るため好ましくない。成分
(I)、成分(II)の配合重量比は特に制限はない
が、好ましい成分(I)と成分(II)の配合重量比は
10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜
80/20である。
ク共重合体組成物には、目的に応じて種々の重合体及び
添加剤を添加することができる。好適な重合体として
は、ビニル芳香族炭化水素含有量が50重量%以下のビ
ニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロック共重合体エ
ラストマーやポリエチレンテレフタレート等であり、こ
れらの重合体を5〜95重量%添加することができる。
好適な添加剤としては、クマロン−インデン樹脂、テル
ペン樹脂、オイル等の軟化剤、可塑剤が挙げられる。又
各種の安定剤、顔料、ブロッキング防止剤、帯電防止
剤、滑剤等も添加できる。
剤としては、例えば、脂肪酸アマイド、エチレンビスス
テアロアミド、ソルビタンモノステアレート、脂肪酸ア
ルコールの飽和脂肪酸エステル、ペンタエリストール脂
肪酸エステル等、又紫外線吸収剤としては、p−t−ブ
チルフェニルサリシレート、2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,5−
ビス−[5’−t−ブチルベンゾオキサゾリル−
(2)]チオフェン等、「プラスチックおよびゴム用添
加剤実用便覧」(化学工業社)に記載された化合物が使
用できる。
好ましくは0.05〜3重量%の範囲で用いられる。本
発明の熱収縮フィルムは、1軸又は2軸延伸フィルムの
どちらであっても良く、通常のTダイ又は環状ダイから
フラット状又はチューブ状に150〜250℃、好まし
くは170〜220℃で押出成形し、得られた未延伸物
を実質的に1軸延伸又は2軸延伸する。例えば1軸延伸
の場合、フィルム、シート状の場合はカレンダーロール
等で押出方向に、或いはテンター等で押出方向と直交す
る方向に延伸し、チューブ状の場合はチューブの押出方
向又は円周方向に延伸する。2軸延伸の場合、フィル
ム、シート状の場合には押出フィルム又はシートを金属
ロール等で縦方向に延伸した後、テンター等で横方向に
延伸し、チューブ状の場合にはチューブの押出方向及び
チューブの円周方向、即ちチューブ軸と直角をなす方向
にそれぞれ同時に、或いは別々に延伸する。
℃、好ましくは80〜100℃で、縦方向及び/又は横
方向に延伸倍率1.5〜8倍、好ましくは2〜6倍に延
伸するのが好ましい。2軸延伸の場合、縦方向及び横方
向における延伸倍率は同一であっても、異なっていても
よい。1軸延伸又は2軸延伸の熱収縮フィルムは、次い
で、必要に応じて60〜105℃、好ましくは80〜9
5℃で短時間、例えば3〜60秒間、好ましくは10〜
40秒間熱処理して室温下における自然収縮を防止する
手段を実施することも可能である。
熱収縮性包装用素材や熱収縮性ラベル用素材として使用
するには、延伸方向における熱収縮率が15〜80%、
好ましくは20〜70%でなければならない。延伸方向
における熱収縮率が15%未満の場合は収縮特性が悪い
ため収縮包装工程において該工程を高温かつ均一に調整
したり、長時間加熱する必要があり、高温で変色や変質
を生じるような様な物品の包装が不可能となったり収縮
包装処理能力が低下するため好ましくなく、80%を超
えるとフィルムの自然収縮率が大きくなるため好ましく
ない。尚、本発明において80℃の熱収縮率とは、1軸
延伸又は2軸延伸フィルムを80℃の熱水、シリコーン
オイル、グリセリン等の成形品の特性を阻害しない熱媒
体中に5分間浸漬したときの成形品の各延伸方向におけ
る熱収縮率である。
〜3.0%、好ましくは0〜2.5%である。自然収縮
率が3.0を超えると被覆時の寸法が合わなくなるため
好ましくない。本発明において、自然収縮率とは、80
℃の熱収縮率が40%の延伸フィルムを35℃で5日間
放置した時の収縮率である。本発明の収縮フィルムは、
延伸方向における引張弾性率が7000〜30000K
g/cm2、好ましくは10000〜25000Kg/
cm2であることが熱収縮包装材として必要である。延
伸方向における引張弾性率が7000Kg/cm2未満
の場合は、収縮包装工程においてヘタリを生じ正常な包
装ができず好ましくなく、30000Kg/cm2を超
えるとフィルムの耐衝撃性が低下するため好ましくな
い。
として使用する場合、目的の熱収縮率を達成するために
130〜300℃、好ましくは150〜250℃の温度
で数秒から数分、好ましくは1〜60秒加熱して熱収縮
させることができる。本発明の熱収縮フィルムは、従来
の塩化ビニル樹脂系のものに比べて衛生上優れたもので
あり、その特性を生かして種々の用途、例えば生鮮食
品、菓子類の包装、衣類、文具等の包装等に利用でき
る。特に好ましい用途としては、本発明の熱収縮フィル
ムに文字や図案を印刷した後、プラスチック成形品や金
属製品、ガラス容器、磁器等の被包装体表面に熱収縮に
より密着させて使用する、いわゆる熱収縮性ラベル用素
材としての利用が挙げられる。
温収縮性、剛性及び自然収縮性に優れるため、高温に加
熱すると変形を生じる様なプラスチック成形品の熱収縮
性ラベル素材の他、熱膨張率や吸水性等が本発明のブロ
ック共重合体とは極めて異なる材質、例えば、金属、磁
器、ガラス、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ブテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリメタクリル酸エ
ステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリ
エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂から選ばれる少なく
とも1種を構成素材として用いた容器の熱収縮性ラベル
素材として好適に利用できる。
ラスチック容器を構成する材質としては、上記の樹脂の
他、ポリスチレン、ゴム変性耐衝撃性ポリスチレン(H
IPS)、スチレン−ブチルアクリレート共重合体、ス
チレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マ
レイン酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体(ABS)、メタクリル酸エステル−ブ
タジエン−スチレン共重合体(MBS)、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フェノール樹脂、ユ
リア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができる。
これらのプラスチック容器は2種以上の樹脂類の混合物
でも、積層体であってもよい。
用素材として使用する場合、延伸方向と直交する方向に
おける80℃の熱収縮率は15%未満、好ましくは10
%以下である。従って、本発明において熱収縮性ラベル
様として1軸延伸するとは、延伸方向における80℃の
熱収縮率が15〜80%で延伸方向と直交する方向の熱
収縮率が15%未満になる様に延伸処理を施すことを云
う。
的に10〜300μm、好ましくは30〜100μmの
範囲に調整される。
が、これらは本発明の範囲を制限するものではない。
合体(B−1〜5)のスチレン含有量(重量%)、低温
tanδ(低温側に位置する関数tanδのピーク温
度:℃)、高温tanδ(高温側に位置する関数tan
δのピーク温度:℃)と、非ゴム変性スチレン系重合体
(S−1〜4)のスチレン含有量と高温Tanδを示し
た。
レンとブタジエンの添加量で、低温tanδ、高温ta
nδはスチレンとブタジエンの量比及びブロック共重合
体の分子量で調整した。例えば、ブロック共重合体(B
−1)は次のように重合して得た。窒素ガス雰囲気下に
おいて、スチレン22重量部を含むシクロヘキサン溶液
にn−ブチルリチウムを0.06重量部、テトラメチル
エチレンジアミンを0.03重量部添加し、75℃で2
0分間重合した後、更に1,3−ブタジエン5重量部と
スチレン5重量部を含むシクロヘキサン溶液を連続的に
添加して75℃で20分間重合した。次に1,3−ブタ
ジエン11.5重量部とスチレン20.5重量部を含む
シクロヘキサン溶液を連続的に添加して75℃で40分
間重合した。次に1,3−ブタジエン1.5重量部とス
チレン21.5重量部を含むシクロヘキサン溶液を連続
的に添加して75℃で20分間重合した。次にスチレン
13重量部を含むシクロヘキサン溶液を添加し、75℃
で20分間重合した。その後、重合器にメタノールをn
−ブチルリチウムに対して0.9倍モル添加して重合を
停止し、安定剤を加えた後、脱溶媒してブロック共重合
体を得た。
スタイロン683(旭化成工業(株)製)を使用した。
S−2〜4の非ゴム変性スチレン系重合体のTanδ
は、ミネラルオイルを添加すること、スチレンとアクリ
ル酸n−ブチルを共重合させること、あるいは、トリス
フェニルフォスフェートを添加すること等によって調整
した。
475D(旭化成工業(株)製)を使用した。次に、ブ
ロック共重合体、非ゴム変性スチレン系重合体及びゴム
変性スチレン系重合体を、40mm押出機を用いて20
0℃で厚さ0.25mmのシート状に成形し、その後5
倍にテンターで横軸に1軸延伸して厚さ約60μmのフ
ィルムを得た。得られた熱収縮フィルムのTanδとフ
ィルム性能を表2に示した。
張弾性率で表される剛性、熱収縮性、自然収縮性、パン
クチャー衝撃値で表される耐衝撃性、温水融着性に優れ
ていることが分かる。表1、2に示したブロック共重合
体、非ゴム変性スチレン系重合体及び熱収縮フィルムの
低温tanδ、高温tanδは、DMA983(DUP
ONT社製)を用い、測定は共鳴周波数(Resona
nt)、昇温速度は2℃/minで−100〜140℃
の範囲、試料は厚さ約3mm、幅約12.5mmの圧縮
成形品を長さ約15mmのアームに取付け、Ampli
tude=0.2mmで測定した。
法で測定した。 (1)引張弾性率:JIS K−6732に準拠、単位
はKg/cm2。 (2)熱収縮率:延伸フィルムを80℃のシリコーンオ
イル中に5分間浸漬し、次式により算出した。 熱収縮率(%)=〔(L−L1)/L〕×100 (式中、Lは収縮前の長さ、L1は収縮後の長さであ
る。) (3)自然収縮率:熱収縮率が40%の延伸フィルムを
35℃で5日間放置し、次式により算出した。
る。) (4)パンクチャー衝撃値:JIS P−8134に準
拠、単位はKg・cm/cm。 (5)温水融着性:延伸フィルムを直径約8cmのガラ
ス瓶に巻き付け、85℃温水中に3本俵積みで5分間放
置し、フィルムの融着状態を目視判定した。
は僅かに融着しているがすぐ離れる、×は融着してすぐ
には離れない。
合体を使用しているにも係わらず、剛性、自然収縮性、
低温収縮性、温水融着性及び耐衝撃性に優れている。こ
のため、フィルムの薄肉化と寸法安定性を同時に達成で
き、食品包装やキャップシール及び各種ラベル等に好適
に利用できる。
Claims (1)
- 【請求項1】 (I)少なくとも1個のプラスチック性
重合体セグメントAと少なくとも1個のエラストマー性
重合体セグメントBを有し、ビニル芳香族炭化水素と共
役ジエンとの重量比が65/35〜90/10であるブ
ロック共重合体であって、該ブロック共重合体の動的粘
弾性の関数tanδのピーク温度が75〜120℃に有
するブロック共重合体と、 (II)動的粘弾性の関数tanδのピーク温度が10
0〜135℃に有するスチレン系重合体、からなるブロ
ック共重合体組成物であって、該ブロック共重合体組成
物の動的粘弾性の関数tanδのピーク温度が、スチレ
ン系重合体の動的粘弾性の関数tanδのピーク温度よ
り、3〜30℃低下した該ブロック共重合体組成物を延
伸してなり、延伸方向における80℃の熱収縮率が15
〜80%、自然収縮率が0〜3.0%、延伸方向におけ
る引張弾性率が7000〜30000Kg/cm2であ
る熱収縮フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7245298A JPH11269282A (ja) | 1998-03-20 | 1998-03-20 | 熱収縮フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7245298A JPH11269282A (ja) | 1998-03-20 | 1998-03-20 | 熱収縮フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11269282A true JPH11269282A (ja) | 1999-10-05 |
Family
ID=13489715
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7245298A Pending JPH11269282A (ja) | 1998-03-20 | 1998-03-20 | 熱収縮フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11269282A (ja) |
-
1998
- 1998-03-20 JP JP7245298A patent/JPH11269282A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20050311 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
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A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20050311 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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A977 | Report on retrieval |
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