JP2002347419A - フロントサスペンション構造 - Google Patents

フロントサスペンション構造

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JP2002347419A
JP2002347419A JP2001154458A JP2001154458A JP2002347419A JP 2002347419 A JP2002347419 A JP 2002347419A JP 2001154458 A JP2001154458 A JP 2001154458A JP 2001154458 A JP2001154458 A JP 2001154458A JP 2002347419 A JP2002347419 A JP 2002347419A
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wheel
rigidity
vehicle
elastic bush
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JP2001154458A
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Inventor
Hirotake Harada
宏丈 原田
Hiroyuki Hayashi
裕之 林
Atsushi Nakamura
篤史 中村
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車輪の最大切れ角を大きく設定可能な車両のフ
ロントサスペンション構造を提供する。 【解決手段】ナックルスピンドル4と車体側部材とが、
トランスバースリンク1及びコンプレッションロッド2
によって連結される。コンプレッションロッド2の車体
側取付け部に設けられる弾性ブッシュ20は、軸を上下
に向けて配置されると共に、コンプレッションロッド2
のリンク軸線L2が通過する位置にスグリ21が形成さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輪支持部材に対
し2本のロアリンクの車輪側端部がそれぞれボールジョ
イントを介して連結したダブルピボット形式のサスペン
ション構造であって、上記2本のうちの一方が、主とし
て車両前後方向の荷重を受ける前後方向リンクであるフ
ロントサスペンション構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のフロントサスペンション構造とし
ては、例えば特開平8−156545号公報などに記載
されるダブルピボット形式のサスペンション構造があ
る。この種のサスペンション構造では、例えば、車輪を
回転自在に支持するナックルスピンドル下部と車体側部
材(サスペンションメンバなど)との間を、2本のロア
リンクによって連結している。該2本のロアリンクは、
主に横方向荷重を受け持つトランスバースリンクと、主
に車両前後方向荷重を受け持つコンプレッションロッド
(前後方向リンク)とから構成される。そして、上記2
本のロアリンクの車輪側端部が、それぞれ個別のボール
ジョイントを介して上記ナックルスピンドルに連結する
ことで、ダブルピボット構造を実現している。
【0003】また、特開2001−30941号公報な
どに記載されているように、車輪が最大切れ角まで転舵
すると、上記コンプレッションロッドに設けた第1スト
ッパ部材がナックルに設けた第2ストッパ部材に当接す
ることで、車輪の最大切れ角が規制される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記特開平8
−156545号公報に記載のサスペンション構造にあ
っては、コンプレッションロッドを車体側部材に連結す
るための弾性ブッシュの軸を、水平方向で且つコンプレ
ッションロッドのリンク軸線にほぼ直交する方向に配置
している。このため、車輪転舵の時にコンプレッション
ロッドの車体側取付け部に作用する力を、当該弾性ブッ
シュはこじりによって受けるために、ヒステリシスが大
きくなって、操舵感に悪影響を与える。
【0005】また、車輪の転舵によって、コンプレッシ
ョンロッドは、相対的に、車輪側取付け点を中心に車両
前後方向後方に回動して、当該コンプレッションロッド
がナックルスピンドルに当接することで上記回動が規
制、つまり転舵が規制される。このようにコンプレッシ
ョンロッドがナックルに当接して回動が規制される際
に、コンプレッションロッドの車体側取付け点には、リ
ンク軸線に直交する方向の反力が入力されるが、該反力
の方向が上記弾性ブッシュの軸方向とほぼ同じ方向とな
るために、該弾性ブッシュは、上記反力に対して剛性が
低い、つまり、切れ増し剛性が低い構成となっている。
【0006】この結果、最大切れ角を大きくすると、上
記転舵の規制のときに、コンプレッションロッドの車体
側端部が略車両前後方向に揺動する分だけ、さらに車輪
が転舵してサスペンション部材と車輪とが干渉するおそ
れがある。このため、上記従来のサスペンション構造で
は、上記干渉を回避するため、初期の車輪の最大切れ角
を小さく設定する必要があり、結果として車両の回転半
径が大きくなってしまう。このことは、乗り心地を向上
させるために、弾性ブッシュの弾性部材部分に対し、コ
ンプレッションロッドのリンク軸線方向位置にスグリ設
けた場合を想定すると、更に、弾性ブッシュの軸方向の
剛性が下がって、上記初期の車輪の最大切れ角を更に小
さく設定する必要がある。
【0007】本発明は、上記のような問題点に着目して
なされたもので、車輪の最大切れ角を大きく設定可能な
車両のフロントサスペンション構造を提供することを課
題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のうち請求項1に記載した発明は、転舵輪を
回転自在に支持する車輪支持部材に対し2本のロアリン
クの車輪側端部がそれぞれ個別のボールジョイントを介
して連結し、上記2本のロアリンクのうちの一本は、略
車両前後方向に延びる前後方向リンクであって、その前
後方向リンクと上記車輪支持部材とが当接することで転
舵規制が行われるフロントサスペンション構造におい
て、上記前後方向リンクの車体側端部は、軸を上下方向
に向けた弾性ブッシュを介して車体側部材に連結するこ
とを特徴とするものである。
【0009】次に、請求項2に記載した発明は、請求項
1に記載した構成に対し、上記弾性ブッシュの径方向の
剛性は、上記前後方向リンクのリンク軸線と直交する方
向の剛性が他の部分の剛性よりも大きいことを特徴とす
るものである。次に、請求項3に記載した発明は、請求
項2に記載した構成に対し、平面視において、上記弾性
ブッシュの弾性部材における、上記前後方向リンクのリ
ンク軸線が通過する位置にスグリを形成したことを特徴
とするものである。
【0010】次に、請求項4に記載した発明は、請求項
2又は請求項3に記載した構成に対し、平面視におい
て、上記弾性ブッシュの弾性部材における、当該弾性ブ
ッシュの径方向であって上記前後方向リンクのリンク軸
線と直交する位置に、上記弾性部材よりも剛性が大きい
剛性部材を介装したことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の効果】請求項1に係る発明にあっては、弾性ブ
ッシュの軸を上下に向けることで、転舵規制の際に前後
方向リンクの車体側取付け部に入力する反力は、上記弾
性ブッシュの径方向となる。弾性ブッシュは、一般に軸
方向の剛性に比べて径方向の剛性が高いので、上記従来
例のように弾性ブッシュの軸を水平に配置する場合に比
べて、上記反力に対する弾性ブッシュの剛性が高く設定
可能となる。この結果、転舵規制時における前後方向リ
ンクの車体側取付け部の揺動量が小さくなる、つまり前
後方向リンクが車輪支持部材に当接した後の車輪の転舵
量(揺動量)を小さく抑えることが可能となるので、そ
の分、前後方向リンクが車輪支持部材に当接することで
規制される最大切り角を大きく設定可能となる。このこ
とは、車両の最小回転半径を小さくすることに繋がる。
【0012】また、弾性ブッシュの軸を上下に向けるこ
とで、転舵の際に当該弾性ブッシュに作用する力は、当
該弾性ブッシュを捻る方向(略軸回転方向)の力として
作用するので、軸を水平方向に設定した場合に比べてヒ
ステリシスが小さくなって操舵感の向上に繋がる。さら
に、請求項2に係る発明では、弾性ブッシュにおける径
方向の剛性のうち、特に、上記転舵規制時の反力が入力
される方向の剛性を高く設定することで、さらに、前後
方向リンクが車輪支持部材に当接することで規制される
最大切り角を大きく設定可能となる。
【0013】このとき、請求項3に係る発明を採用する
と、材料費をアップさせることなく請求項2の効果を発
揮することが可能となる。また、リンク軸線に直交する
方向の剛性を高めるために、弾性ブッシュの弾性部材の
剛性を高く設定しても、上記スグリによって、弾性ブッ
シュのリンク軸線方向の剛性を低く設定することができ
る。この結果、路面の不整などで、車輪からのリンク軸
線方向の入力が前後方向リンクにあっても、その際の車
体側への振動の伝達を低減できることで、乗り心地の向
上に繋がる。
【0014】また、請求項4に係る発明を採用すると、
前後方向リンクのリンク軸線方向の剛性とは独立して、
上記転舵規制時の反力が入力される方向の剛性を高く設
定可能となる。特に、弾性ブッシュの弾性部材よりも剛
性の高い中間板などの剛性部材を介装させるので、より
上記反力に対する剛性を高く設定できる。また、弾性ブ
ッシュの弾性部材自体の剛性とは独立して上記反力に対
する剛性を向上させることができるので、例えば、弾性
ブッシュの弾性部材自体の剛性を低く設定して、路面の
不整などで、車輪からのリンク軸線方向の入力が前後方
向リンクにあっても、その際の車体側への振動の伝達を
低減できることで、乗り心地の向上に繋がる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係る
フロントサスペンション構造を説明するための概略斜視
図である。本実施形態に係るフロントサスペンション構
造のロアリンクは、図1に示されるように、車幅方向に
延在して主に横荷重を受けるトランスバースリンク1
と、そのトランスバースリンク1の車両前後方向後方に
配置されると共に略車両前後方向に延在し主として車両
前後方向荷重を受けるコンプレッションロッド2とから
構成される。
【0016】トランスバースリンク1は、図2に示すよ
うに、その車輪側端部1aがボールジョイント3を介し
てナックルスピンドル4の下部に連結して、車幅方向に
延び、車体側端部1bを、ブッシュ5を介して車体側部
材16に上下揺動可能に連結している。上記ナックルス
ピンドル4は、車輪を回転自在に支持する車輪支持部材
を構成する。
【0017】上記ボールジョイント3によるトランスバ
ースリンク1とナックルスピンドル4との連結構成は、
上記図2に示すようになっている。すなわち、上方に開
口したソケット部3aがナックルスピンドル4の下部に
設けられ、そのソケット部3aに球状案内部3bが嵌め
込まれている。そして、当該球状案内部3bから上方に
突出して突出部を構成するネジ部3cが、トランスバー
スリンク1の車輪側端部1aが締結されている。
【0018】また、ソケット部3aと球状案内部3bと
の間に埃が侵入することを防止するように、ソケット部
3aの開口を覆うように、ネジ部3aの外周に筒状の弾
性体からなるダストカバー19が設けられている。ま
た、コンプレッションロッド2は、その車輪側端部2a
がボールジョイント6を介してナックルスピンドル4の
下部に連結して、略車両前後方向後方に延び、車体側端
部2bを、弾性ブッシュを介して車体側部材(不図示)
に連結している。
【0019】こちらのボールジョイント6の構成は、コ
ンプレッションロッド2に形成されたソケット部に下側
から球状案内部が嵌め込まれ、当該球状案内部から下方
に突出するネジ部が、ナックルスピンドル4の下部が連
結している。このように、上記トランスバースリンク1
のボールジョイント3とコンプレッションロッド2のボ
ールジョイント6の上下方向の配置を逆にすることで、
両者1,3の車輪側端部1a、2aの高さをほぼ同じ高
さに設定しても、トランスバースリンク1の車輪側取付
け点P1よりもコンプレッションロッド2の車輪側取付
け点P3の方が上方に配置されている。ここで、コンプ
レッションロッド2の車体側取付け点の高さは、上記車
輪側取付け点P3と略同じ高さ若しくは当該車輪側取付
け点P3よりも高く設定されている。このような構成を
採用することで、オーバーハングの短縮を実現しなが
ら、バウンド時のホイールセンタ軌跡を後下がりにする
ことが出来て、突起乗り越し時の衝撃をいなすことが出
来、乗り心地の向上に繋がる。
【0020】ここで、上記ボールジョイント3,6の配
置の違いによって、トランスバースリンク1の車輪側取
付け部1aは後述のように揺動しやすいが、コンプレッ
ションロッド2の車輪側端部2aはさほど揺動せず、後
述のような転舵規制時に、コンプレッションロッド2の
車輪側端部2aの揺動は小さい。上記コンプレッション
ロッド2の車体側端部(車体側取付け部2b)に設けら
れる弾性ブッシュ20は、同軸に配置された内筒部20
bと外筒部20aとの間に、弾性部材であるゴム材20
cが介装されて構成され、その軸を上下に向けた状態で
配置されている。
【0021】また、平面視において、上記ゴム材20c
における、上記コンプレッションロッド2のリンク軸線
L2が通過する位置に対し、上記弾性ブッシュ20の軸
を挟んで一対のスグリ21が形成されている。ここで、
本実施形態では、弾性ブッシュ20の径方向の剛性を高
く設定するために、上記ゴム材20cとして剛性の高い
材料を使用している。
【0022】また、上記コンプレッションロッド2の延
在方向途中位置には、略車両前後方向後方に突出する第
1ストッパ部材22が設けられている。また、上記ナッ
クルスピンドル4の後面(ナックルアーム9の後面)に
は、上記第1ストッパ部材22の先端に当接可能なスト
ッパ受面23aを備えた第2ストッパ部材23が設けら
れている。本実施形態では、第2ストッパ部材23とし
て断面L形状の部材を例示している。また、上記第1ス
トッパ部材22は、突出方向が上記リンク軸線L2に直
交すると共に先端部の位置が上記リンク軸線L2上若し
くはその近傍に位置するように設定されて、転舵規制時
に不要なモーメントがコンプレッションロッド2に作用
することを防止している。
【0023】上記第1及び第2ストッパ部材22,23
を設けることで、車輪が転舵するにしたがって、相対的
に、第1ストッパ部材22と第2ストッパ部材23とが
接近し、図5のように、第1ストッパ部材22の先端部
が第2ストッパ部材23のストッパ受面23aに当接す
ることで、最大切れ角が規制されるようになっている。
【0024】また、上記トランスバースリンク1におけ
る車輪に近い位置に、図2のように、ショックアブソー
バ7の下部が連結している。ショックアブソーバ7は、
上方に延び上端部が車体側部材に支持されている。その
ショックアブソーバ7の上部にサスペンションスプリン
グ8が取り付けられている。すなわち、サスペンション
スプリング8の下部は、ショックアブソーバ7を介して
トランスバースリンク1に連結している。
【0025】上記ショックアブソーバ7下部のトランス
バースリンク1への取付け点P2は、図2に示されるよ
うに、車両前後方向からみて当該トランスバースリンク
1のリンク軸線L1よりも上方にδだけオフセットする
ように配置されている。但し、平面図である図4及び車
幅方向からの模式図である図6に示すように、非転舵状
態にあっては、ショックアブソーバ7の軸Sは、上記リ
ンク軸線L1を通過するように設定されている。
【0026】なお、上記ナックルスピンドル4から車両
前後方向後方にナックルアーム9が突設し、そのナック
ルアーム9の先端部にステアリング装置のタイロッド
(図1中の符号10)が連結している。なお、図1中、
符号11は、Aアームからなるアッパリンクであって、
その車輪側端部11aが、ナックルスピンドル4から上
方に延設された延設部12の上端部にボールジョイント
13を介して連結している。
【0027】また、上記ボールジョイント3の配置位置
よりも車幅方向外方には、図2に示すように、ブレーキ
装置のディスクロータ17が配置されている。符号18
はタイヤが取り付けられるホイールを示す。次に、上記
構成のフロントサスペンション構造の作用・効果等につ
いて図面を参照しつつ説明する。
【0028】車輪を転舵すると、コンプレッションロッ
ドは、車体側取付け点P4を中心として車両前後方向に
揺動するが、当該コンプレッションロッド2と車体側部
材とを連結する弾性ブッシュ20の軸を上下に向けてい
るので、当該弾性ブッシュ20に作用する力は当該弾性
ブッシュ20を捻る方向(略軸回転方向)の力として作
用するので、軸を水平方向に向けた場合に比べてヒステ
リシスが小さくなって操舵感が向上する。
【0029】また、旋回内輪を考えた場合には、車輪の
転舵につれてコンプレッションロッド2はナックルアー
ム9に接近し、フル転舵状態となると、コンプレッショ
ンロッド2の第1ストッパ部材22が、ナックルスピン
ドルに設けた第2ストッパ部材23のストッパ受面23
aに当接して転舵が規制される。上記第1ストッパ部材
22及び第2ストッパ部材23を介して、ナックルスピ
ンドル4にコンプレッションロッド2が当接すると、コ
ンプレッションロッド2の車体側取付け部2bに対し、
リンク軸線L2に直交する方向であって車両前後方向前
方に向かう反力F2が入力される。このとき、コンプレ
ッションロッド2の車体側取付け部2bに設けられる弾
性ブッシュ20は、軸を上下に向けているので径方向で
上記反力F2を受けることとなり、軸方向で上記反力F
2を受ける場合に比べて、上記反力F2に対する剛性が
高くなっている。
【0030】特に弾性ブッシュ20の径方向の剛性につ
いては、ゴム材20cの剛性を高く設定すると共にリン
ク軸線L2が通過する位置にスグリ21を形成すること
で、上記反力F2方向(リンク軸線L2に直交する方
向)の剛性が一番高くなるように設定されているので、
弾性ブッシュ20は、上記反力F2に対する剛性が特に
高くなっている。この結果、転舵規制時におけるコンプ
レッションロッド2の車体側取付け部2bの揺動量が小
さくなる、つまりコンプレッションロッド2がナックル
スピンドル4に当接した後の車輪の転舵量(揺動量)を
小さく抑えることができる。したがって、その分、コン
プレッションロッド2がナックルスピンドル4に当接す
ることで規制される最大切り角を大きく設定可能とな
る。このことは、車両の最小回転半径を小さくすること
に繋がる。
【0031】また、上述のように弾性ブッシュ20のゴ
ム材20cの剛性を高く設定しても、スグリ21を設け
ることで、弾性ブッシュ20のリンク軸線L2方向の剛
性を低くすることができる。この結果、路面の不整など
で、車輪からのリンク軸線L2方向の入力がコンプレッ
ションロッド2にあっても、その際の車体側への振動伝
達を低減できることで、乗り心地の向上に繋がる。
【0032】また、トランスバースリンク1の車輪側取
付け部については、次のような効果がある。まず、トラ
ンスバースリンク1とナックルスピンドル4とを連結す
るボールジョイント3の構成を、上方に開口したソケッ
ト部3aに対し球状案内部3bを上側から嵌合した構成
とすることで、ショックアブソーバ7から入力される下
向きの反力F1によって、ソケット部3aから球状案内
部3bが抜けることが防止されて、ボールジョイント3
を必要以上に大型化する必要がない。またこのことは、
ボールジョイント3の揺動角を小さく規制する必要もな
く、且つソケット部3aと球状案内部3bの間のプリロ
ードも必要以上に増加させる必要がない。
【0033】しかも、ソケット部3aをナックルスピン
ドル4側に設けているので、ロアアームのうち横力を主
として受けるトランスバースリンク1については、リン
ク軸線L1の車輪側位置が高くなることも防止される。
つまり、トランスバースリンク1の車輪側端部1cを高
く設定しても、当該トランスバースリンク1のリンク軸
線L1とアッパリンク11との間の上下距離が狭くなる
ことが防止される。すなわち、アッパリンク若しくはホ
イールセンタとロアリンクとの間に所要のスパンが確保
される結果、目的の横剛性が確保される。
【0034】また、上記構成にあっては、ソケット部3
aがナックルスピンドル4に設けられているので、トラ
ンスバースリンク1の車輪側端部1aの位置よりも、ボ
ールジョイント3の回転中心P1を、下側且つ車幅方向
外方に配置できる。このため、トランスバースリンク1
自体の長さよりもロアリンクのリンク長を長く設定する
ことができたり、トランスバースリンク1の車輪側端部
1aの位置とオフセットさせてナックルスピンドル4へ
の連結点(P1)を設定することができるなど、リンク
配置の設計自由度が向上する。
【0035】さらに、制動時に発熱するディスクロータ
17とボールジョイント3との間にナックルスピンドル
4が介在する配置構成となるので(図2参照)、ボール
ジョイント3にダストカバー19を設けても、当該ダス
トカバー19は、ディスクロータ17の熱から保護さ
れ、耐久上、有利である。また、上記サスペンションス
プリング8からの反力F1に対するボールジョイント3
での受圧部Rが、図7に示すように、ソケット部3aの
下部と球状案内部3bの下部と間となる結果、当該受圧
部Rが転舵時における回転軸Q上若しくはその近傍に配
置される。したがって、モーメントの腕が小さくなっ
て、ボールジョイント作動時の当該ボールジョイント3
でのフリクションが小さくなる。
【0036】このとき、トランスバースリンク1の車輪
側端部1cが、ボールジョイント3の回転中心P1に対
し上方にδだけオフセットして配置される結果、当該ト
ランスバースリンク1の車輪側端部1cが上記回転中心
P1を中心として車両前後方向に揺動しやすくなる。こ
れに対し、本実施形態のフロントサスペンション構造に
あっては、ショックアブソーバ7から取付け点P1、つ
まりサスペンションスプリング8からの反力F1の入力
点P1を、トランスバースリンク1のリンク軸線L1か
ら上方にオフセットさせて配置した結果、上記揺動を上
記反力F1によって積極的に規制できるようになってい
る。
【0037】そして、車輪が非転舵状態では、ショック
アブソーバ7の軸Sが上記リンク軸線L1を通過するよ
うに設計してあることから、上記のようにオフセットし
てあっても、サスペンションスプリング8からの反力F
1によってトランスバースリンク1は、リンク軸線L1
を通過する方向に付勢される結果(図2及び図6参
照)、トランスバースリンク1の車輪側端部1aが車両
前後方向に揺動することが抑えられる。
【0038】上記状態から車輪が転舵した場合を考える
と、転舵内輪では、図5及び図8に示すように、トラン
スバースリンク1の車輪側取付け点が車両前後方向前側
に変位する結果、サスペンションスプリング8の反力F
1の向きがリンク軸線L1の前側を通過するように変位
し、上記反力F1によって、図9に示すように、トラン
スバースリンク1の車輪側端部1aは、ボールジョイン
ト3の回転中心P1周りに車両前後方向前側に揺動し
て、コンプレッションロッド2の車輪側端部2aから離
れる。
【0039】ここで、符号P′、L1′、S′は、それ
ぞれ非転舵状態のときの、ボールジョイント3の回転中
心、リンク軸線の位置、及びショックアブソーバの軸を
表す。以下同様である。一方、転舵外輪では、図10及
び図11に示すように、トランスバースリンク1の車輪
側取付け点が車両前後方向後側に変位する結果、サスペ
ンションスプリング8の反力F1の向きがリンク軸線L
1の後側を通過するように変位し、上記反力F1によっ
て、図12に示すように、トランスバースリンク1の車
輪側端部1aは、ボールジョイント3の回転中心P1周
りに車両前後方向後側に揺動して、ナックルスピンドル
4に設けたナックルストッパ14から離れる方向に揺動
する。
【0040】ここで、上記トランスバースリンク1の車
輪側端部1aの揺動は、車幅方向からみて、ボールジョ
イント3の回転中心P1を中心として車両前後方向に生
じるが、平面視においては、車体側取付け点P3を中心
に車両前後方向に変位するため、図5及び図10から分
かるように、転舵内輪であっても転舵外輪であっても、
リンク軸線L1が車両前後方向の一方に傾く分だけ車両
前後方向内側に若干向かいつつ車両前後方向に揺動す
る。すなわち、例えば、転舵内輪では、図5に示すよう
に、ナックルアームストッパ14側に揺動させるもの
の、ナックルストッパ14は車幅方向外方に変位してお
り、一方、トランスバースリンク1の車輪側端部1aは
若干車幅方向内方に向けて変位する。このため、転舵内
輪においてトランスバースリンク1の車輪側端部1aを
車両前後方向前側に変位させても、ナックルストッパ1
4には衝突しない。転舵外輪でも、図10から分かるよ
うに同様である。
【0041】ここで、上記実施形態では、コンプレッシ
ョンロッド2の車体側取付け部2bに設けた弾性ブッシ
ュ20について、スグリ21を設けることで上記転舵規
制時の反力F2方向の剛性が一番高くなるように設定し
ているがこれに限定されない。例えば、図13に示すよ
うに、ゴム材20cの剛性を低く設定すると共に、反力
F2方向、つまり、径方向であってリンク軸線L2に直
交する方向に位置するゴム材20c中に中間板30を介
装することで、当該反力F2方向の剛性を高くするよう
に設定しても良い。上記中間板30は、剛性部材であっ
て、例えば鉄などの金属からなって、ゴム材20cより
も剛性の高い部材で構成する。
【0042】このように弾性ブッシュ20を構成する
と、リンク軸線L2方向の剛性とは独立して、上記転舵
規制時の反力F2が入力される方向の剛性を高く設定可
能となって、上記と同様な作用、効果を発揮する。ま
た、このように弾性ブッシュ20のゴム材20cの剛性
とは独立して上記反力F2に対する剛性を高く設定して
いるので、上記のように弾性ブッシュ20のゴム材20
c自体の剛性を低く設定することで、路面の不整などで
車輪からのリンク軸線L2方向の入力がコンプレッショ
ンロッド2にあっても、その際の車体側への振動の伝達
を低減できることで、乗り心地の向上に繋がる。
【0043】なお、剛性部材は、中間板30のような板
材に限定されるものではなく、また、複数の剛性部材を
介装しても良い。また、上記反力F2方向の剛性を高く
する手段は、上記構成に限定されるものではなく、例え
ば、内筒部20bと外筒部20aとの間に介装されるゴ
ム材20cについて、円周方向に沿って複数のゴム材2
0cを使用し、リンク軸線L2に直交する方向のゴム材
20cとして剛性の高いゴム材20cを使用すること
で、当該リンク軸線L2に直交する方向の剛性を高く設
定しても良い。または、外筒部20aを楕円形状とし
て、上記反力F2方向の径を小さくすることで、剛性を
高く設定しても良い。
【0044】また、上記実施形態では、ショックアブソ
ーバ7にサスペンションスプリング8が取り付けられて
いる場合を例示しているが、ショックアブソーバ7と、
コイルスプリング8などからなるサスペンションスプリ
ング8とが別置きの形式のフロントサスペンション構造
であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく実施形態に係るフロントサスペ
ンション構造を示す斜視図である。
【図2】本発明に基づく実施形態に係るトランスバース
リンク及びナックルスピンドルの連結を示す車両前後方
向からみた図である。
【図3】本発明に基づく実施形態に係る弾性ブッシュを
示す図である。
【図4】本発明に基づく実施形態に係る非転舵時におけ
るロアリンクの配置を示す平面図である。
【図5】本発明に基づく実施形態に係る転舵内輪のロア
リンクの配置を示す平面図である。
【図6】本発明に基づく実施形態に係る非転舵時におけ
る2本のロアリンクの車輪側端部の関係を示す車幅方向
からみた図である。
【図7】本発明に基づく実施形態に係る受圧部と回転軸
との関係を示す図である。
【図8】本発明に基づく実施形態に係る転舵内輪の挙動
を示す車幅方向からみた図である。
【図9】本発明に基づく実施形態に係る転舵内輪におけ
るトランスバースリンクの車輪側端部の挙動を示す車幅
方向からみた図である。
【図10】本発明に基づく実施形態に係る転舵外輪のロ
アリンクの配置を示す平面図である。
【図11】本発明に基づく実施形態に係る転舵外輪の挙
動を示す車幅方向からみた図である。
【図12】本発明に基づく実施形態に係る転舵外輪にお
けるトランスバースリンクの車輪側端部の挙動を示す車
幅方向からみた図である。
【図13】本発明に基づく実施形態に係る別の弾性ブッ
シュを示す図である。
【符号の説明】
1 トランスバースリンク(ロアリンク) 1a 車輪側端部 2 コンプレッションロッド(ロアリンク、前後方向
リンク) 3 ボールジョイント 3a ソケット部 3b 球状案内部 3c ネジ部(突出部) 4 ナックルスピンドル(車輪支持部材) 5 ブッシュ 6 ボールジョイント 7 ショックアブソーバ 8 サスペンションスプリング 9 ナックルアーム 10 タイロッド 11 アッパリンク 12 延設部 13 ボールジョイント 16 車体側部材 17 ディスクロータ 18 ホイール 19 ダストカバー 20 弾性ブッシュ 20a 外筒部 20b 内筒部 20c ゴム材(弾性部材) 21 スグリ 22 第1ストッパ部材 23 第2ストッパ部材 23a ストッパ受面 30 中間板(剛性部材) L1 トランスバースリンクのリンク軸線 L2 コンプレッションロッドのリンク軸線 P1 トランスバースリンクのボールジョイントの回転
中心(車輪側取付け点) P2 ショックアブソーバ下部の取付け点(反力入力
点) P3 コンプレッションロッドの車輪側取付け点 P4 コンプレッションロッドの車体側取付け点 S ショックアブソーバの軸 Q 転舵時の回転軸 R 受圧部 L1′ 非転舵時のリンク軸線 P1′非転舵時のボールジョイントの回転中心 S′ 非転舵時のショックアブソーバの軸 δ オフセット量 F1 反力 F2 反力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 篤史 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3D001 AA12 AA19 BA03 BA32 DA04 DA05 DA10 DA12 3J048 AA01 BA19 DA01 EA17 3J059 AA05 BA42 BA73 DA13 GA04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転舵輪を回転自在に支持する車輪支持部
    材に対し2本のロアリンクの車輪側端部がそれぞれ個別
    のボールジョイントを介して連結し、上記2本のロアリ
    ンクのうちの一本は、略車両前後方向に延びる前後方向
    リンクであって、その前後方向リンクと上記車輪支持部
    材とが当接することで転舵規制が行われるフロントサス
    ペンション構造において、 上記前後方向リンクの車体側端部は、軸を上下方向に向
    けた弾性ブッシュを介して車体側部材に連結することを
    特徴とするフロントサスペンション構造。
  2. 【請求項2】 上記弾性ブッシュの径方向の剛性は、上
    記前後方向リンクのリンク軸線と直交する方向の剛性が
    他の部分の剛性よりも大きいことを特徴とする請求項1
    に記載したフロントサスペンション構造。
  3. 【請求項3】 平面視において、上記弾性ブッシュの弾
    性部材における、上記前後方向リンクのリンク軸線が通
    過する位置にスグリを形成したことを特徴とする請求項
    2に記載したフロントサスペンション構造。
  4. 【請求項4】 平面視において、上記弾性ブッシュの弾
    性部材における、当該弾性ブッシュの径方向であって上
    記前後方向リンクのリンク軸線と直交する位置に、上記
    弾性部材よりも剛性が大きい剛性部材を介装したことを
    特徴とする請求項2又は請求項3に記載したフロントサ
    スペンション構造。
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JP4673179B2 (ja) * 2005-10-12 2011-04-20 富士重工業株式会社 車両用サスペンション構造

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