JP2002346566A - 水処理装置および水処理方法 - Google Patents

水処理装置および水処理方法

Info

Publication number
JP2002346566A
JP2002346566A JP2001151008A JP2001151008A JP2002346566A JP 2002346566 A JP2002346566 A JP 2002346566A JP 2001151008 A JP2001151008 A JP 2001151008A JP 2001151008 A JP2001151008 A JP 2001151008A JP 2002346566 A JP2002346566 A JP 2002346566A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cathode
water
water treatment
conductive particles
anode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001151008A
Other languages
English (en)
Inventor
Megumi Yuzawa
恩 湯沢
Tetsuo Arai
哲雄 荒井
Masato Komori
正人 小森
Masakazu Kuroda
正和 黒田
Yutaka Sakakibara
豊 榊原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamato Co Ltd
Original Assignee
Yamato Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamato Co Ltd filed Critical Yamato Co Ltd
Priority to JP2001151008A priority Critical patent/JP2002346566A/ja
Publication of JP2002346566A publication Critical patent/JP2002346566A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Landscapes

  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 窒素負荷が高い場合でも、電力の無駄な消費
を抑制することができ、効率よく窒素を低減することが
できるようにする。 【解決手段】 この発明の水処理装置100は、陽極2
a,2b,2cと陰極3,…との間に通電することによ
り水の脱窒処理を行う装置であり、陰極3,…の周囲に
微生物を担持した導電性粒子4を配する、ことを特徴と
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、陽極と陰極との
間に通電することにより水の脱窒処理を行う水処理装置
および水処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地下水、環境水、生活排水、産業廃水等
には、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素、アンモニア等の窒素
化合物が存在しており、これら窒素化合物が閉鎖性水域
の冨栄養化をもたらし、生態系へ悪影響をおよぼし、ま
た飲料用水としての利用に弊害をきたしている。そこ
で、この水中に存在する窒素化合物を低減する手法が種
々検討され、また実用化されつつあり、そのような中
で、微生物(細菌)を活用する生物処理方法が近年注目
されている。
【0003】この窒素化合物の生物処理方法において
は、微生物に電子を供与する電子供与体が必要な要素と
なるが、この電子供与体を得る方法としては、被処理水
中に含まれる有機物を利用するAOプロセスや、酢酸や
メタノールなどの有機物を添加する有機物添加法、硫黄
を供給する方法、水素を供給する方法などがある。
【0004】上記の各種方法のうち、AOプロセスは、
窒素除去率が50〜60%と低いという問題があり、ま
た有機物添加法は過剰に加えた有機物を除去するための
2次処理が必要であり処理が煩雑化するという問題があ
り、さらに硫黄化合物を用いる方法では硫黄化合物のコ
ストが高いなどの問題がある。
【0005】また、上記の水素を供給する方法として
は、生物反応槽へ水素ガスを供給する方法があるが、水
素の溶解度が、例えば20℃で1.6mg/リットル程
度と小さいため、生物反応槽上部にある気相部分の水素
分圧を高く保持する必要があることに加え、防爆対策が
必要となる。
【0006】また水素を供給する別の方法として、例え
ば特開平10−230293号公報に開示されている方
法がある。この方法は、生物反応槽内に、脱窒菌を坦持
したメッシュ状の陰極を複数平行並列に配置し、水の電
気分解により各陰極に生成した水素を脱窒菌に直接供給
し、その脱窒菌を生体触媒として水素と水中の硝酸イオ
ンとを反応させて窒素ガスに還元し、水中から窒素を除
去する方法である。
【0007】この方法では、陰極を複数配置すること
で、陰極面積を大きく設定し、その陰極に脱窒菌を担持
させているので、陰極表面で発生した水素が効率よく生
体触媒である脱窒菌に供され、脱窒反応が円滑に進行す
るので、より高電流を通電することが可能になるという
利点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の特
開平10−230293号公報に開示されている方法の
ように、陽極板に対して陰極板を複数平行並列に配置す
る場合、各陰極板の陽極との距離の相違により各陰極板
の電流密度に偏りを生じ、陽極に近い程その電流密度は
高く、陽極から離れるほど電流密度は小さくなる。さら
に、通電量の増大と共に該電流密度の偏りも増大し、水
素の発生量が局所的に増大することによって、全体的な
脱窒菌による水素の利用効率は低下し、従って電流効率
が低下するという問題が生ずる。
【0009】また、上記従来の方法では、電流密度の偏
りを解消し電流効率を改善するべく、各陰極板に定電流
制御回路を配置して電流密度の均一化を図っているが、
この場合は、電流密度が大きくなる陰極板での電流を制
限することになるので、電流密度の偏りを解消できたと
してもやはり電力が無駄に消費されることとなってい
た。
【0010】この発明は上記に鑑み提案されたもので、
電流効率を改善でき、また電力の無駄な消費も抑制する
ことができ、効率よく窒素を低減することができる水処
理装置および水処理方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、陽極と陰極との間に通電
することにより水の脱窒処理を行う水処理装置におい
て、上記陰極の周囲に微生物を担持した導電性粒子を配
する、ことを特徴としている。
【0012】また、請求項2に記載の発明は、上記した
請求項1に記載の発明の構成に加えて、上記陰極を並列
に複数設け、その陰極同士の間にも導電性粒子を充填す
る、ことを特徴としている。
【0013】また、請求項3に記載の発明は、上記した
請求項1または2に記載の発明の構成に加えて、上記導
電性粒子は粒状炭(活性炭含)、球状炭(活性炭含)あ
るいは導電性プラスチックの何れかからなる、ことを特
徴としている。
【0014】また、請求項4に記載の発明は、上記した
請求項1から3の何れかに記載の発明の構成に加えて、
上記陽極と陰極の形状は、棒状体、平板状体、網状体あ
るいは平板を複数枚ハニカム状に一体化したものであ
る、ことを特徴としている。
【0015】さらに、請求項5に記載の発明は、上記し
た請求項1から4の何れかに記載の発明の構成に加え
て、上記陰極は、複数枚多層の平板あるいは網状平板
を、陽極に対して平行あるいは垂直になるように配置し
て構成される、ことを特徴としている。
【0016】また、請求項6に記載の発明は、上記した
請求項1から5の何れかに記載の発明の構成に加えて、
上記陽極を並列に複数設ける、ことを特徴としている。
【0017】請求項7に記載の発明は、陽極と陰極との
間に通電することにより水の脱窒処理を行う水処理方法
において、上記陰極の周囲に、微生物を担持した導電性
粒子を配し、陽極陰極間への通電によりその陰極および
導電性粒子に発生した水素と水中の窒素化合物とを微生
物を生体触媒として反応させ窒素分を除去する、ことを
特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態を図
面に基づいて詳細に説明する。先ず第1の実施形態を図
1〜図4を用いて説明する。
【0019】図1はこの発明の水処理装置の全体構成を
概略的に示す図、図2は水処理装置本体の電解部の平面
図、図3は図2のI−I線断面図である。これらの図に
おいて、この発明の水処理装置100は、水処理装置本
体(以下、「装置本体」という)5と、被処理水を貯留
する貯留槽11と、直流電源1とを備えている。
【0020】装置本体5は、処理槽51と循環管路50
とを備え、この循環管路50の途中には循環流量計8お
よび循環ポンプ9が設けられている。
【0021】処理槽51は上部に拡幅された上部タンク
51aを有し、その下方に電解部51bを、さらに下部
に下部タンク51cを有している。
【0022】貯留槽11内の被処理水12は、チューブ
ポンプ10により配管110に吸い上げられた後、循環
管路50に供給され、循環ポンプ9で処理槽51の下部
タンク51c内に送り込まれる。そして、上向流となっ
て電解部51b内を通り、上部タンク51aまで揚送さ
れ、この上部タンク51aに一旦貯留された後、循環管
路50内に流入し、循環流量計8を経由した後、再度循
環ポンプ9で下部タンク51cに供給され、一連の循環
を行う。また、上部タンク51aに一旦貯留されている
間に、その一部は流出処理水7として、上部タンク51
aの底壁に設けた排出口から系外に流出する。
【0023】上記の電解部51bは、アモルファス炭素
質で板状の3枚の陽極板2a,2b,2cと、白金メッ
キチタン材からなる網状かつ板状の複数枚(ここでは2
0枚)の陰極板3,3,…とを有し、これらの電極板2
a,2b,2c,3…は、下部タンク51cとの間に水
平状に設けられている隔壁51d上に載置固定されてい
る。なお、この隔壁51dは、多孔性のものであり水が
流通できるようになっており、電解部51bでの水流を
整えるための整流板としての機能を果たしている。
【0024】3枚の陽極板2a,2b,2cのうち、2
枚の陽極板2a,2bは両端の壁に沿って配置され、残
り1枚の陽極板2cはその中間に配置されている。この
中央の陽極板2cによって、電解部51bは2つの収納
室52a,52bに分割されている。
【0025】20枚の陰極板3のうち、半数の陰極板3
は収納室52aの陽極板2a,2c間に、その陽極板2
a,2cに対して直角に等間隔で並設され、また残りの
半数の陰極板3も同様に、収納室52bの陽極板2b,
2c間に、その陽極板2b,2cに対して直角に等間隔
で並設されている。
【0026】陽極板2a,2b,2cはその表面が、例
えばポリプロピレン繊維製の不織布14によって被覆さ
れ、さらにこの不織布14と各陰極板3の両端との間に
は、短絡電流防止ガード13が設けられ、陽極板2a,
2b,2cと、各陰極板3および導電性粒子4とは、直
接接触しないようになっている。
【0027】そして、陽極板2a,2b,2cは、直流
電源1の陽極に並列に接続され、また、収納室52aの
10枚の陰極板3、および収納室52bの10枚の陰極
板3は、それぞれ並列に直流電源1の陰極に接続され
(図2参照)、また各収納室内の10枚も互いに並列に
接続されている(図3参照)。
【0028】上記の陰極板3同士の間には、微生物が坦
持された導電性粒子4が充填されている。この導電性粒
子4は、微生物親和性を有し、その表面や細孔内に微生
物が担持できるものである。また、電場の影響により帯
電および複極(双極)するよう、導電性及び耐久性に優
れているものが使用され、複極時における電流密度を均
一にするため、また槽内の被処理水の流通を均一にする
ために可能な限り等方性のものが求められ、粒度分布が
小さく、粒子形状が均一である粒子が良い。具体的に
は、粒状あるいは球状の活性炭や導電性プラスチック等
を例示できる。粒子サイズについては、被処理水と微生
物との接触効率、複極分布、槽内の圧力損失等を勘案し
て決定され、電解部51bのスケールに応じて、平均粒
子径が0.1mm〜20mmの範囲から選択される。
【0029】微生物は、ここでは生活排水処理施設の活
性汚泥より集積した、通性嫌気性細菌である脱窒菌を用
いている。導電性粒子への微生物の坦持は、特別な処理
を必要とせず、例へば汎用されている活性汚泥処理槽に
2週間程度浸漬することにより行うことができる。
【0030】上記構成を備える水処理装置100におい
て、電解部51bに通電すると、不織布14は被処理水
で浸漬されているので、電流は陽極板2から陰極板3へ
と被処理水を介して流れるようになる。また、炭素質の
陽極2a,2b,2cでは、水の電気分解により微量の
酸素と共に二酸化炭素(CO2)が発生する。
【0031】一方、陰極3では、下記の反応式(1)に
従って水を電気分解し、水素(H2)ガスを発生させ
る。 H2O + e- → 1/2H2 + OH- ・・・・・・・(1)
【0032】また、この陰極側では、通電中に形成され
る電場の影響により、導電性粒子4は陰極3近傍のもの
は帯電して、また陰極3から離れているものは複極(双
極)することによって、多数の陰極として作用し、その
各導電性粒子4の陰極部分においても、上記の反応式
(1)に従って電気分解が起こり、水素ガスが発生す
る。この導電性粒子4は、収納室52a,52bの全域
に充填されており、その全域から水素ガスが発生する。
【0033】そして、導電性粒子4に坦持されている微
生物(脱窒菌)は、生体触媒として作用し、各陰極部分
から発生した水素と被処理水中の窒素化合物とを反応さ
せ窒素分を除去する。すなわち、 硝酸イオン(N
3 -)が存在する被処理水を嫌気的条件下で通電する
と、脱窒菌が生体触媒となり、次の反応式(2)に従っ
てNO3 -はN2ガスとなり除去される。 2NO3 -+2H++5H2 →N2+6H2O ・・・・・・・(2)
【0034】このように、この発明の第1の実施形態で
は、陰極板3間に導電性粒子4を充填するようにしたの
で、陰極板3に通電した場合、導電性粒子4を媒体とし
て、電極有効面積が極めて大きくなって電流密度を低く
抑えることができるとともに、陰極領域において均等に
電流が流れるようになり、このため電流密度のばらつき
を解消し電流密度をより均一なものとすることができ
る。また、各陰極板3を陽極2a,2b,2cに対して
垂直に並設したので、各陰極板3と陽極2a,2b,2
cとの間の距離を互いに等しくすることができ、この点
からも電流密度のばらつきを解消し電流密度をより均一
なものとすることができる。したがって、水素が電解部
51bにおいて一様に発生するようになり、水素の利用
効率が向上し電流効率を改善することができる。
【0035】また、電流密度の均一化のために各陰極板
に定電流制御回路を配置するような従来の構成も必要で
なく、したがって、電力の無駄な消費も改善することが
でき、上記した電流効率の改善と相俟って被処理水中の
窒素を効率よく低減することができる。
【0036】また、この第1の実施形態では、陰極板3
間に導電性粒子4を充填するようにしたので、通電した
場合、陰極部分が収納室52a,52bに一様に多数存
在するようになる。このため、通電量に応じてその多数
の陰極部分から一様に水素が発生する。また、陰極板3
の表面、および陰極板3に隣接して帯電した導電性粒子
4からも水素が発生する。さらに、それらの各部位で発
生した水素の直近に微生物が坦持されているので、その
微生物が触媒となって、発生した水素は効率よく周囲の
硝酸イオンと反応し、その結果窒素ガスが生成される。
すなわち、水素の発生とその利用を効率よく行うことが
でき、この点からも脱窒処理の効率を格段に向上させる
ことができる。
【0037】また、粒状活性炭や球状活性炭のような微
生物親和性の導電性粒子4を充填することで、従来にな
く多量の微生物を坦持させることができ、したがって微
生物と被処理水との接触効率を高めることができ、この
点からも脱窒処理の効率を格段に向上させることができ
る。
【0038】さらに、粒状活性炭や球状活性炭のような
炭素質の導電性粒子4を用いることで、複極した陽極部
分からは二酸化炭素が、陰極部分からは水素が発生し、
脱窒菌はこの二酸化炭素で同化代謝を行い、また水素で
異化代謝を行うため、脱窒菌の同化代謝および異化代謝
が促進されることになり、水処理装置の脱窒性能を向上
させることができる。
【0039】また、通常、電子供与体として有機物を添
加する脱窒法においては、有機物の添加量は、化学量論
量の約2.5倍程度が必要であり、この場合、脱窒菌の
過剰な増殖による余剰汚泥の発生や、処理水に残存する
有機物を除去する二次処理の必要性が問題となる。しか
し、本発明では、電気分解により水素が供給されてお
り、この水素は主に異化代謝に寄与するため、汚泥の発
生は極めて少なく、また、処理水の二次処理の必要性も
生じない。
【0040】なお、通電時の電流値は数A〜数万Aの間
であり、被処理水の窒素負荷量、水処理装置のスケール
および電流効率等を考慮して決定される。また、この場
合の導電性粒子4の酸化による電気化学的劣化は、粒子
状電極としての電極有効面積が極めて大きく電流密度が
低いことから、極微量に抑えることができる。
【0041】本発明の水処理は、地下水、河川水、湖沼
水等の環境水の水処理施設、また上水道、工業、レクレ
ーション等の用水処理施設、また都市下水、産業排水等
の排水処理施設等に適用することができる。
【0042】近年、生活雑排水による湾内水や湖沼水の
窒素、リンによる富栄養化や、畜産廃棄物の不適切管
理、化学肥料の多用等による地下水の硝酸汚染が問題に
なっており、特に浄水源である地下水の硝酸汚染対策は
急務の課題となっている。本発明に記載される水処理装
置は、導電性粒子に脱窒菌を担持させ、被処理水中で生
物反応と電気化学反応を組み合わせて処理を行なうこと
により、硝酸汚染水や地下水中の硝酸イオンを高効率で
分解、除去することが可能となる。
【0043】次に、この第1の実施形態での水処理の具
体例を説明する。この具体例では、先ず下記の表1およ
び表2に示す組成に調整した人工地下水を被処理水とし
て貯留槽11に貯留した。なお、表2は表1に示した人
工地下水の元素組成を表している。
【表1】
【表2】
【0044】そして、装置本体5に送り込み、表3に示
す操作条件の下で、Run No.、Run No.
、Run No.、Run No.の順で連続処
理を行った。
【表3】
【0045】ここで、電解部51bの有効容積は3.6
リットルであり、陰極板3には、横100mm、縦40
0mm、厚さ1mm、開口率約45%のものを20枚使
用し、電解部51bの有効容積に対する陰極板3の比表
面積は73/mであった。導電性粒子4には相当直径3
〜5mmのペレット状の粒状活性炭を1200g用い
た。連続処理を行なう前に、通電はせず電子供与体とし
て酢酸ナトリウムを用いて、回分操作で人工地下水の脱
窒処理を行い、粒状活性炭へ脱窒菌を担持させた。脱窒
速度が定常に達した後、装置本体5の電解部51bに電
流を流して電気分解を行なうと同時に、人工地下水を上
記の表3の操作条件で連続供給し、処理後の水を上部タ
ンク51aから排出し、処理前後の窒素濃度の変化を測
定した。
【0046】図4は第1の実施形態における具体例での
処理結果を示す図である。図において、横軸は時間(経
過日数)を、縦軸は窒素濃度をそれぞれ示し、図中、a
は処理する前の硝酸性窒素濃度を、bは処理後の硝酸性
窒素濃度を、cは処理後の亜硝酸性窒素濃度をそれぞれ
示している。
【0047】滞留時間が2時間(Run No.)の
操作条件下で、被処理水中の窒素は完全に除去できるこ
とが分かる。また、滞留時間が1時間(Run No.
)の操作条件下で、被処理水中の窒素は5mg NO
3−N/リットル以下に抑えることができ、流入窒素濃
度が15mg NO3−N/リットル程度であれば、滞
留時間1時間(Run No.)の高速処理でも窒素
分をほぼ完全に除去することが十分に可能である。
【0048】さらに、処理期間中全ての操作条件下にお
いて亜硝酸性窒素は検出されていない。
【0049】次に、この発明の第2の実施形態を図5を
用いて説明する。
【0050】図5はこの発明の第2の実施形態における
水処理装置本体の平面図である。この第2の実施形態に
おいて、上記第1の実施形態と略同一の構成要素には同
一の符号を付してその説明を省略する。この第2の実施
形態が、上記第1の実施形態と相違するのは、陰極板3
を陽極板2a,2b,2cと平行に配置した点である。
【0051】この発明の第2の実施形態においても、上
記の第1の実施形態と同様に、陰極板3間に導電性粒子
4を充填するので、電流密度の均一化による電流効率の
改善、電力の無駄な消費の抑制、水素の発生と利用の効
率改善等の諸効果を発揮する。
【0052】次に、この第2の実施形態での水処理の具
体例を説明する。この具体例での電解部51bの有効容
積は3.7リットルであり、陰極板3には、横100m
m、縦400mm、厚さ1mm、開口率約45%のもの
を6枚使用し、電解部51bの有効容積に対する陰極板
3の比表面積は71/mであった。導電性粒子4には相
当直径3〜5mmのペレット状の粒状活性炭を1400
g用いた。その他の諸条件はほぼ第1の実施形態の具体
例の場合と同様であり、上記の表1および表2に示す組
成に調整した人工地下水を被処理水として貯留槽11に
貯留し、装置本体5に送り込み、上記の表3に示す操作
条件の下で、Run No.、RunNo.、Ru
n No.、Run No.の順で連続処理を行
い、処理前後の窒素濃度の変化を測定した。
【0053】図6は第2の実施形態における具体例での
処理結果を示す図である。この図から分かるように、こ
の第2の実施形態の具体例では、第1の実施形態の図4
と比較して、処理後の硝酸性窒素濃度が、Run N
o.、Run No.において、若干高めである
が、滞留時間が2時間(Run No.)の操作条件
下で、被処理水中の窒素はほぼ完全に除去できるし、ま
た、滞留時間が1時間(Run No.)の操作条件
下で、被処理水中の窒素は10mg NO3−N/リッ
トル以下に抑えることができる。また、この具体例の場
合も、処理期間中全ての操作条件下において亜硝酸性窒
素は検出されていない。
【0054】上記の説明では、電極(陽極、陰極)に平
板状のものを用いたが、この電極には、例えばハニカム
状、網状、棒状、多孔状のもの等、多様な形状のものを
用いることができる。
【0055】また、電極の材質は、水の電解電圧、発生
する無機イオンや不導体の形成の有無等を考慮して選択
されるが、導電性及び耐久性に優れているものが良い。
陽極の材質としては炭素、導電性プラスチック、白金、
ニッケル、鉄或はチタン等を用いることが出来るが、酸
化されて摩耗したり被処理水中に溶解したりしないもの
が望ましい。特に白金メッキを施したチタン製のもの等
が好適に使用できる。また、陰極の材質としても同様で
あり、炭素、導電性プラスチック、白金、ニッケル、鉄
或はチタン等の他に、SUS等も使用できる。
【0056】また、上記の説明では、生体触媒として、
生活排水処理施設の活性汚泥より集積した脱窒菌を用い
ているが、具体的にはParacoccus deni
trificans,Micrococcus den
itrificans,Alcaligenous,P
seudomonas,C.aceticum,A.w
oodii,Methanobacterium,En
terobactercloacal,硫酸還元菌等で
あり、特に、AlcaligenousやPseudo
monas等を優先させて用いると、脱窒処理速度を更
に1桁上昇させることも可能である。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の水処理
装置および水処理方法では、陰極間に導電性粒子を充填
するようにしたので、陰極に通電した場合、導電性粒子
を媒体として、電極有効面積が極めて大きくなって電流
密度を低く抑えることができるとともに、陰極領域にお
いて均等に電流が流れるようになり、このため電流密度
のばらつきを解消し電流密度をより均一なものとするこ
とができる。したがって、水素が装置内において一様に
発生するようになり、水素の利用効率が向上し電流効率
を改善することができる。
【0058】また、電流密度の均一化のために各陰極板
に定電流制御回路を配置するような従来の構成も必要で
なく、したがって、電力の無駄な消費も改善することが
でき、上記した電流効率の改善と相俟って被処理水中の
窒素を効率よく低減することができる。
【0059】また、この発明では、陰極間に導電性粒子
を充填するようにしたので、通電した場合、多数の陰極
部分が一様に存在するようになる。このため、通電量に
応じてその多数の陰極部分から効率よく水素が発生す
る。また、陰極の表面、および陰極に隣接して帯電した
導電性粒子からも水素が発生する。さらに、それらの各
部位で発生した水素の直近に微生物が坦持されているの
で、その微生物が触媒となって、発生した水素は効率よ
く周囲の硝酸イオンと反応し、その結果窒素ガスが生成
される。すなわち、水素の発生とその利用を効率よく行
うことができ、この点からも脱窒処理の効率を格段に向
上させることができる。
【0060】また、粒状活性炭や球状活性炭のような微
生物親和性の導電性粒子を充填することで、従来になく
多量の微生物を坦持させることができ、微生物と被処理
水との接触効率を高めることができ、この点からも脱窒
処理の効率を格段に向上させることができる。
【0061】さらに、粒状活性炭や球状活性炭のような
導電性粒子を用いることで、複極した陽極部分からは二
酸化炭素が、陰極部分からは水素が発生するため、脱窒
菌の同化代謝および異化代謝を促進することになり、水
処理装置の脱窒性能を向上させることができる。
【0062】また、通常、電子供与体として有機物を添
加する脱窒法においては、有機物の添加量は、化学量論
量の約2.5倍程度が必要であり、この場合、脱窒菌の
過剰な増殖による余剰汚泥の発生や、処理水に残存する
有機物を除去する二次処理の必要性が問題となる。しか
し、本発明では、電気分解により水素が供給されてお
り、専ら異化代謝のみに寄与するため、汚泥の発生は極
めて少なく、また、処理水の二次処理の必要性を生じな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の水処理装置の全体構成を概略的に示
す図である。
【図2】水処理装置本体の電解部の平面図である。
【図3】図2のI−I線断面図である。
【図4】第1の実施形態における具体例での処理結果を
示す図である。
【図5】この発明の第2の実施形態における水処理装置
本体の平面図である。
【図6】第2の実施形態における具体例での処理結果を
示す図である。
【符号の説明】
1 直流電源 2 陽極板 2a,2b,2c 陽極板 3 陰極板 4 導電性粒子 5 装置本体 7 流出処理水 8 循環流量計 9 循環ポンプ 10 チューブポンプ 11 貯留槽 12 貯留槽内被処理水 13 短絡電流防止ガード 14 不織布 50 循環管路 51 処理槽 51a 上部タンク 51b 電解部 51c 下部タンク 51d 隔壁 52a,52b 収納室 100 水処理装置 110 配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 湯沢 恩 群馬県新田郡笠懸町字阿左美1997−10 (72)発明者 荒井 哲雄 群馬県桐生市桐生町1丁目15番地83 (72)発明者 小森 正人 群馬県太田市岩瀬川町478−13 (72)発明者 黒田 正和 栃木県足利市寿町15−10 (72)発明者 榊原 豊 群馬県山田郡大間々町大字大間々字五林敷 2021−12 Fターム(参考) 4D003 AA01 BA02 CA08 CA10 EA01 EA14 EA25 FA01 4D040 BB02 BB42 BB52 BB82 BB91 4D061 DA01 DA08 DB09 EA03 EA13 EB04 EB14 EB20 EB23 EB30 EB35 FA15

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極と陰極との間に通電することにより
    水の脱窒処理を行う水処理装置において、 上記陰極の周囲に微生物を担持した導電性粒子を配す
    る、 ことを特徴とする水処理装置。
  2. 【請求項2】 上記陰極を並列に複数設け、その陰極同
    士の間に導電性粒子を充填する、請求項1に記載の水処
    理装置。
  3. 【請求項3】 上記導電性粒子は粒状炭(活性炭含)、
    球状炭(活性炭含)あるいは導電性プラスチックの何れ
    かからなる、請求項1または2に記載の水処理装置。
  4. 【請求項4】 上記陽極と陰極の形状は、棒状体、平板
    状体、網状体あるいは平板を複数枚ハニカム状に一体化
    したものである、請求項1から3の何れかに記載の水処
    理装置。
  5. 【請求項5】 上記陰極は、複数枚多層の平板あるいは
    網状平板を、陽極に対して平行あるいは垂直になるよう
    に配置して構成される、請求項1から4の何れかに記載
    の水処理装置。
  6. 【請求項6】 上記陽極を並列に複数設ける、請求項1
    から5の何れかに記載の水処理装置。
  7. 【請求項7】 陽極と陰極との間に通電することにより
    水の脱窒処理を行う水処理方法において、 上記陰極の周囲に、微生物を担持した導電性粒子を配
    し、陽極陰極間への通電によりその陰極および導電性粒
    子に発生した水素と水中の窒素化合物とを微生物を生体
    触媒として反応させ窒素分を除去する、 ことを特徴とする水処理方法。
JP2001151008A 2001-05-21 2001-05-21 水処理装置および水処理方法 Pending JP2002346566A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001151008A JP2002346566A (ja) 2001-05-21 2001-05-21 水処理装置および水処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001151008A JP2002346566A (ja) 2001-05-21 2001-05-21 水処理装置および水処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002346566A true JP2002346566A (ja) 2002-12-03

Family

ID=18995941

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001151008A Pending JP2002346566A (ja) 2001-05-21 2001-05-21 水処理装置および水処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002346566A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011212606A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Mitsui Zosen Environment Engineering Corp 生物学的ガス処理方法及び生物学的ガス処理装置
JP2011212513A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 微生物処理システム
CN102381744A (zh) * 2011-09-28 2012-03-21 天津市环境保护科学研究院 高效去除生物毒性的多相复极电催化工业废水处理系统
KR101252290B1 (ko) 2013-02-05 2013-04-05 장명순 미생물전기와 멤브레인을 이용한 하이브리드형 하폐수고도처리시스템
CN103304038A (zh) * 2013-05-14 2013-09-18 南京大学 电化学-生物膜协同作用反应器及在含氮有机废水中的应用
CN104628216A (zh) * 2013-11-12 2015-05-20 中国石油化工股份有限公司 一种含油废水的处理方法
JP2015188838A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 ダイキン工業株式会社 液中放電装置
CN105502832A (zh) * 2016-01-13 2016-04-20 桂林理工大学 微曝气微生物燃料电池人工湿地水体净化方法
CN105540860A (zh) * 2016-01-13 2016-05-04 桂林理工大学 一种微生物燃料电池人工湿地产电原位利用水体净化方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011212606A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Mitsui Zosen Environment Engineering Corp 生物学的ガス処理方法及び生物学的ガス処理装置
JP2011212513A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 微生物処理システム
CN102381744A (zh) * 2011-09-28 2012-03-21 天津市环境保护科学研究院 高效去除生物毒性的多相复极电催化工业废水处理系统
KR101252290B1 (ko) 2013-02-05 2013-04-05 장명순 미생물전기와 멤브레인을 이용한 하이브리드형 하폐수고도처리시스템
CN103304038A (zh) * 2013-05-14 2013-09-18 南京大学 电化学-生物膜协同作用反应器及在含氮有机废水中的应用
CN104628216A (zh) * 2013-11-12 2015-05-20 中国石油化工股份有限公司 一种含油废水的处理方法
JP2015188838A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 ダイキン工業株式会社 液中放電装置
CN105502832A (zh) * 2016-01-13 2016-04-20 桂林理工大学 微曝气微生物燃料电池人工湿地水体净化方法
CN105540860A (zh) * 2016-01-13 2016-05-04 桂林理工大学 一种微生物燃料电池人工湿地产电原位利用水体净化方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7175765B2 (en) Method for treating for-treatment water containing organic matter and nitrogen compound
JP2006297206A (ja) アンモニア性窒素含有廃水の電解処理方法及び装置
JP3530511B2 (ja) 窒素処理方法及び窒素処理システム
CN105502584A (zh) 海水养殖废水中去除氨氮、亚硝氮和cod的装置与方法
JP2007105673A (ja) 硝酸性窒素を含む排水の処理方法及び処理装置、並びに該排水処理用電解槽
JP2002346566A (ja) 水処理装置および水処理方法
JPH10230293A (ja) 微生物電極とそれを用いる水処理装置及び方法
JP2004202283A (ja) 有機化合物含有水の処理方法および処理装置
JP2009039705A (ja) 空気電池式廃水処理装置
JP2007061681A (ja) 硝酸性窒素を含む排水の処理方法及び処理装置、並びに該排水処理用電解槽
JP4616594B2 (ja) 水処理方法および水処理装置
JP2019110101A (ja) 生物電気化学システム
JPWO2003091166A1 (ja) 有機化合物含有排水の処理方法および装置
JP3117064B2 (ja) 酸化態窒素含有水の処理方法及び装置
JP2003071453A (ja) 水処理装置及び生物・電気化学ハイブリッド水処理方法
JP2005296922A (ja) 雨水の殺菌システム
JP2000157995A (ja) 硝酸態窒素含有水処理方法
JPH11253993A (ja) 被処理水中の硝酸態窒素処理方法
JP2006095466A (ja) 電気分解装置、この電気分解装置を有する浄化槽、及び、電気分解方法
JP2006035158A5 (ja)
JPH10230291A (ja) 水の生物学的脱窒方法及び装置
JP3913580B2 (ja) 電解式汚水処理装置及びこれを用いた汚水処理施設
JP3117067B2 (ja) 酸化態窒素含有水の処理方法及び装置
CN104341026A (zh) 一种三维电极电催化氧化污水处理设备
JP3679918B2 (ja) 汚染水の脱窒処理方法