JP2002345225A - 駆動装置及び光量制御装置 - Google Patents

駆動装置及び光量制御装置

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JP2002345225A
JP2002345225A JP2001141411A JP2001141411A JP2002345225A JP 2002345225 A JP2002345225 A JP 2002345225A JP 2001141411 A JP2001141411 A JP 2001141411A JP 2001141411 A JP2001141411 A JP 2001141411A JP 2002345225 A JP2002345225 A JP 2002345225A
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magnet
magnetic pole
peripheral surface
coil
outer peripheral
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JP2001141411A
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Masao Mizumaki
雅夫 水牧
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中空CAMにおいてコイルから発生する磁束
を効率良くマグネットに作用させるように、ステータ歯
の形状の最適化を図る。 【解決手段】 1つのコイルから構成される中空構成の
CAMにおいて、マグネットの外周と対向するステータ
歯(4a)の幅A(°)をA>(248.4/n)−5
8.86×(D1−D2)/(D1×π)とし、ステー
タ歯の軸方向の長さをマグネットの外周面を超える長さ
にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超小型に構成した
駆動装置とそれを用いた光量制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、小型モータに適する形態としてブ
ラシレスタイプのものがあげられる。ブラシレスタイプ
のモータで駆動回路の単純なものとしては以下に記載す
る永久磁石を用いたステップモータがある。
【0003】小型円筒形状のステップモータとしてはま
ず図8に示すものがある。これは、ボビン101にステ
ータコイル105が同心状に巻回され、ボビン101は
2個のステータヨーク106で軸方向から挟持固定され
ており、かつステータヨーク106にはボビン101の
内径面円周方向にステータ歯106aと106bが交互
に配置され、ケース103には、ステータ歯106aま
たは106bと一体のステータヨーク106が固定され
てステータ102が構成されている。2組のケース10
3の一方にはフランジ115と軸受け108が固定さ
れ、他方のケース103には他の軸受け108が固定さ
れている。ロータ109はロータ軸110に固定された
ロータ磁石111からなり、ロータ磁石111はステー
タ102のステータヨーク106aと放射状の空隙部を
形成している。そして、ロータ軸110は2個の軸受け
108の間に回転可能に支持されている。
【0004】このような構造のステップモータの変形例
として、特公昭53−2774号で提案される光制御装
置がある。これはステップモータに連結するシャッタ羽
根をステップ的に開閉させて光の通過量を制御するもの
である。また、別の変形例として、特開昭57−166
847号で提案される中空形モータがある。これはステ
ップモータをリング状の構造として、その中央部の空洞
を光等が通過可能としたものである。
【0005】また、1個のコイルで駆動するステップモ
ータとしては時計で多く用いられている図10に示すも
のがある。201は永久磁石からなるロータ、202、
203はステータ、204はコイルである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8に
示す上記従来の小型のステップモータは、ロータの外周
にケース103、ボビン101、ステータコイル10
5、ステータヨーク106が同心状に配置されているた
め、モータの外形寸法が大きくなってしまう欠点があっ
た。また、ステータコイル105への通電により発生す
る磁束は図9に示すように主としてステータ歯106a
の端面106a1とステータ歯106bの端面106b
1とを通過するため、ロータ磁石111に効果的に作用
しないのでモータの出力は高くならない欠点がある。
【0007】特公昭53−2774号の光制御装置及び
特開昭57−166847号の中空形モータにおいても
上記と同様に、ロータ磁石の外周にステータコイル及び
ステータヨークが配置されているためモータの外形寸法
が大きくなるとともに、ステータコイルへの通電により
発生する磁束がロータ磁石に効果的に作用しない。
【0008】図10に示すものに関しても、ステータ2
02とステータ203のギャップが小さいところにコイ
ルへの通電で発生する磁束が集中し、効果的にマグネッ
トに作用しない。
【0009】また、小型モータとしては通常のブラシタ
イプのコアード直流モータ及びコアレス直流モータがあ
るが、構成部品が多いため、モータを超小型にすると各
構成部品の製造及び組み立てが難しくコストアップを招
く欠点がある。
【0010】更にはコイン型のブラシレスモータがあ
る。例えば特開平7−213041や特開2000−5
0601で提案されている図11に示すようなものがあ
る。これは、複数のコイル301、302、303と円
盤形状のマグネット304で構成されるものであり、コ
イルは図11に示すように薄型コイン形状でありその軸
はマグネットの軸と平行に配置されている。一方、円盤
形状のマグネットはその円盤の軸方向に着磁されてお
り、マグネットの着磁面とコイルの軸は対向する様に配
置されている。
【0011】この場合、コイルから発生する磁束は図1
2中の矢印で示すように完全には有効にマグネットに作
用せず、また、マグネットが発生する回転力の中心はモ
ータの外径からLだけ離れた位置となるので、モータの
大きさの割には発生するトルクは小さくなってしまう。
また、このモータの中心部はコイルやマグネットが占有
してしまっているので、モータの中心部を他に利用する
ことは困難である。更には複数のコイルが必要であるこ
とから、コイルへの通電制御が複雑になったりコストが
高くなる欠点がある。
【0012】本出願に係る第1の発明の目的は、製造が
簡単で出力の高く取り扱いが容易な小型で薄型の駆動装
置を提供することである。
【0013】また、本出願に係る第2の発明の目的は、
製造が簡単で出力の高く取り扱いが容易な小型で薄型の
駆動装置を用いた光量制御装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の本発明は、円筒形状に形成されると
ともに少なくとも外周面が周方向にn分割して異なる極
に交互に着磁され回転中心を中心として回転可能なマグ
ネットと、該マグネットと同軸的に配置されるコイル
と、該コイルにより励磁され該マグネットの外周面に配
置されて各々が所定の角度A度だけ対向する複数の櫛歯
形状の外側磁極部と、該コイルにより励磁され該マグネ
ットの内周面に対向する中空柱形状の内側磁極部とを備
えた駆動装置において、マグネットの外径寸法をD1、マ
グネットの内径寸法をD2とすると、該マグネットの外周
面に対向する該外側磁極部の櫛歯形状の各対向角AはA
>(248.4/n)−58.86×(D1−D2)/(D1
×π)と設定される駆動装置において、該外側磁極部の
櫛歯形状の軸方向長さは該マグネットの外周面を超える
長さに設定されることを特徴とする駆動装置とするもの
である。
【0015】また、上記目的を達成するために、請求項
9記載の本発明は、円筒形状に形成されるとともに少な
くとも外周面が周方向にn分割して異なる極に交互に着
磁され回転中心を中心として回転可能なマグネットと、
該マグネットと同軸的に配置されるコイルと、該コイル
により励磁され該マグネットの外周面に配置されて各々
が所定の角度A度だけ対向する複数の櫛歯形状の外側磁
極部と、該コイルにより励磁され該マグネットの内周面
に対向する中空柱形状の内側磁極部とを備えた駆動装置
であって、該マグネットの外径寸法をD1、該マグネット
の内径寸法をD2とすると、該マグネットの外周面に対向
する該外側磁極部の櫛歯形状の各対向角AはA>(24
8.4/n)−58.86×(D1−D2)/(D1×π)と
設定され、該外側磁極部の櫛歯形状の軸方向長さは該マ
グネットの外周面を超える長さに設定される駆動装置
と、該マグネットに連結して回動することで光量制御部
材とを備えたことを特徴とする光量制御装置とするもの
である。
【0016】また、上記目的を達成するために、請求項
11記載の本発明は、円筒形状に形成されるとともに少
なくとも外周面が周方向にn分割して異なる極に交互に
着磁され回転中心を中心として回転可能なマグネット
と、該マグネットの軸方向に配置されるコイルと、該コ
イルにより励磁され該マグネットの外周面に配置されて
各々が所定の角度A度だけ対向する複数の櫛歯形状の外
側磁極部と、該コイルにより励磁され該マグネットの内
周面に対向する中空柱形状の内側磁極部とを備えた駆動
装置であって、該マグネットの外径寸法をD1、該マグネ
ットの内径寸法をD2とすると、該マグネットの外周面に
対向する該外側磁極部の櫛歯形状の各対向角AはA>
(248.4/n)−58.86×(D1−D2)/(D1×
π)と設定され、該外側磁極部の櫛歯形状の軸方向長さ
は該マグネットの外周面を超える長さに設定される駆動
装置と、該マグネットに連結して回動することで該中空
柱形状の内側磁極部内の通過光量を制御する光量制御部
材とを備えた光量制御装置において、該コイルへの無通
電時に該マグネットと該外側磁極部との吸引力により該
マグネットの回転位置が保持される第1の状態と、該コ
イルへの正通電により該マグネットが該第1の状態から
正方向に所定の角度回転する第2の状態と、該コイルへ
の逆通電により該マグネットが該第1の状態から逆方向
に所定の角度回転する第3の状態とを選択的に切り換え
ることで該光量制御部材を制御することを特徴とする光
量制御装置とするものである。
【0017】これら請求項1、9及び11に記載の構成
においては、駆動装置の径はマグネットの外周面に対向
する外側磁極部で決められ、駆動装置の軸方向高さはコ
イル、マグネットを順に配置することで決められ、駆動
装置を非常に小型化することができるものである。ま
た、コイルにより発生する磁束は外側磁極部と内側磁極
部との間にあるマグネットを横切るので効果的に作用す
る。さらに、外側磁極部はマグネットの外周面に所定の
角度A度だけ対向して設けられた軸方向に延出する櫛歯
形状により構成されるため、半径方向への凹凸により構
成されるものに比べて半径方向に関する寸法は小さく構
成できる。これにより、マグネットの外径寸法を大きく
構成できるので駆動装置のトルクを大きくできる。
【0018】また、マグネットの外周面に対向する外側
磁極部の櫛歯形状の各対向角をA度、マグネットの着磁
分割数をn、マグネットの外径寸法をD1、マグネットの
内径寸法をD2とすると、A>(248.4/n)−5
8.86×(D1−D2)/(D1×π)と設定したことで、
コイルへの無通電時において、マグネットに着磁された
極と極の境界位置が外側磁極部の櫛歯の中心に対向する
位置で安定的に保持される。
【0019】また、外側磁極部の櫛歯形状の軸方向長さ
をマグネットの外周面を超える長さに設定したことで、
外側磁極部及び内側磁極部によるマグネットの軸方向に
かかる力が緩和され、マグネットとマグネットを軸方向
に保持している部材との摺動摩擦が低減してマグネット
の回転がスムーズになる。
【0020】さらに、請求項9又は請求項11記載の構
成においては、該駆動装置と、該駆動装置のマグネット
に連結して回動することで中空柱形状の内側磁極部内の
通過光量を制御する光量制御部材とを備えた光量制御装
置とすることで、駆動装置の中央部を光が通過する構成
とすることができる。すなわち、駆動装置の形状をドー
ナツ状のものとすることで、その内側にレンズを配置し
たり光路として利用でき、また半径方向(ドーナツの
幅)に関する寸法を小さく構成できるので、その外側に
は他の構造物を配置でき、出力が高く、かつ安価で小型
の駆動装置を備えた光量制御装置を提供することができ
る。
【0021】また、請求項11記載の構成においては、
コイルの通電状態及び通電方向の切り換えにより3つの
光量制御状態が切り換え可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。
【0023】図1〜図5は本発明の第1の実施例の光量
制御装置を示す図であり、そのうち、図1は駆動装置を
備えた光量制御装置の分解斜視図であり、図2は光量制
御装置の組み立て完成状態の軸方向断面図であり、図3
から図5は駆動装置のマグネットの回転動作説明図であ
る。
【0024】図1から図5において、1はロータを構成
する中空円筒形状のマグネットであり、図3から図5に
示すようにマグネット1はその外周表面を円周方向にn
分割(本実施例では16分割)して、S極・N極が交互
に着磁された着磁部1aを有する。マグネット1は射出
成形により形成されるプラスチックマグネット材料によ
り形成される。これにより円筒形状の半径方向に関して
の厚さ(特に着磁部1aの厚さ)を非常に薄く構成する
ことができる。また、マグネット1には回転規制用の突
起部1b、軸方向に突出するダボ1c及び1d、中央部
に嵌合部1eが一体的に形成されている。嵌合部1eは
後述の地板5の嵌合部5eに摺動可能に嵌合して回転可
能に支持される。
【0025】マグネット1は射出成形により形成される
プラスチックマグネットからなるため、突起部1b、ダ
ボ1c及び1d、嵌合部1eを有するという複雑な形状
でも製造が容易となる。また、嵌合部1eはマグネット
1で一体成形されることにより、回転中心に対してマグ
ネット部の同軸精度が向上し、振れを少なくするととも
に着磁部1aと後述のステータ4との空隙距離を少なく
することが可能となり、充分な出力トルクを得ることが
できる。また、射出成形マグネットは表面に薄い樹脂皮
膜が形成されるため、錆の発生がコンプレッションマグ
ネットに比較して大幅に少ないので、塗装などの防錆処
理を廃止できる。さらにコンプレッションマグネットで
問題になる磁性粉の付着もなく、防錆塗装時に発生しや
すい表面のふくらみもなく、品質の向上が達成できる。
【0026】マグネット1の材料にはNd-Fe-B系希土類
磁性粉とポリアミドなどの熱可塑性樹脂バインダー材と
の混合物を射出成形することにより形成されたプラスチ
ックマグネットを用いている。これにより、コンプレッ
ション成形されたマグネットの場合の曲げ強度が500
Kgf/cm程度なのに対して、例えばポリアミド樹脂をバ
インダー材として使用した場合800Kgf/cm2以上の曲
げ強度が得られ、コンプレッション成形では出来ない薄
肉円筒形状に形成することが可能となる。薄肉円筒状に
形成することで後述のステータ4の外側磁極と内側磁極
との間隔を短く設定することができ、その間の磁気抵抗
を小さい磁器回路とすることができる。これにより、後
述のコイル2への通電を行った場合、小さな起磁力でも
多くの磁束を発生することができ、アクチュエータの性
能が高まる。
【0027】2は円筒形状のコイルであり、絶縁材料か
らなるボビン3に巻き付けられている。コイル2はマグ
ネット1と同心でかつ、マグネット1の軸方向に並んで
配置され、その外径はマグネット1の外径とほぼ同じ寸
法となっている。
【0028】4は軟磁性材料からなるステータであり、
外筒及び内筒とそれらを結ぶ連結部4cとで構成され
る。ステータ4の外筒はその先端部が軸方向に延出する
複数の歯、すなわち櫛歯形状によって構成される。この
軸方向に延出する歯の数はマグネット1の着磁分割数n
の1/2にて形成され(本実施例では8つ)、これらが
外側磁極4aを形成している。外側磁極4aは円周方向
に720/n度(本実施例では45度)ずつ等分配置さ
れて形成される。また、ステータ4の内筒は中空柱形状
により構成され、内側磁極4bを形成している。この構
成によりアクチュエータの直径を最小限にしつつ磁極の
形成が可能となる。すなわち外側磁極を半径方向に延び
る凹凸で形成すると、その分アクチュエータの直径は大
きくなってしまうが、本実施例では軸方向に延出する櫛
歯形状により外側磁極を形成しているので、アクチュエ
ータの直径を最小限に抑えることができる。
【0029】ステータ4の外側磁極4aの軸方向に延出
する歯の数は本実施例の場合はマグネット1の着磁分割
数nの1/2にて形成しているが、これは理想的な歯の
数であって、例えば歯の数を1つ減らしても出力が若干
落ちる程度で駆動には何ら問題はない。ただし、その場
合も残りの歯は円周方向に720/n度ずつ配置する必
要がある。すなわち歯の数を間引くことで、そこのスペ
ースを他の部材が利用することも可能である。
【0030】ステータ4の内側磁極4bは本実施例の場
合は単なる中空の円柱形状で構成しているが、外側磁極
4a同様に櫛歯形状で構成してもよい。ただし、外側磁
極が上に述べた櫛歯形状で構成されるならば、外側磁極
と内側磁極の間を通過する磁束は櫛歯状の外側磁極と外
側磁極の形状を円柱形状の内側磁極に投影した内側磁極
上の位置との間を通過するため、内側磁極の形状は単な
る中空の円柱形状のままでもよいのである。
【0031】ステータ4の外側磁極4a及び内側磁極4
bの間にコイル2及びボビン3が接着等により固定さ
れ、コイル2に通電されることによりステータ4が励磁
される。
【0032】ステータ4の外側磁極4a及び内側磁極4
bはマグネット1の着磁部1aの外周面及び内周面に対
向してマグネット1の着磁部1aを所定の隙間を持って
挟み込むように設けられる。よってコイル2により発生
する磁束は外側磁極4a及び内側磁極4bとの間にある
マグネット1を横切るので、ロータであるマグネット1
に効果的に作用し、アクチュエータの出力を高める。
【0033】また、マグネット1は前記したように射出
成形により形成されるプラスチックマグネット材料によ
り構成されており、これにより円筒形状の半径方向に関
しての厚さは非常に薄く構成することができる。そのた
め、ステータ4の外側磁極4aと内側磁極4bとの間隔
を非常に短くでき、コイル2とステータ4により形成さ
れる磁気回路の磁気抵抗を小さく構成できる。これによ
り少ない電流で多くの磁束を発生させることができ、ア
クチュエータの出力アップ、低消費電力化、コイルの小
型化が達成されることになる。
【0034】以上、マグネット1、コイル2、ボビン
3、ステータ4により本実施例の光量制御装置のアクチ
ュエータが構成される。
【0035】5は中央に開口部5bが形成された地板で
あり、地板5の嵌合部5eにマグネット1の嵌合部1e
が嵌合して回転可能に取り付けられ、マグネット押え6
をマグネットの嵌合部1eを間に挟んで地板5に接着等
により固定することでマグネット1の軸方向の抜け止め
がなされる。なお、本実施例ではマグネット1の軸方向
の抜け止めをマグネット押え6を用いて行っているが、
地板5に抜け止め部を一体で成形してもよい。
【0036】また、地板5の別の嵌合部5aにはステー
タ4の外側磁極4aが嵌合して接着等により固定され
る。この時、マグネット1とステータ4とは同軸になる
ように固定され、マグネット1の着磁部1aの先端とス
テータ4に固定されるボビン3との軸方向には所定の隙
間が保たれる。なお、本実施例ではステータ4の地板5
への嵌合を外側磁極4a(外径嵌合)で行っているが、
内側磁極4b(内径嵌合)で行ってもよい。
【0037】ここで、ステータ4の内側磁極4bの軸方
向長さは、マグネット1の内側に嵌合部1e及びマグネ
ット押え6が設けられる関係で、着磁部1aの内周面よ
りも短く設定される。これにより、マグネット1は内側
磁極4bにより軸方向(図2中の下方向)に引っ張られ
る力が発生する。一方、外側磁極4aの櫛歯の軸方向長
さはマグネット1の着磁部1aである外周面を超える長
さに設定してある。これにより、外側磁極4aによるマ
グネット1の軸方向にかかる力は発生しづらくなるた
め、内側磁極4bによるマグネット1の軸方向にかかる
力(図2中の下方向にかかる吸引力)が緩和され、マグ
ネット1とマグネット1を軸方向に保持しているマグネ
ット押え6との摺動摩擦が低減してマグネット1の回転
がスムーズになる。
【0038】さらに、地板5にはマグネット1のダボ1
c及び1dと同一方向に突出するダボ5c及び5dが一
体で形成されるとともに、マグネット1の突起部1bが
当接することでマグネット1の回転を規制するストッパ
ー部5f及び5gが形成されている。すなわちマグネッ
ト1は突起部1bがストッパー部5fに当接する位置か
ら突起部1bがストッパー部5gに当接する位置まで回
転可能となる。
【0039】7及び8は羽根であり、羽根7の丸穴7a
が地板5のダボ5cに回転可能に嵌合し、羽根7の長穴
7bがマグネット1のダボ1cに摺動可能に嵌合し、羽
根8の丸穴8aが地板5のダボ5dに回転可能に嵌合
し、羽根8の長穴8bがマグネット1のダボ1dに摺動
可能に嵌合する。
【0040】9は中央に開口部9aが形成された羽根押
えであり、羽根7及び羽根8を所定の隙間を持って間に
挟んで地板5に固定され、羽根7及び羽根8の軸方向の
受けとなる。
【0041】マグネット1の回転により羽根7は長穴7
bがマグネット1のダボ1cに押されて丸穴7aを中心
に回転し、羽根8は長穴8bがマグネット1のダボ1d
に押されて丸穴8aを中心に回転して地板5の開口部5
bの通過光量を制御するよう構成されている。
【0042】2、ボビン3、ステータ4、地板5、マグ
ネット押え6、羽根7及び8、羽根押え9により本実施
例の光量制御装置が構成される。
【0043】図2は図1に示す光量制御装置の組み立て
完成状態の軸方向断面図であり、図3から図5は駆動装
置のマグネットの回転動作説明図であって図2のA−A
線から見た断面図を示している。図3はコイル2の無通
電時にマグネット1がコギング力により停止している状
態であり、図4はコイル2の正通電時にマグネット1の
突起部1bが地板5のストッパー部5fに当接している
状態であり、図5はコイル2の逆通電時にマグネット1
の突起部1bが地板5のストッパー部5gに当接してい
る状態である。この様子を図3から図7を用いて説明す
る。
【0044】図6はコギングトルクの様子を表すグラフ
であり、コイル2への通電がない状態でマグネット1の
回転位置とマグネット1が外側磁極4aにより吸引され
る様子を示している。
【0045】図6において縦軸はマグネット1に作用す
るステータ4との間で発生する磁力を表し、横軸はマグ
ネット1の回転位相を表す。E1点,E2点,E3点で
示されるところは正回転しようとするとマイナスの力が
働いて元の位置に戻ろうとし、逆回転しようとするとプ
ラスの力が働いて元の位置に戻される。すなわちマグネ
ットと外側磁極の間の磁力の力によってマグネットがE
1点,E2点,E3点に安定的に位置決めされようとす
るコギングの位置である。F1点,F2点はマグネット
の位相が少しでもずれると前後のE1点,E2点,E3
点の位置に回転する力が働く不安定な均衡状態にある停
止位置である。コイル2への通電がなされない状態で
は、振動や姿勢の変化によってF1点,F2点に停止し
ていることはなく、E1点,E2点,E3点の位置で停
止する。
【0046】E1点,E2点,E3点のようなコギング
安定点はマグネットの着磁極数をnとすると、360/
n度の周期で存在し、その中間位置がF1点,F2点の
ような不安定点になる。
【0047】有限要素法による数値シミュレーションの
結果、着磁される極の角度と外側磁極のマグネットに対
向する角度との関係により、コイルへの通電がない状態
での外側磁極とマグネットとの吸引状態の様子が変化す
ることが明らかになった。それによると、外側磁極のマ
グネットに対向する角度によりマグネットのコギング位
置が変化する。すなわち、外側磁極のマグネットに対向
する角度が所定値以下の場合にはマグネットの極の中心
が外側磁極の中心に対向する位置で安定的に保持され
る。この時、図6で述べたE1点,E2点,E3点がマ
グネットの極の中心が外側磁極の中心に対向する位置と
なる。逆に、外側磁極のマグネットに対向する角度が所
定値以上の場合にはマグネットの極と極の境界が外側磁
極の中心に対向する位置で安定的に保持される。この
時、図6で述べたE1点,E2点,E3点がマグネット
の極と極の境界が外側磁極の中心に対向する位置とな
る。その様子を図7で詳しく説明する。
【0048】図7は外側磁極の幅寸法とコギングトル
ク、マグネット寸法の関係を表すグラフである。
【0049】図7において、横軸は(マグネットの厚み
/マグネット1極あたりの外周長さ)、縦軸は(外側磁
極1つあたりのマグネットに対する対向角度/マグネッ
ト1極あたりの角度)である。
【0050】例えば、マグネットの外径寸法が10m
m、内径寸法が9mmで極数が16極の場合、マグネッ
トの厚みは(10−9)/2、磁極1極あたりの外周長
さは10×π/16であるから横軸の(マグネットの厚
み/マグネット1極あたりの外周長さ)の値は0.25
5となる。また、外側磁極1つあたりのマグネットに対
する対向角度を15度とすると、マグネット1極あたり
の角度は22.5度であるから縦軸の(外側磁極1つあ
たりのマグネットに対する対向角度/マグネット1極あ
たりの角度)は0.667となる。
【0051】図7中の各ポイントはコギングトルクがほ
ぼ0となるようなモデルの(外側磁極1つあたりのマグ
ネットに対する対向角度/マグネット1極あたりの角
度)をプロットしたものである。縦軸をY、横軸をXとす
るとこれらのポイントは直線Y=−0.327X+0.
69の式で近似できる。Y<−0.327X+0.69な
らばマグネットの極の中心が外側磁極の中心に対向する
位置で安定的に保持され、Y>−0.327X+0.69
ならばマグネットの極と極の境界が外側磁極の中心に対
向する位置で安定的に保持される。
【0052】つまり、Y>−0.327X+0.69は次
のように表される。上記各外側磁極のマグネットに対す
る各対向角をA度、着磁極数をn、マグネットの外径寸
法をD1、マグネットの内径寸法をD2とすると、A>
(248.4/n)−58.86×(D1−D2)/(D
1×π)となる。すなわち、A>(248.4/n)−
58.86×(D1−D2)/(D1×π)となるように
設定しておけばマグネットの極と極の境界が外側磁極の
中心に対向する位置で安定的に保持される。
【0053】本実施例の場合、マグネット1の着磁極数
nを16、マグネット1の外径寸法D1を10mm、マ
グネット1の内径寸法D2を9mmと設定しており、
(248.4/n)−58.86×(D1−D2)/(D
1×π)=13.65度となり、各外側磁極のマグネッ
トに対する対向角A度が13.65度を超える角度にな
ればY>−0.327X+0.69の条件に当てはまるこ
とになる。本実施例では外側磁極4aのマグネット1に
対する各対向角A度は15度と設定しているので、マグ
ネット1の極と極の境界が外側磁極4aの中心に対向す
る位置で安定的に保持されるようになっている。
【0054】ここで、外側磁極4aのマグネット1に対
する各対向角A度は部品寸法公差や嵌合ガタ等を考慮し
て設定するのが望ましい。すなわち上記の場合、例えば
外側磁極4aのマグネット1に対する各対向角A度を1
3.7度と設定しても、理論上はマグネット1の極と極
の境界が外側磁極4aの中心に対向する位置で安定的に
保持されるが、部品寸法公差や嵌合ガタ等を考慮する
と、マグネット1の極と極の境界が外側磁極4aの中心
に対向する位置で常に安定的に保持できる保証は少な
い。そこで、もう少し余裕を持って対向角A度を設定す
る必要があるが、対向角A度を必要以上に大きくすると
コギング力が大きくなり過ぎて回転トルクが下がる傾向
にあるため、コギング力と必要トルクのバランス点を見
て設定する必要がある。
【0055】マグネットに着磁された極と極の境界が外
側磁極の中心に対向する位置にある時、コイルへ通電を
して外側磁極を励磁すると、必ずマグネットには回転力
が生じ、起動が行われる。しかし、マグネットに着磁さ
れた極の中心が外側磁極の中心に対向する位置にある時
は、コイルへ通電をして外側磁極を励磁してもマグネッ
トに回転力は生じない。
【0056】次に、マグネット1の回転動作の様子を図
3から図6で説明する。
【0057】本実施例では外側磁極4aのマグネット1
に対向する角度をA度、マグネット1の外径寸法をD
1、マグネット1の内径寸法D2とすると、A>(24
8.4/n)−58.86×(D1−D2)/(D1×
π)となるように各値を設定した。これは、図7に示す
直線で示す部分より右上にある場合に相当する。よっ
て、コイル2への通電がない状態では、図6のE1点,
E2点,E3点がマグネット1の極と極の境界が外側磁
極4aの中心に対向する位置に相当し、マグネット1は
コギングトルクの働きで安定的にこの位置に停止する。
この状態からコイル2に通電して外側磁極4aを励磁す
ると、マグネット1に回転力が生じ、スムーズな起動が
行われる。
【0058】したがって、図3のようにコイル2への無
通電時にマグネット1はマグネット1の極と極の境界が
外側磁極4aの中心に対向する位置で安定的に保持され
る。この状態を図6のE2点とする。
【0059】図3の状態からコイル2に通電して、ステ
ータ4の外側磁極4aをN極とし、内側磁極4bをS極
に励磁すると、外側磁極4aと内側磁極4bの励磁によ
りマグネット1は回転方向の電磁力を受け、ロータであ
るマグネット1は反時計方向にスムーズに回転し始め
る。そして、図4のようにマグネット1の突起部1bが
地板5に設けたマグネット1の回転規制のためのストッ
パー部5fに当接してマグネット1は回転を止められ
る。この状態でマグネット1の回転中心1fを中心とし
てマグネット1の極と極の境界と外側磁極4aの中心と
のなす角度がα度になるように設定してある。すなわち
図3の状態からの回転角度がα度となる。この状態を図
6に当てはめるとG点の位置となる。この位置でのコギ
ングトルク(マグネット1に作用するステータ4との間
で発生する吸引力)はT1であり、これは、E2点に進
もうとする回転方向にプラスの力(図3から図5におい
て時計方向の力)が働くことになる。よって、図4の状
態からコイル2への通電を切ると、マグネット1はE2
点である図3の状態まで時計方向にα度回転して停止す
る。
【0060】一方、図3の状態からコイル2へ逆方向に
通電して、ステータ4の外側磁極4aをS極とし、内側
磁極4bをN極に励磁すると、外側磁極4aと内側磁極
4bの励磁によりマグネット1は回転方向の電磁力を受
け、ロータであるマグネット1は時計方向にスムーズに
回転し始める。そして、図5のようにマグネット1の突
起部1bが地板5に設けたマグネット1の回転規制のた
めのストッパー部5gに当接してマグネット1は回転を
止められる。この状態でマグネット1の回転中心1fを
中心としてマグネット1の極と極の境界と外側磁極4a
の中心とのなす角度がβ度になるように設定してある。
すなわち図3の状態からの回転角度がβ度となる。ま
た、この状態を図6に当てはめるH点の位置となる。こ
の位置でのコギングトルク(マグネット1に作用するス
テータ4との間で発生する吸引力)はT2であり、これ
は、E2点に戻ろうとする回転方向にマイナスの力(図
3から図5において反時計方向の力)が働くことにな
る。よって、図5の状態からコイル2への通電を切る
と、マグネット1はE2点である図3の状態まで反時計
方向にβ度回転して停止する。
【0061】以上のようにコイル2への通電方向を切り
換えることにより、ロータであるマグネット1は図4の
状態と図5の状態とに切り換わり、どちらの状態からも
コイル2への通電を断つと図3の状態となってマグネッ
ト1はコギング力によりその位置が安定的に保持され
る。マグネットの回転範囲α及びβはそれぞれF1及び
F2まで達しない範囲で設定すれば回動は可能である
が、コギング力と必要トルクのバランス点、及び必要な
回転量を見て設定する必要がある。F1及びF2はマグ
ネット1のS極及びN極の中心位置である。
【0062】上記に示したように羽根7及び羽根8はマ
グネット1に連動して回転する。マグネット1が図3の
状態にある時、羽根7及び羽根8はそれぞれ地板5の開
口部5bよりも所定量絞りこんだ位置にある。また、マ
グネット1が図4の状態にある時、羽根7及び羽根8は
それぞれ地板5の開口部5bから退避する位置にある。
一方、マグネット1が図5の状態にある時、羽根7及び
羽根8により地板5の開口部5bは閉鎖される。よっ
て、コイル2への通電状態及び通電方向を切り換えるこ
とにより、羽根7及び羽根8の位置を開放位置と中間絞
り位置と閉鎖位置とに制御可能となり、地板5の開口部
5bの通過光量を制御できる。さらに、コイル2への無
通電時にはマグネット1と外側磁極4aとの吸引力によ
り、中間絞りの位置が保持される。
【0063】したがって、光量制御装置は開放位置、中
間絞り位置、閉じ位置の3位置切り換えのできるシャッ
タ絞り装置として作用する。
【0064】ここで、このような構成のアクチュエータ
が出力が高くて超小型化になる上で最適な構成であるこ
とについて述べる。
【0065】本実施例のアクチュエータの基本構成につ
いて述べると、第1にマグネットを中空の円筒形状に形
成していること第2にマグネットの外周面を周方向にn
分割して異なる極に交互に着磁していること第3にマグ
ネットの軸方向にコイルをならべて配置していること第
4にコイルにより励磁されるステータの外側磁極及び内
側磁極をそれぞれマグネットの外周面及び内周面に対向
させていること第5に外側磁極を軸方向に延出する櫛歯
により構成していること第6にステータの内側磁極を中
空柱形状にすることで、アクチュエータの形状をドーナ
ツ状のものとしていること第7にコイルへの無通電時に
はマグネットの極と極の境界と外側磁極の中心とが対向
する位置で安定的に保持されること第8に外側磁極の軸
方向に延出する櫛歯の長さを対向するマグネットの外周
面を超える長さに設定していることである。
【0066】このアクチュエータの径はマグネットの径
にステータの磁極を対向させるだけの大きさがあればよ
く、また、アクチュエータの高さはマグネットの高さに
コイルの高さを加えただけの高さがあればよいことにな
る。このためアクチュエータの大きさは、マグネット及
びびコイルの径と高さによって決まるので、マグネット
及びコイルの径と高さをそれぞれ非常に小さくすればア
クチュエータを超小型にすることができる。
【0067】ここで、マグネットおよびコイルの径と高
さをそれぞれ非常に小さくすると、アクチュエータとし
ての精度を維持することが難しくなるが、本実施例では
マグネットを中空の円筒形状に形成し、この中空の円筒
形状に形成されたマグネットの外周面および内周面にス
テータの外側磁極及び内側磁極を対向させるという単純
な構造によりアクチュエータの精度の問題を解決してい
る。ここで、マグネットの外周面だけでなく、マグネッ
トの内周面も円周方向に分割して着磁すれば、アクチュ
エータの出力を更に高めることができる。
【0068】コイルにより発生する磁束は外側磁極と内
側磁極との間にあるマグネットを横切るので効果的に作
用する。
【0069】外側磁極は軸方向に延出する櫛歯形状によ
り構成されるため、半径方向への凹凸により構成される
ものに比べて半径方向に関する寸法は小さく構成でき
る。これにより、マグネットの外径寸法を大きく構成で
きるので駆動装置のトルクを大きくできる。
【0070】マグネットの外周面に対向する外側磁極の
櫛歯形状の各対向角をA度、マグネットの着磁極数を
n、マグネットの外径寸法をD1、マグネットの内径寸
法をD2とすると、A>(248.4/n)−58.86
×(D1−D2)/(D1×π)となるように設定したこ
とで、マグネットに着磁された極と極の境界が外側磁極
の櫛歯の中心に対向する位置で安定的に保持される。本
実施例ではこのコギング安定位置から半時計方向にα度
回転した位置、及び時計方向にβ度回転した位置とに回
転規制を設けることで、コイル2への通電時にマグネッ
ト1の停止位置が通電方向によりそれぞれの回転規制位
置で決められるとともに、コイル2への無通電によりマ
グネット1は元のコギング安定位置へと戻る。
【0071】コイル2は1つで構成されるので通電の制
御回路も単純になり、コストも安く構成できる。
【0072】外側磁極4aの櫛歯の軸方向長さをマグネ
ット1の着磁部1aである外周面を超える長さに設定し
たことで、外側磁極4a及び内側磁極4bによるマグネ
ット1の軸方向にかかる力が緩和され、マグネット1と
マグネット1を軸方向に保持しているマグネット押え6
との摺動摩擦が低減してマグネットの回転がスムーズに
なる。
【0073】マグネット1に連結して羽根7及び羽根8
が開閉することで中空柱形状の内側磁極4bの内側に設
けられた地板5の開口部5bの通過光量を制御する光量
制御装置とすることで、アクチュエータの中央部を光が
通過する構成とすることができる。すなわち、アクチュ
エータの形状をドーナツ状のものとすることで、その内
側にレンズを配置したり光路として利用できる。
【0074】また、アクチュエータの半径方向(ドーナ
ツの幅)に関する寸法はステータ4の外側磁極4aとマ
グネット1の着磁部1cとステータ4の内側磁極4bと
で決まるため幅を小さく構成でき、光量制御装置のアク
チュエータ部の外側には他の構造物を配置可能となる。
【0075】以上により、出力が高く、かつ安価で小型
のアクチュエータを備えた光量制御装置を提供すること
ができる。
【0076】(発明と実施の形態の対応)上記実施の形
態において、図1,図2のマグネット1及び図3から図
5の着磁部1aが本発明のマグネットに相当し、図1,
図2のコイル2が本発明のコイルに相当し、図1,図
2,図3から図5の外側磁極4aが本発明の外側磁極部
に相当し、図1,図2,図3から図5の内側磁極4bが
本発明の内側磁極部に相当し、図1,図2の羽根7及び
羽根8が本発明の光量制御部材に相当する。
【0077】(変形例)上記実施の形態においては、ア
クチュエータが2枚の羽根を開閉する光量制御装置とし
たが、羽根の枚数は1枚でも3枚以上でもよい。
【0078】また、羽根の状態を開放状態と中間絞り状
態と閉鎖状態の3位置に切り換えるシャッタ絞り装置と
したが、例えば羽根を開放状態と中間絞り状態と小絞り
状態の3位置に切り換え可能な3段階可変絞り装置とし
てもよいし、NDフィルター等の出し入れ及び濃度切り
換え装置としてもよい。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
駆動装置の外径はマグネットの外周面に対向する外側磁
極部で決められ、駆動装置の内径はマグネットの内周面
に対向する内側磁極部で決められ、駆動装置の軸方向高
さはコイル、マグネットを順に配置することで決められ
る。このため、駆動装置の大きさはマグネット及びコイ
ルの径と高さによって決まるもので、マグネット及びコ
イルの径と高さをそれぞれ非常に小さくすれば、駆動装
置を非常に小型化することができるものである。
【0080】また、コイルにより発生する磁束は外側磁
極部と内側磁極部との間にあるマグネットを横切るので
効果的に作用する。さらに、外側磁極部はマグネットの
外周面に所定の角度A度だけ対向して設けられた軸方向
に延出する櫛歯形状により構成されるため、半径方向へ
の凹凸により構成されるものに比べて半径方向に関する
寸法は小さく構成できる。これにより、その分マグネッ
トの外径寸法を大きく構成できるので、駆動装置のトル
クを大きくできる。
【0081】また、コイルは1つで構成されるので通電
の制御回路も単純になり、コストも安く構成できる。
【0082】さらに、マグネットの外周面に対向する外
側磁極部の櫛歯形状の各対向角をA度、マグネットの着
磁分割数をn、マグネットの外径寸法をD1、マグネッ
トの内径寸法をD2とすると、A>(248.4/n)−
58.86×(D1−D2)/(D1×π)と設定したこと
で、コイルへの無通電時において、マグネットに着磁さ
れた極と極の境界位置が外側磁極部の櫛歯の中心に対向
する位置で安定的に保持される。
【0083】また、外側磁極部の櫛歯形状の軸方向長さ
をマグネットの外周面を超える長さに設定したことで、
外側磁極部及び内側磁極部によるマグネットの軸方向に
かかる力が緩和され、マグネットとマグネットを軸方向
に保持している部材との摺動摩擦が低減してマグネット
の回転がスムーズになる。
【0084】また、駆動装置と、駆動装置のマグネット
に連結して回動することで中空柱形状の内側磁極部内の
通過光量を制御する光量制御部材とを備えた光量制御装
置とすることで、駆動装置の中央部を光が通過する構成
とすることができる。すなわち、駆動装置の形状をドー
ナツ状のものとすることで、その内側にレンズを配置し
たり光路として利用でき、また半径方向(ドーナツの
幅)に関する寸法を小さく構成できるので、その外側に
は他の構造物を配置でき、出力が高く、かつ安価で小型
の駆動装置を備えた光量制御装置を提供することができ
る。
【0085】さらに、コイルの通電状態及び通電方向の
切り換えにより3つの光量制御状態が切り換え可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る駆動装置を備えた光量制御装置の
分解斜視図である。
【図2】図1に示す光量制御装置の組み立て完成状態の
軸方向断面図である。
【図3】本発明に係る駆動装置の無通電時におけるマグ
ネットの回転位置を示す図である。
【図4】本発明に係る駆動装置の通電時におけるマグネ
ットの回転位置を示す図である。
【図5】本発明に係る駆動装置の図4とは反対方向の通
電時におけるマグネットの回転位置を示す図である。
【図6】コギングトルクの様子を表すグラフである。
【図7】外側磁極の幅寸法とコギングトルク、マグネッ
ト寸法の関係を表すグラフである。
【図8】従来のステップモータの断面図である。
【図9】従来のステップモータのステータの様子を示す
断面図である。
【図10】別の従来のステップモータの平面図である。
【図11】従来のブラシレスモータの斜視構成図であ
る。
【図12】従来のブラシレスモータの断面図である。
【符号の説明】
1 マグネット 1a 着磁部 2 コイル 3 ボビン 4 ステータ 4a 外側磁極 4b 内側磁極 5 地板 6 マグネット押え 7,8 羽根 9 羽根押え
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03B 9/10 G03B 9/10 D 9/26 9/26 H02K 15/03 H02K 15/03 C

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒形状に形成されるとともに少なくと
    も外周面が周方向にn分割して異なる極に交互に着磁さ
    れ回転中心を中心として回転可能なマグネットと、該マ
    グネットと同軸的に配置されるコイルと、該コイルによ
    り励磁され該マグネットの外周面に配置されて各々が所
    定の角度A度だけ対向する複数の櫛歯形状の外側磁極部
    と、該コイルにより励磁され該マグネットの内周面に対
    向する中空柱形状の内側磁極部とを備えた駆動装置にお
    いて、マグネットの外径寸法をD1、マグネットの内径寸
    法をD2とすると、該マグネットの外周面に対向する該外
    側磁極部の櫛歯形状の各対向角Aは A>(248.4/n)−58.86×(D1−D2)/(D
    1×π) と設定される駆動装置において、該外側磁極部の櫛歯形
    状の軸方向長さは該マグネットの外周面を超える長さに
    設定されることを特徴とする駆動装置。
  2. 【請求項2】 円筒形状に形成されるとともに少なくと
    も外周面が周方向にn分割して異なる極に交互に着磁さ
    れ回転中心を中心として回転可能なマグネットと、該マ
    グネットの軸方向に配置されるコイルと、該コイルによ
    り励磁され該マグネットの外周面に配置されて各々が所
    定の角度A度だけ対向する複数の櫛歯形状の外側磁極部
    と、該コイルにより励磁され該マグネットの内周面に対
    向する中空柱形状の内側磁極部とを備えた駆動装置にお
    いて、マグネットの外径寸法をD1、マグネットの内径寸
    法をD2とすると、該マグネットの外周面に対向する該外
    側磁極部の櫛歯形状の各対向角Aは A>(248.4/n)−58.86×(D1−D2)/(D
    1×π) と設定される駆動装置において、該外側磁極部の櫛歯形
    状の軸方向長さは該マグネットの外周面を超える長さに
    設定されることを特徴とする駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記マグネットの回転角度を抑制するた
    めの回転止め部材を有することを特徴とする請求項1又
    は2に記載の駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記マグネットの回転可能な範囲は、前
    記マグネットの交互に着磁された一つの極の周方向長よ
    りも狭いことを特徴とする請求項1から3のいずれかに
    記載の駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記マグネットの回転可能な範囲は、前
    記外側磁極部の交互に着磁された極と極の境界を略中心
    とすることを特徴とする請求項4に記載の駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記コイルに通電することで、前記マグ
    ネットを3位置に回転制御することを特徴とする請求項
    1から5のいずれかに記載の駆動装置。
  7. 【請求項7】 前記マグネットは射出成形により形成さ
    れることを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動装
    置。
  8. 【請求項8】 前記マグネットはNd-Fe-B系希土類磁性
    粉と熱可塑性樹脂バインダー材の混合物により形成され
    ることを特徴とする請求項7に記載の駆動装置。
  9. 【請求項9】 円筒形状に形成されるとともに少なくと
    も外周面が周方向にn分割して異なる極に交互に着磁さ
    れ回転中心を中心として回転可能なマグネットと、該マ
    グネットと同軸的に配置されるコイルと、該コイルによ
    り励磁され該マグネットの外周面に配置されて各々が所
    定の角度A度だけ対向する複数の櫛歯形状の外側磁極部
    と、該コイルにより励磁され該マグネットの内周面に対
    向する中空柱形状の内側磁極部とを備えた駆動装置であ
    って、該マグネットの外径寸法をD1、該マグネットの内
    径寸法をD2とすると、該マグネットの外周面に対向する
    該外側磁極部の櫛歯形状の各対向角Aは A>(248.4/n)−58.86×(D1−D2)/(D
    1×π) と設定され、該外側磁極部の櫛歯形状の軸方向長さは該
    マグネットの外周面を超える長さに設定される駆動装置
    と、該マグネットに連結して開閉することで該中空柱形
    状の内側磁極部内の通過光量を制御する光量制御部材と
    を備えたことを特徴とする光量制御装置。
  10. 【請求項10】 円筒形状に形成されるとともに少なく
    とも外周面が周方向にn分割して異なる極に交互に着磁
    され回転中心を中心として回転可能なマグネットと、該
    マグネットの軸方向に配置されるコイルと、該コイルに
    より励磁され該マグネットの外周面に配置されて各々が
    所定の角度A度だけ対向する複数の櫛歯形状の外側磁極
    部と、該コイルにより励磁され該マグネットの内周面に
    対向する中空柱形状の内側磁極部とを備えた駆動装置で
    あって、該マグネットの外径寸法をD1、該マグネットの
    内径寸法をD2とすると、該マグネットの外周面に対向す
    る該外側磁極部の櫛歯形状の各対向角Aは A>(248.4/n)−58.86×(D1−D2)/(D
    1×π) と設定され、該外側磁極部の櫛歯形状の軸方向長さは該
    マグネットの外周面を超える長さに設定される駆動装置
    と、該マグネットに連結して開閉することで該中空柱形
    状の内側磁極部内の通過光量を制御する光量制御部材と
    を備えたことを特徴とする光量制御装置。
  11. 【請求項11】 円筒形状に形成されるとともに少なく
    とも外周面が周方向にn分割して異なる極に交互に着磁
    され回転中心を中心として回転可能なマグネットと、該
    マグネットの軸方向に配置されるコイルと、該コイルに
    より励磁され該マグネットの外周面に配置されて各々が
    所定の角度A度だけ対向する複数の櫛歯形状の外側磁極
    部と、該コイルにより励磁され該マグネットの内周面に
    対向する中空柱形状の内側磁極部とを備えた駆動装置で
    あって、該マグネットの外径寸法をD1、該マグネットの
    内径寸法をD2とすると、該マグネットの外周面に対向す
    る該外側磁極部の櫛歯形状の各対向角Aは A>(248.4/n)−58.86×(D1−D2)/(D
    1×π) と設定され、該外側磁極部の櫛歯形状の軸方向長さは該
    マグネットの外周面を超える長さに設定される駆動装置
    と、該マグネットに連結して回動することで該中空柱形
    状の内側磁極部内の通過光量を制御する光量制御部材と
    を備えた光量制御装置において、該コイルへの無通電時
    に該マグネットと該外側磁極部との吸引力により該マグ
    ネットの回転位置が保持される第1の状態と、該コイル
    への正通電により該マグネットが該第1の状態から正方
    向に所定の角度回転する第2の状態と、該コイルへの逆
    通電により該マグネットが該第1の状態から逆方向に所
    定の角度回転する第3の状態とを選択的に切り換えるこ
    とで該光量制御部材を制御することを特徴とする光量制
    御装置。
  12. 【請求項12】 前記マグネットの回転角度を抑制する
    ための回転止め部材を有することを特徴とする請求項9
    から11のいずれかに記載の光量制御装置。
  13. 【請求項13】 前記マグネットの回転可能な範囲は、
    前記マグネットの交互に着磁された一つの極の周方向長
    よりも狭いことを特徴とする請求項9から12のいずれ
    かに記載の光量制御装置。
  14. 【請求項14】 前記第1の状態とは、前記外側磁極部
    の交互に着磁された極と極との境界位置であることを特
    徴とする請求項11に記載の光量制御装置。
  15. 【請求項15】 前記マグネットは射出成形により形成
    されることを特徴とする請求項9から11のいずれかに
    記載の光量制御装置。
  16. 【請求項16】 前記マグネットはNd-Fe-B系希土類磁
    性粉と熱可塑性樹脂バインダー材の混合物により形成さ
    れることを特徴とする請求項15に記載の香料制御装
    置。
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