JP2002343269A - ブラック・マトリクス - Google Patents

ブラック・マトリクス

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JP2002343269A
JP2002343269A JP2001142951A JP2001142951A JP2002343269A JP 2002343269 A JP2002343269 A JP 2002343269A JP 2001142951 A JP2001142951 A JP 2001142951A JP 2001142951 A JP2001142951 A JP 2001142951A JP 2002343269 A JP2002343269 A JP 2002343269A
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Japan
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black matrix
electrode
oxide
black
pigment
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JP2001142951A
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English (en)
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Kazunori Hosomi
和徳 細見
Shinsuke Mori
信輔 森
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Noritake Co Ltd
Noritake Electronics Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
Noritake Electronics Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性が高く、可視光の反射率や透過率が低
く、且つ帯電し難いブラック・マトリクスを提供する。 【解決手段】ブラック・マトリクス28には、黒色顔料
として、耐熱性が高く且つ加熱しても色調の変化が無
く、しかもスピネル型や逆スピネル型の複酸化物に比較
して導電性が高いルテニウム酸化物が用いられているこ
とから、耐熱性が十分に高く、可視光の反射率や透過率
が十分に低く、且つ帯電し難いブラック・マトリクス2
8が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示装置の表示面
に設けられるブラック・マトリクスに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、陰極線管(Cathode Ray Tube:C
RT)や電界電子放出型表示装置(FieldEmission Displa
y:FED)等の表示装置においては、その表示面に設けら
れた複数色(通常は三原色)の蛍光体で構成される発光画
素相互間に、それらの分離性や鮮明性を高める目的でブ
ラック・マトリクス(黒色の遮光パターン)が設けられて
いる。
【0003】従来、上記のブラック・マトリクスを構成
するための材料としては、例えば、クロム等の金属材
料、鉄黒(Fe3O4)、チタン黒等の無機顔料、或いはカー
ボンブラック(コロイダル・カーボン)等が用いられてい
たが、金属材料は蒸着により形成されるため工程が複雑
且つ生産性が低く、しかも高価な設備を必要とするため
高コストになる不都合がある。また、無機顔料はガラス
粉末と共に焼成処理して厚膜に形成されるため、その加
熱処理によって色調が変化する不都合がある。また、カ
ーボンブラックは、可視光の反射率が高くブラック・マ
トリクスの特性が不十分になると共に、耐熱性に劣る不
都合がある。なお、同一材料では微粉になるほど可視光
の反射率が低下し延いては黒色度が向上する傾向にある
が、カーボン等の本来的に耐熱性の低い材料では微粉化
に伴って著しく耐熱性が低下するため、その粒径はそれ
らの相反する特性の兼ね合いで決定する必要があり、黒
色度をそれほど高くすることができないのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、例えば、特開
平9-237570号公報等に記載されているように、
スピネル型或いは逆スピネル型結晶構造の複酸化物を用
いることが提案されている。このような複酸化物顔料
は、耐熱性に優れ且つ高温に曝されても色調が変化し難
く、しかも、ガラス粉末と混合して塗布、焼成する厚膜
プロセスでブラック・マトリクスを形成し得ることから
低コストで生産性が高い利点がある。
【0005】しかしながら、蛍光体を電子で励起発光さ
せるような前記の表示装置に、上記のスピネル型或いは
逆スピネル型複酸化物等の顔料をブラック・マトリクス
の構成材料として用いると、画像の歪みや揺れ等の表示
品位低下が生じる問題があった。本発明者等は、種々の
黒色顔料を用いて実験を重ねたところ、上記の問題はス
ピネル型或いは逆スピネル型複酸化物等を顔料として含
むブラック・マトリクスの導電性が低いことが原因であ
ることを見出した。すなわち、蛍光体に向かわせられた
電子は、ブラック・マトリクスにも入射するが、その導
電性が低いとそのままそこに残留し、ブラック・マトリ
クスを帯電(チャージアップ)させる。そのため、その帯
電したブラック・マトリクスの形成する電界によって電
子の向かう方向が意図しない方向に変化させられること
から、画像の歪みや揺れ等の表示品位低下が生じるので
ある。
【0006】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであって、その目的とするところは、耐熱性が高
く、可視光の反射率や透過率が低く、且つ帯電し難いブ
ラック・マトリクスを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための第1の手段】斯かる目的を達成
するための第1発明の要旨とするところは、電子で励起
発光させられる複数個の蛍光体層が備えられる表示面に
設けられたブラック・マトリクスであって、ルテニウム
の酸化物を含むことにある。
【0008】
【第1発明の効果】このようにすれば、ルテニウム酸化
物は、耐熱性が高く且つ加熱しても色調の変化が無いこ
とから、表示装置用の厚膜材料として好適に用い得るも
のであるが、更に、スピネル型や逆スピネル型の複酸化
物に比較して導電性が高い特徴を有する。特に、材料本
来の耐熱性が高く微粉化に伴う耐熱性低下が殆どないた
め、高い黒色度が得られるように十分に微細な粒子を用
いることができる。そのため、耐熱性が十分に高く、可
視光の反射率や透過率が十分に低く、且つ帯電し難いブ
ラック・マトリクスが得られる。
【0009】
【第1発明の他の態様】ここで、好適には、前記のルテ
ニウム酸化物は、酸化ルテニウム或いはこれを含む複酸
化物である。すなわち、請求の範囲に言う「ルテニウム
の酸化物」には、複酸化物が含まれる。
【0010】また、好適には、前記のブラック・マトリ
クスは、面積抵抗率が1012(Ω/□)以下である。このよ
うにすれば、電子が流れるために十分な導電性がブラッ
ク・マトリクスに与えられることから、その帯電延いて
は画質低下が一層抑制される。このような導電性を付与
するためには、例えば酸化ルテニウムが用いられる場合
には、ガラスに対する質量割合で4(%)以上とすればよ
く、その複酸化物が用いられる場合には、ガラスに対す
る質量割合で10(%)以上とすればよい。
【0011】
【課題を解決するための第2の手段】また、前記目的を
達成するための第2発明の要旨とするところは、電子で
励起発光させられる複数個の蛍光体層が備えられる表示
面に設けられたブラック・マトリクスであって、鉄、コ
バルト、ニッケル、クロム、マンガンのうち少なくとも
二種の酸化物を主成分とする複酸化物を含み、面積抵抗
率が1012(Ω/□)以下であることにある。
【0012】
【第2発明の効果】このようにすれば、これらの元素は
複酸化物とすることによって、ルテニウム酸化物の場合
と同様に耐熱性が高く且つ加熱しても色調の変化が無
く、スピネル型や逆スピネル型の複酸化物に比較して導
電性が高い特徴を有する。また、材料本来の耐熱性が高
く微粉化に伴う耐熱性低下が殆どないため、高い黒色度
が得られるように十分に微細な粒子を用いることができ
る。そのため、耐熱性が十分に高く、可視光の反射率や
透過率が十分に低く、且つ帯電し難いブラック・マトリ
クスが得られる。
【0013】
【第2発明の他の態様】ここで、好適には、第2発明の
ブラック・マトリクスは、ガラスに対する質量割合で前
記複酸化物が10(%)以上含まれるものである。このよう
にすれば、電子が流れるために十分な導電性を、ブラッ
ク・マトリクスに一層確実に付与することができる。
【0014】また、好適には、前記複酸化物は、酸化鉄
(Fe2O3)を25〜35(%)、酸化コバルト(CoO)を10〜35(%)、
酸化クロム(CrO)を10〜40(%)、二酸化マンガン(MnO2)を
0〜15(%)、酸化銅(CuO)を0〜5(%)、酸化ニッケル(NiO)
を0〜15(%)の範囲内の割合で全体で100(%)になるように
混合し、焼結および粉砕したものである。焼成温度は例
えば900〜1400(℃)の範囲内に設定され、粉砕後の平均
粒径は例えば0.1(μm)程度である。
【0015】また、前記第1発明および第2発明のブラ
ック・マトリクスは、一層好適には、その外周側に備え
られた周辺電極にその外周縁において重ねられたもので
ある。このようにすれば、ブラック・マトリクスに入射
した電子を周辺電極を介して外部へ逃がすことが容易に
なるため、ブラック・マトリクスの帯電を一層抑制する
ことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
参照して詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明のブラック・マトリクスが
適用されたFED10の構成を一部を切り欠いて示す斜
視図である。図において、FED10は、それぞれの略
平坦な一面12,14が向かい合うように所定間隔を隔
てて互いに平行に配置された相互に同様な寸法・形状の
前面板16および背面板18と、それらの間に配置され
たスペーサ22とを備えたものである。それら前面板1
6、背面板18、およびスペーサ22は、例えばフリッ
ト・ガラスによって互いに気密に封着されており、それ
らによってFED10の外囲器である気密容器が構成さ
れている。気密容器内は例えば6.7×10-5(Pa)[5×10
-7(Torr)]程度の真空になっている。
【0018】上記の前面板16および背面板18は、例
えばそれぞれ1〜2(mm)程度の均一な厚さを備えて透光性
を有する軟化点が600(℃)程度の高歪点ガラス、例え
ば、ソーダライム・ガラス等から成るものである。ま
た、前記のスペーサ22は、例えば、前面板16および
背面板18と同様な外形寸法を有する矩形枠状或いは格
子状を成すものである。このスペーサ22は、例えばガ
ラスや表面に硼珪酸ガラス等から成る絶縁ガラス層が設
けられた426合金等で構成されたものであり、1〜5(m
m)程度、例えば4(mm)程度の高さ寸法を備えている。こ
のため、前面板16と背面板18との間隔すなわち気密
空間の高さ寸法は、例えば3.9(mm)程度である。
【0019】また、前面板16の一面12には、例えば
ITO(酸化インジウム錫:IndiumTin Oxide)等から成
る0.1〜0.5(mm)程度の幅寸法のストライプ状の複数本の
透明な陽極24が、例えば0.1〜0.5(mm)程度の一定の中
心間隔を以て一方向に沿って並んで設けられている。そ
れら複数本の陽極24の各々の表面には、R(赤),G
(緑),B(青)の3つの発光色の何れかに対応する蛍光体
層26が、例えば、その一方向と直交する方向にR,
G,Bの順に繰り返し並ぶように、陽極24と同様な幅
寸法を以てストライプ状或いはそのストライプを発光単
位毎に断続的なものとしたマトリクス状に設けられてい
る。上記の陽極24は、例えばスパッタ等の薄膜法によ
って例えば1(μm)程度の厚さに形成されたものであり、
シート抵抗値が10(Ω/□)以下程度の比較的高い導電性
を備えている。また、上記の蛍光体層26は、例えば、
ZnO:Zn,ZnS:Ag+In2O3等の電子線によって可視光を発す
る材料から構成されるものであって、例えば厚膜スクリ
ーン印刷法等によって10〜20(μm)程度の範囲内、例え
ば15(μm)程度の厚さ寸法で設けられることにより、面
積抵抗率が500(Ω/cm2)以下程度の導電性を付与されて
いる。
【0020】また、図2に前面板16の断面を拡大して
示すように、一面12のうち蛍光体層26が設けられて
いない残部には、導電性を備えた黒色顔料を4〜30(%)程
度の割合で含むガラスから成るブラック・マトリクス
(マスク)28が10〜20(μm)程度の範囲内、例えば13(μ
m)程度の厚さ寸法で設けられており、それら蛍光体層2
6の表面およびブラック・マトリクス28の表面は、一
面12の全面にそれら蛍光体層26およびブラック・マ
トリクス28の表面形状に倣って設けられた100〜200(n
m)程度の厚さのメタル・バック30によって覆われてい
る。上記のブラック・マトリクス28は例えば厚膜スク
リーン印刷法等によって設けられたものであり、蛍光体
層26がストライプ状に設けられている場合にはその間
を通るストライプ状に、蛍光体層26がマトリクス状に
設けられている場合には格子状に形成される。また、上
記の導電性材料は、例えば酸化ルテニウムや酸化ルテニ
ウムを含む複酸化物等から成るものである。この導電性
材料は、ブラック・マトリクス28に僅かな導電性を付
与すると共に、その可視光反射率や透過率を低下させる
役割を果たす。また、上記のメタル・バック30は例え
ばアルミニウム薄膜の蒸着等によって設けられたもので
あり、比較的滑らかな表面を有して電子が容易に透過す
る程度の厚さの薄膜に形成されている。
【0021】図3に前面板16の内面12全体を模式的
に示すように、上記のブラック・マトリクス28の周囲
には、前面板16よりも僅かに小さい外形寸法を備えた
枠状の周辺電極32が設けられている。この周辺電極3
2は、導体として銀を含む厚膜導体材料(厚膜銀)で幅寸
法が1(mm)程度、厚さ寸法が15(μm)程度に構成され、高
い導電性を備えたものである。また、周辺電極32の図
における下端部には、取出電極34がその一端において
これに重なるように設けられ或いはこれと一体に設けら
れている。図3において一点鎖線で囲んだ領域A近傍を
拡大した図4に示すように、前記のブラック・マトリク
ス28は、その外周縁が上記の周辺電極32の内周縁に
例えば50(μm)程度の僅かな幅で重なる。ブラック・マ
トリクス28は、前記のような導電性材料を含む厚膜材
料で構成されていることから、面積抵抗率で1012(Ω/
□)以下の僅かな導電性を備えるため、このブラック・
マトリクス28によって前面板16の内周部から周辺電
極32を介して取出電極34に至る通電経路が形成さ
れ、その取出電極34から接地される。なお、図4にお
いては、蛍光体層26が発光単位毎に断続したマトリク
ス状に設けられている場合を示しており、ブラック・マ
トリクス28の形状は、その蛍光体層26が設けられた
部分を除いた穴あきパターンである。
【0022】図1に戻って、前記の背面板18の一面1
4には、互いに直交する二方向(列方向すなわちY方
向、および行方向すなわちX方向)に沿ってそれぞれ伸
びる複数本の列方向(Y方向)配線36および行方向(X
方向)配線38が、層間絶縁層40を介して重ねて備え
られている。列方向配線36は、前面板16上の陽極2
4に平行に設けられており、その中心間隔は陽極24と
同様である。これに対して、それらに直交する方向に沿
って伸びる行方向配線38の中心間隔は、例えば列方向
配線36のそれの3倍の0.3〜1.5(mm)程度になってい
る。また、列方向配線36は、例えば幅寸法が100(μm)
程度で厚さ寸法が15(μm)程度であり、行方向配線38
は、例えば幅寸法が300(μm)程度で厚さ寸法が20(μm)
程度である。
【0023】上記の列方向配線36および行方向配線3
8は、例えば、何れも厚膜銀等の厚膜導体から成るもの
であり、背面板18の内面14に厚膜スクリーン印刷法
等を用いて形成されている。また、内面14上には、そ
の列方向配線36に沿った方向においては行方向配線3
8と同様な一定の中心間隔を以てその行方向配線38相
互間に位置するように並び、且つその行方向配線38に
沿った方向においては列方向配線36と同様な一定の中
心間隔を以てその列方向配線36相互間に位置するよう
に並ぶ複数個の矩形のY電極42が備えられる。列方向
配線36は、それら複数個のY電極42に一部が重なる
位置に設けられており、Y電極42はその列方向配線3
6に電気的に接続されている。また、複数個のY電極4
2の各々とそれが接続されたものに隣接する列方向配線
36との間には、その列方向配線36に沿って伸び且つ
それとは電気的に絶縁させられた長手状のX電極44が
それぞれ備えられている。
【0024】上記のY電極42は、例えば列方向配線3
6に沿った方向における長さ寸法が数(μm)〜数百(μm)
程度に形成されたものであり、上記のX電極44は、相
対的に近い方に位置するY電極42との間隔が例えば数
百(nm)〜数百(μm)程度、例えば0.5〜20(μm)程度の小
さな値になるように形成されたものである。行方向配線
38はX電極44の端部に重なる位置に設けられてお
り、X電極44はその行方向配線38に電気的に接続さ
れている。これら両電極38、40は、何れも厚さ寸法
が数(μm)以下、例えば100(Å)程度の白金を主成分とす
る合金から成るものであり、例えば真空蒸着法やスパッ
タ等の薄膜プロセスによって膜形成された後、フォトリ
ソグラフィ等を用いてパターン形成されている。
【0025】また、Y電極42およびX電極44間に形
成されている隙間には、平面形状が略円形を成し一部が
それらに重なる電子放出膜46が備えられている。電子
放出膜46は、例えば酸化パラジウム(PdO)を主成分と
するものであって、例えば100(Å)程度の厚さ寸法を備
えたものである。この電子放出膜46は、フォーミング
と称される通電処理が施されて局所的に破壊、変形、若
しくは変質させられることにより、Y電極42およびX
電極44間の隙間内にナノメートル・オーダの亀裂48
を有している。したがって、Y電極42とX電極44と
は、電子放出膜46が両者に重なるように設けられてい
るが、その電子放出膜46が電気的には極めて高抵抗で
あるため、実質的に接続されてはいない。なお、図1に
おいて、亀裂48は左端に位置する一つだけに示した。
【0026】また、列方向配線36および行方向配線3
8の間に設けられた前記の層間絶縁層40は、例えば30
(μm)程度の厚さ寸法を備えて、その行方向配線38に
沿って伸びる長手状を成すものである。但し、その長手
方向の一辺(行方向配線38とX電極44とが重なって
いる側の一辺)の形状は波状に形成されていることか
ら、その幅寸法は一様ではない。層間絶縁層40の相対
的に細幅の部分はX電極44に対応する位置に設けられ
ていてその行方向配線38との重なり延いては電気的接
続を許容するが、相対的に幅広の部分は列方向配線36
上に対応する位置に設けられていてその行方向配線38
との間を絶縁している。
【0027】以上のように構成されるFED10を駆動
するに際しては、メタル・バック30に例えば5(kV)程
度の一定の加速電圧を定常的に印加した状態で、例え
ば、複数本の行方向配線38に負電圧(走査電圧)を順次
に印加して走査すると共に、複数本の列方向配線36の
うちの所望のものにその走査に同期して正電圧(信号電
圧)を印加すると、列方向配線36および行方向配線3
8を介してそれぞれ電圧を印加されたY電極42および
X電極44間の大きな電圧勾配に基づいて生じる電界放
出(Field Emission)によって、それらの間に設けられた
電子放出膜46から電子が放出される。この電子は、前
面板16上に設けられた陽極24に5〜25(kV)程度の範
囲内の所定の正電圧(加速電圧)が印加されることによ
り、その陽極24に向かって飛ぶ。これにより、その陽
極24上に設けられている前記蛍光体層26に電子が衝
突させられ、蛍光体層26が発光させられる。この発光
を前面板16を通して観察したところ、蛍光体基板の電
極端子への印加電圧が5〜25(kV)の範囲では、電子線の
軌道制御不良に起因するような画像の歪みや揺れ等の品
位低下は、初期的にも経時的にも全く認められなかっ
た。
【0028】すなわち、本実施例においては、前述した
ようにブラック・マトリクス28に1012(Ω/□)程度の
僅かな導電性が与えられていることから、背面板18か
ら前面板16に向かって照射された電子がそのブラック
・マトリクス28に入射しても、その電子は、周辺電極
32および接地された取出電極34を介して速やかに除
去される。そのため、その電子によってブラック・マト
リクス28が帯電させられることが好適に防止されるこ
とから、帯電したブラック・マトリクス28の形成する
電界で電子軌道が曲げられること、すなわち軌道制御不
良が抑制されるのである。なお、本実施例においては、
列方向配線36および行方向配線38の交点毎に表示の
1ドットが形成され、3ドットに対応する行方向に並ぶ
3色の蛍光体層26毎に1画素が構成される。
【0029】なお、蛍光体層26はメタル・バック30
で覆われているが、そのメタル・バック30は極めて薄
いため、電子はそのメタル・バック30を透過して蛍光
体層26に入射して蛍光体に衝突する。また、蛍光体層
26で発生した光は、前面板16側だけでなく背面板1
8側にも向かうが、その背面板18側に向かう光はアル
ミニウム薄膜30で前面板16側に反射される。したが
って、発生した光の殆どが前面板16を透過して射出さ
れることとなるため、実質的な発光効率が高められる。
FED10は、このように前面板16側から蛍光体層2
6を透過した光を観察する所謂透過型の表示装置に構成
されている。なお、FED10には、気密容器内から排
気するための排気穴等が備えられているが、図において
は省略した。
【0030】上記のFED10は、例えば、図3に示さ
れる工程に従って製造される。図において、工程SR1
乃至SR5は背面板18の処理工程であり、工程SF1
乃至SF5は前面板16の処理工程である。背面板18
の処理工程においては、先ず、電極形成工程SR1にお
いて前記のX電極44およびY電極42を形成する。こ
の工程では、例えば、背面板18の一面14上に例えば
スパッタ法で白金(Pt)等を主成分とする電極材料を成膜
し、その全面に感光性樹脂溶液をコーティングして露光
および現像の後、ドライ・エッチングにてパターニング
して、感光性樹脂膜を剥離液で剥離する。
【0031】次いで、列方向配線形成工程SR2におい
ては、銀を主成分とする厚膜導体ペーストを厚膜スクリ
ーン印刷法で背面板18上にストライプ・パターンで塗
布し、120(℃)程度の乾燥処理および大気雰囲気中での4
80(℃)程度の焼成処理を施すことにより、前記の列方向
配線32を一部がY電極42に重なるように形成する。
これら印刷、乾燥、および焼成処理は、例えば15(μm)
程度に設定された必要な焼成後膜厚に応じて例えば2回
繰り返される。なお、上記の厚膜導体ペーストは、例え
ば、銀粉末およびガラス粉末を樹脂成分と共に溶剤に分
散させたものであり、例えば、銀粉末が75(%)程度の質
量割合で含まれている。
【0032】続く層間絶縁層形成工程SR3では、厚膜
スクリーン印刷法等を利用して厚膜絶縁体ペーストを列
方向配線32と垂直なストライプ・パターンで塗布する
ことにより、前記の層間絶縁層40を形成する。この工
程では、例えば30(μm)程度に設定された必要な焼成後
膜厚に応じて、例えば印刷乃至焼成処理が5回程度繰り
返される。なお、上記の厚膜絶縁体ペーストは、例えば
ガラス粉末を樹脂成分と共に溶剤に分散させたものであ
り、乾燥処理や焼成処理の条件は例えば列方向配線形成
工程SR3と同様である。
【0033】続いて、行方向配線形成工程SR4では、
厚膜スクリーン印刷法等を利用して厚膜導体ペーストを
絶縁層40と平行なストライプ・パターンで塗布するこ
とにより、前記の行方向配線34を形成する。この工程
では、例えば20(μm)程度に設定された必要な焼成後膜
厚に応じて、例えば印刷乃至焼成処理が3回程度繰り返
される。なお、上記の厚膜導体ペーストは、例えば列方
向配線32の形成に用いたものと同じものが用いられ
る。
【0034】電子放出膜形成工程SR5では、Y電極4
2およびX電極44間に、それらに跨るように酸化パラ
ジウムから成る前記の電子放出膜46を形成する。この
工程では、有機パラジウム・ペーストをインクジェット
印刷等によって塗布し、70(℃)程度の乾燥処理および大
気雰囲気中で400(℃)程度の焼成処理を施すことによ
り、有機パラジウムを分解および酸化して酸化パラジウ
ムとするものである。上記の有機パラジウム・ペースト
は、例えば、パラジウムの金属有機化合物を溶媒に分散
させたものが用いられる。
【0035】一方、前面板16の処理工程においては、
先ず、陽極形成工程SF1において、一面12にITO
から成る前記の陽極24をスパッタ等の薄膜法によって
形成した後、周辺電極形成工程SF2において、前記の
周辺電極32および取出電極34を形成する。この工程
では、例えば、厚膜スクリーン印刷法等を用いて銀粉末
を導体成分として含む厚膜導体ペーストを所定パターン
で塗布し、120(℃)程度の温度で10分間程度の乾燥処理
および450(℃)程度の温度で10分間程度の焼成処理を施
すことにより、周辺電極32および取出電極34が順次
に或いは同時に形成される。上記の厚膜導体ペースト
は、銀粉末80(%)程度、ガラス粉末10(%)程度、樹脂5(%)
程度、有機溶剤5(%)程度を混練したものである。銀粉末
は例えば粒径0.2(μm)程度のフレーク状のものが用いら
れ、ガラス粉末は粒径0.4(μm)程度で軟化点が400(℃)
程度のZn-Pb系ガラスが用いられる。また、樹脂は例え
ば粘度測定法による重合度が100程度のエチルセルロー
スが用いられ、有機溶剤は例えばターピネオールが用い
られる。
【0036】次いで、ブラック・マトリクス形成工程S
F3においては、前面板16の一面12上に例えば厚膜
スクリーン印刷法等を用いて黒色顔料粉末を含む厚膜ペ
ーストを印刷し、例えば120(℃)程度の温度で10分間程
度の乾燥処理および450(℃)程度の温度で10分間程度の
焼成処理を施すことにより、前記のブラック・マトリク
ス28を形成する。この工程では、例えばガラス粉末50
(%)程度、導電性酸化物粉末5〜15(%)程度、樹脂15(%)程
度、有機溶剤33(%)程度から成る厚膜ペーストが用いら
れる。ガラス粉末は、例えば軟化点が400(℃)程度、平
均粒径が0.2(μm)程度のSi-B-Pb系ガラスであり、導電
性酸化物は例えば平均粒径が0.05(μm)程度の酸化ルテ
ニウムである。この酸化ルテニウムの結晶構造は、例え
ばルチル構造になっている。また、樹脂は例えばエチル
セルロースやアクリル樹脂等であり、有機溶剤は例えば
ブチルカルビトールアセテート(BCA)やターピネオール
等が用いられる。
【0037】続く蛍光体層形成工程SF4においては、
上記ブラック・マトリクス28の格子(開口)内に、RG
B3色に対応する3種の蛍光体ペーストを色毎に定めら
れた所定位置に厚膜スクリーン印刷法等によって塗布
し、例えば450(℃)程度の温度で焼成処理を施すことに
より、前記の蛍光体層26を設ける。蛍光体ペースト
は、例えば蛍光体粉末75(%)程度、エチルセルロース等
のセルロース樹脂20(%)程度、およびターピネオール等
の有機溶剤5(%)程度を混合したものが用いられる。
【0038】蛍光体層26を形成した後のメタル・バッ
ク形成工程SF5では、その蛍光体層26およびブラッ
ク・マトリクス28の全面を覆って、例えば、アルミニ
ウム薄膜から成るメタル・バック30を設ける。この工
程は、例えば、ウェッティング工程、フィルミング工
程、蒸着工程、および焼成工程から成る。ウェッティン
グ工程では、例えばスピン・コーティング法を用いて、
例えば純水を全面に塗布した前面板16を250(rpm)程度
にて30秒間程度回転させ、その全面を純水で略均一に濡
らす。フィルミング工程では、一面12上が濡れている
うちに同様にしてフィルミング溶液をその全面に塗布す
る。回転速度は200(rpm)程度で時間は60秒間程度とし
た。なお、フィルミング溶液は、例えばアクリル樹脂の
前駆体をトルエン等の溶剤に溶解して1×10-4(Pa・s)程
度の粘度に調製したものである。これを例えば60(℃)程
度の温度で120分間程度保持して乾燥することにより、
アクリル樹脂等から成るフィルミング膜を形成した。蒸
着工程では、真空容器内で圧力10-4(Pa)程度、成膜速度
0.6(nm/sec)にて純度が99.999(%)のアルミニウムを用い
て100〜200(nm)程度の厚さでアルミニウム薄膜を成膜す
る。そして、焼成工程において、加熱処理を施してその
フィルミング膜を分解除去することにより、メタル・バ
ック30が蛍光体層26およびブラック・マトリクス2
8上に形成される。なお、焼成条件は、フィルミング膜
の分解温度等に応じて定められるものであるが、例えば
昇降温速度を5(℃/min)として430(℃)程度で30分間程度
保持するものとした。
【0039】図3に戻って、接合工程S6においては、
上記のようにしてそれぞれ処理した背面板18および前
面板16を、別途用意したスペーサ22を介して一面1
2、14が向かい合うように積み重ね、加熱処理を施す
ことにより、例えばスペーサ22の上下端面等に予め塗
布された鉛ガラスから成る図示しないシール・ガラス等
の封着剤で気密に接合すると共に、図示しない排気穴に
排気管を取り付ける。なお、加熱処理温度はその封着剤
の種類等に応じて定められるが、例えば470〜500(℃)程
度である。また、フォーミング工程S7において、排気
管から排気しつつ、列方向配線32および行方向配線3
4間に電圧を印加して電子放出膜46のフォーミングす
なわち前記亀裂48を生成する。フォーミング条件は、
例えば、昇降圧10秒間程度、最大振幅電圧±5(V)程度の
三角波を断続的に10パルス印加するものとした。
【0040】そして、排気工程S8において、前記排気
管から真空排気を行いつつその排気管を溶断し、図示し
ないゲッタの加熱処理を行って真空管を構成し、更に、
列方向配線32および行方向配線34にそれぞれ外部配
線を接続すると共に、駆動回路基板を接続することによ
り、前記図1に示されるFED10が得られる。
【0041】ここで、前記のブラック・マトリクス形成
工程SF3において、使用する厚膜ガラス・ペーストの
組成を種々変更して前記のブラック・マトリクス28の
構成を変更し、その特性を評価した結果を説明する。下
記の表1は、導電性材料としてRuO2またはその複酸化物
を用いた評価試料のペースト組成およびそのペーストを
用いて作成したブラック・マトリクスの特性を示したも
のであり、組成比は全て質量百分率である。下記の表1
において、「顔料」欄は黒色顔料すなわち導電性酸化物
粉末の種類および量であり、番号1〜4はルチル型結晶
構造のRuO2を、番号5〜12はその複酸化物であるパイ
ロクロア型結晶構造のBi2Ru2O7或いはPb 2Ru2O7を用いて
いる。また、「樹脂」「溶剤」欄にはそれぞれ樹脂およ
び有機溶剤の量を示した。「反射率」「透過率」「抵抗
率」「TCR」欄はそれぞれブラック・マトリクス28の
可視光反射率、可視光透過率、面積抵抗率、TCR(抵抗温
度係数)の測定結果である。なお、反射率および透過率
は、波長0.3〜0.9(nm)の範囲で測定を行い、抵抗率は室
温23(℃)、相対湿度55(%)、即低電圧500(V)の条件下で
測定した。また、TCRは、室温〜200(℃)の範囲内で測定
した。
【0042】 [表1] ガラス 顔料 樹脂 溶剤 反射率 透過率 抵抗率 TCR番号 (%) 材質 (%) (%) (%) (%) (%) (Ω/□) (ppm) 1 50 RuO2 2 15 33 ≦5 ≦13 1012 +20 2 50 RuO2 5 15 30 ≦4 ≦9 108 +60 3 50 RuO2 10 10 30 ≦2 ≦6 106 +150 4 50 RuO2 15 10 25 ≦2 ≦3 104 +220 5 50 Bi2Ru2O7 2 15 33 ≦4 ≦11 1014 −50 6 50 Bi2Ru2O7 5 15 30 ≦4 ≦8 1010 −30 7 50 Bi2Ru2O7 10 10 30 ≦3 ≦5 109 0 8 50 Bi2Ru2O7 15 10 25 ≦3 ≦2 107 +10 9 50 Pb2Ru2O7 2 15 33 ≦5 ≦11 1014 −150 10 50 Pb2Ru2O7 5 15 30 ≦5 ≦9 1012 −120 11 50 Pb2Ru2O7 10 10 30 ≦4 ≦6 1010 −6012 50 Pb2Ru2O7 15 10 25 ≦4 ≦2 107 −10
【0043】また、下記の表2は、上記表1の各番号の
ペーストを用いて作成したブラック・マトリクスのそれ
ぞれについて、FED10を構成した場合の画像の歪み
を評価したものである。表2において、「◎」は画像の
歪みや揺れが全くないことを、「○」は初期的には見ら
れないが連続駆動によって僅かに見られることを、
「△」は初期的には見られないが連続駆動によって歪み
等が見られることを、「×」は初期的に歪み等が見られ
ることをそれぞれ表す。この評価は、前面板16上の陽
極24に5〜25(kV)の範囲内の加速電圧を印加し、図示
しない駆動回路基板の画像信号入力端子に画像信号を入
力してFED10で画像を表示させ、表示された画像の
歪みや揺れを観察することにより行った。画像の歪みや
揺れは、前述したようにブラック・マトリクス28の帯
電に起因するものであり、それらの不具合がないことは
ブラック・マトリクス28の耐電が十分に小さいことを
意味する。一般に、FED10においては、陽極24に
印加する加速電圧が25(kV)以下の範囲で画像品質が保た
れることを要求されるため、表2において△および×評
価のものは許容できない。また、○のものも高い品質が
要求される場合には許されないものである。
【0044】
【0045】上記表1、表2に示した結果より、顔料に
RuO2を用いる場合には、1〜4に示すように2(%)以上
(ガラス粉末に対する割合で4(%)以上)の添加量で面積抵
抗率を1012(Ω/□)以下に低くして十分な効果を得るこ
とができる。但し、高品質が要求される場合には、5(%)
以上(ガラス粉末に対する割合で10(%)以上)の添加量と
することが望ましい。一方、RuO2の複酸化物を用いる場
合には、5(%)(ガラス粉末に対する割合で10(%)以上)以
上の添加量とすることで面積抵抗率を1012(Ω/□)以下
に低くして十分な効果が得られることが判る。また、可
視光反射率や透過率は顔料が多くなるほど低くなるの
で、面積抵抗率が低く成り過ぎない範囲内で添加量を多
くすることが望ましいと言える。望ましい面積抵抗率の
範囲は、100(Ω/□)以上、例えば100〜106(Ω/□)程度
であり、RuO2が用いられるときは、10〜20(%)程度の範
囲内、RuO2の複酸化物が用いられるときには15〜25(%)
程度の範囲内の添加量とすることが特に好ましいと言え
る。
【0046】なお、表1に示すように、顔料の種類やそ
の添加量が変化するとそれに伴ってTCRも変化する。そ
のため、RuO2およびその複酸化物の何れを選択するか
や、その添加量をどれだけに設定するかについては、TC
Rも考慮して定めることが好ましいと言える。
【0047】要するに、本実施例によれば、ブラック・
マトリクス28には、黒色顔料として、耐熱性が高く且
つ加熱しても色調の変化が無く、しかもスピネル型や逆
スピネル型の複酸化物に比較して導電性が高いルテニウ
ム酸化物が含まれることから、耐熱性が十分に高く、可
視光の反射率や透過率が十分に低く、且つ帯電し難いブ
ラック・マトリクス28が得られる。
【0048】しかも、本実施例においては、ブラック・
マトリクス28の面積抵抗率が1012(Ω/□)以下である
ことから、電子が流れるために十分な導電性がブラック
・マトリクス28に与えられる。そのため、その帯電延
いては画質低下が一層抑制される。
【0049】表3および表5は、導電性顔料として更に
他の酸化物材料を用いる場合のペースト組成およびブラ
ック・マトリクスの特性評価結果を示したものである。
なお、顔料A、B、Cの組成(質量百分率)を下記の表4
に示す。この顔料は、表に示す各原料を粉砕および混合
して、900〜1400(℃)程度の温度で焼結させた後、平均
粒径0.1(μm)程度の微粉末に粉砕して用いた。表3およ
び表5において、評価方法や各項目の意味は表1、表2
と同様である。
【0050】 [表3] ガラス 顔料 樹脂 溶剤 反射率 透過率 抵抗率番号 (%) 材質 (%) (%) (%) (%) (%) (Ω/□) 13 50 A 5 15 30 ≦4 ≦11 1014 14 50 A 10 10 30 ≦4 ≦7 1012 15 50 A 15 10 25 ≦3 ≦4 1011 16 50 A 20 5 25 ≦2 ≦3 1010 17 50 B 5 15 30 ≦3 ≦5 1014 18 50 B 10 10 30 ≦3 ≦4 1012 19 50 B 15 10 25 ≦3 ≦2 1010 20 50 B 20 5 25 ≦2 ≦1 109 21 50 C 5 15 30 ≦4 ≦9 1014 22 50 C 10 10 30 ≦4 ≦7 1012 23 50 C 15 10 25 ≦2 ≦3 1011 24 50 C 20 5 25 ≦2 ≦1 1011
【0051】[表4]顔料 Fe2O3 Co3O4 CrO2 MnO2 CuO NiO A 35 30 10 15 0 10 B 25 35 35 0 5 0C 30 10 40 5 0 15
【0052】[表5]番号 5 10 15 20 25(kV) 13 × × × × × 14 ◎ ◎ ○ ○ ○ 15 ◎ ◎ ◎ ○ ○ 16 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 17 △ × × × × 18 ◎ ◎ ◎ ○ ○ 19 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 20 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 21 △ × × × × 22 ◎ ○ ○ ○ ○ 23 ◎ ◎ ◎ ◎ ○24 ◎ ◎ ◎ ◎ ○
【0053】上記の表3〜表5の結果から、酸化ルテニ
ウム系以外の複酸化物を顔料として用いる場合にも、添
加量を適当に選ぶことによって、ブラック・マトリクス
28の面積抵抗率を適度に低下させ、その帯電を好適に
抑制できることが明らかとなった。例えば、組成Aの顔
料を用いる場合には、10(%)以上(ガラス粉末に対する割
合で20(%)以上)、好適には20(%)以上(ガラス粉末に対す
る割合で40(%)以上)の質量割合で添加すれば適度な導電
性がブラック・マトリクス28に付与され、表示品位が
高められる。また、組成Bの顔料を用いる場合には、10
(%)以上(ガラス粉末に対する割合で20(%)以上)、好適に
は15(%)以上(ガラス粉末に対する割合で30(%)以上)の質
量割合で添加することで十分な効果が得られる。また、
組成Cの顔料を用いる場合には、10(%)以上(ガラス粉末
に対する割合で20(%)以上)の質量割合で添加することで
十分な効果が得られる。但し、組成Cの場合には、20
(%)添加した場合にも25(kV)の加速電圧の連続的な印加
で僅かに表示品位の低下が見られることから、高い表示
品位が要求される場合には添加量を一層多くする必要が
あるものと考えられる。
【0054】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は、更に別の態様でも実施で
きる。
【0055】例えば、実施例においては、画像表示装置
であるFED10に備えられるブラック・マトリクス2
8を形成するためのブラック・マトリクス材料に本発明
が適用された場合について説明したが、電子で励起発光
させられる蛍光体層が備えられる表示面にブラック・マ
トリクス(ブラック・マスク)が備えられる表示装置であ
れば、CRT等にも本発明が同様に適用される。
【0056】また、実施例においては、ブラック・マト
リクス28が蛍光体層26に対応する位置に開口を備え
た(対応する位置を抜いた)格子状穴明きパターンで設け
られていたが、その形状は、蛍光体層の配設形状に応じ
て定められるものであり、本発明は、その形状に拘わら
ず適用できる。例えば、蛍光体層がストライプ・パター
ンで設けられる場合には、それを反転したストライプ・
パターンで、デルタ配列パターンで設けられる場合には
その位置に開口を備えた穴明きパターン等で設けられ
る。
【0057】また、ブラック・マトリクスを構成する黒
色顔料は、ルテニウム酸化物系材料が用いられる場合に
おいては、そのブラック・マトリクスの面積抵抗率やTC
Rを調節し或いは静電破壊に対する耐性を向上させる等
の目的で、銀(Ag)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)等の
金属元素や、ビスマス(Bi)、ニオブ(Nb)、バナジウム
(V)、コバルト(Co)、クロム(Cr)等の酸化物を添加した
ものであっても良い。また、鉄、コバルト、クロム、マ
ンガン、銅、ニッケルのうちから選択した二種以上の酸
化物から成る複酸化物が用いられる場合においては、前
記のA、B、C三種類の組成のものに限られず、面積抵
抗率や可視光反射率等を調節する目的で、前記の構成元
素の割合を少なくとも2つ以上の元素が含まれる範囲で
変更した適宜の組成のものが用いられ得る。
【0058】また、実施例においては、ブラック・マト
リクス28に入射した電子の流通経路が周辺電極32お
よび取出電極34によって形成されていたが、加速電圧
が印加されている陽極24上の蛍光体層26を介した流
通経路だけで帯電を十分に抑制できる場合には、周辺電
極32や取出電極34は必ずしも設けられなくとも良
い。
【0059】また、厚膜スクリーン印刷のためにブラッ
ク・マトリクスの構成材料に混合される樹脂や有機溶剤
は、実施例で示したエチルセルロースやアクリル樹脂
等、或いはBCAやターピネオール等の他に、要求される
印刷特性や焼成条件等に応じて適宜のものが用いられ
る。例えば、樹脂としてはアクリロニトリル、アクリル
アミド、アクリル酸や、メタクリル酸等が、溶剤として
は、ジエチレングリコールモノブチルエーテルやグリセ
リン等が用いられても良い。
【0060】また、実施例においては、0.1〜0.2(μm)
程度の平均粒径の黒色顔料が用いられていたが、これら
の粒径のものに限られず、ブラック・マトリクス28の
黒色度(可視光透過率、反射率)、面積抵抗率或いはTCR
等の要求特性や、工程管理の都合等に応じて、適宜の平
均粒径のものを用いることができる。
【0061】その他、一々例示はしないが、本発明はそ
の主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のブラック・マトリクスが適
用されたFEDの構成を一部を切り欠いて示す斜視図で
ある。
【図2】図1のFEDの前面板の断面を拡大して示す図
である。
【図3】図1のFEDの前面板の内面全体を模式的に示
す図である。
【図4】図3におけるA部を拡大して説明する図であ
る。
【図5】図1のFEDの製造工程を説明する工程図であ
る。
【符号の説明】
16:前面板 26:蛍光体層 28:ブラック・マトリクス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細見 和徳 福岡県朝倉郡夜須町大字三並字八ツ並2160 番地 ノリタケ電子工業株式会社夜須工場 内 (72)発明者 森 信輔 福岡県朝倉郡夜須町大字三並字八ツ並2160 番地 ノリタケ電子工業株式会社夜須工場 内 Fターム(参考) 2H042 AA09 AA15 AA27 5C036 CC14 EE04 EE09 EE11 EF01 EF06 EF09 EG24 EG36 EH09 EH11 EH21

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子で励起発光させられる複数個の蛍光
    体層が備えられる表示面に設けられたブラック・マトリ
    クスであって、 ルテニウム(Ru)の酸化物を含むことを特徴とするブラッ
    ク・マトリクス。
  2. 【請求項2】 面積抵抗率が1012(Ω/□)以下である請
    求項1のブラック・マトリクス。
  3. 【請求項3】 電子で励起発光させられる複数個の蛍光
    体層が備えられる表示面に設けられたブラック・マトリ
    クスであって、 鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、マ
    ンガン(Mn)のうち少なくとも二種の酸化物を主成分とす
    る複酸化物を含み、面積抵抗率が1012(Ω/□)以下であ
    ることを特徴とするブラック・マトリクス。
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