JP2002339326A - 立体状標識、反射性カバー、および立体状標識の製造方法 - Google Patents

立体状標識、反射性カバー、および立体状標識の製造方法

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JP2002339326A
JP2002339326A JP2001141479A JP2001141479A JP2002339326A JP 2002339326 A JP2002339326 A JP 2002339326A JP 2001141479 A JP2001141479 A JP 2001141479A JP 2001141479 A JP2001141479 A JP 2001141479A JP 2002339326 A JP2002339326 A JP 2002339326A
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Naoki Nakayama
直樹 中山
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YAMAGATA 3M Ltd
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YAMAGATA 3M Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コアに固定された反射性カバーにおける経時
での皺及び剥がれの発生を効果的に防止でき、経時での
耐久性に優れ、製造が容易である立体状標識とその製造
方法、及び反射性カバーを提供する。 【解決手段】 所定の高さ41と、その高さ方向を囲む
周方向に沿って滑らかにカーブした周面11を有する立
体状コア1と、コア1の周面11に大略沿って配置さ
れ、可撓性シートを含んでなる基材21と、基材21の
表面に固定された反射層22とを有する反射性カバー2
と、コア1の周面11の一部分に配置され、コア1と反
射性カバー2とを接合した接合部材3とを備えている立
体状標識100である。接合部材3は、周面11の周方
向において互いに離されて配置された第1接合層31と
第2接合層32とを含んでなり、それらの第1接合層3
1と第2接合層32はともにコア1に接着した接着層を
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、トラフィック・
コーン(単にコーンとも呼ばれる。)やクッションドラ
ム等の、道路や工事現場等の設置場所に配置して使用さ
れる立体状標識の改良に関する。本発明の立体状標識
は、滑らかにカーブした周面を有する立体状コアと、そ
のコアの周面に接着層を使用して、コア周面に対して部
分的に接合された反射性カバーを備えている。
【0002】
【従来の技術】 近年、道路用や工事用等の立体状標識
において、その表面に固定して使用される反射シート
(再帰性反射シート等)は、PET(ポリエチレンテレ
フタレート)など、物理的強度(対引掻き強度等)が比
較的高いポリマーフィルムを、表面素材(被覆フィルム
またはトップフィルム)として有するものが使用される
様になってきた。
【0003】 一方、コーンは、衝突した車両などに影
響を与えない様に、比較的柔軟な、ポリエチレンや軟質
塩化ビニル等から形成されている。したがって、その柔
軟性に追従するように、軟質塩化ビニル等の軟質材料か
らなる表面素材を有する反射シートを使用し、反射コー
ンを形成している。この様な反射コーンは、通常、反射
シート裏面のほぼ全面に設けられた接着層を介して、反
射シート全面をコーン周面に接着して製造されている。
【0004】 ところが、軟質の表面素材は、引掻き等
の外力が加わった際に破れてしまうこともあり、コーン
の周面(円錐の側面)を被覆する反射シートとしてはあ
まり好ましくなかった。
【0005】 そこで、ポリエチレン等から形成された
コーン周面に、前述の様な高物理的強度の表面素材を有
する反射シートを貼りつけることが検討されて来た。と
ころが、コーンを構成するポリエチレン等の軟質樹脂
と、PETの様な高物理的強度フィルムとは、熱膨張率
が比較的大きく異なる。したがって、反射コーンの使用
中経時で、コーン及び反射シートの膨張、収縮が繰り返
して起こった場合、これらの間に比較的大きな剪断力が
生じ、皺が生じたり、貼りつけた反射シートがコーンか
ら剥がれる現象(ポップオフ等)が発生していた。
【0006】 この様な皺や剥がれを防止するために、
実用新案登録第3037306号公報に開示されている
様に、反射シートの裏面全面に接着層を設けるのでは無
くて、特定の一部の場所にのみ接着層を設けることが試
みられている。この公報には、反射シートから形成した
反射性のコーンカバーの鉛直方向最下端部と、コーン下
端部とを、1〜2cm幅の部分のみ、コーン周面の周方
向に沿って連続して接着することが開示されている。こ
れにより、コーンとコーンカバーとを強固に接着し、カ
バー下端部の剥がれ及び皺発生の防止を企図している。
【0007】 上記公報に開示の反射性のコーンカバー
(反射性カバー)は、次の様にして製造されている。ま
ず、綿もしくは合成繊維素材の布地を基材とし、基材表
面に反射層を設けた反射シートを、コーン周面(円錐の
側面)の展開図形とほぼ同じ形状及び大きさの扇形、ま
たはその様な扇形の中心(先細った根元)部分を一部切
り欠いた扇形の形に裁断加工する。加工された反射シー
トの両側縁を15mm程度重ね合わせ、縫製または接着
剤による接合で、コーン周面の立体形状にフィットする
円錐状、または円錐台状の外形を有するカバーを製造す
る。
【0008】 この様にして形成した反射性カバーをコ
ーンにかぶせ、コーン本体(コア)下端部に1〜2cm
幅で周方向に沿った円周上に接着剤を塗布し、かつ反射
性カバー最下端部の1〜2cm幅にも接着剤を塗布した
後、接着(一体化)することで、カバーとコーンとを互
いに強固に接合する。すなわち、全面接着とは異なり、
経時でのカバーの皺や剥がれは比較的発生しにくい。な
お、この公報では、反射性カバーをコーン本体から取り
外して、コーン本体を再利用することについては考慮さ
れていない。
【0009】 一方、耐久性の高い比較的高価なコーン
において、そのコーンを再利用できる様にするために、
コーンカバーを接着しないで、着脱自在に覆う方法も採
用されている。たとえば、特開平11−256530号
公報には、コーンカバーを、帯状部材やゴム紐などでコ
ーン本体へ取り付け、運搬の際のカバー脱離を効果的に
防止できることが開示されている。しかしながら、この
様な構成では、コーンカバーを固定する帯状部材やゴム
紐を、コーンの台座部分の下を通して、カバーをコーン
本体に取り付けているので、使用時の擦れによって帯状
部材やゴムが切れ、カバーがコーン本体から脱離するこ
とが懸念される。したがって、カバー付きコーンとして
は、経時での耐久性は不十分であった。
【0010】 実用新案登録第3017855号公報に
は、コーン台座部に、コーンカバーを固定する止め具を
配置し、その止め具によりコーンカバーを固定すること
が提案されている。この様な構成では、止め具が使用中
に破損することはほとんど無い。しかしながら、コーン
本体及びカバーの両方に止め具を備える必要があるの
で、複雑な構造となり、コーン本体、コーンカバー、及
びそれらが一体となった立体状標識を製造することは容
易ではなかった。また、破損しにくい止め具を用いる
と、コーンカバーのコストが高くなる傾向がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】 前述の様に、コーン
本体であるコアの周面において、反射シートを部分的に
接着することにより、経時での皺や剥がれの発生を防止
できる。ところが、前述の公報に開示の構成では、周方
向に沿って配置した接着層を介してカバーとコアとを接
合した場合、反射シートの接合された部分が周方向に沿
って連続する。したがって、比較的大きな幅の接着層を
使用した場合、この連続した接合部分において皺が発生
することが分った。一方、皺発生を防止するために比較
的小さな幅の接着層を用いた場合、今度はカバーの剥が
れが生じるおそれがあった。したがって、接着層の塗布
幅の精密な制御が必要となり、反射カバー付きコーン、
すなわち立体状標識としての製造は容易とは言えなかっ
た。
【0012】 したがって、本発明の目的は、コアに固
定された反射性カバーにおける経時での皺及び剥がれの
発生を効果的に防止でき、経時での耐久性に優れ、しか
も製造が容易である立体状標識とその製造方法を提供す
ることにある。また、本発明の他の目的は、上記した立
体状標識に好適に用いることができる反射性カバーを提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】 本発明によれば、所定
の高さと、その高さ方向を囲む周方向に沿って滑らかに
カーブした周面を有する立体状コアと、前記コアの周面
に大略沿って配置され、可撓性シートを含んでなる基材
と、前記基材の表面に固定された反射層とを有する反射
性カバーと、前記コアの周面の一部分に配置され、前記
コアと前記反射性カバーとを接合した接合部材とを備え
ている立体状標識において、前記接合部材は、前記周面
の周方向において互いに離されて配置された第1接合層
と第2接合層とを含んでなり、それらの第1接合層と第
2接合層はともに前記コアに接着した接着層を有するこ
とを特徴とする立体状標識が提供される。
【0014】 本発明においては、可撓性シートが厚さ
30〜300μmのポリマーフィルムであることが好ま
しく、また、第1接合層及び第2接合層の少なくともい
ずれか一方は、立体状コアの高さ方向下側に位置する基
材の下端と、その下端と対向する基材の上端とを結ぶ線
に沿って連続して配置されていることが好ましい。さら
に、本発明においては、立体状コアの高さ方向と直交す
る水平断面形状が略円形または略楕円形であり、第1接
合層と第2接合層とは、水平断面形状の直径を挟んで互
いに対向するように配置していることが好ましい。
【0015】 また、本発明によれば、上記した立体状
標識を形成するための反射性カバーであって、(A)可
撓性シートを含んでなり、前記立体状コアの周面に大略
沿って巻きつけた状態における周方向の一端と、その一
端と対向する他端とを備えた基材と、(B)前記基材の
表面に固定された反射層と、(C)前記基材の裏面に固
定的に配置され、互いに離されて配置された第1接合層
と第2接合層とを有し、前記第1接合層は第1接着層を
含むとともに、前記第2接合層は第2接着層を含む接合
部材と、を含んでなり、前記第1接合層は、前記基材の
周方向の一端及び他端の両方から離れた位置に配置さ
れ、前記第2接合層は、前記基材の周方向の一端の縁に
沿って配置され、かつ前記第1接合層は、前記立体状コ
アの周面に前記第1接着層を介して接着され、前記第2
接着層の接着面は、その一部分において前記基材の周方
向の他端近傍を含む前記反射性カバーの他端部分に接着
し、他の部分において前記立体状コアの周面に接着され
ることを特徴とする反射性カバー、が提供される。
【0016】 さらに本発明によれば、上記した立体状
標識を製造する方法であって、(I)前記立体状コア
と、(II−A)可撓性シートを含んでなり、前記立体状
コアの周面に大略沿って巻きつけた状態における周方向
の一端と、その一端と対向する他端とを備えた基材と、
(II−B)前記基材の表面に固定された反射層とを含ん
でなる反射性カバーと、(III)第1接着層を有する第
1接合層と、第2接着層を有する第2接合層とを含んで
なる接合部材とを用意し、前記第1接着層を介して、前
記基材の周方向の一端及び他端の両方から離れた位置に
ある接合部位において、前記基材の一部を前記コアの周
面に接着した後、前記反射性カバーを前記コアの周面に
大略沿って巻きつけて、前記第2接着層を介して前記基
材の周方向の一端部分を前記コアの周面に接着し、かつ
前記基材の周方向の一端近傍を含む前記反射性カバーの
一端部分と前記基材の他端近傍を含む前記反射性カバー
の他端部分とを重ね合わせた状態で互いに固定すること
を特徴とする立体状標識の製造方法が提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】 本発明の立体状標識では、反射
性カバーは、コアの周面の一部分に固定的に配置され、
接着層を含んでなる接合部材を介して接合され、その接
合部材は、前記コアの周面の周方向において互いに離さ
れて配置された第1接合層と第2接合層とを含んでな
る。したがって、反射性カバーの接合部分は周方向に沿
っては連続せず、周方向に沿って非接合部分が介在す
る。これにより、比較的大きな幅の接着層を使用した場
合でも、コアに接合された反射性カバーにおいて、経時
で皺及び剥がれが発生することを効果的に防止でき、経
時での耐久性に優れる。この様な作用の機構は明らかで
ないが、非接合部分が、コア及び反射性カバーの膨張、
収縮の際の緩衝部として有効に機能するためと考えてい
る。
【0018】 また、第1接合層及び第2接合層は、そ
れぞれ第1接着層及び第2接着層を有する。したがっ
て、反射性カバーを、前記2つの接着層を介してコアに
接着するだけで立体状標識を完成できるので、立体状標
識の製造も容易である。
【0019】 反射性カバーが、反射層と可撓性シート
からなる基材とを含んでなることは、立体状標識の製造
を容易としながら、反射性カバーの皺の発生を抑制する
様に作用する。すなわち、前記第2接合層を前記コアの
周面に前記第2接着層を介して接着させた後、反射性カ
バーを前記コアの周面に大略沿って巻きつける場合に、
反射性カバー全体が撓みやすく、巻きつけ作業が容易と
なる。また、反射性カバーとコアとの間で比較的大きな
剪断力が生じた場合でも、これに抗して皺の発生や剥が
れを効果的に防止できる。この様な観点から、前記可撓
性シートは、厚さが30〜300μmのポリマーフィル
ムであるのが好ましい。可撓性シートの厚さが厚すぎる
と、反射性カバーが撓みにくくなり、巻きつけ作業が困
難になるおそれがある。反対に、可撓性シートの厚さが
薄すぎると、反射性カバーとコアとの間で生じた剪断力
によって皺が発生するおそれがある。
【0020】(立体状標識)本発明に係る立体状標識の
好適な一例について、図1〜3に沿って説明する。立体
状標識(100)は、図1(a)(b)(c)に示される様に、
立体状コア(1)と、コア(1)の周面(11)に沿っ
て配置され、接合部材(3)によってコアの周面(1
1)に接合された反射性カバー(2)とを備えている。
【0021】 コアの周面(11)は、所定の高さ(4
1)を有し、その高さ(41)方向を囲む周方向(4
2)に沿って滑らかにカーブしている。図示の例では、
コア(1)が円錐形状の外形を有するので、周面(1
1)は、周方向(42)に沿って連続してカーブしてい
る。また、コア(1)が円錐台形状、またはクッション
ドラムの様な円柱状の外形を有する場合も同様に、コア
(1)の周面(11)は、周方向(42)に沿って連続
してカーブする。クッションドラムの場合、高さ(4
1)方向と直交する水平断面形状として、各頂点が丸み
を帯びた擬似多角形である、いわゆる角型クッションド
ラムがある。この場合、各頂点に相当する周面(11)
が周方向(42)に沿って滑らかにカーブし、各辺に相
当する周面(11)が大略平坦な面であれば、上記立体
状コアとして使用可能である。
【0022】 図示の例では、コア(1)は、コーン本
体であり、比較的柔軟な、ポリエチレンや軟質塩化ビニ
ル等から形成されている従来品が使用できる。コーン本
体は、図示の様に、道路や工事現場等の設置面に安定的
に設置するために、通常、円錐形部分の高さ方向最下部
に台座部(12)を備えている。図示のコーン本体は、
円錐形状の空洞を内部に有している。
【0023】 反射性カバー(2)は、コア(1)に接
合が完了した状態で、表面に反射層(22)を有する筒
状体である。すなわち、反射性カバー(2)は、コアの
周面(11)に沿って配置され、可撓性シートを含んで
なる基材(21)と、基材(21)の表面に固定された
反射層(22)とを有する。
【0024】 図示の例では、基材(21)と反射層
(22)とを接着剤を介して積層してなる反射積層体か
ら、次の様にして筒状の反射性カバーを形成している。
すなわち、図1(b)に示すように、まず、上記反射積層
体から、コアの周面(11)、すなわち円錐の側面の展
開図形とほぼ同じ形状で、少し長い寸法の円弧部分を有
する扇形の、中心(先細った根元)部分を一部切り欠い
た扇形に裁断加工し、展開形の反射性カバー(2)を形
成する。この展開形の反射性カバー(2)をコア(1)
の周面(11)に大略沿って巻きつけ、筒状の反射性カ
バー(2)を形成する。なお、上記の様にして裁断加工
された反射性カバー(2)は、コア(1)の周面(1
1)に大略沿って巻きつけた状態における周方向(4
2)の一端(211)と、その一端(211)と対向す
る他端(212)とを備えた基材(21)と、その基材
(21)と同一平面形状、同一平面寸法を有する反射層
(22)とを備えている。
【0025】 反射性カバー(2)は、コア(1)の周
面(11)のほぼ全体を被覆する様にしても良いが、通
常は、図1(c)に示す様に、コア(1)の高さ(41)
方向の頂上部分を除く一部分を被覆する様な形状及び寸
法を持つ様に形成する。コア周面(11)全体の面積に
対する反射性カバー(2)の被覆割合は、通常20〜9
0面積%、好適には25〜80面積%である。
【0026】 図1(b)(c)の例では、展開形の反射性カ
バー(2)をコア周面(11)に大略沿って巻きつけ、
コア(1)に部分的に接合するが、この時、図1(a)(b)
(c)に示す様に、巻きつけ方向〔コア周面(11)の周
方向(42)〕の基材(21)の一端(211)近傍を
含む反射性カバー(2)の一端部分と、基材(21)の
他端(212)近傍を含む反射性カバー(2)の他端部
分とを重ね合わせた状態で互いに固定する。図1(c)に
示す例では、他端部分の上に一端部分が重なった状態で
互いに固定されている。
【0027】 接合部材(3)は、コア周面(11)の
周方向(42)において互いに離されて配置された、第
1接合層(31)と第2接合層(32)とを含んでな
る。それらの第1接合層(31)と第2接合層(32)
はともにコア(1)、すなわちコア(1)の周面(1
1)に接着した接着層を有する。図1(b)に示す例で
は、接合部材(3)、すなわち、第1接合層(31)と
第2接合層(32)は、反射性カバー(2)の基材(2
1)の裏面(210)に予め固定されており、反射性カ
バー(2)をコア(1)に接合した時に、各接着層を介
してコア周面(11)に接着される。接合部材(接合
層)(3)を基材裏面(210)へ固定するには、通
常、接着剤を介して行う。この様な接着剤は、貼り付け
作業が容易な点から、粘着性ポリマーを含有する接着剤
が良い。
【0028】 また、各接合層(31、32)のコア周
面(11)と接する側には接着層が配置され、それらの
接着層の表面がそれぞれ接着面(311、321)を形
成する。これらの接着層も、貼り付け作業が容易な点か
ら、粘着性ポリマーを含有する接着剤から形成するのが
好ましい。
【0029】 各接合層(31、32)の構成材料は、
コア周面(11)に接着する接着層を含む限り特に限定
されない。しかしながら、図1(b)に示す様に基材裏面
(210)に予め固定しておく場合、各接合層(31、
32)を、両面接着テープ(両面テープとも呼ばれ
る。)、フィルム状接着剤(フィルム接着剤とも呼ばれ
る。)、または接着層付き面ファスナーから形成するの
が好ましい。
【0030】 両面接着テープは、支持体と、その支持
体の表裏両面に接着層を備えたものである。支持体は、
通常、ポリマーフィルム、フォーム状フィルム、不織布
等が使用できる。フィルム状接着剤は、通常、支持体を
持たず、自立性を有する接着層だけからなるものであ
る。この様な自立性の接着層として、たとえば、架橋し
た粘着性ポリマーと、結晶性ポリマーとを含有する接着
層が利用できる。フィルム状接着剤は、通常、ライナー
と積層された状態で使用され、フィルム状接着剤の片方
の接着面を基材に接着し、ライナー付き接合層を形成
し、コアに巻きつける際にライナーを除去し、もう片方
の接着面を露出させ、その接着面をコア周面(11)に
接着する。接着層付き面ファスナーは、互いに着脱自在
に接合された第1ファスナー部材及び第2ファスナー部
材とからなる面ファスナー部分と、各ファスナー部材の
接合面に対向する裏面にそれぞれ配置された接着層とを
備えるものを用いる。すなわち、一方のファスナー部材
の接着層を基材裏面に接着し、他方のファスナー部材の
接着層をコア周面(11)に接着させて使用する。
【0031】 なお、接合部材(3)に含まれる接合層
のすべてが、両面接着テープ、フィルム状接着剤、及び
接着層付き面ファスナーのいずれか1種から形成されて
いても良いし、これらの複数を組合せて用いても良い。
【0032】 以上の様にして、基材裏面(210)に
接合部材(3)を有する展開形の反射性カバー(2)を
用い、これをコア周面(11)に大略沿って巻きつけ
て、接合部材(3)を介してコア周面(11)に接合す
る。これにより、接合部材(3)はコア周面(11)の
一部分に固定的に配置され、コア(1)と反射性カバー
(2)とが接合され、図2に示される様な立体状標識を
完成できる。
【0033】 図1(a)(b)(c)の例では、第2接合層
(32)の接着層、すなわち第2接着層の接着面(32
1)の一部分がコア周面(11)に接着し、接着面(3
21)の残りの部分が、基材(21)の他端(212)
近傍の表面に固定された反射層(22)の端部分に接着
している。すなわち、第2接合層(32)は、反射性カ
バー(2)の重ね合わせた部分(重なり部分)どうしを
互いに接着すると同時に、反射性カバー(2)の重なり
部分をコア周面(11)に接着し、接合を完了させる。
一方、第1接合層(31)は、コア(1)の高さ(4
1)方向と直交する水平断面形状の直径を挟んで、第2
接合層(32)に対向する位置において、反射性カバー
(2)の基材裏面(210)とコア(1)とを接合して
いる。
【0034】 図1(c)は、反射性カバー(2)の周方
向における端部分どうしを重ねて接合し、かつ一端部分
をコア周面(11)に接着しようとしている状態を、模
式的に表したものである。この状態から、反射性カバー
(2)の周方向における端部分どうしの重なり部分にお
いて、コア(1)の高さ(41)方向下側に位置する基
材(21)の下端(213)を含む部分と、下端(21
3)と対向する基材上端(214)を含む部分とが上下
方向にずれが無いように位置合わせをし、この重なり部
分の接合を完了し、図2に示される様な立体的標識を完
成させるのが良い。
【0035】 なお、巻きつけた状態での反射性カバー
(2)の重なり部分の長さは、通常10〜100mm、
好適には15〜70mmである。この長さが短すぎる
と、使用中に反射性カバー(2)の重なり部分が剥がれ
るおそれがあり、反対に長すぎると、1つの接合層(上
記の場合、第2接合層(32))で、重なり部分を互い
に接着すると同時に、反射性カバー(2)の重なり部分
をコア周面(11)に接着することが困難になるので、
接合作業をより簡便にするという観点からは好ましくな
い。
【0036】 また、反射性カバー(2)は、コア周面
(11)に大略沿って巻かれ、かつ接合部材(3)によ
りコア(1)に接合され、かつ外観を損なわない限りに
おいて、反射性カバー(2)の基材裏面(210)とコ
ア周面(11)とが全体的に密に接している必要は無
い。
【0037】 本発明の立体状標識は、前述のものとは
異なる方法でも製造できる。たとえば、コアに両面テー
プ等からなる第1接合層を接着し、その第1接合層に扇
形の反射性カバーを部分的に接着し、それをコア周面に
大略沿って巻きつける方法である。この場合、反射性カ
バーの基材裏面に、接合部材を予め固定させておく必要
は無い。この様な場合、反射性カバーをコアに巻きつ
け、最後に反射性カバーの周方向の両端部分どうしを重
ね合わせて、カバーの重なり部分と、コア周面とを第2
接合層を用いて接合する。第2接合層は、反射性カバー
の基材の一端部分に予め配置しておいても良いし、接合
を完了する際に、カバーの重なり合った端部分どうしの
間に挿入しても良い。
【0038】 また、第2接合層は、反射性カバーの重
なり部分どうしを互いに接着すると同時に、このカバー
の重なり部分をコア周面に接着する様にしても良いし、
反射性カバーの基材の一端部分のみコアに接着させ、第
3の接合層を用いて反射性カバーの重なり部分どうしを
互いに接着しても良い。また、第3の接合層として透明
な支持体を有する片面接着テープを用い、この接着テー
プを反射性カバーの重なり部分の上から接着しても良
い。
【0039】 上記の様に、接合部材(3)は、通常は
2または3の接合層からなるが、本発明の効果を損なわ
ない限り、4以上の接合層を使用しても良い。しかしな
がら、接着作業の簡便さを考慮すれば、接合層の数は2
〜6の範囲が好ましい。
【0040】 本発明に係る立体状標識において、第1
接合層(31)及び第2接合層(32)の少なくともい
ずれか一方は、立体状コア(1)の高さ(41)方向下
側に位置する基材(21)の下端(213)と、下端
(213)と対向する基材上端(214)とを結ぶ線に
沿って連続して配置されているのが好ましい。これによ
り、周方向に沿って介在する反射性カバー(2)とコア
(1)との非接合部分の接合(接着)面積を不要に増や
さずに、コア(1)と反射性カバー(2)との接着面積
を効果的に増やすことができる。したがって、コアに接
合された反射性カバーの経時で皺及び剥がれの発生を効
果的に防止でき、かつ、経時での耐久性を効果的に高め
ることができる。特に好適には、図1(a)(b)(c)に示す
様に、第1接合層(31)及び第2接合層(32)の両
方を、基材の下端(213)と上端(214)とを結ぶ
線に沿って連続させる。また、図1(b)の様に、反射性
カバー(2)の扇形の半径に沿って配置された、半径と
ほぼ同じ長さの接合層を使用するのが良い。
【0041】 また、図1(a)(b)(c)に示す様に、第1
接合層(31)及び第2接合層(32)の両方が、基材
下端(213)と上端(214)とを結ぶ線に沿って連
続したテープ形状を有する場合、反射性カバー(2)
を、そのテープ形状の長さ方向に沿って角度(約45度
〜約180度)をつけて引っ張って剥離することが容易
になる。たとえば、使用中の反射性カバーを新しい反射
性カバーに交換したい場合、または使用中のコアを新し
いコアに交換したい場合、コアから反射性カバーを所望
の時に容易に剥離できるのが良い。この様な場合、接合
層の接着層は、架橋された粘着性ポリマーを含有するの
が好ましい。なお、この様な場合に使用されるテープ形
状の接合層の幅は、好ましくは10〜80mm、特に好
ましくは15〜60mmで、長さ(L)と幅(W)との
比率(L/W)は、好ましくは5〜60、特に好ましく
は7〜50である。
【0042】 図3に示される様に、立体状コア(1)
の高さ方向と直交する水平断面形状が略円形、または略
楕円形である場合、第1接合層(31)と第2接合層
(32)は、水平断面形状の直径を挟んで互いに対向し
ているのが好ましい。これにより、周方向に沿って介在
する反射性カバーとコアとの接着面積を不要に増やすこ
と無く、コアに接合された反射性カバーの剥がれの発生
を効果的に防止できる。なお、図3は、図1(c)に示さ
れる完成間際の立体状標識(1)の水平断面図(A−A
断面図)である。
【0043】 なお、接合層全体の厚さは、反射性カバ
ーをコアに接合した状態で、立体状標識の外観を損なわ
ず、かつ反射性カバーの皺や剥がれの発生を効果的に防
止できる範囲で、適宜決定できる。通常20〜600μ
m、好適には30〜500μmである。
【0044】(反射性カバー)反射性カバーは、可撓性
シートを含んでなる基材と、その基材表面に固定された
反射層とを備えている。また、反射層は、立体状標識の
夜間の視認性を高める様な反射性を有するものであれば
特に限定されないが、通常、再帰反射性を有する再帰反
射層である。
【0045】 再帰反射層としては、従来から使用され
ている、埋設レンズ型(封入レンズ型)、カプセル化ビ
ーズレンズ型、プリズムレンズ型等が使用できる。この
様な再帰反射層は、通常、接着層を持たない再帰反射シ
ートとして製造、または入手できる。この場合、基材の
表面に接着層を配置し、その接着層を介して基材表面に
再帰反射層を固定する。また、接着層付き再帰反射シー
トとして製造、または入手し、基材と積層しても良い。
なお、再帰反射層は、比較的柔軟なものであれば厚さは
多少厚くても良く、通常100〜800μm、好適には
120〜500μmである。
【0046】 本発明で使用できる再帰反射シートの市
販品の具体例としては、たとえば、3M(株)社製のプ
リズムレンズ型反射シート「品名:ダイヤモンドグレー
ドシリーズ」、同社製カプセルレンズ型反射シート「品
名:ハイインテンシティグレードシリーズ」、同社製封
入レンズ型反射シート「品名:エンジニアグレードシリ
ーズ」等を挙げることができる。なお、再帰反射シート
の反射輝度は、通常35カンデラ/ルクス/m2以上、
好ましくは80カンデラ/ルクス/m2以上である。
【0047】 また、再帰反射層が再帰反射シートであ
る場合、再帰反射表面に文字や図柄等を印刷することが
容易である。その場合、印刷に使われるインクとして
は、通常の再帰反射シートの表面印刷に用いられている
光透過性のインクが好ましい。また、反射性カバー全体
の可撓性を損なわない限り、印刷面を透明保護フィルム
で被覆しても良い。その場合、透明接着剤を介して、透
明保護フィルムを再帰反射層表面に接着するのが好まし
い。
【0048】 基材は、可撓性を有するシート状のもの
であれば特に限定されないが、前述の様なポリマーフィ
ルムを含んでなる可撓性シートが好ましい。この様なポ
リマーとしては、たとえば、ポリイミド、ポリ塩化ビニ
ル、アクリル系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタ
ン、ポリオレフィン系ポリマー(エチレン系共重合体を
含む。)等の合成ポリマーが使用できる。好適には、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレート系コポリエステルまた
はポリエチレンナフタレート系コポリエステルからなる
群から選ばれたいずれか1または2以上を含んでなる、
フタレート系ポリエステルフィルムである。この様なフ
タレート系ポリエステルフィルムは、反射性カバーの巻
きつけ作業を容易な程度に適度な可撓性を有し、反射性
カバーとコアとの間で生じた剪断力による皺や剥がれの
発生を防止する効果にすぐれる。
【0049】 基材の厚さは、前述の様に、好適には3
0〜300μmであるが、さらに好適には40〜270
μmである。
【0050】 前述の様に、基材と反射層とを積層して
なる反射積層体を形成し、この積層体を所定の寸法及び
形状に裁断加工し、反射性カバー(展開形の反射性カバ
ー)を形成するのが良い。基材表面に反射層を固定する
場合、好ましくは、基材表面にコロナ処理等の易接着処
理を施してから、接着層を介して、その処理面上に反射
層を固定する。これにより、反射層と基材との剥離強度
が効果的に高められる。
【0051】 反射積層体は、たとえば次の様にして製
造する。まず、ロール状の基材の原反を用意する。その
基材の表面に接着層を積層し、接着層付き基材を形成す
る。引き続き、その接着層付きシートをロール状に巻き
取ることなく、前記接着層の上に再帰反射性層を積層
し、反射積層体を形成する。その後、その積層体をロー
ル状に巻き取り、ロール状の反射積層体を製造する。ま
た、基材表面に、接着層付きの再帰反射層を積層しても
良い。
【0052】 接着層(または接着層付き再帰反射層)
を基材上に積層する工程では、基材表面に、コロナ放電
処理等の易接着処理を施した後、接着層(または接着層
付き再帰反射層)を積層するのが好ましい。
【0053】 再帰反射層と基材とを接着する接着層
は、通常、粘着性ポリマーを含有する(組成物)塗布液
を、塗布、乾燥して形成することができる。塗布手段に
は、ナイフコーター、ロールコーター、ダイコーター、
バーコーター等の公知の手段が使用できる。接着層を形
成する際の乾燥は、通常60〜180℃の温度にて行わ
れる。乾燥時間は、通常、数十秒から数分である。な
お、接着層の厚さは、通常5〜200μmである。
【0054】 前述の様に、展開形の反射性カバーに予
め接合層を固定しておくのが好ましい。接合層付き反射
性カバーを用いれば、本発明の立体状標識を製造するこ
とがいっそう容易になる。接合層は、通常、反射積層体
から展開形の反射性カバーを形成した後、反射性カバー
の所定の位置に接着剤を介して固定するのが良い。接合
層を基材裏面の所定の位置に固定する場合、前述の様
な、基材裏面にコロナ放電処理等の易接着処理を施した
後、接合層を、接着剤を介して接着するのが好ましい。
【0055】(粘着性ポリマー)前述の様に、接合層に
必須要素として含まれる接着層や、基材と接合層、及び
基材と反射層とを固定するための接着剤は、好適には粘
着性ポリマーを含有する。粘着性ポリマーとは、常温
(約25℃)で粘着性を示すポリマーである。
【0056】 粘着性ポリマーは、たとえば、アクリル
系ポリマー、ニトリル−ブタジエン系共重合体(NBR
等)、スチレン−ブタジエン系共重合体(SBR等)、
非結晶性ポリウレタン、シリコーン系ポリマー等であ
る。粘着性ポリマーは、これらのポリマーの1種単独、
または2種以上の混合物から構成される。
【0057】 粘着性ポリマーは、好適には、(a)不
飽和二重結合、芳香族ケトン構造等を有する光架橋性官
能基や(b)水酸基、カルボキシル基等の、架橋性官能
基を分子内に含む。また、上記架橋性官能基以外に、炭
素数が4〜8のアルキル基を分子内に含むのが良い。こ
の様な粘着性ポリマーは、架橋が可能で、かつ、接着層
を有する物品(たとえば、接合層)を、被着体(たとえ
ば、コア)に圧着(常温圧着や加熱圧着)することによ
り、物品と被着体とを強固に接着することができる。
【0058】 アクリル系の粘着性ポリマーの好適な1
例として、(A)分子内にカルボキシル基を有する(メ
タ)アクリルモノマーと、(B)分子内に炭素数が4〜
8のアルキル基を有する(メタ)アクリルモノマー、と
を含んでなる混合モノマーを重合して得たアクリル系ポ
リマーを挙げることができる。この様なポリマーは、通
常の方法、たとえば、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、
乳化重合等により共重合させて調製することができる。
【0059】 上記(A)のモノマーとしては、たとえ
ば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、イタコン酸等が使
用できる。上記(B)のモノマーとしては、たとえば、
n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2
−メチルブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート、イソオクチルアクリレート等が使用できる。
上記(A)及び(B)のモノマーに加えて、その他の共
重合性モノマーを混合しても良い。その他の共重合性モ
ノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、アクリ
ロニトリル、スチレン、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルア
クリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、
アクリルアミド等である。
【0060】 上記粘着性ポリマーのTg(ガラス転移
温度)は、通常−50〜−10℃、好適には−40〜−
12℃、特に好適には−30〜−15℃である。粘着性
ポリマーの分子量は、所定の接着力が発揮される範囲で
あれば良く、通常は重量平均分子量で10,000〜
1,000,000の範囲である。また、従来の感圧性
接着剤と同様に、粘着性ポリマーとともに粘着付与剤を
使用することもできる。
【0061】 前述の様に、粘着性ポリマーは架橋する
のが好ましい。たとえば、架橋性官能基がカルボキシル
基の場合、熱架橋成分として、ビスアミド系架橋剤、エ
ポキシ樹脂、イソシアネート化合物等を好適に使用でき
る。この様な架橋成分を用いる場合の接着剤全体(総質
量)に占める割合は、通常0.01〜20質量%以上、
好適には0.05〜10質量%である。
【0062】 粘着性ポリマーを含有する接着剤組成物
は、通常の混合操作により、各原料を均一に混合して調
製できる。たとえば、粘着性ポリマー、架橋剤、溶剤、
及びその他の必要に応じて添加される添加剤を、ホモミ
キサー、プラネタリーミキサー等の混合装置で混合し、
各材料を均一に溶解または分散させ、液体の組成物を調
製することができる。また、重合後に粘着性ポリマーを
形成するモノマーと架橋剤モノマーとを含有するモノマ
ー混合物を、上記液体組成物として用いることができ
る。モノマー混合物を用いる場合、基材等の被塗布物の
上に、モノマー混合物からなる組成物を塗布した後、紫
外線または電子線を照射し、上記モノマーを重合(また
は、重合及び架橋)して接着層を形成するのが好まし
い。
【0063】 添加剤は、たとえば、結晶性ポリマーで
ある。結晶性ポリマーは、接着層に、感熱接着性や熱剥
離容易性を付与するすることができる。熱剥離容易性と
は、所定の温度(結晶性ポリマーの融点以上)に加熱し
て、加熱する前の値よりも低い値にまで剥離強度が低下
した状態で、被着体から剥離できる性質である。上記の
様な結晶性ポリマーとしては、ポリエステル、ポリオー
ル、ポリウレタン等が使用できる。
【0064】
【実施例】(実施例1)実施例1は、厚さが250μm
のPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを基
材として用い、再帰反射層として、PETフィルムを被
覆フィルムとして備えているカプセル化ビーズレンズ型
再帰反射層を用いた例である。上記基材のフィルムとし
て、東洋紡績(株)製のPETフィルムを用いた。また、
上記再帰反射層として、3M社製の再帰反射シート(品
番:PV8240I)を用いた。この再帰反射シートの
厚さは200μm(被覆フィルムの厚さは50μm)で
あり、反射輝度は238カンデラ/ルクス/m2であっ
た。なお、反射輝度は、GAMMA SCIENTIFIC(株)社製の反
射輝度計〔(品名)Retroreflectometer Model 920〕を
用いて測定した。
【0065】 上記構成要素を用い、次の様にして反射
性カバーを形成するための反射積層体を作製した。ま
ず、上記基材としてのPETフィルムに、コロナ放電処
理装置(ウエブ専用タイプ)を用いてコロナ処理を施し
た。このコロナ処理済みの基材表面に、アクリル系粘着
性ポリマーを含有する感圧接着層を介して、上記再帰反
射性層を積層した。その後、その積層体をロール状に巻
き取り、反射積層体を得た。上記感圧接着層の厚さは3
0μmであった。
【0066】 次に、上記の様にして得た反射積層体か
ら、実施例1の反射性カバーを作製した。図1(b)に示
される様に、コーン本体の円錐側面の展開図形とほぼ同
じ形状で、少し長い寸法の円弧部分を有する扇形の、先
細った根元部分を一部切り欠いた扇形に裁断加工し、図
示のごとき展開形の反射性カバー(2)を形成した。
【0067】 なお、用いたコーン本体の円錐部分の高
さは700mm、円錐部分の底面の直径は300mm
で、360mm×360mmの正方形の表面を有する台
座部に、その底面において円錐部分が結合されていた。
円錐部分の頂点から底面にまでの周面に沿って測定され
た長さは、約670mmであった。一方、反射性カバー
の扇形の直径部分(一端及び他端の長さ)は500mm
であった。
【0068】 この反射性カバー(2)の基材裏面(2
10)に、図1(b)に示される様にして第1接合層(3
1)及び第2接合層(32)とを固定し、接合層付きの
展開形の反射性カバー(2)を形成した。上記両方の接
合層(31,32)は、両面接着テープ(3M社製、商
標:VHB両面テープ、品番Y−4625)であり、両
面テープ全体の厚さは、250μmであった。この両面
接着テープは、フォーム状の支持体の表裏両面に、架橋
された粘着性ポリマーを含有する接着層を有していた。
【0069】 上記の様にして形成した反射性カバー
(2)を、コア(コーン本体)(1)に、次の様な手順
で接合し、実施例1の立体状標識を完成させた。なお、
上記コーン本体は、ポリエチレン樹脂から形成されたも
のであった。
【0070】 まず、図4に示す様に、前記両面テープ
からなる第1接合層(31)の接着層(第1接着層)を
介して、反射性カバー(2)をコア周面(11)に接着
した。図4の様に、第1接合層(31)は、反射性カバ
ー(2)の基材の周方向の一端及び他端の両方からほぼ
等距離にある部位(接合部位)に固定されていた。した
がって、その接合部位を中心にして、反射性カバー
(2)の接合部位以外の部分が左右方向(水平方向)に
広げた形で、反射性カバー(2)がコア(1)に部分的
に接着された状態になった。なお、図4では、再帰反射
層側から反射性カバー(2)を透視して見た場合の、第
1接合層(31)及び第2接合層(32)の配置位置が
点線で示されている。
【0071】 上記操作に続いて、反射性カバー(2)
の上記接合部位以外の部分を軽く引っ張りながら、コア
周面(11)に大略沿って巻きつけ、基材周方向の他端
近傍を含む反射性カバー(2)の他端部分を、基材裏面
(210)を向けてコア周面(11)に接触させた。そ
の状態で、今度は、前記両面テープからなる第2接合層
(32)が固定された基材周方向の一端近傍を含む一端
部分を、上記他端部分の上に重ね合わせ、第2接合層
(32)の接着層(第2接着層)を介して、基材周方向
の一端部分をコア周面(11)に接着すると同時に、上
記一端部分と上記他端部分とを互いに固定し、図2に示
される様な形状の、実施例1の立体的標識(反射性コー
ン)を完成させた。
【0072】 なお、反射性カバーを固定した状態で、
コーン本体の円錐部分は、底面から頂点に向かって周面
に沿って測定した長さが約85mm露出し、頂点から底
面に向かって周面に沿って測定した長さが約85mm露
出していた。
【0073】(実施例2)再帰反射シートを、3M社製
の封入レンズ型再帰反射シート(品番:1170N)に
代えた以外は実施例1と同様にして、実施例2の反射性
カバー及び立体状標識を作製した。この再帰反射シート
は、厚さが38μmのPET被覆フィルムを備え、全体
の厚さは150μmであった。
【0074】(比較例1)PET基材を用いず、再帰反
射シートを直にコア周面に全面接着した以外は、実施例
1と同様にして、比較例1の立体状標識を作製した。再
帰反射シートのコアへの接着は、前述のアクリル系粘着
性ポリマーを含有する感圧接着層を介して行った。
【0075】(比較例2)再帰反射シートを、3M社製
の封入レンズ型再帰反射シート(品番:1170N)に
代えた以外は比較例1と同様にして、比較例2の立体状
標識を作製した。
【0076】(比較例3)再帰反射シートを、市販の封
入レンズ型反射シートに代えた以外は比較例1と同様に
して、比較例3の立体状標識を作製した。
【0077】(評価)上記の様にして作製した実施例1
〜2、比較例1〜3の立体状標識をサンプルとして、
熱サイクル試験、及び踏みつけ試験[常温(20℃)
及び低温(0℃)]を行った。試験後の外観を観察した
結果を表1に示す。
【0078】 なお、熱サイクル試験における暴露環境
の1サイクルは、−30℃恒温(2時間)→40℃まで
昇温(2時間)→40℃恒温(2時間)→−30℃まで
降温(2時間)→−30℃恒温(2時間)→80℃まで
昇温(2時間)→80℃恒温(10時間)→−30℃ま
で降温(2時間)であった。
【0079】 また、踏みつけ試験は、上記各温度にお
いて、横倒しにした反射性コーンを人の足で2〜3回踏
みつけ、コーン本体の周面をへこませた後、そのへこみ
が自然にほぼ回復してから、外観観察を行った。
【0080】 表1に示す試験結果からも分る様に、本
発明による立体状標識(実施例1及び2)は、耐久性に
すぐれ、熱サイクルや、踏みつけの様な外力が加えられ
ても、皺や剥がれ(ポップオフ)は発生せず、良好な外
観を保ち続けることができることが分った。
【0081】
【表1】
【0082】
【発明の効果】 以上の説明からも分る様に、本発明に
よれば、立体状標識において、コアに固定された反射性
カバーにおける経時での皺及び剥がれの発生を効果的に
防止でき、経時での耐久性にすぐれ、しかも本発明によ
る立体状標識は、製造も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る立体状標識の製造方法の一例を
示すもので、(a)は立体状コアを示す斜視図、(b)は反射
性カバーを示す展開図、(c)は立体状コアに反射性カバ
ーを巻きつけた状態を示す斜視図である。
【図2】 本発明に係る立体状標識の一例を示す斜視図
である。
【図3】 図1(c)に示される立体状標識のA−A断面
図である。
【図4】 反射性カバーをコア周面に接着した状態を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1…立体状コア、2…反射性カバー、3…接合部材、1
1…コアの周面、12…台座部、21…基材、22…反
射層、31…第1接合層、32…第2接合層、41…高
さ、42…高さ方向を囲む周方向、100…立体状標
識、210…基材裏面、211…反射性カバーの一端、
212…反射性カバーの他端、213…基材の下端、2
14…基材の上端、311…第1接着層の接着面、32
1…第2接着層の接着面。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の高さと、その高さ方向を囲む周方
    向に沿って滑らかにカーブした周面を有する立体状コア
    と、 前記コアの周面に大略沿って配置され、可撓性シートを
    含んでなる基材と、前記基材の表面に固定された反射層
    とを有する反射性カバーと、 前記コアの周面の一部分に配置され、前記コアと前記反
    射性カバーとを接合した接合部材とを備えている立体状
    標識において、 前記接合部材は、前記周面の周方向において互いに離さ
    れて配置された第1接合層と第2接合層とを含んでな
    り、それらの第1接合層と第2接合層はともに前記コア
    に接着した接着層を有することを特徴とする立体状標
    識。
  2. 【請求項2】 前記可撓性シートが厚さ30〜300μ
    mのポリマーフィルムである請求項1記載の立体状標
    識。
  3. 【請求項3】 前記第1接合層及び前記第2接合層の少
    なくともいずれか一方は、前記立体状コアの高さ方向下
    側に位置する前記基材の下端と、その下端と対向する前
    記基材の上端とを結ぶ線に沿って連続して配置されてい
    る請求項1記載の立体状標識。
  4. 【請求項4】 前記立体状コアの高さ方向と直交する水
    平断面形状が略円形または略楕円形であり、前記第1接
    合層と前記第2接合層とは、前記水平断面形状の直径を
    挟んで互いに対向するように配置されている請求項1記
    載の立体状標識。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の立体状標識を形成するた
    めの反射性カバーであって、(A)可撓性シートを含ん
    でなり、前記立体状コアの周面に大略沿って巻きつけた
    状態における周方向の一端と、その一端と対向する他端
    とを備えた基材と、(B)前記基材の表面に固定された
    反射層と、(C)前記基材の裏面に固定的に配置され、
    互いに離されて配置された第1接合層と第2接合層とを
    有し、前記第1接合層は第1接着層を含むとともに、前
    記第2接合層は第2接着層を含む接合部材と、を含んで
    なり、 前記第1接合層は、前記基材の周方向の一端及び他端の
    両方から離れた位置に配置され、前記第2接合層は、前
    記基材の周方向の一端の縁に沿って配置され、かつ前記
    第1接合層は、前記立体状コアの周面に前記第1接着層
    を介して接着され、前記第2接着層の接着面は、その一
    部分において前記基材の周方向の他端近傍を含む前記反
    射性カバーの他端部分に接着し、他の部分において前記
    立体状コアの周面に接着されることを特徴とする反射性
    カバー。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の立体状標識を製造する方
    法であって、(I)前記立体状コアと、(II−A)可撓
    性シートを含んでなり、前記立体状コアの周面に大略沿
    って巻きつけた状態における周方向の一端と、その一端
    と対向する他端とを備えた基材と、(II−B)前記基材
    の表面に固定された反射層とを含んでなる反射性カバー
    と、(III)第1接着層を有する第1接合層と、第2接
    着層を有する第2接合層とを含んでなる接合部材とを用
    意し、 前記第1接着層を介して、前記基材の周方向の一端及び
    他端の両方から離れた位置にある接合部位において、前
    記基材の一部を前記コアの周面に接着した後、 前記反射性カバーを前記コアの周面に大略沿って巻きつ
    けて、前記第2接着層を介して前記基材の周方向の一端
    部分を前記コアの周面に接着し、かつ前記基材の周方向
    の一端近傍を含む前記反射性カバーの一端部分と前記基
    材の他端近傍を含む前記反射性カバーの他端部分とを重
    ね合わせた状態で互いに固定することを特徴とする立体
    状標識の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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