JP2002338707A - 金属板被覆用フィルムおよびこれを用いた被覆金属板 - Google Patents

金属板被覆用フィルムおよびこれを用いた被覆金属板

Info

Publication number
JP2002338707A
JP2002338707A JP2001149929A JP2001149929A JP2002338707A JP 2002338707 A JP2002338707 A JP 2002338707A JP 2001149929 A JP2001149929 A JP 2001149929A JP 2001149929 A JP2001149929 A JP 2001149929A JP 2002338707 A JP2002338707 A JP 2002338707A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
metal plate
weight
acrylate
methacrylate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001149929A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4733858B2 (ja
Inventor
Akio Taniguchi
明男 谷口
Yutaka Kaneda
豊 金田
Tomoki Hiiro
知樹 日色
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2001149929A priority Critical patent/JP4733858B2/ja
Publication of JP2002338707A publication Critical patent/JP2002338707A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4733858B2 publication Critical patent/JP4733858B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性、成形性、柔軟性、耐衝撃性、防塵
性、透明性、耐エタノール性、耐沸騰水性等に優れ、か
つ引張り時や折り曲げ時(加工時)に白濁や透明度の変
化が起こりにくい金属板被覆用フィルムを得る。 【解決手段】 メタクリル酸メチル単位を50〜100
重量%含むメタクリル系重合体ブロックとアクリル酸ブ
チル単位を50〜100重量%含むアクリル系重合体ブ
ロックを含有するブロック共重合体又は更に熱可塑性樹
脂を配合した樹脂組成物を成型して得られる金属板被覆
用フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性、成形性、
柔軟性、耐衝撃性、防塵性、透明性、耐エタノール性、
耐沸騰水性等に優れ、かつ引張り時や折り曲げ時(加工
時)に白濁や透明度の変化が起こりにくい金属板被覆用
フィルムに関する。また、該フィルムを金属板の片面お
よび/または両面に単一層状にまたは多層状に積層して
被覆した金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属板にポリ塩化ビニル樹脂を被
覆した化粧板は、建築物の内装材・外装材、電気製品、
雑貨、その他各種の分野で広く用いられている。中で
も、ポリ塩化ビニルシートを鋼板に貼り合わせた、いわ
ゆる塩ビ鋼板は、エンボスや印刷が可能でかつ二次加工
性にも優れていることから多く用いられている。この塩
ビ鋼板に用いれるポリ塩化ビニルシートは、主に塩ビ鋼
板としての二次加工性を維持するため、半硬質と称され
る可塑剤30〜40重量部(DOP換算)を配合したも
のが好適に用いられる。しかし、上記のような塩ビ鋼板
は、製造時の加熱によって発生する可塑剤、塩素等によ
り作業環境を悪くし、また、燃焼により大気汚染の原因
となる心配がある。さらに、塩化ビニルシートは耐候性
に劣るために、変色による美的特性の低下や、シートの
脆性およびクラッキング等の不具合をもたらす。このた
め、耐候性に優れ、焼却廃棄処理時に有害ガスの発生が
なく、透明性を具備したメタクリル酸エステル系樹脂を
成形したフィルムが基材の劣化防止、美観の維持などの
ために広く用いられている。このようなメタクリル酸エ
ステル系樹脂を成形したフィルムはフィルム成形性およ
び耐衝撃性を向上させるために、通常、メタクリル酸エ
ステル系樹脂にゴム成分を分散させたり、あるいはグラ
フト共重合体そのものを使用する方法が考案されてい
る。特にグラフト共重合体としては、コアと呼ばれる内
層部にシェルと呼ばれる外層部をグラフト重合して得ら
れるコアシェル粒子型グラフト共重合体が有効であると
一般に言われており、グラフト部(シェル部)の柔軟
化、グラフト部(シェル部)やグラフト共重合体以外の
重合体の組成を段階的に変化させてグラジエント重合体
とする方法が考案されている(特公昭47−13371
号公報、特公昭50−9022号公報)。また、変形時
の白濁や透明度変化を抑制する目的で、コアシェル粒子
型グラフト共重合体のコア部(内層部)のガラス転移温
度(Tg)を10℃以上にする技術も提案されている
(特公昭59−36645号公報、特公昭59−366
46号公報)。しかしながらこれらの方法では耐衝撃性
の改善効果が不十分であり、金属板にラミネートして、
二次加工やエンボス加工を施す場合に、フィルム自身が
割れたり、白く濁ったり、透明度が低下したりするとい
う現象が認められた。このような現象は特に低温での加
工の際に加えられる引張りや折り曲げに対し特に顕著に
現れる。また、これらの問題を解決しようとして柔軟な
成分を増量すると、成形性、透明性、防塵性、耐エタノ
ール性を損なってしまうという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐候
性、成形性、柔軟性、耐衝撃性、防塵性、透明性、耐エ
タノール性、耐沸騰水性等に優れ、かつ引張り加工や折
り曲げ加工の際に白濁や透明度の変化が起こりにくい金
属板被覆用フィルム、また、該フィルムを金属板の片面
および/または両面に単一層状にまたは多層状に積層し
て被覆した金属板を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、メタクリ
ル系重合体ブロックとアクリル系重合体ブロックを含有
するブロック共重合体からなる金属板被覆用フィルム
が、耐候性、成形性、柔軟性、耐衝撃性、防塵性、透明
性、耐エタノール性、耐沸騰水性等に優れ、かつ被服金
属板の加工の際に加わる引張りや折り曲げに対して被服
フィルムの白濁や透明度の変化が起こりにくいことを見
出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、
メタアクリル酸メチルの単位50〜100重量%および
これと共重合可能な他のメタアクリル酸エステルおよび
/または他のビニル系単量体の単位0〜50重量%とか
らなるメタアクリル系重合体ブロック(a)とアクリル
酸ブチル50〜100重量%およびこれと共重合可能な
他のアクリル酸エステルおよび/またはビニル系単量体
の単位0〜50重量%とからなるアクリル系重合体ブロ
ック(b)を含有するブロック共重合体(A)を成型し
てなる金属板被覆用フィルム(請求項1)、ブロック共
重合体(A)が、メタアクリル系重合体ブロック(a)
30〜75重量%と、アクリル系重合体ブロック(b)
70〜25重量%からなることを特徴とする請求項1記
載の金属板被覆用フィルム(請求項2)、ブロック共重
合体(A)が、メタアクリル系重合体ブロック(a)4
5〜70重量%と、アクリル系重合体ブロック(b)5
5〜30重量%からなることを特徴とする請求項1又は
2記載の金属板被覆用フィルム(請求項3)、ブロック
共重合体(A)が原子移動ラジカル重合により製造され
たことを特徴とする請求項1、2又は3記載の金属板被
覆用フィルム(請求項4)、メタアクリル系重合体ブロ
ック(a)がメタアクリル酸メチルからなり、アクリル
系重合体ブロック(b)がアクリル酸ブチルからなるか
らなる重合体ブロックである請求項1、2、3又は4記
載の金属板被覆用フィルム(請求項5)、ブロック共重
合体(A)がトリブロック共重合体であることを特徴と
する請求項1、2、3、4又は5記載の金属板被覆用フ
ィルム(請求項6)、請求項1、2、3、4、5又は6
記載のブロック共重合体(A)と熱可塑性樹脂(B)を
含んでなることを特徴とする金属板被覆用フィルム(請
求項7)、請求項1ないし7のいずれかに記載の金属板
被覆用フィルムを単独または他の樹脂組成物を成形して
なるフィルムおよび/または接着剤と組み合わせて、積
層してなることを特徴とする金属板被覆用フィルム(請
求項8)及び金属板の片面および/または両面に請求項
8記載の金属板被覆用フィルムを用いて単一層状にまた
は多層状に金属板に積層してなる被覆金属板(請求項
9)に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に使用しうるメタアクリル
系重合体ブロックおよびアクリル系重合体ブロックを含
有するブロック共重合体(A)は、a-b型のジブロッ
ク共重合体、a-b-a型のトリブロック共重合体、b-
a-b型のトリブロック共重合体、(a-b)n型のマル
チブロック共重合体から選ばれる少なくとも1種のブロ
ック共重合体である。これらの中でも、フィルムの成形
性や成形したフィルムの耐衝撃性、柔軟性、防塵性の点
から、a-b-a型のトリブロック共重合体、(a-b)
n型のマルチブロック共重合体、または、これらの混合
物が好ましく、a-b-a型のトリブロック共重合体がよ
り好ましい。
【0006】前記ブロック共重合体(A)の構造は、線
状ブロック共重合体または分岐状(星状)ブロック共重
合体であり、これらの混合物であってもよい。このよう
なブロック共重合体の構造は、フィルムの成形性や加工
特性、機械特性などの必要特性に応じて使い分けられ
る。
【0007】ブロック共重合体(A)の数平均分子量は
特に限定されないが、30000〜500000が好ま
しく、更に好ましくは、50000〜400000であ
る。数平均分子量が小さいと粘度が低く、また、数平均
分子量が大きいと粘度が高くなる傾向があるため、必要
とする加工特性に応じて設定される。分子量はクロロホ
ルムを移動相とし、ポリスチレンゲルカラムを使用した
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法
によりポリスチレン換算によって測定される。
【0008】前記ブロック共重合体(A)のGPCで測
定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
の比(Mw/Mn)も特に限定がないが、1.8以下で
あることが好ましい。Mw/Mnが1.8を越えるとブ
ロック共重合体の均一性が低下し、成形したフィルムの
耐衝撃性、折り曲げ時や引張り時(加工時)の耐白化性
等低下する傾向にある。
【0009】ブロック共重合体(A)を構成するメタア
クリル系重合体ブロック(a)は、メタアクリル酸エス
テル50〜100重量%およびこれと共重合可能なビニ
ル系単量体0〜50重量%とからなる。(a)を構成す
るメタアクリル酸エステルとしては、たとえば、メタア
クリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル
酸-n-プロピル、メタアクリル酸イソプロピル、メタア
クリル酸-n-ブチル、メタアクリル酸イソブチル、メタ
アクリル酸-tert-ブチル、メタアクリル酸-n-ペン
チル、メタアクリル酸-n-ヘキシル、メタアクリル酸シ
クロヘキシル、メタアクリル酸-n-ヘプチル、メタアク
リル酸-n-オクチル、メタアクリル酸-2-エチルヘキシ
ル、メタアクリル酸ノニル、メタアクリル酸デシル、メ
タアクリル酸ドデシル、メタアクリル酸フェニル、メタ
アクリル酸トルイル、メタアクリル酸ベンジル、メタア
クリル酸イソボルニル、メタアクリル酸-2-メトキシエ
チル、メタアクリル酸-3-メトキシブチル、メタアクリ
ル酸-2-ヒドロキシエチル、メタアクリル酸-2-ヒドロ
キシプロピル、メタアクリル酸ステアリル、メタアクリ
ル酸グリシジル、メタアクリル酸2-アミノエチル、γ-
(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラ
ン、γ-(メタクリロイルオキシプロピル)ジメトキシ
メチルシラン、メタアクリル酸のエチレンオキサイド付
加物、メタアクリル酸トリフルオロメチルメチル、メタ
アクリル酸-2-トリフルオロメチルエチル、メタアクリ
ル酸-2-パーフルオロエチルエチル、メタアクリル酸-
2-パーフルオロエチル-2-パーフルオロブチルエチ
ル、メタアクリル酸-2-パーフルオロエチル、メタアク
リル酸パーフルオロメチル、メタアクリル酸ジパーフル
オロメチルメチル、メタアクリル酸-2-パーフルオロメ
チル-2-パーフルオロエチルメチル、メタアクリル酸-
2-パーフルオロヘキシルエチル、メタアクリル酸-2-
パーフルオロデシルエチル、メタアクリル酸-2-パーフ
ルオロヘキサデシルエチルなどがあげられる。これらは
単独でまたはこれらの2種以上を組み合わせて用いられ
る。これらの中でも、入手しやすさの点で、メタアクリ
ル酸メチルが好ましい。
【0010】(a)を構成するメタアクリル酸エステル
と共重合可能なビニル系単量体としては、たとえば、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸-n-プ
ロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸-n-ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸-t-ブチル、ア
クリル酸-n-ペンチル、アクリル酸-n-ヘキシル、アク
リル酸シクロヘキシル、アクリル酸-n-ヘプチル、アク
リル酸-n-オクチル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、
アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデ
シル、アクリル酸フェニル、アクリル酸トルイル、アク
リル酸ベンジル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸
-2-メトキシエチル、アクリル酸-3-メトキシブチル、
アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、アクリル酸-2-ヒド
ロキシプロピル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸グ
リシジル、アクリル酸2-アミノエチル、γ-(メタクリ
ロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ-(メ
タクリロイルオキシプロピル)ジメトキシメチルシラ
ン、アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、アクリル
酸トリフルオロメチルメチル、アクリル酸2-トリフル
オロメチルエチル、アクリル酸-2-パーフルオロエチル
エチル、アクリル酸2-パーフルオロエチル-2-パーフ
ルオロブチルエチル、アクリル酸2-パーフルオロエチ
ル、アクリル酸パーフルオロメチル、アクリル酸ジパー
フルオロメチルメチル、アクリル酸-2-パーフルオロメ
チル-2-パーフルオロエチルメチル、アクリル酸-2-パ
ーフルオロヘキシルエチル、アクリル酸2-パーフルオ
ロデシルエチル、アクリル酸-2-パーフルオロヘキサデ
シルエチルなどのアクリル酸エステル;スチレン、α-
メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-メトキシスチ
レンなどの芳香族アルケニル化合物;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;
ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン系化合物;塩
化ビニル、塩化ビニリデン、パーフルオロエチレン、パ
ーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンなどのハロゲ
ン含有不飽和化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシランなどのケイ素含有不飽和化合物;
無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキ
ルエステル及びジアルキルエステル、フマル酸、フマル
酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステルなど
の不飽和ジカルボン酸化合物;酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸
ビニルなどのビニルエステル化合物;マレイミド、メチ
ルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミ
ド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチル
マレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミ
ド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドな
どのマレイミド系化合物などの各種ビニル系単量体があ
げられる。これらは単独でまたはこれらの2種以上を組
み合わせて用いられる。これらのビニル系単量体は、フ
ィルムの成形性や、成形したフィルムの二次加工性、必
要とされる機械特性に応じて、好ましいものを選択する
ことができる。
【0011】(a)のガラス転移温度は、25℃以上で
あり、好ましくは40℃以上であり、さらに好ましくは
50℃以上である。ガラス転移温度が25℃より低い
と、フィルム成形性や耐熱性が低くなる傾向がある。
【0012】前記ブロック共重合体(A)を構成するア
クリル系重合体ブロック(b)は、アクリル酸エステル
50〜100重量%およびこれと共重合可能なビニル系
単量体0〜50重量%とからなることがフィルムの成型
性と被服積層板の加工性の点から好ましい。
【0013】(b)を構成するアクリル酸エステルとし
ては、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸-n-プロピル、アクリル酸イソプロピ
ル、アクリル酸-n-ブチル、アクリル酸イソブチル、ア
クリル酸-t-ブチル、アクリル酸-n-ペンチル、アクリ
ル酸-n-ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリ
ル酸-n-ヘプチル、アクリル酸-n-オクチル、アクリル
酸-2-エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸
デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸フェニル、ア
クリル酸トルイル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸イ
ソボルニル、アクリル酸-2-メトキシエチル、アクリル
酸-3-メトキシブチル、アクリル酸-2-ヒドロキシエチ
ル、アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸ス
テアリル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸-2-アミ
ノエチル、γ-(メタクリロイルオキシプロピル)トリ
メトキシシラン、γ-(メタクリロイルオキシプロピ
ル)ジメトキシメチルシラン、アクリル酸のエチレンオ
キサイド付加物、アクリル酸トリフルオロメチルメチ
ル、アクリル酸-2-トリフルオロメチルエチル、アクリ
ル酸-2-パーフルオロエチルエチル、アクリル酸-2-パ
ーフルオロエチル-2-パーフルオロブチルエチル、アク
リル酸2-パーフルオロエチル、アクリル酸パーフルオ
ロメチル、アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、ア
クリル酸-2-パーフルオロメチル-2-パーフルオロエチ
ルメチル、アクリル酸-2-パーフルオロヘキシルエチ
ル、アクリル酸-2-パーフルオロデシルエチル、アクリ
ル酸-2-パーフルオロヘキサデシルエチルなどがあげら
れる。これらは単独でまたはこれらの2種以上を組み合
わせて用いられる。これらの中でも、成形したフィルム
の柔軟性、耐白化性および入手しやすさの点で、アクリ
ル酸-n-ブチルが好ましい。
【0014】(b)を構成するアクリル酸エステルと共
重合可能なビニル系単量体としては、たとえば、メタア
クリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル
酸-n-プロピル、メタアクリル酸イソプロピル、メタア
クリル酸-n-ブチル、メタアクリル酸イソブチル、メタ
アクリル酸-t-ブチル、メタアクリル酸-n-ペンチル、
メタアクリル酸-n-ヘキシル、メタアクリル酸シクロヘ
キシル、メタアクリル酸-n-ヘプチル、メタアクリル酸
-n-オクチル、メタアクリル酸-2-エチルヘキシル、メ
タアクリル酸ノニル、メタアクリル酸デシル、メタアク
リル酸ドデシル、メタアクリル酸フェニル、メタアクリ
ル酸トルイル、メタアクリル酸ベンジル、メタアクリル
酸イソボルニル、メタアクリル酸-2-メトキシエチル、
メタアクリル酸-3-メトキシブチル、メタアクリル酸-
2-ヒドロキシエチル、メタアクリル酸-2-ヒドロキシ
プロピル、メタアクリル酸ステアリル、メタアクリル酸
グリシジル、メタアクリル酸-2-アミノエチル、γ-
(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラ
ン、γ-(メタクリロイルオキシプロピル)ジメトキシ
メチルシラン、メタアクリル酸のエチレンオキサイド付
加物、メタアクリル酸トリフルオロメチルメチル、メタ
アクリル酸-2-トリフルオロメチルエチル、メタアクリ
ル酸-2-パーフルオロエチルエチル、メタアクリル酸2
-パーフルオロエチル-2-パーフルオロブチルエチル、
メタアクリル酸-2-パーフルオロエチル、メタアクリル
酸パーフルオロメチル、メタアクリル酸ジパーフルオロ
メチルメチル、メタアクリル酸-2-パーフルオロメチル
-2-パーフルオロエチルメチル、メタアクリル酸-2-パ
ーフルオロヘキシルエチル、メタアクリル酸-2-パーフ
ルオロデシルエチル、メタアクリル酸-2-パーフルオロ
ヘキサデシルエチルなどのメタアクリル酸エステル;ス
チレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-
メトキシスチレンなどの芳香族アルケニル化合物;アク
リロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニ
ル化合物;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン系
化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデン、パーフルオロエ
チレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンな
どのハロゲン含有不飽和化合物;ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシランなどのケイ素含有不飽
和化合物;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸の
モノアルキルエステル及びジアルキルエステル、フマル
酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエ
ステルなどの不飽和ジカルボン酸化合物;酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニ
ル、桂皮酸ビニルなどのビニルエステル化合物;マレイ
ミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピル
マレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、
オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリル
マレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレ
イミドなどのマレイミド系化合物などの各種ビニル系単
量体があげられる。これらは単独でまたはこれらの2種
以上を組み合わせて用いられる。これらのビニル系単量
体は、ブロック(b)に要求されるガラス転移温度によ
って好ましいものを選択することができる。(b)のガ
ラス転移温度は、好ましくは25℃以下であり、より好
ましくは0℃以下であり、さらに好ましくは-20℃以
下である。ガラス転移温度が25℃より高いと、成形し
たフィルムまたはシートの柔軟性、耐白化性が低下する
傾向がある。
【0015】ブロック共重合体(A)を製造する方法と
しては特に限定されないが、制御重合を用いることが好
ましい。制御重合としては、リビングアニオン重合や連
鎖移動剤を用いるラジカル重合、近年開発されたリビン
グラジカル重合があげられ、リビングラジカル重合がブ
ロック共重合体の分子量および構造の制御の点から好ま
しい。
【0016】リビングラジカル重合は、重合末端の活性
が失われることなく維持されるラジカル重合である。リ
ビング重合とは狭義においては、末端が常に活性を持ち
続ける重合のことを示すが、一般には、末端が不活性化
されたものと活性化されたものが平衡状態にある擬リビ
ング重合も含まれる。本発明における定義も後者であ
る。リビングラジカル重合は近年様々なグループで積極
的に研究がなされている。その例としては、ポリスルフ
ィドなどの連鎖移動剤を用いるもの、コバルトポルフィ
リン錯体(J.Am.Chem.Soc.1994、1
16、7943)やニトロキシド化合物などのラジカル
捕捉剤を用いるもの(Macromolecules、
1994、27、7228)、有機ハロゲン化物等を開
始剤とし遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重
合(Atom TransferRadical Po
lymerization:ATRP)などがあげられ
る。本発明において、これらのうちどの方法を使用する
かは特に制約はないが、制御の容易さなどから原子移動
ラジカル重合が好ましい。
【0017】原子移動ラジカル重合は、有機ハロゲン化
物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、周期
律表第8族、9族、10族、または11族元素を中心金
属とする金属錯体を触媒として重合される。(例えば、
Matyjaszewskiら、J.Am.Chem.
Soc.1995,117,5614,Macromo
lecules 1995,28,7901,Scie
nce 1996,272,866、あるいはSawa
motoら、Macromolecules1995,
28,1721)。これらの方法によると一般的に非常
に重合速度が高く、ラジカル同士のカップリングなどの
停止反応が起こりやすいラジカル重合でありながら、重
合がリビング的に進行し、分子量分布の狭いMw/Mn
=1.1〜1.5程度の重合体が得られ、分子量はモノ
マーと開始剤の仕込み比によって自由にコントロールす
ることができる。
【0018】原子移動ラジカル重合法において、開始剤
として用いられる有機ハロゲン化物またはハロゲン化ス
ルホニル化合物としては、一官能性、二官能性、また
は、多官能性の化合物が使用できる。これらは目的に応
じて使い分ければよいが、ジブロック共重合体を製造す
る場合は、一官能性化合物が好ましく、a-b-a型のト
リブロック共重合体、b-a-b型のトリブロック共重合
体を製造する場合は二官能性化合物を使用するのが好ま
しく、分岐状ブロック共重合体を製造する場合は多官能
性化合物を使用するのが好ましい。
【0019】一官能性化合物としては、たとえば、式: C65-CH2X、 C65-C(H)(X)-CH3、 C65-C(X)(CH32、 R1-C(H)(X)-COOR2、 R1-C(CH3)(X)-COOR2、 R1-C(H)(X)-CO-R2、 R1-C(CH3)(X)-CO-R2、 R1-C64-SO2X、 (式中、C64はフェニレン基(オルト置換、メタ置
換、パラ置換のいずれでもよい)を表す。R1は水素原
子または炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20
のアリール基、または炭素数7〜20のアラルキル基を
表す。Xは塩素、臭素、またはヨウ素を表す。R2は炭
素数1〜20の一価の有機基を表す。)で示される化合
物などがあげられる。
【0020】二官能性化合物としては、たとえば、式: X-CH2-C64-CH2-X、 X-CH(CH3)-C64-CH(CH3)-X、 X-C(CH32-C64-C(CH32-X、 X-CH(COOR3)-(CH2n-CH(COOR3)-
X、 X-C(CH3)(COOR3)-(CH2n-C(CH3
(COOR3)-X、 X-CH(COR3)-(CH2n-CH(COR3)-X、 X-C(CH3)(COR3)-(CH2n-C(CH3
(COR3)-X、 X-CH2-CO-CH2-X、 X-CH(CH3)-CO-CH(CH3)-X、 X-C(CH32-CO-C(CH32-X、 X-CH(C65)-CO-CH(C65)-X、 X-CH2-COO-(CH2n-OCO-CH2-X、 X-CH(CH3)-COO-(CH2n-OCO-CH(C
3)-X、 X-C(CH32-COO-(CH2n-OCO-C(C
32-X、 X-CH2-CO-CO-CH2-X、 X-CH(CH3)-CO-CO-CH(CH3)-X、 X-C(CH32-CO-CO-C(CH32-X、 X-CH2-COO-C64-OCO-CH2-X、 X-CH(CH3)-COO-C64-OCO-CH(C
3)-X、 X-C(CH32-COO-C64-OCO-C(CH32-
X、 X-SO2-C64-SO2-X、 (式中、R3は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6
〜20アリール基、または炭素数7〜20アラルキル基
を表す。C64はフェニレン基(オルト置換、メタ置
換、パラ置換のいずれでもよい)を表す。C65はフェ
ニル基を表す。nは0〜20の整数を表す。Xは塩素、
臭素、またはヨウ素を表す。)で示される化合物などが
あげられる。
【0021】多官能性化合物としては、たとえば、式: C63-(CH2-X)3、 C63-(CH(CH3)-X)3、 C63-(C(CH32-X)3、 C63-(OCO-CH2-X)3、 C63-(OCO-CH(CH3)-X)3、 C63-(OCO-C(CH32-X)3、 C63-(SO2-X)3、 (式中、C63は三置換フェニル基(置換基の位置は1
位〜6位のいずれでもよい)を表す。Xは塩素、臭素、
またはヨウ素を表す。)で示される化合物などがあげら
れる。
【0022】また、重合を開始するもの以外に官能基を
持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化
合物を用いると、容易に末端に官能基が導入された重合
体が得られる。このような官能基としては、アルケニル
基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド
基、シリル基などがあげられる。
【0023】これらの開始剤として用いられうる有機ハ
ロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物は、ハロ
ゲンが結合している炭素がカルボニル基あるいはフェニ
ル基などと結合しており、炭素-ハロゲン結合が活性化
されて重合が開始する。使用する開始剤の量は、必要と
するブロック共重合体の分子量に合わせて、単量体との
比から決定すればよい。すなわち、開始剤1分子あた
り、何分子の単量体を使用するかによって、ブロック共
重合体の分子量を制御できる。
【0024】前記原子移動ラジカル重合の触媒として用
いられる遷移金属錯体としては特に限定はないが、好ま
しいものとして、1価および0価の銅、2価のルテニウ
ム、2価の鉄または2価のニッケルの錯体があげられ
る。これらの中でも、コストや反応制御の点から銅の錯
体がより好ましい。
【0025】1価の銅化合物としては、たとえば、塩化
第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、
酸化第一銅、過塩素酸第一銅などがあげられる。銅化合
物をもちいる場合、触媒活性を高めるために2,2′-
ビピリジルおよびその誘導体、1,10-フェナントロ
リンおよびその誘導体、テトラメチルエチレントリアミ
ン(TMEDA)、ペンタメチルジエチレントリアミ
ン、ヘキサメチル(2-アミノエチル)アミンなどのポ
リアミンなどを配位子として添加してもよい。また、2
価の塩化ルテニウムのトリストリフェニルホスフィン錯
体(RuCl2(PPh33)も触媒として好ましい。
ルテニウム化合物を触媒として用いる場合は、活性化剤
としてアルミニウムアルコキシド類を添加してもよい。
さらに、2価の鉄のビストリフェニルホスフィン錯体
(FeCl2(PPh32)、2価のニッケルのビスト
リフェニルホスフィン錯体(NiCl2(PP
32)、及び、2価のニッケルのビストリブチルホス
フィン錯体(NiBr2(PBu32)も、触媒として
好ましい。使用する触媒、配位子および活性化剤の量
は、特に限定されないが、使用する開始剤、単量体およ
び溶媒の量と必要とする反応速度の関係から適宜決定す
ればよい。
【0026】前記原子移動ラジカル重合は、無溶媒(塊
状重合)または各種の溶媒中で行うことができる。前記
溶媒としては、たとえば、ベンゼン、トルエンなどの炭
化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン
などのエーテル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルムな
どのハロゲン化炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶
媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、n-ブタノール、t-ブタノールなどのアルコ
ール系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベン
ゾニトリルなどのニトリル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブ
チルなどのエステル系溶媒;エチレンカーボネート、プ
ロピレンカーボネートなどのカーボネート系溶媒などが
あげられる。これらは、単独又は2種以上を混合して用
いることができる。前述したように、無溶媒で実施する
場合は塊状重合となる。一方、溶媒を使用する場合、そ
の使用量は、系全体の粘度と必要とする撹拌効率(すな
わち、反応速度)の関係から適宜決定すればよい。
【0027】また、前記重合は、室温〜200℃の範囲
で行うことができ、好ましくは、50〜150℃の範囲
である。前記重合により、ブロック共重合体を製造する
には、単量体を逐次添加する方法、あらかじめ合成した
重合体を高分子開始剤として次のブロックを重合する方
法、別々に重合した重合体を反応により結合する方法な
どがあげられる。これらの方法は目的に応じて使い分け
ればよいが、製造工程の簡便性の点から、単量体の逐次
添加による方法が好ましい。本発明に使用されるブロッ
ク共重合体(A)を構成するメタアクリル系重合体ブロ
ック(a)とアクリル系重合体ブロック(b)の組成比
は特に制限がないが、ブロック(a)5〜95重量%、
ブロック(b)95〜5重量%であることがフィルムの
成形性、防塵性、柔軟性、耐白化性、硬度、機械特性等
のバランスの点で好ましく、より好ましくは(a)30
〜75重量%、(b)70〜25重量%であり、さらに
好ましくは、(a)45〜70重量%、(b)55〜3
0重量%である。(a)の割合が5重量%より少ないと
フィルムまたはシートの成形性、防塵性が低下する傾向
があり、(b)の割合が10重量%より少ないと成形し
たフイルムの柔軟性が低下し、フィルムが割れたり、引
張り時や折り曲げ時(加工時)の耐白化性が低下する傾
向がある。ただし、本発明に使用されるブロック共重合
体(A)を構成するメタアクリル系重合体ブロック
(a)とアクリル系重合体ブロック(b)の組成比は、
特定の場合においてはフィルムの成形性や、成形したフ
ィルムの二次加工性、必要とされる機械特性等、所望と
される物性に応じた組成比にすれば良い。発明の範囲は
それらに限定されないが、例えば、他の公知の樹脂フィ
ルムを上層に積層して被覆する場合には、金属板と他の
樹脂フィルムとの密着性、フィルムの柔軟性、耐衝撃性
の点から、メタアクリル系重合体ブロック(a)が5〜
45重量%、アクリル系重合体ブロック(b)が95〜
55重量%のフィルムを用いれば良く、本発明のフィル
ムを上層に積層し、透明性、高硬度、防塵性、耐エタノ
ール性等が必要とされる場合には、メタアクリル系重合
体ブロック(a)が70〜95重量%、アクリル系重合
体ブロック(b)が30〜5重量%のフィルムを用いれ
ば良く、成形性、柔軟性、耐衝撃性、防塵性、透明性、
硬度、機械特性、耐エタノール性、耐沸騰水性等のバラ
ンスに優れ、かつ引張り時や折り曲げ時(加工時)に白
化しにくいフィルムが必要とされる場合には、メタアク
リル系重合体ブロック(a)が45〜70重量%、アク
リル系重合体ブロック(b)が55〜30重量%のフィ
ルムを用いれば良い。前記、メタアクリル系重合体ブロ
ック(a)が45〜70重量%、アクリル系重合体ブロ
ック(b)が55〜30重量%のフィルムは、ポリ塩化
ビニルシートを鋼板に貼り合わせた、いわゆる塩ビ鋼板
に用いられている塩化ビニルシートに替えて、被覆フィ
ルムとして好適に使用することが可能である。本発明の
金属板被覆用フィルムは、ブロック共重合体(A)を必
須の成分としてなることを特徴とするが、他の成分を含
有してしていてもよい。他の成分が熱可塑性樹脂(B)
である場合、たとえばサーリン(商品名、デュポン社
製)、およびハイミラン(商品名、三井デュポンポリケ
ミカル社製)などのアイオノマー;ポリアクリル酸ヒド
ラジド、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、アク
リロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(AA
S)、アクリロニトリル−EPDM−スチレン共重合体
(AES)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(A
S)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体(ABS)、カネカエンプレックス(商品名、鐘淵化
学社製)などのABS−塩化ビニル系自己消化性樹脂、
カネカMUH(商品名、鐘淵化学社製)などのABS系
耐熱樹脂、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−ス
チレン樹脂(ACS)、メタクリル酸メチル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体(MBS)、エチレン−塩化ビニ
ル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−塩
化ビニルグラフト共重合体、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体(EVOH)、塩素化ポリ塩化ビニル、塩素
化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、カルボキシビ
ニルポリマー、ケトン樹脂、ノルボルネン樹脂、ポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化エチレン−
プロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフ
ルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポ
リクロロトリフルオロエチレン、エチレン−テトラフル
オロエチレン共重合体、低融点エチレン−テトラフルオ
ロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン(PVD
F)、ポリフッ化ビニル、ポリアセタール、ポリアミド
6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド6
12、ポリアミド11、ポリアミド12、共重合ポリア
ミド、ポリアミドMXD6、ポリアミド46、メトキシ
メチル化ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリレー
ト、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエ
ーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリエチレンオ
キサイド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポ
リエチレンナフタレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩
化ビニル(PVC)、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリスチレン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホ
ン、ポリアミンサルホン、ポリパラビニルフェノール、
ポリパラメチルスチレン、ポリアリルアミン、ポリビニ
ルアルコール(PVA)、ポリビニルエーテル、ポリビ
ニルブチラール(PVB)、ポリビニルホルマール(P
VF)、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレン
エーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリブタジエ
ン、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロ
ピレン、ポリメチルペンテン、ポリメタクリル酸メチル
などのアクリル系樹脂、および各種液晶ポリマーなどが
挙げられるが、これらに限定されるものではない。これ
らは単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いても
よい。これらのうち、本発明で使用するブロック共重合
体(A)との相溶性、耐衝撃性、機械特性に優れる点
で、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル系樹脂、ア
クリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル
−ブタジエン−スチレン共重合体、メチルメタクリレー
ト−スチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリエステ
ル系樹脂、およびポリアミド系樹脂からなる群から選ば
れる樹脂が好ましく、さらに、耐候性や透明性に優れる
という点でポリメタクリル酸メチルなどのアクリル系樹
脂がより好ましい。アクリル系樹脂としては、例えば、
ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル−アクリル酸エステル共重合体、
メタクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体、メタク
リル酸エステル−無水マレイン酸共重合体、メタクリル
酸エステル−スチレン共重合体、メタクリル酸エステル
−スチレン−置換マレイミド共重合体、メタクリル酸エ
ステル−置換マレイミド共重合体など挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。これらは単独で用いて
もよく、複数を組み合わせて用いてもよい。これらのう
ち、本発明で使用するブロック共重合体(A)との相溶
性や、ブロック共重合体(A)と組み合わせた時の透明
性等により選択すればよいが、耐候性、透明性、機械特
性、入手性や重合容易性からポリメタクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル−アクリル酸エステル共重合
体が好ましい。入手性や、重合容易性からポリメタクリ
ル酸エステルとしては、ポリメタクリル酸メチルが好ま
しく、メタクリル酸エステル−アクリル酸エステル共重
合体としては、炭素数1〜8のアルキル基を有するメタ
クリル酸アルキルエステル−アクリル酸アルキルエステ
ル共重合体が好ましい。
【0028】前記メタクリル酸アルキルエステル−アク
リル酸アルキルエステル共重合体の共重合形態はランダ
ム共重合体、交互共重合体、枝部および幹部を含有する
櫛形グラフト共重合体、内層部(コア部)および外層部
(シェル部)を含有するコアシェル粒子型グラフト共重
合体、およびアクリル酸エステルとメタクリル酸エステ
ルからなる内層部(コア部)の存在下にアクリル酸エス
テルを含むメタクリル酸エステルを多段階的に追加重合
して得られる共重合体、アクリル酸エステルとメタクリ
ル酸エステルからなる単量体混合物を多段階的にアクリ
ル酸エステルとメタクリル酸エステルの組成を変化させ
ながら追加重合して得られる共重合体(グラジエント共
重合体)、中心部および中間層部および外層部を含有す
る三層粒子型グラフト共重合体、などがあげられる。こ
れらは、単独又は2種以上組み合わせて用いられる。ま
た、これらは組み合わせるブロック共重合体(A)の性
質に応じて用いればよい。
【0029】本発明の被覆フィルムを構成する重合体組
成物は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、必要
に応じて、ブロック共重合体(A)またはそれと熱可塑
性樹脂(B)の他に、他の重合体や安定剤、可塑剤、滑
剤、難燃剤、顔料、充填剤、離型剤、帯電防止剤、抗菌
抗カビ剤などを配合しうる。具体的には、スチレン−ブ
タジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イ
ソプレンゴム(IR)、エチレン−プロピレン共重合ゴ
ム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴ
ム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
ゴム(NBR)、クロロプレンゴム、ブチルゴム(II
R)、ウレタンゴム、シリコーンゴム、多硫化ゴム、水
素化ニトリルゴム、フッ素ゴム、四フッ化エチレン−プ
ロピレンゴム、四フッ化エチレン−プロピレン−フッ化
ビニリデンゴム、アクリルゴム(ACM)、クロロスル
ホン化ポリエチレンゴム、エピクロロヒドリンゴム(C
O)、エチレン−アクリルゴム、ノルボルネンゴム、ス
チレン系熱可塑性エラストマー(SBC)、オレフィン
系熱可塑性エラストマー(TPO)、ウレタン系熱可塑
性エラストマー(TPU)、ポリエステル系熱可塑性エ
ラストマー(TPEE)、ポリアミド系熱可塑性エラス
トマー(TPAE)、1,2−ポリブタジエン系熱可塑
性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー(TPV
C)、およびフッ素系熱可塑性エラストマー等の合成ゴ
ム;トリフェニルホスファイト、ヒンダードフェノー
ル、ジブチル錫マレエートなどの安定剤;パラフィン系
オイル、ポリブテン系オイル、軽油、スピンドル油、マ
シン油、アマニ油、ゴマ油、ヒマシ油、ツバキ油、ジオ
クチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルア
ジペート、トリクレジルホスフェートなどの可塑剤;ポ
リエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、モンタ
ン酸系ワックスなどの滑剤;トリフェニルホスフェー
ト、トリクレジルホスフェート、デカブロモビフェニ
ル、デカブロモビフェニルエーテル、三酸化アンチモン
などの難燃剤;酸化チタン、硫化亜鉛、酸化亜鉛などの
顔料;ガラス繊維、金属繊維、チタン酸カリウィスカ
ー、アスベスト、ウォラストナイト、マイカ、タルク、
炭酸カルシウム、ガラスフレーク、ミルドファイバー、
金属粉末などの充填剤などがあげられる。本発明の金属
板被覆フィルムを重合体組成物で構成する場合、該重合
体組成物を配合し製造する方法としては、特に限定され
ず、バンバリーミキサー、ロールミル、二軸押出機など
の公知の装置を用い、機械的に混合しペレット状に賦形
する方法などの既存の方法を用いることができる。混練
時の温度は、使用するブロック共重合体(A)の溶融温
度などに応じて調整するのがよく、例えば、130〜3
00℃で溶融混練することにより製造できる。
【0030】フィルムの成形には、上記重合体組成物
を、押出し成形、圧縮成形、ブロー成形、カレンダー成
形、真空成形、射出成形などの任意の成形加工法によっ
て成形加工することができるが、製造工程性、コストな
どの点から押出し成形法によりフィルムを成形するのが
好ましい。押出し成形は、Tダイ、リングダイなどの所
望の形状・寸法のダイから溶融押出しし、冷却すること
により行なうことができる。なお、押出しと同時または
押出し後に一軸または二軸方向に延伸することも可能で
ある。
【0031】本発明のフィルムは広く金属板の被覆材と
して使用することができる。金属板は特に限定するもの
ではないが、ブリキ、ティンフリースチールなどの鋼
板、アルミニウム板、銅板、ニッケル板などが挙げられ
る。また、金属板への被覆も片面または両面のいずれで
あってもよい。
【0032】また、本発明の被覆フィルムを金属板へ被
覆した際の被覆膜厚みは、特に制限されないが、1〜3
00μm程度であることが好ましい。1μm未満では耐
衝撃性が不十分となる傾向があり、300μmより厚く
なると経済性が悪くなる。また、金属板への被覆方法
は、特に限定されないが、公知の方法を使用することが
できる。具体的には、(1)本発明の被覆フィルムを製
造するための重合体組成物をTダイス付きの押出し機で
溶融混練してフィルム化し、これを金属板に熱圧着する
方法(この場合、フィルムは無延伸でも、一方向もしく
は二方向に延伸してもよい)、(2)Tダイスから出た
フィルムを直接熱圧着する方法、さらに(3)重合体組
成物を溶融してバーコーダーやロールでコーティングす
る方法、(4)重合体組成物を溶融して金属板を漬ける
方法、重合体組成物を溶解してスピンコートする方法、
などにより金属板に被覆することも可能である。被覆方
法は特に限定されるものではないが、作業効率の点から
上記(1)および(2)の方法が好ましい。
【0033】また、本発明のフィルムを金属板に被覆す
る際には、必要に応じて他の公知の樹脂フィルムを下層
もしくは上層に積層して被覆してもよい。具体的な積層
方法としては、上述の(1)、(2)の方法を使用する場合
は、多層のTダイスを使用して本発明の樹脂フィルムと
他の樹脂フィルムとの多層膜を製造し、それを熱圧着す
る方法がある。また、上述の(3)、(4)、(5)の方法を使
用する場合は、下層のときは他の樹脂を被覆したのちに
本発明の樹脂組成物を被覆し、上層のときはその逆にす
ることにより被覆することが可能である。
【0034】本発明の金属板は本発明のフィルムが被覆
された金属板であり、被覆は片面であっても両面であっ
てもよい。金属板の厚みは特に制限するもではないが、
0.01〜5mmであることが好ましい。0.01mm
未満では強度が発現しにくく、5mm超では加工が困難
である。
【0035】本発明の金属板は本発明のフィルムが金属
板に被覆されていればよく、公知の樹脂製フィルムを本
発明のフィルムの下層もしくは上層に積層して金属板に
被覆していてもよい。また、公知の接着剤を金属板と本
発明の樹脂フィルムとの間に積層することも可能であ
る。接着剤を例示すると、特開昭60−12233号公
報に開示されるポリエステル樹脂系の水系分散剤、特開
昭63−12233号公報に開示されるエポキシ系接着
剤、特開昭61−149341号公報に開示される各種
官能基を有する重合体などが挙げられる。
【0036】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定され
るものではない。
【0037】また、以下の記載における略号BAはアク
リル酸ブチルを、MMAはメタクリル酸メチルを表す。
【0038】製造例1(MMA−BA系ブロック共重合
体) MMA−BA−MMA型ブロック共重合体(A)を得る
ために以下の操作を行った。5lのセパラブルフラスコ
の重合容器内を窒素置換した後、臭化銅11.4g(7
9.3mモル)を量り取り、アセトニトリル(モレキュ
ラーシーブスで乾燥後窒素バブリングしたもの)100
mLを加えた。5分間70℃で加熱攪拌した後、再び室
温に冷却し、開始剤2,5−ジブロモアジピン酸ジエチ
ル5.7g(15.9mモル)、BA 447.0g
(500.0ml)を加えた。80℃で加熱攪拌し、配
位子ジエチレントリアミン1.7ml(7.9mモル)
を加えて重合を開始した。重合開始から一定時間ごと
に、重合溶液からサンプリング用として重合溶液約0.
2mlを抜き取り、サンプリング溶液のガスクロマトグ
ラム分析によりアクリル酸ブチルの転化率を決定した。
トリアミンを随時加えることで重合速度を制御した。B
Aの転化率が90%を超えた時点で、MMA 133
3.2g(1424.3ml)、塩化銅7.8g(7
9.3mモル)、ジエチレントリアミン1.7ml
(7.9mモル)、トルエン(モレキュラーシーブスで
乾燥後窒素バブリングしたもの)1424.3mlを加
えた。同様にして、MMAの転化率を決定した。BAと
MMAの転化率が、目的とする組成比(例えば、BA/
MMA=40/60(wt%)の重合体を得る場合、B
Aの添加率が100%であれば、MMAの添加率が50
%)になるように、トルエン1500mlを加え、水浴
で反応器を冷却して反応を終了させた。反応中常に重合
溶液は緑色であった。反応溶液を活性アルミナで濾過す
ることにより銅錯体を除去した。得られた濾液を多量の
メタノールに加えて重合体を沈殿させ、得られた重合体
を60℃で24時間真空乾燥することにより、以下の実
施例1〜4で使用したブロック共重合体を得た。
【0039】製造例2(MMA−BA系ブロック共重合
体) MMA−BA−MMA型ブロック共重合体(A)を得る
ために以下の操作を行った。5lのセパラブルフラスコ
の重合容器内を窒素置換した後、臭化銅11.3g(7
8.5mモル)を量り取り、アセトニトリル(モレキュ
ラーシーブスで乾燥後窒素バブリングしたもの)180
mLを加えた。5分間70℃で加熱攪拌した後、再び室
温に冷却し、開始剤2,5−ジブロモアジピン酸ジエチ
ル5.7g(15.7mモル)、アクリル酸ブチル80
4.6g(900.0ml)を加えた。80℃で加熱攪
拌し、配位子ジエチレントリアミン1.6ml(7.9
mモル)を加えて重合を開始した。重合開始から一定時
間ごとに、重合溶液からサンプリング用として重合溶液
約0.2mlを抜き取り、サンプリング溶液のガスクロ
マトグラム分析によりアクリル酸ブチルの転化率を決定
した。トリアミンを随時加えることで重合速度を制御し
た。アクリル酸ブチルの転化率が95%の時点で、メタ
クリル酸メチル345.7g(369.3ml)、塩化
銅7.8g(78.5mモル)、ジエチレントリアミン
1.6ml(7.9mモル)、トルエン(モレキュラー
シーブスで乾燥後窒素バブリングしたもの)1107.
9mlを加えた。同様にして、メタクリル酸メチルの転
化率を決定した。メタクリル酸メチルの転化率が85
%、アクリル酸ブチルの転化率が98%の時点で、トル
エン1500mlを加え、水浴で反応器を冷却して反応
を終了させた。 反応中常に重合溶液は緑色であった。
【0040】反応溶液を活性アルミナで濾過することに
より銅錯体を除去した。得られた濾液を多量のメタノー
ルに加えて重合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃
で24時間真空乾燥することにより、以下の実施例5で
使用したブロック共重合体を得た。
【0041】(分子量・分子量分布)クロロホルムを移
動相として、ポリスチレンゲルカラムを使用したGPC
測定を行い、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
【0042】(BAとMMAの組成比(wt%))1H-
NMRにより、ブロック共重合体中のポリアクリル酸ブ
チルとポリメタアクリル酸メチルの重量分率を確認し
た。
【0043】製造例3(MMA-BA系フリーポリマー
およびMMA-BA系コアシェル型グラフト共重合体) 耐衝撃性を向上させるために、メタクリル酸エステル系
樹脂にコアシェル型グラフト共重合体を分散させた重合
体を、下記の操作によって得た。
【0044】攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、モノマ
ー追加装置、還流冷却器を備えた8l重合器に蒸留水2
00重量部、乳化剤としてジオクチルスルホコハク酸ナ
トリウム1.0重量%を加えた後、アクリル酸ブチル8
5重量%及びメタクリル酸メチル15重量%と、架橋性
単量体としてトリアリルイソシアヌレート0.1重量%
を含む単量体混合物30重量部と、これにあらかじめ溶
解させたキュメンハイドロパーオキサイド(0.1重量
%対単量体混合物)を加えて重合器内に注入し、窒素気
流中で攪拌を行いながら重合温度を40℃に設定する。
その後少量の水に溶解したナトリウムホルムアルデヒド
スルホキシレート(0.1重量%対単量体混合物)の溶
液を徐々に加えて重合を開始し、約4時間で添加率が9
5%以上となったので重合を完了した。このようにして
得た架橋弾性体エマルジョンのゲル含量は96.4%、
膨潤度は7.3で、エマルジョンの平均粒子径は145
0Åであった。次に重合温度を80℃に昇温し、メタク
リル酸メチル50重量%及びアクリル酸ブチル50重量
%を含む単量体混合物20重量部と触媒としてキュメン
ハイドロパーオキサイド(0.3重量%対単量体混合
物)を前記単量体混合物に溶解する。これと別にナトリ
ウムホルムアルデヒドスルホキシレート(0.2重量%
対単量体混合物)を少量の水に溶解し、事前に重合器内
に添加しておく。その後、単量体追加ポンプにて窒素気
流中、攪拌下に前記単量体混合物を約2時間で追加して
重合を行った。さらに引き続き、メタクリル酸メチル8
0重量%及びアクリル酸ブチル20重量%と触媒として
キュメンハイドロパーオキサイド(0.3重量%対単量
体混合物)を溶解した単量体混合物50重量部を同じく
追加ポンプで約4時間で追加して重合をおこなった。こ
のようにして得た重合終了液を塩化カルシウム溶液で塩
析し、水洗、乾燥を行い、以下の比較例1で使用した重
合体(B)の乾燥粉末を得た。(架橋弾性体のゲル含有
率)架橋弾性体を100メッシュ金網上に所定量採取
し、メチルエチルケトンに48時間浸漬し、減圧乾燥し
てメチルエチルケトンを除去した後、恒量になった重量
を読みとり、次式により算出した。 ゲル含有率=(ア)×100/(イ) (ア):再乾燥後の重量 (イ):採取サンプルの重
量。
【0045】(ガラス転移温度)「ポリマー・ハンドブ
ック[Polymer Hand Book(J.Bra
ndrup,Interscience,1989]」
に記載されている値(MMA;105℃,BA;−54
℃)をフォックス(Fox)の式を用いて算出した。実
施例及び比較例中の測定、評価は次の条件及び方法を用
いて行った。また、実施例および比較例中にて使用した
重合体は、製造例1〜3に記載した方法にて製造したも
のを用いた。
【0046】フィルム作製は製造例1〜3で得られた重
合体に、安定剤としてイルガノックス1010(チバガ
イギー株式会社製)0.2重量部、チヌビン234(チ
バガイギー株式会社製)2.0部を配合し、設定温度2
30℃で5分間ロール混練した後、得られた混練物を、
設定温度230℃で熱プレス成形することによって得
た。
【0047】(引張り特性)JIS K7133に記載
の方法に準用して、n= 3で測定した値の平均値を採
用した。
【0048】試験片は2(1/3)号形の形状にて、厚
さのみ200〜300μmのフィルム厚のものを用い
た。試験は0℃にて500mm/minの試験速度で行
った。試験片は原則として、試験前に温度23±2℃、
相対湿度50±5%において48時間以上状態調節し、
さらに、0℃にて1時間状態調節したものを用いた。
【0049】(耐白化性)成形したフィルムを前記記載
の引張り試験を行い、引張り試験後の破断部の白化を評
価した。
【0050】(硬度)フィルムの表面硬度をASTM−
D2240記載の方法に準用して、23℃で、タイプD
デュロメーター硬さ試験機を用いて測定した。測定は2
00〜300μm厚さの試験片を積み重ねて、1mm厚
さにして行った。
【0051】(透明性)日本電色工業株式会社製のヘイ
ズメーターを用いて 、常法により、フィルムの全光線
透過率(TT)、曇価(ヘイズ)を測定した。23℃で
測定し、単位は%である。
【0052】(耐エタノール性)フィルムをエタノール
中に5時間浸積し、浸積後のフィルムの白化や膨れ、皺
等を目視にて下記の基準により評価した。 ○;フィルムが白濁または白化しておらず、膨れや皺が
ない。 ×;フィルムが白濁または白化している。または、フィ
ルムに膨れや皺等がある。
【0053】(耐沸騰水性)フィルムを沸騰水中に1時
間浸積した後、水中に5分間浸積した。試験後のフィル
ムの白化や膨れ、皺等を目視にて下記の基準により評価
した。 ○;フィルムが白濁または白化しておらず、膨れや皺が
ない。 ×;フィルムが白濁または白化している。または、フィ
ルムに膨れや皺等がある。
【0054】(防塵性)フィルムの防塵性をフィルムの
タック感(フィルムを指で押さえた際に、指にフィルム
が引っ付くかどうか)にて下記の基準により評価した。 ○;フィルムにタック感がない。 ×;フィルムにタック感がある。
【0055】
【表1】 上記表1(実施例1〜5および比較例1で表わされる)
から明らかなように、実施例に代表される本発明のフィ
ルムは耐候性、成形性、柔軟性、耐衝撃性、防塵性、透
明性、耐エタノール性、耐沸騰水性等に優れ、かつ引張
り時や折り曲げ時(加工時)に白濁や透明度の変化が起
こりにくく、好適に金属板被覆フィルムとして使用する
ことができる。
【0056】
【発明の効果】本発明のフィルムは耐候性、成形性、柔
軟性、耐衝撃性、防塵性、透明性、耐エタノール性、耐
沸騰水性等に優れ、かつ引張り時や折り曲げ時(加工
時)に白濁や透明度の変化が起こりにくく、好適に金属
板被覆フィルムとして使用することができる。また、本
フィルムを被覆した金属板は、上記の特性を有するフィ
ルムを被覆しており、従来困難であった、耐候性、耐衝
撃性、耐白化性を有する金属板として、建築物の内装材
・外装材、電気製品、雑貨、その他各種の分野で広く、
好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 153/00 C09D 153/00 201/00 201/00 // C08L 33:06 C08L 33:06 (72)発明者 日色 知樹 兵庫県明石市茶園場町1−4 Fターム(参考) 4F071 AA33X AA75 AH03 AH12 BA01 BB03 BB04 BB05 BB06 BB07 BB09 BC01 4F100 AB01B AK01A AK25A AK25J AL02A AL05A BA02 BA07 CA30A EH23 GB07 GB48 JB07 JB16A JK01 JK10 JK17 JL00 JL01 JL06 JL09 YY00A 4J026 HA11 HA39 HB11 HB39 HE02 4J038 CB132 CB162 CC052 CD022 CD052 CG141 CG162 CG212 CQ002 CR002 GA02 GA03 GA06 GA07 GA09 GA10 GA12 GA15 JA13 JC13 JC14 JC38 KA03 KA04 MA14 NA01 NA03 NA04 NA05 NA11 NA12 NA13 NA24 PC02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタアクリル酸メチルの単位50〜10
    0重量%およびこれと共重合可能な他のメタアクリル酸
    エステルおよび/または他のビニル系単量体の単位0〜
    50重量%とからなるメタアクリル系重合体ブロック
    (a)とアクリル酸ブチル50〜100重量%およびこ
    れと共重合可能な他のアクリル酸エステルおよび/また
    はビニル系単量体の単位0〜50重量%とからなるアク
    リル系重合体ブロック(b)を含有するブロック共重合
    体(A)を成型してなる金属板被覆用フィルム。
  2. 【請求項2】 ブロック共重合体(A)が、メタアクリ
    ル系重合体ブロック(a)30〜75重量%と、アクリ
    ル系重合体ブロック(b)70〜25重量%からなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の金属板被覆用フィルム。
  3. 【請求項3】 ブロック共重合体(A)が、メタアクリ
    ル系重合体ブロック(a)45〜70重量%と、アクリ
    ル系重合体ブロック(b)55〜30重量%からなるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の金属板被覆用フィ
    ルム。
  4. 【請求項4】 ブロック共重合体(A)が原子移動ラジ
    カル重合により製造されたことを特徴とする請求項1、
    2又は3記載の金属板被覆用フィルム。
  5. 【請求項5】 メタアクリル系重合体ブロック(a)が
    メタアクリル酸メチルからなり、アクリル系重合体ブロ
    ック(b)がアクリル酸ブチルからなるからなる重合体
    ブロックである請求項1、2、3又は4記載の金属板被
    覆用フィルム。
  6. 【請求項6】 ブロック共重合体(A)がトリブロック
    共重合体であることを特徴とする請求項1、2、3、4
    又は5記載の金属板被覆用フィルム。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5又は6記載の
    ブロック共重合体(A)と熱可塑性樹脂(B)を含んで
    なることを特徴とする金属板被覆用フィルム。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の金
    属板被覆用フィルムを単独または他の樹脂組成物を成形
    してなるフィルムおよび/または接着剤と組み合わせ
    て、積層してなることを特徴とする金属板被覆用フィル
    ム。
  9. 【請求項9】 金属板の片面および/または両面に請求
    項8記載の金属板被覆用フィルムを用いて単一層状にま
    たは多層状に金属板に積層してなる被覆金属板。
JP2001149929A 2001-05-18 2001-05-18 金属板被覆用フィルムおよびこれを用いた被覆金属板 Expired - Fee Related JP4733858B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001149929A JP4733858B2 (ja) 2001-05-18 2001-05-18 金属板被覆用フィルムおよびこれを用いた被覆金属板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001149929A JP4733858B2 (ja) 2001-05-18 2001-05-18 金属板被覆用フィルムおよびこれを用いた被覆金属板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002338707A true JP2002338707A (ja) 2002-11-27
JP4733858B2 JP4733858B2 (ja) 2011-07-27

Family

ID=18995039

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001149929A Expired - Fee Related JP4733858B2 (ja) 2001-05-18 2001-05-18 金属板被覆用フィルムおよびこれを用いた被覆金属板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4733858B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007182585A (ja) * 2007-03-19 2007-07-19 Kaneka Corp ラミネートフィルム
WO2010055798A1 (ja) 2008-11-11 2010-05-20 株式会社クラレ 熱可塑性重合体組成物およびそれからなるシート状成形体
WO2012004849A1 (ja) * 2010-07-05 2012-01-12 リケンテクノス株式会社 コーティング組成物および積層体
WO2012017553A1 (ja) * 2010-08-06 2012-02-09 リケンテクノス株式会社 コーティング組成物および積層体
JP2012213911A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Kuraray Co Ltd 複層フィルム

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11349782A (ja) * 1998-06-11 1999-12-21 Kuraray Co Ltd 被覆シート
JP2002060584A (ja) * 2000-08-11 2002-02-26 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd ブロック共重合体を含有するエラストマー組成物
JP2002194167A (ja) * 2000-12-27 2002-07-10 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物を成形してなるフィルムまたはシート

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11349782A (ja) * 1998-06-11 1999-12-21 Kuraray Co Ltd 被覆シート
JP2002060584A (ja) * 2000-08-11 2002-02-26 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd ブロック共重合体を含有するエラストマー組成物
JP2002194167A (ja) * 2000-12-27 2002-07-10 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物を成形してなるフィルムまたはシート

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007182585A (ja) * 2007-03-19 2007-07-19 Kaneka Corp ラミネートフィルム
WO2010055798A1 (ja) 2008-11-11 2010-05-20 株式会社クラレ 熱可塑性重合体組成物およびそれからなるシート状成形体
US8268928B2 (en) 2008-11-11 2012-09-18 Kuraray CC., Ltd. Thermoplastic polymer composition and sheet-like molded article therefrom
WO2012004849A1 (ja) * 2010-07-05 2012-01-12 リケンテクノス株式会社 コーティング組成物および積層体
WO2012017553A1 (ja) * 2010-08-06 2012-02-09 リケンテクノス株式会社 コーティング組成物および積層体
JP2012213911A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Kuraray Co Ltd 複層フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP4733858B2 (ja) 2011-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1398353B1 (en) Thermoplastic resin composition
EP1865009B1 (en) Modified thermoplastic resin
EP1541595A1 (en) Acrylic block copolymer and thermoplastic resin composition
DE69935458T2 (de) Elastomerzusammensetzung und thermoplastische harzzusammensetzung, die diese enthält
JP2000154329A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2003040653A (ja) 合わせガラス用樹脂組成物
JP2007254758A (ja) 枝分かれした重合体の製造方法及び重合体
US20080234433A1 (en) Catalyzed multiple grafting polymerizations
JP2001200026A (ja) ブロック共重合体の製法およびその製法で得られたブロック共重合体
US20080227905A1 (en) Thermoplastic Elastomer Composition
JP2002194167A (ja) 熱可塑性樹脂組成物を成形してなるフィルムまたはシート
JP2002338707A (ja) 金属板被覆用フィルムおよびこれを用いた被覆金属板
JP3976542B2 (ja) ラミネートフィルム
JP2000169659A (ja) エラストマー組成物およびこれを含む熱可塑性樹脂組成物
JP2002060584A (ja) ブロック共重合体を含有するエラストマー組成物
JP2004035721A (ja) 熱伝導性熱可塑性エラストマー組成物および熱伝導性熱可塑性エラストマーシート
US20060183858A1 (en) Acrylic elastomer composition
JP4397270B2 (ja) エラストマー組成物
JP2007182585A (ja) ラミネートフィルム
JP2015157903A (ja) フィルム用成形材料及びフィルム
JP4467384B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2003261734A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP2003277572A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP2000154328A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP4477385B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100625

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100629

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100818

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20100818

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110329

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110425

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140428

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4733858

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140428

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees